JP2754087B2 - 導電性塗料組成物 - Google Patents

導電性塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は導電性塗料組成物に関し、より詳しくは部品
を塗料槽に浸漬する際、塗料液面を平にすることによ
り、塗料が均一に部品に付着するようにレベリング性を
改善した塗料組成物に係わる。
〔従来の技術およびその問題点〕 従来、積層セラミックコンデンサ、タンタル固体電解
コンデンサ、チップ抵抗等の小型電子部品の端子電極を
形成するために、銀塗料、銀パラジウム塗料、銅塗料等
の導電性塗料をディップ法等により、電子部品の端子部
分に塗布する方式が利用されている。このような塗布方
式を用いる場合、実際の量産ラインの塗布工程において
は、同時に多数の電子部品の端子部分に塗料を塗布しな
ければならず、塗布前の塗料の液面はできるだけ平であ
ることが望ましい。通常は、塗料の相分離を防ぐため、
撹拌を行っており、塗料のレベリング性が不良であれ
ば、液面にうねりを生じ、多数の部品に同時に均一に塗
料を塗布することは困難となる。しかるに、従来の塗料
が量産工程において、十分満足できる程良好なレベリン
グ性を有していたとは言い難く、従来の電気的特性を維
持しながら、よりレベリング性を向上させ得る導電性塗
料が望まれていた。
本発明は導電性を低下させることなく、レベリング性
を向上させ得る導電性塗料組成物を提供することを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は金属粉、有機バインダーおよび溶剤を含む導
電性塗料組成物において、溶剤成分として2−エチルヘ
キシルアルコール、2−オクチルアルコール、n−オク
チルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコー
ル、ノニルアルコールの群から選ばれる1種以上のアル
コールを他の溶剤と混合して用いることにより、前記問
題点を解決したものである。
〔作用〕
本発明では溶剤成分として、2−エチルヘキシルアル
コール、2−オクチルアルコール、n−オクチルアルコ
ール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコール、ノニル
アルコールの群から選ばれる1種以上のアルコール(以
下、これを本発明必須溶剤という)を他の溶剤と混合し
て用いているため、これらアルコールが塗料の粘度を低
下せしめ、レベリング性を改善するものと思われる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明で使用する金属粉は、一般に導電性塗料に用い
られる導電性良好な金属であればいずれも使用できる。
例えば、Au,Ag,Pt,Pd,Cu,Ni,Al等の1種または2種、あ
るいはこれらの合金、混合物も利用できる。さらにこれ
ら金属または合金を表面に被覆した粉体も使用できる。
その形状は、球状、樹枝状、鱗片状、粒状等のあらゆる
形状のものが含まれる。さらに、比表面積、タップ密
度、粒度分布等の物性も特に限定されない。
本発明で使用する有機バインダーとしては、熱硬化性
樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂と
しては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂と
しては、例えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙
げられる。勿論、これらの2種あるいはそれ以上の混合
物でもよい。
溶剤としては、2−エチルヘキシルアルコール、2−
オクチルアルコール、n−オクチルアルコール、3,5,5
−トリメチルヘキシルアルコール、ノニルアルコールの
群から選ばれる1種以上のアルコールを必須成分とす
る。混合可能な溶剤としては、上記した有機バインダー
としての樹脂の良溶剤であれば、いずれをも使用でき、
例えばメチルカルビトール、n−ブチルセロソルブ、n
−ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。
その他の添加剤として、必要に応じて各種の分散剤、
消泡剤等が使用できる。
上記した、金属粉、有機バインダー、溶剤、その他添
加剤等の割合は、金属粉100重量部に対し、有機バイン
ダー5〜60重量部、本発明必須の溶剤0.1〜50重量部、
その他の溶剤0.1〜50重量部、添加剤等0.01〜2重量部
とする。有機バインダーの量が5重量部を下回ると、導
電性および塗膜強度が低下するようになり、逆に60重量
部を超えると、やはり導電性が低下する。本発明必須の
溶剤の量が0.1重量部を下回ると、レベリング性が悪く
なり、逆に50重量部を超えると、粘度が低下し過ぎ、作
業性も悪化する。その他の溶剤は作業性の良い塗料粘度
に調整するために適当量添加する。実用的には上記に示
した範囲の量とすることが適当である。また、添加剤
(分散剤、消泡剤等)は必要に応じて適当量添加する。
実用的には上記に示した範囲の量とする。
以下に実施例を示す。
〔実施例〕
第1表に示すような配合組成とした実施例1〜8およ
び比較例1〜3の塗料を3本ロールミルで混練して調製
した。これらについて、比抵抗、TI値(チクソトロピッ
ク・インデックス)、付着性を測定した。
比抵抗測定方法 各試料塗料を紙フェノール基板上に200メッシュテト
ロンスクリーンにてスクリーン印刷し、160℃のエアオ
ーブン中で30分間加熱硬化させた後、抵抗を測定し、比
抵抗に換算した。
TI値測定方法 E型粘度計(東京計器製)で測定した10回転での粘度
と1回転での粘度との比で表される。すなわち、TI=1
回転での粘度/10回転での粘度、である。このTI値が大
きい程、チクソトロピック性が大きくなり、レベリング
性が悪くなる。逆に、この値が小さい程、レベリング性
が良くなる。
付着性測定方法 量産テストにおいて、1万個の積層セラミックコンデ
ンサの外部電極として各試料塗料を使用した場合の付着
性の良否を下記の基準で判定した。
良好:99%以上むらなく均一に塗料が付着してい
る。
不良:上記以外の場合。
これらの測定結果を第1表に併記した。第1表より、
実施例1〜7の本発明必須の溶剤成分を含む塗料はいず
れもレベリング性は良好であり、塗料の液面は平(山と
谷のギャップが1mm未満)なものとなった。従って、量
産時の多数の部品が同時に浸漬される場合に、部品間で
付着性のむらは生じなかった。これに対し、比較例1〜
3の塗料はレベリング性が不良のため、塗料の液面にう
ねり(山と谷のギャップが1mm以上)が生じ、多数の部
品を同時に浸漬すると、部品間にむらが生じた。
〔発明の効果〕 以上のような本発明によれば、極めて良好なレベリン
グ性を有する塗料組成物が得られ、積層セラミックコン
デンサ、タンタル固体電解コンデンサ、チップ抵抗等の
小型の電気部品の端子部分等に導電性塗料を塗布する
際、電気特性を維持しながら、付着性に優れ、量産工程
に適したものが得られ、当業界において極めて有用であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉、有機バインダーおよび溶剤を含む
    導電性塗料組成物において、溶剤成分として2−エチル
    ヘキシルアルコール、2−オクチルアルコール、n−オ
    クチルアルコール、3,5,5−トリメチルヘキシルアルコ
    ール、ノニルアルコールの群から選ばれる1種以上のア
    ルコールを他の溶剤と混合して用いることを特徴とする
    導電性塗料組成物。
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