JP2751433B2 - 断熱アルコールエンジン - Google Patents

断熱アルコールエンジン

Info

Publication number
JP2751433B2
JP2751433B2 JP18245689A JP18245689A JP2751433B2 JP 2751433 B2 JP2751433 B2 JP 2751433B2 JP 18245689 A JP18245689 A JP 18245689A JP 18245689 A JP18245689 A JP 18245689A JP 2751433 B2 JP2751433 B2 JP 2751433B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
combustion chamber
engine
alcohol
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18245689A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0350333A (ja
Inventor
英男 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP18245689A priority Critical patent/JP2751433B2/ja
Publication of JPH0350333A publication Critical patent/JPH0350333A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2751433B2 publication Critical patent/JP2751433B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、主燃焼室と副燃焼室との連通孔に開閉バ
ルブを備えた断熱アルコールエンジンに関する。
〔従来の技術〕
従来、内燃機関において、主燃焼室と副燃焼室との連
通孔にバルブを備えた可変圧縮比内燃機関は、例えば、
実開昭57−164224号公報に開示されている。該可変圧縮
比内燃機関は、内燃機関の燃焼室を第三弁を介して副燃
焼室に連通せしめ、該第三弁を可変バルブタイミング機
構により駆動して、低負荷域では閉じたままとし、高圧
縮比で燃焼させ、高負荷域ではカムによる動弁機構を作
動して圧縮工程途中から排気工程後半まで開かせ、低圧
縮比で燃焼させるものである。
また、エンジンの吸排気バルブの開閉動作はカムシャ
フト等の機械的な動弁機構により駆動されているが、こ
の機械的な動弁機構に代えて、ソレノイド等の吸引力を
用いた電動機構により動弁させる技術的思想が、例え
ば、特開昭58−183305号公報、特開昭61−76713号公報
に開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、エンジンから排気される排気ガスによる環
境汚染が問題になり、最近、アルコールエンジンが注目
されるようになっている。アルコールエンジンでは、排
気ガス中の炭酸ガス、炭化物の含有量は、ガソリン、軽
油等の燃料に比較して非常に少ないものである。ところ
が、アルコール燃料を使うディーゼルエンジンでは、着
火性が悪くなるという問題点がある。即ち、アルコール
は、ガソリンに比較して気化するための潜熱が高く、例
えば、ガソリンが燃料の0.7%の気化潜熱を要するのに
対し、アルコールが燃料の5%の気化潜熱を要するもの
であり、アルコール燃料は気化し難いという性質を有し
ているからである。しかも、燃料噴射ノズルから燃焼室
内の圧縮空気中に噴射されたアルコール燃料は、気化の
ために圧縮空気及び燃焼室壁面の温度を低下させて着火
を悪化させている。
ところで、断熱構造の燃焼室を有する断熱エンジンに
ついては、圧縮工程終端における圧縮空気温度は、冷却
エンジンに比較して高くなっているので、その雰囲気中
に燃料を噴射させると、燃料の気化が良好に行われる。
しかしながら、アルコールを燃料とする2サイクルエ
ンジンにおいて、部分負荷時の燃焼と高負荷時の燃焼と
では、極めて異なっている。特に、断熱エンジンにおい
て、高負荷時には燃焼室壁が高温度となるため、燃料の
着火、燃焼は良好に行われるが、部分負荷時には燃焼室
壁がそれほど高温度にならないため、着火、燃焼が良好
にならず、着火ミス、不完全燃焼が発生し、未燃ガスが
発生し易くなる。特に、燃料がアルコールである場合に
は、気化するための潜熱が高いため、エンジンの低速低
負荷時には該燃焼室内壁面は高温度の状態になっていな
いので、該壁面が燃料から気化熱を奪い、気化を促進す
ることができず、気化混合気を成功し難い。その結果、
燃焼も不完全となり、未燃ガス発生の現象は大きく現れ
る。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであ
り、アルコール燃料がガソリン、軽油等の燃料に比較し
て気化潜熱が大きいという性質を有し、特に、エンジン
の低負荷時には燃焼室壁面の温度が低く、壁面での気化
スピードが遅いという現象が顕著であるということを考
慮し、主燃焼室と副燃焼室との連通孔に開閉バルブを備
え、エンジン負荷の小さい時は開閉バルブを閉鎖状態に
維持して圧縮比を大きくし、エンジン負荷の大きい時は
開閉バルブを開口状態に維持し、圧縮比を小さくする制
御を行い、始動時及び部分負荷時には、主燃焼室に設け
た着火グロープラグに通電して着火を補助し、また、高
負荷時にはアルコール燃料の気化が促進されるので、主
燃焼室で良好に気化された燃料を副燃焼室に吹き込んで
副燃焼室で該気化されたアルコール燃料を点火プラグに
よって着火し、良好な燃焼を確保して未燃ガスの発生を
防止できる断熱アルコールエンジンを提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記目的を達成するため、次のように構
成されている。即ち、この発明は、アルコール燃料噴射
ノズルとグロープラグを備えた断熱構造の主燃焼室と点
火プラグを備えた副燃焼室との連通孔に配置した開閉バ
ルブ、エンジンの負荷状態を検出する負荷センサー、及
び該負荷センサーの検出値が設定値より低い信号値に応
答して前記開閉バルブを閉鎖状態に維持して前記グロー
プラグの通電により着火を補助し、また高い信号値に応
答して前記開閉バルブを開口維持して前記点火プラグで
着火する制御を行うコントローラ、から成る断熱アルコ
ールエンジンに関する。
また、この断熱アルコールエンジンは、前記開閉バル
ブをセラミック材料で作り、前記開閉バルブのバルブシ
ステムを前記副燃焼室の中央部に配置し、前記開閉バル
ブを前記コントローラの指令で制御される電磁バルブ駆
動装置によって開閉作動したものである。
〔作用〕
この発明による断熱アルコールエンジンは、上記のよ
うに構成され、次のように作用する。即ち、この断熱ア
ルコールエンジンは、アルコール燃料噴射ノズルとグロ
ープラグを備えた断熱構造の主燃焼室と点火プラグを備
えた副燃焼室との連通孔に配置した開閉バルブ、エンジ
ンの負荷状態を検出する負荷センサー、及び該負荷セン
サーの検出値が設定値より低い信号値に応答して前記開
閉バルブを閉鎖状態に維持して前記グロープラグの通電
により着火を補助し、また高い信号値に応答して前記開
閉バルブを開口維持して前記点火プラグで着火する制御
を行うコントローラから構成したので、エンジン部分負
荷時には、前記副燃焼室を閉鎖して圧縮比を高く(例え
ば、20)でき、着火グロープラグをオンすることでアル
コール燃料の気化を促進すると共に、着火性を良好にし
て着火ミスの発生を防止し、燃焼を良好にしてアルデヒ
ド等の未燃ガスの発生を防止する。
また、エンジン高負荷時には、前記開閉バルブを開放
状態に維持して前記副燃焼室を開放して低圧縮比(例え
ば、10)で燃焼を行わせる。即ち、エンジン高負荷時に
は燃焼が盛んに行われるので前記主燃焼室内は高温度に
なっており、前記主燃焼室のみの燃焼状態では自発火し
てノッキングの発生の原因にもなるので、前記副燃焼室
を使用して低圧縮比で燃焼を行わせ、前記主燃焼室内は
高温度になっているのでアルコール燃料の気化は促進さ
れ、圧縮工程において前記連通孔から前記副燃焼室へス
キッシュとして流入した混合気は前記開閉バルブのバル
ブステムの周りでスワールを形成しながら押し込めら
れ、その空気と上死点T.D.C.前に噴射されたアルコール
燃料は気化状態であるので、前記点火プラグをオンして
着火し、次いで、火炎は前記副燃焼室から前記主燃焼室
へ吹き出され、燃料当量比を急激に低下させ且つ燃焼温
度を低下させ、NOXの発生を抑制した燃焼を行うことが
できる。それ故、燃料と空気との比である当量比の大き
な前記副燃焼室の燃焼ではNOX発生が抑制され、また、
燃料はアルコールであり、燃料中に酸素を含んでいるた
め、軽油、ガソリンに比較してスモークの発生は少なく
なり、バルブシート、バルブフェース等へのカーボンデ
ポジィトが発生せず、バルブ駆動はスムースに行える。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、この発明による断熱アルコー
ルエンジンの実施例を説明する。
第1図において、この発明による断熱アルコールエン
ジンの一実施例が示されている。この断熱アルコールエ
ンジンは、主燃焼室8と該主燃焼室8の上方に配置され
た副燃焼室5から成る。主燃焼室8及び副燃焼室5は、
セラミック材料、断熱材等の材料によって断熱構造に構
成されている。主燃焼室8のシリンダ燃焼室側に面した
通称ファイヤデッキ部である上面部には、低熱伝導材料
から成る板部材9を配置し、断熱構造に構成する。板部
材9については、例えば、板部材9を構成する板本体を
チタン酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナ
トリウム等の低熱伝導材料で作り、該板本体の燃焼室側
に窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)等の耐熱性のセ
ラミック材料でコーティングして製作したもの、ジルコ
ニア(ZrO2)、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)等
のセラミック材料自体で製作したもので構成できる。板
部材9の上面即ちシリンダヘッド3に、副燃焼室5を構
成する壁部材22、例えば、板部材9と同様の低熱伝導材
料から成る壁部材を固定する。
主燃焼室8と副燃焼室5とは、板部材9に形成した連
通孔14によって連通している。この連通孔14には、セラ
ミック材料から製作された開閉バルブ6が配設されてい
る。連通孔14は副燃焼室5の中央部に位置し、開閉バル
ブ6のバルブステム19は、副燃焼室5の中央部に伸長
し、バルブガイド21に案内されて上下運動をする。この
開閉バルブの上下運動によって開閉バルブ6は、連通孔
14を開口状態或いは閉鎖状態に維持するものである。ま
た、開閉バルブ6は、後述の電磁バルブ駆動装置におけ
るバルブリフタ20によって開閉作動される。
主燃焼室8は、主として、板部材9、シリンダライナ
4及び該シリンダライナ4内を往復動するピストン7の
ピストンヘッド部によって形成され、更に、ピストン7
のピストンヘッド部に形成した凹部13も主燃焼室8の一
部を構成する。ピストン7のピストンリング溝には、金
属材料、セラミック材料等から成るピストンリング18が
嵌入している。主燃焼室8を構成する板部材9には、ア
ルコール燃料噴射ノズル15及び着火グロープラグ12が配
置され、主燃焼室8内にアルコール燃料噴射ノズル15の
噴口を開口し、また主燃焼室8内に着火グロープラグ12
の加熱部が配置されている。従って、アルコール燃料噴
射ノズル15はアルコール燃料を主燃焼室8内に噴射し、
また着火グロープラグ12は主燃焼室8内の気化されるア
ルコール燃料に着火する機能を有している。このアルコ
ール燃料噴射ノズル15は燃料噴射ポンプ11からのアルコ
ール燃料を主燃焼室8内に噴射するものである。該燃料
噴射ポンプ11は、主燃焼室8に噴射したアルコール燃料
の流量を信号値としてコントローラ10に入力し、該信号
値はエンジンの負荷信号し、また、コントローラ10から
の指令によって所定量のアルコール燃料を噴射するよう
に制御されるものである。この着火グロープラグ12を設
けることによってアルコール燃料噴射ノズル15から噴射
されるアルコール燃料の着火ミスを防止し、燃焼をスム
ースに行わせ、アルデヒド等の未燃ガスの発生を防止す
ることができる。
副燃焼室5には、点火プラグ17が壁部材22を貫通して
配置されている。この点火プラグ17は、開閉プラグ6が
閉鎖状態の時には、通電されずオフ状態であり、また、
開閉バルブ6が開口状態の時には、通電されてオン状態
になり、気化されて副燃焼室5に吹き込まれたアルコー
ル燃料を着火させる。
また、この断熱アルコールエンジンには、エンジンの
負荷状態を検出する負荷センサー16及びコントローラ10
が設けられている。このコントローラ10は、負荷センサ
ー16の検出値に応答して開閉バルブ6の開閉作動を制御
し、点火プラグ17及び着火グロープラグ12のオン・オフ
制御をし、更に、アルコール燃料噴射ノズル15の燃料噴
射ポンプ11の噴射時期、噴射量、噴射タイミング等を制
御するものである。
コントローラ10は、負荷センサー16からの検出信号を
受け、該検出信号が所定の設定値より低い信号値に応答
して開閉バルブ6をオンして連通孔14を閉鎖状態に維持
すると共に、着火グロープラグ12の通電により着火を補
助する。また、コントローラ10は、負荷センサー16から
の検出信号を受け、該検出信号が所定の設定値より高い
信号値に応答して開閉バルブ6を開口維持し、点火プラ
グ17をオンして着火する制御を行うものである。
開閉バルブ6については、窒化珪素(Si3N4)、炭化
珪素(SiC)等の耐熱性のセラミック材料で製作され、
主燃焼室8と副燃焼室5との連通孔14に配置され、バル
ブステム19は副燃焼室5の中央部に伸長し、開閉バルブ
6の開閉作動を電磁バルブ駆動装置のバルブリフタ20に
よって駆動したものである。開閉バルブ6を上記セラミ
ック材料で作ることによって耐熱性を向上でき、また、
燃料をメタノール等のアルコール燃料を使用することに
よって開閉バルブ6のバルブフェースと連通孔14のバル
ブシートとの部位にカーボンデポジットが発生して、開
閉バルブ9及び吸排気バルブ1がカーボンデポジットに
よる作動不良も発生しない。
この断熱アルコールエンジンにおいて、シリンダヘッ
ド3には吸排気バルブ1がバルブガイドに案内されて開
閉作動するように配置されている。シリンダヘッド3は
シリンダブロックにガスケットを介して固定さている。
また、シリンダブロックの形成されたシリンダにはシリ
ンダライナ4が嵌合している。
この発明による断熱アルコールエンジンにおいて、エ
ンジン低負荷時或いはエンジン始動時には、副燃焼室5
と主燃焼室8を連通する連通孔14を開閉バルブ6によっ
て閉鎖状態に維持する。従って、圧縮比は大きくなる。
圧縮比が大きいことによってアルコール燃料への着火が
スムースになり、しかも着火グロープラグ12をオンする
ので、アルコール燃料の気化を促進すると共に、着火を
確実にして着火ミスの発生を防止し、未燃ガスの発生を
防止する。
次に、この断熱アルコールエンジンに組み込むことが
できる電磁バルブ駆動装置の一例を、第1図に詳細に図
示していないが、簡単に説明する。吸排気バルブ1及び
開閉バルブ6は、電磁バルブ駆動装置によって電磁駆動
されるものである。ここでは、説明を簡単にするため、
吸排気バルブ1及び開閉バルブ6を総称してバルブとい
う。また、吸排気ポート2と開閉バルブ6の連通孔14を
総称してポートという。
バルブの上昇又は下降によってバルブのバルブフェー
スが、シリンダヘッドのポートに設置されたバルブシー
トに当接又は離脱することによって、ポートが開示され
るものである。従って、これらのポートの開閉作動或い
は開閉量によってエンジンのシリンダ内への吸入空気量
が制御されるものである。バルブステムの上端部には、
軟鉄等の磁性材料から成る可動子が固定されており、こ
の可動子には可動子コイルが設けられている。また、可
動子に対して、該可動子の上方に軟鉄等の磁性材料から
成る固定子がシリンダヘッドに設置されており、しかも
固定子には固定子コイルが設けられている。従って、コ
ントローラ10からの指令によってバルブを開閉作動する
には、コントローラ10の指令で可動子コイル及び固定子
コイルが通電/遮断することによって、固定子は可動子
を吸引/離反することになり、バルブを上下に動弁駆動
する。なお、シリンダヘッド3の上面に形成されたバル
ブスプリングシートと可動子との間には、バルブスプリ
ングが配設されている。従って、バルブは、バルブスプ
リングのばね力により常時は閉弁されるものである。
更に、電磁力で作動されるバルブについては、バルブ
自体を構成する材料は、軽量化のためセラミック材で製
作されており、またバルブのバルブフェース及びバルブ
ステムの摺動部に鉄粉等が吸着することを防止するため
非磁性材料のセラミック材で製作されることが好まし
い。しかるに、バルブフェース及びバルブステムの摺動
部に鉄粉等が吸着すると、バルブによるポートの密閉状
態が悪化するし、また、摺動部の摩擦抵抗が大きくなり
焼き付き等の好ましくない状態が発生する。そこで、バ
ルブを電磁力で作動するため、バルブの上端部には、磁
性材料から成る可動子を別途設けてある。
上記のように、バルブを構成することによって、コン
トローラ10からの制御された電流が可動子コイル及び固
定子コイルに通電又は遮断されると、固定子は可動子を
スプリングの付勢力に抗して離反又は吸引を行うことが
でき、従って、バルブは下降又は上昇を行い、バルブの
バルブフェースはポートを開放又は閉鎖することができ
る。
この断熱アルコールエンジンに組み込むことができる
電磁バルブ駆動装置は、エンジンの負荷を検出するため
に、エンジン負荷センサー16が設けられている。このエ
ンジン負荷センサー16は、エンジン負荷を検出するもの
であり、この実施例では、燃料噴射ポンプ11の噴射ノズ
ル15からエンジンへ供給される燃料供給量を検出する
か、或いはアクセルペダルの踏込み量を検出することに
よって検出できるものである。言い換えれば、エンジン
負荷センサー16は、エンジンへの燃料供給量の検出セン
サー及び/又はアクセルペダルの踏込量の検出センサー
で構成することができる。従って、エンジンへの燃料供
給量及び/又はアクセルペダルの踏込み量の信号をエン
ジンの負荷信号として、コントローラ10に入力すること
によって、開閉バルブ6及び吸排気バルブ1の電磁バル
ブを制御することができる。即ち、コントローラ10に入
力された負荷信号に応答して、電磁バルブ駆動装置にお
ける固定子コイル及び可動子コイルに電流を流し、電磁
石を励磁してバルブを駆動することができる。
次に、第1図及び第2図を参照して、この発明による
断熱アルコールエンジンの作動について説明する。第2
図はこの発明による断熱アルコールエンジンの作動の一
例を示す処理フロー図である。
エンジンの始動によって、燃料噴射ポンプ11、吸排気
バルブ1の電動バルブ駆動装置或いは動弁機構等が駆動
制御される。
まず、第1ステップとして、エンジンを始動する場合
には、コントローラ10の指令によって開閉バルブ6を閉
鎖作動して連通孔14を閉鎖し、主燃焼室8のみの高圧縮
比の燃焼を行う。この時、コントローラ10の指令で着火
グロープラグ12をオンして通電し、燃料噴射ノズル15か
ら主燃焼室8に噴射されるアルコール燃料の気化の促進
及びアルコール燃料への着火の補助を行う。
次いで、負荷センサー16によってエンジン負荷LEを検
出するため、アルコール燃料噴射ポンプ11からアルコー
ル燃料噴射ノズル15へ供給される燃料供給量を検出す
る。アルコール燃料噴射ノズル15へ供給された検出燃料
供給量信号がエンジンの負荷信号としてコントローラ10
に入力する(ステップ30)。
コントローラ10において、負荷センサー16によって検
出したエンジン負荷LEが予め計算された所定のエンジン
負荷LE1より大きいか否かを比較して判断する(ステッ
プ31)。
コントローラ10の比較判断によって、エンジン負荷LE
が所定のエンジン負荷LE1より大きい場合には、エンジ
ンは高負荷時であり、燃焼が盛んに行われている状態で
あり、燃焼室内は高温度になり且つ副燃焼室5を構成す
る内壁部は高温度になっている。そこで、コントローラ
10の指令によって電磁バルブ駆動装置のバルブリフタ20
を駆動して開閉バルブ6を開放状態に維持し、副燃焼室
5を使用する燃焼方式に変更する。また、主燃焼室8内
も燃焼が盛んに行われている状態で高温度になってお
り、アルコール燃料の気化は促進されるので、着火の補
助を行う必要がない。従って、着火グロープラグ12をオ
フ状態にする(ステップ32)。開閉バルブ6の開放状態
に維持する作動によって、主燃焼室8と副燃焼室5とを
使用する低圧縮比の燃焼方式になる(ステップ33)。コ
ントローラ10の指令によって、アルコール燃料噴射ポン
プ11を作動しアルコール燃料噴射ノズル15から主燃焼室
8にアルコール燃料を噴射し、その噴射時期を圧縮工程
の上死点T.D.C.前30゜以前に設定しておく(ステップ3
4)。主燃焼室8に噴射されて気化されたアルコール燃
料は連通孔14を通って副燃焼室5にスキッシュとして流
入して吸入空気と良好な混合気が生成され、開閉バルブ
6のバルブステム19の周りをスワールとなって圧縮され
て押し込められる。そこで、コントローラ10からの指令
によって点火プラグ17をオンして通電し、点火プラグ17
のオンによって該アルコール燃料と空気との混合気への
着火を行う(ステップ35)。着火されたアルコール燃料
は燃焼をして副燃焼室5から主燃焼室8へスワールを形
成して吹き出され、急激に燃料当量比は低下され、高温
で酸素濃度の高いNOX発生燃焼ゾーンに突入することな
く燃焼して、NOXの発生を抑制できる。
このような制御によってアルコール燃料は低圧縮比で
燃焼される状態となり、主燃焼室8及び副燃焼室5内は
燃焼が盛んであり高温度であるので、アルコール燃料の
気化が促進され、良好な混合気が生成され、噴射された
アルコール燃料は気化が促進されてスムースに燃焼し、
アルデヒド等の未燃ガスの発生を防止でき、しかもNOX
の発生を抑制できる。次いで、エンジンの駆動を引き続
き行うか否を判断し(ステップ36)、エンジン駆動を持
続する場合には処理はステップ30に戻り、エンジンを停
止する場合には処理を終了する。また、この断熱アルコ
ールエンジンの処理工程において、各種センサーからの
異常の有る場合には、同様に処理は終了する(ステップ
42)。
また、ステップ31において、コントローラ10の比較判
断によって、エンジン負荷LEが所定のエンジン負荷LE1
より小さい場合には、エンジンは低負荷時であり、主燃
焼室8のみを使用し、圧縮比を高くして燃焼を行うよう
に制御するため、コントローラ10の指令によって電磁バ
ルブ駆動装置のバルブリフタ20を駆動して開閉バルブ6
を閉鎖状態に維持し、連通孔14を閉鎖し、副燃焼室6に
配置されている点火プラグ17をオフ状態にする(ステッ
プ37)。連通孔11を閉鎖状態に維持することによって副
燃焼室5は閉鎖され、主燃焼室8のみの使用となり、高
圧縮比での燃焼となる(ステップ38)。コントローラ10
の指令によって、アルコール燃料噴射ポンプ11を作動し
アルコール燃料噴射ノズル15から主燃焼室8にアルコー
ル燃料を噴射し、その噴射時期を圧縮工程の上死点T.D.
C.前30゜以前に設定しておく(ステップ39)。コントロ
ーラ10からの指令によって着火グロープラグ12をオンし
て通電し、アルコール燃料の気化の促進とアルコール燃
料への着火の補助を行う(ステップ40)。このような制
御によってアルコール燃料は高圧縮比で燃焼される状態
となり、良好な混合気が生成され、噴射されたアルコー
ル燃料はスムースに燃焼し、アルデヒド等の未燃ガスの
発生を防止できる。次いで、エンジンの駆動を引き続き
行うか否を判断し、エンジン駆動を持続する場合には処
理はステップ30に戻り、エンジンを停止する場合には処
理を終了する。また、この断熱アルコールエンジンの処
理工程において、各種センサーからの異常の有る場合に
は、同様に処理は終了する(ステップ43)。
〔発明の効果〕
この発明による断熱アルコールエンジンは、上記のよ
うに構成されており、次のような効果を有する。即ち、
この断熱アルコールエンジンは、アルコール燃料噴射ノ
ズルとグロープラグを備えた断熱構造の主燃焼室と点火
プラグを備えた副燃焼室との連通孔に設置した開閉バル
ブ、エンジンの負荷状態を検出する負荷センサー、及び
該負荷センサーの検出値が設定値より低い信号値に応答
して前記開閉バルブを閉鎖状態に維持して前記グロープ
ラグの通電により着火を補助し、高い信号値に応答して
前記開閉バルブを開口維持して前記点火プラグで着火す
る制御を行うコントローラから構成したので、エンジン
部分負荷時には、前記副燃焼室を閉鎖するので圧縮比は
高くなり、前記燃料噴射ノズルから噴射されるアルコー
ル燃料は気化潜熱が高いにもかかわらず、前記着火グロ
ープラグに衝突して常に気化が促進され、良好な混合気
が生成されると共に、前記着火グロープラグを通電する
ので、着火が確実に起こり、着火ミスも発生せず、スム
ースな燃焼を達成でき、且つアルデヒド等の未燃ガスの
発生を防止できる。
また、エンジン高負荷時には、前記開閉バルブを開放
状態に維持するので、前記副燃焼室は開放状態になり、
前記副燃焼室分だけ圧縮比は低くなり、異常着火の発生
を防止すると共に、前記主燃焼室は高温度であるので盛
んに気化は促進され、圧縮工程において気化されたアル
コール燃料はスキッシュとして良好なアルコール混合気
を生成して前記副燃焼室へスワール状態で押し込められ
る。そこで、該気化されたアルコール燃料を前記点火プ
ラグで着火して燃焼させ、火炎がスワールとなって前記
副燃総室から前記主燃焼室へ吹き出され、燃焼温度が低
下すると共に、燃料当量比は急激に低下して燃焼し、NO
X発生燃焼ゾーンでの燃焼を避けてNOXの発生は抑えら
れ、燃焼をスムースに行わせ、アルデヒド等の未燃ガス
の発生を防止し、また排気ガスの臭気等の発生を防止で
きる。それ故、この断熱アルコールエンジンでは、NOX
発生燃焼ゾーンでの燃焼を避ける前記副燃焼室の燃焼特
性を得ることができ、アルコール燃料を使用するので、
ガソリン、軽油に比較してスモークの発生は少なく、ま
た、バルブフェース、バルブシート等にカーボンデポジ
ット等の現象は発生しなく、バルブの作動不良等が発生
することはない。
この断熱アルコールエンジンにおいて、前記開閉バル
ブをセラミック材料で作り、前記開閉バルブのバルブス
テムを前記副燃焼室の中央部に配置し、前記開閉バルブ
を前記コントローラの指令で制御される電磁バルブ駆動
装置によって開閉作動したので、高温度になる燃焼室部
位に位置する前記開閉バルブ自体を耐熱性に優れたもの
に構成でき、また、バルブステムが前記副燃焼室の中央
部に位置するので、前記主燃焼室から前記副燃焼室に吹
き込まれた混合気は前記副燃焼室内で前記バルブステム
の回りに良好なスワールを形成することができ、更に、
前記開閉バルブを電磁バルブ駆動装置で開閉制御するの
で、クランクシャフトの回転とは独立して、上記の条件
で前記開閉バルブを自由に開閉制御できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による断熱アルコールエンジンの一実
施例を示す断面図、及び第2図は第1図の断熱アルコー
ルエンジンの作動の一例を示す処理フロー図である。 1……吸排気バルブ、2……吸排気ポート、3……シリ
ンダヘッド、4……シリンダライナ、5……副燃焼室、
6……開閉バルブ、8……主燃焼室、9……板部材、10
……コントローラ、11……アルコール燃料噴射ポンプ、
12……着火グロープラグ、14……連通孔、15……アルコ
ール燃料噴射ノズル、16……負荷センサー、17……点火
プラグ、20……バルブリフタ、22……壁部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 15/04 F02D 15/04 G F02F 1/24 F02F 1/24 C

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコール燃料噴射ノズルとグロープラグ
    を備えた断熱構造の主燃焼室と点火プラグを備えた副燃
    焼室との連通孔に配置した開閉バルブ、エンジンの負荷
    状態を検出する負荷センサー、及び該負荷センサーの検
    出値が設定値より低い信号値に応答して前記開閉バルブ
    を閉鎖状態に維持して前記グロープラグの通電により着
    火を補助し、高い信号値に応答して前記開閉バルブを開
    口維持して前記点火プラグで着火する制御を行うコント
    ローラ、から成る断熱アルコールエンジン。
  2. 【請求項2】前記開閉バルブをセラミック材料で作り、
    前記開閉バルブのバルブステムを前記副燃焼室の中央部
    に配置し、前記開閉バルブを前記コントローラの指令で
    制御される電磁バルブ駆動装置によって開閉作動した請
    求項1に記載の断熱アルコールエンジン。
JP18245689A 1989-07-17 1989-07-17 断熱アルコールエンジン Expired - Lifetime JP2751433B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18245689A JP2751433B2 (ja) 1989-07-17 1989-07-17 断熱アルコールエンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18245689A JP2751433B2 (ja) 1989-07-17 1989-07-17 断熱アルコールエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0350333A JPH0350333A (ja) 1991-03-04
JP2751433B2 true JP2751433B2 (ja) 1998-05-18

Family

ID=16118588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18245689A Expired - Lifetime JP2751433B2 (ja) 1989-07-17 1989-07-17 断熱アルコールエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2751433B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0350333A (ja) 1991-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5454356A (en) Engine with pre-chamber
US5067458A (en) Fuel combustion system and method of operation for an otto-cycle internal combustion engine
US5115790A (en) Re-combustion control means for alcohol engine
KR100207957B1 (ko) 내연 기관
US4193382A (en) Stratified charge type combustion process for internal combustion engine and internal combustion engine utilizing same
EP0597713B1 (en) Control unit for high-compression-ratio engines using vaporizing fuels
US5603298A (en) High compression ratio internal-combustion engine
JP2009036086A (ja) 直噴式エンジン及びその制御方法
JP2751433B2 (ja) 断熱アルコールエンジン
JPH06146888A (ja) 気化燃料用高圧縮比エンジンの制御装置
JP2782843B2 (ja) アルコールエンジン
US4078533A (en) Internal combustion engine having an auxiliary combustion chamber
JP3653819B2 (ja) 着火装置を持つ副燃焼室式ガスエンジン
JP3038091B2 (ja) セラミックバルブを用いたガスエンジン
JPH03117647A (ja) アルコールエンジン制御装置
JPS5836183B2 (ja) 多気筒内燃機関
JPH03115725A (ja) 副室式断熱エンジンの燃料噴射装置
JPH03117641A (ja) アルコールエンジン
JP2855733B2 (ja) 副室式アルコールエンジン
EP0588592B1 (en) High compression ratio internal-combustion engine
KR800000458B1 (ko) 내연기관의 배기가스중의 nox, hc및 co의 감소장치
WO2023225753A1 (en) Apparatus and method for managing autoignition in an in-cylinder injector and combustion chamber of an internal combustion engine
JPH06146890A (ja) ガスエンジンの制御装置
JPH03202618A (ja) アルコールエンジン
JP3065827B2 (ja) ガスエンジンの制御装置