JP2751934B2 - ビタミンb▲下1▼▲下2▼およびその誘導体の分離回収方法 - Google Patents

ビタミンb▲下1▼▲下2▼およびその誘導体の分離回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ビタミンB12およびその誘導体の生産を目
的として培養した微生物の培養液から、ビタミンB
12(以下VB12と略記する)およびその誘導体を分離精製
して回収する方法に関する。
<従来の技術> VB12は核酸代謝、蛋白質代謝、脂質代謝および炭水化
物の代謝において必須の因子であることがよく知られて
おり、VB12欠乏症のほかにも造血機能障害、肝機能障
害、神経疾患の治療薬としてなど、医薬品、あるいは飼
料添加物として広く実用に供され、利用が増大してい
る。
一方、VB12の生産供給については、その構造の複雑さ
のために化学合成法が極めて困難で、工業的には現在お
よび将来にわたって発酵法または生化学的方法によるほ
かはないと考えられている。
微生物によるVB12の生産に関しては、たとえば糖質を
炭素源とした、プロピオニバクテリウム(propionibact
erium)属、バチルス(Bacillus)属、コリネバクテリ
ウム(Corynebacterium)属、アルスロバクター(Arthr
obacter)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomona
s)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ストレプト
ミセス(Streptomyces)属、ロドスピリルム(Rhodospi
rillum)属、アクチノミセス(Actinomyces)属、セレ
ノモナス(Selenomomas)属、ノカルジア(Nocardia)
属およびクロストリジウム(Clostridium)属などに属
する細菌あるいは放線菌による発酵生産や、メタノール
を炭素源としたプロタミノバクター(Protaminobacte
r)属、メタノモナス(Methanomonas)属、シュードモ
ナス(Pseudomonas)属、ブチリバクテリウム(Butyrib
acterium)属、メタノサルシナ(Methanosarcina)属な
どに属する細菌によるVB12生産が知られている。
なお有機物を含む廃水をメタン発酵させて処理する嫌
気性微生物処理装置には、その微生物群中にメタノモナ
ス属やメタノサルシナ属が含まれているので、当該処理
装置の余剰汚泥中にVB12およびその誘導体が含有されて
いる。当該汚泥中からVB12およびその誘導体を分離回収
することも考えられるが、上記処理装置はあくまで廃水
処理を目的とするものであるから、VB12およびその誘導
体の生産を目的として培養した微生物の培養液からVB12
およびその誘導体を分離回収する場合と比較して、極め
て効率が悪い。
上記のような微生物の培養液からVB12を分離精製する
方法としては、たとえばVB12を菌体内に蓄積する微生物
の場合は、シアンイオンを加えて煮沸したり、80%エタ
ノール、50%アセトン、20%ピリジンなどでVB12を抽出
し、抽出液を中性pH下で吸着樹脂に接触させてVB12を吸
着させ、次いで洗浄により非吸着性の夾雑物質を除去し
た後、低級アルコール類、低級ケトン類、低級エステル
類、あるいは低級エーテル類でVB12を溶離して回収する
方法(特開昭59−95299号公報)などを挙げることがで
きる。
また、一般にVB12はその起源となる微生物種や培養時
の環境により、種々の誘導体として共存しているが、こ
れらの誘導体を分離する方法としては、たとえば逆相カ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィーによる方法
(アナリティカル・バイオケミストリー(Analitycal B
iochemistry)155、365(1986))電気泳動法が、小規
模に主として分析を目的として実施されている。
<発明が解決しようとする課題> 以上述べたように、VB12を生産する微生物の培養液か
らVB12を分離回収する手段としては、従来から吸着樹脂
への吸脱着による精製が行われてきたが、この方法だけ
では精製品に少量のVB12以外の疎水性有機物が不紙物と
して混入することが避けられず、さらには培養液中に複
数のVB12誘導体が共存した場合、これらを分離して回収
することはできない。
従来、VB12誘導体を分離するには、逆相カラムを用い
た高速液体クロマトグラフィーや電気泳動法が主として
分析を目的として実施されているが、これらの技術は経
費および操作の煩雑さの点で工業規模の分取に適用する
ことは困難である。
本発明はVB12およびその誘導体を生産する微生物の培
養液からVB12およびその誘導体を回収するにあたり、前
記した吸着樹脂による精製などは除去し得なかった少量
の不純物を排除すると同時に該培養液が複数のVB12誘導
体を含有する場合にはこれらを安価に効率よく分離する
手段を提供することを目的とするものである。
<課題を解決するための手段> 本発明者らはVB12およびその誘導体を生産する能力を
有する微生物の培養液からVB12およびその誘導体を分離
回収する方法について鋭意研究を重ねた結果、培養液あ
るいは当該培養液を公知の方法で抽出して得た抽出液に
含有されるVB12およびその誘導体を吸着樹脂により吸着
分離(精製)した後、親水性母体の陰イオン交換樹脂を
用いて、アルカリpH下で塩濃度勾配をかけるイオン交換
クロマトグラフィーを実施することにより、安価で且つ
工業規模への適用が容易な手法で高純度のVB12を得ると
同時にVB12を誘導体に分離して回収し得ることを見出
し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明はVB12およびその誘導体を生産する
能力を有する微生物の培養液からVB12およびその誘導体
を分離回収するにあたり、当該培養液に必要に応じて抽
出などの前処理を施してVB12およびその誘導体を比較的
高濃度に含有する溶液を得た後、当該含有液をスチレン
−ジビニルベンゼン共重合体よりなるイオン交換能を有
しない吸着樹脂に接触させてVB12およびその誘導体を吸
着させ、次いで該吸着樹脂からVB12およびその誘導体を
有機溶媒を用いて溶離し、さらに該溶離液中の有機溶媒
を除いた後、当該溶離液をアルカリ性とし、あらかじめ
アルカリ性の溶液で処理した親水性母体の陰イオン交換
樹脂に接触させて、VB12およびその誘導体を吸着させ、
次いでアルカリ性条件下で塩溶液の塩濃度を順次上昇さ
せながら、当該塩溶液を前記陰イオン交換樹脂に接触さ
せることにより、VB12およびその誘導体を分離脱着する
ことを特徴とするVB12およびその誘導体の分離回収方法
である。
<作用> 本発明におけるVB12およびその誘導体を生産する能力
を有する微生物の培養液とは、前述したごとく、プロピ
オニバクテリウム属、バチルス属、コリネバクテリウム
属、アルスロバクター属、ロドシュードモナス属、シュ
ードモナス属、ストレプトミセス属、ロドスピリルム
属、アクチノミセス属、セレノモナス属、ノカルジア
属、クロストリジウム属、プロヌミノバクター属、メタ
ノモナス属、ブチリバクテリウム属、メタノサルシナ属
などに属する微生物から選択される単一の微生物を実質
的に純粋培養した培養液を指す。
前記したような、VB12およびその誘導体(以下単にVB
12という)を生産する能力を有する微生物には、生産し
たVB12を菌体内に蓄積する種類のものと、VB12を菌体内
へ分泌する種類のものとが存在するが、本発明方法はそ
のいずれの微生物の培養液にも適用することができる。
すなわち、VB12を菌体内に蓄積する微生物種の培養液
の場合には、前処理としてたとえば以下のような抽出操
作を施すことによってVB12を比較的高濃度に含有する溶
液を得る。
まず、シアンイオンを含む塩類、たとえばシアン化カ
リウムを最終濃度0.005〜0.5重量%好ましくは0.01〜0.
3重量%となるように菌体を含むVB12培養液に添加した
後、塩酸などの酸溶液でpHを5.0〜7.0、好ましくはpHを
6.0〜6.5に調整し、80〜100℃好ましくは95〜100℃に加
熱するか、あるいは加圧下で100〜121℃に加熱して15〜
60分間、好ましくは20〜40分間VB12を抽出する。VB12
出後、遠心分離などの操作で固液分離を行い、VB12を含
んだ上澄液を得る。
以上の操作において、シアンイオンはVB12分子中に存
在するコバルト原子の上方配位子をシアノ基に置換して
モノシアノ型とし、VB12抽出以降の操作中にVB12が光や
熱により分解されることを防ぐ目的で添加する。しかし
この濃度があまり低いと、VB12分子中のコバルト原子の
上方配位子がシアノ基で置換されていないVB12が残存
し、光や熱による分解を受けて収量の著しい低下をきた
す。また、あまりに多量のシアンイオンを使用すること
は、シアンイオンが強い毒性を有することか好ましくな
い。また、抽出温度はあまりに低い温度では菌体の破壊
が不十分でVB12が十分に抽出液側へ移行せず、一方あま
りに高い温度ではVB12抽出率は変わらず却って他の夾雑
物質を多量に抽出し、後段の分離精製において不利であ
る。なお、抽出時間についても、抽出温度と同様なこと
が言える。
次に、多量のVB12を菌体外へ分泌する微生物種を回分
式で培養した場合には、前処理として菌体を含むVB12
養液を遠心分離などの操作で固液分離して菌体を除き、
VB12を比較的高濃度に含有する上澄液を得てこれを吸着
樹脂による精製に供する。この際、菌体中を残留する少
量のVB12をも抽出する場合には、固液分離操作で得られ
た沈殿に、前記の、菌体内に多量のVB12を蓄積する微生
物種の培養液に実施したと同様の抽出操作を行えばよ
い。また、多量のVB12を菌体外へ分泌する微生物種をた
とえばシリカやガラスを素材とする多孔性担体に付着さ
せてこれをカラムなどに充填し、当該カラムに液体培地
を連続的に通液して付着微生物を培養する、いわゆる固
定床式で培養した場合には、菌体をほとんど含まず、し
かもVB12およびその誘導体を比較的高濃度に含有する溶
液を連続的に得ることができ、この場合には得られたVB
12含有液を何ら前処理することなく直接吸着樹脂による
精製に供することが可能である。
なお上述したVB12を菌体外に分泌する微生物種を培養
して得られたVB12含有液を使用する場合で、ここまでの
VB12含有調整操作の中でVB12がシアノ化されていない時
は、吸着樹脂へのVB12の吸着に先立って以下のようにし
てVB12分子中のコバルト原子の上方配位子をシアノ基で
置換したモノシアノ型とし、以降の分離精製操作中にVB
12が光により分解されることを防ぐことができる。すな
わち、VB12含有液にシアンイオンを含む塩類たとえばシ
アン化カリウムを最終濃度0.005〜0.5重量%、好ましく
は0.01〜0.3重量%となるように添加した後、塩酸など
の酸溶液でpHを5.0〜7.0、好ましくはpH6.0〜6.5に調整
し、かつ液温を50℃として1〜10時間、好ましくは2〜
5時間放置して、VB12をモノシアノ型とする。
また、このシアノ化の操作は、後述するVB12を吸着樹
脂への吸着が完了した後に、VB12を吸着した吸着樹脂
を、前記と同様の濃度およびpHのシアンイオンを含む溶
液と約50℃の温度条件下で接触させて行うこともでき
る。
以上のようにして得られたVB12含有液を吸着樹脂によ
る吸着分離(精製)処理に供する。ここで使用する吸着
樹脂としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よ
りなるイオン交換能を有しない吸着樹脂で、たとえばア
ンバーライトXAD−2、XAD−4、XAD−2000(ロームア
ンドハース社製)、あるいはこれらの同等物を使用する
ことができる。吸着樹脂はVB12含有液との接触に先立っ
てあらかじめメタノール、エタノールなどで膨潤させ、
次いで脱気純水で置換しておき、その後VB12含有液との
接触に供する。
VB12含有液と吸着樹脂の接触方法は、吸着樹脂をカラ
ムに充填し、これにVB12含有液を下降流、または上昇流
で通液するカラム法によってもよいし、VB12含有液を適
当な容器に採り、適量の吸着樹脂を添加して撹拌するこ
とにより接触させるバッチ法によってもよい。
VB12の吸着が完了した後、当該湿潤樹脂に対し、5〜
30/−湿潤樹脂、好ましくは10〜20/−湿潤樹
脂の量の脱気純水で洗浄し、非吸着性の夾雑物質を除去
する。
以上の吸着樹脂へのVB12およびその誘導体の吸着と非
吸着性物質の洗浄の操作において、VB12誘導体の種類に
よっては、脱気純水に代えて特定のpHの溶液を使用し、
VB12およびその誘導体の吸着樹脂への吸着効率、あるい
は夾雑物質の洗浄効率を高めることもできる。すなわ
ち、VB12誘導体がその分子中に含有する解離基の種類に
応じて適当なpHを設定し、その解離基の解離を押さえる
ことにより、該VB12誘導体をより疎水性として吸着樹脂
への吸着効率を高め、同時に当該pHにおいて、より親水
性となる夾雑物質が存在した場合には、これらの洗浄を
より容易とすることができる。たとえばVB12分子中のテ
トラピロール環の外側に位置するアミド基が、カルボキ
シル基で置換された誘導体(コビリン酸など)を多量に
含むVB12含有液を処理する場合には、吸着樹脂へのVB12
およびその誘導体の吸着と、非吸着性物質の洗浄の操作
において脱気純水に代えてpH5以下、好ましくはpH3.0〜
5.0さらに好ましくはpH約4の酸性溶液、たとえば酢酸
緩衝液などを使用することにより、吸着樹脂へのVB12
よびその誘導体の吸着効率を高めることができる。
次に、吸着樹脂よりVB12を脱着させるには、1〜5
/湿潤樹脂のメタノールなどの低級アルコール類や、
アセトンなどの低級ケトン類、酢酸エチルなどの低級エ
ステル類、またはジエチルエーテルなどの低級エーテル
類の有機溶媒、あるいはこれらの水溶液を吸着樹脂に接
触させ、VB12を吸着樹脂より溶離させる。
得られたVB12粗精製液をたとえばロータリーエバポレ
ーターを用いて減圧下に加熱するなどの操作によって前
記有機溶媒を除き、VB12粗精製品を得る。このVB12粗精
製品は、なお少量の夾雑物質を含有し、またVB12そのも
のについても培養した微生物種とその培養条件により複
数のVB12誘導体の混合物として得られている。
このVB12粗精製品に対し、下記のようにイオン交換ク
ロマトグラフィーを実施することにより、残留する少量
の夾雑物質を排除すると同時にVB12を複数の各誘導体に
分離して回収することが可能となる。
当該イオン交換クロマトグラフィーで使用する陰イオ
ン交換樹脂としては、デキストラン、アガロース、セル
ロースなどの親水性高分子を母体とし、第4級アンモニ
ウム基、あるいは第3級アミン基などの塩基性基をイオ
ン交換基とする樹脂、たとえばQAE−Sephadex A−25、
A−50、DEAE−Sephacel(ファルマシア社製)などや、
あるいはこれらの同等物を使用することができる。
イオン交換クロマトグラフィーに先立って、陰イオン
交換樹脂を常法にしたがって、あらかじめpH8.0〜12.
0、好ましくはpH8.5〜10.0のアルカリ性の溶液、たとえ
ば緩衝溶液で平衡化させておく。緩衝溶液としては0.03
〜0.5M、好ましくは0.05〜0.1Mのグリシン緩衝液、ある
いは同濃度のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
緩衝液などで、中性塩としてたとえば塩化ナトリウムな
どを0.005〜0.05M、好ましくは0.01〜0.03Mを有する物
を使用することができる。
VB12を陰イオン交換樹脂へ吸着させるには、前記のVB
12粗精製品を、たとえば前記の陰イオン交換樹脂を平衡
化させたのと同一の緩衝液で溶解してアルカリ性とし、
陰イオン交換樹脂カラムに流速5〜40cm/h、好ましくは
15〜25cm/hで通液して吸着させる。
吸着後、引き続いて当該緩衝液を同一の流速で通液
し、非吸着性の物質を溶出する。
さらに、アルカリ性条件下、たとえばpH8〜12、好ま
しくはpH8.5〜10.0の緩衝液中の塩濃度を初期濃度から
2.0Mまで直線的(線形)、あるいは段階的に上昇させる
ことにより、夾雑物質とVB12を分離するとともに、VB12
を各誘導体に分離して回収する。
また、上述のようにして得たVB12画分、あるいはその
誘導体の画分を常法にしたがってゲルろ過などの方法で
脱塩した後、真空凍結乾燥などの方法で乾燥することに
よりVB12あるいはその誘導体の結晶粉末として得ること
ができる。
<発明の効果> 以上説明したように本発明のVB12およびその誘導体の
分離回収方法によれば、VB12およびその誘導体の生産を
目的として培養した微生物の培養液から安価で、且つ工
業規模に適用可能な手法によりVB12を各誘導体に分離し
て回収することができる。
<実施例> 以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限られるものではな
い。
VB12生産菌である、メタノサルシナ属に属するメタノ
サルシナバーケリDSM804を固定床式で連続培養してVB12
を比較的高濃度に含む流出液(以下VB12含有液という)
を得た。
得られたVB12含有液のVB12含有量は、7.0mg/であ
り、pHは6.5であった。なおVB12含有量はVB12をジアノ
型とした後、UV値(ε367=30.4×103M-1cm-1)で測定
した。このVB12含有液1を以下の分離精製の原料とし
た。
あらかじめ100%メタノール中で一晩浸漬しておいた
吸着樹脂アンバーライトXAD−2(ロームアンドハース
社製)50mlをカラム(内径2cmφ、高さ16cm)に充填し
脱気純水で置換し、吸着樹脂の前処理を完了した。次い
で前記のVB12含有液を脱気した後、アンバーライトXAD
−2充填カラムに通液し、VB12を吸着させた。VB12含有
液を全量通液した後、脱気した0.3重量%シアン化カリ
ウム溶液(pH6.5)100mlを50℃に加温しながら通液し、
VB12のモノシアノ化を行った。次に、脱気純水400mlを
通液して非吸着性の夾雑物質を排除し、続いて100%メ
タノール250mlを通液してVB12を溶離した。このVB12
離液をロータリーエバポレーター(40℃)によって蒸発
乾固させ、VB12粗精製品を得た。
次に、このVB12粗精製品を0.05Mグリシン−0.01M塩化
ナトリウム緩衝液(pH9.5)10mlで溶解し、その内の1ml
をあらかじめ同一の緩衝液で常法にしたがって平衡化さ
せてあるQAE−Sephadex A−25(ファルマシア社製)の
カラム(内径1cmφ、高さ12cm)に流速0.3ml/min(23cm
/h)で通液して吸着させた。引き続いて当該緩衝液を吸
着時と同一流速で1時間(18ml)通液した後、4時間を
かけて緩衝液中の塩化ナトリウム濃度を0.01Mから0.1M
とする線形濃度勾配を与え、VB12を各々の誘導体に分離
して溶出させた。
図面は本実施例におけるイオン交換クロマトグラフィ
ーのクロマトグラムを示しており、図面において横軸は
フラクションNo.を示し、1フラクションあたりの液量
は3.0mlである。左側の縦軸は波長360nmの吸光度を示
し、右側の縦軸は塩化ナトリウムの濃度を示している。
また、図の上部に記入した物質名はVB12誘導体の名称で
あり、各々の物質の溶出した位置を示している。
図面に示すフラクションNo.3〜6、No.9〜12、および
No.14〜22を各々集め、常法にしたがってSephadex G−1
5(ファルマシア社製)で脱塩し、VB12精製品を得た。
得られたVB12精製品について電気泳動と高速液体クロ
マトグラフィーにより、誘導体の同定を行ったところ、
図面におけるNo.3〜6の画分がVB12ファクターIII、No.
9〜12の画分がVB12ファクターBであり、No.14〜22の画
分がコビリン酸であることが分かった。
各々の誘導体の収量は、VB12ファクターIII 1.4mg/
原料VB12含有液、VB12ファクターB2.6mg/−原料VB12
含有液、コビリン酸2.6mg/−原料VB12含有液であっ
た。
【図面の簡単な説明】
図面は実施例におけるイオン交換クロマトグラフィーの
クロマトグラムを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビタミンB12およびその誘導体を生産する
    能力を有する微生物の培養液からビタミンB12およびそ
    の誘導体を分離、回収するにあたり、当該培養液に必要
    に応じて抽出などの前処理を施してビタミンB12および
    その誘導体を比較的高濃度に含有する溶液を得た後、当
    該含有液をスチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりな
    るイオン交換能を有しない吸着樹脂に接触させてビタミ
    ンB12およびその誘導体を吸着させ、次いで該吸着樹脂
    からビタミンB12およびその誘導体を有機溶媒を用いて
    溶離し、さらに該溶離液中の有機溶媒を除いた後、当該
    溶離液をアルカリ性とし、あらかじめアルカリ性の溶液
    で処理した親水性母体の陰イオン交換樹脂に接触させて
    ビタミンB12およびその誘導体を吸着させ、次いでアル
    カリ性条件下で塩溶液の塩濃度を順次上昇させながら、
    当該塩溶液を前記陰イオン交換樹脂に接触させることに
    より、ビタミンB12およびその誘導体を分離、脱着する
    ことを特徴とするビタミンB12およびその誘導体の分離
    回収方法。
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