JP2744182B2 - 直流連系周波数制御装置 - Google Patents

直流連系周波数制御装置

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JP2744182B2
JP2744182B2 JP4329241A JP32924192A JP2744182B2 JP 2744182 B2 JP2744182 B2 JP 2744182B2 JP 4329241 A JP4329241 A JP 4329241A JP 32924192 A JP32924192 A JP 32924192A JP 2744182 B2 JP2744182 B2 JP 2744182B2
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  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの交流電力系統を
結ぶ直流連系設備の直流融通電力を制御して、両交流系
統の系統周波数制御を行う直流連系周波数制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】直流連系周波数制御装置は、直流を介し
て連系された2つの交流電力系統の周波数偏差から、両
交流系統間で融通すべき電力を算出して、その値を変換
器制御装置に出力し、直流と交流を変換する変換器の制
御を行うことにより、両電力系統の周波数変動の抑制を
行うものである。
【0003】従来、この直流連系周波数制御装置におい
て、通常の負荷変動で系統周波数が変化している平常時
は、周波数制御により両系統間で実際に融通される電力
があらかじめ与えられる電力設定値から大きくはずれな
いようにするため、本来外乱に対して系統を安定に保つ
ように設計されたゲインより低めのゲインを用いてい
る。一方、系統事故などにより系統周波数が一定値を越
えて変動する緊急時は、ある程度の応援側系統周波数が
変動することを許容し、外乱に対して系統を安定に保つ
ように設計されたゲインを用いて、設備容量いっぱいま
での応援を許可している。
【0004】図7に従来の直流連系周波数制御装置の構
成を示す。この図において、2つの交流系統1A、1B
は、交直変換器3A、3Bを介して直流線路5により連
系されている。直流連系周波数制御装置7は、平常時自
動周波数制御系と緊急時自動周波数制御系の2つの制御
系を持ち、平常時自動周波数制御系は交流系統1Aの系
統周波数fa と交流系統1Bの系統周波数fb の偏差に
平常時のゲイン(G1)9を乗じた後、平常時の周波数
制御指令値aを出力する。緊急時自動周波数制御系は、
交流系統1Aの系統周波数fa を入力し、この系統周波
数fa が一定値を越えて変動したとき次段へ出力する不
感帯11a と、交流系統1Bの系統周波数fb を入力
し、この系統周波数fb が一定値を越えて変動したとき
次段へ出力する不感帯11b とを有し、不感帯11a の
出力bと不感帯11b の出力cの偏差を平常時の周波数
制御指令値aとの連続性を持たせるための折れ線ゲイン
13に入力した後、緊急時のゲイン(G2 )15を乗じ
て緊急時の周波数制御指令値dを出力する。
【0005】直流連系周波数制御装置7は、平常時/緊
急時切替えスイッチ17により、平常時は平常時自動周
波数制御系からの周波数制御指令値aを、緊急時は緊急
時自動周波数制御系からの周波数制御指令値dを選択し
て周波数制御指令値eとし、この周波数制御指令値eに
電力設定器19からの電力設定値fを加算した直流電力
指令値gを変換器制御装置21へ出力する。変換器制御
装置21は、この直流電力指令値eに基づいて交直変換
器3A、3Bの制御を行う。
【0006】ここで、緊急時のゲイン15には、外乱に
対して交流系統1を安定な状態に保つことができるよう
に設計されたゲインG2を適用しているが、平常時のゲ
イン9には、予め設定された電力設定値を大きくはず
れない応援範囲で周波数変換を制御するように、ゲイン
G2よりも小さいゲインG1を適用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の直流連系周波数制御装置は、平常時は本来外乱に対
して系統を安定に保つように設計されたゲインを落とし
て平常時の電力融通が電力設定値から平常時の応援範囲
内に収まる運用を行っており、本来の交流系統を安定に
保つ周波数制御効果を損なう方向となっていた。
【0008】本発明は、かかる従来の課題を解決するた
めになされたもので、平常時においても緊急時において
も交流系統を安定に保つ周波数制御が可能な直流連系周
波数制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、以上のような
課題を解決するため本発明は、直流線路により連系され
た2つの交流系統よりそれぞれの系統周波数を入力し、
2つの交流系統間で融通すべき電力を算出して系統周波
数の変動を抑制する直流連系周波数制御装置において、
2つの交流系統の系統周波数を入力し、これら2つの交
流系統の系統周波数に基づく偏差を比例演算する比例制
御系と、この比例制御系の出力を、設定された上限値お
よび下限値で制限して出力する可変リミッタと、系統周
波数の変動が一定値を越えない平常時と系統周波数が一
定値を越えて変動する緊急時とを弁別する弁別手段と、
この弁別手段の弁別結果に従って、平常時には平常時用
の上限値および下限値を可変リミッタに設定し、緊急時
には緊急時用の上限値および下限値を可変リミッタに設
定する設定可変手段とを具備することを特徴とする。
(以下、第1の発明という。)また本発明の直流連系周
波数制御装置は、2つの交流系統の系統周波数を入力
し、交流系統の系統周波数を含む状態変数に応じて状態
フィードバック制御出力を算出する状態フィードバック
制御系と、2つの交流系統の系統周波数とそれぞれの基
準値との各偏差を比例積分するサーボ制御系と、状態フ
ィードバック制御系とサーボ制御系からなる制御系の出
力を、系統周波数の変動が一定値を越えない平常時と一
定値を越えて変動する緊急時とで異なる上限値および下
限値で制限して、2つの交流系統間で融通すべき電力を
調整する可変リミッタと、前記制御系の出力が可変リミ
ッタの上限値または下限値に掛ったとき、サーボ制御系
の出力の増減を停止する積分ロック機構を具備すること
を特徴とする。(以下、第2の発明という。)また本発
明の直流連系周波数制御装置は、2つの交流系統の系統
周波数を入力し、交流系統の系統周波数を含む状態変数
の変化率に基づいて状態フィードバック制御出力を算出
する状態フィードバック制御系と、2つの交流系統の系
統周波数とそれぞれの基準値との各偏差を比例演算する
サーボ制御系と、状態フィードバック制御系とサーボ制
御系の出力を積分する積分器と、この積分器の出力を、
系統周波数の変動が一定値を越えない平常時と系統周波
数が一定値を越えて変動する緊急時とで異なる上限値お
よび下限値で制限して、2つの交流系統間で融通すべき
電力を調整する可変リミッタとを具備することを特徴と
する。(以下、第3の発明という。)
【0010】
【作用】第1の発明において、比例制御系は2つの交流
系統の系統周波数の偏差に比例ゲインを乗じて比例制御
系出力とする。可変リミッタは、系統周波数の変動幅に
よって異なる上限値および下限値を設定切替え可能にし
て、この上限値および下限値により比例制御系出力を制
限し、周波数制御指令値として出力する。周波数制御指
令値は予め設定される電力設定値と加算され、系統周波
数の変動のあった交流系統へ他方の交流系統から融通す
べき応援電力量を示す直流電力指令値となって変換器制
御装置に与えられる。
【0011】これにより、2つの交流系統間で融通すべ
き応援電力量の範囲を、系統周波数の変動幅の小さい平
常時には系統の外乱とならないように、また系統周波数
変動幅の大きい緊急時には系統設備容量一杯まで許可で
きるように、可変リミッタにより調整することができ
る。このため、比例制御系のゲインを平常時と緊急時と
で変えることなく、常に系統を安定に保つよう設計され
たゲインを用いて周波数制御を行うことができる。
【0012】また、第2、第3の発明においては、状態
フィードバック制御系とサーボ制御系によって算出され
た最適制御出力を可変リミッタに入力し、これを平常時
/緊急時の運用条件によって異なる制限値によって制限
することにより、平常時/緊急時の運用条件によって異
なる応援電力量の範囲を調整することができる。このた
め、平常時も緊急時も系統状態に基づいた最適制御によ
り系統をより安定に制御することができる。
【0013】特に第3の発明においては、状態フィード
バック制御系とサーボ制御系を速度形とし、これらの制
御系によって算出された出力を最終段階で積分して可変
リミッタに入力することにより、第2の発明で必要とし
た積分ロック機構は不要となり、可変リミッタの設定値
切替え時の逆方向の外乱発生にも遅れのない制御が可能
となる。
【0014】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。なお、従来例と同一部分には同一符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0015】図1は、本発明の直流連系周波数制御装置
の第1の実施例を示すもので、これは第1の発明に対応
する。この実施例の直流連系周波数制御装置31は、交
流系統1Aの系統周波数fa と交流系統1Bの系統周波
数fb の偏差に比例制御系33にて比例ゲインG2 を乗
じた値を可変リミッタ35に入力して、上限値hおよび
下限値iにより制限された値を周波数制御指令値eとし
て出力し、この周波数制御指令値eに電力設定器19か
らの電力設定値fを加算して直流電力指令値gを得る回
路より構成される。可変リミッタ35の上限値hは、緊
急時の上限値を設定する緊急時リミッタ上限設定器37
と、可変リミッタ35に平常時の上限値を設定する平常
時リミッタ上限設定器39をリミッタ切替えスイッチ4
1により切替えて設定される。同様に、可変リミッタ3
5の下限値iは、緊急時の下限値を設定する緊急時リミ
ッタ下限設定器43と、平常時の下限値を設定する平常
時リミッタ下限設定器45をリミッタ切替えスイッチ4
1により切替えて設定される。
【0016】なお、比例制御系33には、常に外乱に対
して交流系統1を安定な状態に保つことができるように
設計されたゲインG2 が適用され、可変リミッタ35に
設定される上限値および下限値は、周波数制御指令値e
と電力設定値fを加算した値である直流電力指令値gが
緊急時は直流連系設備容量分になるように、平常時は直
流連系設備容量を越えないようにそれぞれ決定される。
【0017】次に、上記構成の直流連系周波数制御装置
31の動作を説明する。
【0018】通常の負荷変動に対して交流系統1の系統
周波数が一定値を越えない平常時には、リミッタ切替え
スイッチ41により平常時リミッタ上限設定器39およ
び平常時リミッタ下限設定器45からの上限値hおよび
下限値iが可変リミッタ35に設定される。この可変リ
ミッタ35により、両系統の周波数偏差に比例ゲインG
2 (33)を乗じた値は、電力設定器19の電力設定値
fを大きくはずれず融通電力が両系統で外乱とならない
範囲に制限されて周波数制御指令値eとして出力され
る。
【0019】また、緊急時には、例えば交流系統1Aで
発電機が解列するような事故が発生した場合、交流系統
1Aの系統周波数fa は低下するが、この系統周波数f
a が一定値を越えて低下した時点で、可変リミッタ35
に設定される上限値hおよび下限値iは、リミッタ切替
えスイッチ41により緊急時リミッタ上限設定器37お
よび緊急時リミッタ下限設定器43からの値に切替えら
れる。これにより、両系統の周波数偏差に比例ゲインG
2 (33)を乗じた値は、直流連系設備容量を目一杯活
用し得る範囲まで許容され、周波数制御指令値eとして
出力される。この周波数制御指令値eに電力設定値fを
加算した直流電力指令値gに基づいて、交流系統1B
は、交流系統1Aに緊急応援を開始する。
【0020】以上の説明からも明らかなように、この第
1の実施例によれば、平常時/緊急時の変化に伴い、可
変リミッタにより応援電力量を調整することができるよ
うにしたので、外乱に対して系統を安定な状態に保つこ
とができるように設計されたゲインを応援電力量の少な
い平常時においても適用可能となり、系統を安定に保つ
制御性能を損なうことなく良好な周波数制御を行うこと
ができる。
【0021】図2は、本発明の直流連系周波数制御装置
の第2の実施例(第2の発明に対応)を示すもので、こ
の実施例では、多変数制御方式の最適レギュレータを適
用した場合について示している。
【0022】この実施例の直流連系周波数制御装置51
は、状態フィードバック制御系53の制御出力jと積分
器を有するサーボ制御系55の制御出力kを加算器57
により加算して最適レギュレータ出力lとする最適レギ
ュレータを備え、この最適レギュレータの出力lを可変
リミッタ59により両交流系統1A、1Bや直流連系シ
ステムの運転状態に応じて制限して周波数制御指令値e
として出力し、この周波数制御指令値eに電力設定器1
9からの電力設定値fを加算して得られる直流電力指令
値gを変換器制御装置21に出力する構成となってい
る。
【0023】状態フィードバック制御系53は、両交流
系統1A、1Bの系統周波数fa 、fb を安定に保つた
めに設けられ、両系統周波数fa 、fb および周波数制
御指令値eを入力し交流系統状態を示す状態変数を算出
するオブザーバ61と、このオブザーバ61で推定され
た系統状態変数および両系統周波数fa 、fb に状態フ
ィードバックゲインF1 を乗じて状態フィードバック制
御出力jとする状態フィードバック制御器63とで構成
される。
【0024】また、サーボ制御系55は、両系統周波数
fa 、fb がそれぞれ基準値ra 、rb にオフセットな
く追従するようにするためのもので、それぞれの基準値
ra、rb との偏差にサーボゲインF2 乗じる比例演算
器65と比例演算器65の出力を積分する積分器67と
で構成される。
【0025】可変リミッタ59は、第1の実施例と同様
に平常時と緊急時で切替えて設定される上限値および下
限値により最適レギュレータの出力lを制限する。な
お、ここでは、上限設定器、下限設定器、リミッタ切替
えスイッチ等の機能を包括して示している。可変リミッ
タ59は、どちらかの系統周波数が一定値を越えて変動
した場合は、緊急時として直流連系設備容量目一杯の直
流電力指令値gを許可し、一定値以内のわずかな系統周
波数変動に対しては、平常時として周波数制御指令値e
が電力設定値fから大きくはずれないように制限する。
また、平常時では、直流線路5の運転状態や2つの交流
系統1A、1Bの連系付近の交流幹線の状態から、いく
つかの異なった上下限値で制限するようにしてもよい。
【0026】また、この直流連系周波数制御装置51で
は、どちらかの系統周波数が外乱で大きく変動した場
合、最適レギュレータ出力lが算出され、可変リミッタ
59より周波数制御指令値eが出力されるが、最適レギ
ュレータ出力1が可変リミッタ59の上限あるいは下限
に掛ると、周波数制御指令値eは可変リミッタ59の上
限あるいは下限に制限される。特に、どちらかの交流系
統1で大外乱が発生した場合は、直流電力指令値gは直
流連系設備容量一杯の値をとる。すなわち、可変リミッ
タ59に制限された値をとることが多く、このときに系
統周波数fa 、fb に基準値ra 、rb とのオフセット
があれば、サーボ制御系55の積分器67の出力はます
ます増加あるいは減少し、飽和してしまう可能性があ
る。このため、最適レギュレータ出力lが可変リミッタ
59の上限あるいは下限に掛ったことを検出し、サーボ
制御系55の積分器67の増加あるいは減少を防止する
上げロックあるいは下げロックの積分ロック機構69を
設けている。
【0027】次に、上記構成の直流連系周波数制御装置
51の作用を説明する。
【0028】通常の負荷変動によりどちらかの系統周波
数が一定値以内の範囲で変動が生じた場合には、両系統
周波数fa 、fb およびオブザーバ61により推定され
た系統状態変数に基づいて両系統周波数fa 、fb を安
定に保つための状態フィードバック制御出力jが状態フ
ィードバック制御系53より算出される。この状態フィ
ードバック制御出力jは、両系統周波数fa 、fb をそ
れぞれの基準値ra 、rb にオフセットなく追従させる
ためサーボ制御系55により算出されるサーボ制御出力
kと加算器57にて加算され、最適レギュレータ出力l
として、可変リミッタ59に入力される。最適レギュレ
ータ出力lは、可変リミッタ59において、平常時とし
て設定される上下限値により制限され、電力設定値fか
ら大きくはずれず融通電力が両系統で外乱とならない範
囲で周波数制御指令値eとして出力される。また、どち
らかの系統周波数が一定値を越えて変動した場合には、
同様に積分形最適レギュレータにより算出される最適レ
ギュレータ出力lが、緊急時としての上下限値に変更設
定された可変リミッタ59により、直流連系設備容量目
一杯の範囲まで許可され、周波数制御指令値eとして出
力される。平常時および緊急時のいずれにおいても、最
適レギュレータ出力lが可変リミッタ59の上限値ある
いは下限値に掛った場合には、上げロックあるいは下げ
ロックの積分ロック機構69により、その間のサーボ制
御出力jの増加あるいは減少は抑制される。図3は、最
適レギュレータ出力lが可変リミッタ59の上限値に掛
った場合の各出力の動作例を示すものである。
【0029】以上の説明からも明らかなように、この第
2の実施例によれば、平常時/緊急時の変化に伴い、可
変リミッタにより応援電力量を調整することができるた
め、平常時も緊急時も、系統周波数等の系統状態変数に
基づく最適制御を行うことができ、系統をより安定に保
つ周波数制御が可能となる。
【0030】図4は、第3の発明に対応する本発明の直
流連系周波数制御装置の第3の実施例を示すもので、第
2の実施例と同様、制御系に最適レギュレータを適用し
ている。
【0031】ところで、第2の実施例の最適レギュレー
タでは、入力変数である系統周波数をx、その基準値を
r、オブザーバ出力をx′とすると、最適レギュレータ
出力lは、
【数1】 で表される。上式の両辺を微分すると、
【数2】 となることから、最適レギュレータ出力lは次式のよう
に速度形で表現することができる。
【0032】
【数3】 第3の実施例は、上記(数1)で表現される第2の実施
例の積分形最適レギュレータの代わりに、上記(数3)
で表現される速度形の制御系で構成される積分形最適レ
ギュレータを適用したもので、この実施例の最適レギュ
レータでは状態フィードバック制御系53′およびサー
ボ制御系55′を速度形にし、各制御系出力を加算器5
7に入力して得られる値mを積分し最適レギュレータ出
力lとしている。
【0033】すなわち、図4に示すように、直流連系周
波数制御装置71は、系統周波数fa 、fb を時間で微
分する微分器73、系統周波数fa 、fb の微分値と加
算器57の出力を入力し系統状態変数の変化率を算出す
るオブザーバ61、系統周波数fa 、fb の微分値およ
びオブザーバ61からの系統状態変数の変化率に状態フ
ィードバックゲインF1 を乗じて状態フィードバック制
御出力j′とする状態フィードバック制御器63からな
る状態フィードバック制御系53′と、両系統周波数f
a 、fb のそれぞれの基準値ra 、rb との偏差に比例
演算器65によりサーボゲインF2 を乗じてサーボ制御
出力k′とするサーボ制御系55′と、状態フィードバ
ック制御系53′の出力j′とサーボ制御系55′の出
力k′を加算する加算器57と、加算器57の出力m
(=k′−j′)を積分して最適レギュレータ出力lを
算出する積分器75と、平常時と緊急時とで異なった上
下限値により最適レギュレータ出力lを制限し周波数制
御指令値eとして出力する可変リミッタ59とで構成さ
れる。周波数制御指令値eは、前述したように、電力設
定器19の電力設定値fと加算され、直流電力指令値g
として変換器制御装置21に出力される。
【0034】次に、上記構成の直流連系周波数制御装置
71の作用を説明する。
【0035】交流系統1A、1Bの両系統周波数fa 、
fb は、状態フィードバック制御系53′の微分器73
によりいったん微分され、オブザーバ61の出力ととも
に状態フィードバック制御器63の入力となり、状態フ
ィードバックゲインF1 が乗じられて状態フィードバッ
ク制御出力j′として算出される。同時に、両系統周波
数fa 、fb は基準値ra 、rb と比較され、その偏差
にサーボゲインF2(65)を乗じることによってサー
ボ系制御出力k′が算出される。加算器57は、それぞ
れ算出された状態フィードバック制御出力j′およびサ
ーボ系制御出力k′を入力し、演算結果を積分器75に
出力する。積分器75は、加算器57の出力mを積分し
最適レギュレータ出力lとして可変リミッタ59へ出力
する。可変リミッタ59は、積分器75の出力である最
適レギュレータ出力lを入力し、系統周波数の変動が一
定値を越えない場合は、平常時の上下限値により応援電
力量が系統の外乱とならない範囲まで許可し、また系統
周波数が一定値を越えて変動した場合には、緊急時の上
下限値により系統設備容量一杯の応援電力量となる範囲
まで許可して、周波数制御指令値eとして出力する。
【0036】このように、本構成では、最適レギュレー
タ出力lが可変リミッタ59により制限されても、積分
器75の出力が制限されるだけで、サーボ系制御出力
k′や状態フィードバック制御出力j′は積分要素を持
たないため、何ら飽和等の制約を受けることはない。こ
のため、第2の実施例で必要としたサーボ制御系55の
上げロック、下げロックの機能69は不要となる。
【0037】ところで、第2の実施例では、サーボ制御
系55の飽和を防ぐために、最適レギュレータ出力lが
可変リミッタ59の上限値あるいは下限値に掛ったと
き、サーボ制御系出力kをロックする機能を設けてい
る。直流連系制御システムのように、可変リミッタ59
の上下限値が運用によりいくつかに変わるシステムで
は、例えば可変リミッタ59の設定値を緊急時から平常
時に変更して運転する場合があるが、このような場合
に、緊急時の上下限値の可変リミッタ59により最適レ
ギュレータ出力lが制限されている状態から平常時の上
下限値に可変リミッタ59の設定値が変更されると、サ
ーボ制御系出力kはロックされたままの状態となり、こ
の状態で逆方向の外乱が発生した時には動作遅れを起こ
す可能性がある。例えば、図5に緊急時から平常時へ変
更運転した場合の各出力の動作例を示すように、最適レ
ギュレータ出力lが可変リミッタ59の上限値以上とな
り上限値に制限された周波数制御指令値eが出力されて
いる状態で、可変リミッタ59の上限を低い設定値に変
更すると、サーボ制御系出力kはロックされたままの状
態となり、逆方向の外乱時にも、状態フィードバック制
御出力jが逆方向に動作して最適レギュレータ出力lが
可変リミッ59の上限以下となってから、ロックが解除
され、サーボ制御出力kが減少することとなるため、こ
の間動作遅れを生じることとなる。
【0038】これに対し、第3の実施例では制御系の積
分ロック機構がないため、最適レギュレータ出力lとな
る積分器67出力が可変リミッタ59の上限あるいは下
限に掛っている状態で、可変リミッタ59の設定値を変
更したり、逆方向の外乱が生じても、サーボ制御系出力
k′や状態フィードバック制御系出力l′は変数の動き
合わせて動作することができ、遅れのない制御を行うこ
とができる。例えば、図6に示すように、状態フィード
バック制御出力j′は系統周波数fa 、fb の微分に応
じた動きとなるため、外乱発生時には急峻に増減する
が、系統周波数fa 、fb の変動が緩やかになるとほぼ
0となる。サーボ制御系出力k′も系統周波数fa 、f
b に比例した値となるため、系統周波数fa 、fb が基
準値付近まで整定するとほぼ0となる。このため、最適
レギュレータ出力lが可変リミッ59の上限に掛ってい
ても、各制御系出力j′、k′は変数に応じた動きをと
ることができ、逆方向外乱が発生すると、各制御系出力
j′、k′は即座に系統周波数fa 、fb の動きに応じ
た値を出力する。したがって、最適レギュレータ出力l
は可変リミッタ59の上限からはずれて動作遅れなしに
応答することができる。
【0039】以上説明したように、この第3の実施例に
よれば、平常時/緊急時に対応して可変リミッタにより
応援電力量を調整することができるため、常に系統周波
数等の系統状態変数に基づいて周波数の最適制御を行う
ことができ、系統をより安定に保つよう制御することが
できる。また、いずれの運転状態においても、系統周波
数の変動に応じた動作遅れのない最適制御を行うことが
できる。
【0040】なお、第3の実施例では、オブザーバ61
の入力を系統周波数fa 、fb の微分値と積分器67に
入力する前の制御出力mとしたが、オブザーバ61の入
力を第2の実施例と同様にして、その出力を微分して状
態フィードバック制御器63に入力するよう構成しても
よい。
【0041】また、第2、第3の実施例において、オブ
ザーバ61を使用しない構成としても同様な積分形制御
系ないし速度形制御系からなる直流連系周波数制御装置
を構成することができることは自明である。
【0042】さらに、第2、第3の実施例の構成は、直
流連系周波数制御装置にかかわらず制御出力の制限が運
用条件等で変更になることが多い積分形最適レギュレー
タを用いた制御装置に同様に適用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平常時および緊急時の応援電力量を可変リミッタにより
調整することができるようにしたので、平常時、緊急時
にかかわらず、外乱に対して系統を安定に保つように設
計されたゲインを適用することができ、周波数制御性能
を向上させることができる。
【0044】また、最適レギュレータの出力を可変リミ
ッタで制限することにより、平常時/緊急時の応援電力
量を調整することができ、系統周波数等の系統状態変数
に基づく最適制御を直流連系システムに適用することが
できる。
【0045】さらに、最適レギュレータを構成するサー
ボ制御系および状態フィードバック系を速度形にし、各
制御系出力を加算した後積分して最適レギュレータの出
力とすることにより、可変リミッタの制限を受けても積
分器の飽和等の恐れはなく、平常時/緊急時の変化時に
も系統周波数の動きに応じて遅れなく最適な周波数制御
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の直流連系周波数制御装
置を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例の直流連系周波数制御装
置を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施例の各出力の動きを例示す
るグラフである。
【図4】本発明の第3の実施例の直流連系周波数制御装
置を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施例の各出力の動きを例示す
るグラフである。
【図6】本発明の第3の実施例の各出力の動きを例示す
るグラフである。
【図7】直流連系周波数制御装置の従来例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1………交流系統 3………交直変換器 5………直流線路 19………電力設定器 21………変換器制御装置 33………比例制御系 35、59………可変リミッタ 37………緊急時リミッタ上限設定器 39………平常時リミッタ上限設定器 41………リミッタ切替えスイッチ 43………緊急時リミッタ下限設定器 45………平常時リミッタ下限設定器 53、53′………状態フィードバック制御系 55、55′………サーボ制御系 57………加算器 61………オブザーバ 63………状態フィードバック制御器 65………比例演算器 67、75………積分器 69………積分ロック機構 73………微分器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流線路により連系された2つの交流系
    統よりそれぞれの系統周波数を入力し、前記2つの交流
    系統間で融通すべき電力を算出して前記系統周波数の変
    動を抑制する直流連系周波数制御装置において、 前記2つの交流系統の系統周波数を入力し、これら2つ
    の交流系統の系統周波数に基づく偏差を比例演算する比
    例制御系と、 この比例制御系の出力を、設定された上限値および下限
    値で制限して出力する可変リミッタと、前記系統周波数の変動が一定値を越えない平常時と系統
    周波数が一定値を越えて変動する緊急時とを弁別する弁
    別手段と、 この弁別手段の弁別結果に従って、平常時には平常時用
    の上限値および下限値を前記可変リミッタに設定し、緊
    急時には緊急時用の上限値および下限値を前記可変リミ
    ッタに設定する設定可変手段 とを具備することを特徴と
    する直流連系周波数制御装置。
  2. 【請求項2】 直流線路により連系された2つの交流系
    統よりそれぞれの系統周波数を入力し、前記2つの交流
    系統間で融通すべき電力を算出して前記系統周波数の変
    動を抑制する直流連系周波数制御装置において、 前記2つの交流系統の系統周波数を入力し、前記交流系
    統の系統周波数を含む状態変数に応じて状態フィードバ
    ック制御出力を算出する状態フィードバック制御系と、 前記2つの交流系統の系統周波数とそれぞれの基準値と
    の各偏差を比例積分するサーボ制御系と、 前記状態フィードバック制御系とサーボ制御系からなる
    制御系の出力を、前記系統周波数の変動が一定値を越え
    ない平常時と系統周波数が一定値を越えて変動する緊急
    時とで異なる上限値および下限値で制限して、前記2つ
    の交流系統間で融通すべき電力を調整する可変リミッタ
    と、 前記制御系の出力が前記可変リミッタの上限値または下
    限値に掛ったとき、前記サーボ制御系の出力の増減を停
    止する積分ロック機構とを具備することを特徴とする直
    流連系周波数制御装置。
  3. 【請求項3】 直流線路により連系された2つの交流系
    統よりそれぞれの系統周波数を入力し、前記2つの交流
    系統間で融通すべき電力を算出して前記系統周波数の変
    動を抑制する直流連系周波数制御装置において、 前記2つの交流系統の系統周波数を入力し、前記交流系
    統の系統周波数を含む状態変数の変化率に基づいて状態
    フィードバック制御出力を算出する状態フィードバック
    制御系と、 前記2つの交流系統の系統周波数とそれぞれの基準値と
    の各偏差を比例演算するサーボ制御系と、 前記状態フィードバック制御系とサーボ制御系の出力を
    積分する積分器と、 この積分器の出力を、前記系統周波数の変動が一定値を
    越えない平常時と系統周波数が一定値を越えて変動する
    緊急時とで異なる上限値および下限値で制限して、前記
    2つの交流系統間で融通すべき電力を調整する可変リミ
    ッタとを具備することを特徴とする直流連系周波数制御
    装置。
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