JP2746884B2 - 高温成形用耐食、耐摩スクリュー - Google Patents
高温成形用耐食、耐摩スクリューInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、スーパーエンプラ(エンジニアリングプラ
スチックス)など、350℃以上の温度で成形される射出
成形機または押出成形機に使用される耐食性、耐摩耗
性、高温強度に優れた粉末冶金を利用したスクリューに
関するものである。 〔従来の技術〕 プラスチックスなどの射出成形機や押出成形機用スク
リューは、従来、アルミ窒化鋼や構造用合金鋼に硬質ク
ロムメッキを施工したものが使用されてきた。しかし、
難燃性樹脂、ガラスファイバー入り等の強化樹脂等にお
いてはそれぞれ塩素ガス等強腐食性熱分解ガス、強化材
料等により腐食、摩耗が促進され、短時間に寿命に至っ
ていた。 このため最近では、例えば高C、高Cr系冷間ダイス鋼
や高Cステンレス鋼が使用されてきた。 また、近年、鉱物質、金属粉末その他の充填材を多量
に添加し、耐熱性を高めた、いわゆるスーパーエンプラ
が開発され、実用に供されつつある。これらスーパーエ
ンプラの成形においては、従来のプラスチックスと比較
し、350℃以上、場合によっては500℃を越える成形温度
が要求されるため、従来のスクリューでは成形温度によ
る高温軟化が生じ、強度低下や耐食、耐摩耗性が低下
し、短時間で寿命に至ってしまうという問題があった。 なお、一部フッ素樹脂の成形においては、従来から40
0℃近辺の温度で成形されているが、これに使用される
スクリューには、ハステロイ系の材料が採用されてき
た。このハステロイ系のスクリューは、主にフッ素ガス
に対する耐食性を目的としたものであり、強化材料が含
有された場合には、耐摩耗性に劣るため、実用に供され
ていない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 以上説明したように、耐熱樹脂等のスーパーエンプラ
の成形においては、使用中に高温軟化が生じ、耐食、耐
摩耗性、強度などの不足により、要求される高寿命が得
られないという問題点があり、実用化までに至っていな
い。 本発明は、高温軟化抵抗、高温強度および耐食、耐摩
耗性に優れる高温成形用スクリューを提供することを目
的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、重量%でC1.66〜3.5%、Si2.0%以下、Mn
2.0%以下、Cr8.0〜17.0%、Mo+1/2W0.3〜8.0%。V+
Nb1.5%を越え14.0%以下、または上記成分の他にNi0.2
〜5.0%、Co1.0〜8.0%、Cu0.2〜5.0%のうち、いずれ
か1種または2種以上を含むFe基合金粉末を熱間静水圧
プレスにより圧密化し、熱間加工、機械加工により所定
の形状に成形した後、目標の硬さに焼入れ、焼もどしを
施すことによって、炭化物の面積率を20%以上35%以下
にすることにより前記目的を達成するものである。さら
に、上述のようにして製造したスクリューの使用面表層
部に、物理蒸着法、化学蒸着法などによって、TiN、Ti
C、VC、WCなどの硬質物質を被覆し、表層部の耐摩耗性
の向上をはかるのも有効である。 〔作用〕 本発明のスクリューは、高温軟化抵抗、高温強度およ
び耐食、耐摩耗性が最も有効に発揮されるように、炭化
物の組成、粒度を調整した粉末ダイス鋼を使用してい
る。炭化物の晶出形態は、合金元素間のバランスによっ
て大きく変化してくるので、成分決定はこの点を考慮し
て決められねばならない。 各成分の範囲とその限定理由は次に述べるとおりであ
る。 CはCr、Mo、V等と結合して炭化物を形成せしめ、残
りは基地を強化するが、1.66%未満では、炭化物の量が
少ないために耐摩耗性が不足し、3.5%を越えると逆に
炭化物の量が多くなりすぎ、機械的性質が劣化するので
1.66〜3.5%とする。 Siは脱酸剤として添加するが、2.0%を越えると機械
的性質が劣化するので2.0%以下とする。 MnはSiと同じく脱酸剤として用いられると同時に焼入
性向上にも効果があるが、2%を越えると変態温度も下
げ焼なまし硬さが下がりにくく、熱間加工性も低下する
ので上限を2.0%とした。 Crは基地に固溶して、耐食性と焼入性を増大させると
ともに、焼もどし軟化抵抗を上げ、残部は炭化物を形成
して耐摩耗性向上に寄与する。含有量8.0%未満では、
炭化物が減少し、耐摩耗性が低下し、また焼入性、耐食
性が低下するので、下限量を8.0%とした。また17%を
越えると、むしろ焼もどし硬さが減少し、ネットワーク
状の炭化物が晶出し始め、Vの添加による炭化物の粒状
化効果が減少する。あわせて熱間加工性も低下するので
17.0%を上限とする。 MoとWは、基地と炭化物に分配され、基地中ではパー
ライト変態温度を長時間側に移行させ、焼入性向上に有
効な元素である。また焼もどし軟化抵抗を上げ、高温強
度の向上に寄与する。MoとWはそれぞれ単独または複合
で添加することができ、Mo+1/2Wが0.3%未満では、こ
の効果はほとんどなく、8.0%を越えると熱間加工性が
低下するのでMo+1/2Wは0.3〜8.0%とした。 VとNbはそれぞれ単独または複合で添加することがで
き、鋼中で極めて硬質の炭化物を形成し、耐摩耗性向上
に大きく寄与する。C量および他の炭化物生成元素との
バランスから下限を1種または2種以上で1.5%を越え
ることとした。また、同じく14.0%を越えると熱間加工
が不可能となるので上限を14.0%とする。 Niは炭化物は作らず、基地に固溶して耐食性向上、な
らびに耐熱性向上に寄与すう。Niが0.2%未満では、こ
の効果がほとんどないため下限を0.2%とした。また、
5.0%を越えると焼入れ、焼もどし時の硬さが得られな
くなるため上限を5.0%とする。 Coは基地に固溶して耐食性向上、ならびに耐熱性向上
に寄与する。Coが1.0%未満では、この効果がほとんど
ないため、下限を1.0%とした。また、8.0%を越えると
焼入れ、焼もどし時の硬さが得られなくなるため上限を
8.0%とする。 CuもNi、Coと同様に基地に固溶して耐食性向上に寄与
するが、0.2%未満では、その効果がほとんどなく、ま
た5.0%を越えると焼入れ、焼もどし時の硬さが低下す
るため、Cuは0.2〜5.0%とした。 粉末法で製造した場合、均一微細な炭化物を多量に分
布させることができる。 耐摩耗性の点からは、より多量の炭化物が望ましい
が、過度になると炭化物粒子間が近接しすぎてクラック
進展が生じ易くなり、靱性等の機械的性質を劣化させる
結果となる。したがって、適正な炭化物量の上限が決ま
ってくる。本発明において種々検討の結果、プラスチッ
クスに含有される硬質物質に対し、十分な耐摩耗性を示
すためには、少なくとも炭化物面積率として20%以上必
要であるため、これを下限とし、また機械的性質や機械
加工性の点から、炭化物面積率が35%を越えると、靱性
等の性質が次第に劣化するため、これを上限とした。 次に、スクリューの製造法について述べる。本材質を
溶製材で製造する場合には、巨大な一次炭化物が形成さ
れるため、熱間での延性がほとんどないので、溶解、鋳
造後、圧延材の熱間加工は不可能である。そのため、本
発明のスクリューは、ガスアトマイズ処理等公知の方法
により、粉末を製造し、20メッシュ以下に粒度調整した
後、熱間静水圧プレスにより圧密化し、この後熱間加工
により製造した棒材を所定の形状に機械加工を施した
後、所定の焼入れ、焼もどしを行なったものである。上
記製造法では、巨大炭化物の晶出は見られず、ほぼ10μ
m以下の炭化物が均一に分布するので、耐摩耗性が向上
し、また熱間加工が可能となり、かつ強度、靱性も向上
する。また硬さについては、耐摩耗性の点からは高けれ
ば高いほど有利であるが、スクリューはその機能から曲
げ、捩り引張、圧縮などの応力がくり返し、あるいは衝
撃的に働くため、強度、靱性ともに配慮する必要があ
る。 本用途の場合には、HRC59〜63程度が望ましい。 〔実施例〕 次に実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。 第1表に示す組成のスクリュー材を粉末法により製造
し、高温軟化抵抗、回転曲げ疲労試験、耐摩耗性および
耐食性のテストを行ない、さらに実際に成形機に組み込
んで寿命テストを実施した。 第2表に本発明におけるスクリュー材の硬さ、500℃
における平滑試験片および第1図に示す形状の切欠き試
験片による回転曲げ疲労試験結果、ならびに常温および
500℃でのアルミナ粉末に対する耐摩耗性、各種酸に対
する耐食性を従来のSKD11と比較した結果を示す。これ
らの諸性質はSKD11溶製材のレベルを100として指数で示
したが、第2表から本発明のスクリュー用材料はSKD11
に比べ、500℃における疲労強度が格段に優れているこ
とがわかる。一方、耐摩耗性についても、本発明のスク
リュー用材料は、常温および500℃において、ともにSKD
11に比べ、格段に優れた耐摩耗性を示している。また耐
食性についても、本発明のスクリュー用材料は、SKD11
に比べ格段に優れている。 第2図に、本発明におけるスクリュー材の高温軟化抵
抗を従来のSKD11と比較した結果を示す。ここで横軸の
焼もどしパラメーターPは、P=T(20+logt)×10-3
で表わされ、式において、T:テストピースの加熱温度
(K)、t:前記加熱温度で保持された時間(Hr)によっ
て求められるパラメーターである。なお、わかりやすく
するために、横軸に500℃の加熱温度と保持時間の関係
もあわせて記載した。第2図から、500℃×10,000Hrの
状態で、本発明のスクリュー材はいずれも硬さがHRC4
7.5以上であるのに対し、従来材のSKD11は同じ時点でH
RC40であり、本発明のスクリュー材が、従来材のSKD11
に比べ、格段の高温軟化抵抗を有していることがわか
る。 第3表に成形機に組み込んで寿命テストを行なった結
果を示す。 ここで寿命は、従来のSKD11溶製材を同じ成形条件で
使用したときの寿命を100とした指数で示す。 第3表から比較材であるSKD11溶製材に比べ、本発明
のスクリューはいずれも格段に長寿命化していることが
わかる。 〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明の高温成形用耐食、耐摩ス
クリューは、粉末冷間ダイス鋼を使用したもので、特に
高温軟化抵抗、強度、耐摩耗性、耐食性を高めた材質で
あり、大幅な工具寿命の向上が達成でき、その工業的価
値は極めて大きい。
スチックス)など、350℃以上の温度で成形される射出
成形機または押出成形機に使用される耐食性、耐摩耗
性、高温強度に優れた粉末冶金を利用したスクリューに
関するものである。 〔従来の技術〕 プラスチックスなどの射出成形機や押出成形機用スク
リューは、従来、アルミ窒化鋼や構造用合金鋼に硬質ク
ロムメッキを施工したものが使用されてきた。しかし、
難燃性樹脂、ガラスファイバー入り等の強化樹脂等にお
いてはそれぞれ塩素ガス等強腐食性熱分解ガス、強化材
料等により腐食、摩耗が促進され、短時間に寿命に至っ
ていた。 このため最近では、例えば高C、高Cr系冷間ダイス鋼
や高Cステンレス鋼が使用されてきた。 また、近年、鉱物質、金属粉末その他の充填材を多量
に添加し、耐熱性を高めた、いわゆるスーパーエンプラ
が開発され、実用に供されつつある。これらスーパーエ
ンプラの成形においては、従来のプラスチックスと比較
し、350℃以上、場合によっては500℃を越える成形温度
が要求されるため、従来のスクリューでは成形温度によ
る高温軟化が生じ、強度低下や耐食、耐摩耗性が低下
し、短時間で寿命に至ってしまうという問題があった。 なお、一部フッ素樹脂の成形においては、従来から40
0℃近辺の温度で成形されているが、これに使用される
スクリューには、ハステロイ系の材料が採用されてき
た。このハステロイ系のスクリューは、主にフッ素ガス
に対する耐食性を目的としたものであり、強化材料が含
有された場合には、耐摩耗性に劣るため、実用に供され
ていない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 以上説明したように、耐熱樹脂等のスーパーエンプラ
の成形においては、使用中に高温軟化が生じ、耐食、耐
摩耗性、強度などの不足により、要求される高寿命が得
られないという問題点があり、実用化までに至っていな
い。 本発明は、高温軟化抵抗、高温強度および耐食、耐摩
耗性に優れる高温成形用スクリューを提供することを目
的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、重量%でC1.66〜3.5%、Si2.0%以下、Mn
2.0%以下、Cr8.0〜17.0%、Mo+1/2W0.3〜8.0%。V+
Nb1.5%を越え14.0%以下、または上記成分の他にNi0.2
〜5.0%、Co1.0〜8.0%、Cu0.2〜5.0%のうち、いずれ
か1種または2種以上を含むFe基合金粉末を熱間静水圧
プレスにより圧密化し、熱間加工、機械加工により所定
の形状に成形した後、目標の硬さに焼入れ、焼もどしを
施すことによって、炭化物の面積率を20%以上35%以下
にすることにより前記目的を達成するものである。さら
に、上述のようにして製造したスクリューの使用面表層
部に、物理蒸着法、化学蒸着法などによって、TiN、Ti
C、VC、WCなどの硬質物質を被覆し、表層部の耐摩耗性
の向上をはかるのも有効である。 〔作用〕 本発明のスクリューは、高温軟化抵抗、高温強度およ
び耐食、耐摩耗性が最も有効に発揮されるように、炭化
物の組成、粒度を調整した粉末ダイス鋼を使用してい
る。炭化物の晶出形態は、合金元素間のバランスによっ
て大きく変化してくるので、成分決定はこの点を考慮し
て決められねばならない。 各成分の範囲とその限定理由は次に述べるとおりであ
る。 CはCr、Mo、V等と結合して炭化物を形成せしめ、残
りは基地を強化するが、1.66%未満では、炭化物の量が
少ないために耐摩耗性が不足し、3.5%を越えると逆に
炭化物の量が多くなりすぎ、機械的性質が劣化するので
1.66〜3.5%とする。 Siは脱酸剤として添加するが、2.0%を越えると機械
的性質が劣化するので2.0%以下とする。 MnはSiと同じく脱酸剤として用いられると同時に焼入
性向上にも効果があるが、2%を越えると変態温度も下
げ焼なまし硬さが下がりにくく、熱間加工性も低下する
ので上限を2.0%とした。 Crは基地に固溶して、耐食性と焼入性を増大させると
ともに、焼もどし軟化抵抗を上げ、残部は炭化物を形成
して耐摩耗性向上に寄与する。含有量8.0%未満では、
炭化物が減少し、耐摩耗性が低下し、また焼入性、耐食
性が低下するので、下限量を8.0%とした。また17%を
越えると、むしろ焼もどし硬さが減少し、ネットワーク
状の炭化物が晶出し始め、Vの添加による炭化物の粒状
化効果が減少する。あわせて熱間加工性も低下するので
17.0%を上限とする。 MoとWは、基地と炭化物に分配され、基地中ではパー
ライト変態温度を長時間側に移行させ、焼入性向上に有
効な元素である。また焼もどし軟化抵抗を上げ、高温強
度の向上に寄与する。MoとWはそれぞれ単独または複合
で添加することができ、Mo+1/2Wが0.3%未満では、こ
の効果はほとんどなく、8.0%を越えると熱間加工性が
低下するのでMo+1/2Wは0.3〜8.0%とした。 VとNbはそれぞれ単独または複合で添加することがで
き、鋼中で極めて硬質の炭化物を形成し、耐摩耗性向上
に大きく寄与する。C量および他の炭化物生成元素との
バランスから下限を1種または2種以上で1.5%を越え
ることとした。また、同じく14.0%を越えると熱間加工
が不可能となるので上限を14.0%とする。 Niは炭化物は作らず、基地に固溶して耐食性向上、な
らびに耐熱性向上に寄与すう。Niが0.2%未満では、こ
の効果がほとんどないため下限を0.2%とした。また、
5.0%を越えると焼入れ、焼もどし時の硬さが得られな
くなるため上限を5.0%とする。 Coは基地に固溶して耐食性向上、ならびに耐熱性向上
に寄与する。Coが1.0%未満では、この効果がほとんど
ないため、下限を1.0%とした。また、8.0%を越えると
焼入れ、焼もどし時の硬さが得られなくなるため上限を
8.0%とする。 CuもNi、Coと同様に基地に固溶して耐食性向上に寄与
するが、0.2%未満では、その効果がほとんどなく、ま
た5.0%を越えると焼入れ、焼もどし時の硬さが低下す
るため、Cuは0.2〜5.0%とした。 粉末法で製造した場合、均一微細な炭化物を多量に分
布させることができる。 耐摩耗性の点からは、より多量の炭化物が望ましい
が、過度になると炭化物粒子間が近接しすぎてクラック
進展が生じ易くなり、靱性等の機械的性質を劣化させる
結果となる。したがって、適正な炭化物量の上限が決ま
ってくる。本発明において種々検討の結果、プラスチッ
クスに含有される硬質物質に対し、十分な耐摩耗性を示
すためには、少なくとも炭化物面積率として20%以上必
要であるため、これを下限とし、また機械的性質や機械
加工性の点から、炭化物面積率が35%を越えると、靱性
等の性質が次第に劣化するため、これを上限とした。 次に、スクリューの製造法について述べる。本材質を
溶製材で製造する場合には、巨大な一次炭化物が形成さ
れるため、熱間での延性がほとんどないので、溶解、鋳
造後、圧延材の熱間加工は不可能である。そのため、本
発明のスクリューは、ガスアトマイズ処理等公知の方法
により、粉末を製造し、20メッシュ以下に粒度調整した
後、熱間静水圧プレスにより圧密化し、この後熱間加工
により製造した棒材を所定の形状に機械加工を施した
後、所定の焼入れ、焼もどしを行なったものである。上
記製造法では、巨大炭化物の晶出は見られず、ほぼ10μ
m以下の炭化物が均一に分布するので、耐摩耗性が向上
し、また熱間加工が可能となり、かつ強度、靱性も向上
する。また硬さについては、耐摩耗性の点からは高けれ
ば高いほど有利であるが、スクリューはその機能から曲
げ、捩り引張、圧縮などの応力がくり返し、あるいは衝
撃的に働くため、強度、靱性ともに配慮する必要があ
る。 本用途の場合には、HRC59〜63程度が望ましい。 〔実施例〕 次に実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。 第1表に示す組成のスクリュー材を粉末法により製造
し、高温軟化抵抗、回転曲げ疲労試験、耐摩耗性および
耐食性のテストを行ない、さらに実際に成形機に組み込
んで寿命テストを実施した。 第2表に本発明におけるスクリュー材の硬さ、500℃
における平滑試験片および第1図に示す形状の切欠き試
験片による回転曲げ疲労試験結果、ならびに常温および
500℃でのアルミナ粉末に対する耐摩耗性、各種酸に対
する耐食性を従来のSKD11と比較した結果を示す。これ
らの諸性質はSKD11溶製材のレベルを100として指数で示
したが、第2表から本発明のスクリュー用材料はSKD11
に比べ、500℃における疲労強度が格段に優れているこ
とがわかる。一方、耐摩耗性についても、本発明のスク
リュー用材料は、常温および500℃において、ともにSKD
11に比べ、格段に優れた耐摩耗性を示している。また耐
食性についても、本発明のスクリュー用材料は、SKD11
に比べ格段に優れている。 第2図に、本発明におけるスクリュー材の高温軟化抵
抗を従来のSKD11と比較した結果を示す。ここで横軸の
焼もどしパラメーターPは、P=T(20+logt)×10-3
で表わされ、式において、T:テストピースの加熱温度
(K)、t:前記加熱温度で保持された時間(Hr)によっ
て求められるパラメーターである。なお、わかりやすく
するために、横軸に500℃の加熱温度と保持時間の関係
もあわせて記載した。第2図から、500℃×10,000Hrの
状態で、本発明のスクリュー材はいずれも硬さがHRC4
7.5以上であるのに対し、従来材のSKD11は同じ時点でH
RC40であり、本発明のスクリュー材が、従来材のSKD11
に比べ、格段の高温軟化抵抗を有していることがわか
る。 第3表に成形機に組み込んで寿命テストを行なった結
果を示す。 ここで寿命は、従来のSKD11溶製材を同じ成形条件で
使用したときの寿命を100とした指数で示す。 第3表から比較材であるSKD11溶製材に比べ、本発明
のスクリューはいずれも格段に長寿命化していることが
わかる。 〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明の高温成形用耐食、耐摩ス
クリューは、粉末冷間ダイス鋼を使用したもので、特に
高温軟化抵抗、強度、耐摩耗性、耐食性を高めた材質で
あり、大幅な工具寿命の向上が達成でき、その工業的価
値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、500℃回転曲げ疲労試験に使用した切欠き疲
労試験片の概略図、1aは上記の切欠き部の詳細図を示
す。また第2図は、本発明の各実施例と従来材であるSK
D11の高温焼もどし軟化抵抗のグラフを示す。 1:切欠き疲労試験片、1a:切欠き形状詳細
労試験片の概略図、1aは上記の切欠き部の詳細図を示
す。また第2図は、本発明の各実施例と従来材であるSK
D11の高温焼もどし軟化抵抗のグラフを示す。 1:切欠き疲労試験片、1a:切欠き形状詳細
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭59−215470(JP,A)
特開 昭63−259052(JP,A)
特開 昭61−183430(JP,A)
特開 昭58−42729(JP,A)
特開 昭59−16952(JP,A)
特開 昭60−33344(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.重量%でC1.66〜3.5%、Si2.0%以下、Mn2.0%以
下、Cr8.0〜17.0%、Mo+1/2W0.3〜8.0%。V+Nb1.5%
を越え14.0%以下を含むFe基合金粉末を熱間静水圧プレ
スにより圧密化した後、熱間加工、機械加工を施し、さ
らに所定の硬さに焼入れ、焼もどしを行なうことによ
り、炭化物の面積率を20%以上35%以下にしたことを特
徴とする高温成形用耐食、耐摩スクリュー。 2.重量%でC1.66〜3.5%、Si2.0%以下、Mn2.0%以
下、Cr8.0〜17.0%、Mo+1/2W0.3〜8.0%、V+Nb1.5%
を越え14.0%以下の他に、Ni0.2〜5.0%、Co1.0〜8.0
%、Cu0.2〜5.0%のうち、いずれか1種または2種以上
を含むFe基合金粉末を熱間静水圧プレスにより圧密化し
た後、熱間加工、機械加工を施し、さらに所定の硬さに
焼入れ、焼もどしを行なうことにより、炭化物の面積率
を20%以上35%以下にしたことを特徴とする高温成形用
耐食、耐摩スクリュー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62233882A JP2746884B2 (ja) | 1987-09-18 | 1987-09-18 | 高温成形用耐食、耐摩スクリュー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62233882A JP2746884B2 (ja) | 1987-09-18 | 1987-09-18 | 高温成形用耐食、耐摩スクリュー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6475653A JPS6475653A (en) | 1989-03-22 |
JP2746884B2 true JP2746884B2 (ja) | 1998-05-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62233882A Expired - Fee Related JP2746884B2 (ja) | 1987-09-18 | 1987-09-18 | 高温成形用耐食、耐摩スクリュー |
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KR100896195B1 (ko) * | 2007-05-30 | 2009-05-12 | (주)세광쇼트기계인천공장 | 쇼트 블라스트 머신 블레이드용 합금 조성물 |
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JPS6033344A (ja) * | 1983-08-03 | 1985-02-20 | Nippon Piston Ring Co Ltd | 耐摩耗性焼結合金 |
-
1987
- 1987-09-18 JP JP62233882A patent/JP2746884B2/ja not_active Expired - Fee Related
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