JP2753461B2 - リップパッキン及びシール構造 - Google Patents

リップパッキン及びシール構造

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JP2753461B2
JP2753461B2 JP7134142A JP13414295A JP2753461B2 JP 2753461 B2 JP2753461 B2 JP 2753461B2 JP 7134142 A JP7134142 A JP 7134142A JP 13414295 A JP13414295 A JP 13414295A JP 2753461 B2 JP2753461 B2 JP 2753461B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リップパッキン、及び
リップパッキンを用いたシール構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】流体圧方向切換弁,流体圧シリンダ等の
流体圧機器に設けられるピストンの外周に形成された周
溝には、環状のリップパッキンが嵌着されている。リッ
プパッキンのうちUパッキンを用いた例を図10及び図
11に示す。
【0003】すなわち、Uパッキン41は、基部42
と、該基部42から一方に延びる内周リップ部43と、
前記基部42から同じく一方に延び且つ内周リップ部4
3よりも径の大きな外周リップ部44とから構成されて
いる。これら基部42,内周リップ部43及び外周リッ
プ部44は弾性を有する合成ゴムにより一体形成されて
いる。
【0004】そして、Uパッキン41の自然状態におい
て、その内径、すなわち内周リップ部43の内周側の直
径は、Uパッキン41が装着されるピストン45の周溝
46の底面の直径よりも小さく形成されている。又、U
パッキン41の自然状態において、その外径、すなわち
外周リップ部44の外周側の直径は、Uパッキン41が
摺接する摺動面47(ピストン室の内周面)の直径より
も大きく形成されている。従って、周溝46にUパッキ
ン41が装着された状態では、周溝46の底面46aと
摺動面47との間でUパッキン41が圧縮され、Uパッ
キン41の内外両面にその圧縮に基づく予圧をそれぞれ
与えるようになっている。
【0005】そして、図10に示すように、ピストン4
5に矢印E方向の流体圧が加わると、Uパッキン41の
基部42は周溝側面46bに押圧される。又、同時に内
周リップ部43と外周リップ部44との先端側が互いに
離隔する方向へ押し拡げられるように弾性変形する。そ
の結果、基部42は周溝側面46bに流体圧に基づく圧
力を加えるとともに、内外両リップ部43,44はその
流体圧に基づく圧力を摺動面47及び周溝底面46aに
それぞれ加える。従って、ピストン45の右方の室に供
給された流体圧がUパッキン41により強力に密封され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
においてピストン45に矢印E方向の流体圧が加わる
と、内周リップ部43の先端と周溝底面46aとの間か
ら矢印Fに示すように流体が僅かながらリークする。そ
して、このリークした流体は、内周リップ部43から基
部42の内周側にかけて周溝底面46aとの間に達す
る。
【0007】一方、上述のとおり、基部42は右方の室
に加えられた流体圧に基づいて周溝側面46bに圧接さ
れており、基部42と周溝側面46bとの間も強固にシ
ールされている。
【0008】そのため、ピストン45の右方の室に流体
圧が加わっている場合には、Uパッキン41と周溝46
との間で密閉された圧力空間Kが形成されることとな
る。そして、Uパッキン41の内周リップ部43には右
方から圧力が加わっているため、内周リップ部43には
図10の下側及び左側へ押圧力が作用している。そのた
め、圧力空間Kの内圧は矢印Gで示すように図10の上
方、すなわち放射方向へ作用することとなる。すなわ
ち、圧力空間Kの内圧はUパッキン41の内周側を持ち
上げるよう作用する。
【0009】この圧力空間Kの内圧によって、Uパッキ
ン41が径方向に拡開し、図11に示すように、Uパッ
キン41が周溝46の底面46aから浮き上がる。この
Uパッキン41の浮き上がり現象は、たとえ極微少のリ
ーク量であっても長時間加圧を行えば発生してしまう。
【0010】このUパッキン41の浮き上がり現象が発
生すると、図11に示すように、Uパッキン41の外周
リップ部44及び基部42外周が大きく弾性変形して摺
動面47に広く接触することとなり、Uパッキン41と
摺動面47との接触面積が大きくなる。
【0011】その結果、Uパッキン41から摺動面47
に加えられる垂直抗力(ピストン45の摺動方向に略直
交する方向へ作用する抗力)が大きくなり、ピストン4
5の摺動抵抗が大きくなるため、ピストン45へ流体圧
を加えた際の当該ピストン45の応答性が悪くなる。
【0012】そこで、ピストン45の応答性の悪化を回
避するため、ピストン45の駆動力を大きく設定する方
法が考えられる。しかしながら、ピストン45の駆動力
を大きくするにはピストン45の受圧面積を大きくしな
ければならないため、方向切換弁,シリンダ等の流体圧
機器の製品サイズの大型化につながってしまい、小型化
の要求に応えられない。
【0013】又、上記のとおりUパッキン41に過大な
垂直抗力が作用することで、Uパッキン41の摩耗量が
増大し、Uパッキン41の耐久性を悪化させる原因とも
なっていた。
【0014】本発明は、上記のようにリップパッキンに
存在する特有の課題を解決するためになされたものであ
って、その目的は、リップパッキンの耐久性を向上させ
るとともに、該リップパッキンを使用する製品の小型化
及び応答性の向上を図ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、基部と、基部から延びる
内周リップ部と、基部から延びる外周リップ部とを備え
たリップパッキンであって、該リップパッキンが周溝に
装着された状態で、内周リップ部の先端と周溝底面との
間からリークした流体が、内周リップ部から基部にかけ
て周溝底面との間に達する形状のリップパッキンにおい
て、前記内周リップ部から基部にかけて周溝底面との間
に達した流体を逃がす通路を形成するための凹部又は凸
部を、基部の周溝側面との対向面に設けたものである。
【0016】又、請求項2に記載の発明は、基部と、基
部から延びる内周リップ部と、基部から延びる外周リッ
プ部とを備えたリップパッキンを周溝に装着し、内周リ
ップ部の先端と周溝底面との間からリークした流体が、
内周リップ部から基部にかけて周溝底面との間に達する
シール構造において、前記内周リップ部から基部にかけ
て周溝底面との間に達した流体を逃がす通路を、基部と
周溝側面との対向面間に設けたものである。
【0017】又、請求項3に記載の発明は、請求項2に
記載のシール構造において、前記通路を、基部と周溝側
面との対向面のうち、少なくとも一方の面に形成された
凹部又は凸部により構成したものである。
【0018】又、請求項4に記載の発明は、請求項2に
記載のシール構造において、前記通路を、周溝側面の周
溝底面寄りに開口する貫通孔により構成したものであ
る。
【0019】
【作用】従来の構成では、加圧状態において、内周シー
ル部と周溝底面とが圧接されると共に周溝側面と基部と
が圧接されることにより圧力空間が形成され、その圧力
空間の内圧によってリップパッキンが径方向に拡開し、
周溝底面からの浮き上がり現象が発生する。
【0020】ところが、本発明では、基部と周溝側面と
の対向面のうち少なくとも一方の面に凹部又は凸部を設
けたり、或いは周溝側面の周溝底面寄りに開口する貫通
孔を設ける等の手段により、内周リップ部と周溝底面と
の間の内圧を逃がす通路が形成されている。
【0021】そのため、上記した圧力空間の発生が抑制
され、リップパッキンの径方向への拡開をなくし、リッ
プパッキンの周溝底面からの浮き上がり現象が確実に防
止される。
【0022】その結果、外周リップ部及び基部が大きく
弾性変形して摺動面に広く接触することがなくなり、リ
ップパッキンと摺動面との接触面積が大きくなるのを防
止できる。そして、リップパッキンから摺動面に加えら
れる垂直抗力が小さい状態を維持することができ、摺動
抵抗を小さく抑えることができる。これは、リップパッ
キンの耐久性の向上、及びリップパッキンが装着される
ピストン等の応答性の悪化防止の上で極めて重要であ
る。又、このようにピストン等の応答性の悪化を防止す
ることができるため、ピストンの受圧面積を大きくする
等の製品サイズの大型化につながる対策は不要となり、
製品の小型化に結び付く。
【0023】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1〜図3に従って説明する。
【0024】図3は、パイロット方式の2位置5ポート
タイプのパイロット式流体圧方向切換弁1の断面を示し
ている。この方向切換弁1は、弁本体2及び電磁ソレノ
イド部3から構成されている。弁本体2内にはスプール
室4が形成され、このスプール室4は入力ポートP、出
力ポートA,B及び排気ポートR1,R2にて外部と連
通されている。スプール室4内において、各ポートP,
A,B,R1,R2間にはそれぞれ弁座5が形成されて
いる。スプール室4内には、スプール弁6が左右方向に
移動可能に収容されている。スプール弁6には複数のフ
ランジ状のパッキン装着部7が形成され、各パッキン装
着部7にはその周方向に周溝8がそれぞれ形成されてい
る。各周溝8内には、それぞれ環状のOリング9が装着
されている。各Oリング9は、スプール弁6の往復移動
に伴い前記各弁座5に摺接するようになっている。
【0025】電磁ソレノイド部3には、励磁コイル10
にて駆動されるプランジャ11、及びピストン室12に
収容され前記スプール弁6に連結される断面円形のピス
トン13等が設けられている。ピストン室12には、入
力ポートPに供給される流体の一部がパイロット流体と
して供給されるようになっている。そして、励磁コイル
10が通電されない場合は、プランジャ11がリターン
スプリング14により左側に配置される。この場合、ピ
ストン室12にはパイロット流体が導入されず、ピスト
ン13はリターンスプリング15によりピストン室12
の右端に配置されている。ピストン13がピストン室1
2の右端に配置されている時には、同時にスプール弁6
がスプール室4の右端に位置されるため、入力ポートP
が出力ポートAと、出力ポートBが排気ポートR2と、
それぞれ連通されるようになっている。
【0026】励磁コイル10が通電されると、プランジ
ャ11が左方に突出駆動される。この時、ピストン室1
2の右方にパイロット流体が導入されるため、ピストン
13がピストン室12の左端に移動配置される。従っ
て、スプール弁6がスプール室4の左端に移動配置さ
れ、入力ポートPが出力ポートBと、出力ポートAが排
気ポートR1と、それぞれ連通されるようになってい
る。なお、ピストン室12のピストン13よりも左方の
空間は弁本体に形成された流路を介して大気に連通され
ている。従って、ピストン室12のピストン13よりも
左方の空間は常に大気圧に保持されている。
【0027】図1及び図3に示すように、ピストン13
にはその外周に周溝16が形成されている。この周溝1
6は、底面16aと、側面16bとから構成されてい
る。周溝16にはリップパッキンとしての円環状のUパ
ッキン17が装着されている。すなわち、Uパッキン1
7は、円環状の基部18と、該基部18から一方に延び
る円環状の内周リップ部19と、前記基部18から同じ
く一方に延び且つ内周リップ部19よりも径の大きな円
環状の外周リップ部20とからなり、これら基部18,
内周リップ部19及び外周リップ部20が弾性を有する
合成ゴム(本実施例ではニトリルゴム)により一体形成
されている。
【0028】そして、Uパッキン17の自然状態(非加
圧状態)において、その内径、すなわち内周リップ部1
9の内周側の直径は、ピストン13の周溝16の底面の
直径よりも小さく形成されている。又、Uパッキン17
の自然状態において、その外径、すなわち外周リップ部
20の外周側の直径は、Uパッキン17が摺接する摺動
面21(ピストン室12の内周面)の直径よりも大きく
形成されている。
【0029】従って、周溝16にUパッキン17が装着
された状態では、周溝16の底面と摺動面21との間で
Uパッキン17が圧縮され、Uパッキン17の内外両面
にその圧縮に基づく予圧をそれぞれ与えるようになって
いる。
【0030】図1及び図2に示すように、基部18の周
溝16の側面との対向面には、ピストン13の軸線に対
して放射状に延び、かつ所定間隔をおいて8個の凹部2
2が形成されている。そして、Uパッキン17の凹部2
2と周溝16の側面16bとに囲まれた空間により、通
路Tが形成されている。
【0031】次に、以上のように構成された第1実施例
の作用について説明する。図3は、ピストン室12にパ
イロット流体が供給されていない状態を示しており、こ
の状態では、リターンスプリング15によりスプール弁
6及びピストン13が右端位置に保持されている。この
時、入力ポートPと出力ポートAとが連通されると共
に、排気ポートR2と出力ポートBとが連通されてい
る。
【0032】ここで、スプール弁6を切換えて入力ポー
トPと出力ポートBとが連通されると共に、排気ポート
R2と出力ポートAとが連通される状態とするために励
磁コイル10に通電すると、プランジャ11がリターン
スプリング14の付勢力に抗して左方に突出し、ピスト
ン室12にパイロット流体が供給される。この流体圧に
より、ピストン13がリターンスプリング15の付勢力
に抗して左側に移動し、上記のとおり接続されるポート
が切換えられる。
【0033】ピストン13には、その右側にパイロット
流体圧が加わると共に、その左側は大気圧が加わってい
る。この時のUパッキン17の状態を詳細に説明する。
図1に示すように、Uパッキン17は、矢印E方向から
加わる流体圧により、その基部18が周溝側面16bに
押圧される。又、同時に内周リップ部19と外周リップ
部20との先端側が互いに離隔する方向へ押し拡げられ
るように弾性変形する。その結果、基部18は周溝側面
16bに流体圧に基づく圧力を加えるとともに、内外両
リップ部19,20はその流体圧に基づく圧力を摺動面
21及び周溝底面16aにそれぞれ加える。従って、ピ
ストン13の右方から加えられた流体圧がUパッキン1
7により強力に密封される。
【0034】ピストン13の右方から流体圧が加えられ
ると、図1において矢印Fに示すように内周リップ部1
9の先端と周溝底面16aとの間から流体が僅かながら
リークする。そして、このリークした流体は、内周リッ
プ部19から基部18の内周側にかけて周溝底面16a
との間に達する。
【0035】本実施例では、基部18の周溝側面16b
との対向面に、ピストン13の軸線に対して放射状に延
び、かつ所定間隔をおいて8個の凹部22が形成されて
いる。そして、Uパッキン17の凹部22と周溝側面1
6bとに囲まれた空間により、通路Tが形成されてい
る。
【0036】この通路Tは、前述の内周リップ部19か
ら基部18の内周側にかけて周溝底面16aとの間にリ
ークした流体を、矢印Hで示すように、ピストン13の
左方、すなわち大気圧側へ案内する作用をする。
【0037】そして、従来では、圧力空間K(図10及
び図11参照)の内圧によってUパッキン41を拡開さ
せていたところ、本実施例では、その圧力空間Kに相当
する部位が大気圧と連通しているため、内周リップ部1
9から基部18の内周側にかけて周溝底面16aとの間
は大気圧に保持される。
【0038】その結果、内周リップ部19先端と周溝底
面16aとの間からリークした流体の圧力が、Uパッキ
ン17の内周側を持ち上げるよう作用することはなくな
り、Uパッキン17が径方向に拡開することが防止され
る。又、Uパッキン17の外周リップ部20及び基部1
8外周が、リークした流体の内圧により弾性変形して摺
動面21に広く接触することもない。
【0039】従って、Uパッキン17と摺動面21との
接触面積が大きくなることを未然に防止することができ
ると共に、Uパッキン17から摺動面21に加えられる
垂直抗力が大きくなることも防止することができる。
【0040】その結果、ピストン13の摺動抵抗を小さ
く抑えることができ、ピストン13へ流体圧を加えた際
の当該ピストン13の応答性を向上させることができ
る。又、ピストン13の応答性が良いことから、ピスト
ン13の駆動力を大きく設定する必要がなくなって、ピ
ストン13の受圧面積を小さくすることができるため、
ピストン13及びピストン室12の小型化、ひいては方
向切換弁1の小型化を図ることができる。
【0041】又、上記のとおりUパッキン17に過大な
垂直抗力が作用することはないので、Uパッキン17の
摩耗量が減少し、Uパッキン17の耐久性を向上させる
ことができる。
【0042】更に、本実施例では、リークした流体を大
気に逃がすための通路Tを、Uパッキン17に対し、ピ
ストン13の軸線に対して放射状に延び、かつ所定間隔
をおいて凹部22を設けている。そのため、リークした
流体を複数の通路Tから均等に逃がすことができると共
に、Uパッキン17に偏荷重が加わることがない。
【0043】更に又、凹部22をUパッキン17の製作
の際に一体形成するようにしたので、従来のUパッキン
に比べ、製作が困難になることがない。 (第2実施例)次に、本発明の第2実施例を図4及び図
5に基づいて説明する。なお、本実施例において第1実
施例と同一の構成については同一符号を付し、その説明
を省略する。又、以下の各実施例においても同様に扱
う。
【0044】第2実施例のリップパッキンとしてのUパ
ッキン17は第1実施例とは異なり凹部22が形成され
ていない。そして、周溝16において基部18と対向す
る側面16bには、周溝16の底面16aと外周端とを
連通する凹部31が形成されている。この凹部31は、
周溝側面16bにピストン13の軸線を中心として放射
状に等間隔をおいて8個形成されている。
【0045】従って、この凹部31と基部18とに囲ま
れた空間により、通路Tが形成されている。この通路T
は、内周リップ部19から基部18の内周側にかけて周
溝底面16aとの間にリークした流体をピストン13の
左方、すなわち大気圧側へ案内する。
【0046】この第2実施例においても、第1実施例と
同様の作用及び効果を得ることができるとともに、従来
より存在するUパッキンをそのまま用いることができる
点で汎用性に優れたものとなる。
【0047】(第3実施例)次に、本発明の第3実施例
を図6に基づいて説明する。第3実施例では、第1実施
例においてリップパッキンとしてのUパッキン17に凹
部22を形成するに代え、凸部32が形成されている。
この凸部32もピストン13の軸線に対し放射状に延
び、かつ所定間隔をおいて8個形成されている。
【0048】そして、Uパッキン17の基部18のうち
凸部32が形成されていない部位と周溝側面16bとに
囲まれた空間により、通路Tが形成される。この第3実
施例においても、第1実施例と同様の作用及び効果を得
ることができる。
【0049】(第4実施例)次に、本発明の第4実施例
を図7に基づいて説明する。第4実施例では、第2実施
例において周溝16の側面16bに凹部31を形成する
に代え、凸部33が形成されている。この凸部33も放
射状に延び、かつ所定間隔をおいて8個形成されてい
る。
【0050】そして、周溝16の側面16bのうち凸部
33が形成されていない部分とUパッキン17の基部1
8とに囲まれた空間により、通路Tが形成されている。
この第4実施例においても、第2実施例と同様の作用及
び効果を得ることができる。
【0051】(第5実施例)次に、本発明の第5実施例
を図8に基づいて説明する。第5実施例では、第1実施
例において基部18の周溝側面16bとの対向面に放射
状に凹部22を形成するのに代え、基部18の周溝側面
16bとの対向面に底面16aから前記側面16bの外
端側にかけて二次曲線的に延びる凹部34が形成されて
いる。この凹部34は所定間隔をおいて4個形成されて
いる。
【0052】そして、凹部34と周溝側面16bとに囲
まれた空間により、通路Tが形成されている。この第5
実施例においても、第1実施例と同様の作用及び効果を
得ることができる。
【0053】(第6実施例)次に、本発明の第6実施例
を図9に基づいて説明する。第6実施例では、上記各実
施例のように凹部22,31,34又は凸部32,33
を設けるのに代え、ピストン13に周溝側面16bの底
面16a寄りとピストン13の左側とに連通する貫通孔
35を形成したものである。なお、この貫通孔35は1
つのみ図示されているが、実際には等間隔に8箇所に設
けられている。
【0054】そして、この貫通孔35により、通路Tが
形成されている。この第6実施例においても、第2実施
例と同様の作用及び効果を得ることができる。又、上記
各実施例のように凹部22,31,34又は凸部32,
33を設けるのに比べ製作が容易であり、しかも、既存
のピストンに対しても容易に貫通孔35を施すことがで
きる。
【0055】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、以下のように構成することもできる。 (1)リップパッキン17の基部18又は周溝側面16
bに凸部32,33を一体に形成したものを例示した
が、凸部32,33を別に製作し、接着等によって一体
化させてもよい。
【0056】(2)リップパッキン17の基部18又は
周溝側面16bに形成した凸部32,33,凹部22,
31,34又は貫通孔35の数は前記各実施例のように
4個又は8個設けたものでなくとも1個または複数であ
ればよく、複数設ける場合にも必ずしも等間隔に設ける
必要はない。
【0057】(3)凸部32,33,凹部22,31,
34又は貫通孔35は、Uパッキン17と周溝底面16
aとの間の内圧を逃がすことができればよく、形状は何
でもよい。
【0058】(4)通路Tを形成するために、リップパ
ッキン17の基部18又は周溝側面16bに凸部32,
33,凹部22,31,34又は貫通孔35を設けたも
のを各種例示したが、これ以外に、例えば、リップパッ
キン17の基部18と周溝側面16bとの間に別の部材
を介在させて通路Tを構成してもよい。その別の部材と
しては、例えば筒状に形成されたものや、リップパッキ
ン17の基部18又は周溝側面16bとの協働によって
通路Tを形成し得る非平板状のものが考えられる。
【0059】(5)Uパッキン17の基部18に凹部2
2,34又は凸部32を設けると共に、周溝側面16b
に凹部31,凸部33又は貫通孔35を設ける構成とし
てもよい。
【0060】(6)リップパッキンの一例としてUパッ
キン17についてのみ例示したが、本発明のリップパッ
キンは、一般にVパッキン,Yパッキンと称されている
ものも当然含むものである。
【0061】(7)上記実施例では方向切換弁1内のピ
ストン13に装着するリップパッキン17について例示
したが、方向切換弁1内のスプール弁6に装着されるパ
ッキンについて具体化したり、流体圧シリンダのピスト
ン等のその他の流体圧機器について具体化してもよい。
なお、流体圧としては、空圧を利用したものでも油圧を
利用したものでもよい。
【0062】(8)第2実施例及び第4実施例におい
て、ピストン13の周溝側面16bに設けた凹部31又
は凸部33をその隅部が滑らかな形状となるように構成
してもよい。この構成によれば、凹部31又は凸部33
の隅部によってUパッキン17が傷付くことがなくな
り、その傷によるUパッキン17の破損を未然に防止す
ることができる。
【0063】上記実施例から把握できる請求項以外の技
術的思想について、以下にその効果とともに記載する。 (1)請求項1又は請求項3に記載のリップパッキン又
はシール構造において、凸部を基部と一体に形成した。
この構成によれば、リップパッキンの製作が従来のもの
に比べ複雑になることがない。
【0064】(2)請求項1に記載のリップパッキン又
は請求項3に記載のシール構造において、凹部又は凸部
を所定間隔をおいて複数個設けた。又、請求項4に記載
のシール構造において、貫通孔を所定間隔をおいて複数
個設けた。これらの構成によれば、内周リップ部と周溝
底面との間の内圧を均等に逃がすことができる。
【0065】(3)ボディ内周の摺動面にピストンを摺
動可能とした流体圧機器(方向切換弁,シリンダ等)に
おいて、ピストンの外周に周溝を形成すると共に、該周
溝にリップパッキンを装着し、リップパッキンを基部
と、該基部から延びて少なくとも先端側が周溝底面に圧
接される内周リップ部と、基部から延びて少なくとも先
端側が摺動面に圧接される外周リップ部とから構成し、
内周リップ部と周溝底面との間の内圧を逃がす通路を、
基部と周溝側面との対向面に設けた流体圧機器のシール
構造。この構成によれば、方向切換弁,シリンダ等の流
体圧機器において周溝からのリップパッキンの浮き上が
りを防止することができる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
リップパッキンの耐久性を向上させることができるとと
もに、該リップパッキンを使用する製品の小型化及び応
答性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係り、リップパッキンを
周溝に装着した状態を示す部分断面図
【図2】同じくリップパッキンの斜視図
【図3】同じくパイロット式流体圧方向切換弁の断面図
【図4】第2実施例に係り、リップパッキンを周溝に装
着した状態を示す部分断面図
【図5】同じくピストンの斜視図
【図6】第3実施例に係り、リップパッキンの斜視図
【図7】第4実施例に係り、ピストンの斜視図
【図8】第5実施例に係り、リップパッキンの斜視図
【図9】第6実施例に係り、リップパッキンを周溝に装
着した状態を示す部分断面図
【図10】従来例に係り、リップパッキンを周溝に装着
した状態を示す部分断面図
【図11】同じくリップパッキンを周溝に装着した状態
を示す部分断面図
【符号の説明】
13…ピストン、16…周溝、16a…周溝の底面、1
6b…周溝の側面、17…リップパッキンとしてのUパ
ッキン、18…基部、19…内周リップ部、20…外周
リップ部、21…摺動面、22,31,34…凹部、3
2,33…凸部、35…貫通孔、T…通路。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基部(18)と、基部(18)から延び
    る内周リップ部(19)と、基部(18)から延びる外
    周リップ部(20)とを備えたリップパッキンであっ
    て、該リップパッキンが周溝(16)に装着された状態
    で、内周リップ部(19)の先端と周溝底面(16a)
    との間からリークした流体が、内周リップ部(19)か
    ら基部(18)にかけて周溝底面(16a)との間に達
    する形状のリップパッキンにおいて、前記内周リップ部(19)から基部(18)にかけて周
    溝底面(16a)との間に達した流体 を逃がす通路
    (T)を形成するための凹部(22,34)又は凸部
    (32)を、基部(18)の周溝側面(16b)との対
    向面に設けたことを特徴とするリップパッキン。
  2. 【請求項2】 基部(18)と、基部(18)から延び
    る内周リップ部(19)と、基部(18)から延びる外
    周リップ部(20)とを備えたリップパッキン(17)
    を周溝(16)に装着し、内周リップ部(19)の先端
    と周溝底面(16a)との間からリークした流体が、内
    周リップ部(19)から基部(18)にかけて周溝底面
    (16a)との間に達するシール構造において、前記内周リップ部(19)から基部(18)にかけて周
    溝底面(16a)との間に達した流体 を逃がす通路
    (T)を、基部(18)と周溝側面(16b)との対向
    面間に設けたことを特徴とするシール構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシール構造において、
    前記通路(T)を、基部(18)と周溝側面(16b)
    との対向面のうち、少なくとも一方の面に形成された凹
    部(22,31,34)又は凸部(32,33)により
    構成したことを特徴とするシール構造。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のシール構造において、
    前記通路(T)を、周溝側面(16b)の周溝底面(1
    6b)寄りに開口する貫通孔(35)により構成したこ
    とを特徴とするシール構造。
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