JP2746438B2 - 乾式コーティングキャリアの製造方法 - Google Patents

乾式コーティングキャリアの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に
用いられる現像剤を構成するキャリアの製造方法に関
し、詳しくは、磁性体粒子の粉末とコーティング用樹脂
微粒子の粉末とを混合し、これに機械的衝撃力を与えて
磁性体粒子の表面をコーティング用樹脂により被覆する
乾式コーティング処理工程を含む乾式コーティングキャ
リアの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
電子写真法等に用いられる現像剤としては、トナーと
キャリアとからなる二成分系現像剤が知られているが、
斯かるキャリアとしては、耐久性および摩擦帯電性が優
れていることからコーティングキャリアが好ましく用い
られている。
斯かるコーティングキャリアの製造方法としては、従
来、(1) コーティング用樹脂を溶剤に溶解して調製
された塗布液を、流動層を用いて磁性体粒子の表面にス
プレー塗布し、次いで乾燥してコーティングキャリアを
得る方法(流動層式スプレーコーティング法)、(2)
コーティング用樹脂を溶剤に溶解して調製された塗布
液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥
してコーティングキャリアを得る方法(浸漬式コーティ
ング法)、(3) コーティング用樹脂を溶剤に溶解し
て調製された塗布液を、磁性体粒子の表面に塗布し、次
いで樹脂を焼結させてコーティングキャリアを得る方法
(焼結式コーティング法)が知られている。
しかし、上記(1)、(2)および(3)の技術で
は、いずれも塗布液を用いるいわゆる湿式コーティング
法であるため、塗布処理中において磁性体粒子が造粒し
やすく、キャリアの収率が低いという本質的な問題を有
している。
このような事情から、最近、乾式コーティング法が提
案された(特開昭62−235959号公報参照)。この乾式コ
ーティング法は、磁性体粒子の粉末とコーティング用樹
脂微粒子の粉末とを混合し、この混合体に機械的衝撃力
を繰り返して与えて磁性体粒子の表面をコーティング用
樹脂により被覆してコーティングキャリアを得る方法で
あり、塗布液を用いないため磁性体粒子の造粒が防止さ
れ、キャリアの収率が高くなることが期待されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、感光体へのキャリア付着を有効に防止する
観点からは、不定形のキャリアが好ましい。
しかし、本発明者が実験を重ねた結果、不定形の磁性
体粒子を用いて乾式コーティング法を適用してコーティ
ングキャリアを製造する場合には、効率的なコーティン
グ処理を達成することが困難であることが判明した。
すなわち、乾式コーティング処理においては、磁性体
粒子の粉末とコーティング用樹脂微粒子の粉末とを混合
し、これに機械的衝撃力を与えて磁性体粒子の表面をコ
ーティング用樹脂により被覆するので、良好なコーティ
ング層が形成されるか否かは、磁性体粒子の表面に付着
した樹脂微粒子に付与される機械的衝撃力の大きさに大
きく依存する。しかるに磁性体粒子が不定形である場合
には、コーティング用樹脂微粒子との混合時に付与され
る機械的衝撃力は磁性体粒子が球形である場合に比べて
小さいものとなり、従って、凹凸の多い不規則な形状を
有する不定形の磁性体粒子表面、特に凹部表面にまで良
好なコーティング層を形成しようとすれば、相当な長時
間にわたってコーティング処理を施すことが必要になり
生産効率が大きく低下する問題が発生した。この問題
は、特に磁性体粒子が小径である場合に顕著となる。
本発明は以上の如き事情に基づいてなされたものであ
って、その目的は、良好なコーティング層を有する乾式
コーティングキャリアを効率的に製造することができる
方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明においては、磁性体
粒子の粉末とコーティング用樹脂微粒子の粉末とを混合
し、これに機械的衝撃力を与えて磁性体粒子の表面をコ
ーティング用樹脂により被覆する乾式コーティング処理
工程を含む乾式コーティングキャリアの製造方法におい
て、前記磁性体粒子の粉末は、不定形磁性体粒子よりな
る不定形成分と、球形磁性体粒子よりなる球形成分とか
らなり、乾式コーティング処理工程を経た後に、不定形
の粉末と球形の粉末とに分離する工程を付加する構成を
採用する。
そして、不定形成分と球形成分の割合が50:50〜80:20
であることが好ましい。
また、磁性体粒子の粉末が、平均粒径が60μm以下の
不定形磁性体粒子よりなる不定形成分と、平均粒径が不
定形磁性体粒子の2倍以上の球形磁性体粒子よりなる球
形成分とからなることが好ましい。
また、球形磁性体粒子の平均粒径が80〜150μmであ
ることが好ましい。
すなわち、本発明は、後述する実施例および比較例の
説明からも理解されるように、不定形成分のみの粉末で
は、不定形磁性体粒子に付着したコーティング用樹脂微
粒子に機械的衝撃力が付与されにくいため、不定形磁性
体粒子の表面に良好なコーティング層を形成するために
は長時間を要するところ、球形成分をともに存在させる
ことにより、この球形成分を介して不定形成分に付着し
たコーティング用樹脂微粒子にも効率的に機械的衝撃力
が付与されるようになることを見出し、良好なコーティ
ング層を有するキャリアの製造に要する時間を大幅に短
縮したものである。
このように短時間の乾式コーティング処理により不定
形成分にも良好なコーティング層が形成されるのは、磁
性体粒子の粉末において不定形成分とともに球形成分が
存在するため、これらがコーティング用樹脂微粒子とと
もに混合撹拌されて機械的衝撃力が加えられると、不定
形成分に付着したコーティング用樹脂微粒子に対して球
形成分により十分にかつ均一に機械的衝撃力および剪断
力が付与されて、不定形成分の表面には十分な強度でか
つ滑らかなコーティング層が形成されるからであると考
えられる。
また、不定形成分に十分な機械的衝撃力が付与される
結果、不定形成分が造粒することがなく、後の分離工程
によって高い収率で不定形のコーティングキャリアを得
ることができる。
そして、乾式コーティング処理工程を経た後に、不定
形の粉末と球形の粉末とに分離する工程を付加したの
で、不定形コーティングキャリアおよび球形コーティン
グキャリアが得られ、これらをそれぞれトナーと組合せ
ることにより目的に応じた現像剤を調製することができ
る。
本発明において、不定形磁性体粒子とは、凹凸の多い
不規則な形状を有するものであって、球形化度(円形
度)が0.7未満のものをいう。これに対して球形磁性体
粒子とは、球形化度(円形度)の値が、前記の値以上の
ものをいう。ここで、球形化度(円形度)とは、次式で
定義されるものをいう。
この球形化度(円形度)は、例えば画像解析装置(日
本アビオニクス社製)を用いて測定することができる。
乾式コーティング処理工程においては、具体的には、
不定形磁性体粒子よりなる不定形成分の粉末と、球形磁
性体粒子よりなる球形成分の粉末と、平均粒径が例えば
1μm程度以下であるコーティング用樹脂微粒子の粉末
とを混合装置内に投入し、これらを混合撹拌して磁性体
粒子の表面にコーティング用樹脂微粒子を静電的に付着
させて、いわば樹脂微粒子による包接層を形成した後、
当該包接層の表面に撹拌による機械的衝撃力を繰り返し
て付与することによって、磁性体粒子の表面に均一で連
続なコーティング層を形成する。
ここで不定形成分と球形成分の配合割合については、
不定形磁性体粒子に良好なコーティング層を効率的に形
成し、かつ不定形コーティングキャリアの収率を高くす
る観点から、磁性体粒子の粉末全体の50重量%から80重
量%が不定形成分であることが好ましい。不定形成分の
割合が80重量%を超えるときには、磁性体粒子に付与さ
れる機械的衝撃力が減少し、良好なコーティング層の形
成が困難となる場合がある。
本発明において得られる不定形コーティングキャリア
は、高画質、高耐久性を確保し、かつキャリア付着を防
止する観点から、平均粒径が60μm以下の小径キャリア
が好ましい。しかるに、不定形磁性体粒子が小径になる
と良好なコーティング層の形成が困難となるが、本発明
においては、球形成分として大径の球形磁性体粒子を組
み合わせて用いることにより、特に小径の不定形磁性体
粒子の表面にも良好なコーティング層を効率的に形成す
ることができる。
この場合、大径の球形磁性体粒子の平均粒径は、小径
の不定形磁性体粒子の平均粒径の2倍以上であることが
好ましく、実用的な観点からは、80〜150μmの範囲内
であることが好ましい。球形磁性体粒子の平均粒径が不
定形磁性体粒子の平均粒径の2倍以上であれば、不定形
磁性体粒子が小径であっても十分な機械的衝撃力が付与
されるため、不定形磁性体粒子および球形磁性体粒子の
表面に良好なコーティング層を効率的に形成することが
できる。
ここで、本発明において、平均粒径とは、粒度分布測
定装置「SPAMK II」(マイクロトラック社製)で測定し
た重量平均粒径をいう。
磁性体粒子の粉末とコーティング用樹脂微粒子の粉末
との混合割合は、造粒を防止して良好なコーティング層
を形成する観点から、磁性体粒子の粉末(不定形成分と
球形成分の合計)100重量部に対してコーティング用樹
脂微粒子の粉末が0.5〜20重量部が好ましい。コーティ
ング用樹脂微粒子の粉末の割合が過小のときには良好な
コーティング層を形成することが困難となる場合があ
る。一方、コーティング用樹脂微粒子の粉末の割合が過
大のときにはコーティング用樹脂微粒子によって磁性体
粒子が結合されやすく、造粒の問題が生ずる場合があ
る。
不定形成分の粉末と、球形成分の粉末と、コーティン
グ用樹脂微粒子の粉末との混合の態様については、例え
ば不定形成分の粉末と球形成分の粉末とを先に混合し、
次いでこれらの混合体にコーティング用樹脂微粒子の粉
末を混合する態様、あるいは球形成分の粉末とコーティ
ング用樹脂微粒子の粉末とを混合し、不定形成分の粉末
とコーティング用樹脂微粒子の粉末とを混合し、次いで
これらの混合体をさらに混合する態様等を採用すること
ができる。
磁性体粒子の粉末とコーティング用樹脂微粒子の粉末
とを混合し、これに機械的衝撃力を与える手段として
は、例えば回転翼型混合撹拌装置、容器回転型混合撹拌
装置等を使用することができる。ここで、回転翼型混合
撹拌装置または容器回転型混合撹拌装置の混合撹拌槽の
周速は、好適な機械的衝撃力を付与する観点から、6〜
15m/秒が好ましい。この周速が過小のときには機械的衝
撃力が小さくて良好なコーティング槽を形成できない場
合があり、周速が過大のときには機械的衝撃力が大きす
ぎて磁性体粒子の解砕、変形が生ずる場合がある。
また、磁性体粒子の粉末とコーティング用樹脂微粒子
の粉末を混合してコーティング用樹脂微粒子による包接
槽を形成する工程は、コーティング用樹脂微粒子の凝集
を防止する観点から、コーティング用樹脂が軟化しない
温度で行うことが好ましい。
これに対して、コーティング用樹脂微粒子による包接
槽を形成した後、これに機械的衝撃力を繰り返して付与
する工程は、コーティング用樹脂が僅かに軟化する温度
で加熱して行うのが好ましい。
ここで、磁性体粒子としては、フェライト、マグネタ
イト等の通常用いられているものを用いることができ
る。
また、コーティング用樹脂としては、ポリメタクリル
酸メチル、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、シリコ
ーン樹脂、フッ素系樹脂等を用いることができる。
以上のようにして乾式コーティング処理工程を経た
後、不定形の粉末と球形の粉末とを分離する。
分離手段としては、磁力の差を利用した磁力選別(磁
選)方法、流動性の差を利用した振動分離方法等を採用
することができる。また、不定形成分が小径で、球形成
分が大径である場合には篩分けを採用することができ
る。すなわち、乾式コーティング処理工程を経て得られ
た処理物中に、粒度分布が小径の不定形の粉末と粒度分
布が大径の球形の粉末とがともに存在しているので、こ
れらを篩等により分離して、不定形のコーティングキャ
リアと球形のコーティングキャリアとを得る。
このようにして得られる不定形のコーティングキャリ
アおよび球形のコーティングキャリアは、いずれも良好
なコーティング層を有していて、キャリアとしての性能
が長期間安定に発揮され、耐久性が優れたものである。
これらの球形のコーティングキャリアおよび不定形の
コーティングキャリアは、それぞれトナーと組合せられ
て現像剤が構成されるが、特に小径の不定形コーティン
グキャリアを用いた現像剤によれば、キャリア付着を伴
わずに、高画質の複写画像を形成することが可能であ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明するが、
本発明はこれらの実施の態様に限定されない。なお、以
下において「部」は「重量部」を表す。
実施例1 平均粒径が60μm、球形化度が0.63の不定形のフェラ
イト(磁性体粒子)の粉末からなる不定形成分80部と、
平均粒径が120μm、球形化度が0.88の球状のフェライ
トの粉末からなる球形成分20部と、平均粒径が0.1μm
のメチルメタクリレート(MMA)/ブチルアクリレート
(BA)共重合体微粒子(コーティング用樹脂微粒子)の
粉末2部とを回転翼型混合撹拌装置に仕込み、混合撹拌
槽を常温下において周速9m/秒で回転させて5分間にわ
たり混合撹拌を行った。
引き続いて、混合撹拌槽を60℃に加温して周速9m/秒
で回転させて10分間にわたり混合撹拌を行った。
次いで、混合撹拌槽内の処理物を取り出して、200メ
ッシュの篩により小径の不定形粉末と大径の球形粉末と
に分離した。篩を通過した不定形キャリア1Aの平均粒径
は63μmであり、篩上に残留した球形キャリア1Bの平均
粒径は124μmであった。
実施例2 実施例1において、不定形成分を平均粒径が40μm、
球形化度が0.67の不定形のフェライトの粉末80部に変更
し、篩を280メッシュの篩に変更したほかは同様にして
平均粒径が42μmの不定形キャリア2Aと、平均粒径が12
2μmの球形キャリア2Bを得た。
実施例3 実施例1において、不定形成分を平均粒径が40μm、
球形化度が0.67の不定形のフェライトの粉末80部、球形
成分を平均粒径が80μm、球形化度が0.79の球状鉄粉20
部に変更し、篩を280メッシュの篩に変更したほかは同
様にして平均粒径が43μmの不定形キャリア3Aと、平均
粒径が81μmの球形キャリア3Bを得た。
比較例1 平均粒径が60μm、球形化度が0.63の不定形のフェラ
イトの粉末からなる不定形成分100部と、平均粒径が0.1
μmのメチルメタクリレート(MMA)/ブチルアクリレ
ート(BA)共重合体微粒子(コーティング用樹脂微粒
子)の粉末2部とを回転翼型混合撹拌装置に仕込み、混
合撹拌槽を常温下において周速9m/秒で回転させて5分
間にわたり混合撹拌を行った。
引き続いて、混合撹拌槽を60℃に加温して周速9m/秒
で回転させて10分間にわたり混合撹拌を行ったが、十分
な樹脂コーティング層を形成することができなかった。
このため、さらに60分間にわたり混合撹拌を行った。
次いで、混合撹拌槽内の処理物を取り出して、200メ
ッシュの篩により造粒物を分離して、平均粒径が66μm
のコーティングキャリア1aを得た。
比較例2 平均粒径が40μm、球形化度が0.67の不定形のフェラ
イトの粉末からなる不定形成分100部と、平均粒径が0.1
μmのメチルメタクリレート(MMA)/ブチルアクリレ
ート(BA)共重合体微粒子(コーティング用樹脂微粒
子)の粉末2部とを回転翼型混合撹拌装置に仕込み、混
合撹拌槽を常温下において周速9m/秒で回転させて6分
間にわたり混合撹拌を行った。
引き続いて、混合撹拌槽を60℃に加温して周速9m/秒
で回転させて10分間にわたり混合撹拌を行ったが、十分
な樹脂コーティング層を形成することができなかった。
このため、さらに50分間にわたり混合撹拌を行った。
次いで、混合撹拌槽内の処理物を取り出して、280メ
ッシュの篩により造粒物を分離して、平均粒径が45μm
のコーティングキャリア2aを得た。
以上の実施例1乃至3および比較例1乃至2における
乾式コーティング処理の時間、コーティングキャリアの
収率を後記第1表にまとめて示す。
また、得られた各コーティングキャリアを走査型電子
顕微鏡により観察し、造粒の発生の有無、コーティング
層の状態を調べた。結果を後記第1表に示す。
この第1表から明らかなように、本発明の実施例によ
れば、良好なコーティング層を有するコーティングキャ
リアを短時間で、かつ高い収率で製造することができ
る。
これに対して、比較例1および比較例2では、磁性体
粒子の粉末が不定形成分のみからなるので、乾式コーテ
ィング処理の時間が実施例と同等では良好なコーティン
グ層を形成することが困難であり、乾式コーティング処
理に長時間を要する。また造粒物が発生する問題があ
る。
実施例4 平均粒径が30μm、球形化度が0.60の不定形のフェラ
イトの粉末からなる不定形成分100部と、平均粒径が0.1
μmのメチルメタクリレート(MMA)/ブチルアクリレ
ート(BA)共重合体樹脂微粒子(コーティング用樹脂微
粒子)の粉末4部とを回転翼型混合撹拌装置に仕込み、
混合撹拌槽を常温下において周速9m/秒で回転させて10
分間にわたり混合撹拌を行い、予備混合物を得た。
一方、上記とは別に、平均粒径が120μm、球形化度
が0.88の球状のフェライトの粉末からなる球形成分100
部と、平均粒径が0.1μmのメチルメタクリレート(MM
A)/ブチルアクリレート(BA)共重合体樹脂微粒子
(コーティング用樹脂微粒子)の粉末1部とを回転翼型
混合撹拌装置に仕込み、混合撹拌槽を常温下において周
速9m/秒で回転させて5分間にわたり混合撹拌を行い、
予備混合物を得た。
次に、これらの2種の予備混合物を回転翼型混合撹拌
装置に仕込み、混合撹拌槽を60℃に加温して周速9m/秒
で回転させて10分間にわたり混合撹拌を行った。
次いで、混合撹拌槽内の処理物を取り出して、200メ
ッシュの篩により小径で不定形の粉末と、大径で球形の
粉末とに分離した。篩を通過した不定形キャリア4Aの平
均粒径は33μmであり、篩上に残留した球形キャリア4B
の平均粒径は122μmであった。
この実施例4において、乾式コーティング処理の時間
は25分(10+5+10)、コーティングキャリアの収率は
不定形キャリア4Aが98%、球形キャリア4Bが100%であ
った。また、この不定形キャリア4Aおよび球形キャリア
4Bをそれぞれ走査型電子顕微鏡により観察したところ、
造粒の発生は認められず、均一な厚さのコーティング層
が形成されていた。
次に、上記実施例1乃至4および比較例1乃至2で得
られた各コーティングキャリアの性能を調べるために、
各コーティングキャリアと、電子写真複写機「U−Bix5
070」(コニカ(株)製)用のトナーとを、トナー濃度
が後記第2表に示す割合となるように混合して各現像剤
(現像剤1乃至4および比較現像剤1乃至2)を調製
し、電子写真複写機「U−Bix5170」(コニカ(株)
製)の改造機を用いてコピー画像を形成するテストを行
い、カブリ、トナー飛散、耐久性について評価した。
「カブリ」の評価は、「サクラデンシトメーター」
(コニカ(株)製)を用いて白地部分の相対濃度を測定
し、相対濃度が0.05未満の場合を「○」、0.05以上の場
合を「×」とした。
「トナー飛散」の評価は、複写機内を目視により観察
し、トナー飛散がほとんど認められない場合を「○」、
トナー飛散が多く認められる場合を「×」とした。
「耐久性」の評価は、「サクラデンシトメーター」
(コニカ(株)製)を用いて、オリジナル濃度が1.3の
黒地部分の相対濃度を測定し、相対濃度が1.0未満とな
る時点の複写回数、あるいは「カブリ」、「トナー飛
散」が「×」と判定される複写回数の中で最も少ない複
写回数をもって示した。
この第2表から明らかなように、本発明の実施例によ
り得られた不定形キャリア1A乃至4Aを用いた現像剤によ
れば、カブリ、トナー飛散を伴わずに、多数回にわたり
安定した画像を形成することができる。
これに対して、比較例1および比較例2により得られ
たコーティングキャリア1aおよび2aを用いた現像剤によ
れば、磁性体粒子の粉末が不定形成分のみからなるの
で、乾式コーティング処理の時間が実施例と同等では、
良好なコーティング層を形成されないため、カブリ、ト
ナー飛散、耐久性のいずれの点についても劣る。
また、実施例1乃至4で得られた球形キャリア1B乃至
4Bを用いた現像剤についても同様の実写テストを行った
ところ、良好な結果が得られた。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明したように、請求項1の発明によれ
ば、磁性体粒子の粉末が、不定形成分と、球形成分とか
らなるので、良好なコーティング層を有する乾式コーテ
ィングキャリアを効率的に製造することができる。
請求項2の発明によれば、不定形成分と球形成分とを
特定の割合で配合するので、良好なコーティング層を有
する乾式コーティングキャリアを高い収率で得ることが
できる。
請求項3の発明によれば、不定形成分が、平均粒径60
μm以下の小径の不定形磁性体粒子よりなり、球形成分
が、平均粒径が不定形磁性体粒子の2倍以上の球形磁性
体粒子よりなるので、不定形磁性体粒子が小径であって
も有効に乾式コーティングキャリアを製造することがで
きる。
請求項4の発明によれば、球形磁性体粒子が特定の平
均粒径を有するので、不定形磁性体粒子に十分な機械的
衝撃力を付与することができ、不定形磁性体粒子が小径
であっても有効に乾式コーティングキャリアを製造する
ことができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体粒子の粉末とコーティング用樹脂微
    粒子の粉末とを混合し、これに機械的衝撃力を与えて磁
    性体粒子の表面をコーティング用樹脂により被覆する乾
    式コーティング処理工程を含む乾式コーティングキャリ
    アの製造方法において、 前記磁性体粒子の粉末は、不定形磁性体粒子よりなる不
    定形成分と、球形磁性体粒子よりなる球形成分とからな
    り、 乾式コーティング処理工程を経た後に、不定形の粉末と
    球形の粉末とに分離する工程を付加することを特徴とす
    る乾式コーティングキャリアの製造方法。
  2. 【請求項2】不定形成分と球形成分の割合が50:50〜80:
    20であることを特徴とする請求項1に記載の乾式コーテ
    ィングキャリアの製造方法。
  3. 【請求項3】磁性体粒子の粉末が、平均粒径が60μm以
    下の不定形磁性体粒子よりなる不定形成分と、平均粒径
    が不定形磁性体粒子の2倍以上の球形磁性体粒子よりな
    る球形成分とからなることを特徴とする請求項1に記載
    の乾式コーティングキャリアの製造方法。
  4. 【請求項4】球形磁性体粒子の平均粒径が80〜150μm
    であることを特徴とする請求項3に記載の乾式コーティ
    ングキャリアの製造方法。
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