JP6219220B2 - 直流連系システムの周波数制御装置 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、直流連系システムの周波数制御装置に関する。
一般に、異なる周波数の電力系統間の電力融通や長距離送電が必要な場合に、直流送電システム、周波数変換システム或いは非同期連系システムなどの直流連系システムが適用される。
例えば、次のような直流連系システムが知られている。
順変換と逆変換する一対の変換器が直流リアクトルを介して直流回路で接続される。一対の変換器は、それぞれ変換器用変圧器を介して別々の電力系統に接続される。直流連系システムの制御部は、片方の変換器を、融通電力指令値に従って演算された直流電流指令値に主回路に流れる直流電流が等しくなるように制御し、もう一方の変換器を、直流電圧が定格値と等しくなるよう制御する。これにより、2つの電力系統の間で電力を融通する。
ここで、直流連系システムに接続される電力系統が弱小系統(接続されている発電機容量が小さい)で負荷変動などにより系統周波数が大きく変動する場合、直流連系システムに周波数制御機能が付加される場合がある。
次に、上述の直流連系システムに周波数制御機能を付加した構成について説明する。
周波数制御では、2つの電力系統のそれぞれの電圧の周波数の差分(周波数偏差)を検出する。検出した周波数偏差は、比例回路などで構成される周波数制御部に与えられ、融通電力指令値に対する補正値が求まる。この補正値を加えた融通電力指令値に従って演算された直流電流指令値に直流電流が等しくなるように、直流回路の変換器を制御する。
これにより、一方の電力系統の周波数が上昇すると、融通電力指令値が増加して融通される電力が増加することにより電力系統で余剰となっていた電力が減少し、周波数の上昇が抑えられる。
2つの電力系統の基本周波数が異なる場合には、基本周波数をベースとして規格化した値を使用して、周波数の差分を検出する。また、2つの電力系統のうち、片方だけが弱小系統で周波数変動が発生しやすいシステムの場合には、周波数変動が発生しやすい系統の周波数のみを検出し、検出した周波数と基本周波数の差分を2つの系統の周波数偏差として使用する場合もある。
しかしながら、周波数制御機能を有する複数の直流連系システムで、2つの電力系統を連系することは考慮されておらず、このような構成は、次のような問題が生じる。
融通電力により2つの電力系統の周波数偏差を最小化する場合、周波数偏差に応じて必要な融通電力の変更分(補正値)が決まる。この融通電力の変更分は、それぞれの直流連系システムの融通電力の合計値と等しくする必要がある。
しかし、複数の直流連系システムのそれぞれに系統周波数制御機能がある場合、それぞれの直流連系システムで、周波数偏差に基づいて融通電力の変更分を決定すると、融通電力の変更分の合計値が必要な融通電力の変更分を超過して過剰制御となり、却って周波数変動を助長する可能性がある。一方、直流連系システムの数に応じて、それぞれの直流連系システムで演算される融通電力の変更分が小さくなるように調整した場合、直流連系システムのいくつかが停止すると、融通電力の変更分の合計値が小さくなるため、周波数の制御効果も小さくなる。
そこで、本発明の実施形態の目的は、複数の直流連系システムで電力系統が連系されている場合において、電力系統の周波数変動を効果的に抑制することができる直流連系システムの周波数制御装置を提供することにある。
本発明の実施形態の観点に従った直流連系システムの周波数制御装置は、2つの電力系統を連系し、周波数を制御する複数の直流連系システムの周波数制御装置であって、前記2つの電力系統の周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第1の周波数制御手段と、前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差から予め決められた条件を満たす特定周波数偏差を抽出する特定周波数偏差抽出手段と、前記特定周波数偏差抽出手段により抽出された前記特定周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第2の周波数制御手段と、前記第2の周波数制御手段による制御から前記第1の周波数制御手段による制御に切り替える制御切替手段とを備える。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る直流連系システム1a,1b,1cの構成を示す構成図である。なお、図面における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る直流連系システム1a,1b,1cの構成を示す構成図である。なお、図面における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
2つの電力系統2α,2βは、3つの直流連系システム1a,1b,1cにより連系されている。
直流連系システム1aは、直流連系主回路3a及び周波数制御装置10aを備える。周波数制御装置10aは、2つの周波数検出部4αa,4βa、減算器5a、不感帯フィルタ6a、周波数制御部7a、変換器制御部8a、及びモード切替部9aを備える。
直流連系システム1bは、直流連系主回路3b及び周波数制御装置10bを備える。周波数制御装置10bは、2つの周波数検出部4αb,4βb、減算器5b、不感帯フィルタ6b、周波数制御部7b、変換器制御部8b、及びモード切替部9bを備える。
直流連系システム1cは、直流連系主回路3c及び周波数制御装置10cを備える。周波数制御装置10cは、2つの周波数検出部4αc,4βc、減算器5c、不感帯フィルタ6c、周波数制御部7c、変換器制御部8c、及びモード切替部9cを備える。
3つの直流連系システム1a〜1cは、全て同様に構成されているため、以降では、直流連系システム1aについて主に説明する。他の2つの直流連系システム1b,1cについては、直流連系システム1aと異なる部分について主に説明する。
図2は、本実施形態に係る直流連系主回路3a及び変換器制御部8aの構成を示す構成図である。
直流連系主回路3aは、2つの変換器31αa,31βa、2つの変換器用変圧器32αa,32βa、直流リアクトル33a、直流電流検出器34、及び直流電圧検出器35を備える。
2つの変換器31αa,31βaは、それぞれ順変換と逆変換する一対の変換器である。2つの変換器31αa,31βaは、直流リアクトル33を介して直流回路で接続される。順変換する変換器31αaは、変換器用変圧器32αaを介して電力系統2αに接続される。逆変換する変換器31βaは、変換器用変圧器32βaを介して電力系統2βに接続される。直流電流検出器34及び直流電圧検出器35は、直流回路に設けられている。直流電流検出器34は、直流回路に流れる直流電流Idcを検出して、変換器制御部8aに出力する。直流電圧検出器35は、直流回路に印加される直流電圧Edcを検出して、変換器制御部8aに出力する。
変換器制御部8aは、加算器81a、電流指令値演算部82a、減算器83a、直流電流制御部84a、減算器85a、及び直流電圧制御部86aを備える。
加算器81aには、融通電力指令値Pref及び周波数制御部7aにより演算された直流連系システム1aの担当分の融通電力補正値ΔPaが入力される。融通電力指令値Prefは、例えば給電指令所などの上位システムから与えられる。加算器81aは、融通電力指令値Prefに融通電力補正値ΔPaを加算し、補正された融通電力指令値Pref1を電流指令値演算部82aに出力する。電流指令値演算部82aは、融通電力が融通電力指令値Pref1に従うように、直流電流指令値Idcrefを演算し、演算した直流電流指令値Idcrefを減算器83aに出力する。
減算器83aには、電流指令値演算部82aにより演算された直流電流指令値Idcref及び直流電流検出器34により検出された直流電流Idcが入力される。減算器83aは、直流電流Idcから直流電流指令値Idcrefを減算した差分を直流電流制御部84aに出力する。
直流電流制御部84aは、減算器83aから入力された直流電流の差分に基づいて、直流電流Idcが直流電流指令値Idcrefと等しくなるように、変換器31αaの出力を制御するための制御指令Sαaを変換器31αaに出力する。
減算器85aには、直流回路の電圧定格値Edcref及び直流電圧検出器35により検出された直流電圧Edcが入力される。減算器85aは、電圧定格値Edcrefから直流電圧Edcを減算した差分を直流電圧制御部86aに出力する。
直流電圧制御部86aは、減算器85aから入力された直流電圧の差分に基づいて、直流電圧Edcが電圧定格値Edcrefになるように、変換器31βaの出力を制御するための制御指令Sβaを変換器31βaに出力する。
変換器制御部8aは、このように2つの変換器31αa,31βaを制御することで、2つの電力系統2α,2βの間で電力を融通する。例えば、電力系統2αの周波数fαaが上昇すると、融通電力指令値Pref+融通電力補正値ΔPaが増加して電力系統2αから電力系統2βへ融通される電力が増加する。これにより、電力系統2αで余剰となっていた電力が減少し周波数上昇が抑えられる。
周波数検出部4αa,4βaは、それぞれ2つの電力系統2α,2βの電圧の周波数fαa,fβaを検出する。周波数検出部4αa,4βaは、検出した周波数fαa,fβaを減算器5aに出力する。
減算器5aは、2つの周波数の差分(周波数偏差)Δfa=fαa−fβaを演算する。減算器5aは、演算した周波数偏差Δfaを不感帯フィルタ6a及びモード切替部9aに出力する。
不感帯フィルタ6aは、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaを、予め設定された周波数の不感帯を通して、周波数制御部7aに出力する。差分Δfaが不感帯の範囲内にあれば、不感帯フィルタ6aの出力は零になる。差分Δfaが不感帯の範囲外であれば、入力された差分Δfaが不感帯フィルタ6aからそのまま出力される。
周波数制御部7aは、不感帯フィルタ6aから入力された周波数偏差Δfaに応じた融通電力補正値ΔPaを演算する。周波数制御部7aは、例えば比例回路などで構成されている。周波数制御部7aにより演算された融通電力補正値ΔPaが直流連系システム1aの担当分の補正値となる。周波数制御部7aは、演算した融通電力補正値ΔPaを変換器制御部8aに出力する。この補正値により、周波数偏差Δfaが最小化される(零に近づく)ように、2つの変換器31αa,31βaの間で、電力が融通される。
モード切替部9aは、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaに基づいて、運転モードを、メインモードとサブモードに相互に切り換える。メインモードは、3つの直流連系システム1a〜1cの中で、周波数制御の中心的役割を果たす運転モードである。サブモードは、メインモードの直流連系システムに対して補助的な周波数制御の役割を果たす運転モードである。3つの直流連系システム1a〜1cのうち必ず1つは、メインモードで運転され、サブモードで運転される直流連系システムはいくつあってもよいし、無くてもよい。従って、モード切替部9aは、メインモードで運転している直流連系システムが何らかの理由で停止した場合に、メインモードの役割を引き継ぐための制御をする。
モード切替部9aは、変動検出部91a、レベル検出部92a、及び切替判定部93aを備える。
変動検出部91aには、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaが入力される。変動検出部91aは、入力された周波数偏差Δfaの変動分を抽出する。変動検出部91aは、例えば不完全微分回路である。変動検出部91aは、抽出した周波数偏差Δfaの変動分をレベル検出部92aに出力する。
レベル検出部92aには、変動検出部91aにより抽出された周波数偏差Δfaの変動分が入力される。レベル検出部92aは、周波数偏差Δfaの変動分の絶対値が予め設定された閾値以上であれば1を、閾値未満であれば0を、切替判定部93aに出力する。
切替判定部93aには、予め2つの基準時間Tsh,Tchが設定されている。基準時間Tshは、周波数偏差Δfaの変動が頻繁であるか否かを判定するための時間である。基準時間Tshは、例えば1分と設定されている。基準時間Tchは、周波数偏差Δfaの変動が長時間継続しているか否かを判定するための時間である。基準時間Tchは、例えば10分又は20分と設定されている。基準時間Tchは、全ての直流連系システム1a〜1cで、異なる時間に設定されている。基準時間Tchは、メインモードに切り替わる優先順位の高い直流連系システムほど、短い時間に設定されている。
切替判定部93aは、レベル検出部92aから出力された値を受信して、取得値Ansとする。切替判定部93aは、取得値Ans及び予め設定された2つの基準時間Tsh,Tchに基づいて、モード切替の判定を行う。サブモードからメインモードへのモード切替の判定基準は、周波数偏差Δfaの変動によりレベル検出部92aから1が頻繁に出力される状態が一定時間継続した場合である。切替判定部93aは、不感帯フィルタ6aの不感帯の範囲を変更することで、運転モードの切り替えを行う。サブモードからメインモードに切り替える場合は、不感帯フィルタ6aの不感帯を±0Hzに変更する。メインモードからサブモードに切り替える場合は、不感帯フィルタ6aの不感帯を±0Hz以外(例えば、±2Hz)に変更する。
次に、図3を参照して、切替判定部93aによるサブモードからメインモードへのモード切替の判定手順について説明する。図3は、この判定手順を示すフローチャートである。
切替判定部93aは、レベル検出部92aから受信した値を取得値Ansとする(ステップS110)。取得値Ansが1の場合は、切替判定部93aは、保持時刻Th1に現在時刻Tを格納し(ステップS120のYes、ステップS130)、ステップS140の判定処理に進む。取得値Ansが0の場合は、切替判定部93aは、ステップS160の判定処理に進む(ステップS120のNo)。
ステップS140の判定処理では、切替判定部93aは、保持時刻Th2がリセット状態か否かを判定する。保持時刻Th2がリセット状態の場合、切替判定部93aは、保持時刻Th2に現在時刻Tを格納し(ステップS140のYes、ステップS150)、ステップS160の判定処理に進む。保持時刻Th2の初期状態は、リセット状態である。保持時刻Th2がリセット状態でない場合、切替判定部93aは、ステップS160の処理に進む(ステップS140のNo)。
ステップS160の判定処理では、切替判定部93aは、保持時刻Th1に格納されている時刻から現在時刻Tまでの時間が基準時間Tsh(例えば、1分)以上か否かを判定する。切替判定部93aは、基準時間Tsh以上と判定した場合、保持時刻Th2をリセットする(ステップS160のYes、ステップS170)。切替判定部93aは、保持時刻Th2に極大値を格納することで、保持時刻Th2をリセット状態とする。切替判定部93aは、保持時刻Th2をリセットすると(ステップS170)、ステップS180の判定処理に進む。一方、切替判定部93aは、基準時間Tsh未満と判定した場合、ステップS180の判定処理に進む(ステップS160のNo)。
ステップS180の判定処理では、切替判定部93aは、保持時刻Th2に格納されている時刻から現在時刻Tまでの時間が基準時間Tch(例えば、10分)以上か否かを判定する(ステップS180)。ここで、保持時刻Th2がリセット状態であれば、保持時刻Th2には極大値が格納されているため、この判定は必ず偽(No)となる。切替判定部93aは、基準時間Tch以上と判定した場合、サブモードからメインモードへのモード切替を実行する(ステップS180のYes、ステップS190)。一方、切替判定部93aは、基準時間Tch未満と判定した場合、ステップS110の処理に戻り、上述の一連の処理を繰り返す(ステップS180のNo)。
次に、図3、図4及び図5を参照して、切替判定部93aによるサブモードからメインモードへのモード切替の動作について説明する。図4は、切替判定部93aのモード切替が生じる場合の周波数偏差|Δf|の変動を表したグラフ図である。図5は、切替判定部93aのモード切替が生じない場合の周波数偏差|Δf|の変動を表したグラフ図である。周波数偏差|Δf|は、直流連系システム1aで検出される周波数偏差Δfaの絶対値に相当する値である。
図4に示すように、周波数偏差の絶対値|Δf|の変動が大きい場合は、頻繁にレベル検出器92aの閾値を超えるため、保持時刻Th1の更新周期が短くなる。このため、ステップS160の条件式(T−Th1≧Tsh)は真とならない。従って、保持時刻Th2がリセットされずに、保持時刻Th2から現在時刻Tまでの時間が増加するため、ステップS180の条件式(T−Th2≧Tch)が真となり、モード切替が生じる。
一方、図5に示すように、周波数偏差の絶対値|Δf|の変動が小さい場合は、レベル検出器92aの閾値を超えることが少なく、保持時刻Th1の更新周期が長くなる。このため、ステップS160の条件式(T−Th1≧Tsh)が真となる。従って、保持時刻Th2がリセットされる。従って、ステップS180の条件式(T−Th2≧Tch)が真とならないのでモード切替は生じない。
図1を参照して、3つの直流連系システム1a〜1cの具体的な動作について説明する。
まず、3つの直流連系システム1a〜1cは、次のように設定されているものとする。
直流連系システム1aは、メインモードで運転されており、他の2つの直流連系システム1b,1cは、サブモードで運転されている。直流連系システム1aは、不感帯が±0Hzに設定されている。直流連系システム1bは、不感帯が±2Hzに、基準時間Tshが1分に、基準時間Tchが10分に設定されている。直流連系システム1cは、不感帯が±2Hzに、基準時間Tshが1分に、基準時間Tchが20分に設定されている。
直流連系システム1aの2つの周波数検出部4αa,4βaで検出された2つの周波数fαa,fβaの偏差Δfaが減算器5aから不感帯フィルタ6aに出力される。直流連系システム1aの不感帯は、±0Hzに設定されているため、不感帯フィルタ6aに入力された周波数偏差Δfaは、そのまま周波数制御部7aに入力される。周波数制御部7aでは、不感帯フィルタ6aから入力された周波数偏差Δfaを最小化するための融通電力補正値ΔPaを出力し、変換器制御部8aでは融通電力が融通電力設定値Prefと融通電力補正値ΔPaの合計値に一致するように直流連系主回路3aに制御信号Sαaを出力する。これにより、融通電力補正値ΔPaだけ融通電力が変化すると、2つの電力系統2α,2βの周波数fαa,fβaが変化し、新たに検出された周波数偏差Δfaが不感帯フィルタ6aを通過して周波数制御部7aに入力される。このようにして、融通電力補正値ΔPaが更新されて融通電力が変化するという作用が繰り返されることで、周波数偏差Δfaが最小の状態に収束していく。
一方、直流連系システム1bの2つの周波数検出部4αb,4βbで検出された2つの周波数fαb,fβbの偏差Δfbが減算器5bから出力される。また、直流連系システム1cの2つの周波数検出部4αc,4βcで検出された2つの周波数fαc,fβcの偏差Δfcが減算器5cから出力される。2つの直流連系システム1b,1cの減算器5b,5cでそれぞれ検出される周波数偏差Δfb,Δfcは、検出場所が異なるものの、同じ2つの電力系統2α,2βの周波数偏差であるから、直流連系システム1aの周波数偏差Δfaと概ね等しい。通常時は2つの電力系統2α,2βの周波数偏差は小さい(不感帯±2Hzの範囲内である)ため、2つの直流連系システム1b,1cは、それぞれ周波数偏差Δfb,Δfcが不感帯フィルタ6b,6cを通過しない。従って、不感帯フィルタ6b,6cの出力は、ともに零になる。このため、2つの周波数制御部7b,7cからそれぞれ出力される融通電力補正値ΔPb,ΔPcもともに零となり、2つのサブモードの直流連系システム1b,1cの周波数制御は、実質的には行われない。
ここで、2つの電力系統2α,2βのいずれかに外乱が発生し、大幅に周波数が変動して、2つの直流連系システム1b,1cの周波数偏差Δfb,Δfcが不感帯フィルタ6b,6cの不感帯の範囲を超えたとする。この場合、2つの直流連系システム1b,1cの周波数制御部7b,7cもそれぞれ周波数偏差Δfb,Δfcを最小化するために融通電力補正値ΔPb,ΔPcを出力して、周波数変動を抑制するための周波数制御を行う。
次に、直流連系システム3aが停止した場合について説明する。
直流連系システム3aが停止すると、2つの直流連系システム1b,1cで検出される周波数偏差Δfb,Δfcが大きくなる。直流連系システム1bの周波数偏差Δfbが大きくなり、直流連系システム1bの切替判定部93bに設定された基準時間Tchの10分が経過すると、直流連系システム1bは、サブモードからメインモードに切り替わる。即ち、直流連系システム1bの不感帯フィルタ6bの不感帯は±0Hzになる。これにより、直流連系システム1bの周波数制御部7bに周波数偏差Δfbが入力されて周波数制御が動作するので周波数変動が収まる。周波数変動が収まると、直流連系システム3cの周波数偏差Δfcは零に近づく。このため、直流連系システム3aが停止しても、メインモードになった直流連系システム1bにより、直流連系システム1cの切替判定部93cに設定された基準時間Tchの20分は経過しない。従って、直流連系システム1bよりも優先順位の低い直流連系システム1cは、サブモードのままとなる。
本実施形態によれば、各直流連系システム1a〜1cにメインモードとサブモードの2つの運転モードを設け、各直流連系システム1a〜1cを2つの運転モードに分けて運転することで、周波数制御を行うメインの直流連系システム1a〜1cを決定することができる。また、制御量を調整するための不感帯フィルタ6a〜6cを設けることで、複数の直流連系システム1a〜1cにより周波数制御を行う場合でも、制御量が過剰になることを防止することができる。これらにより、周波数変動の小さい平常時に、複数の直流連系システム1a〜1cによる周波数制御の制御量が過剰になることにより、周波数変動が助長されることを防止することができる。
また、電力系統2α,2βに外乱などが発生して大きな周波数変動が生じた場合は、複数の直流連系システム1a〜1cで周波数制御が動作することで、高い周波数制御能力を発揮させることができる。
さらに、メインモードで動作している直流連系システム1aが何らかの理由で停止した場合においても、周波数変動の悪化を検知して予め定めておいた優先順位に従って、サブモードで運転している直流連系システム1b,1cのいずれかがメインモードに切り替わることで、継続して周波数を制御することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る直流連系システム1Aa,1Ab,1Acの構成を示す構成図である。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る直流連系システム1Aa,1Ab,1Acの構成を示す構成図である。
3つの直流連系システム1Aa〜1Acは、全て同様に構成されているため、第1の実施形態と同様に、直流連系システム1Aaについて主に説明する。
直流連系システム1Aaは、図1に示す第1の実施形態に係る直流連系システム1aにおいて、周波数制御装置10aを周波数制御装置10Aaに代えたものである。周波数制御装置10Aaは、第1の実施形態に係る周波数制御装置10aにおいて、不感帯フィルタ6aをローパスフィルタ(LPF)11a及び出力切替部12aに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る直流連系システム1aと同様である。
ローパスフィルタ11aは、減算器5aにより演算された周波数偏差Δfaから長周期成分(低周波成分)を抽出する。ローパスフィルタ11aは、抽出した周波数偏差Δfaの長周期成分を出力切替部12aに出力する。
出力切替部12aには、減算器5aにより演算された周波数偏差Δfa及びローパスフィルタ11aにより抽出された周波数偏差Δfaの長周期成分が入力される。出力切替部12aは、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaとローパスフィルタ11aから入力された周波数偏差Δfaの長周期成分のうちいずれか1つを選択して、周波数制御部7aに出力する。直流連系システム1Aaをメインモードで運転する場合、出力切替部12aは、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaを周波数制御部7aに出力する。直流連系システム1Aaをサブモードで運転する場合、出力切替部12aは、ローパスフィルタ11aから入力された周波数偏差Δfaの長周期成分を周波数制御部7aに出力する。出力切替部12aは、モード切替部9aの切替判定部93aによる判定結果に応じて、出力を切り替える。
周波数制御部7aは、第1の実施形態と同様に、入力された周波数偏差Δfa又はその長周期成分を最小化するように融通電力補正値ΔPaを演算する。この融通電力補正値ΔPaにより、周波数制御部7aは、融通電力を変化させ、周波数偏差Δfaを抑制するように周波数制御をする。直流連系システム1Aaがメインモードで運転されている場合、周波数制御部7aは、2つの電力系統2α,2βの周波数偏差Δfaを最小化するように周波数制御する。直流連系システム1Aaがサブモードで運転されている場合、周波数制御部7aは、2つの電力系統2α,2βの周波数偏差Δfaの長周期成分のみを最小化するように周波数制御する。
3つの直流連系システム1Aa〜1Acは、1つがメインモードで運転され、他の2つがサブモードで運転される。これにより、メインモードで運転される直流連系システムは、2つの電力系統2α,2βの周波数偏差Δfaを全て最小化するように周波数制御し、サブモードで運転される直流連系システムは、周波数偏差Δfaの長周期成分のみを最小化するように周波数制御する。
本実施形態によれば、直流連系システム1Aa〜1Acにおいて、第1の実施形態に係る不感帯フィルタ6a〜6cの代わりに、ローパスフィルタ11a〜11c及び出力切替部12a〜12cを設けることで、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、ローパスフィルタ11a〜11cを用いることで、複数の直流連系システム1Aa〜1Acで周波数制御を行う場合でも、短周期の急峻な周波数変動に対して制御量が過剰となることを防止すし、効率よく周波数制御することができる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る直流連系システム1Ba,1Bb,1Bcの構成を示す構成図である。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る直流連系システム1Ba,1Bb,1Bcの構成を示す構成図である。
3つの直流連系システム1Ba〜1Bcは、全て同様に構成されているため、第1の実施形態と同様に、直流連系システム1Baについて主に説明する。
直流連系システム1Baは、図1に示す第1の実施形態に係る直流連系システム1aにおいて、周波数制御装置10aを周波数制御装置10Baに代えたものである。周波数制御装置10Baは、第1の実施形態に係る周波数制御装置10aにおいて、不感帯フィルタ6aをゲイン設定部13aに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る直流連系システム1aと同様である。
ゲイン設定部13aは、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaに、設定されているゲインを掛けて、周波数制御部7aに出力する。ゲイン設定部13aは、モード切替部9aの切替判定部93aによる判定結果に応じて、ゲインを切り替える。直流連系システム1Baをメインモードで運転する場合は、ゲインを1にする。この場合、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaは、そのまま周波数制御部7aに出力される。直流連系システム1Baをサブモードで運転する場合は、ゲインを0にする。この場合、減算器5aから入力された周波数偏差Δfaは、零として周波数制御部7aに出力される。即ち、直流連系システム1Baがサブモードで運転している場合は、周波数制御を実質的に行わない。なお、サブモードのときのゲインは、1でなければ、0でなくてもよい。例えば、サブモードのときは、ゲインを0.2として、補助的な周波数制御を行わせてもよい。
本実施形態によれば、直流連系システム1Ba〜1Bcにおいて、第1の実施形態に係る不感帯フィルタ6a〜6cの代わりに、ゲイン設定部13a〜13cを設けることで、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
よって、サブモードのときのゲイン設定部13a〜13cのゲインを0に設定することで、3つの直流連系システム1Ba〜1Bcのうち、メインモードで運転されている1つの直流連系システムが周波数制御をし、残りのサブモードで運転されている直流連系システムが周波数制御をしない状態となる。また、サブモードのときのゲイン設定部13a〜13cのゲインを0より大きく1未満の値で設定することで、サブモードで運転されている直流連系システムは、制御量が過剰とならない範囲で、補助的に周波数制御をさせることができる。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態に係る直流連系システム1Ca,1Cb,1Ccの構成を示す構成図である。
図8は、本発明の第4の実施形態に係る直流連系システム1Ca,1Cb,1Ccの構成を示す構成図である。
直流連系システム1Ca〜1Ccは、全て同様に構成されているため、第1の実施形態と同様に、直流連系システム1Caについて主に説明する。
直流連系システム1Caは、図1に示す第1の実施形態に係る直流連系システム1aにおいて、周波数制御装置10aを周波数制御装置10Caに代えたものである。周波数制御装置10Caは、第1の実施形態に係る周波数制御装置10aにおいて、不感帯フィルタ6a及びモード切替部9aを配分処理部14aに代え、周波数制御部7aを周波数制御部7Caに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態に係る直流連系システム1aと同様である。
周波数制御部7Caには、減算器5aにより演算された周波数偏差Δfaがそのまま入力される。周波数制御部7Caは、第1の実施形態と同様に、周波数偏差Δfaに基づいて、融通電力補正値ΔPを演算する。ここで、演算された融通電力補正値ΔPは、全ての直流連系システム1Ca〜1Ccで周波数制御を行うための全体の補正値である。周波数制御部7Caは、演算した融通電力補正値ΔPを配分処理部14aに出力する。その他の点は、第1の実施形態に係る周波数制御部7aと同様である。
3つの直流連系システム1Ca〜1Ccのそれぞれの配分処理部14a〜14cは、情報を伝送する伝送路で相互に接続されている。配分処理部14aは、周波数制御部7Caにより演算された融通電力補正値ΔP、又は他の直流連系システム1Cb,1Ccの配分処理部14b,14cから入力された融通電力補正値に基づいて、自己の直流連系システム1Caが担当する分の融通電力補正値ΔPaを演算する。メインモードで運転している場合は、配分処理部14aは、サブモードで運転している直流連系システム1Cb,1Ccにそれぞれの担当分の融通電力補正値を出力する。
次に、直流連系システム1Ca〜1Ccの動作について説明する。
まず、優先順位は、直流連系システム1Ca、直流連系システム1Cb、直流連系システム1Ccの順番に高く設定されているものとする。優先順位は、高いほど、周波数制御の制御量が多くなる。この優先順位に従って、各直流連系システム1Ca〜1Ccは、次のように初期設定されている。
直流連系システム1Caは、メインモードに設定されており、自身より優先順位の低い2つの直流連系システム1Cb,1Ccを補助として、周波数制御をする。直流連系システム1Cbは、サブモードに設定されており、自身より優先順位の高い直流連系システム1Caからの指令により周波数制御をする。直流連系システム1Ccは、サブモードに設定されており、自身より優先順位の高い2つの直流連系システム1Ca,1Cbのいずれかの指令により周波数制御をする。
次に、複数の直流連系システム1Ca〜1Ccへの融通電力補正値ΔPの配分方法について説明する。
メインモードで運転している直流連系システム1Caの配分処理部14aは、周波数制御部7Caにより演算された全体の融通電力補正値ΔPに基づいて、自己の直流連系システム1Caが担当する融通電力補正値ΔPaを演算する。全体の融通電力補正値ΔPが予め設定された第1の電力値(例えば、直流連系主回路3aの定格電力)よりも小さい場合、配分処理部14aは、全体の融通電力補正値ΔPをそのまま自己担当分の融通電力補正値ΔPaとして算出する。全体の融通電力補正値ΔPが第1の電力値以上の場合、配分処理部14aは、全体の融通電力補正値ΔPのうち第1の電力値分の融通電力補正値を自己担当分の融通電力補正値ΔPaとして算出し、残りの融通電力補正値を他の直流連系システム1Cb,1Ccの担当分の融通電力補正値として配分する。自己担当分の融通電力補正値ΔPaは、変換器制御部8aに出力される。
残りの融通電力補正値が零でない場合は、配分処理部14aは、自己の直流連系システム1Caの次に優先順位の高い直流連系システム1Cbの担当分の融通電力補正値ΔPbとして、残りの融通電力補正値から予め設定された第2の電力値(例えば、直流連系システム1Cbの直流連系主回路3bの定格電力)を限度として配分する。
直流連系システム1Cbの担当分の融通電力補正値ΔPbを配分してもまだ残りの融通電力補正値が零でない場合は、配分処理部14aは、直流連系システム1Cbの次に優先順位の高い直流連系システム1Ccの担当分の融通電力補正値ΔPcとして、さらに残りの融通電力補正値から予め設定された第3の電力値(例えば、直流連系システム1Ccの直流連系主回路3cの定格電力)を限度として、配分する。配分処理部14aは、演算した他の担当分の融通電力補正値ΔPb,ΔPcをそれぞれの配分処理部14b,14cに出力する。配分処理部14b,14cは、それぞれ受信した自己担当分の融通電力補正値ΔPb,ΔPcを変換器制御部8b,8cに出力する。
なお、融通電力補正値ΔPの直流連系システム1Ca〜1Ccへの配分方法については、上述した方法以外の方法で配分してもよい。例えば、複数の直流連系システム1Ca〜1Ccにそれぞれ等分になるように配分してもよいし、直流連系主回路3a〜3cの定格電力などにより予め決められた割合に従って配分してもよい。
次に、メインモードで運転している直流連系システム1Caが何らかの理由で停止した場合に、サブモードからメインモードへの切り替えについて説明する。
メインモードで運転している直流連系システム1Caが停止すると、サブモードで運転している直流連系システム1Cb,1Ccの配分処理部14b,14cに、それぞれの担当分の融通電力補正値ΔPb,ΔPcが送信されなくなる。
配分処理部14b,14cには、予め受信停止継続時間が設定されている。受信停止継続時間は、優先順位が高いほど、短い時間に設定されている。例えば、配分処理部14bの受信停止継続時間が10分に設定され、配分処理部14cの受信停止継続時間が20分に設定されているものとする。
配分処理部14bは、配分処理部14aからの自己担当分の融通電力補正値ΔPbの受信が停止してから受信停止継続時間の10分が経過後に、自己の直流連系システム1Cbをサブモードからメインモードに切り替える。
これにより、配分処理部14bは、前述した配分処理部14aと同様に、周波数制御部7Cbにより演算された全体の融通電力補正値ΔPに基づいて、自己担当分の融通電力補正値ΔPbを演算するとともに、他の担当分の融通電力補正値ΔPcを演算する。配分処理部14bは、演算した他の担当分の融通電力補正値ΔPcを該当の配分処理部14cに出力する。
配分処理部14cは、配分処理部14aからの自己担当分の融通電力補正値ΔPcの受信が停止してから10分経過後で、受信停止継続時間の20分が経過前に、配分処理部14bから自己担当分の融通電力補正値ΔPcを受信する。これにより、配分処理部14cは、直流連系システム1Caが停止しても、自己の直流連系システム1Ccをサブモードからメインモードに切り替えない。直流連系システム1Caの停止後、さらに直流連系システム1Cbが停止した場合は、自己担当分の融通電力補正値ΔPcの受信が停止してから受信停止継続時間の20分が経過するため、配分処理部14cは、自己の直流連系システム1Ccをサブモードからメインモードに切り替える。
なお、ここでは、配分処理部14b,14cによるモードの切り替えを自己担当分の融通電力補正値ΔPb,ΔPcの受信が停止したことを検出することにより実行したが、これ以外の方法で切り替えてもよい。例えば、配分処理部14a〜14cが常時相互に通信を行うことにより、直流連系システム1Ca〜1Ccの停止(又は、通信の停止)を検出して、モードの切り替えを実行してもよい。
このようにして、メインモードで運転している直流連系システム1Caが停止しても、次に優先順位の高い直流連系システム1Cbのみがサブモードからメインモードに切り替わることで、電力系統2α,2βの周波数制御を継続する。
本実施形態によれば、全ての直流連系システム1Ca〜1Ccに配分処理部14a〜14cを設け、メインモードで運転している直流連系システムの配分処理部で、全ての直流連系システム1Ca〜1Ccに配分する融通電力補正値ΔPa〜ΔPcを演算することで、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、各実施形態では、3つの直流連系システムの構成を説明したが、直流連系システムは2つ以上であれば、いくつで構成してもよい。
各実施形態において、直流連系システムをサブモードで運転する場合に、不感帯フィルタ、ローパスフィルタ、又はゲイン設定部を用いて、2つの電力系統の周波数偏差から予め決められた条件を満たす特定の周波数偏差(以下、特定周波数偏差という。)を抽出して、これを最小化するように周波数制御する構成を説明したが、特定周波数偏差の抽出方法はこれらに限らない。メインモードの直流連系システムによる周波数制御を補助するように周波数制御を行うのであれば、特定周波数偏差は、2つの電力系統の周波数偏差からどのような条件(成分又は範囲など)を満たすように抽出してもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1a,1b,1c…直流連系システム、2α,2β…電力系統、3a,3b,3c…直流連系主回路、4αa,4βa,4αb,4βb,4αc,4βc…周波数検出部、5a,5b,5c…減算器、6a,6b,6c…不感帯フィルタ、7a,7b,7c…周波数制御部、8a,8b,8c…変換器制御部、9a,9b,9c…モード切替部、10a,10b,10c…周波数制御装置、91a,91b,91c…変動検出部、92a,92b,92c…レベル検出部、93a,93b,93c…切替判定部。
Claims (12)
- 2つの電力系統を連系し、周波数を制御する複数の直流連系システムの周波数制御装置であって、
前記2つの電力系統の周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、
前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第1の周波数制御手段と、
前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差から予め決められた条件を満たす特定周波数偏差を抽出する特定周波数偏差抽出手段と、
前記特定周波数偏差抽出手段により抽出された前記特定周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第2の周波数制御手段と、
前記第2の周波数制御手段による制御から前記第1の周波数制御手段による制御に切り替える制御切替手段と
を備えることを特徴とする直流連系システムの周波数制御装置。 - 前記特定周波数偏差抽出手段は、前記周波数偏差が所定の範囲内のときは、前記特定周波数偏差を零にする不感帯を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の直流連系システムの周波数制御装置。 - 前記特定周波数偏差抽出手段は、前記周波数偏差から長周期成分を抽出する長周期成分抽出手段を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の直流連系システムの周波数制御装置。 - 前記特定周波数偏差抽出手段は、前記周波数偏差にゲインを掛けて前記特定周波数偏差を演算すること
を特徴とする請求項1に記載の直流連系システムの周波数制御装置。 - 前記制御切替手段は、前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差に基づいて制御を切り替えること
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の直流連系システムの周波数制御装置。 - 2つの電力系統を連系し、周波数を制御する複数の直流連系システムの周波数制御装置であって、
前記2つの電力系統の周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、
前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間を融通する融通電力値を演算する融通電力値演算手段と、
前記融通電力値演算手段により演算された前記融通電力値を、前記複数の直流連系システムのそれぞれが担当する担当融通電力値に配分する融通電力値配分手段と、
前記融通電力値配分手段により配分された自己の直流連系システムが担当する前記担当融通電力値に相当する融通電力を融通する制御をする第1の周波数制御手段と、
他の直流連系システムから前記自己の直流連系システムが担当する融通電力値を受信する融通電力値受信手段と、
前記融通電力値受信手段により受信した前記融通電力値に相当する融通電力を融通する制御をする第2の周波数制御手段と、
前記第2の周波数制御手段による制御から前記第1の周波数制御手段による制御に切り替える制御切替手段と
を備えることを特徴とする直流連系システムの周波数制御装置。 - 前記融通電力値配分手段は、前記融通電力値が所定値を超えた分の前記融通電力値を前記他の直流連系システムが担当する前記担当融通電力値として配分し、前記融通電力値のうち前記所定値以下の分は、自己が担当する前記担当融通電力値として配分すること
を特徴とする請求項6に記載の直流連系システムの周波数制御装置。 - 前記融通電力値配分手段は、予め決められた割合に従って、前記複数の直流連系システムのそれぞれが担当する前記担当融通電力値を演算すること
を特徴とする請求項6に記載の直流連系システムの周波数制御装置。 - 2つの電力系統を連系し、周波数を制御する直流連系システムであって、
前記2つの電力系統を接続する直流回路と、
前記2つの電力系統の周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、
前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第1の周波数制御手段と、
前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差から予め決められた条件を満たす特定周波数偏差を抽出する特定周波数偏差抽出手段と、
前記特定周波数偏差抽出手段により抽出された前記特定周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第2の周波数制御手段と、
前記第2の周波数制御手段による制御から前記第1の周波数制御手段による制御に切り替える制御切替手段と
を備えることを特徴とする直流連系システム。 - 2つの電力系統を連系し、周波数を制御する直流連系システムであって、
前記2つの電力系統を接続する直流回路と、
前記2つの電力系統の周波数偏差を検出する周波数偏差検出手段と、
前記周波数偏差検出手段により検出された前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間を融通する融通電力値を演算する融通電力値演算手段と、
前記融通電力値演算手段により演算された前記融通電力値を、自己の直流連系システムを含む複数の直流連系システムのそれぞれが担当する担当融通電力値に配分する融通電力値配分手段と、
前記融通電力値配分手段により配分された前記自己の直流連系システムが担当する前記担当融通電力値に相当する融通電力を融通する制御をする第1の周波数制御手段と、
他の直流連系システムから前記自己の直流連系システムが担当する融通電力値を受信する融通電力値受信手段と、
前記融通電力値受信手段により受信した前記融通電力値に相当する融通電力を融通する制御をする第2の周波数制御手段と、
前記第2の周波数制御手段による制御から前記第1の周波数制御手段による制御に切り替える制御切替手段と
を備えることを特徴とする直流連系システム。 - 2つの電力系統を連系し、周波数を制御する複数の直流連系システムの周波数制御方法であって、
前記2つの電力系統の周波数偏差を検出し、
検出した前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する制御をする第1の周波数制御をし、
検出した前記周波数偏差から予め決められた条件を満たす特定周波数偏差を抽出し、
抽出した前記特定周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間の電力を融通する第2の周波数制御をし、
前記第2の周波数制御から前記第1の周波数制御に切り替えること
を含むことを特徴とする直流連系システムの周波数制御方法。 - 2つの電力系統を連系し、周波数を制御する複数の直流連系システムの周波数制御方法であって、
前記2つの電力系統の周波数偏差を検出し、
検出した前記周波数偏差を最小化するように前記2つの電力系統間を融通する融通電力値を演算し、
演算した前記融通電力値を、前記複数の直流連系システムのそれぞれが担当する担当融通電力値に配分し、
配分した自己の直流連系システムが担当する前記担当融通電力値に相当する融通電力を融通する第1の周波数制御をし、
他の直流連系システムから前記自己の直流連系システムが担当する融通電力値を受信し、
受信した前記融通電力値に相当する融通電力を融通する第2の周波数制御をし、
前記第2の周波数制御から前記第1の周波数制御に切り替えること
を含むことを特徴とする直流連系システムの周波数制御方法。
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