JP2748604B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法

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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は自動車外板パネル、自動車用構造材、バッテ
リートレイ等の自動車部品、アクセス・ブロア等の建築
用材料などの工業材料に供する繊維強化熱可塑性樹脂成
形品の製造方法に関する。詳しくは繊維配向等による変
形が著しく少なく、表面外観の良好な繊維強化成形品を
成形と同時に強化する方法で得る成形方法に関する。
<従来の技術> 従来、繊維強化熱可塑性樹脂成形品を得るのにいくつ
かの技術が知られ工業的技術として実際に使われてい
る。代表的な方法は、短繊維強化ペレットを用いて射出
成形等の一般的成形法で繊維強化成形品を製造する方法
である。またペレット製造時のペレット切断長さとほぼ
同じ長さの中繊維長の繊維で強化された熱可塑性樹脂ペ
レットを用い、射出成形等で繊維強化成形品を製造する
方法もある。
一方、近年、繊維強化熱可塑性樹脂シートを再加熱
し、プレス成形により製品を得る、いわゆるスタンパブ
ル・シートの技術が注目されている。スタンパブル・シ
ートの技術は強化に用いられる繊維により、2つに大別
される。1つは、数ミリ〜100ミリ長さの単繊維と熱可
塑性樹脂粉末を湿式、又は乾式で混合し、加熱、ロール
プレスを経てスタンパブル・シートを製造し、このシー
トを予備加熱後、プレスして繊維強化成形品を得る方法
である。(例えば特開昭57−28135号公報)。もう一方
のスタンパブル・シート技術は、長繊維強化スタンパブ
ル・シートである。この方法では、編んだ長繊維マット
に溶融した熱可塑性樹脂を押出ラミネーションし、ロー
ルプレスを経てスタンパブル・シートを製造、このシー
トを予備加熱し、プレス成形で繊維強化成形品を製造す
る。
<発明が解決しようとする課題> 従来の技術はそれぞれ固有の技術、経済性の問題点を
有している。繊維強化成形品の製造法として最も一般的
に普及している短繊維強化ペレット法は、成形性、デザ
イン対応性、コスト等は他の技術に比較し優位であるが
繊維強化の最大の目的である機械的強度の向上、特に耐
衝撃強度の点で効果が低いという欠点を有している。こ
の理由は、繊維と樹脂の混合、分散過程、すなわち造粒
時、及び成形時の2回の可塑化、混練工程で繊維は著し
く切断されるためである。さらに成形過程で、繊維は溶
融樹脂とともに金型内を流動するために、成形品中に繊
維配向が残り成形品が大きく変形する欠点も有してい
る。又、繊維、特に無機繊維の場合、造粒、成形等で使
用される押出機、射出成形機のスクリュー、シリンダー
部を著しく摩耗させることもコストの点から大きな問題
となる。一方、中繊維長の強化ペレットの製造工程は特
殊な押出機ヘッドを必要とし、又生産性も単繊維強化ペ
レットに比較し低下するため、コストの高い製品とな
る。さらに成形品中の繊維配向による変形、スクリュ
ー、シリンダー等の摩耗は単繊維ペレットの場合と同様
である。
中及び長繊維長の繊維強化スタンパブルシートでは、
成形品中に残留する繊維が、原料として用いられた繊維
の長さをそのまま保つためきわめて高い機械的強度が得
られる。しかしながら中繊維長の単繊維強化スタンパブ
ルシートの技術においては、熱可塑性樹脂原料は粉末で
なければならず、製品は粉砕コストのため割高となる。
さらに抄紙機、ロール・プレス、予熱機など高価で特殊
な設備を要する。成形品内の繊維配向は、成形時に溶融
樹脂と共に一部の繊維が流れるため、繊維強化ペレット
の場合より少ないが、発生し、成形品を変形させること
がある。
長繊維スタンパブルシートの場合、成形時に溶融した
樹脂のみ流動し、繊維が流れないために成形品外周部が
樹脂のみの部分が発生し、強度的に安定しない。又、収
束した繊維を用いるため表面外観の粗いものしか得られ
ない。さらに中繊維長のスタンパブルシートと同様に繊
維織機、押出機、ロール・プレス、予熱機などの高価で
特殊な設備を要する。
<課題を解決するための手段> このように、従来の技術は機械的物性、変形、外観、
コストなどにそれぞれ問題点を有し、工業的技術として
は十分なものとは言えない。本願発明者らはこれらの問
題点を克服する技術を開発すべく鋭意研究を進めてきた
が、ついに以下に述べる工業的に優れた、かつ低コスト
の繊維強化熱可塑性樹脂成形品の新しい製造方法を開発
するに至った。
すなわち本発明は、閉鎖又は未閉鎖の金型内に複数の
多孔性繊維質シートを載置し、その層間に繊維を強化材
として分散している溶融した熱可塑性樹脂(以下「溶融
樹脂」という)を供給し、樹脂供給圧力及び/又はプレ
ス圧力により繊維質シートの空隙を通し、両側最外層の
多孔性繊維質シートの表面まで溶融樹脂を浸透させて繊
維強化熱可塑性樹脂成形品を成形する方法である。
本願発明に用いられる熱可塑性樹脂はポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS
樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエチレンテレフタレート等の一般的熱可塑
性樹脂、及びこれらの混合物、ポリマーアロイ等が用い
られる。さらにこれらの熱可塑性樹脂には熱安定剤、紫
外線防止剤、などの添加剤、また着色剤、無機充填剤な
どを含んでいてもよい。
本発明に用いられる多孔性繊維質シートの材質は、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維等の無機繊
維、又ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊
維等の有機繊維及び無機、有機繊維の混合物を使用する
ことができる。特にガラス繊維の場合は低コストで高い
補強効果が得られる。繊維の直径は1μm〜50μmの一
般的に得られる繊維を使用することができる。
本願発明における多孔性繊維質シートはシート形状を
保持するため0.5〜50wt%のポリビニルアルコール、エ
ポキシ樹脂等の凝結剤を用いたものを使用してもよい。
又単純シート形状のものを用いてもよいし、あらかじめ
成形品の形に予備賦形されたシートを用いてもよい。
一方最外層に用いる不連続の単繊維シートの繊維の長
さは100mm以下であり、単繊維シートの製造上、又得ら
れる機械的強度から、さらに好ましくは1〜50mmであ
る。
本願発明で成形に用いる複数の繊維質シートは同質の
ものの組合せでも、又異質のものの組合せでも良く、用
途、要求性能に応じて組合せ方を選択することができ
る。
本願発明で可塑化装置の繊維供給口から投入される繊
維は単繊維および数十本から数百本の単繊維を集束剤で
集束した集束繊維のいずれも使用することができ、又1m
mから50mmにあらかじめ切断した繊維でも、又長い繊維
を繊維供給口で切断して供給してもよい。材質は、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、ステンレス繊維等の無機繊維、
又ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等
の有機繊維及び無機、有機繊維の混合物を使用すること
ができる。
本発明において繊維を強化材として分散している熱可
塑性樹脂を用いるが、可塑化工程で繊維の切断を抑える
ことが、機械的強度の優れた成形品を得る為に必要であ
る。
このため本願発明では、例えば第6図に示す可塑化装
置、すなわちスクリュー長さ/スクリュー径の比が少な
くとも15以上で加熱シリンダー(12)中央部及びそれよ
りノズル(13)側にそれぞれ繊維供給口(9)、脱気口
(10)をもうけさらにノズル(13)の先端をアキューム
レーターに接続した装置を用いる。(9)は繊維供給口
で外側にロービングカッター等の繊維の定量的供給装置
をもうける。脱気口(10)は、繊維と共にとりこまれた
空気等を脱気する。第7図はアキュームレーターを示す
が、(21)は可塑化装置との接続口で、溶融樹脂が供給
される。(14)は油圧のピストン・シリンダー、(15)
は溶融樹脂シリンダー、(16)(17)部分はピストンを
示す。(18)は(14)及び(15)を支えるシリンダー固
定具である。オイル出入口(19)(20)を通して出入す
る油でピストンを動かしシリンダー(15)に貯えられた
溶融樹脂を溶融樹脂シリンダーノズル(22)から射出す
る。
本装置を用いることにより、従来にない長い繊維の分
散した溶融樹脂を得ることが可能であり、機械的強度が
著しく高く、かつ低コストの製品を得ることができる。
スクリュー長さ/スクリュー径の比が15以下の場合、中
央繊維供給口から脱気口までの長さ、及び繊維供給口か
らノズル先端までの長さが短すぎ溶融樹脂中に投入され
た繊維が十分分散せず、また脱気も不十分となる。
本発明はこの様に従来にはない、きわめて高性能な繊
維強化成形品を、成形と同時に強化する方法で得ること
のできる、まさに画期的な成形技術である。
以下、本発明における成形方法の例を図面を用いて説
明する。その一例は第1図に示すように、未閉鎖の金型
内に複数の多孔性繊維質シートを載置し、金型内の供給
口を通して溶融樹脂を繊維質シート層間に供給する際、
樹脂が供給される層より供給口側のシートの供給口と同
じ位置に、溶融樹脂が通過するのに十分な大きさの穴を
もうけ、該穴を通じて溶融樹脂を供給しながら、又は供
給終了後、金型を閉じ成形を行う方法である。また閉鎖
した金型に繊維質シートを載置し、該穴を通し溶融樹脂
を供給する方法でも成形することができる。また、第2
図に示すように未閉鎖の金型に溶融樹脂が供給される層
の一方の側に繊維質シートを載置し、金型外の供給口か
ら溶融樹脂をシート上に供給し、しかる後他方の繊維質
シートを溶融樹脂上に置き、金型を閉鎖し、加圧、冷却
を行って繊維強化成形品を得ることもできる。他に、第
3図に示す様に、金型内の溶融樹脂供給口が複数繊維質
シートの層間に位置する。閉鎖又は未閉鎖の金型を用い
ても繊維強化成形品を得ることができる。
本願発明において、その成形過程で溶融樹脂は多孔性
繊維シートの間隙を圧力により流動していくが流動抵抗
が大きくかつ特に無機繊維の場合は繊維により熱をうば
われ樹脂温度の低下が大きいため流動性が低下し、成形
品表面までの樹脂の浸透性が不充分となることがある。
これを防ぐため用いる繊維質シートを金型内に載置する
前に例えば60℃以上に予備加熱しておくことも効果的で
ある。
<実施例> 以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。なお、実施例中の成形品の試験法
は以下のとおりである。
曲げ試験:JIS K7203に準拠し、三点支持法で行なっ
た。なおテストピースは第5図の箱型成形品の底面部及
びリブ部から切り出した2mm厚×10mm巾×90mm長のもの
を用い、23℃の条件下でテストを実施した。
衝撃試験:JIS K7110に準拠し、アイゾット・ノッチ付
衝撃試験を実施した。テストピース形状は第5図の箱型
成形品の底面部及びリブ部から切り出した2mm厚×12.7m
m巾×63.5mm長で23℃の条件で実施した。
成形品の変形:第4図の箱型成形品の底面を下にして平
板上に置き4つの角部をおのおの別々に平板上に押さえ
つけた時、残りの角部で最も平板より離れた高さをもっ
て成形品の変形量とした。
繊維含有率:採取した繊維強化樹脂のサンプルの重量測
定を行い、次いでこのサンプルを鉄板上に置き、鉄板の
下からガス・バーナーで加熱し、マトリックス樹脂を燃
焼させた後、450℃の電気炉内で2時間加熱、可燃物を
完全に除去、冷却後残留物の重量を測定し、下式により
繊維含有率を算出する。
平均繊維長さ:繊維含有率の測定用サンプル作成と同一
の方法で、マトリックス樹脂をサンプル中から除去し、
中央部分(サンプル作成時の切断の影響を受けていない
箇所)から任意量のサンプルを採取し、各単繊維の長さ
を測定し、全平均長さを計算し、平均繊維長さとした。
(実施例1) 200トンの型締力を有する竪型プレス成形機を使用し
成形テストを実施した。金型は上型及び下型の2つの部
分からなり、下型には中央部に直径2mmの溶融樹脂の金
型内供給口とそれにつながる部分としてマニホールドを
有する。長い繊維を分散した樹脂を得るために第6図に
示す可塑化装置及び第7図に示すアキュームレーターを
第8図に示すように接続しテストを実施した。可塑化装
置はスクリュー径50mm、スクリュー長さ/スクリュー径
の比=29を用いた。シリンダー中央部に繊維供給口及び
繊維供給口よりノズル側に脱気口を有し、可塑化装置ノ
ズル部はアダプター部を通しアキュームレーターと接続
した。
可塑化装置の繊維供給口にはロービングカッターを設
置し、日本硝子繊維(株)社製のガラス繊維RER231−SM
14をロービングカッターで13mmの長さに切断し繊維供給
口から可塑化装置内部に投入した。又、脱気口は真空ポ
ンプに接続し、強制脱気を実施した。溶融樹脂はシリン
ダーノズルは下金型と接続されているマニホールド部と
接続した。用いた金型は製品肉厚2.0mm、製品寸法200m
m、長さx200mm巾x40mm高さの箱型成形品(第4図)の金
型、及びこれと同一の箱型成形品の内部に肉厚2.0mm高
さ40mmのリブを2個有する箱型成形品(第5図)の金型
を用いた。
多孔性繊維質シートとしては、ガラスの不連続の単繊
維を抄紙法により不織布とした日本バイリーン社製のキ
ュムラス・シートVHM5075を用いた。又熱可塑性樹脂材
料として住友化学工業(株)製のポリプロピレン樹脂、
住友ノーブレンAX568(エチレン−プロピレン共重合
体、メルトフローインデックス 65g/10分)を用いた。
未閉鎖の状態の金型内にガラス繊維不織布VHM5075を8
枚重ねて載置した。このうち下側の4枚は、溶融樹脂供
給口の位置に直径10mm穴を作成したシートを用いた。ガ
ラス繊維シートは60℃に予熱した後下金型上に置き、金
型を用いた状態で、長い繊維を分散させた溶融ポリプロ
ピレン樹脂をアキュームレーターから金型内溶融樹脂口
を通して繊維質シートの層間に噴射し、樹脂にかかる圧
力を100kg/cm2で成形をおこなった。繊維含有率及び平
均繊維長さの測定サンプルをマニホールド吐出口、及び
第5図で示す成形品リブ部で採取し、評価をおこなっ
た。得られた成形品の評価は、箱型成形品(第4図)を
用い、又機械的物性の評価はリブ付箱型成形品(第5
図)で実施し、各評価結果を第1表に示した。
(実施例2) 可塑化装置のスクリュー径50mm、スクリュー長さ/ス
クリュー径の比20を用いた以外はすべて実施例(1)と
同じ条件でテストを実施した。
(実施例3) 可塑化装置の繊維供給口からの供給繊維を、ロービン
グ・カッターを用いて6mmの長さに切断し供給した以外
はすべて実施例(1)と同じ条件でテストを実施した。
(実施例4) 可塑化装置の繊維供給口からの供給繊維を、ロービン
グ・カッターを用いて25mmの長さに切断し供給した以外
はすべて実施例(1)と同じ条件でテストを実施した。
(実施例5) 未閉鎖の金型内にガラス不織布UHM5075 4枚を載置
し、長い繊維を分散した溶融ポリプロピレン樹脂をアキ
ュムレーターからガラス不織布の上に注ぎ、すばやく別
のガラス不織布VHM5075 4枚を溶融樹脂上に載置し、
アキュムレーターのノズル部を型外へ取り出した後金型
を閉じ賦形・冷却を行い成形する以外は実施例(1)と
同じ条件で実施した。
(比較例1) 熱可塑性樹脂ペレットとして住友ノーブレンAX568
(住友化学工業(株)製、エチレン−プロピレン共重合
体)を用い、可塑化装置の繊維供給口及び脱気口を密閉
し、又、ガラス繊維不織布シートを用いず成形をおこな
った。他の条件はすべて実施例1と同じとした。
(比較例2) 熱可塑性樹脂として住友ノーブレンGHH43(住友化学
工業(株)製ガラス繊維30重量%充填ポリプロピレン樹
脂)を用いた他はすべて比較例1と同一の条件でテスト
を実施した。
(比較例3) 熱可塑性樹脂としてポリプラスチック社製G40−4
(ガラス繊維40%充填ポリプロピレン樹脂と住友ノーブ
レンW501(非強化のポリプロピレンホモポリマー)をそ
れぞれ75重量%、25重量%の比で混合した樹脂を使用し
た以外は比較例1と同一条件でテストを実施した。
(比較例4) 熱可塑性樹脂として住友ノーブレンAX568(住友化学
工業(株)製エチレン−プロピレン共重合体)を用い可
塑化装置の繊維供給口から、日本硝子繊維(株)製のガ
ラス繊維RER231−SM14をロービングカッターで13mmの長
さに切断したものを供給し、又脱気口に真空ベントを接
続し、強制脱気をおこなった。しかしガラス繊維不織布
シートは用いずに成形を実施し、その他の条件は実施例
1と同一でテストをおこなった。
(比較例5) 熱可塑性樹脂として住友ノーブレンAX568(住友化学
工業(株)製エチレン−プロピレン共重合体)を用い、
又金型内に日本バイリーン社製ガラス繊維不織布シート
VHM5075を8枚重ねて載置した。ただ可塑化装置につい
ては繊維供給口及び脱気口を密閉して使用した。その他
の条件は実施例1と同一でテストを実施した。
(比較例6) 可塑化装置のスクリュー径50mm、スクリュー長さ/ス
クリュー径の比10のスクリューを用いた以外、実施例1
と同じ条件でテストを実施した。結果は繊維の分散およ
び脱気が不十分なため、未解繊状態の繊維が多く、ま
た、気泡を多く含んでいるため物性のバラツキが著し
く、正しい物性評価データをとることは不可能であっ
た。
<発明の効果> 本発明では、繊維質シート法と繊維分散法を組み合わ
せることにより、繊維質シート法の特徴である高剛性で
変形がなく、かつ繊維分散法の特徴であるリブ、ボス部
等を含む成形品の全面強化がなされた製品を得ることが
可能である。又、得られる製品の成形収縮率は異方性が
なくきわめて小さい。さらに複数枚重ね合わせた多孔性
繊維質シートの少なくとも最外層に単繊維シートを用い
ると外観がなめらかで美しい樹脂表面を有する製品を得
ることができる。また製品の要求性能に応じて各種の繊
維の組合せが可能で自動車部品、家電部品、建築用材料
等の広範囲な用途分野の繊維強化製品を提供することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は、本発明の成形方法を示す装置の縦の断面
図である。 (1)上金型、(2)下金型 (3)多孔性繊維質シート (4)多孔性繊維質シート (5)溶融樹脂、(6)溶融樹脂供給口 (7)ポータプル押出機 第4図は本発明の実施例の方法でつくった、リブのない
箱型成形品の斜視図で、第5図はリブを有する箱型成形
品の斜視図である。 第6図は本発明におけるマトリックス樹脂と繊維の混練
用可塑化装置の断面図を示す。 (8)熱可塑性樹脂供給口 (9)繊維供給口 (10)脱気口 (11)スクリュー (12)加熱シリンダー (13)ノズル 第7図は本発明の実施例で用いたアキュームレーターの
断面図である。 (14)油圧ピストン・シリンダー (15)溶融樹脂シリンダー (16)油圧用ピストン (17)溶融樹脂用ピストン (18)シリンダー固定具 (19)オイル出入口 (20)オイル出入口 (21)溶融樹脂供給口 (22)溶融樹脂シリンダーノズル 第8図は本発明の実施例に用いられた可塑化装置−アキ
ュームレーター−金型の接続図である。 (23)可塑化混練装置 (24)アキュームレーター (25)上金型 (26)下金型 (27)マニホールド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 重義 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−159342(JP,A) 特開 平3−76614(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉鎖又は未閉鎖の金型内に、複数の多孔性
    繊維質シートを載置し、その層間に繊維を強化材として
    分散している溶融した熱可塑性樹脂を供給し、樹脂供給
    圧力及び/又はプレス圧力により繊維質シートの空隙を
    通し、両側最外層の多孔性繊維質シートの表面まで該熱
    可塑性樹脂を浸透させて成形することを特徴とする繊維
    強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】最外層の多孔性繊維質シートが連続又は不
    連続の単繊維シートであることを特徴とする特許請求範
    囲(1)項記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】少なくともスクリュー長さ/スクリュー径
    の比が15以上の可塑化装置のシリンダー中央部に繊維供
    給口、及び該繊維供給口よりノズル側に脱気口をもうけ
    た可塑化装置により得られる、平均繊維長が1mm以上で
    かつ50mm以下の繊維が樹脂中に分散した繊維強化熱可塑
    性樹脂を用いることを特徴とする特許請求範囲(1)項
    記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
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