JP2744285B2 - アルカリ可溶性皮膜形成用樹脂水性分散液組成物 - Google Patents

アルカリ可溶性皮膜形成用樹脂水性分散液組成物

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直行 加藤
武志 粟田
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、グラビアインキ、フレキソインキ、オフセ
ットインキ等の印刷インキのバインダー、再剥離保護皮
膜形成材として有用なアルカリ可溶性皮膜形成用樹脂水
性分散液組成物を提供するものである。
〔従来技術〕
グラビアインキ、フレキソインキ等のプラスチックや
紙等用の印刷インキとしては、従来、印刷インキ用着色
料に媒質としてスチレン・無水マレイン酸共重合体に、
エチレン・アクリル酸共重合体等の酸基(−COOH)を有
する共重合体の樹脂バインダー;トルエン、メチルエチ
ルセロソルブ等の溶剤;粘度調整剤、分散剤等が配合さ
れている。
バインダーは印刷インキのプラスチック成形品、紙等
被着材との密着性を良好とする働きを為す。バインダー
としての酸基を有する樹脂は、カルボキシル基(−CO
OH)の極性のために被着材に対する密着性に優れ、ま
た、印刷機の版胴についた印刷インキを、印刷終了
後、苛性ソーダ、モノエタノールアミン、モルホリン、
トリエタノールアミン等のアルカリを含有する水もしく
は水・アルコール混合液よりなる洗浄液で洗った際、ア
ルカリと反応して水溶性塩となり水に溶けて印刷インキ
を版胴より容易に取り除くことができる効果がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のグラビアインキ、オフセットインキ、フレキソ
インクのビヒクルの溶媒は、トルエンやメチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ等の有機揮発性溶剤であり、環境
衛生上好ましくない。そのためのドラフトや、危険物取
扱のための貯蔵倉庫の設置等法律上の制約もある。
媒質(ビヒクル)の有機揮発性溶剤にかえて、水また
は水・アルコールの混合液を用いれば大気汚染、火災の
問題がない水性印刷インキが得られる。
従って、媒質として酸基を有する樹脂水性分散液を用
いることが考えられが、 (i) 被着材、特に樹脂フィルム、射出成形品等の非
浸透性被着材との密着性を良好とするためにガラス転移
点を−20℃〜10℃の樹脂水性分散液を用いると、分散液
より形成される皮膜が粘着性を帯び、いいかえると印刷
面がブロッキングを生じる。
(ii) 上記皮膜のブロッキングを防止しようとコロイ
ダルシリカ等の抗ブロッキング剤を配合した樹脂水性分
散液を用いると皮膜は白化し、顔料の色彩が皮膜の白い
色彩により変化させられ、例えば顔料として赤色のリソ
ールレッドBを用いて赤色の呈色を画ったとしても桃色
がかった赤い印刷や、顔料として群青を用いても淡青色
の印刷しか得られない。
(iii) 皮膜のブロッキングを防止しようと樹脂のガ
ラス転移点が30〜60℃の樹脂水性分散液を媒質として用
いると印刷インキの被着材への密着性が悪い。
本発明は、抗ブロッキング性が改良され、白化しな
い、いいかえれば透明性が良好で、被着材に対し密着性
の良好な皮膜を与える樹脂水性分散液組成物を与えるこ
とを目的とする。
〔課題を解決する具体的手段〕
上記目的を達成する樹脂水性分散液組成物として、本
発明は、 (A)成分 不飽和酸7〜50重量%と他のビニル単量体とを乳化重
合して得られる共重合体のガラス転移点が−10℃〜+30
℃、樹脂の粒径が0.06〜3μmの樹脂水性分散液 (B)成分 不飽和酸0〜5重量%と他のビニル単量体とを乳化重
合して得られる共重合体のガラス転移点が+30℃以上で
あって、(A)成分の樹脂のガラス転移点より30℃以上
高いガラス転移点を有し、樹脂の粒径が0.01〜0.05μm
の樹脂水性分散液 上記(A)成分と(B)成分が、樹脂固型分量比で、
(B)/〔(A)+(B)〕=0.3〜0.65、(A)/
〔(A)+(B)〕=0.7〜0.35の割合で配合されてな
るアルカリ可溶性皮膜形成用樹脂水性分散液組成物を提
供するものである。
(A成分) (A)成分は、皮膜のマトリックス(海)成分となる
もので、顔料、紙、樹脂フィルム、金属等の被着材への
密着性と、印刷機の洗浄や剥離ペイントとしての用途を
目的としてアルカリ可溶性のものである。
この(A)成分の樹脂水性分散液は、不飽和酸7〜50
重量%と他のビニル単量体とを乳化重合して得られる共
重合体のガラス転移点が−10℃〜+30℃、樹脂の粒径が
0.06〜3μmの樹脂水性分散液である。
不飽和酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、フマル酸、無水マレイン酸等のα,β−不飽和
カルボン酸;クロトン酸、ビニルスルホン酸、リン酸モ
ノメタクリルオキシエチル等が使用できる。他のビニル
単量体としては、例えばアクリル酸2−エチルヘキシル
(Tg−85℃)、アクリル酸n・ブチル(−54℃)、アク
リル酸エチル(−22℃)、アクリル酸イソプロピル(−
5℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(−5℃)、
アクリル酸n・プロピル(8℃)、メタクリル酸n・ブ
チル(20℃)、酢酸ビニル(30℃)、メタクリル酸エチ
ル(65℃)、塩化ビニル(79℃)、スチレン(100
℃)、メタクリル酸メチル(105℃)、アクリロニトリ
ル、ヒドロキシエチルアクリレート、等もしくは塩化ビ
ニリデン(−18℃)が用いられる〔なお、()内に示さ
れるTgは、これらビニル単量体もしくは塩化ビニリデン
のホモ重合体のガラス転移点である〕。
好ましくは、 (a) α,β−不飽和酸 7〜50重量% (b) アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n
・ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−
プロピル、メタクリル酸n・ブチル、塩化ビニリデン、
エチレン、ブタジエン等より選ばれたソフトビニル単量
体 35〜65重量% (c) 酢酸ビニル、メタクリル酸エチル、塩化ビニ
ル、メタクリル酸n−プロピル、スチレン、α−メチル
スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、ア
クリルアミド、メタクリルアミド等より選ばれたハード
ビニル単量体 20〜40重量% (d) その他のビニル単量体 0〜10重量% を乳化重合して得られるガラス転移点が−10〜+20℃、
樹脂粒径が0.08〜1μmのアルカリ可溶性の樹脂水性分
散液がよい。
(a)成分のα,β−不飽和酸は被着材への密着性の
向上、アルカリ可溶性を示すために7〜50重量%、好ま
しくは7〜25重量%用いられる。
50重量%を越えては、樹脂のガラス転移点や皮膜の可
撓性のバランス調整が困難となり、皮膜が硬く、脆いも
のとなる。
(b)成分のソフトビニル単量体は、そのビニル単量
体のホモ(単独)重合体のガラス転移点が20℃以下を示
す単量体で、皮膜に可撓性を付与するものである。
(c)成分のハードビニル単量体は、そのビニル単量
体のホモ重合体のガラス転移点が20℃を越えるもので、
皮膜に強靭さを付与するものである。
(d)成分のビニル単量体としては、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、メ
チロール化アクリルアミド、フマルマレイミド等の官能
基を有する単量体もしくはブタジエン等のように樹脂の
ガラス転移点調整のために用いる単量体が挙げられる。
(c)成分と(d)成分の使用は必須ではなく、用い
る樹脂分散液に要求される性能により任意に選択して使
用する。
これら(a)〜(d)成分の単量体の選択、使用量は
目的とする水分散液の樹脂のガラス転移点が得られるよ
うに選択する。
ガラス転移点が−10℃未満では、(B)成分のガラス
転移点が高いマイクロ樹脂水性分散液を多量に配合して
も組成物皮膜の抗ブロッキング性が十分でなく、多量の
マイクロ樹脂水性分散液の配合は被着材への皮膜の密着
性を低下させる。ガラス転移点が30℃を越えると造膜助
剤量が多量になりすぎ、抗ブロッキング性が低下した
り、常温(0〜30℃)における組成物の皮膜形成性が損
われ、不連続皮膜となったり、印刷インキの被着材への
密着性が悪くる。
分散液の樹脂粒径は0.06〜3μm、好ましくは0.08〜
1μmである。粒径が大きすぎると平滑な皮膜が得られ
にくく、粒径が小さすぎると耐ブロッキング性の向上を
望めない。また粒径が大きすぎても細かすぎても本特許
の組成物から得られる皮膜の透明性が損われる。メルカ
プタンの様な連鎖移動剤をビニル単量体の乳化重合時に
用いることは樹脂粒子の分子量を低下させ、アルカリ可
溶性を向上させるのに役立つ。
(B成分) (B)成分の樹脂水性分散液は、組成物皮膜のアイラ
ンド(島)となり、皮膜に抗ブロッキング性を付与し、
また、(A)成分の粒子径の大きい樹脂粒子が連続皮膜
を形成するさいに(A)成分の樹脂粒子間の空隙にこの
(B)成分のマイクロ樹脂粒子が入り皮膜の白化、不透
明化を防止し、皮膜の透明性を向上させる作用をなす。
従って、一種の樹脂充填剤的機能を有する。
従って、(A)成分の樹脂粒子より小さな粒径を有
し、かつ、ガラス転移点はより高いものが使用される。
ガラス転移点が+30℃以上であって、(A)成分の樹
脂のガラス転移点より30℃以上高いガラス転移点を有
し、樹脂の粒径が0.01〜0.05μm、樹脂の原料成分の不
飽和酸使用量が0〜3重量%の樹脂水性分散液(B)
は、例えば特公昭62−28187号公報に記載される方法で
ビニル単量体を乳化重合することにより得られる。重合
は、アニオン性乳化剤の20〜50%、非イオン性乳化剤の
10〜50%を有する水の30〜50%を前もって加え、ビニル
単量体、残りの水及び残りの乳化剤から予備エマルジョ
ンを別途に調整し、この予備エマルジョンを1〜3時間
かけて50〜90℃に加熱した溶液に添加するという方法で
好都合に行なわれる。反応混合物は、撹拌され、開始剤
がエマルジョン添加と平行して1〜5%水溶液の形で添
加される。添加後全体の混合物を更に1〜3時間70〜90
℃で後撹拌する。単量体混合物を水の全量と乳化剤を含
有する溶液に添加する場合にも又浸透作用を有する含
浸、下塗に適した極めて微細な微粒子から成る合成樹脂
分散物を得ることができるから、極めて微細な微粒子か
ら成る分散物を調製するためのエマルジョン添加に強制
的な条件は何ら存在しない。
このマイクロ樹脂水性分散液(エマルジョン)の樹脂
粒子の平均粒径は0.01〜0.05μmであることが皮膜の透
明性の面で重要である。また、この樹脂粒子のTgは、
(A)成分のエマルジョンの樹脂粒子よりも30℃以上高
いTgを有することが皮膜の抗ブロッキング性上必要であ
る。又難造膜性であるのが好ましい。
従来のコロイダルシリカのような抗ブロッキング剤の
無機フィラーと異なり、混合が楽で、分散工程が不要で
比重差も小さく分離の心配も必要も無く皮膜マトリック
スの(A)成分の樹脂と混和性が良好なため皮膜の艶引
きもなく、透明性の低下もない。
このマイクロエマルジョンは常温架橋型樹脂のエマル
ジョンであっても、自己加熱架橋型エマルジョンであっ
ても、非架橋型エマルジョンであってもよい。難造膜性
の為架橋性のマイクロ樹脂エマルジョンであった方がよ
り耐熱性、より強靭な皮膜を与える。
このマイクロ樹脂水性分散液は、酸基を有していた方
が(A)成分の樹脂水性分散液との混和性が良く、より
透明な皮膜を与えるが、多量の酸基の存在は、皮膜の吸
湿、白化等耐水性の低下を招く。又、一般に塗材は腐触
の問題から、ややアルカリ側で使用するが、この時、系
の粘度が上昇する等の問題がある為、アルカリ可溶性は
(A)成分のみとするのが良い。
この様な問題点があるので、(B)のエマルジョンの
樹脂成分原料中は、不飽和酸の使用量は5重量%までと
するべきである。
好ましくは、 (イ).α,β−不飽和酸 0〜5重量% (ロ).既述のソフトビニル単量体 0〜50重量%、好
ましくは15〜45重量% (ハ).既述のハードビニル単量体 35〜100重量%、
好ましくは45〜75重量% (ニ).既述の分子中に少なくとも1個のアルデヒド基
又はケトン基及び重合可能な二重結合を有するビニル単
量体 0〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量% (ホ).その他のビニル単量体 0〜10重量% を乳化重合することにより得られるガラス転移点が50〜
120℃のものが好ましい。
(任意成分) (B)成分がアルデヒド基またはケトン基を有する共
重合体粒子の常温架橋型樹脂水性分散液であるときは、
このアルデヒド基またはケトン基と反応する少くとも2
個のヒドラジン残基(−NH・NH2)を有するヒドラジン
誘導体を架橋剤として配合する。
かかるヒドラジン誘導体としては、たとえば2〜10個
特に4〜6個の炭素原子を含有する下記のジカルボン酸
ジヒドラジドがあげられる。蓚酸ジヒドラジド、マロン
酸ジヒドラジド、こはく酸ジヒドラジド、グルタン酸ジ
ヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒ
ドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラ
ジド及び/又はイタコン酸ジヒドラジド、2〜4個の炭
素原子を有する脂肪族の水溶性ジヒドラジン、たとえば
エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,3−ジヒ
ドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジン。次式 〔式中、Xは水素原子又はメチル基であり、Aはアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル又は無水マレイン酸の各単位であ
り、Bはアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル又は無水マレイン酸
と共重合可能な単量体の単位である。また、l、m及び
nは下記の各式 2モル%l100モル% 0モル%(m+n)98モル% (l+m+n)=100モル% を満足する数を示す。〕 で表わされるポリマーで、かかるポリマーは、たとえば
特開昭55−6535号公報に詳述されている。
この架橋剤は、分散液樹脂の−CHO基、>C=0基1
当量に対し、0.2〜5当量、好ましくは0.5〜4当量の割
合で用いられる。
これら(A)、(B)および架橋剤成分の他に消泡
剤、湿潤剤、凍結防止剤、防腐剤、粘度調整剤、反応促
進剤、遅延剤、分散剤、溶剤、可塑剤、造膜助剤、有機
着色剤等を添加してもよい。
また、乾燥性の向上や塗工しやすくする目的で、エチ
ルアルコールやイソプロピルアルコールを適量配合して
もよい。
印刷インキの媒質として本発明の樹脂水性分散液組成
物を用いるとき、用いる印刷インキ用顔料としては、カ
ーボンブラック、黄鉛、チタン白、亜鉛華、リトポン、
紺青、群青、レーキレッドC、レーキレッドD、リソー
ルレッドB、パーマネント・レッド4R、シアニン・ブル
ーB、ハンサ・エローG、ベンジチン・エロー、その他
塩基性染料レーキなどが使用できる。
(組成) 本発明の樹脂水性分散液組成物の(A)成分と(B)
成分の配合割合は、樹脂固型分比で(B)/〔(A)+
(B)〕が0.3〜0.65、好ましくは0.3〜0.5、(A)/
〔(A)+(B)〕が0.7〜0.35の割合で用いられる。
(A)成分の一部を、酸基のない、平均粒径が0.06〜3
μmの樹脂粒子の水性分散液に置きかえてもよい。
水性分散液の樹脂分中の(B)成分量が30%未満で
は、(A)成分の樹脂粒子間のすきまを埋めるに十分な
マイクロ樹脂粒子の量でなく、得られる皮膜のブロッキ
ング防止が十分でない。逆に、(B)成分量が65重量%
を越えては、(A)成分の連続皮膜形成に支障が生じ、
被着材への密着性が損われる。
(定義) 樹脂粒子径:電子顕微鏡法による。
ガラス転移点:示差分析法による。
機器名称 デュポン社製示差熱分析計 測定条件 昇温速度10℃/分 アルカリ溶解性有りとは、乾燥した肉厚が50μmの皮
膜を5%NaOH水溶液中に20℃にて3時間浸漬し、皮膜重
量の70%以上が消失するものを有りとする。
(実施例等) 次に、分散液の調製例、実施例、比較例をあげてさら
に詳述する。これらの例に記載された「部」及び「%」
は、特に記載しない限り重量基準による。
(A)成分の製造例 例1 温度調節器、いかり型撹拌機、還流冷却器、供給容
器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器内に、
水150部及び分散剤としてp−ノニルフェノールのエチ
レンオキサイド(ED)20モル付加物硫酸半エステルのナ
トリウム塩(アニオン性乳化剤)の35重量%水溶液と、
p−ノニルフェノールのエチレンオキサイド25モル付加
物の20%水溶液との重量比15/10の混合物25部を装入し
た。
別に、供給物I及び供給物IIとして、それぞれ下記の
組成物を用意した。
供給物I アクリル酸 28部 メタクリル酸メチル 148部 アクリル酸n・ブチル 220部 アクリルアミド 4部 前記アニオン性乳化剤の35%水溶液 20部 水 150部 供給物II 水 70部 過硫酸ナトリウム 2.5部 次いで、反応器内を窒素ガス置換したのち、供給物I
の1/10量を装入して90℃に加熱し、さらに供給物IIの1/
10量を装入した。次いで、残りの供給物I及び供給物II
を同時に少量ずつ3〜3.5時間かけて反応容器に供給し
た。その供給終了後に、なお1.5時間90℃に保って反応
させた。次いで、反応容器を室温に冷却し、アンモニア
水を加えて反応生成物のpHを6.5〜7.5に調整し、共重合
体水性分散液を得た。
この乳化重合において用いた単量体種類及びその量
(重量%)は表1に示すとおりであり、得られた重量体
分散液の固形分濃度及び分散液樹脂の平均粒子径ガラス
転移点は表1に示すとおりであった。
この水性分散液100部に、架橋剤としてアジピン酸ジ
ヒドラジン0.5部を配合し、常温架橋型樹脂水性分散液
を得た。
例2〜7 用いたビニル単体の種類、使用量を表1のように変更
する他は同様にして表1に示す物性の樹脂水性分散液を
得た。
マイクロ樹脂水性分散液の製造例 例8 温度調節器、いかり形撹拌器、還流冷却器、供給容
器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に、下記
の原料を装入した。
水 275部 ラウリルスルホン酸ナトリウム塩(アニオン性乳化
剤)の35%水溶液 25部 エチレンオキシド25モルと反応させたp−ノニルフ
ェノール(非イオン性乳化剤)の20%溶液 10部 供給物Iとして下記の混合物を用いた。
水 200部 前記アニオン性乳化剤の35%溶液 25部 スチレン 25部( 5重量%) メタクリル酸メチル 390部(78重量%) アクリル酸n−ブチル 65部(13重量%) ジアセトンアクリルアミド 20部( 4重量%) 供給物IIとして、水85部中の過硫酸カリウム2.5部の
溶液を調製した。
反応器内を窒素ガスで置換したのち、装入物に供給物
Iの10%を加え、混合物を90℃に加熱した。次いで供給
物IIの10%を反応器に注入し、次いで一様に並行して3
ないし3.5時間かけて残りの供給物I及びIIを反応器に
供給した。供給後、なお1.5時間90℃に保持したのち、
反応器を室温に冷却した。分散液のpHをアンモニア水で
6〜7.5となし、アジピン酸ジヒドラジド8部を添加し
て約1時間撹拌した。
このようにして、固形分40%の表2に示すマイクロ樹
脂水性分散液を得た。
例9〜13 例8のマイクロ樹脂水性分散液の製造例において、共
重合組成を表2に示す割合に変更する外は例8と同様の
重合操作を行なってマイクロ樹脂粒子水性分散液を得
た。
実施例1〜5、比較例6〜13 例1〜例10の樹脂水性分散体を表3に示す割合で混合
し、撹拌混合して種々の樹脂水性分散液組成物(塗料組
成物)を得た。
得られた各塗料組成物について、下記の方法により塗
膜物性、印刷インキのバインダーの試験をした。その結
果は表3にそれぞれ示すとおりであった。
抗ブロッキング性: 塗料組成物をガラス板上に50μの厚さの塗膜が得られ
るように塗布し、20℃で1週間乾燥して試験片を作成し
た。この試験片の塗膜上にガーゼを置き、さらに500gの
加重を加え、50℃の温度で24時間放置した後の粘着の程
度を下記の基準にしたがって評価した。
A…全く粘着していない。
B…わずかに粘着している C…粘着している D…著しく粘着している 耐水白化性: 耐水白化性は、の試験におけると同一の試験片を20
℃の水に24時間浸漬した後の塗膜を目視により観察して
評価した。
A…透明 B…少し白濁 C…白濁 密着性、透明性 60μmの肉厚のポリプロピレンフィルムにコロナ放電
処理した後、このフィルムのコロナ放電処理面に厚さ20
μの塗膜が得られるように塗料組成物を塗布し、20℃で
1週間乾燥させて試験片を作成した。この試験片につい
て、粘着テープ(ニチバン株式会社登録商標セロテー
プ)を用いて剥離試験を行ない、下記の基準にしたがっ
て密着性を評価した。
A…全く剥離せず B…一部剥離 C…剥離 アルカリ可溶性 ステンレス鋼板(20mm×50mm×1mm)上に、厚さ30μ
mの塗膜を形成させた後、これを5%濃度の苛性ソーダ
水溶液(20℃)中に3時間浸漬した後、塗膜の剥離性、
溶解性を調べた。
剥離性の評価基準は下記のA〜Cと同じである。
印刷の彩度 各水性樹脂分散液を用い、下記処方でボールミルで12
時間練肉後、更に各ワニス30重量部および水23重量部を
添加し、水:イソプロピルアルコール=3:1(容量比)
の混合溶剤にてザーンカップ#3で25秒(25℃)になる
ようインキを調製した。
処方 ワニス 50重量部 銅フタロシアニン顔料 15重量部 イソプロパノール 2重量部 水 33重量部 ポリプロピレンフィルム上に上記印刷インキで印刷し
たものを目視で下記の基準に従がって彩度を評価した。
A…色彩光沢あり B…やや色彩光沢あり C…光沢なし

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)成分 不飽和酸7〜50重量%と他のビニル単量体とを乳化重合
    して得られる共重合体のガラス転移点が−10℃〜+30
    ℃、樹脂の粒径が0.06〜3μmの樹脂水性分散液 (B)成分 不飽和酸0〜5重量%と他のビニル単量体とを乳化重合
    して得られる共重合体のガラス転移点が+30℃以上あっ
    て、(A)成分の樹脂のガラス転移点より30℃以上高い
    ガラス転移点を有し、樹脂の粒径が0.01〜0.05μmの樹
    脂水性分散液 上記(A)成分と(B)成分が、樹脂固型分量比で (B)/[(A)+(B)]=0.3〜0.65 (A)/[(A)+(B)]=0.7〜0.35 の割合で配合されてなるアルカリ可溶性皮膜形成用水性
    分散液組成物。
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