JP2749130B2 - プロセス制御用オペレーターズコンソール - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プロセス制御システムに用いるオペレータ
ーズコンソールに関する。

〔従来の技術〕

コンピュータを用いたプロセス制御システムのオペレ
ーターズコンソールは、プロセス測定データ（例えば、
圧力、温度等の測定値）を基にプロセス制御に必要なビ
ジュアル信号（ビジュアル情報）を生成して、CRT等の
ディスプレイを通して表示する。また、入力部としてキ
ーボード等の操作部を備え、オペレータは、上記ディス
プレイに表示された測定データを見ながらオペレータが
プロセス制御に必要な操作を行う。

分散制御システムがプロセス制御の主流をしめるよう
になった当初は、各分散制御システムが各プラント単位
に独立して制御され、プラント自体も繰返しパターンの
多い制御内容も変化の少ないものであった。そのため、
CRT上への表示も、測定データを基にしたビジュアル情
報のみで十分であった。

〔発明が解決しようとする課題〕

オペレーターズコンソールにより操作されるプロセス
は、比較的単純なものであれば、プロセス用計測機器か
らの温度，圧力，流量等の測定データを入力して制御可
能なものであった。しかしながら、上記のような測定項
目では必ずしも十分なプロセス制御を実現できない場合
もあり、測定データに加えて視覚的にプロセス状況をと
らえたプロセス制御が望まれている。例えば、培養、発
酵においては、測定データのほかに液面の状態（泡の大
小、有無、）、液の色等も重要な制御ファクタとなる。
また、バッチプラントにおいては、原料投入状態（例え
ばホッパーのつまり）等の状況も考慮しなければならな
い項目である。

これらの視覚的なプロセス状況は、ITV（工業用テレ
ビ）カメラ等のビジュアル情報機器を用いれば容易に検
出可能であるが、コンピュータとの整合が必ずしも好ま
しくなく、プロセス制御システムの中に組み込まれずに
至っている。

また、プロセス制御システムの発展と共に、従来個別
に行われてきた分散制御システムを、より上位のシステ
ムに密接に接続し、工場又は会社単位にトータル的な制
御システムを構築する必要が生じている。このようにシ
ステムでは、オペレーターズコンソールへの情報は、プ
ロセスからの情報だけでなく、上位コンピュータからの
情報も重要な意味をもっている。

本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、プロ
セス制御に必要なデータとして、オペレーターズコンソ
ール自身の制御部（コンピュータ）で生成された測定デ
ータと併せて、工業用テレビ（ITV）でとらえたプロセ
ス状況の映像及び上位コンピュータからのデータをオペ
レーターズコンソールのディスプレイに合成表示して、
プロセス制御に必要な情報量の拡大と、その視覚的情報
把握の簡便化を図り、プロセス制御の質的及び操作性の
向上を図り、しかも分散制御システムの統合化を図り得
るオペレーターズコンソールを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、基本的には、次のような
課題解決手段を提案する。

すなわち、本発明は、プロセス制御に必要な測定デー
タに関するビジュアル情報（POCビジュアル情報）を生
成するプロセスオペレーターズコンソール制御部（POC
制御部）と、前記POCビジュアル情報を表示するディス
プレイとを備えたプロセス制御用オペレーターズコンソ
ールにおいて、 プロセス状況を監視する工業用テレビカメラからのビ
ジュアル情報（ITVビジュアル情報）と、上位コンピュ
ータからのビジュアル情報（上位コンピュータビジュア
ル情報）とをメモリを介さずに取り込んで、このITVビ
ジュアル情報及び上位コンピュータビジュアル情報を前
記POCビジュアル情報のデータフォーマット及び同期周
波数と同一になるように補間，外挿方式により整合する
信号変換回路と、 前記POCビジュアル情報及び整合後の前記ITVビジュア
ル情報，上位コンピュータビジュアル情報を前記POC制
御部からの選択信号により選択して、これらのビジュア
ル情報を前記ディスプレイの画面に合成表示させるビジ
ュアル情報選択回路とを備えて、 前記ディスプレイの画面に測定データ，プロセス状況
に関する映像並びに上位コンピュータのデータを必要に
応じて合成表示させる構成とした。

〔作用〕

一般にPOC制御部で生成されたプロセスシステムの測
定データに関するPOCビジュアル情報（POCビジュアル信
号）と、ITV（工業用テレビ）からの映像信号（ITVビジ
ュアル情報）は、データフォーマットや同期周波数が異
なる。

これらのビジュアル情報のうちPOCビジュアル情報
は、プロセスオペレーターズコンソール固有のデータフ
ォーマット及び同期周波数を有しているため、このPOC
ビジュアル情報（測定データに関するビジュアル情報）
と併せてITVビジュアル情報（プロセス状況を映した動
画的ビジュアル情報）をディスプレイの同一画面に合成
表示する場合には、ITVビジュアル情報のデータフォー
マット及び同期周波数をPOCビジュアル情報と同一にな
るよう整合する必要がある。ただし、通常のコンピュー
タによる画像表示方式にならって、ITVビジュアル情報
をメモリに一旦格納した後に、POCビジュアル情報に同
期して読み出す方式は、その処理速度の限界により１画
／秒の表示が限界であり、ITVビジュアル情報は静止画
的な画像表示となり（動画的にするためには、30画／秒
程度必要である）、プロセス状況が見ずらくなる。これ
に代わり、本発明のようにITVビジュアル情報のデータ
フォーマット及び同期周波数をメモリに介さずに、直
後、同期変換器により変換して選択可能にすることで、
オペレーターズコンソールのディスプレイの画面にプロ
セス制御に必要な測定データ（静止画）に併せてプロセ
ス状況に関する映像（動画）が合成表示される。

その結果、ディスプレイの一つの画面を通して、プロ
セス制御の操作に必要な測定データ及びプロセス状況を
得ることができ、情報量の拡大とその視覚的情報把握の
簡便化を図り得る。さらに、本発明では、上位コンピュ
ータからの情報もPOCビジュアル情報と同様のデータフ
ォーマット及び同期周波数に変換することで、プロセス
オペレーターズコンソール（POC）のディスプレイに測
定データ，プロセス状況に関する映像と併せて上位コン
ピュータのデータを合成表示可能になる。そのため、本
発明によるPOCを上位コンピュータを用いて接続すれ
ば、管理必要なプロセスの分散制御システムの統合化を
図り得る。

〔実施例〕

本発明の一実施例に係るプロセス制御用オペレーター
ズコンソールの全体構成を第１図に示す。

第１図において、１はプロセスオペレーターズコンソ
ール（以下POCと略称する）、６は上位コンピュータ、
６は工業用テレビカメラ（以下、ITVと略称する）であ
り、上位コンピュータ５からの情報やITV6からのビジュ
アル情報もPOC1の表示装置（ディスプレイ）14に表示可
能に構成されている。

POC1は、POC制御部10、表示制御部12、CRT等の表示装
置14からなっている。通常の状態においては、表示装置
14はPOC制御部10からの情報（プロセスの圧力値，温度
等の測定値）を表示している。この場合には、POC制御
部10は表示制御部12に対してPOC制御部10からのビジュ
アル情報11のみを表示するよう選択信号15を出力するの
で、表示装置14は選択信号15に従ってPOC制御部10から
のPOCビジュアル情報（POCビジュアル信号）11のみを表
示する。

第２図に上述の場合における表示装置14の表示画面を
示す。表示画面にはPOC表示領域21の全面にPOC制御部10
からのPOCビジュアル情報11のみが表示されている。従
って、ITV6からのITVビジュアル情報を表示するITV表示
領域22や上位コンピュータ５からの上位コンピュータビ
ジュアル情報を表示するコンピュータ表示領域23もPOC
制御部10からのビジュアル情報11で埋められている。

この様な状況において、オペレータの操作の都合上、
ITV6から送られるビジュアル情報の表示装置14の表示面
24上で確認しながら、POC1を操作する必要が生じたとす
る。この時POC制御部10からのビジュアル情報11は不要
なのではなく、その中の一部の情報、例えば圧力値、温
度等の数値情報等はそのまま表示しておきた。そして、
第２図に示すようなPOC表示領域21の一部であるITV表示
領域22やコンピュータ表示領域23に夫々ITV6からのITV
ビジュアル情報61や上位コンピュータ５からの情報51を
同時に表示できるようにする。この時POC制御部10は表
示制御部12に対しITV表示領域22やコンピュータ表示領
域23を確保することを指示し、同時にITV6からのビジュ
アル情報61や上位コンピュータ５からの情報51をどう加
工するかの指示も出す。加工内容としては情報のどの部
分を表示するか及び表示する情報の拡大率の指示等があ
る。この様な情報の表示部分及び表示情報の拡大率の指
示は、予めプログラムされたプログラムにより行われる
場合もあろうし、又その都度オペレータの操作により瞬
時に行われる無合もある。POC表示領域21をITV表示領域
22やコンピュータ表示領域23がその全面を覆うこともあ
る。

又、POC表示領域21をITV表示領域22及びコンピュータ
表示領域23の双方を夫々部分的に占有して、POC制御部1
0からのビジュアル情報11と共に、ITV6からのビジュア
ル情報61及び上位コンピュータ５からの情報51を同時に
表示できるようにする場合もある。

本発明は、この機な機能を持たせるため、POC制御部1
0からのビジュアル情報11、ITV6からのビジュアル情報6
1及び上位コンピュータ５からの情報51をデータフォー
マットや同期周波数を同一にし同一の表示装置に組み合
わせて表示できる表示装置を提供するもので、その具体
的な実施例を第３図により説明する。

通常、POC制御部10からのビジュアル情報11は、ITV6
からのビジュアル情報61や上位コンピュータ５からの情
報51とは、データフォーマットや同期周波数が異なる場
合が多い。

表示制御部12は、この様な情報同士のデータフォーマ
ットや同期周波数を同一に変換し複数のビジュアル情報
を組み合わせて一つの画像に作り直す働きをする。表示
制御部12は、入力信号数に対応した数の信号変換回路12
1、125、126を有している。これらの信号変換回路121、
125、126は夫々同期回路1211、1251、1261、アナログデ
ジタル変換器（以下A/D変換器と略称する）1212、125
2、1262及び同期変換器1213、1253、1263から成り、信
号変換回路121、125、126の動作は夫々の入力信号に応
じて異なるが、それらの機能は皆同じである。

ITV6からのビジュアル情報61を扱う信号変換回路121
について動作説明をする。ビジュアル情報61は同期回路
1261によりピクセル単位で信号が取り出せるよう同期化
される。取り出されたピクセル単位の信号はA/D変換器1
262によりデジタル信号に変換される。変換されたデジ
タル信号はPOC制御部10からのビジュアル情報11を変換
回路121を介して得られる画像信号1214とデータフォー
マットや同期周波数を同一にするため同期変換器1263に
より補間又は外挿により同期変換される。

例えば、ITV6からのデジタル信号1264が縦250ドット
×横50ドットであって、表示装置14に表示可能なビジュ
アル情報11を変換回路121を介して得られる画像信号121
4が縦500ドット×横1000ドットの場合、データフォーマ
ットと同期周波数が異なるのでITV6からのデジタル信号
1264を画像信号1214にあわせて補間又は外挿により同期
変換し、一致させる。

その補間又は外挿により同期変換する方法を第４図を
用いて説明する。

図において、縦１列から17列までの列線と横１行から
６行までの行線が交わる位置にITV6からの画像情報の各
ドットが表示されることになる。ところがITV6からの画
像情報は縦250ドット×横500ドットであるのに対し、表
示装置14における表示データは縦500ドット×横1000ド
ットと縦横夫々半分の間隔であり、点線で示す行及び列
の位置にも表示が必要である。そこで、これらのITV6か
らのビジュアル情報61のデジタル変換した縦250ドット
×横500ドットの画像情報をベースにしてそれ等の中間
を同期変換器1263が補間法により補いトレンドする。こ
のベースの画像情報の補間は外挿法によっても良く、ベ
ースの画像情報は物理的な映像であることが多いので、
その画像情報をトレンドするように補正が行われる。

すなわち、ITV6からのデジタル変換したビジュアル情
報の各ドット（○印で示す）のうち、第４図の○印のド
ット１より第３図の同期変換器1263において外挿法によ
り●印のドット１′を求める。同様に○印のドット２よ
り●印のドット２′を求める。このようにして第２行の
データ生成が終了すると、第２行と第３行の間のデータ
を第２行及び第３行の○印のデータより補間法によって
求める。以下同様にしてITV6からのデジタル変換した○
印のビジュアル情報より補間法又は外挿法により●印の
画像情藪をトレンドしていく。

又、同期変換器1263の機能はITV6からのデジタル変換
した○印のビジュアル情報の１点を右、右下、下の３点
に写像するものであるとしてもよい。

この様にして出来た同期変換器1263より出力される画
像情報1264は、データフォーマット及び周波数がPOC制
御部10からのビジュアル情報11と同じで表示装置14で表
示可能なものである。データフォーマット及び周波数が
同一に揃えられた信号変換回路121、126からの画像情報
は選択回路123においてPOC制御部10からの選択信号15に
より次の順序で信号の選択を行う。

（１）信号変換回路121、125、126からの信号の選択 （２）表示エリアの割り振り （３）上記２で割り振られたエリアに表示する信号の選
択と指定された拡大率、回転度でのその選択信号の拡
大、回転 この様にして得られた選択回路123からの信号はデジ
タルアナログ変換器124に伝えられ、表示装置14が要求
する画像表示信号13となって表示装置14より表示され
る。

〔発明の効果〕

本発明によれば、プロセス制御に必要なデータとし
て、オペレーターズコンソール自身の制御部で生成され
た測定データと併せて、ITVでとられたプロセス状況の
映像及び上位コンピュータからのデータをオペレーター
ズコンソールのディスプレイに合成表示して、プロセス
制御に必要な情報量の拡大と、その視覚的情報把握の簡
便化を図り、プロセス制御の質的及び操作性の向上を図
り、しかもプロセスの分散制御システムの統合化を図り
得る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本発明の一実施例に関する説明図で
あるが、第１図は上記一実施例の全体構成を示す図、第
２図は第１図における表示装置14の画面を示す図、第３
図は第１図の表示制御部12の詳細図、第４図は第３図に
おける同期変換器1213、1253、1263の動作説明図であ
る。 １……POC、５……上位コンピュータ、６……ITV、10…
…POC制御部、12……表示制御部、14……表示装置、21
……POC表示領域、22……ITV表示領域、23……コンピュ
ータ表示領域、24……表示装置14の表示画面、121、12
5、126……信号変換回路、1211、1252、1261……同期回
路、1213、1253、1268……A/D変換器、1213、1253、126
8……同期変換器、123……選択回路、124……D/A変換
器。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プロセス制御に必要な測定データに関する
   ビジュアル情報（以下、このビジュアル情報をPOCビジ
   ュアル情報と称する）を生成するプロセスオペレーター
   ズコンソール制御部（以下、POC制御部と称する）と、
   前記POCビジュアル情報を表示するディスプレイとを備
   えたプロセス制御用オペレーターズコンソールにおい
   て、 プロセス状況を監視する工業用テレビカメラからのビジ
   ュアル情報（以下、このビジュアル情報をITVビジュア
   ル情報と称する）と、上位コンピュータからのビジュア
   ル情報（以下、このビジュアル情報を上位コンピュータ
   ビジュアル情報と称する）とをメモリを介さずに取り込
   んで、このITVビジュアル情報及び上位コンピュータビ
   ジュアル情報を前記POCビジュアル情報のデータフォー
   マット及び同期周波数と同一になるように補間，外挿方
   式により整合する信号変換回路と、 前記POCビジュアル情報及び整合後の前記ITVビジュアル
   情報，上位コンピュータビジュアル情報を前記POC制御
   部からの選択信号により選択して、これらのビジュアル
   情報を前記ディスプレイの画面に合成表示させるビジュ
   アル情報選択回路とを備えて、 前記ディスプレイの画面に測定データ，プロセス状況に
   関する映像並びに上位コンピュータのデータを必要に応
   じて合成表示させる構成としたことを特徴とするプロセ
   ス制御用オペレーターズコンソール。