JP2745274B2 - 多板ディスクブレーキ装置 - Google Patents

多板ディスクブレーキ装置

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JP2745274B2 JP35992492A JP35992492A JP2745274B2 JP 2745274 B2 JP2745274 B2 JP 2745274B2 JP 35992492 A JP35992492 A JP 35992492A JP 35992492 A JP35992492 A JP 35992492A JP 2745274 B2 JP2745274 B2 JP 2745274B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多板ディスクブレーキ
装置に係り、特に、車両の走行用駆動源等の回転駆動軸
から多板ディスクブレーキ装置の構成要素であるロータ
部材に至る回転伝達経路の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては、鉄道車両等に備えられ
るブレーキ装置として、その高速化の要請に応じるた
め、多板ディスクブレーキ装置の実用化が試みられてい
る。この種のブレーキ装置の具体例として、実開平4-23
834 号公報によれば、鉄道車両の車軸を回転させる走行
用駆動源である電動機の駆動軸に、継手を介してブレー
キ装置の回転軸を連結すると共に、この回転軸に連動し
て回転する複数枚のロータ部材相互間に、回転不能なス
テータ部材を配設し、押圧部材(ピストン)の作用によ
り前記ロータ部材及びステータ部材を密着させて制動力
を得るようにした基本的構成が開示されている。
【0003】また、同公報に開示のブレーキ装置に採用
されている冷却手段は、ロータ部材の内周側に係合され
る回転軸に内孔を形成し、この内孔に自然導入される冷
却空気をケーシング内部の外周側に向かって流通させ、
この流通時に冷却空気を直接ロータ部材及びステータ部
材に接触させて冷却効果を得る一方、ロータ部材及びス
テータ部材の外周部とケーシングとの間の隙間に金属環
板を配設し、この金属環板の作用によりロータ部材及び
ステータ部材からケーシングに向かう輻射熱を防止する
と共に、この金属環板に多数の貫通孔を形成し、前記回
転軸の内孔からロータ部材及びステータ部材の周辺に導
入した冷却空気を金属環板の貫通孔を介してその外周側
空間に逃がし、この外周側空間からケーシングに形成さ
れた排出孔を介して大気中に放出するようにしたもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記例
示の多板ディスクブレーキ装置は、ロータ部材と共に回
転する回転軸が電動機の駆動軸に継手を介して連結され
ている関係上、制動作用を必要としない通常走行時にお
いてもロータ部材は常に回転軸と共に回転しており、而
もロータ部材とステータ部材との間の隙間は極めて小さ
く設定されているため、前記通常走行時において、双方
の部材に若干の傾きがあったり或いは台車が左右揺動し
た場合であっても、常時回転しているロータ部材がステ
ータ部材に接触し、両者間に摩擦熱が発生すると共に、
両者が摩耗するという問題がある。この種の問題は、鉄
道車両の高速化に伴ってロータ部材が高速回転すること
を余儀なくされている現状に徴すれば、駆動力の損失と
共に一層重要なものとなる。
【0005】そして、この種の多板ディスクブレーキ装
置は、上記通常走行時に摩擦熱が発生することに加え
て、制動作用時には更に大量の摩擦熱が発生して蓄熱さ
れるものであるため、上記例示の冷却手段のように単に
熱の輻射を防止したり或いは冷却空気を流通させるだけ
では、充分な冷却効果を得ることはできず、熱による種
々の弊害、例えばロータ部材及びステータ部材を押圧す
るピストンやその気密保持用パッキンの早期劣化、或い
はロータ部材が係合する回転軸のベアリングに対する潤
滑油の蒸発等の弊害を招くことになる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、車両の通常走行時に多板ディスクブレーキ装置
に発生する摩擦熱を消失させることにより、当該ブレー
キ装置に蓄熱されるトータル熱量を大幅に低減させると
共に、ロータ部材及びステータ部材の早期摩耗を防止
し、もって熱による種々の弊害や耐久性の低下を回避す
ることを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る多板ディス
クブレーキ装置は、上記技術的課題を達成するため、以
下に示すように構成したことを特徴とする。即ち、車両
の回転駆動軸と連動して回転可能なロータ部材を有し、
このロータ部材とステータ部材とを相互に密着させるこ
とにより制動力を得るように構成した多板ディスクブレ
ーキ装置において、前記回転駆動軸からロータ部材に至
る回転伝達経路の途中に、この回転伝達経路を連結状態
と遮断状態とに切り換えるクラッチ手段を介設したもの
である。
【0008】
【作用】上記手段によると、多板ディスクブレーキ装置
の構成要素であるロータ部材は車両の回転駆動軸と連動
して回転可能であるが、この回転駆動軸からロータ部材
に至る回転伝達経路の途中にはクラッチ手段が介設され
ているので、車両の通常走行時にはクラッチ手段により
前記回転伝達経路を遮断状態にしてロータ部材への回転
伝達を阻止しておき、ロータ部材とステータ部材との間
に相対回転が生じないようにする。一方、車両の制動作
用時にはクラッチ手段により前記回転伝達経路を連結状
態にしてロータ部材に回転が伝達されるようにし、この
ような状態の下でロータ部材とステータ部材とを密着さ
せることにより、所要のブレーキ力が得られるようにす
る。これにより、ロータ部材は制動作用時にのみ回転す
ることになり、通常走行時にはロータ部材が停止状態と
なってステータ部材との間に摩擦が生じることを阻止で
きることになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る多板ディスクブレーキ装
置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明
に係る多板ディスクブレーキ装置1の設置状態の一例を
示す概略平面図であり、車両(鉄道車両)の台車枠2の
下方には相対称的に二個の駆動用電動機3,3 が取り付け
られ、これらの電動機3,3 のそれぞれの端部には多板デ
ィスクブレーキ装置1,1 が連設されており、これらの各
ブレーキ装置1,1 の本体1a,1a と電動機3,3 との間には
クラッチ手段4,4 が介設されている。各電動機3,3 の出
力軸 (回転駆動軸)5,5は、ギヤケース6,6 内の歯車伝達
機構6a,6a を介して車軸7,7 ひいては車輪8…8に接続
されている。
【0010】図2は、個々の多板ディスクブレーキ装置
1の内部構造を示すもので、その左側部分が制動作用を
行うための本体1aを構成し、その右側部分がクラッチ手
段4を構成している。
【0011】この実施例における前記本体1aは、冷却効
果を高めるために左右二位置に分割して配置されてお
り、この双方の構成は、中空軸10の外周に隙間を存して
嵌合固定された筒軸11と、この筒軸11の外周に等角度間
隔で突出形成された複数のキー部11a …11a と、これら
のキー部11a …11a にその内周部が係合され且つ中空軸
10と共に回転する円環状のロータ部材12,12 と、このロ
ータ部材12,12 の外周側に隙間を隔てて等角度間隔で配
置され且つ本体ケース部1xに固定された複数本のキー部
材13…13と、これらのキー部材13…13にその外周部が係
合された回転不能な円環状のステータ部材14…14と、前
記ロータ部材12及びステータ部材14を相互に密着させる
油圧作動式 (又は空気圧作動式) のピストン15とを有す
る。尚、この実施例においては、ロータ部材12,12 及び
ステータ部材14…14は炭素系複合材料でなり、これらの
部材 (ステータ部材については中央に配置されたもの)
の厚み方向中央部に、放熱効果を高めるための金属板好
ましくは銅板 12a,12a,14aが介設されている(図5参
照)。
【0012】図3に示すように、前記ピストン15は、本
体ケース部1xの左端壁1y (中央部の仕切壁1zについても
同様) に複数個(図例では四個)のものが等角度間隔で
配設されており、作動油の供給口15A から導入された油
圧が、各連通路15B …15B を介して各ピストン15…15に
作用する構成である。尚、同図に示す符号Pは、エア抜
き用のプラグである。
【0013】図4に示すように、前記クラッチ手段4
は、外周面に係合凹部15x が形成され且つ内周面に内歯
15a …15a が形成された切換歯車15と、この内歯15a …
15a に噛み合う第1外歯16b が外周面に形成された従動
歯車16と、この従動歯車16に隣接配置されて第2外歯17
b が外周面に形成され且つバネ部材17z により従動歯車
16側に向かって付勢されたクラッチ歯車17と、このクラ
ッチ歯車17に隣接配置され且つ第3外歯18b が外周面に
形成された駆動歯車18とを有する。そして、前記従動歯
車16の外周面部には、複数箇所 (図例では三箇所) に凹
部19…19が形成されており、これらの凹部19に、出退可
能な球状係合体20a を有するラッチ片20と、クラッチ歯
車17の複数箇所 (前記と同箇所) に一体的に形成された
凸部17a とが係合されている。更に、前記クラッチ歯車
17に形成された内方凹状部のテーパ面17x と、前記駆動
歯車18の外方凸状部に形成されたテーパ面18x とは接離
可能とされている。尚、前記従動歯車16の左端面にはラ
ッチ片20の移動を規制するストッパリング21が固定さ
れ、前記駆動歯車18の右端面には切換歯車15の移動を規
制するストッパ円板22が固定され、更にこの駆動歯車18
の左端面には後述する回転駆動軸24を固定するための取
付円板23が固定されている。尚、前記球状係合体20a
は、ラッチ片20に内蔵されたバネ手段20b により突出方
向に付勢された状態で、切換歯車15の内周面に形成され
た係合孔15b に係合されている(図5参照)。
【0014】そして、図2に示すように、前記従動歯車
16の内孔には、ロータ部材12と共に回転する前記中空軸
10が嵌合固定され、且つ、前記駆動歯車18の内孔には、
前記電動機3の回転駆動軸24 (前記出力軸5と連結)が
嵌合固定されている。更に、前記クラッチ手段4の各構
成要素を収納するクラッチケース部1cにはガイド軸25が
固定されていると共に、このガイド軸25に軸方向に摺動
自在に嵌合された摺動筒26には、前記切換歯車15の係合
凹部15x に係合するフォーク27が固定されており、この
フォーク27 (及び摺動筒26) はスプリング28により右方
に付勢されている。
【0015】図6に示すように、前記フォーク27は二股
状に下方に延出形成され、延出下端部27a,27a が切換歯
車15の係合凹部15x に嵌まり込んでおり、更にこのフォ
ーク27は、前記ガイド軸25の側方に配設された油圧式
(空気圧式) の駆動手段29により作動するものである。
この駆動手段29は、図7に示すように、クラッチケース
部1cに固定されて油圧配管孔30,31aを有する支持体31
と、この支持体31に嵌合固定されたシリンダ32と、この
シリンダ32に摺動可能に嵌合された筒状の中間体33と、
この中間体33に摺動可能に嵌合されたピストンロッド34
とを有し、このピストンロッド34の先端部に前記フォー
ク27を固定したものである。
【0016】この駆動手段29の具体的作動は、図7に示
す状態の下では、配管孔31a から導入された制御油圧が
中間体33の受圧部33a 及びピストンロッド34の受圧部34
a に作用していることにより、前記スプリング28のバネ
力に抗してフォーク27は左端に位置している。クラッチ
接合時には、第1ポート35から油圧が排出されることに
より、前記スプリング28のバネ力によって中間体33及び
ピストンロッド34ひいてはフォーク27が右方に移動し、
図8に示す状態になった時点で、第2ポート36から供給
されるブレーキ油圧が配管孔30から送出されて既述の図
3に示す供給口15A に導入され、これによりピストン15
がロータ部材12及びステータ部材14を押圧して相互に密
着させる。従って、クラッチ手段4が連結状態 (詳細は
後述する)となってロータ部材12に対して回転が伝達さ
れるようになった後に、ピストン15が押圧作動して制動
作用が行われるのである。
【0017】上記フォーク27の移動に伴うクラッチ手段
4の具体的作動を説明すると、先ずクラッチ手段4が回
転伝達を遮断した状態にある時には、図9に示すよう
に、クラッチ歯車17のテーパ面17x と駆動歯車18のテー
パ面18x とが離反した状態にあるため、電動機3の回転
駆動軸24の回転は駆動歯車18にのみ伝達される。この時
点では、従動歯車16の凹部19…19とクラッチ歯車17の凸
部17a との間に、周方向に対する隙間Sが設けられてい
る。
【0018】そして、図10に示すように、フォーク27が
僅かに右方に移動して、切換歯車15が球状係合体20a 及
びラッチ片20を介してクラッチ歯車17の凸部17a を右方
に押圧することにより、クラッチ歯車17のテーパ面17x
が駆動歯車18のテーパ面18xに軽く接触し、これに伴っ
てクラッチ歯車17が駆動歯車18と共に前記隙間S分だけ
回転する。この隙間S分の回転により、切換歯車15の内
歯15a が、その移動経路においてクラッチ歯車17の第2
外歯17b に当接可能な状態となる。
【0019】このような状態から更に切換歯車15が右方
に移動することにより、図11に示すように、切換歯車15
の内歯15a がクラッチ歯車17の斜面と第2外歯17b 斜面
に当接して、クラッチ歯車17を右方に強い力で押しやる
ことが可能になり、従ってクラッチ歯車17のテーパ面17
x は駆動歯車18のテーパ面18x に強く押し付けられる。
クラッチ歯車17は急速に回転し始め、クラッチ歯車17の
歯先で切換歯車15の歯先を引掛けて加速回転する。これ
によって両歯車歯先の間には角加速度による圧縮力が作
用しているため切換歯車15はクラッチ歯車17の谷部を通
り抜けることが出来ない。
【0020】この後、クラッチ歯車17が駆動歯車18と同
速回転になると角加速度が無くなるため切換歯車15が球
状係合体20a を下方に押し退けて右方に移動することに
より、図12に示すように、切換歯車15の内歯15a がクラ
ッチ歯車17の第2外歯17b の谷部に侵入して、クラッチ
歯車17を隙間S分だけ反回転方向側に相対回転させると
共に、前記双方のテーパ面17x,18x の強い押し付けによ
り、駆動歯車18とクラッチ歯車17と従動歯車16とが同期
して回転する。
【0021】このように各歯車16,17,18が同期して回転
している間に、切換歯車15が更に右方に移動することに
より、図13に示すように、その内歯15a が駆動歯車18の
第3外歯18b の谷部に侵入し、この結果、切換歯車15の
内歯15a が、従動歯車16の第1外歯16b とクラッチ歯車
17の第2外歯17b と駆動歯車18の第3外歯18b とにわた
って噛み合った状態となり、駆動歯車18の回転が確実に
従動歯車16に伝達される状態、つまり回転伝達経路が連
結された状態となる。これにより、電動機3の回転駆動
軸24の回転は、クラッチ手段4を介して中空軸10ひいて
はロータ部材12,12 に伝達される。
【0022】この実施例においては、ブレーキ指令信号
が発せられた場合に、既述の油圧式駆動手段29がフォー
ク27及び切換歯車15を図7に示す状態から図8に示す状
態に移動させ、これに伴ってクラッチ手段4は図9に示
す状態から図13に示す状態に移行し、この後に油圧式駆
動手段29からの油圧により、ピストン15が制動作用を行
うように、クラッチ手段4の動作とブレーキ装置本体1a
の動作とが連係されている。
【0023】また、この実施例においては、冷却効果を
高めるために、図2に示すように、ブレーキ装置本体1a
の二位置に冷却空気を強制的に導入するための空気導入
口50,50 が形成されている。この空気導入口50の外端に
は、図5に示すように、ゴミ等の異物の流入を阻止する
たのチリコシ(フィルター)51が取り付けられており、
またこの空気導入口50には、車体の床面に備えられた既
存のファン (図示せず) により強制送給される冷却空気
を送り込むための送風管52が接続されている。そして、
この空気導入口50から導かれた冷却空気は、矢印Xで示
すようにロータ部材12及びステータ部材14の周辺に流入
すると同時に、矢印Yで示すようにクラッチ手段4の周
辺にも流入し、その後、図2に示す排出口53,53 から外
部に排出される。
【0024】更に、この実施例においては、制動作用時
にロータ部材12及びステータ部材14を密着させるピスト
ン15に対する熱による弊害 (例えば潤滑不能等) を回避
するために、以下に示すような手段が採用されている。
即ち、図14に示すように、ピストン15を出退自在に嵌合
保持するシリンダ55の外周部には、ステータ部材14に接
離可能な当接筒体56が出退自在に嵌合保持されており、
この当接筒体56は第1スプリング57により左方に付勢さ
れていると共に、この当接筒体56とピストン15との間に
は両者を離反方向に付勢する第1スプリング57よりもバ
ネ力の弱い第2スプリング58が介設されている。
【0025】従って、制動作用時にシリンダ55の圧力室
55a に油圧が供給された場合には、ピストン15が右方に
移動して先ず第2スプリング58を押し縮めて当接筒体56
のバネ受体56a に当接し、この後第1スプリング57を押
し縮めて更に右方に移動することにより、当接筒体56の
先端を鎖線で示すようにステータ部材14に当接させて押
圧し、これにより所要のブレーキ力を得る。そして、制
動作用を停止させる場合には、前記圧力室55a から油圧
を排出させることにより、先ず第1スプリング57のバネ
力により当接筒体56が当初の位置に復帰し、この後第2
スプリング58のバネ力によりピストン15が当初の位置に
復帰して、ピストン15と当接筒体56とは離反した状態と
なる。
【0026】これにより、制動作用時にステータ部材14
に当接して熱伝導を受けていると共に、ステータ部材14
周辺の高温雰囲気中に常時晒されていることにより高温
状態となっている当接筒体56から、非制動作用時にピス
トン15に熱が伝導されることはなくなり、ピストン15に
対する熱の弊害が効果的に回避される。
【0027】加えて、前記ピストン15の周辺には、既述
の車体床面のファンから強制送給される冷却空気が、矢
印X1で示すように通路60から導かれて、当接筒体56の貫
通孔56x を通過して流入し、この後、当接筒体56の貫通
孔56y を通過して、矢印X2で示すように通路61から外部
に排出される。これにより、ピストン15及びその周辺部
は冷却空気の作用により適度に冷却される。
【0028】尚、上記実施例は、二位置に分割配置され
た型式の多板ディスクブレーキ装置に本発明を適用した
ものであるが、このように分割配置されていない型式の
多板ディスクブレーキ装置についても同様に本発明を適
用できるものである。更に、上記実施例は、固定状態の
本体ケース部1xにキー部材13…13を固定し且つこれらに
ステータ部材14を係合させる型式の多板ディスクブレー
キ装置に本発明を適用したものであるが、これ以外に、
例えば上記の本体ケース部1xに相当する部分が回転し且
つこれにロータ部材12を係合させる型式の多板ディスク
ブレーキ装置についても同様に本発明を適用できるもの
である。また、上記実施例におけるロータ部材12及びス
テータ部材14は、炭素系複合材料で構成されたものであ
るが、これ以外の材質、例えば鋳鉄等で構成されたロー
タ部材及びステータ部材を有する多板ディスクブレーキ
装置についても同様に本発明を適用できるものである。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明に係る多板ディスク
ブレーキ装置によれば、車両の回転駆動軸からブレーキ
装置のロータ部材に至る回転伝達経路の途中にクラッチ
手段が介設されているので、車両の通常走行時にはクラ
ッチ手段により前記回転伝達経路を遮断状態にしてロー
タ部材への回転伝達を阻止して、ロータ部材とステータ
部材との間に相対回転が生じないようにすることによ
り、両者の僅かな傾きや台車の左右揺動があっても、こ
の両者間に摩擦熱が発生して蓄熱されるといった不具合
は生じず、これにより当該ブレーキ装置の構成部品に対
する熱による弊害が低減される。
【0030】また、車両の制動作用時にはクラッチ手段
により前記回転伝達経路を連結状態にしてロータ部材に
回転が伝達されるようにし、このような状態の下でロー
タ部材とステータ部材とを密着させることにより、所要
のブレーキ力が得られるようになるので、上記のように
通常走行時における摩擦熱の発生を消失させたにも拘ら
ず、制動作用には何ら支障が生じないことになり、近年
における車両の高速化に応じた制動力が得られることに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多板ディスクブレーキ装置の配設
状態を示す概略平面図である。
【図2】上記多板ディスクブレーキ装置の内部構造を示
す半縦断正面図である。
【図3】上記多板ディスクブレーキ装置の左側面図であ
る。
【図4】上記多板ディスクブレーキ装置の構成要素であ
るクラッチ手段を示す要部破断斜視図である。
【図5】上記多板ディスクブレーキ装置の要部を示す拡
大縦断正面図である。
【図6】上記多板ディスクブレーキ装置の要部破断右側
面図である。
【図7】上記クラッチ手段の駆動手段を示す要部拡大縦
断正面図である。
【図8】上記クラッチ手段の駆動手段を示す要部拡大縦
断正面図である。
【図9】上記クラッチ手段の作用を示す概略図である。
【図10】上記クラッチ手段の作用を示す概略図であ
る。
【図11】上記クラッチ手段の作用を示す概略図であ
る。
【図12】上記クラッチ手段の作用を示す概略図であ
る。
【図13】上記クラッチ手段の作用を示す概略図であ
る。
【図14】上記多板ディスクブレーキ装置の構成要素で
あるピストンの周辺構造を示す要部拡大縦断正面図であ
る。
【符号の説明】
1 多板ディスクブレーキ装置 4 クラッチ手段 12 ロータ部材 14 ステータ部材 24 回転駆動軸

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の回転駆動軸と連動して回転可能なロ
    ータ部材を有し、このロータ部材とステータ部材とを相
    互に密着させることにより制動力を得るように構成した
    多板ディスクブレーキ装置において、 前記回転駆動軸からロータ部材に至る回転伝達経路の途
    中に、この回転伝達経路を連結状態と遮断状態とに切り
    換えるクラッチ手段を介設したことを特徴とする多板デ
    ィスクブレーキ装置。
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