JPH0712154A - 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents
鉄道車両用ディスクブレーキ装置Info
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- JPH0712154A JPH0712154A JP10092294A JP10092294A JPH0712154A JP H0712154 A JPH0712154 A JP H0712154A JP 10092294 A JP10092294 A JP 10092294A JP 10092294 A JP10092294 A JP 10092294A JP H0712154 A JPH0712154 A JP H0712154A
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- JP
- Japan
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- rotor
- hollow shaft
- stator
- brake device
- disc brake
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/0031—Devices for retaining friction material debris, e.g. dust collectors or filters
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 制動時の冷却が良好に行われ、且つロータ及
びステータ部材の摩擦により生じる炭素磨耗粉がケース
部材の外部に排出されない鉄道車両用ディスクブレーキ
装置を提供すること。 【構成】 駆動用電動機の回転子軸3と共に回転し内部
に空気通路60を有する中空軸9を設け、中空軸9にロ
ータ部材10を相対回転不能且つ軸方向摺動自在に外嵌
し、ケース部材7に固定されたキー部材8によりステー
タ部材11を軸方向摺動自在に支持すると共にステータ
部材11の内周を中空軸9に回転自在に外嵌し、キー部
材8の外周で、ケース部材7の内周面とキー部材8との
間に隙間Wを形成するように金属環板63を設け、上記
空気通路60と隙間Wとに冷却用空気を導入する冷却用
空気導入手段を設け、ケース部材7にロータ部材10及
びステータ部材11の磨耗粉を吸収して冷却用空気を排
出する空気排出口66を設けた。
びステータ部材の摩擦により生じる炭素磨耗粉がケース
部材の外部に排出されない鉄道車両用ディスクブレーキ
装置を提供すること。 【構成】 駆動用電動機の回転子軸3と共に回転し内部
に空気通路60を有する中空軸9を設け、中空軸9にロ
ータ部材10を相対回転不能且つ軸方向摺動自在に外嵌
し、ケース部材7に固定されたキー部材8によりステー
タ部材11を軸方向摺動自在に支持すると共にステータ
部材11の内周を中空軸9に回転自在に外嵌し、キー部
材8の外周で、ケース部材7の内周面とキー部材8との
間に隙間Wを形成するように金属環板63を設け、上記
空気通路60と隙間Wとに冷却用空気を導入する冷却用
空気導入手段を設け、ケース部材7にロータ部材10及
びステータ部材11の磨耗粉を吸収して冷却用空気を排
出する空気排出口66を設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両用ディスクブ
レーキ装置に係り、特に、それぞれ炭素系複合材料から
成る複数枚のロータ部材と複数枚のステータ部材とを備
え、高速で走行する鉄道車両に好適に使用される多板式
のディスクブレーキ装置に関する。
レーキ装置に係り、特に、それぞれ炭素系複合材料から
成る複数枚のロータ部材と複数枚のステータ部材とを備
え、高速で走行する鉄道車両に好適に使用される多板式
のディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の多板式ディスクブレーキ
装置として、特公昭61ー5015号公報に、駆動源側に接続
される複数枚のロータ部材と、固定側に接続される複数
枚のステータ部材とをケース内で交互に配置して、それ
ぞれ軸方向に摺動自在とし、制動時に上記ロータ及びス
テータ部材を互いに圧着させ、摩擦による制動力を生じ
させるように構成したものが提案されている。
装置として、特公昭61ー5015号公報に、駆動源側に接続
される複数枚のロータ部材と、固定側に接続される複数
枚のステータ部材とをケース内で交互に配置して、それ
ぞれ軸方向に摺動自在とし、制動時に上記ロータ及びス
テータ部材を互いに圧着させ、摩擦による制動力を生じ
させるように構成したものが提案されている。
【0003】また、従来、特開昭52ー43073 号公報に
は、上記のような多板式ディスクブレーキ装置におい
て、各ロータ及びステータ部材を炭素系複合材料で形成
することが提案されており、このようにロータ部材及び
ステータ部材を炭素系複合材料製とすれば、例えば高速
走行する鉄道車両に適用する上で有利になるものであ
る。すなわち、ブレーキ使用頻度の少ない航空機の場合
と異なり、高速鉄道車両においては、各駅毎の停車時や
カーブでの減速走行時等にディスクブレーキ装置を頻繁
に繰り返し使用することが要求されるが、このような繰
り返し使用により上記ロータ及びステータ部材に蓄熱作
用が生じ、車両の走行中、長時間にわたってディスクブ
レーキ装置の高温状態が維持されるという事情がある。
は、上記のような多板式ディスクブレーキ装置におい
て、各ロータ及びステータ部材を炭素系複合材料で形成
することが提案されており、このようにロータ部材及び
ステータ部材を炭素系複合材料製とすれば、例えば高速
走行する鉄道車両に適用する上で有利になるものであ
る。すなわち、ブレーキ使用頻度の少ない航空機の場合
と異なり、高速鉄道車両においては、各駅毎の停車時や
カーブでの減速走行時等にディスクブレーキ装置を頻繁
に繰り返し使用することが要求されるが、このような繰
り返し使用により上記ロータ及びステータ部材に蓄熱作
用が生じ、車両の走行中、長時間にわたってディスクブ
レーキ装置の高温状態が維持されるという事情がある。
【0004】ところで、上記のようにロータ及びステー
タ部材を炭素系複合材料により形成すれば、この炭素系
複合材料が高温状態でも耐磨耗性を確保できる特性を有
するため、上記のような長時間にわたる蓄熱状態におい
てもロータ及びステータ部材の偏磨耗やブレーキ力の変
動等の問題の発生を抑制しうるものである。
タ部材を炭素系複合材料により形成すれば、この炭素系
複合材料が高温状態でも耐磨耗性を確保できる特性を有
するため、上記のような長時間にわたる蓄熱状態におい
てもロータ及びステータ部材の偏磨耗やブレーキ力の変
動等の問題の発生を抑制しうるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記炭素系
複合材料製ロータ及びステータ部材の高度の耐熱性に相
反して、上記ディスクブレーキ装置内に配置されている
軸受及びその他の構成部材は、ロータ及びステータ部材
への蓄熱に伴う高温状態が長時間持続すると、強度が低
下して損傷が生じやすくなり、更に上記高温状態の持続
により作動油が劣化しやすくなる等の問題がある。また
ロータ及びステータ部材における熱がディスクブレーキ
装置の回転軸を介して駆動用電動機の回転子軸に伝わる
と、駆動用電動機内部のコイル線の焼損や回転子軸の軸
受の損傷等が生じる恐れもある。
複合材料製ロータ及びステータ部材の高度の耐熱性に相
反して、上記ディスクブレーキ装置内に配置されている
軸受及びその他の構成部材は、ロータ及びステータ部材
への蓄熱に伴う高温状態が長時間持続すると、強度が低
下して損傷が生じやすくなり、更に上記高温状態の持続
により作動油が劣化しやすくなる等の問題がある。また
ロータ及びステータ部材における熱がディスクブレーキ
装置の回転軸を介して駆動用電動機の回転子軸に伝わる
と、駆動用電動機内部のコイル線の焼損や回転子軸の軸
受の損傷等が生じる恐れもある。
【0006】そのため、上記ディスクブレーキ装置にお
いては、走行中に上記ロータ及びステータ部材を充分に
冷却し、これによって軸受等の強度低下を生じやすい各
構成部材の温度上昇を抑制する必要があるが、一方で上
記炭素系複合材料製ロータ及びステータ部材は、高温下
で直接的に冷却用空気に晒されると、炭素の酸化による
風化が生じ、早期に使用不能となる不具合がある。従っ
て、ロータ及びステータ部材に炭素系複合材料を使用し
た高速鉄道車両用ディスクブレーキ装置においては、上
記ロータ及びステータ部材の風化を防止しながら、必要
且つ充分な冷却を行える構造が要求される。
いては、走行中に上記ロータ及びステータ部材を充分に
冷却し、これによって軸受等の強度低下を生じやすい各
構成部材の温度上昇を抑制する必要があるが、一方で上
記炭素系複合材料製ロータ及びステータ部材は、高温下
で直接的に冷却用空気に晒されると、炭素の酸化による
風化が生じ、早期に使用不能となる不具合がある。従っ
て、ロータ及びステータ部材に炭素系複合材料を使用し
た高速鉄道車両用ディスクブレーキ装置においては、上
記ロータ及びステータ部材の風化を防止しながら、必要
且つ充分な冷却を行える構造が要求される。
【0007】また、ロータ及びステータ部材に炭素系複
合材料を用いたディスクブレーキ装置では、各ロータ及
びステータ部材間の摩擦により発生する磨耗粉が炭素
(カーボン)であるため、これが冷却用空気と共にディ
スクブレーキ装置のケース外に排出されると、排出され
た炭素磨耗粉がケース周辺の各種機器の端子に付着して
短絡を生じたり、レールと上記各種機器間で放電が生じ
る等の不具合を招く恐れがある。
合材料を用いたディスクブレーキ装置では、各ロータ及
びステータ部材間の摩擦により発生する磨耗粉が炭素
(カーボン)であるため、これが冷却用空気と共にディ
スクブレーキ装置のケース外に排出されると、排出され
た炭素磨耗粉がケース周辺の各種機器の端子に付着して
短絡を生じたり、レールと上記各種機器間で放電が生じ
る等の不具合を招く恐れがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鉄道車両の
ディスクブレーキ装置は、上記の課題を解決するために
なされたものであって、鉄道車両の車軸と回転伝達可能
に接続された駆動用電動機の回転子軸の端部に取り付け
られ、前記回転子軸と共に回転する炭素系複合材料から
なるロータ部材と、回転不能に固定された炭素系複合材
料からなるステータ部材とを押圧部材で押圧することに
よって摩擦による制動力を発生させる鉄道車両用ディス
クブレーキ装置において、前記回転子軸と共に回転し内
部に空気通路が形成された中空軸を設け、この中空軸に
前記ロータ部材が共に回転し且つ軸方向のみに摺動自在
となるように外嵌して設け、ケースに固定されたキー部
材により軸方向にのみ摺動自在となるように前記ステー
タ部材を支持すると共にこのステータ部材内周を前記中
空軸に回転自在に外嵌して設け、前記キー部材の外周に
おいて、ケース内周面とキー部材との間に隙間を形成す
るように金属環板を設け、前記中空軸内の空気通路と前
記隙間とに冷却用空気を導入する冷却用空気導入手段を
設け、前記ケースに前記ロータ部材及びステータ部材の
磨耗粉を吸収して前記冷却用空気を排出する排出部を設
けた構成である。
ディスクブレーキ装置は、上記の課題を解決するために
なされたものであって、鉄道車両の車軸と回転伝達可能
に接続された駆動用電動機の回転子軸の端部に取り付け
られ、前記回転子軸と共に回転する炭素系複合材料から
なるロータ部材と、回転不能に固定された炭素系複合材
料からなるステータ部材とを押圧部材で押圧することに
よって摩擦による制動力を発生させる鉄道車両用ディス
クブレーキ装置において、前記回転子軸と共に回転し内
部に空気通路が形成された中空軸を設け、この中空軸に
前記ロータ部材が共に回転し且つ軸方向のみに摺動自在
となるように外嵌して設け、ケースに固定されたキー部
材により軸方向にのみ摺動自在となるように前記ステー
タ部材を支持すると共にこのステータ部材内周を前記中
空軸に回転自在に外嵌して設け、前記キー部材の外周に
おいて、ケース内周面とキー部材との間に隙間を形成す
るように金属環板を設け、前記中空軸内の空気通路と前
記隙間とに冷却用空気を導入する冷却用空気導入手段を
設け、前記ケースに前記ロータ部材及びステータ部材の
磨耗粉を吸収して前記冷却用空気を排出する排出部を設
けた構成である。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、ケース内に配設され各ロ
ータ及びステータ部材の内周を外嵌する回転軸を、内部
に空気通路を有する中空軸とすると共に、各ステータ部
材を外周側で支持するキー部材とケース内周面との間に
隙間を設け、且つ上記中空軸内の空気通路と上記隙間と
に冷却用空気導入手段により冷却用空気を導入するよう
にしたので、制動時にロータ及びステータ部材の冷却、
ひいては比較的耐熱性の乏しいディスクブレーキ装置内
の他の構成部材の冷却や作動油の冷却が良好に行われ、
上記各構成部材の強度の低下が防止される。また、駆動
用電動機の回転子軸と共に回転する上記中空軸が、その
内部の空気通路を流通する冷却用空気により効果的に冷
却されるため、この中空軸を介して駆動用電動機の回転
子軸に伝達される摩擦熱の熱量が充分に低減される。
ータ及びステータ部材の内周を外嵌する回転軸を、内部
に空気通路を有する中空軸とすると共に、各ステータ部
材を外周側で支持するキー部材とケース内周面との間に
隙間を設け、且つ上記中空軸内の空気通路と上記隙間と
に冷却用空気導入手段により冷却用空気を導入するよう
にしたので、制動時にロータ及びステータ部材の冷却、
ひいては比較的耐熱性の乏しいディスクブレーキ装置内
の他の構成部材の冷却や作動油の冷却が良好に行われ、
上記各構成部材の強度の低下が防止される。また、駆動
用電動機の回転子軸と共に回転する上記中空軸が、その
内部の空気通路を流通する冷却用空気により効果的に冷
却されるため、この中空軸を介して駆動用電動機の回転
子軸に伝達される摩擦熱の熱量が充分に低減される。
【0010】一方、上記冷却による風化を防止する必要
のあるロータ及びステータ部材を含む各構成部材を上記
ケースにより被覆して上記ロータ及びステータ部材が直
接に外気に触れることを回避すると共に、上記冷却用空
気導入手段によりケース内に冷却用空気を導入するよう
にしたので、冷却に伴う上記ロータ及びステータ部材の
風化を確実に防止しながら、ロータ及びステータ部材の
冷却、ひいては軸受等高温による強度低下の生じやすい
構成部材の冷却を充分に行うことができるようになる。
のあるロータ及びステータ部材を含む各構成部材を上記
ケースにより被覆して上記ロータ及びステータ部材が直
接に外気に触れることを回避すると共に、上記冷却用空
気導入手段によりケース内に冷却用空気を導入するよう
にしたので、冷却に伴う上記ロータ及びステータ部材の
風化を確実に防止しながら、ロータ及びステータ部材の
冷却、ひいては軸受等高温による強度低下の生じやすい
構成部材の冷却を充分に行うことができるようになる。
【0011】また、ケース内の冷却を終えた冷却用空気
が上記排出部から排出される際に、ロータ及びステータ
部材間の摩擦により発生する炭素磨耗粉が吸収された上
で冷却用空気のみが排出されるようにしたので、炭素磨
耗粉のケース外への漏出が確実に防止される。
が上記排出部から排出される際に、ロータ及びステータ
部材間の摩擦により発生する炭素磨耗粉が吸収された上
で冷却用空気のみが排出されるようにしたので、炭素磨
耗粉のケース外への漏出が確実に防止される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図8に基づ
いて説明する。先ず、図3に示す概略構成に基づいて、
本発明に係るディスクブレーキ装置1の取付状態を説明
すると、空気ばね50を介して、高速走行する鉄道車両
における車体51を支持する台車52の下方には駆動用
電動機2が取り付けられている。この駆動用電動機2の
回転子軸3の一端部に固着された駆動ギヤ4と、車輪5
3を軸支する車軸5に固着された被動ギヤ6とが噛合さ
れていると共に、駆動用電動機2の反ギヤ側端部(図3
中左端部)には、本発明に係る多板式のディスクブレー
キ装置1が取り付けられている。
いて説明する。先ず、図3に示す概略構成に基づいて、
本発明に係るディスクブレーキ装置1の取付状態を説明
すると、空気ばね50を介して、高速走行する鉄道車両
における車体51を支持する台車52の下方には駆動用
電動機2が取り付けられている。この駆動用電動機2の
回転子軸3の一端部に固着された駆動ギヤ4と、車輪5
3を軸支する車軸5に固着された被動ギヤ6とが噛合さ
れていると共に、駆動用電動機2の反ギヤ側端部(図3
中左端部)には、本発明に係る多板式のディスクブレー
キ装置1が取り付けられている。
【0013】従って、この車両の走行時には、駆動用電
動機2の回転子軸3の回転が、駆動ギヤ4及び被動ギヤ
6を介して車軸5及び車輪53に伝達される一方、ブレ
ーキ指令が発せられた時には、ディスクブレーキ装置1
の動作により回転子軸3の回転が止まり、これに伴って
車軸5及び車輪53の回転が止まることにより制動作用
が行われる構成である。なお、車軸5をその両端におい
て回転自在に保持する車軸ケース54と台車52との間
には、軸バネ55が介設されている。
動機2の回転子軸3の回転が、駆動ギヤ4及び被動ギヤ
6を介して車軸5及び車輪53に伝達される一方、ブレ
ーキ指令が発せられた時には、ディスクブレーキ装置1
の動作により回転子軸3の回転が止まり、これに伴って
車軸5及び車輪53の回転が止まることにより制動作用
が行われる構成である。なお、車軸5をその両端におい
て回転自在に保持する車軸ケース54と台車52との間
には、軸バネ55が介設されている。
【0014】次に、ディスクブレーキ装置1の細部にわ
たる構造を説明する。図1及び図2に示すように、この
ディスクブレーキ装置1は、駆動用電動機2の反ギヤ側
端部にボルト56を用いて固定されたドラム状のケース
部材7(ケース)を有し、ケース部材7の内周面部に
は、後述の金属環板63を介して複数のキー部材8が固
定されている。また、ケース部材7の内方中心部には駆
動用電動機2の回転子軸3に結合された中空軸9が回転
子軸3と一体回転可能に保持されている。そして、中空
軸9の外周には、中空軸9ひいては回転子軸3と共に回
転し且つ軸方向(図1aーb方向)に摺動自在な2枚の
ロータ部材10が取り付けられている。また、キー部材
8の内周には、軸方向にのみ摺動自在な3枚のステータ
部材11が取り付けられている。
たる構造を説明する。図1及び図2に示すように、この
ディスクブレーキ装置1は、駆動用電動機2の反ギヤ側
端部にボルト56を用いて固定されたドラム状のケース
部材7(ケース)を有し、ケース部材7の内周面部に
は、後述の金属環板63を介して複数のキー部材8が固
定されている。また、ケース部材7の内方中心部には駆
動用電動機2の回転子軸3に結合された中空軸9が回転
子軸3と一体回転可能に保持されている。そして、中空
軸9の外周には、中空軸9ひいては回転子軸3と共に回
転し且つ軸方向(図1aーb方向)に摺動自在な2枚の
ロータ部材10が取り付けられている。また、キー部材
8の内周には、軸方向にのみ摺動自在な3枚のステータ
部材11が取り付けられている。
【0015】すなわち、図2に示すように、中空軸9に
は等角度間隔で外方に突出する複数の凸条9aが、それ
ぞれ軸方向(図2の紙面と直交方向)に沿って延びるよ
うに一体形成されていると共に、中空軸9の外径形状に
対応した形状を有する貫通孔10aがロータ部材10の
中心部に形成されている。そして、この両者が嵌合され
ることによりロータ部材10が中空軸9と共に回転し、
しかも軸方向に摺動自在とされている。
は等角度間隔で外方に突出する複数の凸条9aが、それ
ぞれ軸方向(図2の紙面と直交方向)に沿って延びるよ
うに一体形成されていると共に、中空軸9の外径形状に
対応した形状を有する貫通孔10aがロータ部材10の
中心部に形成されている。そして、この両者が嵌合され
ることによりロータ部材10が中空軸9と共に回転し、
しかも軸方向に摺動自在とされている。
【0016】一方、キー部材8は等角度間隔毎に配設さ
れて金属環板63(後述)を介してケース部材7に固定
支持されていると共に、これらのキー部材8の軸直角輪
郭形状と同形状の切欠部11aがステータ部材11の外
周縁に形成されている。そして、この両者が嵌合される
ことにより、ステータ部材11がキー部材8に対して軸
方向にのみ摺動自在とされている。
れて金属環板63(後述)を介してケース部材7に固定
支持されていると共に、これらのキー部材8の軸直角輪
郭形状と同形状の切欠部11aがステータ部材11の外
周縁に形成されている。そして、この両者が嵌合される
ことにより、ステータ部材11がキー部材8に対して軸
方向にのみ摺動自在とされている。
【0017】ここでロータ部材10とステータ部材11
とは軸方向に交互に配置されており、ロータ部材10の
外周面10bとキー部材8の内周面との間、及びステー
タ部材11の内周面11bと中空軸9の外周面との間に
は、冷却用空気の流通を許容するための僅かな隙間が存
在している。なお、ロータ部材10及びステータ部材1
1の枚数は、図1のものに限定されるものではなく、こ
れ以上或いはこれ以下の枚数であっても差し支えない。
とは軸方向に交互に配置されており、ロータ部材10の
外周面10bとキー部材8の内周面との間、及びステー
タ部材11の内周面11bと中空軸9の外周面との間に
は、冷却用空気の流通を許容するための僅かな隙間が存
在している。なお、ロータ部材10及びステータ部材1
1の枚数は、図1のものに限定されるものではなく、こ
れ以上或いはこれ以下の枚数であっても差し支えない。
【0018】更に、図1に示すように、図中左端に配設
されたステータ部材11の左側方には熱強度、伝導性の
良い金属材料でなるリング状の加圧プレート12が近接
配置されている。この加圧プレート12は、図4に示す
ように、中心部に中空軸9を挿入する挿入孔12aが設
けられ、ステータ部材11に面する側面(図4の裏面)
は平坦に形成されている。一方、加圧プレート12にお
けるステータ部材11と反対側の側面、すなわちケース
部材7側の外側面には、挿入孔12aから少し間隔を開
けた位置から外周方向に向かって放射状に通路溝12b
と突起12cが交互に多数設けられている。
されたステータ部材11の左側方には熱強度、伝導性の
良い金属材料でなるリング状の加圧プレート12が近接
配置されている。この加圧プレート12は、図4に示す
ように、中心部に中空軸9を挿入する挿入孔12aが設
けられ、ステータ部材11に面する側面(図4の裏面)
は平坦に形成されている。一方、加圧プレート12にお
けるステータ部材11と反対側の側面、すなわちケース
部材7側の外側面には、挿入孔12aから少し間隔を開
けた位置から外周方向に向かって放射状に通路溝12b
と突起12cが交互に多数設けられている。
【0019】また、加圧プレート12の外周には、キー
部材8を嵌め込むキー穴12dが所定のピッチで複数個
形成されている。また、前記突起12cには所定ピッチ
で平坦部12e、12fが形成され、このうちの平坦部
12eには、隙間調整機構19のピストンロッド21
(後述)が嵌入される孔部12gが設けられている。そ
して、この加圧プレート12は、ステータ部材11と同
様にして、その挿入孔12aが中空軸9に嵌め込まれ、
且つキー穴12dにはキー部材8が嵌め込まれることに
よって軸方向に摺動自在に嵌合されている。
部材8を嵌め込むキー穴12dが所定のピッチで複数個
形成されている。また、前記突起12cには所定ピッチ
で平坦部12e、12fが形成され、このうちの平坦部
12eには、隙間調整機構19のピストンロッド21
(後述)が嵌入される孔部12gが設けられている。そ
して、この加圧プレート12は、ステータ部材11と同
様にして、その挿入孔12aが中空軸9に嵌め込まれ、
且つキー穴12dにはキー部材8が嵌め込まれることに
よって軸方向に摺動自在に嵌合されている。
【0020】前記各ロータ部材10及びステータ部材1
1のうちの右端に配設されたステータ部材11の右側方
には、加圧プレート12と同様の金属材料でなるリング
状のストッパプレート13が配置されている。このスト
ッパプレート13は、図5に示すように、中心部に中空
軸9を挿入する挿入穴13aが設けられている。ストッ
パプレート13におけるステータ部材11に面する側面
(図5の裏面)は平坦に形成されている。
1のうちの右端に配設されたステータ部材11の右側方
には、加圧プレート12と同様の金属材料でなるリング
状のストッパプレート13が配置されている。このスト
ッパプレート13は、図5に示すように、中心部に中空
軸9を挿入する挿入穴13aが設けられている。ストッ
パプレート13におけるステータ部材11に面する側面
(図5の裏面)は平坦に形成されている。
【0021】一方、ストッパプレート13におけるステ
ータ部材11と反対側の側面、すなわちケース部材7側
の外側面には、挿入穴13aから少し間隔を開けた位置
から外周方向に向かって放射状に通路溝13bと突起1
3cが交互に多数設けられている。また、ストッパプレ
ート13の外周には、キー部材8を嵌め込むキー穴13
dが所定のピッチで複数個形成されている。
ータ部材11と反対側の側面、すなわちケース部材7側
の外側面には、挿入穴13aから少し間隔を開けた位置
から外周方向に向かって放射状に通路溝13bと突起1
3cが交互に多数設けられている。また、ストッパプレ
ート13の外周には、キー部材8を嵌め込むキー穴13
dが所定のピッチで複数個形成されている。
【0022】そしてこのストッパプレート13は、中空
軸9に挿入穴13aが嵌め込まれ、通路溝13bと突起
13cを設けた外側面がケース部材7の右側壁7a内面
に当接した状態でキー部材8に堅固に固定されることに
より、ケース部材7の右側壁7a内面とストッパプレー
ト13との間に通路溝13bと突起13cとによって径
方向に延びる複数のスリット14(図1参照)が放射状
に形成されている。
軸9に挿入穴13aが嵌め込まれ、通路溝13bと突起
13cを設けた外側面がケース部材7の右側壁7a内面
に当接した状態でキー部材8に堅固に固定されることに
より、ケース部材7の右側壁7a内面とストッパプレー
ト13との間に通路溝13bと突起13cとによって径
方向に延びる複数のスリット14(図1参照)が放射状
に形成されている。
【0023】一方、ケース部材7の左側壁7bには、そ
の先端が加圧プレート12の平坦部12fに当接する複
数個のピストン(押圧部材)15が軸方向に摺動自在に
嵌合保持されていると共に、ピストン15の後面に液圧
(油圧)を作用させる液圧室16が形成されており、且
つ液圧室16は図2に示すように液圧通路17を介して
液圧供給口18に連通されている。この液圧供給口18
は、図示しない液圧源に連通され、制動時には上記液圧
源の液圧が液圧供給口18から各液圧室16に供給され
るようになっている。
の先端が加圧プレート12の平坦部12fに当接する複
数個のピストン(押圧部材)15が軸方向に摺動自在に
嵌合保持されていると共に、ピストン15の後面に液圧
(油圧)を作用させる液圧室16が形成されており、且
つ液圧室16は図2に示すように液圧通路17を介して
液圧供給口18に連通されている。この液圧供給口18
は、図示しない液圧源に連通され、制動時には上記液圧
源の液圧が液圧供給口18から各液圧室16に供給され
るようになっている。
【0024】更に、ケース部材7の左側壁部7bには、
複数の隙間調整機構19が設けられている。この隙間調
整機構19は、図1に示すように、圧縮コイルバネ20
により左方に付勢されたピストンロッド21と、このピ
ストンロッド21の段付面が当接して、その左動を規制
するストッパ板22と、このストッパ板22に固定され
たリテーナ23の右動を規制するフリクションリング2
4とを有する。
複数の隙間調整機構19が設けられている。この隙間調
整機構19は、図1に示すように、圧縮コイルバネ20
により左方に付勢されたピストンロッド21と、このピ
ストンロッド21の段付面が当接して、その左動を規制
するストッパ板22と、このストッパ板22に固定され
たリテーナ23の右動を規制するフリクションリング2
4とを有する。
【0025】そして、ピストンロッド21の右端部は加
圧プレート12の平坦部12eに設けた孔部12gに固
定されているので、加圧プレート12は圧縮コイルバネ
20により左方、すなわちステータ部材11から離れる
方向に付勢された状態にある。また、フリクションリン
グ24は所定力以上の力が作用することによって左右動
し、この左右動に応じて、ピストンロッド21に嵌着さ
れた鍔部材25とリテーナ23との間の隙間X、つまり
ピストンロッド21の移動範囲が変化するようになって
いる。
圧プレート12の平坦部12eに設けた孔部12gに固
定されているので、加圧プレート12は圧縮コイルバネ
20により左方、すなわちステータ部材11から離れる
方向に付勢された状態にある。また、フリクションリン
グ24は所定力以上の力が作用することによって左右動
し、この左右動に応じて、ピストンロッド21に嵌着さ
れた鍔部材25とリテーナ23との間の隙間X、つまり
ピストンロッド21の移動範囲が変化するようになって
いる。
【0026】以上の構成によれば、この高速鉄道用車両
の走行時には、駆動用電動機2の回転子軸3の回転に伴
って、中空軸9及びロータ部材10が回転することにな
るが、この場合には、ピストン15の後面の液圧室16
が無圧状態となっているため、ピストン15が加圧プレ
ート12を右方へ押圧するための力は発生せず、従って
ロータ部材10はステータ部材11に対して自由に回転
できることになる。
の走行時には、駆動用電動機2の回転子軸3の回転に伴
って、中空軸9及びロータ部材10が回転することにな
るが、この場合には、ピストン15の後面の液圧室16
が無圧状態となっているため、ピストン15が加圧プレ
ート12を右方へ押圧するための力は発生せず、従って
ロータ部材10はステータ部材11に対して自由に回転
できることになる。
【0027】一方、ブレーキ指令が発せられた時には、
液圧室16が加圧状態となり、これに伴ってピストン1
5が図1中右方へ移動して加圧プレート12を押圧す
る。これにより、ロータ部材10及びステータ部材11
をストッパプレート13に対して押し付け、この時に生
じるロータ部材10とステータ部材11との各相互間の
摩擦によって、ロータ部材10、ひいては中空軸9及び
回転子軸3の回転が停止する。
液圧室16が加圧状態となり、これに伴ってピストン1
5が図1中右方へ移動して加圧プレート12を押圧す
る。これにより、ロータ部材10及びステータ部材11
をストッパプレート13に対して押し付け、この時に生
じるロータ部材10とステータ部材11との各相互間の
摩擦によって、ロータ部材10、ひいては中空軸9及び
回転子軸3の回転が停止する。
【0028】この場合において、車両の制動時に発生す
る熱量は、ロータ部材10とステータ部材11との各相
互間の複数箇所の摩擦熱として分散されることになるの
で、個々のロータ部材10及びステータ部材11につい
ての発熱量は大幅に軽減されることになる。
る熱量は、ロータ部材10とステータ部材11との各相
互間の複数箇所の摩擦熱として分散されることになるの
で、個々のロータ部材10及びステータ部材11につい
ての発熱量は大幅に軽減されることになる。
【0029】また、本発明ではロータ部材10及びステ
ータ部材11を炭素系複合材料(C/Cコンポジット(C
arbon Carbon Composites)) で構成したので、この車両
の高速走行からの制動時にロータ部材10及びステータ
部材11が高温状態となった場合においても、炭素系複
合材料は炭素繊維をレジン、ピッチ等で結合強化した後
に炭化及び黒鉛化熱処理を行って製造された炭素繊維/
炭素複合材料であることから、図8に示すように、その
温度特性は、鋼が符号(イ)で示すように、温度上昇に
伴って急激に強度が低下する特性曲線を有するのに対
し、本発明の炭素系複合材料は符号(ロ)で示すように
高温状態の下では高強度を有するため、偏磨耗やブレー
キ力の変化等の不具合も生じにくくなる。
ータ部材11を炭素系複合材料(C/Cコンポジット(C
arbon Carbon Composites)) で構成したので、この車両
の高速走行からの制動時にロータ部材10及びステータ
部材11が高温状態となった場合においても、炭素系複
合材料は炭素繊維をレジン、ピッチ等で結合強化した後
に炭化及び黒鉛化熱処理を行って製造された炭素繊維/
炭素複合材料であることから、図8に示すように、その
温度特性は、鋼が符号(イ)で示すように、温度上昇に
伴って急激に強度が低下する特性曲線を有するのに対
し、本発明の炭素系複合材料は符号(ロ)で示すように
高温状態の下では高強度を有するため、偏磨耗やブレー
キ力の変化等の不具合も生じにくくなる。
【0030】そして、ブレーキ指令が解除された場合に
は、加圧プレート12は隙間調整機構19の圧縮コイル
バネ20のバネ力により図1中左方へ移動して当初の位
置に復帰する。
は、加圧プレート12は隙間調整機構19の圧縮コイル
バネ20のバネ力により図1中左方へ移動して当初の位
置に復帰する。
【0031】この車両の制動時に発生した熱量はロータ
部材10及びステータ部材11に蓄熱されることになる
が、この熱量は以下に示す構成により好適に放熱され
る。すなわち、中空軸9内の空気通路60の図1中左端
は開口され、且つこの開口部が空気供給孔61とされて
いる。この空気供給孔61の左側方にはフィルター62
が装着されていると共に、前記複数のキー部材8には、
ロータ部材10及びステータ部材11の外周部を全周に
渡って覆うように薄肉の金属環板63(例えば、ステン
レス鋼製)が取り付けられ、この金属環板63がケース
部材7に固定されている。
部材10及びステータ部材11に蓄熱されることになる
が、この熱量は以下に示す構成により好適に放熱され
る。すなわち、中空軸9内の空気通路60の図1中左端
は開口され、且つこの開口部が空気供給孔61とされて
いる。この空気供給孔61の左側方にはフィルター62
が装着されていると共に、前記複数のキー部材8には、
ロータ部材10及びステータ部材11の外周部を全周に
渡って覆うように薄肉の金属環板63(例えば、ステン
レス鋼製)が取り付けられ、この金属環板63がケース
部材7に固定されている。
【0032】上記金属環板63は、図6に示すように、
金属板を環状に形成し、必要に応じてロータ部材10と
ステータ部材11との摩擦によって生じる磨耗粉を通過
させる細孔63aを多数形成したものである。なお、図
示のものは、キー部材8をリベット63bによって金属
環板63の内周面に固定した状態を示している。
金属板を環状に形成し、必要に応じてロータ部材10と
ステータ部材11との摩擦によって生じる磨耗粉を通過
させる細孔63aを多数形成したものである。なお、図
示のものは、キー部材8をリベット63bによって金属
環板63の内周面に固定した状態を示している。
【0033】そして、前記空気供給孔61より取り入れ
られた冷却用空気は、空気通路60から中空軸9の左右
両端部に穿設された通孔64及び65を通過して、矢印
x及びyで示すように、加圧プレート12とケース左側
壁7bとの間の隙間と、加圧プレート12の通路溝12
bと突起12cによって形成されたスリット14aと、
ストッパプレート13の外側面に形成した通路溝13b
と突起13cとによって出来るケース右側壁7aとの間
のスリット14に流入し、ここで、ロータ部材10とス
テータ部材11との摩擦により発生する若干の炭素磨耗
粉をも含みながら、更に前記金属環板63とケース部材
7の内周面との間の隙間Wを通過して、排出部である空
気排出口66に至り、上記炭素磨耗粉が吸収された上で
空気排出口66より外方に排出される。
られた冷却用空気は、空気通路60から中空軸9の左右
両端部に穿設された通孔64及び65を通過して、矢印
x及びyで示すように、加圧プレート12とケース左側
壁7bとの間の隙間と、加圧プレート12の通路溝12
bと突起12cによって形成されたスリット14aと、
ストッパプレート13の外側面に形成した通路溝13b
と突起13cとによって出来るケース右側壁7aとの間
のスリット14に流入し、ここで、ロータ部材10とス
テータ部材11との摩擦により発生する若干の炭素磨耗
粉をも含みながら、更に前記金属環板63とケース部材
7の内周面との間の隙間Wを通過して、排出部である空
気排出口66に至り、上記炭素磨耗粉が吸収された上で
空気排出口66より外方に排出される。
【0034】上記のようにケース部材7内を冷却用空気
が通過していくことにより、加圧プレート12、ストッ
パプレート13及び金属環板63より放熱が行われて、
ロータ部材10及びステータ部材11の過度の温度上昇
が防止されるのである。これにより、ケース部材7内の
各構成部材の温度上昇による強度低下が防止される。ま
た、冷却用空気は中空軸9内の空気通路60をも通過す
るので、中空軸9が効果的に冷却され、中空軸9から回
転子軸3に伝達される摩擦熱の熱量が大幅に低減され、
この結果、駆動用電動機2内のコイル線の焼損や回転子
軸3の軸受(図示せず)の損傷等の不具合が生じにくく
なる。
が通過していくことにより、加圧プレート12、ストッ
パプレート13及び金属環板63より放熱が行われて、
ロータ部材10及びステータ部材11の過度の温度上昇
が防止されるのである。これにより、ケース部材7内の
各構成部材の温度上昇による強度低下が防止される。ま
た、冷却用空気は中空軸9内の空気通路60をも通過す
るので、中空軸9が効果的に冷却され、中空軸9から回
転子軸3に伝達される摩擦熱の熱量が大幅に低減され、
この結果、駆動用電動機2内のコイル線の焼損や回転子
軸3の軸受(図示せず)の損傷等の不具合が生じにくく
なる。
【0035】また、炭素磨耗粉はケース部材7の外部に
は排出されないので、ケース部材7周辺の各種機器の端
子に炭素磨耗粉が付着したり、レールと各種機器との間
で放電が生じるような不具合は発生しない。なお、上記
空気供給孔61、中空軸9内の空気通路60、通孔6
4、65、スリット14a、14は冷却用空気導入手段
を構成する。
は排出されないので、ケース部材7周辺の各種機器の端
子に炭素磨耗粉が付着したり、レールと各種機器との間
で放電が生じるような不具合は発生しない。なお、上記
空気供給孔61、中空軸9内の空気通路60、通孔6
4、65、スリット14a、14は冷却用空気導入手段
を構成する。
【0036】上記の実施例において、仮に中空軸9と回
転子軸3とが一体となった回転軸のような場合には、車
両の制動時に発生した熱が直接的に回転子軸3の軸受へ
伝導されるので、この軸受を早期に損傷させるといった
不具合を招くことになるが、本実施例においては、上記
の回転子軸3への熱伝導をできるだけ抑制するために、
中空軸9内に空気通路60を設けた点に加えて、更に、
以下に示すような構成が採用されている。
転子軸3とが一体となった回転軸のような場合には、車
両の制動時に発生した熱が直接的に回転子軸3の軸受へ
伝導されるので、この軸受を早期に損傷させるといった
不具合を招くことになるが、本実施例においては、上記
の回転子軸3への熱伝導をできるだけ抑制するために、
中空軸9内に空気通路60を設けた点に加えて、更に、
以下に示すような構成が採用されている。
【0037】すなわち、図7に示すように、中空軸9と
回転子軸3とは別体で構成されており、且つこの両者間
には断熱カップリング30が介設されている。具体的に
は、中空軸9の右端部には噛合凹凸面9aが形成されて
おり、この噛合凹凸面9aと断熱カップリング30の左
端部に形成された噛合凹凸面30aとが噛み合わされて
結合されている。また、回転子軸3の左端部にも噛合凹
凸面3bが形成されており、この噛合凹凸面3bと断熱
カップリング30の右端部に形成された噛合凹凸面30
bとが噛み合わされて結合されている。このような構成
によれば、中空軸9から回転子軸3への熱伝導が好適に
軽減されて、この高速走行用車両の制動に起因して回転
子軸3の温度上昇が生じるといった不具合が効果的に防
止されることになる。
回転子軸3とは別体で構成されており、且つこの両者間
には断熱カップリング30が介設されている。具体的に
は、中空軸9の右端部には噛合凹凸面9aが形成されて
おり、この噛合凹凸面9aと断熱カップリング30の左
端部に形成された噛合凹凸面30aとが噛み合わされて
結合されている。また、回転子軸3の左端部にも噛合凹
凸面3bが形成されており、この噛合凹凸面3bと断熱
カップリング30の右端部に形成された噛合凹凸面30
bとが噛み合わされて結合されている。このような構成
によれば、中空軸9から回転子軸3への熱伝導が好適に
軽減されて、この高速走行用車両の制動に起因して回転
子軸3の温度上昇が生じるといった不具合が効果的に防
止されることになる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明の鉄道車両用ディ
スクブレーキ装置によれば、ケース内で各ロータ及びス
テータ部材を支持する中空軸の内部に設けた空気通路
と、各ステータ部材を外周側で支持するキー部材とケー
ス内周面との間に隙間とに冷却用空気を導入する冷却用
空気導入手段を設けたので、制動時に蓄熱の生じやすい
ロータ及びステータ部材の冷却、ひいては比較的耐熱性
に乏しいディスクブレーキ装置の他の各構成部材の冷却
や作動油の冷却が良好に行われ、上記各構成部材の強度
低下に伴う損傷や作動油の劣化が防止される一方、上記
中空軸がその内部の空気通路を通過する冷却用空気によ
り冷却されるため、この中空軸から駆動用電動機の回転
子軸に伝達される摩擦熱の熱量が充分に低減し、駆動用
電動機内部のコイル線の焼損や回転子軸の軸受の損傷等
の不具合が生じにくくなる。
スクブレーキ装置によれば、ケース内で各ロータ及びス
テータ部材を支持する中空軸の内部に設けた空気通路
と、各ステータ部材を外周側で支持するキー部材とケー
ス内周面との間に隙間とに冷却用空気を導入する冷却用
空気導入手段を設けたので、制動時に蓄熱の生じやすい
ロータ及びステータ部材の冷却、ひいては比較的耐熱性
に乏しいディスクブレーキ装置の他の各構成部材の冷却
や作動油の冷却が良好に行われ、上記各構成部材の強度
低下に伴う損傷や作動油の劣化が防止される一方、上記
中空軸がその内部の空気通路を通過する冷却用空気によ
り冷却されるため、この中空軸から駆動用電動機の回転
子軸に伝達される摩擦熱の熱量が充分に低減し、駆動用
電動機内部のコイル線の焼損や回転子軸の軸受の損傷等
の不具合が生じにくくなる。
【0039】また、ロータ及びステータ部材を含む各構
成部材をケースで被覆して上記ロータ及びステータ部材
が直接に外気に触れるのを防止すると共に、冷却用空気
導入手段によりケース内に冷却用空気を取り込むように
したので、冷却に伴うロータ及びステータ部材の風化を
確実に防止しながら、ロータ及びステータ部材の冷却、
ひいては耐熱性の比較的乏しい各構成部材の冷却を充分
に行える。
成部材をケースで被覆して上記ロータ及びステータ部材
が直接に外気に触れるのを防止すると共に、冷却用空気
導入手段によりケース内に冷却用空気を取り込むように
したので、冷却に伴うロータ及びステータ部材の風化を
確実に防止しながら、ロータ及びステータ部材の冷却、
ひいては耐熱性の比較的乏しい各構成部材の冷却を充分
に行える。
【0040】また、ケース内の冷却を終えた冷却用空気
が、ケースに設けた排出部から排出される際に、ロータ
部材とステータ部材との摩擦により発生する炭素磨耗粉
が吸収された上で冷却用空気のみが排出されるので、炭
素磨耗粉のケース外への排出が確実に防止される。この
結果、ケース周辺の各種機器の端子に炭素磨耗粉が付着
して短絡を生じたり、ケース周辺の各種機器とレールと
の間で放電が生じる等の不具合の発生を防止できるよう
になる。
が、ケースに設けた排出部から排出される際に、ロータ
部材とステータ部材との摩擦により発生する炭素磨耗粉
が吸収された上で冷却用空気のみが排出されるので、炭
素磨耗粉のケース外への排出が確実に防止される。この
結果、ケース周辺の各種機器の端子に炭素磨耗粉が付着
して短絡を生じたり、ケース周辺の各種機器とレールと
の間で放電が生じる等の不具合の発生を防止できるよう
になる。
【図1】本発明の実施例に係る鉄道車両用ディスクブレ
ーキ装置の内部構造を示す一部破断正面図。
ーキ装置の内部構造を示す一部破断正面図。
【図2】上記ディスクブレーキ装置の内部構造を示す一
部破断側面図。
部破断側面図。
【図3】上記ディスクブレーキ装置の鉄道車両に対する
取付状態を示す概略正面図。
取付状態を示す概略正面図。
【図4】上記ディスクブレーキ装置における加圧プレー
トの側面図。
トの側面図。
【図5】上記ディスクブレーキ装置におけるストッパプ
レートの側面図。
レートの側面図。
【図6】上記ディスクブレーキ装置における金属環板の
斜視説明図。
斜視説明図。
【図7】上記ディスクブレーキ装置における回転子軸と
中空軸との結合状態を示す分解配列斜視図。
中空軸との結合状態を示す分解配列斜視図。
【図8】上記ディスクブレーキ装置におけるロータ部材
及びステータ部材の材料となる炭素系複合材料の特性曲
線を鋼と比較して示す特性曲線図。
及びステータ部材の材料となる炭素系複合材料の特性曲
線を鋼と比較して示す特性曲線図。
1 ディスクブレーキ装置 2 駆動用電動機 3 回転子軸 7 ケース部材(ケース) 8 キー部材 9 中空軸 10 ロータ部材 11 ステータ部材 15 ピストン(押圧部材) 63 金属環板 66 空気排出口(排出部)
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄道車両の車軸と回転伝達可能に接続さ
れた駆動用電動機の回転子軸の端部に取付けられ、前記
回転子軸と共に回転する炭素系複合材料からなるロータ
部材と、回転不能に固定された炭素系複合材料からなる
ステータ部材とを押圧部材で押圧することによって摩擦
による制動力を発生させる鉄道車両用ディスクブレーキ
装置において、 前記回転子軸と共に回転し内部に空気通路が形成された
中空軸を設け、 この中空軸に前記ロータ部材が共に回転し且つ軸方向の
みに摺動自在となるように外嵌して設け、 ケースに固定されたキー部材により軸方向にのみ摺動自
在となるように前記ステータ部材を支持すると共にこの
ステータ部材の内周を前記中空軸に回転自在に外嵌して
設け、 前記キー部材の外周において、ケース内周面とキー部材
との間に隙間を形成するように金属環板を設け、 前記中空軸内の空気通路と前記隙間とに冷却用空気を導
入する冷却用空気導入手段を設け、 前記ケースに前記ロータ部材及びステータ部材の磨耗粉
を吸収して前記冷却用空気を排出する排出部を設けたこ
とを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6100922A JP2568476B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6100922A JP2568476B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0712154A true JPH0712154A (ja) | 1995-01-17 |
JP2568476B2 JP2568476B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=14286844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6100922A Expired - Fee Related JP2568476B2 (ja) | 1994-05-16 | 1994-05-16 | 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2568476B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1666756A1 (fr) * | 2004-12-03 | 2006-06-07 | Renault | Contrôle visuel de l'état d'usure d'un tambour de frein |
US11067141B2 (en) * | 2018-08-21 | 2021-07-20 | Parker-Hannifin Corporation | Dust collector for multi-disk brake |
US11254422B2 (en) * | 2018-12-14 | 2022-02-22 | Hydro-Aire, Inc. | System and method for reducing aircraft brake wear |
DE102021127377B3 (de) | 2021-10-21 | 2023-04-20 | Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. | Drehmomentübertragungsvorrichtung |
-
1994
- 1994-05-16 JP JP6100922A patent/JP2568476B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1666756A1 (fr) * | 2004-12-03 | 2006-06-07 | Renault | Contrôle visuel de l'état d'usure d'un tambour de frein |
FR2878923A1 (fr) * | 2004-12-03 | 2006-06-09 | Renault Sas | Rotor de freinage |
US11067141B2 (en) * | 2018-08-21 | 2021-07-20 | Parker-Hannifin Corporation | Dust collector for multi-disk brake |
US11254422B2 (en) * | 2018-12-14 | 2022-02-22 | Hydro-Aire, Inc. | System and method for reducing aircraft brake wear |
DE102021127377B3 (de) | 2021-10-21 | 2023-04-20 | Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. | Drehmomentübertragungsvorrichtung |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2568476B2 (ja) | 1997-01-08 |
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