JP2744252B2 - シート送り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の産業上の利用分野〕 本発明は、紙等のシート送り装置、特に摩擦力によっ
てシートを搬送するフリクシヨン方式のシート送り装置
に関するものである。

〔従来技術及び発明が解決しようとする問題点〕

従来、フリクシヨン方式の紙送り装置は、ゴム等の高
摩擦係数の材料で円筒状に形成した紙送りローラＲを回
転させて（第７図に示す）、印字用紙を搬送する方式が
主であった。そこで従来例では、紙送りローラの軸が必
要であり、コストアツプになるばかりか、その軸径で外
径が制約されるために、紙送りローラをあまり小さくす
ることができず、薄型の紙送り装置は実現できなかっ
た。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本発明は上記従来例の問題点を解消するものであり、
以下の構成を有する。

すなわち、 シートを所定の方向へ搬送するためのシート送り装置
において、 低摩擦係数の表面を有した、搬送すべきシートを載せ
るためのベースと、 前記ベースに載せられたシートと圧接して、シートを
前記ベースに押し付け、回転することによってシートに
搬送力を与える複数のシート送りデイスクとを有し、 前記シート送りデイスクの回転軸はシートを貫通する
方向であって、かつシート面と直交する線に対して所定
角度傾いており、 前記ベースのシート送りデイスクと対向する位置に円
形のへこみを設け、 該へこみに円盤状のデイスクを回転自在に嵌入し、前
記シート送りデイスクが前記円盤状のデイスクと接触す
るように構成したことを特徴とするシート送り装置であ
る。

以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明す
る。

第１図は本発明の一実施例を示す全体斜視図である。
図において、１はベースで、低摩擦係数の材質（例えば
ポリアセタール，フツソ樹脂等）の材料で形成されてい
る。なおこのベース１は、鉄板やその他の材質の片面に
低摩擦係数をフツ素系塗装を吹き付けるなどの表面処理
を施してもよい。さらに、２は搬送すべき印字用紙で、
前記ベース１の上面に載せられている。３は紙送りデイ
スクで、ベース１の左右に一対設けられている。そして
その円周部上部には、外周にギヤ3aが形成されており、
またその円周部下部には、ゴム3bが貼付けてある。さら
にこの紙送りデイスク３は、第２図に示すように、ベー
ス１上の印字用紙２に対して所定角度（θ）傾いてその
側面3dを用紙２に圧接するよう、回転軸3cによって回転
可能にベース１に取付けられている（角度θはおよそ３
゜〜５゜位）。従って回転軸3cはシートを貫通する方向
に延び、シート面に垂直な線に対して所定角度（θ）傾
く。なお、3cは前述した回転軸で、図示しない上蓋に回
動可能に挿入されており、当然ながらベース１に対して
傾いて取り付けられている。さらに、４は圧接板バネ
で、前記紙送りデイスク３の印字用紙２と圧接している
真上を押圧しており、その端部4aは前記ベース１に固定
されている。なおこの板バネ４は開口4bを有しており、
回転軸3cを貫通させている。５はアイドラギヤで、その
外周にはギヤ5aが形成されており、前記紙送りデイスク
３のギヤ3aと噛合している。5bは回転軸で、やはり、図
示しない上蓋に回動自在に支持される。さらに６は紙送
りモータで、例えば偏平型のパルスモータ等であって、
図示しない上蓋に取り付けられている。また７はモータ
ピニオンで、前記紙送りモータ６の軸6aに固着してお
り、前記アイドラギヤ５と前記紙送りデイスク３のギヤ
3aと噛合している。

さて、次に、上記構成における動作を説明する。

まず、外部電源（図示せず）からの通電によって紙送
りモータ６を回転（矢印Ａ方向）させると、それに噛合
しているアイドラギヤ５及び紙送りデイスク３（デイス
ク３は互いに同期をとって）が、それぞれ図に示す矢印
Ｂ・Ｃ・Ｄの方向に回転する（なお対のデイスク３は互
いに等速で回転するよう、ギヤ５及びピニオン７の歯数
は定められている）。ここで前述した通り、紙送りデイ
スク３は圧接板バネ４により印字用紙２に押圧してお
り、また、傾いて用紙２に圧接しているので、その側面
3dの一部分のみが印字用紙２に当接することになる。そ
こで回転運動の一部接線方向の分力で、直線搬送力矢印
Ｆが印字用紙２に発生する（第３図参照）。そして紙送
りデイスク３は対にあり、又互いに逆方向に回転するた
めに、印字用紙２はその幅方向に外側に引張られるよう
な力を受けて（第３図矢印Ｃ）搬送されるので、用紙２
がしわになることも防止できる。

第４図はベース１の一部に円形のへこみ9a、9aを設
け、円盤状のデイスク８を回転自在に嵌入したものであ
る。そこで印字用紙２のセット時に、紙送りディスク３
はベース１を直接圧接せずに回転自在な円盤状のデイス
ク８に接触してこれを従動回転させる。よってベースと
の間でスリップしてゴム3bを摩耗させることもなく、紙
送りモータ６のトルクを必要以上に大きくしなくてもよ
いという利点を有する。

第５図を用いてさらに他の実施例を示す。本実施例は
紙送りデイスク３のギヤ部3aを大きくして、両者を直接
噛合させるようにしたものである。図に示す様にモータ
６をその外側に配置すれば、より省スペースにすること
ができる。

第６図を用いてさらに他の実施例を示す。本実施例は
紙送りデイスク３の一方の側に偏平モータ６を組み込ん
だものであり、さらに省スペースにすることができる。

なお、本発明に使用するモータは、パルスモータに限
らず、例えばDCモータや超音波モータ等薄形であれば適
用可能である。

以上説明した様に、本発明によれば、従来例の様に、
長手方向に軸を設けることが不要にできるため、レイア
ウトの自由度を増すばかりでなく、円盤の厚さ方向をシ
ート送りに使用することにより、超偏平のシート送り機
構を提供することができる。しかも、部品点数が少な
く、組立性に優れているので、本発明のシート送り装置
を適用すれば、小形（薄型）安価なプリンタが実現でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の全体斜視図、 第２図はその断面図、 第３図はその動作を示す上面図、 第４図は本発明の他の実施例の斜視図、 第５図はさらに本発明の他の実施例の斜視図、 第６図はさらに本発明の他の実施例の斜視図、 第７図は従来例を示す斜視図である。 図において、 １……ベース、２……印字用紙 ３……紙送りデイスク、４……圧接板バネ ５……アイドラギヤ、６……紙送りモータ ７……モータピニオン

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シートを所定の方向へ搬送するためのシー
   ト送り装置において、 低摩擦係数の表面を有した、搬送すべきシートを載せる
   ためのベースと、 前記ベースに載せられたシートと圧接して、シートを前
   記ベースに押し付け、回転することによってシートに搬
   送力を与える複数のシート送りデイスクとを有し、 前記シート送りデイスクの回転軸はシートを貫通する方
   向であって、かつシート面と直交する線に対して所定角
   度傾いており、 前記ベースのシート送りデイスクと対向する位置に円形
   のへこみを設け、 該へこみに円盤状のデイスクを回転自在に嵌入し、前記
   シート送りデイスクが前記円盤状のデイスクと接触する
   ように構成したことを特徴とするシート送り装置。
2. 【請求項２】前記シート送りデイスクは、２個の対で設
   けられており、互いに逆方向に回転するとともに、シー
   ト搬送方向でかつ側端方向に搬送力が加わるように配置
   されている請求項１に記載のシート送り装置。