JP2551496B2 - 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

鉄道車両用ディスクブレーキ装置

Info

Publication number
JP2551496B2
JP2551496B2 JP2150348A JP15034890A JP2551496B2 JP 2551496 B2 JP2551496 B2 JP 2551496B2 JP 2150348 A JP2150348 A JP 2150348A JP 15034890 A JP15034890 A JP 15034890A JP 2551496 B2 JP2551496 B2 JP 2551496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
stator
hollow shaft
brake device
members
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2150348A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0443155A (ja
Inventor
善造 辻
秀男 玉森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabco Ltd
Original Assignee
Nabco Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabco Ltd filed Critical Nabco Ltd
Priority to JP2150348A priority Critical patent/JP2551496B2/ja
Publication of JPH0443155A publication Critical patent/JPH0443155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2551496B2 publication Critical patent/JP2551496B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に高速走行用車両に適するよう炭素系複
合材料のロータ部材及びステータ部材を用いた鉄道車両
用ディスクブレーキ装置に関する。
〔従来の技術〕
従来における鉄道車両用ディスクブレーキ装置に構成
として、例えば実開昭64−4933号公報に開示されたもの
は、第6図に示すように、車輪100,100を軸支する車軸1
01の一側方に誘導電動機(駆動用電動機)102を設置す
ると共に、該誘導電動機102の回転子軸103の一端部にデ
ィスク104を固着し、且つ、キャリパー105に取り付けら
れた一対のパッド106,106間に前記ディスク104を介在せ
しめたものである。尚、前記誘導電動機102は台車等の
車両側部材に固定され、またキャリパー105は車輌側部
材や誘導電動機102に保持されるものである。そして、
前記回転子軸103の他端部には可撓継手107を介して駆動
ギヤ108が取り付けられ、且つ、前記車軸101の対応する
端部には前記駆動ギヤ108に噛合される従動ギヤ109が取
り付けられている。このような構成によれば、当該車両
の走行時には誘導電動機102の回転子軸103の回転に伴っ
て車軸101及び車輪100,100が回転駆動されるが、ブレー
キ指令が発せられた場合には、キャリパー105のパッド1
06,106がディスク104の両面に圧接することにより、ブ
レーキ作用が行われて、回転子軸103及び車軸101ひいて
は車輪100,100の回転がとまることになる。
しかるに、上記公報に開示されたディスクブレーキ装
置は、1枚のディスク104を用いたものであり而も該デ
ィスク104は鉄系の金属材料で構成されるのが通例であ
るため、その熱容量は小さく、制動時には高温状態にな
り易いという特性を有している。これに加えて、前記鉄
系の金属材料は、高温状態の下では極めて強度が低いと
いう特性を有しているため、制動時においては、ディス
ク104の強度が熱により急激に低下して該ディスク104に
偏磨耗や亀裂が生じ、ディスク104の寿命がくなるばか
りでなく、例えばディスク104の釣り合いが悪くなって
振動が発生し、誘導電動機102の回転子軸103の軸受けが
早期に損傷するといった問題を生ぜしめることとなる。
このような問題に対処するべく、例えば実開平1−11
7972号公報によれば、第7図に示すように、誘電電動機
102の回転子軸(中空電機子軸)103の両端に夫々ディス
ク104,104を固着し且つこの2枚のディスク104,104を挟
持する2個のキャリパー105,105を備えた構成が開示さ
れている。これによれば、制動時におけるディスク104,
104の高温化及び偏磨耗等の問題に対しては、幾分かは
解消されることが期待できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述の実開平1−117972号公報に開示
のディスクブレーキ装置によるにしても、近年における
鉄道車両の高速化に対しては充分に対処できるものでは
ない。即ち、ディスクを単に2枚備えるといった手法の
みによっては、当該ディスク材質が鉄系の金属材料であ
る以上、熱容量を大きくするにも限界があり、高温走行
からの制動が続けばディスク104が高温状態になるのは
当然の事であり、ディスク104の高温化に伴う既述の問
題を生ずるのは勿論のこと、ディスク及びキャリパーを
夫々誘導電動機本体を挟んでその両側に配設せねばなら
ないため、当該ディスク装置を取り付けるためのレイア
ウト面での困難化を余儀無くされるという問題をも生ぜ
しめることとなる。
一方、炭素系複合材料のロータ部材及びステータ部材
を用いた多板ディスクブレーキ装置は特に高温化での耐
磨耗性が優れていることから、高速走行からの制動作用
が行われる航空機等に利用されている。
そこで、鉄道車輌においても近年の高速化に伴い、炭
素系複合材料のロータ部材及びステータ部材を用いた多
板ディスクブレーキ装置の導入が要望されているが、鉄
道車輌は航空機とは異なり、駅停車時やカーブ走行時に
ブレーキ動作を頻繁に繰り返すため、上記ロータ部材及
びステータ部材に蓄熱作用が起こり、車輌の走行中に長
時間に渡ってディスクブレーキ装置の高温状態が維持さ
れるという事情がある。
このような高温状態が維持された場合、炭素系複合材
料のロータ部材及びステータ部材の耐磨耗性は確保され
るものの、他のディスクブレーキ装置構成部材である軸
受けや、作動油の早期損傷を来すことになり、これを防
止するため、ディスクブレーキ装置の冷却が必要とな
る。
しかしながら、前記炭素系複合材料のロータ部材及び
ステータ部材は、高温状態で冷却空気に晒されると炭素
の酸化による風化を招き、早期に使用不能となる問題が
ある。
そこで、本発明は、炭素系複合材料のロータ部材及び
ステータ部材の風化を防止しながら、他のディスクブレ
ーキ装置構成部材を含めて必要且つ充分な冷却を行うこ
とができる鉄道車輌用ディスクブレーキ装置を提供する
ことを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記技術的課題を達成するための手段とするところ
は、鉄道車両の駆動用電動機の回転子軸端部に設けら
れ、炭素系複合材料よりなる複数のロータ部材及びステ
ータ部材をケースで包囲したディスクブレーキ装置であ
って、前記回転子軸と共に回転し内部に空気通路が形成
された中空軸を設け、この中空軸に前記ロータ部材が共
に回転し且つ軸方向のみに摺動自在となるよう外嵌して
設け、ケースに固定されたキー部材により軸方向にのみ
摺動自在となるように前記ステータ部材を支持すると共
にこのステータ部材の内周を前記中空軸に回転自在に外
嵌して設け、前記キー部材の外周において、ケース内周
面とキー部材との間に隙間通路を形成する金属環板を設
け、このロータ部材及びステータ部材の軸方向両端にこ
のロータ部材及びステータ部材と略同径で、且つ、この
ロータ部材及びステータ部材の制動面を包囲するプレー
ト部材を設け、前記中空軸にこの中空軸の空気通路と金
属環板の隙間通路とをこのプレート部材よりも軸方向外
側を介して連通させる通孔を形成し、この通孔を介して
前記空気通路と隙間通路とのそれぞれに冷却空気を導入
させるところにある。
〔作用〕
上記手段による鉄道車両用ディスクブレーキ装置によ
ると、複数枚のロータ部材とステータ部材を有する多板
式のステータ部材を使用することから、当該車輌の制動
時に発生する熱が分散され各部材の発熱量が軽減され、
偏磨耗の発生や寿命の低下が回避され、装置のコンパク
ト化、取付容易性が図られる。
更に、ロータ部材及びステータ部材を炭素系複合材料
で構成したことによって、制動時に各部材が高温状態と
なっても、炭素系複合材料は高温雰囲気中において高強
度を示すので、耐磨耗性に優れたものとなる。
加えて、これらディスクブレーキ装置は、回転子軸と
共に回転する中空軸の内部に形成された空気通路及び金
属環板によってケース内周面とキー部材の間に形成され
た隙間通路とに、ロータ部材及びステータ部材の制動面
を包囲するプレート部材よりも軸方向外側を介して連通
させる通孔を介して冷却空気を導入させるように構成し
たものであるから、炭素系複合材料からなるロータ部材
及びステータ部材には直接的に冷却空気が晒されること
がなく、ロータ部材及びステータ部材の風化を防止で
き、耐久性が向上する。又、この冷却空気の通路によっ
て、ロータ部材及びステータ部材が中空軸及び金属環板
に伝達された伝導熱を介して速やかに冷却されるのはも
ちろんのこと、回転子軸等の他のディスクブレーキ装置
構成部材も可及的速やかに必要且つ十分な冷却を行うこ
とができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図乃至第5図に基づいて
説明する。
先ず、第1図に示す概略構成に基づいて、本発明に係
るディスクブレーキ装置1の取付状態を説明すると、空
気バネ50,50を介して車体51を支持する台車52の下方に
は駆動用電動機2が取り付けられており、該駆動用電動
機2の回転子軸3の一端部に固着された駆動ギヤ4と、
車輪53,53を軸支する車輪5に固着された従動ギヤ6と
が噛合されていると共に、前記駆動用電動機2の反ギヤ
側端部(左端部)には、本発明に係るディスクブレーキ
装置1が取り付けられている。従って、当該車輌51の走
行時には、駆動用電動機2の回転子軸3の回転が、駆動
ギヤ4及び従動ギヤ6を介して車軸5及び車輪53,53に
伝達される一方、ブレーキ指令が発せられた時には、前
記ディスクブレーキ装置1の動作により回転子軸3の回
転が止まり、これに伴って車軸5及び車輪53,53の回転
が止まることにより制動作用が行われる構成である。
尚、前記車軸ケース54,54と前記台車52との間には、軸
バネ55,55が介設されている。
次に、前記ディスクブレーキ装置1の細部にわたる構
造を、第2図及び第3図に基づいて説明する。
このディスクブレーキ装置1は、前記駆動用電動機2
の反ギヤ側端ブレーキのボルト56,56を用いて固定され
たドラム状のケース7を有し、該ケース7の内周面部に
は複数のキー部材8…8が固定されていると共に、該ケ
ース7の内方中心部には前記駆動用電動機2の回転子軸
3に結合された中空軸9が該回転子軸3と一体回転可能
に保持されている。そして、前記中空軸9の外周には、
該中空軸9ひいては回転子軸3と共に回転し且つ軸方向
(第3図a−b方向)に摺動自在な2枚のロータ部材1
0,10が取り付けられ、また前記キー部材8…8の内周に
は、軸方向にのみ摺動自在な3枚のステータ部材11…11
が取り付けられている。詳述すれば(第2図参照)、前
記中空軸9には等角度間隔で外方に突出する複数の凸条
9a…9aが軸方向に沿うように一体形成されていると共に
該中空軸9の外径と同形状の貫通孔10aが前記ロータ部
材10の中心部に形成され且つこの両者が嵌合されること
によりロータ部材10が中空軸9と共に回転し而も軸方向
に摺動自在とされているのに対し、前記キー部材8…8
は等角度間隔毎に配設されてケース7に固定支持されて
いると共にこれらのキー部材8…8の軸直角輪郭形状と
同形状の切欠部11a…11aがステータ部材11の外周縁に形
成され且つこの両者が嵌合されることによりステータ部
材11がキー部材8…8に対して軸方向にのみ摺動自在と
されている。この場合、前記ロータ部材10とステータ部
材11とは軸方向に相互に配設されており、ロータ部材10
の外周面10bとキー部材8…8の内周面との間、及びス
テータ部材部材11の内周面11bと中空軸9の外周面との
間には、僅かな隙間が存在している。尚、前記ロータ部
材10及びステータ部材11の枚数は、第3図示のものに限
定されるものではなく、これ以上或いはこれ以下の枚数
であっても差し支えない。
そして、前記ロータ部材10及びステータ部材11は双方
共に、C/Cコンポジットで構成されている。このC/Cコン
ポジット(Carbon/Carbon Composites)は、炭素繊維を
レジン、ピッチ等で結合強化した後に炭化及び黒鉛化熱
処理を行って製造された炭素繊維/炭素系複合材料であ
る。そして、第4図に示すように、その温度特性は、鋼
が符号(イ)で示す特性曲線を有するのに対し、C/Cコ
ンポジットは符号(ロ)で示す特性曲線を有する。つま
り、C/Cコンポジットは、高温状態にある場合において
も常温と変わらぬ或いはそれ以上の引張強度を有するの
である。これ以外にも、C/Cコンポジットの特性として
は、軽量、高弾性、異方性の少ない繊維組織、優れた摺
動性及び耐磨耗性等が挙げられる。
更に、第3図に示すように、前記C/Cコンポジットで
なる各部材のうちの左端に配設されたステータ部材11の
左側方には熱強度,伝導性の良い金属材料でなるリング
式の加圧プレート(プレート部材)12が近接配置されて
おり、この加圧プレート12は前記ステータ部材11と同様
にしてキー部材8…8に軸方向に摺動自在に嵌合されて
いると共に、前記各部材のうちの右端に配設されたステ
ータ部材11の右側方には前記加圧プレート12と同様の金
属材料でなるリンク状のストッパプレート(プレート部
材)13が配設されており、このストッパープレート13は
その右側面がケースの右側壁7a内面に当接した状態で前
記キー部材8…に堅固に固定され且つ該ストッパプレー
ト13の右側面部には径方向に延びる複数のスリット14…
14が放射線状に形成されている。
一方、前記ケース7の左側壁7bには、その先端が前記
加圧プレート12に当接する複数個のピストン(押圧部
材)15…15が軸方向に摺動自在に嵌合保持されていると
共に、該ピストン15の後面に液圧(油圧)を作用させる
液圧室16が形成されており、且つ該液圧室16は第2図示
のように液圧通路17を介して液圧供給口18(液圧源に通
じている)に連通されている。
更に、前記ケース7の左側壁部7bには複数の隙間調整
機構19…19が設けられている。この隙間調整機構19は、
第3図に示すように、圧縮コイルバネ20により左方に付
勢されたピストンロッド21と、該ピストンロッド21の段
付面が当接してその左動を規制するストッパ板22と、該
ストッパ板22に固定されたリテーナ23の右動するフリク
ションリング24とを有する。そして、前記ピストンロッ
ド21の右端部は前記加圧プレート12に固定されており、
従って加圧プレート12は前記圧縮コイルバネ20により左
方に付勢された状態にある。又、前記フリクションリン
グ24は所定力以上の力が作用することにより左右動し、
この左右動に応じて、前記ピストンロッド21に嵌着され
た鍔部材25と前記リテーナ23との間の隙間Xつまりピス
トンロッド21の移動範囲が変化するようになっている。
以上の構成によれば、当該車両の走行時には、駆動用
電動機2の回転子軸3の回転に伴って、中空軸9及びロ
ータ部材10,10が回転することになるが、この場合に
は、ピストン15の後面の液圧室16が無圧状態となってい
るため、該ピストン15が加圧プレート12を右方へ押圧す
るための力は発生せず、従って前記ロータ部材10,10は
ステータ部材11…11に対して自由に回転できることとな
る。一方、ブレーキ指令が発せられた時には、前記液圧
室16が加圧状態となり、これに伴ってピストン15が右方
へ移動して加圧プレート12を押圧し且つロータ部材10,1
0及びステータ部材11…11をストッパプレート13に対し
て押し付け、この時に生じるロータ部材10,10とステー
タ部材11…11との各相互間の摩擦によって、ロータ部材
10,10ひいては中空軸9及び回転子軸3の回転が止ま
る。この場合において、前記車両の制動時に発生する熱
量は、ロータ部材10,10とステータ部材11…11との各相
互間に発生する複数箇所の摩擦熱として分散されること
になるので、個々の部材10,10,11…11についての発熱量
は大幅に軽減されることになる。また、前記ロータ部材
10,10及びステータ部材11…11はC/Cコンポジットで構成
されているので、仮に当該車両の高速走行からの制動時
に前記各部材10,10,11…11が高温状態となった場合にお
いても、C/Cコンポジットは第4図に符号(ロ)で示す
ように高温状態の下では高強度を有するための偏磨耗や
ブレーキ力の変化等の不具合は生じなくなる。そして、
ブレーキ指令が解除された場合には、加圧プレート12は
隙間調整機構19の圧縮コイルバネ20のバネ力により左方
へ移動して当初の位置に復帰する。
尚、当該車両の制動時に発生した熱量はロータ部材1
0,10及びステータ部材11…11に蓄熱されることになる
が、この熱量は以下に示す構成により好適に放熱され
る。
即ち。中空軸9の空気通路60の左側は開口され且つこ
の開口部が空気導入口61とされており、該空気導入口61
の左側方にはフィルター62が装着されていると共に、前
記複数のキー部材8…8には、ロータ部材10,10及びス
テータ部材11…11の外周部を全周にわたって覆うように
薄肉の金属環板63(ステンレス製)が取り付けられてい
る。そして、前記空気導入口61より取り付けられた空気
は、中空軸9の左右両端部にい穿設された通孔64及び65
を通過して、矢印x及びyで示すように、加圧プレート
(プレート部材)12とケース左側壁部7bとの間の隙間及
びストッパプレート(プレート部材)13とケース右側壁
部との間の間隙(スリット14)、すなわち、ロータ部材
10,10及びステータ部材11…11の制動面を包囲するプレ
ート部材の軸方向外側に流入し、更に前記金属環板63と
ケース内周面との間の隙間通路Wを通過して空気排出口
66より外方に排出される。このように冷却用の空気が通
過していくこにより、加圧プレート12、ストッパプレー
ト13のプレート部材及び金属環板63より放熱が行われ
て、ロータ部材10,10及びステータ部材11…11の適度な
温度上昇が防止されるのである。
また、当該車両の制動時に発生した熱が前記中空軸9
から回転子軸3に直接的に伝導されると、該回転子軸3
の軸受けを早期に磨耗させるといった不具合を招くこと
になるが、本実施例においては、上記の熱伝導を可及的
抑制するために以下に示すような構成が採用されてい
る。
即ち、第5図に示すように、中区軸9と回転子軸3と
は別体で構成されており、且つこの両者間には断熱カッ
プリング70が介設されている。具体的には、中空軸9の
右端部には噛合凹凸面9aが形成されており、この噛合凹
凸面9aと断熱カップリング70の左端部に形成された噛合
凹凸面70aとが噛み合って結合されていると共に、回転
子軸3の左端部にも噛合凹凸面3bが形成されており、こ
の噛合凹凸面3bと断熱カップリング70の右端部に形成さ
れた噛合凹凸面70bとが噛み合って結合されているので
ある。このような構成によれば、中空軸9から回転子軸
3への熱伝導が好適に軽減されて、当該車両の制動に起
因して回転子軸3が温度上昇するといった不具合が効果
的に防止されることとなる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、鉄道車両用ディスクブ
レーキ装置として、複数枚のロータ部材と複数枚のステ
ータ部材を有してなる多板式のディスクブレーキ装置を
用いたことにより、当該車両の制動時に発生する熱が、
前記各部材相互間の複数箇所にて生じる摩擦熱となって
分散されることになり、各部材の発熱量が軽減されて、
偏磨耗の発生や寿命の低下等の不具合が回避されると共
に、当該装置のコンパクト化や取付性の容易化等をも図
り得るという利点が得られることとなる。
更に、前記ロータ部材及びステータ部材を炭素系複合
材料で構成したことにより、仮に当該車両の高速走行か
らの制動時に前記各部材が高温状態となっても、炭素系
複合材料は高温雰囲気中において高強度を示すものであ
るために、他の材質を用いた場合と比較して温度上昇の
如何に拘わらず高強度を維持できることとなり、耐磨耗
性に優れたディスクブレーキが実現されるととなる。
又、本装置は、回転子軸と共に回転する中空軸の内部
に形成された空気通路、金属環板によってケース内周面
とキー部材の間に形成された隙間通路とに、ロータ部材
及びステータ部材の制動面を包囲するプレート部材より
も軸方向外側を介して連通させる通孔を介して冷却空気
を導入させるように構成したものであるから、炭素系複
合材料からなるロータ部材及びステータ部材には直接的
に冷却空気が接触することがなく、この結果、ロータ部
材及びステータ部材の風化を防止でき、耐久性が向上す
るのに加えて、ロータ部材及びステータ部材の摩擦熱を
間接的に冷却すると共に、回転子軸等の他のディスクブ
レーキ装置構成部材をも含めて可及的速やかに必要且つ
十分な冷却を行わせるものである。これによって、駅停
車時やカーブ走行時にブレーキ動作を頻繁に繰り返す高
速鉄道車両において、炭素系複合材料のロータ部材及び
ステータ部材を用いたディスクブレーキ装置の適用を可
能とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第5図は本発明の実施例を示すもので、第1
図は鉄道車両用ディスクブレーキ装置の取付状態を示す
概略正面図、第2図は鉄道車両用ディスクブレーキ装置
の内部構造を示す要部縦断側面図、第3図は鉄道車両用
ディスクブレーキ装置の内部構造を示す要部縦断正面
図、第4図はC/Cコンポジットの特性を示すグラフ、第
5図は回転子軸と中空軸との結合状態を示す部品分解配
列斜視図である。また、第6図は一の従来例を示す概略
平面図、第7図は他の従来例を示す概略平面図である。 1…ディスクブレーキ装置 2…駆動用電動機 3…回転子軸 5…車軸 8…キー部材 9…中空軸 10…ロータ部材 11…ステータ部材 12…加圧プレート(プレート部材) 13…ストッパプレート(プレート部材) 15…押圧部材(ピストン) 60…空気通路 63…金属環板 64、65…通孔 W…隙間通路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄道車両の駆動用電動機の回転子軸端部に
    設けられ、炭素系複合材料よりなる複数のロータ部材及
    びステータ部材をケースで包囲したディスクブレーキ装
    置であって、 前記回転子軸と共に回転し内部に空気通路が形成された
    中空軸を設け、 この中空軸に前記ロータ部材が共に回転し且つ軸方向の
    みに摺動自在となるよう外嵌して設け、 ケースに固定されたキー部材により軸方向にのみ摺動自
    在となるように前記ステータ部材を支持すると共にこの
    ステータ部材の内周を前記中空軸に回転自在に外嵌して
    設け、 前記キー部材の外周において、ケース内周面とキー部材
    との間に隙間通路を形成する金属環板を設け、 このロータ部材及びステータ部材の軸方向両端にこのロ
    ータ部材及びステータ部材と略同径で、且つ、このロー
    タ部材及びステータ部材の制動面を包囲するプレート部
    材を設け、 前記中空軸にこの中空軸の空気通路と金属環板の隙間通
    路とをこのプレート部材よりも軸方向外側を介して連通
    させる通孔を形成し、 この通孔を介して前記空気通路と隙間通路とのそれぞれ
    に冷却空気を導入させることを特徴とする鉄道車両用デ
    ィスクブレーキ装置。
JP2150348A 1990-06-08 1990-06-08 鉄道車両用ディスクブレーキ装置 Expired - Fee Related JP2551496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2150348A JP2551496B2 (ja) 1990-06-08 1990-06-08 鉄道車両用ディスクブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2150348A JP2551496B2 (ja) 1990-06-08 1990-06-08 鉄道車両用ディスクブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0443155A JPH0443155A (ja) 1992-02-13
JP2551496B2 true JP2551496B2 (ja) 1996-11-06

Family

ID=15495029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2150348A Expired - Fee Related JP2551496B2 (ja) 1990-06-08 1990-06-08 鉄道車両用ディスクブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2551496B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009062866A (ja) * 2007-09-06 2009-03-26 Toyota Motor Corp 内燃機関
EP3020611A1 (de) * 2014-11-14 2016-05-18 Siemens Aktiengesellschaft Bahnantrieb mit Bremseinrichtung

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5211386B2 (ja) * 1972-07-11 1977-03-30

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0443155A (ja) 1992-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101269928B1 (ko) 휠 내장형 모터를 갖춘 차량
KR100471909B1 (ko) 디스크 브레이크 시스템
US5215168A (en) Braking system for a railway vehicle
CN107428238A (zh) 具有制动组件的电轮毂驱动器
JP2551496B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
US3491856A (en) Ventilated disk brake apparatus
US6502674B2 (en) Friction engagement device
JP2566482B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP3028136B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP2566481B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP2566483B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JPH0632510Y2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP2568476B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JPH0632511Y2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP2706685B2 (ja) 多板ディスクブレーキ装置
JPH0747389B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP2819187B2 (ja) 鉄道車両用ディスクブレーキ装置
JP2557898Y2 (ja) ディスクロータ
JP2655039B2 (ja) 車両用ブレーキの使用方法及びブレーキ装置
KR100361547B1 (ko) 디스크 타입 브레이크용 경량 디스크
WO2004029473A1 (en) Disc brake
JPH023717A (ja) 高負荷用ディスクブレーキ
JP2996783B2 (ja) 鉄道車両用の多板ブレーキ
JP5100600B2 (ja) ブレーキシステム
JP2583243Y2 (ja) 鉄道車両用弾性車輪

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees