JP2745939B2 - リニアモータ - Google Patents

リニアモータ

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JP2745939B2
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堀  宏展
潤 斎藤
義一 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曲線的な搬送に用いら
れるリニアモータであって、これを直線的な搬送にも好
適に用いることができるリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カーテン等を直線的にあるいは曲
線的に搬送するのに、長く延びたリニアモータが用いら
れるようになっている。特に、曲線的なリニアモータに
あっては、その固定子ブロックは一定のあるいは変化す
る曲率を有した固定子ケースに永久磁石と給電基板を収
容配設し、その可動子ブロックはコイルを巻装して永久
磁石に対向するヨークを3個 (3相) 設けるものが一般
的であり、固定子ブロックの曲率に沿い易くするために
ヨークを設けた可動台を互いに回動可能な状態でもって
複数個連結するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述したカーテン等を
曲線的に搬送するリニアモータにあっては、可動台の相
互間には固定子ブロックの曲率に確実に沿うようある程
度のガタを持たせて連結している。このガタは、リニア
モータの運転中には遠心力によって一方側に寄せられる
ので、永久磁石とヨークとの距離を略一定に保つことが
できてさほど問題はない。しかしながら、この可動子ブ
ロックをカーテン等を直線的に搬送するリニアモータと
共用しようとすると、直線的な動作ではリニアモータの
運転中に遠心力が作用しないので、可動台はガタの分だ
け左右方向や上下方向に揺れる。この揺れが大きくなる
と、永久磁石とヨークとの距離が変化して推力性能を低
下させたり、可動子ブロックの摩擦を増やす等の問題を
招来することとなる。この問題を解決するには、複数個
分の可動台を一体部品で形成すればよいのであるが、そ
うすると可動子ブロックを曲線用と直線用のそれぞれ専
用部品として用意しなければならず製造管理面で複雑に
なったり金型費用が増える等、別の問題を招来する。
【0004】本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもの
で、第1の目的とするところは、曲線的な搬送に用いら
れる可動子ブロックを、直線的な搬送にも用いることが
でき得るリニアモータを提供することにあり、第2の目
的とするところは、曲線的な搬送に用いられる可動子ブ
ロックに簡単な部材を追加して直線的な搬送に用いたリ
ニアモータを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに請求項1記載のリニアモータは、筒状に長く延びた
固定子ケースにその長手方向に交互に異極が存在する永
久磁石と正負の電圧の導電部を設けた給電基板を収容配
設した固定子ブロックと、固定子ケースに移動自在にガ
イドされるものであってコイルを巻装して永久磁石に対
向するヨークを設けた可動台を互いに回動可能に複数個
連結するとともに給電基板の導電部に摺接して各コイル
に給電するブラシを有する可動子ブロックとよりなるリ
ニアモータにおいて、前記各可動台を直線状に固定する
固定部材が取着できるよう各可動台に取着部を形成した
構成としている。
【0006】また、請求項2記載のリニアモータは、請
求項1記載のリニアモータの各可動台を固定部材により
直線状に固定した構成としている。
【0007】
【作用】請求項1記載の構成によれば、その可動子ブロ
ックは本来の曲線的な搬送に用いるとともに、簡単な固
定部材を取着することによって直線的な搬送にも用いる
ことができるので、1種類の可動子ブロックだけで共用
が可能となる。
【0008】請求項2記載の構成によれば、曲線的な搬
送に用いていた可動子ブロックに固定部材を取着したこ
とにより、直線的な搬送を行ったときに推力性能を低下
させたり可動子ブロックの摩擦が増えないものとなる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図5に基
づいて説明する。このリニアモータは、固定子ブロック
1 と可動子ブロック7 を基本構成部材としているが、本
来的には曲線的な搬送に用いるリニアモータとして構成
している。
【0010】固定子ブロック1 は、曲線的あるいは直線
的な筒状でもって長く延びた固定子ケース2 と、その長
手方向に交互に異極が存在する永久磁石3 と、正負の電
圧の導電部5,6 を設けた給電基板4 を収容配設してい
る。
【0011】固定子ケース2 は、アルミニウム等の押し
出し成形やそれと曲げ加工との併用等により形成し、上
方を可動子ブロックのヨーク収容部、下方を可動子ブロ
ックのローラ収容部とし、下面の中央には搬送物支持体
が貫通する開口部2aを有し、その両側はローラガイド2
b,2b としている。また、上面には永久磁石3 を配設す
るI形の支持部2c、一方側面には給電基板4 を配設する
L形の支持部2d,2d を有する。
【0012】永久磁石3 は、固定子ケース2 の支持部2c
に固定され、その長手方向に一定ピッチで交互に異極が
存在する。曲線的な固定子ケースに固定する場合には、
ゴム磁石が好ましい。なお、この永久磁石3 は長手方向
と直交する方向、すなわち厚み方向に着磁してあるの
で、前述した交互の異極とは一方側から見た状態をいっ
ている。図5は動作説明のための模式図であり、N極と
S極からなる1ピッチをLとする。
【0013】給電基板4 は、好ましくは可撓性のある絶
縁基板製であり、図5に示すように、中央部に一定間隔
で上下に蛇行する絶縁部4aが存在するよう、すなわち絶
縁部4aにて分離された状態に上下に正負の電圧の導電部
5,6 を設けている。後述する可動子ブロックのブラシ
は、給電基板4の中央を正導電部5 →絶縁部4a→負導電
部6 →絶縁部4a→正導電部5 ─と摺接していく。その寸
法は、正負導電部5,6 をL/3、絶縁部をL/6とす
る。
【0014】可動子ブロック7 は、ローラ10及び搬送物
支持体11を実質的に一体化した可動台8 と、ヨーク12及
びコイル13と、ブラシ14を有している。
【0015】可動台8 は、その主要部がヨーク12及びコ
イル13を配設して固定子ケース2 の上方収容部に位置し
ている。この可動台8 は、前後端部に連結孔8a,8a を有
する菱形の連結段部8b,8b を有しており、連結ピン8c,8
c でもって互いに回動可能に複数個 (実施例では3個)
連結している。また下面 (図1及び図4では上面) に
は、各可動台8,8,8 を直線状に固定する後述の固定部材
が取着できるようねじ孔のような取着部8d,8d,8dを形成
している。8e,8e は後述する固定部材をガイドするため
のガイド突起で、これを設けると固定部材の取着作業が
容易になる。
【0016】図1に示す9 は連結部材であり、基部9aと
これからL字状に連設された連結部9bからなり、基部9a
を可動台8,8,8 のうちの1個の取着部8dに取着してい
る。この連結部9bは、ローラ収容部に延びてカーテン等
を係止する搬送物支持体11に結合している。この搬送物
支持体11にはローラ軸10a が貫装しており、搬送物支持
体11を挟むようにしてローラ10,10 が回転可能にローラ
軸10a に支持してある。従って可動台8,8,8 は、固定子
ケース2 に移動自在にガイドされる。
【0017】ヨーク12は、対向片12a,12a と連結片12b
にてコ字状をなす積層鉄心にてコ字状をなし、対向片12
a,12a が永久磁石3 に所定間隙を介して対向するよう連
結片12b が可動台8 に嵌め込み固定される。対向片12a,
12a の先端部には、機械的な保護を兼ねて摩擦抵抗の少
ない樹脂製のキャップ12c を被せることが望ましい。コ
イル13は、対向片12a,12a に装着されたコイル枠13a の
周囲に巻回される。このようなヨーク12及びコイル13
は、永久磁石3 とともに電磁石を構成することとなり、
その電磁石は長手方向に3個並設されたこととなる。こ
の場合、3個のコイル13の端末の一方は共通接続とす
る。また、このヨーク12は、その長手方向長さをl1とし
た場合、l1<L/3とする。
【0018】ブラシ14は、先端部が給電基板4 に摺接す
るよう基端部が各電磁石毎に設けた絶縁板14a に設けら
れ、3個のコイル13の端末の他方に電気的に接続され
る。このブラシ14は、その先端部が長手方向にL/3の
間隔で位置する。
【0019】このような曲線的な搬送に用いるリニアモ
ータは、可動子ブロック1 が図1に示す構成に、全体断
面は図2に示す構成に、そして動作原理的には図5に示
す構成となる。すなわち動作原理的には、3個 (3相)
のコイル13,13,13のいずれか2個 (2相) にブラシ14を
介して常時電流を流し、その際に生じる起磁力により一
定方向の推進力を得て可動子ブロック7 が進行する。可
動子ブロック7 を逆方向に進行させる場合は、給電基板
4 の導電部5,6 へ供給する電圧の正負関係を逆にする。
【0020】次に、前述した曲線的な搬送に用いるリニ
アモータを、同じ可動子ブロック7を用いて直線的な搬
送に用いるリニアモータとする構成について説明する。
【0021】図3に示す15は固定部材で、各可動台8,8,
8 の取着部8d,8d,8dに取着されて各可動台8,8,8 を直線
状に固定する。すなわち固定部材15は、各可動台8,8,8
の取着部8d,8d,8dに跨がる長さの基部15a とこれからL
字状に連設された連結部15bからなり、基部15a には取
着部8d,8d,8dに対応させてタッピングねじのような締結
部材の挿通孔15c,15c,15c を有し、また各可動台8,8,8
のガイド突起8e,8e にガイドされるようガイド面15d,15
d,15d を形成している。15e,15e,15e は連結ピン8c,8c
の逃がし部である。なお、連結部15b は、ローラ収容部
に延びてカーテン等を係止する搬送物支持体11に結合さ
せる。
【0022】図4は、前述の固定部材15を各可動台8,8,
8 の取着部8d,8d,8dにタッピングねじのような締結部材
16,16 によって取着した状態を示しており、これを直線
的な搬送に用いる固定子ケース2 に移動自在にガイドす
る。これにより、各可動台8,8,8 は一体化されるので、
固定部材15を取着しないときに可動台8,8,8 が左右方向
や上下方向に揺れていた量を大幅に低減させることがで
きる。
【0023】なお、可動台に直接ローラを装着したり搬
送物支持部を形成するような場合には、固定部材の連結
部は省略すればよいし、また可動台の形状は適宜に設計
すればよい。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載のリニアモータは、その可
動子ブロックは本来の曲線的な搬送に用いるとともに、
簡単な固定部材を取着することによって直線的な搬送に
も用いることができるので、1種類の可動子ブロックだ
けで共用が可能となる。
【0025】請求項2記載のリニアモータは、曲線的な
搬送に用いていた可動子ブロックに簡単な部材である固
定部材を取着したことにより、直線的な搬送を行ったと
きに推力性能を低下させたり可動子ブロックの摩擦が増
えないものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部 (可動子ブロッ
ク) 斜視図である。
【図2】その全体断面図である。
【図3】その固定部材の斜視図である。
【図4】その固定部材を可動子ブロックに取着した状態
を示す斜視図である。
【図5】その動作説明のための模式図である。
【符号の説明】
1 固定子ブロック 2 固定子ケース 3 永久磁石 4 給電基板 5,6 給電基板の導電部 7 可動子ブロック 8 可動台 8d 可動台の取着部 9 連結部材 10 ローラ 11 搬送物支持体 12 ヨーク 13 コイル 14 ブラシ 15 固定部材 16 締結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白岩 紀人 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−177266(JP,A) 特開 平4−364354(JP,A) 実開 昭64−25880(JP,U) 実開 昭62−122484(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状に長く延びた固定子ケースにその
    長手方向に交互に異極が存在する永久磁石と正負の電圧
    の導電部を設けた給電基板を収容配設した固定子ブロッ
    クと、固定子ケースに移動自在にガイドされるものであ
    ってコイルを巻装して永久磁石に対向するヨークを設け
    た可動台を互いに回動可能に複数個連結するとともに給
    電基板の導電部に摺接して各コイルに給電するブラシを
    有する可動子ブロックとよりなるリニアモータにおい
    て、前記各可動台を直線状に固定する固定部材が取着で
    きるよう各可動台に取着部を形成したことを特徴とする
    リニアモータ。
  2. 【請求項2】 前記各可動台を固定部材により直線状
    に固定した請求項1記載のリニアモータ。
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