JP2756708B2 - 自動調圧弁 - Google Patents

自動調圧弁

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はトンネル、あるいは、建造物などに設置さ
れる消化栓装置等の調圧弁に関するもので、更に述べれ
ば自動的に放水圧を所定圧に調整する自動調圧弁に関す
るものである。
従来の技術 トンネル、あるいは、建造物などの壁面などには消化
装置等、例えば、複数の消火栓装置が配設されている。
この装置には主弁、即ち、消化時放水のために開放さ
れる弁と、該主弁にホース等を介して接続され、かつ、
消化地点まで移動可能なノズルとが備えられているが、
主弁を開くとノズルから放水される消化用液体の放水圧
が高くなりすぎることがある。そのため、ノズル操作者
が振り回されてきわめて危険な状態となる。
そこで、従来、放水圧を調整するため主弁とノズルと
の間に圧力調整弁(調圧弁)を設け、この調整弁の開度
を施工時に同時放水条件下に於いて手動にて放水圧を調
整している。(昭和52年実公第41279号公報参照) 発明が解決しようとする課題 従来例の調圧弁は、施工時に同時放水条件下におい
て、その開度を設定するので、例えば、トンネルの場合
のように3台の消化栓装置を同時放水して調整弁の開度
を設定すると、消火栓装置1台のみの使用時には、放水
圧力が所定放水圧を大きく上回ってしまう。
そのため、ノズル操作に危険が伴うと共に配管ホース
などの耐圧を大きなものとしなければならなくなる。そ
の上、主弁やノズル等を収容する筐体などの強度を高く
しなければならない。
この発明は、上記事情に鑑み自動的に放水圧を所定圧
に調整出来るようにすることである。
課題を解決するための手段 この発明は、液体の入口と出口を備えたボデーに流体
室を形成し、該流体室内に前記入口と連通する調圧室を
設け、該調圧室の排出口へステムに固定した弁体を設
け、該ステムの一端に2次側圧検出用のフラムを固定す
ると共に該フラムに設定圧調整装置を接続し、前記ステ
ムの他端側に前記ステムの一端に設けられたフラムより
受圧面積の小さな小フラムを設けることことにより前記
目的を達成しようとするものである。
作用 設定圧調整装置を操作し、液体の出口からの排水圧が
所定排水圧となるように自動調圧弁を調整する。液体の
入口から消火用液体が供給されると該液体は順次調圧室
と流体室とを通り液体の出口から排水される。
流体室内の圧力が設定圧より高くなると、フラムに作
用する液体の圧力と設定圧調整装置による圧力との押圧
力差分だけステムが摺動するため、弁体は排出口を閉じ
る方向に移動する。そのため、調圧室から流体室への流
量は減少し、流体室内の流体圧は降下するので、液体の
出口からの排水圧は自動的に所定圧になる。
また、前記と逆に流体室の圧力が設定圧より低くなる
と、ステムが前記と逆方向に摺動し、弁体は排出口を開
く方向に移動する。
そのため、調圧室から流体室への流量は増加し、流体
室内の流体圧は上昇するので、液体の出口からの排水圧
は自動的に所定圧になる。
実施例 この発明の実施例を添付図面により説明する。
自動調圧弁5は、第1図に示すように、ボデー6と、
該ボデー6の上部開口部6aを覆うスプリングケース8
と、該ボデー6の下部開口部6bを覆うボンネット9とか
ら構成されている。ボデー6は流体の入口14と出口15を
備えており、また、このボデー6内には、流体室36が形
成されている。流体室36内には、スプール10に囲まれた
貫通路37を有する調圧室11が配設されている。
この調圧室11の入口11aは、流路12を介して流体入口1
4に接続され、また、調圧室11の排出口11bは流路13を介
して流体出口15に連通している。
貫通路37の上端部及び下端部には、内周面を突状に形
成したシート(弁座部)16が夫々設けられている。
このシート(弁座部)16は、シート押え17により押圧
され、また、貫通路37には、離間する受圧面積の等しい
2つの節(弁体)18a、18bを有するステム19が挿入され
ている。
このステム19の上端及び下端には、開口部6a、6bを閉
鎖する2次側圧検出用の大フラム20と小フラム21が設け
られているが、いずれのフラム20、21もステム19に螺着
したフラム受22a、22bと、フラム押え23a、23bにより挟
持されていて、大フラム20は、小フラム21より受圧面積
が大きい。この大フラム20は、設定圧調整装置40に接続
されているが、この装置40は、フラム受22aの上面にス
プリング24を介してスプリング受25を設け、該スプリン
グ受25の溝25aにスプリングケース8に螺着した調整ボ
ルト26の先端26aを当接させている。27は調整ボルト26
を覆うボルトカバー、28は調整ボルト26に螺着したロッ
クナットである。
次に、この実施例の作動に付き説明する。
自動調圧弁5の流体入口14に、給水源と連通する主弁
4の2次側Sを接続し、該弁5の流体出口15にノズルと
連通するパイプPを接続する。
そして、消火栓装置の製作工場などにおいて自動調圧
弁5のボルトカバー27を外して調整ボルト26の押圧力を
予め調整し、ノズルの放水圧力が所定圧力、例えば、3K
g/cm2になるように設定した後、この消火栓装置をトン
ネル等の壁面に設置する。
火災発生時等に操作ハンドル(図示せず)を引くと主
弁4が開き、給水源の消火用液体Aは自動調圧弁5の流
体入口14に圧送される。
該流体入口14に圧送された消火用液体Aは流路12を矢
印A14方向に流れてスプール10から調圧室11に入り、弁
座部16と弁体18a、18bとの隙間を通り排出口11bから流
体室36内に入り、流路13を矢印A15方向に流下し液体出
口15に向かう。
この時、調圧室11内に流入する消火用液体Aは弁体18
a、18bに作用して弁体18aには上向きの力を与え、ま
た、弁体18bには下向きの力を与える。そのため、弁体1
8aと弁体18bとに加わる力は互いに打ち消し合う。
そして、調圧室11の2次側、すなわち、流体出口15側
の流体圧が所定圧力より大きくなると、弁体18aと18bの
閉弁方向に受圧する大フラム20とフラム押え23aが、弁
体18a、18bの開弁方向に受圧する小フラム21とフラム押
え23bより受圧面積が大きく、その面積差分に比例して
閉弁方向の力が大きくなる。
そのため、ステム19はスプリング24の押圧力に抗し矢
印A19方向に移動し、弁体18a、18bは、力がバランスす
る位置、すなわち、第1図の二点鎖線で示す18Aの状態
に収まる。この状態では、弁座部16と弁体18a、18bとの
隙間は小さくなるので、調圧室11の排出口11bからの排
出量は減少する。
そのため、流体室36内の流体圧は降下するので、消火
用液体は所定圧力で液体出口15から排出され、パイプP
を通りノズルから放水される。
また、前記と逆に調圧室11の2次側、すなわち、流体
出口15側の流体圧が所定圧力より小さくなると、ステム
19はスプリング24の押圧力により矢印A19と逆方向に移
動する。
そのため、弁座部16と弁体18a、18bとの隙間は大きく
なるので、調圧室11の排出口11bからの排出量は多くな
る。
従って、流体室36内の流体圧は上昇するので、消火用
液体は調圧され所定圧力で液体出口15から排出され、パ
イプPを通りノズルから放水される。
また、弁座部16の内径を弁体18a、18bの外径より大き
く形成すると、両者間の接合摩擦がなくなり流体室36内
の圧力の変動に対して弁動作の応答が早くできる。
発明の効果 この発明に係る自動調圧弁は、以上のように構成した
ので、流体室内が所定圧力を越えたときには、フラムに
作用する液体の圧力と設定圧調整装置による圧力との押
圧力差分だけステムが閉弁方向に摺動する。
そのため、調圧室の排出口からの流体排出量が減少す
るので、流体室内の流体圧は降下して所定圧力となる。
この自動調圧弁を消火栓装置に適用すると、該自動調
圧弁の1次側の給水圧の変動にかかわらず、その2次側
放水圧を常に所定圧に維持することが出来る。
したがって、従来例と異なり、同時放水される消火栓
装置の台数に関係無く、常に2次側放水圧が一定なの
で、ノズル操作を安全に行うことが出来る。
また、該調圧室の貫通路の両端部に弁座部を形成し、
該貫通路に2つの離間した弁体を有するステムを挿入し
たので、液体入口から調圧室に圧入される流体は、2つ
の弁体に作用し、一方の弁体に開弁方向の力を与え、ま
た、他方の弁体に閉弁方向の力を与えるため、それらの
力は互いに打ち消し合う。
したがって、それらの力はステムの摺動に影響を及ぼ
さないので、該ステムは2つのフラム間の受圧力の差と
設定圧調整装置の、例えば、スプリングの押圧力とによ
ってのみ摺動して弁体を移動させるため、流体室内の圧
力調整を正確に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例を示す縦断面図である。 5……自動調圧弁 6……ボデー 11……調圧室 11b……排出口 14……流体入口 15……流体出口 16……弁座部 18a……弁体 18b……弁体 19……ステム 20……大フラム 21……小フラム 36……流体室 37……貫通路 40……設定圧調整装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体の入口と出口を備えたボデーに流体室
    を形成し、該流体室内に前記入口と連通する調圧室を設
    け、該調圧室の排出口へステムに固定した弁体を設け、
    該ステムの一端に2次側圧検出用のフラムを固定すると
    共に該フラムに設定圧調整装置を接続し、前記ステムの
    他端側に前記ステムの一端に設けられたフラムより受圧
    面積の小さな小フラムを設けたことを特徴とする自動調
    圧弁
  2. 【請求項2】液体の入口と出口を備えたボデーに流体室
    を形成し、該流体室内に前記入口と連通する調圧室を設
    け、該調圧室の貫通路の両端部に弁座部を形成し、該貫
    通路へ2つの離間した弁体を有するステムを挿入し、該
    ステムの一端にフラムを固定すると共に該フラムに設定
    圧調整装置を接続し、前記ステムの他端側に前記ステム
    の一端に設けられたフラムより受圧面積の小さな小フラ
    ムを設けたことを特徴とする自動調圧弁
  3. 【請求項3】弁座部の内径が、弁体の外径よりも大きく
    形成されていることを特徴とする請求項2記載の自動調
    圧弁
  4. 【請求項4】設定圧調整装置が、フラムの押圧力を調整
    するスプリングを備えていることを特徴とする請求項第
    1、第2、または、第3記載の自動調圧弁
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