JP2754186B2 - 単一光吸収体を用いる光記録再生装置および方法 - Google Patents

単一光吸収体を用いる光記録再生装置および方法

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JP2754186B2
JP2754186B2 JP7292050A JP29205095A JP2754186B2 JP 2754186 B2 JP2754186 B2 JP 2754186B2 JP 7292050 A JP7292050 A JP 7292050A JP 29205095 A JP29205095 A JP 29205095A JP 2754186 B2 JP2754186 B2 JP 2754186B2
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至生 村瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度情報記録方
法とそのための装置に関し、さらに詳しくは、いわゆる
波長多重光記録方法とそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光記録方式では、記録媒体の1箇
所に1ビットの情報を記録しているので、情報記録再生
時に集光する光のスポット径で実現できる情報記録密度
が決定される。現行の光記録方式で用いている光のスポ
ット径は、すでに光の回折限界によって決定される程度
の最小径にまで達しているので、従来方式ではこれ以上
飛躍的に情報記録密度を上昇させることは困難であると
されている。
【0003】この様な状況下に、カストロらの米国特許
No. 4,101,976 (1978年7月18日) では、いわゆるホール
バーニング現象を用いて波長多重光記録を行うことによ
り、情報記録密度を飛躍的に増大させることができると
いう可能性が示された。このホールバーニング現象と
は、吸収スペクトル中の特定の波長の光吸収率に鋭い減
少(ホール)を生じる現象をいう。この現象は、光学的
に透明な媒質に取り囲まれて分子状に分散された特定の
光吸収体の吸収スペクトル中の特定の波長の光を照射す
ることにより、その波長の光を吸収する光吸収体のみを
反応させて、別の波長の光を吸収するようにさせること
により起きる。この現象を用いると、照射した光の波長
を、記録媒体がホールとして記憶することができるの
で、特定の波長でのホールの有無を記録ビットの1と0
に対応させることにより、記録媒体の1箇所に多数の情
報を記録することができる(波長多重光記録)。この場
合、1ヵ所に記録する情報の数を多重度と呼び、液体ヘ
リウムの沸点(約4K)程度の極低温下では、この多重
度を1000程度にできるため、将来の超高密度メモリ
−として期待されている。
【0004】ところが、発明者らが、ジャーナル オブ
オプティカル ソサエティ オブアメリカ ビー 第
9巻 998〜1005頁(1992年)などに示した様に、上記
の従来型のホールバーニング記録で十分に記録密度を上
げるためには、1つの光スポット中に存在する光吸収体
の数を107個程度以上として、104個程度の光吸収体
(原子、分子またはイオン)に1ビットの情報を担わせ
る必要がある。このため、分散させる光吸収体の濃度や
光吸収断面積に関して厳しい条件を充足する必要があ
り、適切な材料を見出すことができず、決められた時間
で十分にSN比の良い信号を得るという条件下に高情報
記録密度を達成することは難しかった。
【0005】最近、従来のホールバーニング材料で媒質
中に分散させる光吸収体の濃度を極端に小さくして、光
吸収体1分子からの信号を取り出せることが示された。
すなわち、ネイチャー、355巻、335〜337頁(1992年
1月23日)にあるように、この方法を超高密度記録に応
用するアイデアは既に出されているが、必要とされる信
号を十分高速に取り出す方法については、十分な検討が
なされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速でSN
比の良い信号を得るという実用的な条件を満たし、かつ
超高記録密度を実現するための光記録再生技術を提供す
ることを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々研究を
重ねた結果、記録媒体からの情報信号の再生手段として
新規な方法を採用することにより、上記の課題を解決す
るし得ることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記の光記録再生装
置およびこれを使用する光記録再生方法を提供するもの
である: 1.光学的に透明な媒質に取り囲まれた光吸収体を備え
記録媒体に再生光を照射することにより前記光吸収体
1単位から放射される特定の波長の光の有無を光記録再
生に用いる装置において、放射される光を集光する手段
および集光された光を分光して特定波長ごとに光強度を
検出して記録情報に対応させる手段とを備え、前記再生
光の1つの光スポット中にある前記光吸収体の数を10
〜10 個としたことを特徴とする光記録再生装置。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】2.前記再生光は、1nm以上の波長幅を
有することを特徴とする上記項1に記載の光記録再生装
置。
【0013】3.前記光を集光する手段は、放物面
は記録媒体近傍に配置した平面状の反射層であることを
特徴とする上記項1又は2に記載の光記録再生装置。
【0014】4.前記記録媒体の1箇所に照射する前記
再生光の照射時間が、前記光吸収体の第一電子励起状態
の寿命の400倍以上3000倍以下であることを特徴
とする上記項1から3のいずれかに記載の光記録再生装
置。
【0015】5.前記記録媒体とは屈折率の異なる光学
的に透明な層を前記記録媒体近傍に有することを特徴と
する上記項1から4のいずれかに記載の光記録再生装
置。
【0016】6.光学的に透明な媒質に取り囲まれた光
吸収体を備えた記録媒体に再生光を照射することにより
前記光吸収体1単位から放射される特定の波長の光の有
無を光記録再生に用いる方法において、前記再生光に対
応して放射される光を集光し、集光された光を分光して
特定波長ごとに光強度を検出して記録情報に対応させ
前記再生光の1つの光スポット中にある前記光吸収体の
数を10〜10 個としたことを特徴とする光記録再生
方法。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】7.前記再生光は、1nm以上の波長幅を
有することを特徴とする上記項に記載の光記録再生方
法。
【0021】8.放物面又は記録媒体近傍に配置した
平面状の反射層を光を集光する手段として使用すること
を特徴とする上記項6又は7に記載の光記録再生方法。
【0022】9.前記記録媒体の1箇所に照射する前記
再生光の昭射時間が、前記光吸収体の第一電子励起状態
の寿命の400以上3000位以下であることを特徴と
する上記項6から8のいずれかに記載の光記録再生方
法。
【0023】10.前記録媒体とは屈折率の異なる光学
的に透明な層を前記録媒体近傍に配置することを特徴と
する上記項6から9のいずれかに記載の光記録再生方
法。
【0024】
【発明の実施の態様】以下に、本発明について、詳細に
説明する。
【0025】記録媒体に記録された情報の再生時に十分
なSN比の信号を得るためには、照射する1つの光スポ
ット中に存在する光吸収体の数(光を吸収する原子、分
子またはイオン1個)の統計的な揺らぎを十分に少なく
する必要がある。このため、上記で従来の技術に関連し
て記載した様に、従来は、1つの光スポット中に吸収体
を107個程度存在させる必要があるので、使用できる
材料に対し厳しい条件が求められ、その結果、高密度情
報記録の実現を困難にしていた。
【0026】本発明においては、1つの光スポット中に
存在する吸収体の数を10〜105個程度と多重度と同
程度とし、1ビットの情報を1つの吸収体(光吸収材料
1分子)に担わせるという手段をとる。従って、信号の
有無を記録ビットの0と1とにそれぞれ対応させるとい
う構成において、信号がない場合に対応するフォトンの
数を0にできる。このため、信号検出の際のバックグラ
ウンドが0となってその揺らぎも0にできるという大き
な利点がある。
【0027】本発明においては、記録情報再生時に光吸
収体から放射される蛍光を集光し、集光された光を分光
するという手段を採用する。集光の手段としては、放物
面あるいは平面上に形成した反射層を用いる。これによ
り、1つの光吸収体からの信号を効率よく集めることが
できる。
【0028】さらに、本発明においては、波長幅の広い
光を照射して複数の光吸収体からの情報を含む光を同時
に取り出してから分光し、光強度を検出するという手段
を用いる。これにより、1ビットを再生するための時間
を長くとることが可能になって、SN比を向上させるこ
とができる。一般に、情報記録においては、SN比は2
0程度必要である。光吸収体から放出されるフォトンの
時間的な揺らぎ(ショットノイズ)は、フォトン数の平
方根程度であるので、SN比20を得るためには、40
0個以上のフォトンが放出される必要がある。このた
め、1つの吸収体に再生光を照射する時間を光吸収体の
第一電子励起状態の寿命(縦緩和寿命)の400倍以上
とする手段を採用する。このとき、再生光を照射する時
間が長すぎると、再生の速度が遅くなると同時に、吸収
体が光化学反応を起こす確率も高くなる。このため、再
生光を照射する時間は、第一電子励起状態の寿命(縦緩
和寿命)の3000倍以下とする。さらに、記録媒体近
傍に、屈折率の違う透明層を設けることにより、光を多
重反射させて記録再生の効率を上げることができる。こ
の透明層は、記録媒体を機械的刺激や汚れから保護する
という役割をも併せて果たす。
【0029】
【作用】本発明においては、1つの光スポット内にある
吸収体の数を10〜10 個程一度として多重度とほぼ
等しくすることにより、1つ1つの吸収体からの信号が
波長軸上で重なることを防止し、単一の光吸収体から放
射される信号の有無を1ビットに対応させることによ
り、信号検出時のバックグラウンドの揺らぎを0にし
て、高いSN比の信号を得ることができる。記録媒体と
してホールバーニング現象を示す材料を用い、光吸収体
からの蛍光を集光することにより、このような信号検出
が可能になる。
【0030】
【0031】さらに、1nm以上の広い波長幅を持つ光を
照射し、複数の情報を含む放射光を同時に取り出して波
長毎に強度を検出することにより、1ビットの再生時間
を長くして、SN比を向上させることができる。
【0032】記録媒体近傍に放物面または反射平面を配
置することにより、放射光を効率よく集光することがで
きる。
【0033】再生光照射時間を光吸収体の第一電子励起
状態の寿命の400倍以上3000倍以下とすることに
より、SN比20以上の信号を得るための必要条件を満
たし、かつ再生の速度をあまり落とさずにまた光吸収体
の光化学反応を起こす確率を低くすることができる。さ
らに、記録媒体近傍に配置した屈折率の異なる透明層
は、光を多重反射して、記録再生の効率を上げる作用が
ある。この透明層は、記録媒体を機械的刺激や汚れから
保護するという作用も有する。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、光記録再生技術におい
て、適当に集光された1つの光スポット内からでてくる
複数個の信号を波長毎にわけて光強度を検出することに
より、単一の光吸収体(光を吸収する原子、分子または
イオン1個)からの信号を効率よく集めてディジタル信
号の記録ビットの1と0に対応させることが可能となる
ので、高速でSN比よく再生するという実用的な条件下
に超高情報記録密度を実現できる。特に、本発明におい
ては、1つの光スポット内にある吸収体の数を10〜1
個程度として多重度とほぼ等しくすることにより、
1つ1つの吸収体からの信号が波長軸上で重なることを
防止し、単一の光吸収体から放射される信号の有無を1
ビットに対応させることにより、信号検出時のバックグ
ラウンドの揺らぎを0にして、高いSN比の信号を得る
ことができる。その結果、実用的な条件下で、現在の記
録媒体をはるかに上回る高密度情報記録が実現できる。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照しつつ、実施例に基づいて
本発明をさらに詳細に説明する。
【0036】実施例1 図1は、従来から知られてきたホールバーニング現象を
利用する波長多重光記録技術を示す概念図である。記録
媒体は、透明な媒質中に光吸収材料が分子状に分散され
た材料でできている。光吸収体はどれも同じものである
が、回りの媒質から受ける効果が少しずつ違うために、
吸収波長位置が僅かに異なり、全体として幅を持った吸
収帯を形成する。この吸収帯が全体として滑らかになる
ためには、光スポット中に107個程度の吸収体が存在
する必要がある。この吸収帯中の特定の波長λnの強い
光を照射すると、その光を吸収する吸収体のみが光化学
反応を起こして別の波長の光を吸収するものに変わるた
めに、吸収帯中に鋭い穴があく。これがホールバーニン
グ現象である。この現象を利用して、レーザ光の照射位
置を固定したまま波長を変えることにより、記録媒体の
1箇所に多数の情報を記録することができる。これが、
波長多重光記録である。ところがこの方式において、超
高密度情報記録を実現するためには、分散させる光吸収
体材料の濃度、吸収断面積などに厳しい条件が必要であ
った。
【0037】これに対し、本発明に従って、光スポット
中に存在する光吸収体の数を著しく少なくして、しかも
それぞれの吸収体からの信号を吸光度としてではなく、
放射光強度として測定した結果を図2に示す。この場
合、1つの光スポット中には、10個程度の吸収体が存
在している。λnの放射光を出す吸収体は、λaの強い光
を照射されると放射光波長がλmに変化する。また、こ
の状態で、この吸収体に対しλbの強い光を照射する
と、再び元の吸収位置付近の波長の放射光を出すように
なる。
【0038】本実施例の場合は、ペンタセン (pentacen
e) を光吸収体としてパラターフェニル (para-terpheny
l) 中に分散させた記録媒体を用いた。この材料は、低
温でホールバーニング現象を示すことが知られている。
あらかじめゾーンメルティング法で精製しておいたパラ
ターフェニルを、ブリッジマン法を用いてペンタセンが
混ざった結晶にした。これをめのう鉢ですりつぶし、清
浄な炉に入れて表面に汚れがない石英ガラス基板上に蒸
着させることにより、基板に密着した記録媒体を形成さ
せた。この際、炉の中にわずかにアルゴンガスを導入し
ておくことにより、蒸着条件を制御しやすくなった。な
お、基板としては、石英ガラス以外にも、各種無機ガラ
ス、シリコン、有機樹脂などを使用することができる。
【0039】このようにして基板に密着させた記録媒体
を図3に示す様に、冷却器(クライオスタット)中に配
置し、2K(絶対温度2ケルビン)程度まで冷却した。
これに、ローダミン6Gを入れた色素レーザ(コヒーレ
ント社製)からのレーザー光(発振可能波長570nm〜620
nm)を照射した。この際、主として592nm付近の波長を
使用した。発振波長の時間的な揺らぎを防止するために
は、波長標準器からの光を導入して参照することが有効
であった。この光は、図3に示す様にレンズによって集
光され、記録媒体に照射される。現行の光メモリでは、
光スポット径(直径)は1μm以下である。これに対
し、本実施例では、記録媒体上の光スポット径を2〜1
0μmとした。こうすることにより、レンズを記録媒体
から離して配置することができ、レンズと記録媒体との
間に集光のための放物反射面を容易に設置することがで
きる。さらに、この程度のスポット径にする方が、結果
的に実現できる記録密度を上げるためにも有利となる傾
向が認められた。ペンタセンは、592nm付近の光を吸収
して第一電子励起状態に遷移した後、それよりも波長の
長い(低エネルギーの)光を放射して失活する。放射光
はあらゆる方向に出て行くので、図3に示す様に、入射
光方向に出てきた光を放物反射面により逆方向に平行光
として戻すことにより、信号光強度を上げることができ
る。
【0040】上記の様にして集光された記録再生光をレ
ッドパスフィルタにより短波長成分をカットした後分光
し、CCDアレー(プリンストン インスツルメント社
製)を光検出器として用いて波長毎の光強度を検出し
た。その結果、図2に示した様にペンタセン分子1個毎
からの信号を検出することができた。すなわち、それぞ
れの波長での放射光強度の有無を情報信号の1と0に対
応させることにより、記録された情報の再生が可能であ
る。
【0041】本実施例においては、1つの光スポット中
に存在する光吸収体(ペンタセン分子)の数は約10個
であるので、多重度は10となる。従って、光スポット
径を2μm程度とした場合の記録密度は、250Mb/
cm2となって、現行の光記録の2倍近い記録密度を実
現できる。
【0042】ペンタセン分子の濃度を上げていくと、記
録密度は上げられるものの、情報記録に際しても、情報
再生に際しても、隣の波長との区別が難しくなる。この
ため、温度をさらに下げて、1つ1つの放射光の半値幅
を小さくする必要がある。このようにしても、105
より多くの分子を識別することは難しかった。このた
め、1つの光スポット中にあるペンタセン分子の数を1
0〜105個程度とするのが適当であることが判明し
た。
【0043】実施例2 光吸収体としてテリレン (terrylene) 分子を使用し、
媒質としてポリエチレン (polyethylene) を使用する記
録媒体を用いた。
【0044】記録媒体は、表面を清浄にした石英ガラス
基板上に金を含む反射膜をスパッタリングにより形成
し、その上にテリレンを含む溶融ポリエチレンをスピン
コーティング法により付与し、塗膜として形成した。
【0045】本実施例では、図4に示す構成の装置を用
い、温度2Kで本発明を実施した。すなわち、記録再生
光照射側から見て裏側に、上記で示した過程により、記
録媒体に密着して平面状の金属反射面を設け、記録媒体
からの放射光をすべて反射させる。この様な反射光を記
録媒体直近においた記録再生用レンズと一体となったレ
ンズで集光して平行光とした後、反射鏡およびレッドパ
スフィルタを経て分光し、光検出器アレーへと導く。
【0046】本実施例においては、上記の様な構成をと
ることにより、図3に示す装置において放物反射面を用
いる場合よりも、装置の構成を簡単にできるという利点
が得られる。
【0047】本実施例では、実施例1のパラターフェニ
ルと異なって、ポリエチレンの結晶性が低いため、テリ
レン分子の受ける効果も様々となり、吸収スペクトルの
幅が広がった。このように広がった吸収帯中におよそ1
nmのスペクトル幅を持ったブロードバンドのレーザ光を
照射し、放射光を集光し、分光し、光検出器アレーで受
光して、情報を再生した。
【0048】本実施例によれば、広い波長範囲に広がっ
た情報を一度に取り込むことが可能となる。さらに、広
い波長範囲をレーザ光で走査する必要がなくなるので、
好都合である。これに対し、1nmよりも狭い波長範囲で
は、レーザ光の走査も必要となり、また、たとえ分光し
て取り込んでも、一度に取り込める情報の数も限られて
くる。従って、1nm以上の波長幅を有する再生光を照射
した後に、分光する手段をとるのが有利である。
【0049】実施例3 光吸収体として実施例2と同じテリレン分子を用い、媒
質としてヘキサデカン(hexadecane) を用いて、実施例
2と同様にしてスピンコーティング法により、石英ガラ
ス基板上に記録媒体の膜を形成した。
【0050】装置の構造は、実施例2の場合とほぼ同様
であるが、図4に示す様に、透明保護膜を記録再生光側
の記録媒体直近にとりつけた点で若干異なっている。こ
の透明保護膜は、窒化珪素からなっており、反応性マグ
ネトロンスパッタ法により作製した。窒化珪素膜は、作
製条件により屈折率が変化するが、本実施例では、屈折
率を2.1程度とし、ヘキサデカンの屈折率 約1.5よりも
大きくした。また、窒化珪素の膜厚を数十nmとした。こ
れにより、多重反射が起きて、記録情報再生の効率を上
げることができた。
【0051】テリレン分子の場合、第一電子励起状態の
寿命(縦緩和寿命)は、4ns程度である。このため、第
1電子励起状態に遷移した場合、平均して4nsに1回の
割合で蛍光としてフォトンが放出される。フォトンの放
出は、時間的に一様ではなく、ばらつきを示して、ショ
ットノイズとなる。このノイズは、フォトン数の平方根
程度である。従って、情報記録で必要とされるSN比2
0の信号を得るためには、400個のフォトンが放出さ
れる必要があり、このため、少なくとも1.6μsの間、
再生光を照射する必要があった。さらに、この材料の場
合には、再生光を100μs間照射すると、光吸収材料
であるテリレンが光化学反応を起こしてしまった。この
様なことが起きる確率を十分に低くするためには、再生
光照射時間をおよそ10μs以下とすればよい。これ
は、再生光照射時間を第1電子励起状態の寿命のおよそ
3000倍以下とすることに相当する。この様にするこ
とは、再生速度が遅くなることを防ぐ効果もある。
【0052】実施例1〜3に示す材料以外にも、ホール
バーニング現象を示す物質であれば、上記と同様の記録
再生法を適用することができる。例えば、テトラターシ
ャリーブチルテリレン(tetra-tert-butylterrylene)
などの有機色素をポリイソブチレン(polyisobutylen
e)などの有機非晶質媒質に分散させた系が例示され
る。
【0053】実施例4 ホールバーニング現象を示さない物質を用いて情報を記
録し、再生する場合の実施例を示す。なお、本実施例
は、埃による障害を防ぐため、クリーンルーム内で実施
した。
【0054】水溶性フルオレセイン(2ナトリウムフル
オレセイン、別名ウラニン(uranine)、色素Aとす
る)およびフルオレセインマーキュリックアセテート
(fluorescein mercuric acetate、色素Bとする)の2
ナトリウム置換体の2種の色素をそれぞれの濃度が10
-9mol/lとなるように蒸留水中に溶解させた。次いで、
得られた溶液を表面を清浄にしたシリコン基板上に液滴
状に吹き付け、乾燥して、直径5μm程度の光スポット
中に2種類の色素分子がそれぞれ1個程度入る状態とし
た。この場合、1個の色素分子を取り巻く透明媒質は、
空気である。これらの2種類の色素AおよびBは、波長
490nm付近に2つの吸収帯を作る。
【0055】これらの色素AおよびBに対し波長490nm
付近の強い光を照射すると、その波長に応じて色素Aお
よびBが選択的に光化学反応を起こして、吸収帯がなく
なることが知られている。
【0056】従って、上記で得られた情報記録媒体に対
し室温でスペクトル幅の広い光を照射した後、放射光を
集光し、分光し、特定波長の蛍光の有無を測定して情報
記録の1と0とに対応させることにより、多重光記録が
可能となる。
【0057】本実施例4においては、2種類の色素を用
いて2多重の記録を実現しているが、色素の種類を増や
すことにより、高多重光記録が実現できる。
【0058】また、色素の上には透明な保護膜を配置す
ることにより、クリーンルーム外での実施も可能であ
る。この様な透明保護膜としては、紫外線硬化樹脂など
が挙げられる。この様な保護膜は、紫外線硬化樹脂を色
素が移動しない条件でシリコン基板上にスピンコーティ
ングを行うことにより、形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知のホールバーニング現象を利用した波長多
重光記録を示す概念図である。
【図2】単一光吸収体からの放射光強度と光照射による
放射光波長の移動を示す概念図であり、点曲線は、吸収
体の放射光強度分布を表す。
【図3】本発明による放物反射面を用いた光吸収体から
の放射光の集光手段と分光手段とを示す図面である。
【図4】本発明による平面反射面を用いた光吸収体から
の放射光の集光手段と分光手段とを示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 7/00 G11B 7/24 522 G11C 13/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的に透明な媒質に取り囲まれた光吸収
    を備えた記録媒体に再生光を照射することにより前記
    光吸収体1単位から放射される特定の波長の光の有無を
    光記録再生に用いる装置において、放射される光を集光
    する手段および集光された光を分光して特定波長ごとに
    光強度を検出して記録情報に対応させる手段とを備え、
    前記再生光の1つの光スポット中にある前記光吸収体の
    数を10〜10 個としたことを特徴とする光記録再生
    装置。
  2. 【請求項2】前記再生光は、1nm以上の波長幅を有す
    ことを特徴とする請求項1に記載の光記録再生装置。
  3. 【請求項3】前記光を集光する手段は、放物面状又は記
    録媒体近傍に配置した平面状の反射層であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の光記録再生装置。
  4. 【請求項4】前記記録媒体の1箇所に照射する前記再生
    光の照射時間が、前記光吸収体の第一電子励起状態の寿
    命の400倍以上3000倍以下であることを特徴とす
    請求項1から3のいずれかに記載の光記録再生装置。
  5. 【請求項5】前記記録媒体とは屈折率の異なる光学的に
    透明な層を前記記録媒体近傍に有することを特徴とする
    請求項1から4のいずれかに記載の光記録再生装置。
  6. 【請求項6】光学的に透明な媒質に取り囲まれた光吸収
    を備えた記録媒体に再生光を照射することにより前記
    光吸収体1単位から放射される特定の波長の光の有無を
    光記録再生に用いる方法において、前記再生光に対応し
    て放射される光を集光し、集光された光を分光して特定
    波長ごとに光強度を検出して記録情報に対応させ、前記
    再生光の1つの光スポット中にある前記光吸収体の数を
    10〜10 個としたことを特徴とする光記録再生方
    法。
  7. 【請求項7】前記再生光は、1nm以上の波長幅を有す
    ことを特徴とする請求項に記載の光記録再生方法。
  8. 【請求項8】放物面又は記録媒体近傍に配置した平面
    状の反射層を光を集光する手段として使用することを特
    徴とする請求項6又は7に記載の光記録再生方法。
  9. 【請求項9】前記記録媒体の1箇所に照射する前記再生
    光の照射時間が、前記光吸収体の第一電子励起状態の寿
    命の400以上3000倍以下であることを特徴とする
    請求項6から8のいずれかに記載の光記録再生方法。
  10. 【請求項10】 前記記録媒体とは屈折率の異なる光学
    的に透明な層を前記記録媒体近傍に配置することを特徴
    とする請求項6から9のいずれかに記載の光記録再生方
    法。
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