JP2747806B2 - エアクリーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は内燃機関のエアクリー
ナに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来ひだ折りした濾材の端面及び側面
を、矩形をなす枠体で囲み、枠体の下面に４辺にわたり
パッキンを取付けた角形のフィルタエレメントが知られ
ている。例えば実開昭５５−６４４５３号公報に開示さ
れたエアクリーナの濾過体がある。この例のようにパッ
キンは枠体下面から４辺の横方向に張出して設けられ、
パッキンの下面をボディの周縁部分で支持し、上面をカ
バー周縁に設けたリブによって押圧し、押圧されたパッ
キン下面とボディ周縁部分の密着によってクリン側のシ
ールを維持している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のフィルタエレメ
ントはエアクリーナのカバーの周縁４辺にわたって設け
たリブによってパッキン上面の全周にわたり押圧され、
ボディ周縁とパッキン下面とは、全周がほぼ均一な押圧
力を受けて密着していたから、クリン側のシール維持に
ついては問題を生じなかった。しかるに、エアクリーナ
の通路抵抗減少の要望、あるいは自動車用エアクリーナ
のエンジンルーム内におけるケーシングの形状上の制約
からフィルタエレメントの一側面を空気の流通側として
開放する必要が生じており、従来のエアフィルタのカバ
ーのように、パッキンの４辺を全周にわたりリブで押圧
することができず、３辺でのみ押圧して、他の１辺は空
気流通路のためにリブが設けられないものが生じてい
る。従来のフィルタエレメントではこのような場合、流
通側となってリブで押圧されない１辺のパッキンは浮き
上がり傾向を生じ、その下面とボディ周縁との間の面圧
が不足してシール不完全となり、クリン側への空気洩れ
を発生する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、４辺からなり
パッキン座が形成された角形のボディのパッキン座に、
ひだ折りしたシート状濾材の両端面と両側面とを、該両
端面と両側面それぞれに対応する２つの端板と２つの金
属製の側板とで形成され、矩形をなす枠体内面に接合
し、枠体の４辺の下端部から横方向へ張出すパッキンを
軟質弾性材料で形成するともに、前記枠体の少なくとも
一方の側板の両端部に形成された屈曲部に直角な横方向
に突出する押え部を設け、該押え部をパッキンに密接さ
せてなるフィルタエレメントを配設し、さらに前記ボデ
ィを覆うとともにボディのパッキン座の３つの辺に対応
する位置に下向きリブを有するカバーを配設して、フィ
ルタエレメントのパッキンの３辺の上面および押え部を
カバーの下向きリブで押圧保持するようにしたエアクリ
ーナである。押え部とパッキンの密着は押え板をパッキ
ン上面に密着させ、又はパッキン内に密に埋入すること
によりなされる。

【０００５】

【作用】このフィルタエレメントはエアクリーナのボデ
ィの周縁部とカバーの周縁のリブとでパッキンを挟持さ
せる状態で装着される。リブは、フィルタエレメントの
パッキンの３辺および枠体の側板端部に設けられた押え
部を押圧する。リブからの押圧力は、両端の押え部を介
して剛性を有する側板下端部を通じて、リブで押えられ
ていないパッキンの部分に伝えられるので、リブで直接
押圧されなくても浮上がり傾向は生じない。

【０００６】

【実施例】図１に示す実施例のエアクリーナ２０のフィ
ルタエレメント１は、ひだ折りした濾紙２と、濾紙２の
端面２ａ，２ｂ，側面２ｃ，２ｄを接着剤により接合し
た枠体３と、枠体３の下端部に固着され４辺の外周横方
向へ張り出して形成され、軟質性材料、この例では発泡
ウレタン材でなるパッキン４とで構成される。枠体３
は、濾紙２の端面２ａ，２ｂを接着する紙製端板５、６
と、濾紙２の側面２ｃ，２ｄを接着する鉄板製の側板
７、８とでなり、側板７、８の両端を折り曲げた屈曲部
７ａ，７ｂ，８ａ，８ｂを端板５、６の両端部に重ねて
固着して形成される。屈曲部７ａ，７ｂ，８ａ，８ｂの
下端に延伸部分を設け、横方向に折り曲げて押え部９、
１０、１１、１２を形成する。

【０００７】パッキン４は枠体３の下端部全周に４辺に
わたって固着され逆三角形状の断面をなし、上面はほぼ
水平に横方向に突出し、平行な２辺の上面４ａ，４ｂ及
びこれらに直角方向の２辺の上面４ｃ，４ｄを形成して
いる。パッキン４の上面４ａには、側板７の押え部９、
側板８の押え部１１が密着し、パッキン４の上面４ｂに
は、側板７の押え部１０、側板８の押え部１２が密着し
ている。また枠体３の端板５、６及び側板７、８の上縁
は内方へ折り曲げて濾紙２の変形を防止する補強部と
し、側板７、８の下縁は内方へ折り曲げてパッキン４の
保持を確実にするとともに側板の下端がパッキン4を剪
断するのを防いでいる。また側板７、８には開口７ｃ，
８ｃを設けて空気の流通を許している。

【０００８】フィルタエレメント１は図２（図１のＡ−
Ａ断面）、図３（図２のＢ−Ｂ断面）に示すようにボデ
ィ２２とカバー２３で構成されるケーシング２１内に収
納されてエアクリーナ２０を形成する。ケーシング２１
は外形がほぼ直方体状の容器であってボディ２２とカバ
ー２３の合わせ面のほぼ１／２が傾斜面をなし、この部
分にフィルタエレメント１が挟持される。ボディ２２は
角形で空気入口２４、空気出口２５が設けられ、全周縁
に溝２６が設けられる。ボディ２２は溝２６に嵌めたボ
ディパッキン２７を介してカバー２３の周縁断付部２８
に組み合わされクリップ２９で締め付けられる。カバー
２３の段付部２８の内側に沿ってリブ３０が周縁の３辺
（図２において紙面に平行な２辺と図２の右方に断面で
あらわれる辺）に設けられ、このリブ３０が前記フィル
タエレメント１のパッキン４の上面４ａ，４ｂ，４ｄを
押え、ボディ２２の傾斜面の周りに、形成した４辺から
なるパッキン座３１に圧着する。ボディ２２の底壁に形
成された下側のパッキン座に対応した位置、すなわち、
パッキン４の一辺の上面４ｃ上にはリブ３０は存在しな
い。

【０００９】図４（図２の矢印Ｃ−Ｃ）に示すようにフ
ィルタエメレント１の枠体３の側板７は屈曲部７ａを形
成し、その延長部分は横方向に折り曲げられて押え部９
を形成している。押え部９はパッキン４の上面４ａを押
圧しているカバー２３のリブ３０によってパッキン座３
１へ押圧されている。押え部９と同様押え部１０（図
１）もリブ３０で押圧されており、これらの押圧力は鉄
板製の側板７に伝わり、パッキン４の１辺上面４Ｃを均
一に押圧するから、リブ３０で押えられた他の３辺４
ａ，４ｂ，４ｄとほぼ等しい押圧力を及ぼしボディ２２
の傾斜面の下辺に位置するパッキン座３１にパッキン４
を密着させる。

【００１０】上記のように押え部９、１０を介して、剛
性を有する側板７の押圧によりリブ３０のない部分のシ
ールが確保される。なお、フィルタエレメント１の押え
部１１、１２はこの場合は必要ではないが、このフィル
タエレメントを１８０゜回転させた形で装着する場合必
要であり、フィルタエレメント１を装着する際に左右の
向きを配慮する必要がなくなり便利である。また押え部
はパッキン内に埋込されていてもよく、パッキンに密着
してリブの押圧力を受けるようになっていればよい。

【００１１】

【発明の効果】本発明のエアクリーナは、上記のように
構成し、角形のフィルタエレメントの枠体の４隅の少く
も２隅すなわち少なくとも１つの側板の両端に押え板を
設けたから、これを収容するケーシングの形状の制約に
伴い、フィルタエレメントの周縁のパッキンを３辺でし
か押圧できないにもかかわらずパッキン全周にわたり均
一に押圧力を受けさせ、パッキンの浮上り部分を無く
し、クリン側に対するシールを完全にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例のエアクリーナに装着されるフィルタエ
レメントを示す斜視図である。

【図２】実施例を示す断面図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ断面の要部を示す図である。

【図４】図２のＣ−Ｃ断面の要部を示す図である。

【符号の説明】

２ 濾紙（濾材） ３ 枠体 ４ パッキン ４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ パッキンの上面 ５、６ 端板 ７、８ 側板 ９、１０、１１、１２ 押え部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ４辺からなりパッキン座が形成された角
   形のボディのパッキン座に、ひだ折りしたシート状濾材
   の両端面と両側面とを、該両端面と両側面それぞれに対
   応する２つの端板と２つの金属製の側板とで形成され、
   矩形をなす枠体内面に接合し、枠体の４辺の下端部から
   横方向へ張出すパッキンを軟質弾性材料で形成するとも
   に、前記枠体の少なくとも一方の側板の両端部に形成さ
   れた屈曲部に直角な横方向に突出する押え部を設け、該
   押え部をパッキンに密接させてなるフィルタエレメント
   を配設し、さらに前記ボディを覆うとともにボディのパ
   ッキン座の３つの辺に対応する位置に下向きリブを有す
   るカバーを配設して、フィルタエレメントのパッキンの
   ３辺の上面および押え部をカバーの下向きリブで押圧保
   持するようにしたエアクリーナ。