JP2752887B2 - ディジタル測長器 - Google Patents

ディジタル測長器

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JP2752887B2 JP17371193A JP17371193A JP2752887B2 JP 2752887 B2 JP2752887 B2 JP 2752887B2 JP 17371193 A JP17371193 A JP 17371193A JP 17371193 A JP17371193 A JP 17371193A JP 2752887 B2 JP2752887 B2 JP 2752887B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定値をディジタル表
示するノギス,マイクロメータ,ハイトゲージ等のディ
ジタル測長器に係り、特にプリセット機能を有するディ
ジタル測長器に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル測長器は他のあらゆる測定器
と同様、測定前に基準合わせ、いわゆるプリセットが必
要である。このため従来のディジタル測長器では例え
ば、プリセットのために置数用のキーと桁移動用のキー
が設けられ、またLCD等の表示器には各桁の下部に置
数を行う桁を指示するためのカーソルが用意される。そ
して、置数用のキーと桁移動用のキーを用いて、各桁毎
に順次置数することより、プリセット値が設定される。
しかしこの従来方式は、プリセットのために二つのキー
を必要とするため、小型のハンドツールには不向きであ
り、操作性も悪い。またコストも高くなる。
【0003】これに対して、置数用のキーと桁移動用の
キーを一つのプリセット用キーにまとめて、この一つの
キー操作でプリセットを可能としたものも作られてい
る。この場合、キーを押す時間の長さにより置数と桁移
動の区別が行われる。例えばある定められた時間以上キ
ーを押すことにより、桁移動が行われ、短時間のキー操
作で置数が行われる。この方式は、キーの数が減るとい
う利点はあるが、一桁ずつ置数を行うことは先の従来例
と変らず、従ってキーを押す回数は多く、プリセット操
作は相変わらず面倒であり、時間もかかる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のプ
リセット機能つきディジタル測長器は、プリセットの操
作性が悪いという問題があった。本発明は、このような
事情を考慮してなされたもので、プリセットの操作性に
優れたディジタル測長器を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、測定値をディ
ジタル表示するためのエンコーダ,計数回路及び表示器
を有するディジタル測長器であって、測長器移動方向を
検出する検出手段と、通常の測定動作と同様の操作を行
って前記検出手段により第1方向の移動が検出されたと
きに、前記計数回路の出力データに応じて、置数される
べき桁を指定する桁指定手段と、通常の測定動作と同様
の操作を行って前記検出手段により第2方向の移動が検
出されたときに、前記計数回路の出力データに応じて、
前記桁指定手段により指定された桁に所定の値を置数す
る置数手段とを有することを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明による測長器では、プリセットは通常の
測定動作と同様の操作により行われる。プリセットモー
ドでは測長器の移動方向が検出され、その移動方向に応
じて置数すべき桁の指定と置数とが区別されて、内部計
数回路の出力データに応じて桁指定と置数とがなされ
る。即ち本発明でも1桁ずつ置数されるが、キー操作に
よる置数ではなく、内部計数回路の出力データを利用し
ているため、多数回のキー操作を繰り返して一桁毎に置
数する従来方式に比べて、ディジタル測長器のプリセッ
ト操作が簡単になり、短時間でプリセットができる。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。図1は、本発明の一実施例のディジタルマイク
ロメータの外観図であり、図2はそのブロック構成図で
ある。図1に示すように、マイクロメータ表面にはキー
スイッチとして、プリセット用キー11、ゼロリセット
用キー12及びホールド用キー13が設けられ、またそ
の上部に測定値をディジタル表示するLCD表示器14
が嵌め込まれている。プリセット用キー11は従来方式
のように置数を行うためのものではなく、プリセット動
作のデータ処理の流れを制御するために設けられてい
る。シンブル15を回転操作することにより、スピンド
ル16が直線移動する。
【0008】測定回路は、図2に示すように、シンブル
15の回転によるスピンドル16の移動距離に応じてパ
ルスを発生するエンコーダ21、このエンコーダ21の
出力をカウントする計数回路22、演算処理その他シス
テム全体の制御を行うCPU23、制御用データ等を固
定的に記憶するROM25、信号処理のために一時的に
データを記憶するためのRAM24等を有する。電源電
池としては、通常のバッテリー又はソーラーバッテリー
(図示しない)が用いられる。
【0009】この実施例のマイクロメータでの電池投入
時のプリセットモードの動作を図3及び図4を参照して
説明する。プリセットモードでは、メータの移動方向
(即ちシンブル15の回転方向、又はスピンドルの移動
方向)が検出され、その移動方向に応じて、第1の方向
の場合に置数を行うべき桁の指定と桁移動が行われ、第
2の方向の場合に指定された桁への置数が行われる。具
体的にマイクロメータの測定範囲を例えば、125〜1
50mmとし、プリセット値125.005mmを設定する
場合を説明する。
【0010】図3に示すように電池を投入し(S1)、
電源がオンする(S2)ことにより、自動的にプリセッ
トモードに入る。電源オンにより図4に示すように表示
器は点灯して、プリセットモードである旨を示す「P」
を数字の上部に点滅表示し、カーソルが符号桁に点灯し
て、初期値「000.000」を表示する(S3,S
4)。その後シンブル15の反時計周りの回転操作で置
数すべき桁の選択が行われる。例えば、図5に示すよう
にシンブル15の1/4回転程度でカーソルが1桁右方
向に移動し、引き続き1/4回転程度回転すると更に1
桁右方向に移動する。1桁目の次は再度符号桁に戻ると
いうカーソルの移動制御がなされる。
【0011】このカーソル移動による桁選択の具体的な
制御は、図3に示すように、シンブル15の回転操作に
よるスピンドル16の移動を検出し(S5)、移動方向
を検出して(S6)、移動方向が第1方向(+方向)で
ある場合にカウント値と移動距離データとの比較を行っ
て(S7)、それがある範囲を超えたか否かを判定し
(S8)、定められた範囲を超えた場合にカーソルを1
桁移動する(S9)、という動作になる。図4では、1
/4回転でカーソルを6桁目に移動させた状態を示して
いる。
【0012】こうしてカーソルが6桁目に移動した状態
で、今度は、シンブル15を時計周りに回転させて置数
を行う。このとき例えば、図6に示すように、1/4回
転でカーソルで指定された桁の値が1ずつインクリメン
トするようにようになっている。この置数制御は、具体
的にはシンブル15の回転操作によるスピンドル16の
移動を検出し(S5)、移動方向を検出して(S6)、
移動方向が第2方向(−方向)である場合にカウント値
と移動距離データとの比較を行って(S10)、それが
ある範囲を超えたか否かを判定し(S11)、定められ
た範囲を超えた場合に置数値をインクリメントする(S
12)、という動作になる。
【0013】以上のような動作で、図4に示すように6
桁目には1を置数する。以下同様の操作で、シンブルの
反時計方向回転と時計方向回転を交互に繰り返して、桁
移動と置数を繰り返すことにより、図4に示すように
「125.005」を置数することができる。その後プ
リセット用キー11を押す。このキー操作を検出すると
(S13)、置数値が決定され(S14)、カーソルが
消灯し(S15)、その後表示値がホールドされて
「P」表示が点滅から連続点灯に変わる(S16)。
【0014】この状態で次に、図4に示すように基準棒
を挟み込み、再度プリセット用キー11を押すことによ
り(S17)、プリセットが完了して「P」が消灯し
(S18)、通常カウントモードに入って(S19)、
自動プリセットモードが終了する。
【0015】以上のようにこの実施例によれば、一つの
プリセット用キーの操作は処理流れを切り換えるための
2回のみであり、シンブルを回すという測定と同様の操
作により、その回転方向に応じて桁選択と置数を区別し
て、非常に簡単にプリセット値の置数ができる。
【0016】この実施例ではまた、次に説明するように
プリセット値の変更ができるようになっている。図7及
び図8は、2回目以降のプリセット動作の流れを示して
いる。図7では、プリセット値「125.005」を
「125.008」に変える場合を例示している。図8
に示すように、通常カウントモードにあって(S2
1)、プリセット用キー11を押すと、これが検出され
て(S22)、プリセットモードに入る。これにより、
先のプリセットと同様に、表示器14ではプリセットモ
ードであることを示す「P」表示の点滅が開始すると共
にカーソルが符号桁に点灯し(S23)、前回値がオー
トリコールされて前回プリセット値が表示される(S2
4)。
【0017】この状態で先のプリセットモードと同様
に、シンブル15の反時計方向回転によるカーソル選択
が行われる。即ちシンブル15の回転操作によるスピン
ドル16の移動検出(S25)、移動方向検出(S2
6)、カウント値と移動距離データとの比較(S2
7)、それがある範囲を超えたか否かの判定(S2
8)、定められた範囲を超えた場合のカーソルの表示桁
移動(S29)、という動作により、カーソル位置が選
択される。この実施例の場合図7に示すように、カーソ
ルは1桁目に移動させる。
【0018】カーソルが1桁目に移動した状態で、シン
ブル15を今度は時計周りに回転させて置数を行う。こ
の場合も1/4回転でカーソルで指定された桁の値が1
ずつインクリメントするようにようになっている。この
置数制御も先のプリセットの場合と同様に、スピンドル
16の移動検出(S25)、移動方向検出(S26)、
カウント値と移動距離データとの比較(S30)、それ
がある範囲を超えたか否かの判定(S31)、定められ
た範囲を超えた場合の置数値のインクリメント(S3
2)、という動作になる。この動作により、図7に示す
ように1桁目に8が置数される。
【0019】その後プリセット用キー11を押す。この
キー操作を検出すると(S33)、置数値が決定され
(S34)、カーソルが消灯し(S35)、その後表示
値がホールドされて「P」表示が点滅から連続点灯に変
わる(S36)。この状態で次に、図7に示すように基
準棒を挟み込み、再度プリセット用キー11を押すこと
により(S37)、プリセットが完了して「P」が消灯
し(S38)、通常カウントモードに入って(S3
9)、自動プリセットモードが終了する。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、通常
の測定動作と同様の操作で、且つ測長器移動方向に応じ
て置数すべき桁の選択と置数を行うようにして、プリセ
ットの操作性を改善したディジタル測長器を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るマイクロメータの外
観図である。
【図2】 同実施例のマイクロメータのブロック構成図
である。
【図3】 同実施例のマイクロメータの初期プリセット
動作を説明するための流れ図である。
【図4】 同じく初期プリセット動作制御の流れを示す
図である。
【図5】 シンブルの+回転によるカーソル移動の様子
を示す図である。
【図6】 シンブルの−回転による置数値選択の様子を
示す図である。
【図7】 2回目以降のプリセット動作を説明するため
の図である。
【図8】 同じく2回目以降のプリセット動作制御の流
れを示す図である。
【符号の説明】
11…プリセット用キー、12…ゼロリセット用キー、
13…ホールド用キー、14…LCD表示器、15…シ
ンブル、16…スピンドル、21…エンコーダ、22…
計数回路、23…CPU、24…RAM、25…RO
M。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/00 - 21/32 G01B 3/18 G01B 5/00 - 5/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定値をディジタル表示するためのエン
    コーダ,計数回路及び表示器を有するディジタル測長器
    であって、 測長器移動方向を検出する検出手段と、 通常の測定動作と同様の操作を行って前記検出手段によ
    り第1方向の移動が検出されたときに、前記計数回路の
    出力データに応じて、置数されるべき桁を指定する桁指
    定手段と、 通常の測定動作と同様の操作を行って前記検出手段によ
    り第2方向の移動が検出されたときに、前記計数回路の
    出力データに応じて、前記桁指定手段により指定された
    桁に所定の値を置数する置数手段と、を有することを特
    徴とするディジタル測長器。
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