JP2755077B2 - 遮音性複合床材の製造方法 - Google Patents

遮音性複合床材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の床衝撃音に対
する遮音性能を高める遮音性複合床材を製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートスラブ上に制振性複
合鋼板を接着した遮音性複合床材が知られている。この
複合床材は、制振性複合鋼板を、コンクリートスラブ上
に接着して構成されている。ここで使用される制振性複
合鋼板7は、図5に示すように、下部鋼板22の上に粘
弾性樹脂層3を積層させ、積層された粘弾性樹脂層3の
上部に上部鋼板21を密着させて製造される。粘弾性樹
脂層3と鋼板21,22との間に気泡があると密着力や
振動減衰性能が損なわれるため、気泡が含まれないよう
にしなければならないが、この方法では、粘弾性樹脂層
3を積層する工程と上部鋼板21を密着する工程との2
工程において、鋼板21,22と粘弾性樹脂層3との間
に気泡を巻込みやすい。このため、従来は、工程を入念
におこなって気泡が混入しないようにしなければなら
ず、その結果、制振性複合鋼板7のコストが、普通の鋼
板に比べて約2倍の高価格となっていた。また、図2に
示すように、この制振性鋼板7とコンクリートスラブ1
との複合化は接着剤4の接着によってなされるが、接着
時に制振性鋼板7の下部鋼板面の汚れ除去、脱脂処理な
ど手間のかかる下地処理が不可欠になる。また下部鋼板
部の重量増のため接着作業性も悪くなる。また、接着後
の下部鋼板22の防錆のため接着に先だって、錆止め塗
装やブライマー層5の形成が必要になる。
【0003】そして、得られる遮音性複合床材は振動減
衰能が小さい。すなわち、この遮音性複合床材では、下
部鋼板22とコンクリートスラブ1は一体化して基板と
して働き、上部鋼板21が拘束板として働く。この場
合、基板(コンクリート+下部鋼板)の剛性が上部鋼板
の剛性と等しい時に最大の振動減衰性能が得られるが、
遮音性複合床材では、コンクリート+下部鋼板の剛性が
上部鋼板の剛性に比べて圧倒的に大きいため、得られる
振動減衰能が小さい。なお、従来の制振性複合鋼板で
は、下部鋼板22があるために、上部鋼板を厚くしても
理想的な遮音性能に近い複合床材を得ることが困難であ
る。すなわち、従来方法では、高価な制振性複合鋼板を
必要とし、作業性が悪く繁雑であり、かつ、得られる遮
音性複合床の材振動減衰能が小さい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、工程
が少なくて作業性がよく、その結果製造コストが安く、
しかも得られる遮音性複合床の材振動減衰能が良好な遮
音性複合床材を製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の遮音性複合床材の製造方法は、脱脂した鋼
板の片面に粘弾性樹脂を塗布する工程と、この樹脂を焼
成して樹脂層を形成する工程と、樹脂層を形成した鋼板
を所定の寸法に切断する工程と、上記鋼板の樹脂層面を
コンクリートスラブ上に接着する工程とを具備してい
る。
【0006】さらに、本発明の遮音性複合床材の製造方
法は、脱脂した鋼板の片面に粘弾性樹脂を塗布する工程
と、この樹脂を焼成して樹脂層を形成する工程と、樹脂
層を形成した鋼板を所定の寸法に切断する工程と、樹脂
層に養生膜を貼付する工程と、樹脂層から養生膜を除去
して上記鋼板の樹脂層面をコンクリートスラブ上に接着
する工程とを具備している。
【0007】
【作用】本発明では、まず、鋼板の片面に予め粘弾性樹
脂を塗装する。次いでこの樹脂を焼成して樹脂層を形成
して、塗装鋼板を製造する。つぎに、粘弾性樹脂の表面
に、運搬中の養生処理として、養生膜を貼付しておく。
その後、塗装鋼板の養生膜を除去し、粘弾性樹脂面をコ
ンクリートスラブと接着する。このことにより、鋼板、
粘弾性樹脂層、コンクリートスラブの3層からなる複合
床を構成する。
【0008】鋼板は、例えば、熱延鋼板、ステンレス鋼
板などである。その厚さは、制振性から6mm前後(2
〜7mm)が好適である。すなわち、鋼板の厚さを6m
m前後とすると、鋼板とコンクリートスラグの剛性をほ
ぼ等しくすることができ、理想的な遮音性能に近い複合
床材を得ることができる。また、このように厚い鋼板を
使用すれば、施工性を高めるのに十分な構成強度を鋼板
に付与することができる。この結果、鋼板を所定サイズ
に切断する際に、またハンドリング時に変形が生じるの
を防ぐことができる。
【0009】粘弾性樹脂は、例えば、変性アクリル樹脂
などである。粘弾性樹脂の好適な物性と厚さは、床衝撃
音で問題とされる常温域、63Hzの帯域で、動的ヤン
グ係数の実部と厚さの比が望ましくは1×108 〜1×
1011dyn/cm3 、特に望ましくは1×109 〜1×10
10dyn/cm3 である。また、粘弾性樹脂自体の損失係数
は、望ましくは0.1以上、特に望ましくは0.6以
上、理想として1.0程度である。粘弾性樹脂の厚さを
0.1mm、動的ヤング係数の実部と厚さの比を1×1
8 dyn/cm3 とすれれば、動的ヤング係数の実部の値は
1×10 6 dyn/cm2 となる。動的ヤング係数がこれより
小さくなると、粘弾性樹脂と鋼板およびコンクリート等
との密着力が不足する。また、粘弾性樹脂厚さを0.1
mm、動的ヤング係数の実部と厚さの比を1×1011dy
n/cm3 とすれば、動的ヤング係数の実部の値は1×10
9 dyn/cm2 となる。動的ヤング係数がこれより大きくな
ると、粘弾性樹脂の損失係数が低下する。従って、粘弾
性係数には適度な物性が必要であり、動的ヤング係数の
実部と厚さの比が特に望ましくは1×109 〜1×10
10dyn/cm3 の粘弾性樹脂を用いれば、複合床の振動減衰
性能を効果的に向上させることができる。なお、常温硬
化性制振性を有し、しかもコンクリートと鋼板等を接
着するのに十分な強度を有する樹脂使用すれば、接着
剤を用いずに、この樹脂を用いて鋼板を接着することが
できる。粘弾性樹脂の焼成は、一般に150〜250℃
程度でおこなう。養生膜は、剥離紙、クロス等である。
【0010】コンクリートは、普通コンクリートに限ら
ず、軽量コンクリート、ALC、高強度コンクリート等
任意のものを使用できる。また、鋼板の上表面および下
表面に、必要により錆止め塗装をおこなってもよい。鋼
板の下表面に錆び止め塗装をおこなう場合、錆び止め塗
装後に粘弾性樹脂を塗装する。
【0011】鋼板とコンクリートスラブの位置関係は、
コンクリートスラブが下側で、粘弾性樹脂と鋼板が上側
であっても、逆に、コンクリートスラブが上側で、粘弾
性樹脂と鋼板が下側であってもよい。後者の場合、粘弾
性樹脂を上側にして塗装鋼板を型枠上に敷き並べ、粘弾
性樹脂面に接着剤を塗布してコンクリートを打設して複
合床を施工する。また、上記のように構成した複合PC
板をPC工場で製造し、コンクリート面を上側に、粘弾
性樹脂と鋼板面を下側にして建築現場で形枠として用
い、その上部に現場内コンクリートを打設するハーフP
C床構造に適用してもよい。
【0012】
【実施例】図1は本発明に係る遮音性複合床材の断面
図、図4は塗装鋼板6の断面図である。鋼板2の片面に
粘弾性樹脂を塗装焼成して粘弾性樹脂層3を形成し、こ
の様にして得られた塗装鋼板6(図4参照)を接着剤4
によりコンクリートスラブ1の上に接着している(図1
参照)。
【0013】図1に示す遮音性複合床材において、一辺
が200mm、500mm、1000mmで、粘弾性樹
脂厚0.1mmの正方形状の塗装鋼板(鋼板の厚さ6m
m)と厚さ120mmの普通コンクリートを組合せて、
スパン2mの複合床(本発明の実施例)について振動減
衰性能をそれぞれ計算により求めた。これと比較するた
めに、一辺が200mm、500mm、1000mm
で、粘弾性樹脂厚0.1mmの正方形状の制振鋼板(上
下鋼板の厚さはそれぞれ6mm)と厚さ120mmの普
通コンクリートを組合せて、スパン2mの複合床(従来
例)について、振動減衰性能をそれぞれ計算により求め
た。ここで使用された粘弾性樹脂は、いずれの場合も、
常温で63Hzの動的ヤング係数の実部が8.0×107
dyn/cm2 、損失係数0.86のものとした。これら複合床の
振動減衰性能の比較結果(計算値)を図3に示す。図3
から、本発明の複合床の振動係数は従来例の場合の数倍
向上していることが判る。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、鋼板の片面に粘弾性樹
脂を塗布、焼成し、これをコンクリートスラブに接着し
ただけなので、制振性複合鋼板を使用する場合に比べて
製造プロセスを格段に単純化することができる。従っ
て、製造設備も簡素化して、製造コストを安価とするこ
とができる。また、粘弾性樹脂の樹脂層をコンクリート
スラブと接着するので、鋼板の下地処理が不要となる。
また、下部鋼板がないので、軽量で、接着作業の施工性
がよい。更に、得られた複合床は、振動減衰能が格段に
向上し、高い遮音性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遮音性複合床材の一実施例を示す
断面図。
【図2】従来の遮音性複合床材の一実施例を示す断面
図。
【図3】本発明に係る遮音性複合床材の振動減衰性能を
従来の遮音性複合床材の振動減衰性能と比較して示した
図。
【図4】本発明で適用する塗装鋼板の一例を示す断面
図。
【図5】従来法で適用する塗装鋼板の一例を示す断面
図。
【符号の説明】
1…コンクリートスラブ、2…鋼板、3…粘弾性樹脂
層、4…接着剤、5…プラマー、6…塗装鋼板、7…
制振性複合鋼板、21…上部鋼板、22…下部鋼板、
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 31/06 B32B 31/12 E04F 15/20 B32B 11/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の片面に粘弾性樹脂を塗布する工程
    と、この樹脂を焼成して樹脂層を形成する工程と、樹脂
    層を形成した鋼板を所定の寸法に切断する工程と、上記
    鋼板の樹脂層面をコンクリートスラブ上に接着する工程
    と、を具備した遮音性複合床材の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼板の片面に粘弾性樹脂を塗布する工程
    と、この樹脂を焼成して樹脂層を形成する工程と、樹脂
    層を形成した鋼板を所定の寸法に切断する工程と、樹脂
    層に養生膜を貼付する工程と、樹脂層から養生膜を除去
    して上記鋼板の樹脂層面をコンクリートスラブ上に接着
    する工程と、を具備した遮音性複合床材の製造方法。
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