JP2749758B2 - フライ食品の製法 - Google Patents

フライ食品の製法

Info

Publication number
JP2749758B2
JP2749758B2 JP5139340A JP13934093A JP2749758B2 JP 2749758 B2 JP2749758 B2 JP 2749758B2 JP 5139340 A JP5139340 A JP 5139340A JP 13934093 A JP13934093 A JP 13934093A JP 2749758 B2 JP2749758 B2 JP 2749758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flour
dough
fried
fried food
noodles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5139340A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06319475A (ja
Inventor
邦夫 亀高
渡邉  智典
進 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP5139340A priority Critical patent/JP2749758B2/ja
Publication of JPH06319475A publication Critical patent/JPH06319475A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2749758B2 publication Critical patent/JP2749758B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noodles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、そのままスナック菓子
として喫食するかもしくは熱湯で復元させて即席麺とし
て喫食する、小麦粉を主体とするフライ食品の製法に係
り、更に詳しくは、フライ時に火脹れがなく、また、膨
化性が良好で、そのままスナック菓子として食べたと
き、軽い歯触りを有するフライ食品の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、フライ麺は、小麦粉を主体とす
る麺原料を麺線化し、蒸煮して澱粉をα化した後、フラ
イ処理によって水分を除去、乾燥することにより製造さ
れる。そして、通常は、このフライ麺に95℃程度の熱
湯を注いで数分で復元させ、麺として食するが、最近で
は、フライ麺に予め味付けを施し、そのままスナック菓
子として喫食する場合もある。
【0003】また、このフライ麺の品質を改良するため
に、有機酸を用いることが種々試みられている。例え
ば、特開昭61−11952号公報には、小麦粉を主体
とする麺原料中に、有機酸と水溶性の高粘性多糖類とを
添加し、これを麺線化した後、蒸煮してフライする酸性
即席麺の製造法が開示されている。この製造法で得られ
た酸性即席麺は、有機酸の添加によって油脂の劣化が防
止されると共に、海草抽出物、ローカストビーンガム等
の高粘性多糖類の添加によって麺線表面の肌荒れが防止
されているものである。しかしながら、この方法で得ら
れる即席麺は、高粘性多糖類を添加しているために、膨
化性が悪く、食感が硬くなると共に、吸油率が高くなっ
て出来上がった即席麺が油っぽい風味となってしまい、
スナック菓子としてそのまま食するには不適当である。
また、この方法では、小麦粉等の他の原料に、粉体又は
高濃度液の状態で有機酸を混合しており、混合時に生地
のpH低下にムラが生じるため、酸性域に調整されない
部分ができ、その部分は、グルテン形成が過剰に進行し
てしまう。その結果、生地中にて局所的にグルテンの粘
りが生じ、生地の膨化が不均一になる。
【0004】また、他の方法としては、例えば、特開平
2−190157号公報に記載の麺類の製造法が挙げら
れる。この製造法は、小麦粉を主体とする麺原料中に、
有機酸と有機酸塩とを小麦粉に対して0.2%以上添加
し、pH8以下になるように調整して麺線化し、蒸煮、
フライ等の処理を施して即席麺等を得るものである。こ
の方法によれば、有機酸と有機酸塩とによってコシ(弾
力性)の強い麺を得ることができる。しかしながら、こ
の方法で得られた麺は、冷蔵で数日間流通される包装麺
には適するものの、この麺をフライしてフライ麺にした
場合、膨化が不均一となって所謂「火脹れ」を起こし、
外観、食感を悪くするという欠点がある。
【0005】また、特開平2−104250号公報に
は、小麦粉主体の原料にフィチン酸とアルカリ剤とを添
加して小麦粉主体生地とした後、麺類、シューマイ皮等
の小麦粉製品に加工する方法が開示されている。しかし
ながら、この方法によれば、フィチン酸の作用により、
小麦粉主体生地をフライしたときの「火脹れ」を防止す
ることはできるものの、膨化が不均一で、フライ麺をそ
のままスナック菓子として喫食したとき、サクサクとし
た軽い食感は得られない。また、フィチン酸を中和する
ために添加されるアルカリ剤の風味が感じられ、風味上
も好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、フライしたときに火脹れすることなく均一に膨化
し、そのまま喫食したときには従来のフライドスナック
よりも軽い食感で、歯触りがよいフライ食品の製法を提
供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、小麦粉と
乳化剤と酸成分とを含有するフライ食品の製法であっ
て、まず小麦粉と乳化剤とを混合し、次いで、該混合物
とpH2〜4の水溶液とを混合することを特徴とするフ
ライ食品の製法によって達成される。
【0008】すなわち、本発明者らは、小麦粉主体の生
地に有機酸等の酸成分を添加すると、小麦粉中のグルテ
ンの形成、澱粉のα化が抑制され、膨化率が向上するこ
とに着目し、この酸性小麦粉生地を、火脹れすることな
く均一に膨化させる方法について検討を行った。その結
果、酸成分を粉体又は高濃度液のまま添加するのではな
く、予めpHを調整した水溶液としてから、小麦粉に添
加して混練すると、酸成分の作用が充分かつ均一に発現
し、小麦粉中のグルテンの発生が抑えられてグルテンに
よる粘りを生じずに生地が調製されるので、火脹れする
ことなく、膨化率が大幅に向上すること、更には、小麦
粉生地中に、酸成分と共に乳化剤を添加すると、均一な
膨化組織になると共に、従来のフライ食品よりも軽い歯
触りとなることを見出し本発明に到達した。
【0009】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
係るフライ食品は、小麦粉を主体とし、乳化剤と酸成分
とを含有してなる。まず、本発明に用いられる小麦粉と
しては、薄力粉、中力粉、強力粉が挙げられ、特に薄力
粉、中力粉は、タンパク質含有量が少なく、フライした
ときに膨化しやすく、軽い食感となる点で好適である。
また、小麦粉の量は、通常、フライ食品中、70〜80
重量%とする。
【0010】次に、乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エス
テル、モノグリセリド、レシチン等が挙げられ、これら
は単独でも数種組み合わせてもよい。特にレシチンは、
フライ食品の膨化を均一にする点で好適である。また、
その添加量は、小麦粉に対して1重量%未満、更に好ま
しくは0.2〜0.5重量%とすることが望ましい。添
加量が1重量%を超えると、乳化剤特有の味が感じら
れ、風味が悪くなる傾向にある。
【0011】次に、酸成分としては、酢酸、クエン酸、
コハク酸、乳酸等の有機酸やこれら有機酸を含有する食
品類、例えば、果汁、食酢、エキス、調味料、各種醗酵
食品等が挙げられ、これらは単独でも数種組み合わせて
もよい。これらの中でも、特に酢酸は、小麦粉生地の膨
化性を高める点で好適である。
【0012】また、上記原料の他、必要に応じて、食塩
等の調味料、澱粉、着色料、香料、蕎麦粉等の穀粉原料
等の副原料を適宜添加するようにしてもよい。また、こ
れら副原料は、小麦粉に添加してもよく、後述の混合す
る酸性水溶液に溶解しておいてもよい。
【0013】次に、上記原料を用いて本発明のフライ食
品の製法は、例えば、次のようにして行う。すなわち、
まず、小麦粉に、上記乳化剤及び必要に応じて副原料を
添加し、混合する。一方、酸成分と、必要に応じ副原料
とを水に溶解してpH2〜4の水溶液を調製し、この水
溶液を、上記混合物に添加し、混練する。上記のよう
に、酸成分は、小麦粉と混合するとき、そのまま添加す
るのではなく、予め水溶化して特定のpH域に調整して
から小麦粉中に添加することが肝要である。すなわち、
酸成分を、小麦粉中にそのまま添加しても、小麦粉中の
グルテンの発生を均一に抑えることはできないので、小
麦粉生地に局所的に粘りが出てしまい、膨化ムラが生じ
たり、膨化率の悪いフライ食品しか得られない。
【0014】また、上記酸成分は、pH2〜4の水溶液
として、生地中の水分が30〜38重量%となるように
小麦粉に添加する。水溶液のpHが2未満だと、酸味が
強すぎて風味が不良となり、喫食しにくくなる。逆に水
溶液のpHが4を超えると、従来のかん水入りアルカリ
性麺生地と同様に、小麦粉生地中に過剰にグルテンが生
成されると共に、澱粉のα化が促進され、フライしたと
きに火脹れの発生等が起こり、膨化性が悪くなる。ま
た、このとき、混練に際しては、真空混合ミキサーを用
いて減圧下で混合してもよい。
【0015】このようにして混練された生地は、予め水
溶化した酸成分を添加しているので、小麦粉中のグルテ
ンの生成が少なく、生地弾性が低く抑えられている。生
地弾性としては、9〜11Dyne/cm2 が望まし
い。生地弾性が9未満であると、弾力が強すぎるため、
膨化性が悪くなる傾向にあり、逆に、11を超えると、
弾力が弱すぎるため、組織がもろくなり、好ましくない
食感となる傾向にある。
【0016】なお、上記生地弾性は、次のようにして求
めた値である。すなわち、測定機としてレオメーターC
R−200D(株式会社サン科学製)を用い、圧縮試験
を行う。圧縮アダプターとして、その圧縮面が半径0.
5cmの円板状のものを使用し、縦×横,3cm×3c
m、厚さ3.5mmに成形したドウに対して2.5mm
まで進入させる。そして、2.5mmに達したときの最
荷重を測定し、下記(1)式により、生地弾性を求め
る。 生地弾性(Dyne/cm 2 =c×d/a×・・・(1) (但し、aはアダプター進入距離(cm)、bはアダプ
ター面積(cm2 )、cはサンプルの厚さ(cm)、d
はアダプター最大荷重(Dyne)を表す。上記(1)
式により求めた値が低い程、グルテン中のグルテニンと
呼ばれる蛋白質が立体構造を取る比率が高くなり、弾力
のある生地を形成していると考えられる。一方、値が高
くなる程、グルテニンの立体構造が形成されにくくな
り、弾力の弱い生地となる。
【0017】また、上記酸性水溶液を添加し、混練して
得られた生地のpHは、6.0〜7.2となっているこ
とが好ましい。次に、混練された生地を成形する。成形
する方法は、特に限定するものではなく、各種成形方法
の中から適宜選択して行えば良い。例えば、麺線状に成
形する場合には、生地を圧延して麺帯化した後、切刃で
切り出して麺線化すればよい。
【0018】次に、上記成形された生地を、必要に応じ
て蒸煮した後、フライ処理する。フライ条件は、通常、
140〜170℃で60〜120秒間である。フライ温
度が低かったり、フライ時間が短いと、生揚げになる傾
向にあり、逆にフライ温度が高すぎたり、フライ時間が
長すぎたりすると、焦げたり、吸油率が増加する傾向に
ある。また、フライに用いる油脂は、動物油脂、植物油
脂、あるいはこれらの混成物や精製物等から任意に選択
し用いればよい。特に、パーム油、ダイズ油等は、油自
体の風味が生地中に影響を与えにくい点で好適である。
【0019】また、上記小麦粉生地は、予め調味液に浸
漬した後、フライしてもよく、あるいはフライ後シーズ
ニング等を施すようにしてもよい。このようにして得ら
れるフライ食品は、そのままスナック菓子として喫食し
てもよく、あるいは熱湯を注いで麺として喫食するよう
にしてもよい。特に、スナック菓子としてそのまま喫食
すると、従来に比し、より軽い歯触りの食感が味わえ、
好適である。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明のフライ食品の製
法は、小麦粉を主体とする生地原料に、乳化剤と、pH
2〜4の水溶液とを添加し、混練して生地とし、これを
成形後フライ処理するようにしているので、得られるフ
ライ食品は火脹れすることなく均一に膨化し、従来のス
ナック菓子にない軽い歯触りの食感とすることができ
る。また、このフライ食品は、復元性が良好で、熱湯を
注ぐだけで短時間で麺として喫食することができる。ま
た、酸成分が多量に含まれていることにより、調味料中
の塩分を減塩しても塩味が十分に感じられるので、減塩
食品としても従来のフライ食品と遜色の無いものを得る
ことができる。
【0021】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 《実施例1〜6、比較例1〜5》表1、表2に示す組成
で、生地原料を混合した後、酸性水溶液を添加、混練し
て生地を調製し、厚み1.0mmに圧延して麺帯化した
後、切刃(角)#10で切り出して麺線化した。次い
で、この麺線を蒸煮し、味付用調味液(食塩、グルタミ
ン酸ソーダ、砂糖、カラメル混合品)に浸漬して麺線重
量に対して24%付着させた後、液切りして、パーム油
にて150℃で90秒間フライ処理を行った。以上のよ
うにして得られたフライ食品を、専門パネラー20名に
て試食し、評価した。以上の結果を表1、表2に併せて
示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】以上の結果から、実施例品は、いずれも膨
化率が高く、均一に膨化して、軽いサクサクとした歯触
りの食感を有していた。また、フライ処理後、火脹れが
なく、外観的にも良好であった。これに対し、比較例品
は、いずれも均一膨化性、食感、外観、吸油性のいずれ
かが悪く好ましくなかった。
【0025】《比較例6》クエン酸3.1重量部を予め
水溶化せず、小麦粉中に直接添加する他は実施例6と同
様とした。生地条件と評価を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3の結果より、クエン酸を水溶化せずに
そのまま小麦粉中に添加して混練したので、生地に粘り
が出てしまい、フライしたときの膨化性が不均一になり
好ましくなかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉と乳化剤と酸成分とを含有するフ
    ライ食品の製法であって、まず小麦粉と乳化剤とを混合
    し、次いで、該混合物とpH2〜4の水溶液とを混合す
    ることを特徴とするフライ食品の製法。
JP5139340A 1993-05-17 1993-05-17 フライ食品の製法 Expired - Fee Related JP2749758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5139340A JP2749758B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 フライ食品の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5139340A JP2749758B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 フライ食品の製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06319475A JPH06319475A (ja) 1994-11-22
JP2749758B2 true JP2749758B2 (ja) 1998-05-13

Family

ID=15243056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5139340A Expired - Fee Related JP2749758B2 (ja) 1993-05-17 1993-05-17 フライ食品の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2749758B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112021009888A2 (pt) * 2019-01-11 2021-08-17 Société des Produits Nestlé S.A. processo para macarrão instantâneo frito em óleo

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06319475A (ja) 1994-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4553368B2 (ja) 即席麺類及びその製造方法
US6106881A (en) Process for preparing dough or batter product containing gliadin or glutenin extracted from wheat gluten
JP3782711B2 (ja) 冷凍揚げ物の製造方法
JP4129259B2 (ja) 食品品質改良剤の製造方法及びその方法で製造された食品品質改良剤
JP3142490B2 (ja) テクスチャーの改良された餃子および春巻き
JP3200569B2 (ja) 新規麺類およびその製造方法
JP3394724B2 (ja) 澱粉含有食品の結着防止剤、即席麺類及びその製法
JP4061000B2 (ja) 麺類の品質改良剤と麺類の製造方法
JP4281364B2 (ja) 穀類加工食品の品質改良
JP2723745B2 (ja) 即席麺類の製造方法
JP2749758B2 (ja) フライ食品の製法
JP4762256B2 (ja) パン粉砕物を配合したノンフライ即席麺類
JP3118396B2 (ja) 麺類の製造方法
JP4619732B2 (ja) 麺用品質改良剤及び麺類の製造方法
JP2002209531A (ja) 粉末状の吸油抑制剤
JP4657230B2 (ja) 麺皮用油脂組成物
JP3229593B2 (ja) 澱粉含有食品の結着防止剤、即席麺類及びその製法
JP2003079333A (ja) 揚げ物の製造方法
JPH09308449A (ja) 冷凍蒸し麺及びその製造方法
JPH0541957A (ja) フレーバー付与食品
JP2003325097A (ja) 米粉生地焼成食品
JP2000333631A (ja) 春巻きの皮の製造方法
JP2020048467A (ja) グリーンバナナパウダーを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類
JP7199933B2 (ja) デュラム小麦由来のバイタルグルテンを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類
JP2879213B1 (ja) 鮭鱒類を素材としたチップス

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees