JP2744661B2 - 二酸化チタンの製造における硫酸の回収方法 - Google Patents

二酸化チタンの製造における硫酸の回収方法

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JP2744661B2 JP1331416A JP33141689A JP2744661B2 JP 2744661 B2 JP2744661 B2 JP 2744661B2 JP 1331416 A JP1331416 A JP 1331416A JP 33141689 A JP33141689 A JP 33141689A JP 2744661 B2 JP2744661 B2 JP 2744661B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の要約 硫酸チタニルを加水分解し、該加水分解で製造された
廃酸から加水分解生成物を単離し、該加水分解生成物を
洗浄し、そして該加水分解生成物を焼成してTiO2顔料を
形成せしめることにより改良された品質のTiO2顔料を製
造する方法において、チタニウム塩類とアルカリ性試薬
との反応により別途製造された加水分解核を用いて硫酸
チタニルの加水分解を実施し、加水分解工程の全期間の
少なくとも50%が経過した後に該加水分解混合物に廃酸
及び/又は廃酸含有洗浄水を添加する。
発明の詳細 本発明は、硫酸塩法でTiO2を製造する際に廃酸として
得られる硫酸を回収する方法に関するものであり、廃酸
又は、TiO2加水分解生成物の洗浄の間に得られる低H2SO
4濃度を有する洗浄水を、硫酸チタニルの加水分解の際
中に添加することにより、金属硫酸塩を濃縮し単離する
ことを意図している廃酸の濃度を増加させるものであ
る。
硫酸の回収又は海への廃棄が意図されている廃酸中の
硫酸濃度を増加せしめることが、経済的観点から一般的
に有利であることはよく知られている。例えば、硫酸濃
度を23%から25%に増加させると、金属硫酸塩の単離前
に廃酸から約15%少ない水を蒸発させればよいことにな
る。
この優位性の観点から、例えばDE−C第2729755号
は、廃酸又は洗浄水をチタン鉄鉱(ilmenite)の消化に
再循環することを提案している。しかし、もし例えば色
合いに関係する重金属イオンの同時再循環による顔料の
品質低化が回避されるべきであるならば、特有の制限が
あることに気付くべきである。
米国特許第2,331,496号には、チタン塩を加水分解す
る方法が開示されており、この方法ではチタン塩溶液の
主要量が添加される前に希釈溶液中でまず加水分解核が
生成される。核形成のためには、水の代わりに洗浄溶液
又は比較的低いチタン含量の液を使用することもでき
る。しかしながら、核形成及び熟成の間はpHを約1.2に
一定に維持しなければならないので、これらの液は僅か
な量の硫酸を含有できるだけである。それ故、この方法
では相当量の廃酸又は洗浄液を再循環して廃酸濃度の顕
著な増加を達成することは不可能である。
したがって、加水分解収率の実質的な低下及び顔料品
質の低化をもたらさないで、廃酸中のH2SO4濃度を増加
させる方法の提供が本発明の目的である。
本発明は、硫酸チタニルを加水分解し、該加水分解で
生じた廃酸から加水分解生成物を単離し、該加水分解生
成物を洗浄し、そして該加水分解生成物を焼成してTiO2
顔料を形成せしめることによりTiO2顔料を製造する方法
において、チタニウム塩類とアルカリ性試薬との反応に
より別途調製された加水分解核を用いて硫酸チタニルの
加水分解を実施し、加水分解工程の全期間の少なくとも
50%が経過した後に該加水分解混合物に廃酸及び/又は
廃酸含有洗浄水を添加することを特徴とする方法に関す
る。
好ましくは、TiO2の1t当たり0.1〜1.5m3の廃酸及び/
又は洗浄液が添加される。
もしH2SO4のみならず、Fe硫酸塩、Cr硫酸塩及びV硫
酸塩をも含有する洗浄液又は廃酸が硫酸チタニル加水分
解の初期に添加されると、加水分解収率は低下し、TiO2
の品質は低化する(実施例2,3及び5も参照)。一方、
もし本発明に従い、(例えば西独公開公報第540,863号
に従う)チタニウム塩類とアルカリ性試薬との反応によ
り別途調製された加水分解核を用いて硫酸チタニルの加
水分解を実施し、加水分解工程の全期間の少なくとも50
%が経過するまでは該加水分解混合物に廃酸及び/又は
廃酸含有洗浄水を添加しなければ、加水分解収率の低下
やTiO2の品質の低化の如き上記不利益は回避され、さら
に廃酸濃度の実質的増加が達成される。
本発明による方法を用いることにより、従来技術に従
って注意深く実施することにより達成される濃度に比べ
て、廃酸濃度は20%も増加し得る。加えて、本発明の方
法が採用された場合には顔料品質の改善も見られる。
本発明に従う廃酸又は洗浄液の添加は、硫酸チタニル
溶液と加水分解核との混合後40分より前には実施されな
い。好ましくは廃酸又は洗浄液は、加水分解核の添加後
90〜250分に添加される。
以下の実施例及び比較例は、本発明による方法の優位
性を説明するためのものである。
実施例1(比較例) チタンスラグとチタン鉄鉱とを原料として製造された
硫酸チタニル溶液は、230g/lのTiO2に対応する量の硫酸
チタニルを含有し、そのうち1.3g/lはTi(III)硫酸塩
として存在する。H2SO4:TiO2の重量比は、2.04であ
り、FeSO4:TiO2のそれは、0.5である。更に該溶液は、
他の金属硫酸塩、と共に0.34g/lのクロム及び0.87g/lの
バナジウムを硫酸塩として含有する。
自然核発生方法(Blumenfeld process)により加水分
解を実施するため、96℃の水0.95m3が初めに用いられ
る。攪拌しながら、96℃に加熱された上記硫酸チタニル
溶液0.03m3を2秒間で素早く添加し、次いで25秒後に硫
酸チタニル溶液4.32m3を添加する。次いで該混合物を蒸
気を導入することにより沸騰させ、一定の濁度(“matc
h point")に達するまで25分間沸騰を続ける。その後30
分間蒸気の導入を中断し、そして更に該混合物を蒸気を
用いて2.5時間沸点に維持する。
加水分解が終わると180g/lのTiO2を含有する懸濁物5.
55m3が得られる。
60℃に冷却した後、加水分解生成物を真空濾過により
廃酸から分離し、水で洗浄し、洗浄液いわゆる洗浄酸が
得られる。該加水分解生成物は、その後Al粉末及び硫酸
を添加することにより漂白され、濾過洗浄される。
試薬級リン酸、アルカリ類及びルチル種(seeds)を
過ケークに添加し、ロータリーキルン中950℃で焼成
してルチル顔料を得る。かくして得られた顔料を、後続
の実験で得られる顔料を評価する標準とする。後続の実
験のすべてにおいて、同じ硫酸チタニル溶液を原料とし
て用い、加水分解生成物のルチル顔料への処理は類似の
方法で実施される。実験の結果は表中にまとめる。
実施例2(比較例) 水の代わりにH2SO42重量%を含有する洗浄液(洗浄
酸)を自然核発生のために初めに使用する以外は、実施
例1と同様に加水分解を実施する。
実施例3(比較例) 水の代わりにH2SO45重量%を含有する洗浄液を初め
に使用する以外は、実施例1と同様に加水分解を実施す
る。
比較例2及び3は、米国特許第2,331,496号に記載さ
れた硫酸チタニルの加水分解法が、廃酸又は洗浄酸の相
当量を加水分解工程に再循環するには適していないこと
を示している。
実施例4(比較例) 上記硫酸チタニル溶液とアルカリ性化合物との反応
(“Mecklenburg process")により製造された加水分解
核を用いて硫酸チタニル溶液を加水分解する。別途製造
された加水分解核の分散体49lを硫酸チタニル溶液4.35m
3(TiO2の1tに対応)に添加する。該混合物を蒸気を導
入することにより沸騰させ、“match point"に達するま
で沸騰を続ける。その後30分間蒸気の導入を中断し、そ
して該混合物を再び沸騰させ、2.5時間再び沸騰を続け
る。
全工程時間150分後、0.92m3の水を添加し、工程の最
終段階でTiO2顔料180g/lとする。
実施例5(比較例) 硫酸チタニル溶液4.35m3を加水分解核分散体49lと混
合し、10重量%のH2SO4を含有する洗浄酸0.92m3を添加
する。核形成後のTiO2濃度は、実施例1と同じである。
続く加水分解反応及び加水分解生成物の処理は実施例1
と同様に実施する。
実施例6〜8 加水分解工程の全期間の少なくとも50%が経過した後
に、水の代わりに洗浄酸又は廃酸を添加する以外は実施
例4と同様に加水分解を実施する。
添加は、実施例6では110分後、実施例7では200分後
及び実施例8では130分後である。
実施例9〜11 実施例9〜11のために、前記の硫酸チタニル溶液をTi
O2230g/lからTiO2含量240g/lに濃縮した。加水分解は、
実施例4と同様に実施する。TiO2が高含量であるため、
洗浄酸又は廃酸0.92m3に代えて1.1m3をTiO2の最終濃度
を180g/lとするため、各場合に添加することができる。
酸は、実施例9では120分後、実施例10及び11では150
分後に添加される。
本発明による実施例6〜11は、相当量の廃酸又は洗浄
酸(廃酸を含有する洗浄液)を加水分解収率への大きな
悪影響なく加水分解工程へ再循環することができること
を示している(表参照)。驚くべきことに、加水分解生
成物から標準条件で製造されたルチル顔料の品質が、本
発明の方法を実施例することによって改善される。本発
明の方法を実施することにより、加水分解生成物から
別された廃酸のH2SO4含量は、25重量%からほとんど29
重量%にまで増加することができる。
しかして本発明の実施態様としては、以下のものが挙
げられる。
1.硫酸チタニルを加水分解し、該加水分解で生じた廃酸
から加水分解生成物を単離し、該加水分解生成物を洗浄
し、そして該加水分解生成物を焼成してTiO2顔料を形成
せしめることによりTiO2顔料を製造する方法において、
チタニウム塩類とアルカリ性試薬との反応により別途調
製された加水分解核を用いて硫酸チタニルの加水分解を
実施し、加水分解工程の全期間の少なくとも50%が経過
した後に該加水分解混合物に廃酸及び/又は廃酸含有洗
浄水を添加することを特徴とする方法に関する。
2.TiO21t当たり廃酸及び/又は廃酸含有洗浄液0.1〜1.5
m3を添加することからなる、第1項の方法。
3.硫酸チタニル溶液と加水分解核との混合後40分より早
くない時点で、廃酸及び/又は洗浄液を添加する、第1
項の方法。
4.加水分解核添加後90〜250分に廃酸及び/又は洗浄液
を添加する、第1項の方法。
5.第1項の方法から得られたTiO2顔料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボルフガング・デイーター・ミユラー ドイツ連邦共和国デー4150クレーフエル ト・ボーデルシユビングシユトラーセ 19 (72)発明者 ギユンター・ライラツハ ドイツ連邦共和国デー4150クレーフエル ト・ビスマルクシユトラーセ 109 (56)参考文献 特開 昭63−166721(JP,A) 特開 昭63−310723(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸チタニルを加水分解し、該加水分解で
    生じた廃酸から加水分解生成物を単離し、該加水分解生
    成物を洗浄し、そして該加水分解生成物を焼成してTiO2
    顔料を形成せしめることによりTiO2顔料を製造する方法
    において、チタニウム塩類とアルカリ性試薬との反応に
    より別途調製された加水分解核を用いて硫酸チタニルの
    加水分解を実施し、加水分解工程の全期間の少なくとも
    50%が経過した後に該加水分解混合物に廃酸及び/又は
    廃酸含有洗浄水を添加することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法から得られたTiO2顔料。
JP1331416A 1988-12-24 1989-12-22 二酸化チタンの製造における硫酸の回収方法 Expired - Lifetime JP2744661B2 (ja)

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