JP2757318B2 - エンジンの動弁装置 - Google Patents

エンジンの動弁装置

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JP2757318B2
JP2757318B2 JP1309472A JP30947289A JP2757318B2 JP 2757318 B2 JP2757318 B2 JP 2757318B2 JP 1309472 A JP1309472 A JP 1309472A JP 30947289 A JP30947289 A JP 30947289A JP 2757318 B2 JP2757318 B2 JP 2757318B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、吸気弁,排気弁をカム軸によってロッカア
ーム(揺動部材)を介して弁軸方向に移動させるように
したエンジンの動弁装置に関し、特にロッカアームのア
ジャストスクリュー(押圧部材)を弁の当接面全体に渡
って平均的に当接させることができるようにした弁とア
ジャストスクリューとの配置関係の改善に関する。
〔従来の技術〕
エンジンの動弁装置としては、シリンダヘッドに配置
されたカム軸によってロッカアームを介して弁を軸方向
に移動させる構造が一般的である。このような動弁装置
では、ロッカアームに設けられたアジャストスクリュー
により弁棒の上端の当接面を押圧することとなるが、こ
のアジャストスクリュー側の当接面は一般に球状に形成
されているので、これと弁棒の当接面との接点は、ロッ
カアームの揺動に伴って揺動軸と直角方向に移動する。
従って、動弁装置の設計に当たっては、上記接点の位置
をどのように設定するかが問題となる。従来は、上記接
点とロッカアームの揺動軸とを結ぶ作動直線が、該直線
と弁棒の軸線とが90度をなす基準揺動位置にきた時点
で、上記接点を弁棒の軸線上に位置させるのが一般的で
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで上記基準作動直線と全閉位置作動直線とがな
す閉側揺動角度と、基準作動直線と全開位置作動直線と
がなす開側揺動角度とを同じ角度に設定した場合、つま
り上記基準揺動位置を中心に上,下に振り分けて揺動さ
せた場合は、上述の基準揺動位置にて接点を弁棒の軸線
上に位置させる方法で問題は生じない。
しかしながら設計上の都合により上記閉側揺動角度と
開側揺動角度とを異なる値に設定する場合は、該各角度
の設定如何によっては、アジャストスクリューを弁棒の
当接面全体に渡って平均的に当接させることができなく
なり、上記当接面が偏摩耗する懸念がある。これは特に
小排気量エンジン,あるいは多気筒エンジン等のように
各弁の軸径が小さく、上記当接面の面積が小さい場合に
顕著な問題となる。
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたもので、押
圧部材を弁の当接面全体に渡って平均的に当接させるこ
とができ、該当接面の偏摩耗を防止して耐久性を向上で
きるエンジンの動弁装置を提供することを目的としてい
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、シリンダ軸線と第1傾斜角をなすように配
置され燃焼室に形成された開口を開閉する第1弁と、上
記第1傾斜角より小さい第2傾斜角をなすように配置さ
れ燃焼室に形成された開口を開閉する第2弁と、揺動軸
回りに揺動し上記第1,第2弁をそれぞれの軸線方向に移
動させる揺動部材と、該揺動部材に設けられ上記第1,第
2弁の上端を押圧する第1,第2押圧部材とを備え、上記
揺動部材の全閉位置から全開位置への揺動に伴って上記
第1,第2押圧部材と第1,第2弁の上端との接点が、上記
揺動軸側から反揺動軸側に移動するように構成されたエ
ンジンの動弁装置において、上記第1弁34,36に関し
て、押圧部材と弁の上端との接点と上記揺動軸とを結ぶ
作動直線と上記各弁の軸線とが90度をなす基準揺動位置
における基準作動直線cと全閉位置における作動直線a
とのなす閉側揺動角度θ1を基準作動直線cと全開位置
における作動直線dとのなす開側揺動角度θ2より大き
く設定するとともに、上記基準揺動位置における上記接
点Ts2が該第1弁34,36の軸線Bより反揺動軸側に位置す
るように該第1弁34,36を揺動軸側に偏位させ、上記第
2弁35に関して、基準作動直線bと全閉位置における作
動直線aとのなす閉側揺動角度θ3を基準作動直線bと
全開位置における作動直線dとのなす開側揺動角度θ4
より小さく設定するとともに、上記基準揺動位置におけ
る上記接点Tc2が該第2弁の軸線Aより揺動軸側に位置
するように該第2弁35を反揺動軸側に偏位させたことを
特徴としている。
〔作用〕
第1弁,第2弁の何れにおいても押圧部材と弁棒との
接点が、揺動部材の全閉位置から全開位置への揺動に伴
って基準揺動位置の揺動軸側から反揺動軸側に移動す
る。
この場合に、第1弁側34,36においては、上記基準揺
動位置における上記接点Ts2が弁軸線Bより反揺動軸側
に位置するように該第1弁34,36を揺動軸側に偏位させ
たので、第1押圧部材が第1弁の上端面全体に渡って平
均的に当接する。また第2弁側35においては、上記基準
揺動位置における上記接点Tc2が弁軸線Aより揺動軸側
に位置するように該第2弁35を揺動軸側に偏位させたの
で、第2押圧部材が第2弁の上端面全体に渡って平均的
に当接する。このようにして第1,第2弁の上端面の偏摩
耗を防止できる。
また第1弁と第2弁とを逆方向に偏位させたから両弁
が離間することとなり両弁の開口の間隔を広くでき、該
弁開口回りの剛性を向上できるとともに、燃焼室の天井
壁面の凹凸を減少できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第8図は本発明の一実施例によるSOHCエ
ンジンの動弁装置を説明するための図であり、第1図,
第2図はアジャストスクリューと弁棒との当接状態を模
式的に示す拡大図、第3図はロッカアームと弁棒との関
係を模式的に示す拡大図、第4図,第5図は第6図のIV
−IV線断面図,V−V線断面図、第6図はヘッドカバーを
除去した状態の平面図、第7図は吸,排気通路付近の断
面平面図、第8図は本実施例エンジンを搭載した自動二
輪車の右側面図である。なお、平面図,側面図では図示
右側が車両前方であり、以下、特記なき場合は車両後側
から前方を見た状態で説明する。
図において、1は本実施例エンジンが搭載された自動
二輪車であり、該自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘ
ッドパイプ2aの上部,下部に1本のメインパイプ2b,ダ
ウンチューブ2cの前端を溶接接続し、メインパイプ2bの
後端にリヤパイプ2dの上端を溶接接続したいわゆるダイ
ヤモンド型のものである。なお2gはクランクケースを保
護するアンダーガード、2eはメインパイプ2bとダウンチ
ューブ2cの途中に架け渡されたエンジン懸架用の支持パ
イプ、2fはシートレールである。
上記ヘッドパイプ2aには下端で前輪を軸支する前フォ
ーク3が左右に操向自在に軸支されており、上記リヤパ
イプ2dには後端で後輪4を軸支するリヤアーム5が上下
に揺動自在に軸支されている。またこのリヤアーム5は
図示しないリンク機構及び1本のショックアブソーバ8
を介して上記メインパイプ2bの後端付近に連結されてい
る。なお、6は燃料タンク、7はシート、9aはタンク側
面を覆うエアスクープ、9bはシート下方を覆うサイドカ
バー、9cは車両後部を覆うリヤカバーである。
上記車体フレーム2内にエンジンユニット10が懸架支
持されている。このエンジンユニット10は水冷式4サイ
クル単気筒エンジンであり、クランクケース11の前部上
面にシリンダボディ12,シリンダヘッド13及びヘッドカ
バー14を僅かに前傾させて積層した構造のものである。
上記シリンダヘッド13の下面の略中央には1つの燃焼室
壁面13aが凹設されている。該壁面13aは上記シリンダボ
ディ12のシリンダライナ12a内に摺動自在に挿入された
ピストン(図示せず)の頭部とで燃焼室15を構成する。
上記燃焼室壁面13aの略中央にはプラグねじ孔13bが形成
されており、該プラグねじ孔13bは該シリンダヘッド13,
ヘッドカバー14に形成されたプラグ挿入孔13c,14aによ
ってシリンダ軸線に対して排気側(前側)に傾斜するよ
うに外方に導出されている。また上記プラグねじ孔13b
には点火プラグ16が螺挿されている。
上記シリンダヘッド13の燃焼室壁面13aの上記プラグ
ねじ孔13bを挟んだ一側の周縁には、左,中央,右吸気
弁開口17,18,19が、他側の周縁には左,右排気弁開口2
0,21が形成されており上記プラグ挿入孔13cは上記左,
右排気弁開口20,21間を上方に延びている。また上記左
吸気弁開口17は、後述するカム軸42の軸線と平面視で略
直交するように車両後方に延びる左吸気通路22でシリン
ダヘッド後壁に導出されており、上記中央,右吸気弁開
口18,19は上記カム軸42に対して車幅方向右方に延びる
中吸気通路23a及び略直角に延びる右吸気通路23bによっ
て後方に導出され、該両吸気通路23a,23bの合流通路23
は全体として車幅方向右方に延びている。上記左吸気通
路22,及び合流通路23の後端開口には左,右キャブジョ
イント24,25を介して左,右気化器26,27が接続されてい
る。
また上記左,右排気弁開口20,21は、ハの字状に拡が
りながら車両前方に延びる左,右排気通路28,29によっ
てシリンダヘッド前壁に導出され、該各通路の前端開口
には排気装置30の左,右の排気管31,32が接続されてい
る。この両排気管31,32は上述のダウンチューブ2cの
左,右側方を通った後右側に屈曲され、ここで合流した
後車両後方に延びており、該延長端にはバックステーを
兼ねる消音器33が接続されている。
そして上記左,中央,右吸気弁開口17,18,19にはこれ
を開閉する左,中央,右吸気弁34,35,36の弁板34a,35a,
36aが、上記左,右排気弁開口20,21にはこれを開閉する
左,右排気弁37,38の弁板37a,38aがそれぞれ配置されて
いる。上記各弁34〜38の弁棒34b〜38bは上記各吸気,排
気通路22,23a,23b,28,29の天井壁を貫通して該シリンダ
ヘッド13の合面より上方に突出している。
ここで上記排気弁37,38の弁棒37b,38bは平面から見る
とカム軸42と直角に、つまり相互に平行になっており、
カム軸42方向に見ると前方に同一角度で傾斜して相互に
重なっている。そして該各排気弁37,38は、これの上端
に固着された上ストッパ39とシリンダボディ13のばね座
に配設された下ストッパ40との間に介設された付勢ばね
41によって上記開口20,21を閉じるよう付勢されてい
る。
また上記各吸気弁34〜36の弁棒34b〜36bも平面視でカ
ム軸42と直角をなしており、カム軸方向に見ると左,右
吸気弁34〜36はシリンダ軸線Fと傾斜角θsをなすよう
後方に傾斜して相互に重なっている。なお、この傾斜角
θsは左,右排気弁37,37と略同一である。また中央吸
気弁35の弁棒35bは上記傾斜角θsより小さい傾斜角θ
cをなすよう後方に傾斜しており、つまり左,右吸気弁
34,36に比べてより起立した状態に配置されている。そ
して上記左,右吸気弁34,36の弁棒34b,36bの上端と中央
吸気弁35の弁棒35bの上端とは後述する接点が同一平面
上に位置するようにその高さが設定されており、かつこ
れらの軸線A,Bの交点Cはこれらの弁棒の上端より高所
に位置している。またシリンダ軸方向に見ると、中央吸
気弁35の弁棒35bの上端は左,右の弁棒34b,36bの上端よ
り後方に位置している。また上記各吸気弁34〜36は上,
下ストッパ39,40間に介設された付勢ばね41で閉方向に
付勢されている。
また上記カム軸42は、上記吸気,排気弁間で、かつシ
リンダ軸線Dより吸気弁側にL1だけ偏位した位置を横切
るように配設されている。このカム軸42はその左,右端
部及び中央部がカム軸受で軸支されており、左,右カム
軸受はシリンダヘッド13の合面部に形成された左,右下
軸受13d,13fとヘッドカバー14の合面部に形成された
左,右上軸受(図示せず)とから構成されている。また
上記中央部のカム軸受はシリンダヘッド13の中央に形成
された中央下軸受13eとヘッドカバー14の中央に形成さ
れた中央上軸受14bとから構成されており、この中央上
軸受14bは後述する右吸気ロッカアーム52のボス部52fと
の干渉を避けるためにシリンダ軸線Dから左吸気カム42
b側に距離L2だけ偏位している。なお43は該カム軸42の
左端に固着された駆動スプロケット、44はエンジン始動
時に左排気弁37から圧縮圧力を少し逃がすことによって
始動トルクを軽減するためのデコンプ装置である。
ここで上記左,右,中央カム軸受は2分割型のもので
あり、ヘッドカバー14をシリンダヘッド13に固定するこ
とによって構成されるわけであるが、このヘッドカバー
14とシリンダヘッド13とは、その開口周縁部(合面
部),上記各カム軸受部,及び上記プラグ挿入口13の両
縁部が固定ボルトで固定されている(第6図にハッチン
グを付して示す)。この開口周縁部のうち、排気側部分
については後述するキャップ56,56間の外側に形成され
たフランジ部14gが固定ボルト50aで固定されているのに
対し、吸気側については上記各吸気弁間2ヵ所の内側に
形成されたフランジ部14hが固定ボルト50bで固定されて
いる。なお、この固定ボルト50bは上記キャップ57を外
すと外方に臨むようになっている。また上記固定ボルト
のうち50は上記シリンダヘッドとヘッドカバーとの固定
と後述のロッカ軸回り止めとに兼用されている。但し50
cは回り止め専用ボルトである。
そして上記カム軸42と左,右排気弁37,38との間には
左,右排気ロッカ軸46a,46bがカム軸42と平行に配置さ
れており、上記ヘッドカバー14の内面に一体形成された
軸受部14eで支持され、かつ上記ヘッドカバー固定用ボ
ルト50で回り止めされている。この左,右排気ロッカ軸
46a,46bによって左,右排気ロッカアーム47,48が揺動自
在に軸支されている。該各ロッカアーム47,48の後端に
形成された摺動部47a,48aは上記カム軸42の左,右排気
カム42a,42dに摺接しており、また前端47b,48bに螺挿さ
れたアジャストスクリュー49の球面状に形成された下端
部が上記左,右排気弁棒37b,38bの上端に当接してい
る。
また上記カム軸42と吸気弁34〜36との間には上記左,
右カム軸受に渡る長さの吸気ロッカ軸45がカム軸42と平
行に配置されており、該ロッカ軸45はその両端部及び中
央部がヘッドカバー14に一体形成された軸受部14fで支
持され、かつヘッドカバー固定ボルト50で回り止めされ
ている。そして該ロッカ軸45の上記中央カム軸受より左
側部分に左吸気ロッカアーム51が、右側部分に右吸気ロ
ッカアーム52が揺動自在に軸支されている。上記左吸気
ロッカアーム51の前端に形成された摺動部51aは上記カ
ム軸42の中央カム軸受の左隣に形成された左吸気カム42
bに摺接しており、後端51bに螺挿されたアジャストスク
リュー53の下端は上記左吸気弁棒34bの上端に当接して
いる。また上記右吸気ロッカアーム52の前端に形成され
た摺動部52cは上記カム軸42の中央カム軸受の右隣に形
成された右吸気カム42cに摺接している。この右吸気ロ
ッカアーム52の後半部は中央アーム部52aと右アーム部5
2bとに分岐されており、それぞれの後端部52d,52eに螺
挿されたアジャストスクリュー54,53の球面状に形成さ
れた下端部は中央,右吸気弁棒35b,36bの上端に当接し
ている。ここで上述のようにカム軸方向に見ると上記中
央吸気弁棒35bの上端は左,右吸気弁棒34b,36bの上端と
ロッカ軸fを含む同一平面上に位置し、かつシリンダ軸
方向に見ると後方に位置している。そのためロッカ軸45
から中央吸気弁35用アジャストスクリュー54の上端まで
の平面投影距離l2′は左,右吸気弁34,36用アジャスト
スクリュー53までの平面投影距離1′より長くなって
いる。その結果中央吸気弁35のアーム長(ロッカ軸から
軸線Aまでの垂直距離)l2も左,右吸気弁34,36のアー
ム長1より長くなっている。
また上記ヘッドカバー14の排気弁側には上記左,右排
気弁37,38のアジャストスクリュー49を調整するための
2つの調整口14cが形成されており、これは別個のキャ
ップ56で開閉可能となっている。また吸気弁側には上記
各吸気弁34〜36のアジャストスクリュー53,54を調整す
るための1つの調整口14dが形成されており、これは1
つのキャップ57で開閉可能となっている。
ここで本実施例のアジャストスクリューと吸気弁との
配置関係について第1図〜第3図に沿って詳述する。な
お、弁棒の上端のアジャストスクリューとの当接面は、
一般にアジャストスクリューの球状当接面より大きい曲
率の球状に凹設されているが、理解を容易化するため上
記当接面が平面である状態で説明する。
第3図において、θはロッカアーム51,52の全揺動角
度、a〜dはロッカ軸fと、アジャストスクリューと弁
軸との後述する接点とを結ぶ作動直線であり、a,dはそ
れぞれ吸気弁全閉時,全開時の作動直線を示し、bは作
動直線と中央吸気弁の弁軸Aとがなす作動角度θ′が90
度をなす時点での作動直線を、cは左,右吸気弁の弁軸
Bとの作動角度θ′が90度をなす時点での作動直線を示
す。同図からも明らかなように、本実施例では、左,中
央,右吸気弁34〜36の各接点は上記揺動軸fを含む同一
平面上に位置しており、また各弁34〜36の何れにおいて
も、上記作動角度θ′が90度の位置(基準揺動位置)を
通って揺動するように設定されており、かつ左,右吸気
弁34,36については上記基準揺動位置(作動直線c)よ
り閉側の揺動角度θ1が開側揺動角度θ2より大きく設
定されており、また中央吸気弁35については閉側揺動角
度θ3が開側揺動角度θ4より小さく設定されている。
また上記ロッカアームの揺動に伴ってアジャストスク
リュー53,54の軸線D,Eもθだけ揺動し、本実施例では上
記ロッカアームが基準揺動位置に揺動したとき、上記軸
線D,Eが弁軸B,Aと平行になるように設定されており、従
ってこのアジャストスクリュー53の閉側揺動角度,開側
揺動角度はθ1,θ2となり、またアジャストスクリュー
54についてはそれぞれθ3,θ4となる。そのため第2図
に示すように、アジャストスクリュー53と左,右吸気弁
34,36との接点は、Ts1(全閉時)〜Ts2(アジャストス
クリューと弁棒の上端面とが垂直に当接する基準揺動位
置)〜Ts3(全開時)と変化し、Ts1,Ts3はTs2に対して
それぞれDs1,Ds2だけ偏位することとなる。この場合、
閉側揺動角度θ1が開側揺動角度θ2より大きく設定さ
れていることから、Ds1>Ds2となっている。この偏位量
を吸気弁の軸線Bに対して対称に振り分けるため、本実
施例では該吸気弁34,36の上端を、左,右吸気弁用アジ
ャストスクリュー53の上記基準揺動位置における軸線D
に対してDsだけカム軸直角方向前方(第3図右方)に偏
位させている。なおこの偏位は相対的なものであり、吸
気弁を偏位させる代わりにアジャストスクリュー53を偏
位させても勿論良い。
同様にアジャストスクリュー54と中央吸気弁35との接
点は、第1図に示すように、Tc1〜Tc2〜Tc3と変化し、
閉側揺動角度θ3が開側揺動角度θ4より小さく設定さ
れていることから偏位量はDs1<Ds2となり、これを対称
に振り分けるため、上記中央吸気弁35をカム軸直角方向
後方にDcだけ偏位させている。なおこの場合もアジャス
トスクリュー54をカム軸直角方向前方に偏位させても勿
論良い。
次に本実施例の作用効果について説明する。
本実施例の動弁装置では、カム軸42の回転に伴って、
ロッカアーム51,52が揺動し、これのアジャストスクリ
ュー53,54が左,右吸気弁34,36,中央吸気弁35を同時
に、かつ上記作動角度θ′が鋭角〜直角〜鈍角をなすよ
うに移動させる。まず全閉状態からθ3だけ揺動した時
点で中央吸気弁35の作動角度θ′が直ちに90度となり、
θ1揺動した時点で上記交差角θsとθcとの差角だけ
中央吸気弁に遅れて左,右吸気弁34,36の作動角度θ′
が90度となり、これからさらにθ2だけ揺動した時点で
全開となる。
このように本実施例では、閉側揺動角度θ1が開側揺
動角度θ2より大きく設定された左,右ア吸気弁34,36
については相対的にカム軸直角方向前方に偏位させたの
で、その全閉時の接点Ts1と全開時の接点Ts3とが弁軸B
を中心に対称に振り分けられ、アジャストスクリュー53
を弁棒の当接面全体に渡って平均的に当接させることが
できる。また閉側揺動角度θ3が開側揺動角度θ4より
小さく設定された中央吸気弁35については相対的にカム
軸直角方向後方に偏位させたので、接点の変化量が上記
左,右吸気弁の場合と同様に弁軸Aを中心に対称に振り
分けられ、アジャストスクリュー54を当接面全体に渡っ
て平均的に当接させることができ、偏摩耗を防止でき
る。
また、上記各弁の偏位方向が、左,右吸気弁34,36を
より起立させる方向であり、中央吸気弁35をより倒す方
向であるから、これらの吸気弁がより平行に近くなる。
その結果、燃焼室壁面13aをより球状に近似させること
ができ、燃焼性能を向上できる。
また閉側揺動角度と開側揺動角度とを同一に設定する
必要はないから、それだけアジャストスクリュー53,54
と、各吸気弁34〜36との配置関係上の制約が少なくな
り、設計上の自由度を拡大できる。
また本実施例では、各吸気弁の接点を揺動軸fを含む
同一平面上に位置させるとともに、より起立している中
央吸気弁35の閉側揺動角θ3を開側揺動角θ4より小さ
く設定したので、上記従来の基準揺動位置を中心に上,
下に振り分けた場合に比較して、該中央吸気弁35の基準
揺動位置より上方への揺動高さが低くなり、それだけ動
弁機構の高さ、ひいてはエンジン高さが低くなる。
また何れの吸気弁においても、作動角度θ′が90度を
なす揺動基準位置を通るように揺動角度を設定したか
ら、上記接点における滑り速度の上昇を抑制でき、耐久
性が低下することもない。
なお上記実施例では基準揺動位置においてアジャスト
スクリューの軸線D,Eが弁の軸線A,Bと平行になる場合を
説明したが、この位置において両軸線がある角度をもっ
て交差するようにしてもよい。また各弁の接点が同一平
面上に位置するように弁上端高さを設定したが、これは
異なる高さに設定してもよい。
また上記実施例では吸気弁が3本の場合を説明した
が、本発明は弁の数量に無関係に適用できるものであ
り、また排気弁の場合にも勿論適用できる。
また上記各実施例では、カム軸が1本のSOHCエンジン
について説明したが、本発明はカム軸が2本のDOHCエン
ジンであっても、揺動部材を介して開閉駆動するもので
あれば適用でき、また単気筒エンジンに限らず複数気筒
エンジンにも勿論適用できる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明に係るエンジンの動弁装置によれ
ば、押圧部材と弁棒との接点が、全閉から全開となるに
伴って基準揺動位置の揺動軸側から反揺動軸側に移動す
る場合に、第1弁を、上記基準揺動位置における上記接
点Ts2が弁軸線Bより反揺動軸側に位置するように揺動
軸側に偏位させ、第2弁を、上記基準揺動位置における
上記接点Tc2が弁軸線Aより揺動軸側に位置するように
反揺動軸側に偏位させたので、第1,第2押圧部材が第1,
第2弁の上端面全体に渡って平均的に当接し、該第1,第
2弁の上端面の偏摩耗を防止して耐久性を向上でき、ま
た第1弁と第2弁とを逆方向に偏位させたから両弁が離
間することとなり両弁の開口の間隔を広くでき、該弁開
口回りの剛性を向上できるとともに、燃焼室の天井壁面
の凹凸を減少できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第8図は本発明の一実施例によるSOHCエン
ジンの動弁装置を説明するための図であり、第1図,第
2図はその接点部分を模式的に示す拡大図、第3図はア
ジャストスクリューと弁棒との関係を模式的に示す拡大
図、第4図,第5図はそれぞれ第6図のIV−IV線断面
図,V−V線断面図、第6図はヘッドカバーを除去した状
態の平面図、第7図は吸気,排気通路部分を示す断面平
面図、第8図は該実施例エンジンが搭載された自動二輪
車の右側面図である。 図において、10はエンジン、34,36は左,右吸気弁、35
は中央吸気弁、51,52はロッカアーム(揺動部材)、53,
54はアジャストスクリュー(押圧部材)、A,Bは第2,第
1弁の軸線、Fはシリンダ軸線、fは揺動軸、Dc,Dsは
偏位量、Tc1〜Tc3,Ts1〜TS3は接点、θ1,θ3は閉側揺
動角度、θ2,θ4は開側揺動角度である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ軸線と第1傾斜角をなすように配
    置され燃焼室に形成された開口を開閉する第1弁と、上
    記第1傾斜角より小さい第2傾斜角をなすように配置さ
    れ燃焼室に形成された開口を開閉する第2弁と、揺動軸
    回りに揺動し上記第1,第2弁をそれぞれの軸線方向に移
    動させる揺動部材と、該揺動部材に設けられ上記第1,第
    2弁の上端を押圧する第1,第2押圧部材とを備え、上記
    揺動部材の全閉位置から全開位置への揺動に伴って上記
    第1,第2押圧部材と第1,第2弁の上端との接点が、上記
    揺動軸側から反揺動軸側に移動するように構成されたエ
    ンジンの動弁装置において、上記第1弁に関して、押圧
    部材と弁の上端との接点と上記揺動軸を結ぶ作動直線と
    上記弁の軸線とが90度をなす基準揺動位置における基準
    作動直線と全閉位置における作動直線とのなす閉側揺動
    角度を基準作動直線と全開位置における作動直線とのな
    す開側揺動角度より大きく設定するとともに、上記基準
    揺動位置における上記接点が該第1弁の軸線より反揺動
    軸側に位置するように該第1弁を揺動軸側に偏位させ、
    上記第2弁に関して、基準作動直線と全閉位置における
    作動直線とのなす閉側揺動角度を基準作動直線と全開位
    置における作動直線とのなす開側揺動角度より小さく設
    定するとともに、上記基準揺動位置における上記接点が
    該第2弁の軸線より揺動軸側に位置するように該第2弁
    を反揺動軸側に偏位させたことを特徴とするエンジンの
    動弁装置。
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