JP2748933B2 - Sim測定装置 - Google Patents

Sim測定装置

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JP2748933B2
JP2748933B2 JP62113125A JP11312587A JP2748933B2 JP 2748933 B2 JP2748933 B2 JP 2748933B2 JP 62113125 A JP62113125 A JP 62113125A JP 11312587 A JP11312587 A JP 11312587A JP 2748933 B2 JP2748933 B2 JP 2748933B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は4重極型質量分析器を用いたSIM(セレクテ
ィブ イオン モニタリング)測定を行う装置に関す
る。 ロ.従来の技術 SIM測定は試料を電子衝撃法等でイオン化したとき形
成される多種のイオンのうちから幾つかの特定の質量の
イオンを選択し、質量分析器において質量走査を行って
上記特定の質量のイオンだけを順次検出すると云う動作
を周期的に繰返すことによって上記特定質量イオンの検
出強度の変化を監視する測定方法である。4重極型質量
分析器は電極印加電圧を変えることで質量走査を行うの
で、磁場型質量分析器で磁場を変えて質量走査を行うの
に比し、高速走査が容易であり、SIM測定に適してい
る。 所で従来の4重極質量分析器を用いたSIM測定では、
第1図にLで示すように4重極に印加する直流電圧Uと
高周波交流電圧Vの比を一定に保って段階的に変化させ
て質量走査を行っていたから、一つの質量から他の質量
に切換えている過渡期に目的とする質量のイオンの間の
質量を有するイオンが検出器に入射する。SIMは試料中
の微量成分の検出に用いられることが多く、通常検出器
の感度を非常に高くしている。このため目的外の質量の
イオンが多量に検出器に入射して検出器の劣化を早め、
或は検出器を破損することがあると云う問題があった。 ハ.発明が解決しようとする問題点 本発明は4重極質量分析器を用いたSIM測定で目的外
のイオンが検出器に入射すると云う問題を解決しようと
するものである。 ニ.問題点解決のための手段 4重極に印加する直流電圧U,高周波交流電圧Vの値を
一つの質量に対するものから他の質量に対するものに切
換える際、U,Vの比を質量走査軌跡から外れるようにし
た。 ホ.作 用 第1図は4重極型質量分析器の動作を説明する図であ
る。横軸は高周波電圧の振幅V、縦軸は直流電圧Uを示
す。三角形の領域A1,A2等は夫々質量M1,M2等のイオンの
安定領域で、この領域外はイオンの不安定領域である。
安定領域は質量が大になる程相似形を保って大きくな
り、三角形の頂点を結ぶ直線は原点を通る。今4重極に
印加する直流および高周波の電圧U,Vを一定の比率を保
って変化させると、例えば図に線Lで示すような電圧変
化の軌跡が得られる。この軌跡Lが各質量のイオンの安
定領域の三角形の頂点付近を切るようにU,Vの比率を選
んで印加電圧を連続的に変化させると、質量M1,M2…の
イオンの安定領域を順次横切って行くから、M1,M2…の
イオンを順次検出することができる。従って本発明では
この電圧軌跡Lを質量走査軌跡と呼んでいる。今第1図
で質量M1とM3とがモニタしようとする目的質量のイオン
で、M2は目的外のイオンとする。SIM測定ではU,Vの値を
一定時間点P1で示される値に保って質量M1のイオンを検
出し、次に点P3に相当するU,Vの値に一定時間保って質
量3のイオンを検出する。こゝで電圧U,VをP1点からP3
点の値に切換える際従来はU,Vを質量走査軌跡Lに沿っ
て変化させていたから途中で短時間ではあるが質量M2の
イオンが検出器に入射することになった。本発明ではP1
からP2へ4重極印加電圧を変える際質量走査軌跡Lから
外れて目的外の質量のイオンの安定領域の三角形の頂点
を迂回するような電圧軌跡KでU,Vを変化させるもの
で、図から瞭解されるように質量M2のイオンが検出器に
入射することなく、検出質量をM1からM3へ切換えること
ができる。 へ.実施例 第2図は本発明の一実施例装置を示す。Qは4重極電
極でイオンは4重極電極の中心に沿い図の紙面に垂直の
方向に4重極電場内に入射せしめられ、第1図の安定領
域にあるイオンだけが4重極電場内を発散せずに同電場
を通過して検出器(不図示)に入射する。Eは4重極に
印加する直流電圧Uおよび高周波交流電圧Vsinwtを発生
する電源回路で、電圧制御回路CによってU,Vの値が制
御される。電圧制御回路Cはプログラム制御装置PCによ
って制御され、PCは与えられたプログラムに従い、指定
された幾つかの質量のイオンを順次検出するように電圧
制御回路Cを制御して目的のイオンを検出する動作を繰
返させる。第3図はこの実施例における直流電圧Uおよ
び高周波交流電圧振幅Vの時間的変化を示す。図で横軸
は時間縦軸が電圧である。時間区間M1は質量M1のイオン
検出期間,同じく2は質量M3のイオンの検出期間で、T
1,T2はM1からM3へおよびM3からM1への検出イオン切換え
の過渡期である。この実施例では過渡期T1では直流電圧
UがU1からU2に変化するが、T1期間の前半は大きく変化
し、T1期間の後半は小さく変化するように2段階で変化
する。一方、VはV1からV2に直線的に変化する。また過
渡期T2では直流電圧UがU2からU1に変化するが、T2期間
の前半は小さく変化し、T2期間の後半は大きく変化する
ように2段階で変化する。一方、VはV2からV1に直線的
に変化する。こゝで比U1/V1およびU2/V2の値は等しく第
1図のP1,P3点に対応しているが、T1,T2の期間ではU/V
の値は質量走査軌跡Lを与えるU/Vの値から外れ、U/Vの
値が過大であるからU,Vの軌跡は第1図の質量M2の安定
領域頂点の上方を迂回するKとなる。 ト.効 果 本発明SIM測定装置は上述したように4重極質量分析
器の4重極に印加する電圧を一つの目的イオン検出用か
ら他の目的イオン検出用に切換える際、電圧の変化軌跡
を質量走査軌跡から外して目的外の質量のイオンの安定
領域を通らないようにしたから、不用イオンが検出器に
入射して検出器の劣化を早めると云った問題が解消さ
れ、検出イオンの切換えは瞬間的階段状に行うのでない
から4重極印加電圧の変化が円滑に行え、電源回路に無
理がなく、印加電圧を階段的に変化させる場合発生する
印加電圧の過渡的振動変化がなくなり、切換え後直ちに
電圧が安定するので、選択イオン検出の繰返し速度を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明装置の動作を説明するグラフ、第2図は
本発明の一実施例装置のブロック図、第3図は本発明の
一実施例における4重極印加電圧変化を示すグラフであ
る。 Q……4重極電極、E……4重極印加電圧電源回路、 C……電圧制御回路、PC……プログラム制御装置。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.4重極型質量分析器を用い、指定した質量のイオン
    を順次検出して行く動作を繰り返すように4重極印加電
    圧を切換える制御手段を設け、この制御手段によって一
    つの指定質量イオン検出時から次の指定質量イオン検出
    に移行する際の4重極印加直流、高周波交流両電圧の変
    化軌跡が階段状ではなく連続的に変化させた緩やかな折
    れ線形状により、指定していない質量イオンの安定領域
    頂点の上方に迂回するような走査軌跡となるようにして
    通常の質量走査軌跡から外れるように両電圧を連続的に
    変化させるようにしたSIM測定装置。
JP62113125A 1987-05-09 1987-05-09 Sim測定装置 Expired - Fee Related JP2748933B2 (ja)

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