JP2743929B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

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JP2743929B2
JP2743929B2 JP6253842A JP25384294A JP2743929B2 JP 2743929 B2 JP2743929 B2 JP 2743929B2 JP 6253842 A JP6253842 A JP 6253842A JP 25384294 A JP25384294 A JP 25384294A JP 2743929 B2 JP2743929 B2 JP 2743929B2
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洋介 日下
勝 村松
健 歌川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカメラ等の自動焦点調節
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来撮影レンズのデフォーカス量を繰り
返し検出するとともに現在及び過去のデフォーカス量か
ら被写体が移動しているか否かを判定し、被写体が移動
している場合には、現在及び過去のデフォーカス量に基
づいて移動被写体に対して撮影レンズの位置を補正する
ための補正量を求め、更に撮影レンズの駆動量を前記デ
フォーカス量に補正量を加えた量に基づいて求めて撮影
レンズを駆動することにより、移動被写体に対して撮影
レンズを遅れなく駆動する技術いわゆる追尾又は追従駆
動といわれる技術が知られている。例えば本出願人によ
る特開昭60−214325において上記技術が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】従来の自動焦点装置
は、移動被写体であることを判定すると自動的に被写体
の移動に追随して撮影レンズが駆動されるよう構成され
ていた。しかしながら、このような装置では以下の問題
点があった。 自動焦点調節装置が撮影者の意図しない移動被写体を
捕捉して自動的に追尾駆動を開始した場合に、撮影者が
この追尾駆動をキャンセルすることができなかった。 静止被写体を撮影する場合に、自動焦点調節装置が誤
って追尾駆動を行うことを予め防止できなかった。 移動被写体であることを表示する表示装置を設けた場
合には、マニュアルフォーカス時に静止被写体であって
もフォーカス動作によって被写体像面が移動するため
に、移動被写体と誤検出して移動被写体の表示を行う恐
れがある。 合焦点を中心に合焦と見なせる範囲を合焦範囲に設定
しているが、この合焦範囲が、静止被写体の自動焦点調
節を行う静止モードと移動被写体の自動焦点調節を行う
追尾モードとで同一範囲に設定されていると次の不具合
が生じる。すなわち、静止モードでは、自動焦点調節動
作の応答性より安定性を重視するために合焦範囲が広め
に設定されており、この合焦範囲を追尾モードで使用す
ると、移動被写体の微妙な動きに追随できなくなり、移
動被写体の焦点調節動作の応答性が悪化してしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点の及びを
解決するために、請求項1の発明では、主光学系により
形成された被写体像の焦点調節状態を繰り返し検出し、
検出された焦点調節状態に応じて焦点検出信号を時系列
的に発生する焦点検出手段と、前記時系列的に発生する
複数の焦点検出信号に基づき被写体が移動被写体か否か
を判定する判定手段と、静止被写体に適した焦点調節動
作を行う静止モードと前記移動被写体に適した焦点調節
動作を行う追尾モードとを設定するモード設定手段と、
前記モード設定手段による前記静止モード設定時には前
記焦点検出信号に基づき前記主光学系を駆動し、また、
前記モード設定手段による前記追尾モード設定時に、前
記判定手段が移動被写体であると判定した場合には、複
数の前記焦点検出信号に基づき前記移動被写体を追尾す
るように前記主光学系を駆動すると共に、前記判定手段
が静止被写体であると判定した場合には、前記焦点検出
信号に基づき前記主光学系を駆動する駆動手段とを備え
た構成とした。
【0005】また、請求項11の発明では、主光学系に
より形成された被写体像の焦点調節状態を繰り返し検出
し、検出された焦点調節状態に応じて焦点検出信号を時
系列的に発生する焦点検出手段と、前記時系列的に発生
する複数の焦点検出信号に基づき被写体の移動に追随す
るように前記主光学系を駆動する追尾駆動手段と、外部
操作部材を有し、該外部操作部材の操作により前記追尾
駆動手段の動作を強制的に禁止する禁止手段とを備えた
構成とした。上記問題点のを解決するために、請求項
12の発明では、主光学系により形成された被写体像の
焦点調節状態を繰り返し検出し、検出された焦点調節状
態に応じて焦点検出信号を時系列的に発生する焦点検出
手段と、前記時系列的に発生する複数の焦点検出信号に
基づき被写体が移動被写体か否かを判定する判定手段
と、前記判定手段の判定結果に基づいて移動被写体か否
かの表示を行う表示手段と、前記主光学系の焦点調節を
手動で行わせるマニュアルモードと、前記主光学系の焦
点調節を前記焦点検出信号に基づいて自動で行わせるオ
ートモードとを選択する選択手段と、前記オートモード
時に前記判定手段が移動被写体であると判定した場合に
は、前記表示手段に前記移動被写体であることを表示さ
せ、また、前記マニュアルモード時には前記表示手段の
表示動作を行わせないように制御する制御手段とを備え
た構成とした。
【0006】また、請求項13の発明では、主光学系に
より形成された被写体像の焦点調節状態を繰り返し検出
し、検出された焦点調節状態に応じて焦点検出信号を時
系列的に発生する焦点検出手段と、前記時系列的に発生
する複数の焦点検出信号に基づき被写体が移動被写体か
否かを判定する判定手段と、前記主光学系の焦点調節を
手動で行わせるマニュアルモードと、前記主光学系の焦
点調節を前記焦点検出信号に基づいて自動で行わせるオ
ートモードとを選択する選択手段と、前記選択手段によ
り前記マニュアルモードが選択された時には前記判定手
段の判定を禁止する禁止手段とを備えた構成とした。上
記問題点のを解決するために、請求項10の発明で
は、請求項1の自動焦点調節装置において、合焦点を含
む合焦範囲を設定する合焦範囲設定手段と、前記焦点検
出信号が前記合焦範囲に入った時に前記駆動手段の駆動
を禁止する駆動制御手段とを備え、前記合焦範囲設定手
段は、前記モード設定手段の前記追尾モード時の前記合
焦範囲を前記モード設定手段の前記静止モード時の前記
合焦範囲より狭く設定する構成とした。
【0007】
【作用】請求項1及び請求項11の発明によれば、自動
焦点調節装置による追尾モードを撮影者の所望するとき
にキャンセルできる。また、請求項12の発明によれ
ば、マニュアルフォーカスモードの時に、誤検出により
被写体が移動被写体である表示を行うことがない。ま
た、請求項13の発明によれば、マニュアルフォーカス
モードの時に、被写体が移動被写体であると誤検出する
ことはない。また、請求項10の発明によれば、追尾モ
ード時の合焦範囲を狭くしたので焦点調節動作の応答性
を向上できる。
【0008】
【実施例】
(第1実施例)図1は本発明をレンズ交換型一眼レフカ
メラに適用した実施例を示すもので、カメラボディ20
に対して交換可能なレンズ10が着脱自在にマウントし
得るようになされている。レンズ20を装着した状態に
おいて、被写体から到来する撮影光束は撮影レンズ11
を通ってカメラボディ20に設けられているメインミラ
ー21によって一部は反射されて不図示のファインダに
導かれる。これと同時に撮影光束の他の一部がメインミ
ラー21を透過してサブミラー22によって反射される
ことにより、焦点検出用光束としてオートフォーカスモ
ジュール23(以後AFモジュールという)に導かれ
る。AFモジュール23の構成例を図2に示す。図2に
おいてAFモジュールはフィールドレンズ27及び一対
の再結像レンズ28A、28Bからなる焦点検出光学系
24と一対の受光部29A、29Bを有するCCD(チ
ャージカップルドデバイス)25とから構成されてい
る。
【0009】以上のような構成において撮影レンズ11
の射出瞳16に含まれる光軸17に対して対称な一対の
領域18A、18Bを通る光束はフィールドレンズ27
付近で一次像を形成し更にフィールドレンズ27及び再
結像撮影レンズ28A、28BによってCCD25の一
対の受光部上に一対の二次像を形成する。前記一次像が
不図示のフィルム共役面と一致している時CCD25上
で一対の二次像の受光部並び方向の相対的位置は焦点検
出光学系の構成によって決まる所定値となる。又一対の
受光部29A、29Bは、各々nケの受光素子ai、b
i(i=1〜n)から成り一次像がフィルム共役面と一
致している時に対応する受光素子(a1とb1 、a2
2 …)の出力が等しくなるように配置されている。前
記一次像がフィルム共役面からずれた面に形成されてい
る場合にはCCD25上での一対の二次像の相対的位置
は一次像の光軸方向のずれ方向(即わち前ピンか後ピン
か)に応じて前記一致している場合の所定値から変化す
る。例えば前ピンの場合には、一対の二次像の位置関係
は相対的に広がり後ピンの場合には狭まる。受光部29
A、29Bを形成する受光素子ai、biはフォートダ
イオード等の電荷蓄積型素子によって構成されており、
CCD25上の照度に応じた電荷蓄積時間だけ電荷蓄積
を行なうことにより受光素子出力を後述の処理に適す
る、出力レベルとすることができる。
【0010】再び図1に戻り説明を続ける。センサー制
御手段26はAFCPU30のポートP4からの電荷蓄
積開始及び終了指令を受け取り指令に応じた制御信号を
CCD25に与えることによりCCD25の電荷蓄積開
始及び終了を制御するとともに転送クロック信号をCC
D25に与え受光素子出力信号を時系列的にAFCPU
に転送する。又受光素子出力信号の発生、同期信号をA
FCPU30のポートP4に送り、AFCPU30は前
記発生同期信号に同期して内蔵のAD変換手段によりA
D変換をスタートさせ以後前記転送クロックのサイクル
タイム毎に受光素子出力をポートP3にてサンプリング
AD変換して受光素子数に応じたAD変換データ(2n
ケ)を得た後、該データに基づき後述する公知の焦点検
出演算を行ない第1像とフィルム共役面とのデフォーカ
ス量を求める。AFCPU30は焦点検出演算結果に基
づいてAF表示手段40の表示形態をポートP5を用い
て制御する。例えば前ピンの場合は三角表示部41、後
ピンの場合は三角表示部43、合焦の場合は丸表示部4
2、焦点検出不能の場合はバツ表示部44が各々アクテ
ィブになるようにAFCPU30は制御する。又AFC
PU30は焦点検出演算結果に基づいてAFモータ50
の駆動方向及び駆動量を制御して、撮影レンズ11を合
焦点に移動させる。まずAFCPU30はデフォーカス
量の符号(前ピン、後ピン)に従ってポートP2からA
Fモータ50を撮影レンズ11が合焦点に近づく方向へ
回転させる駆動信号を発生する。AFモータの回転運動
はボディ20に内蔵されたギヤ等から構成されたボディ
伝達系51を経てボディ20とレンズ10のマウント部
に設けられたボディ側のカップリング53に伝達され
る。
【0011】ボディ側のカップリング53に伝達された
回転運動は更にこれにかん合するレンズ側のカップリン
グ14及びレンズ10に内蔵されたギヤ等から構成され
たレンズ伝達系12に伝達され最終的に撮影レンズ11
が合焦方向へと移動する。又AFモータ50の駆動量は
前記ボディ伝達系51のギヤ等の回転量をフォトインタ
ラプタ等によって構成されるエンコーダ52によってパ
ルス数に変換されポートP1からAFCPU30にフィ
ードバックされる。AFCPU30はボディ伝達系51
及びレンズ伝達系12の減速比等のパラメータに応じて
AFモータ50の駆動量即ちエンコーダ52からフィー
ドバックされるパルス数を制御することにより撮影レン
ズ11を所定移動量だけ移動することができる。AFC
PU30はポートP1より入力するパルス数をカウント
するためのパルスカウンタと、該パルスカウンタの内容
と比較するための比較レジスタを内蔵しており、該パル
スカウンタと比較レジスタの内容が一致した時に内部割
込がかかる機能を有している。
【0012】AFCPU30は以下のような順序でAF
モータ50の駆動量を制御する。まずAFモータ50の
駆動開始前にパルスカウンタの内容をクリアし比較レジ
スタに所望のパルス数をセットする。次にAFモータ5
0の駆動を開始する。AFモータ50の回転によりエン
コーダ52がパルスを発生してパルスカウンタにカウン
トアップされる。パルスカウンタの内容が比較レジスタ
と一致した時に割込がかかりAFCPUは割込処理でA
Fモータを停止させる。このようにしてAFモータは所
望のパルス数だけ駆動制御される。又AFCPU30は
時間を計測するためのタイマーを内蔵しており一定時間
毎に割込がかかるタイマー割込機能も有している。AF
CPU30は以上のように主としてAF動作を制御する
機能を受け持っている。
【0013】ボディ20の内部には又カメラシーケンス
露出動作(AE)を主として制御するためのメインCP
U70がある。メインCPU70は被写体輝度、フィル
ム感度、絞り値、シャッター速度等の露出に関する情報
をAE情報手段85よりポートQ12から入力し、該A
E情報に基づき絞り値、シャッタ速度等を決定する。メ
インCPU70は決定した絞り値、シャッタ速度等の情
報を、ポートQ13を通じて表示手段86に表示すると
ともに、撮影動作における絞り値、シャッタ速度とす
る。メインCPU70は撮影動作においてはポートQ8
からミラー制御手段81によるメインミラー21のアッ
プ、ダウン動作の制御を行なう。又ポートQ10を通じ
て絞り制御手段83を制御して不図示のレンズ10内の
絞り機構の制御を行なう。又ポートQ9により、シャッ
タ制御手段82を動作させ不図示のシャッタ機構を制御
する。メインCPU70は撮影動作が終了すると次の撮
影動作に備えて、Q11を通じて巻上チャージ制御手段
84を制御して不図示の巻上チャージ機構を動作させ
る。以上がメインCPU70の動作の概要である。
【0014】レンズ10にはレンズCPU13が内蔵さ
れており、レンズCPU13はメインCPU70に必要
な例えば開放F値等のAE関連情報、AFCPU30に
必要な例えば撮影レンズ11の単位移動量当りのカップ
リング14の回転数等のAF関連情報を、マウント部を
設けたレンズ側接点15ボディ側接点63を介してボデ
ィ側の通信バス64に送る。AFCPU30はレンズC
PU13からのAF関連情報を通信バス64につながっ
たポートP6より受け取る。又メインCPU70はレン
ズCPU13からのAF関連情報を通信バス64につな
がったポートQ1より受け取る。又メインCPU70と
AFCPU30は通信バス64を介して各々ポートQ1
及びP6より種々の情報をお互いに入出力することが可
能である。又メインCPU70とAFCPU30の間に
は前記通信バス64以外の直結の入出力信号(IO信
号)ラインもある。
【0015】AFはAF許可信号でありメインCPU7
0のポートQ2よりAFCPU30のポートP7に送ら
れる。AF許可信号(AF)は、オン(以後ON)の時
AFCPU30によるAFモータ50の駆動を許可し、
OFFの時駆動を禁止する。AF許可信号(AF)は、
メインCPU70の巻上チャージ制御と、AFCPU3
0のAFモータ駆動とが同時に行われて、不図示の電池
等の電源の電力供給能力を越えて不具合が生ずるのを防
ぐ目的に使用される。即ちメインCPU30は巻上チャ
ージ動作を行っている間はAF許可信号をオフ(以降O
FF)としてAFCPU30のAFモータ50の駆動を
禁止して、巻上チャージ動作とAFモータ駆動が同時に
行われることを防止する。
【0016】MRはミラーアップ信号であり、メインC
PU70のポートQ3よりAFCPU30のポートP8
に送られる。ミラーアップ信号(MR)はONの時ミラ
ーアップ中及びアップとダウンの遷移中を表わしOFF
の時ミラーダウン中を表わす。ミラーアップ信号(M
R)は、AFCPU30のCCD蓄積開始ミラーアップ
後の駆動ディレイ開始のタイミング調整に用いられる。
RLはレリーズ許可信号であり、AFCPU30のポー
トP9よりメインCPU70のポートQ4に送られる。
レリーズ許可信号(RL)はONの時メインCPU70
による撮影動作を許可し、OFFの時禁止する。レリー
ズ許可信号(RL)は、後述するAFCPU30のAF
追尾動作制御とメインCPU70の撮影動作制御とのタ
イミング調整や、ワンショットAFモード時に合焦前は
撮影動作を禁止するのに使用される。
【0017】RBはレリーズボタン信号であり、ボディ
20に設けられた外部操作部材であるレリーズボタン6
0の操作状態情報をAFCPU30のポートP10及び
メインCPU70のポートQ5に送る。レリーズボタン
信号(RB)はONの時レリーズボタンの全押し、OF
Fの時非全押しを表わす。レリーズボタン信号(RB)
はメインCPU70の撮影動作制御の起動や後述するA
FCPU30の追尾動作制御に用いられる。
【0018】DMは駒速モード信号であり、ボディ20
に設けられた外部部材である駒速モード選択手段61の
駒速モード選択状態の情報をAFCPU30のポートP
11及びメインCPU70のポートQ6に送る。駒速モ
ード信号(DM)の表わす駒速モードはC1、C2、S
の3種類であり、C1は駒速優先の高速連続撮影モード
でありレリーズボタン60が全押の間は撮影動作が終了
すると即次の撮影動作に移るモードであり、撮影動作と
撮影動作の間にAF動作はほとんど行なわれない。又C
2はレリーズボタン60が全押の間撮影動作と次の撮影
動作の間にAF動作が少くとも1回は入る通常連続撮影
モードで駒速モードC1よりは駒速は遅くなる。又Sは
シングル撮影モードであり、レリーズボタン60が全押
されると一回だけ撮影動作が行なわれる。
【0019】FMはフォーカスモード信号でありボディ
20に設けられた外部操作部材であるフォーカスモード
選択手段62のフォーカスモード選択状態の情報をAF
CPU30のポートP12及びメインCPU70のポー
トQ7に送る。フォーカスモード信号(FM)の表わす
フォーカスモードはC、O、Mの3種類であり、Cは連
続AFモードであり常に検出したデフォーカス量に基づ
いて撮影レンズ11を合焦点へとサーボするモードであ
る。又Oはワンショットモードであり一旦撮影レンズ1
1の合焦点へ到達するとそれ以後撮影レンズ11のサー
ボを行なわないモードである。又Mはマニュアルモード
であり、撮影レンズ11のサーボは行なわず表示手段4
0のみで焦点検出結果を表示するモードである。表1に
以上説明したIO信号をまとめて示す。
【0020】次にAFCPU30とメインCPU70の
動作と駒速モードとフォーカスモードの組み合わせとの
関係について説明する。フォーカスモードがマニュアル
(M)の場合、AFCPU30はAFモータ50を駆動
しないのでAF許可信号(AF)はAFCPU30にと
って不要になる。又AFCPU30はメインCPU70
のミラーアップ信号(MR)がOFFとなっていること
を検知してからCCDの蓄積を開始する。メインCPU
70はAFCPU30のレリーズ許可信号(RL)にか
かわらず、全押しとなっている時に駒速モードに従って
撮影動作をする。フォーカスモードがワンショットAF
(O)の場合、AFCPU30はAF許可信号(AF)
がONの時だけAFモータ50を駆動すると同時にミラ
ーアップ信号(MR)がOFFとなっていることを検知
してからCCDの蓄積を開始し、一旦撮影レンズ11が
合焦点に達したら以後表示及び駆動を固定する。又メイ
ンCPU70はAFCPU30のレリーズ許可信号(R
L)がONでレリーズボタン信号(RB)とONとなっ
ている時に撮影動作を開始できる。従ってフォーカスモ
ードがワンショットAFの場合駒速モードC1とC2は
実効的にほとんど同じ動作となる。
【0021】フォーカスモードが連続AF(C)で駒速
モードがC1又はSの場合AFCPU30はAF許可信
号(AF)がONの時だけAFモータ50を駆動すると
同時にミラーアップ信号(MR)がOFFとなっている
ことを検知してCCDの蓄積を開始する。この場合撮影
レンズ11が合焦点に到達した後も表示駆動は更新され
る。又この場合メインCPU70はレリーズ許可信号
(RL)にかかわらずレリーズボタン信号(RB)が全
押しとなっている時に駒速モードC1又はSに従って撮
影動作を行なう。従ってフォーカスモードがCで駒速モ
ードがC1の場合、メインCPU70は撮影動作の間に
余裕時間を設けないのでAFCPU30がAFモード5
0を駆動できる時間は巻上チャージ完了から次の巻上チ
ャージ開始までの短かい時間となる。
【0022】フォーカスモードがCで駒速モードがC2
の組み合わせは、後述する動的被写体に最適化した追尾
動作のための特別なモード(追尾モード)であり、AF
CPU30はAF許可信号(AF)がONの時だけAF
モータ50を駆動できミラーアップ信号(MR)がOF
Fとなっていることを検知してCCDの蓄積を開始する
点は前述のモード選択時と同じである。AFモータ50
の駆動量を求める際に後述の追尾アルゴリズムを用い、
動的被写体と判定された場合、AFモータ50の駆動量
をデフォーカス量と追尾補正量の和としてAFモータ5
0を駆動すると同時にAF表示形態も変える。AFCP
U30は追尾モードの場合レリーズボタン信号(RB)
が全押しの時AFモータ50の一回の駆動時間を所定時
間に制限するとともに駆動開始から、所定時間後にレリ
ーズ許可信号(RL)をONとして、AF動作と撮影動
作のタイミングを調整する。メインCPU70は追尾モ
ードの場合(フォーカスモードがCで駒速モードがC
2)、レリーズ許可信号(RL)がONでレリーズボタ
ン信号(RB)がONとなっている時に撮影動作を開始
する。
【0023】表2に駒速モードとフォーカスモードの組
み合わせと追尾動作の関係についてまとめる。表2より
動的被写体に対して通常のデフォーカス量に追尾補正量
を加えてAFモータ50の駆動量を決定する追尾モード
は、フォーカスモードがCで駒速モードがC2の時のみ
選択されることになる。図3及び図4を用いて追尾モー
ドにおけるAFCPU30とメインCPU70の動作に
ついて、より詳しく説明する。図3は追尾モードにおけ
るレリーズボタン全押時の被写体及び撮影レンズの動き
とAFCPU30、メインCPU70の動作の関係を示
す図であって、縦軸はレンズ位置Z、横軸は時刻tであ
る。実線L1は被写体が連続的に移動している時被写体
像を常にフィルム面に結像させるために必要な撮影レン
ズ11の理想的な位置の軌跡である。又一点鎖線L2
は、実際の撮影レンズ11が動いた軌跡である。メイン
CPUがミラーダウン動作を終了した時刻t0において
撮影レンズ11は停止しておりレンズ位置はZ0であ
る。AFCPUは時刻t0よりCCDの蓄積を開始し時
刻t7に蓄積を終了する。AFCPUは時刻t7よりC
CDデータのAD変換及び焦点検出演算を始める。追尾
モードにおいては後述のように追尾アルゴリズムで動的
被写体と判定されると、静的な被写体として焦点検出演
算により求めたデフォーカス量に追尾補正量を加えた量
に応じて撮影レンズを駆動するがここでは時刻t0と時
刻t7の中点である時刻t10における、実線L1と一
点鎖線L2の差(ΔZ2=Z2−Z0)に相当するデフ
ォーカス量と、追尾補正量(前回の)を加えたもの(追
尾デフォーカス量)が時刻t1に求まる。
【0024】一方メインCPUは時刻t0よりチャージ
・巻上動作を開始し時刻t2に終了する。AFCPUは
時刻t2にチャージ・巻上動作が終了するとモータ駆動
を開始して前記追尾デフォーカス量を新たに追尾補正量
とし、これとデフォーカス量を加えた量(ΔZ1=Z1
−Z0)だけ撮影レンズ11を移動させる。又モータ駆
動開始時刻t2から所定時間後の時刻t4よりメインC
PUはミラーアップ動作を開始する。AFCPUはモー
タ駆動開始時刻t2より所定時間後の時刻t5に強制的
にモータ駆動を終了する。メインCPUは時刻t4より
所定時間後の時刻t8にミラーアップ動作を終了しシャ
ッター動作を開始する。そして時刻t9にシャッター動
作を終了しミラーダウン動作を開始し時刻t6にミラー
ダウン動作を終了する。メインCPUは時刻t6より再
びチャージ巻上動作を開始するとともにAFCPUは次
回のCCD蓄積動作を開始する。
【0025】以上のように追尾モードでの撮影時には、
撮影動作と撮影動作の間に必ず焦点検出とモータ駆動の
時間が入るように設定されていると同時にシャッター動
作のタイミングはモータ駆動終了時点近くとなるので図
3に示す如く、軌跡L1とL2の偏差が少ない所で撮影
ができ、ピントの合った写真ができる。上述の説明では
簡単のため所定のAFモータ駆動時間(t2〜t5)の
間に必要な追尾デフォーカス量ΔZ1が丁度駆動し終わ
る場合を示したが、実際にはあらかじめ一定値に定めら
れたモータ駆動時間(t2〜t5)の終了前の時刻t
5′やt5″で駆動が終了し、残りの時間はAFモータ
駆動は停止状態となるようにする方が制御が容易であ
る。いずれにしても所定のモータ駆動時間(t2〜t
5)の間に必要な追尾デフォーカス量ΔZ1の駆動が終
了しているようにする。AFモータ駆動時間の長さは、
例えばその間に3〜4mmのデフォーカス量分を駆動でき
る程度の時間例えば100ms前後に定める。このように
AFモータの駆動時間を一定とし、モータ駆動開始時刻
t2から一定時間後の時刻t4にミラーアップ開始とす
る事で正確な追尾撮影が可能となる。
【0026】即わちこれによって駆動量の多少によらず
サイクルタイム(t0〜t6)が一定となるので、焦点
検出演算されるデフォーカス量がこのサイクルタイムの
周期でくり返し算出される為、後述の被写体移動の有無
の判定や、前記追尾補正量の算出等が、容易にかつ正確
に行なえる。さらにまた、モータ駆動開始時刻t2後所
定時間経過した後の時刻t4にミラーアップを行ない、
ミラーアップ終了後シャッター動作が開始して露光が始
まる時刻t8までに必要とされる駆動量の駆動を終了し
ているように時間間隔を設定しているので、常にモータ
駆動開始から露光までの時間(t2〜t8)が一定とな
り、来たるべき露光の瞬間にL1とL2が交差するよう
に正確な予測駆動を行うことができる。即わち被写体が
動いておりかつその速度も様々である場合、上記t2〜
t8の時間が一定でないと、この変動分の時間間隔にお
けるの被写体の移動に対応したレンズ駆動量の変化を何
らかの方法で算出して補正しなければならず、露光の瞬
間にL1とL2が交差又は合致するように制御すること
が非常に難しくなる。従ってAFモータ駆動時間を一定
の値に定め、モータ駆動開始から一定時間後にミラーア
ップ開始とする事が追尾の性能を高める上で重要とな
る。図4はAFCPUの追尾モードでの動作をさらに詳
しく各内部フラグと各IO信号との関係からながめた動
作フローチャートである。
【0027】ディレイフラグ(DLYFLG)はミラー
アップ後のモータディレイ駆動状態を表わすフラグであ
り、ONの時はディレイ駆動中、OFFの時はディレイ
駆動外である。駆動状態フラグ(MOVFLG)はモー
タ駆動状態を表わすフラグでありONの時はモータ駆動
中、OFFの時は停止中である。追尾ディレイフラグ
(PDYFLG)は追尾モードでのモータ駆動開始から
ミラーアップ開始までのモータ追尾ディレイ駆動状態を
表わすフラグであり、ONの時は追尾ディレイ駆動中O
FFの時は追尾ディレイ駆動外である。ミーラフラグ
(MIRFLG)は追尾モードでのミラーアップ前後状
態を表わすフラグであり、ONの時はミラーアップ前O
FFの時はミラーアップ後である。図4において駒速モ
ードはC2、フォーカスモードはCが選択されている、
即わち追尾モードが選択されており、レリーズボタン信
号(RB)は全押し(ON)となっている。AFCPU
は時刻t1においてCCD蓄積焦点検出演算を終了(O
FF)してメインCPUからのAF許可を待機する。
【0028】時刻t2においてメインCPUが巻上チャ
ージを完了しAF許可信号を許可(ON)にするとAF
CPUはこれを検知して焦点検出演算結果に基づいたモ
ータ駆動を開始する。同時に駆動状態フラグ(MOVF
LG)を駆動中(ON)、追尾ディレイフラグ(PDY
FLG)を追尾ディレイ中(ON)、ミラーフラグ(M
IRFLG)をミラーアップ前(ON)にセットする。
時刻t2よりAFCPUは追尾ディレイ時間(T1)の
計時を開始し時刻t3に計時を終了すると、追尾ディレ
イフラグ(PDYFLG)を追尾ディレイ外(OFF)
にリセットしメインCPUに対しレリーズ許可信号(R
L)を許可(ON)とする。上記追尾ディレイ時間(T
1)を設けることによりミラーアップ開始までに一定の
AFモータ駆動時間を確保することができる。メインC
PUはレリーズ許可信号(RL)が許可(ON)となっ
たことを検知して、時刻t4よりミラーアップ動作を開
始する同時にミラーアップ信号(MR)をアップ(O
N)にする。
【0029】AFCPUはミラーアップ信号(MR)が
アップ(ON)になったことを検知してレリーズ許可信
号(RL)を禁止(OFF)とする。又同時にミラーフ
ラグ(MIRFLG)をミラーアップ後(OFF)にリ
セットし、ディレイフラグ(DLYFLG)をディレイ
中(ON)にセットする。AFCPUは時刻t4よりデ
ィレイ時間(T2)の計時を開始し、時刻t5に計時を
終了すると、ディレイフラグ(DLYFLG)をディレ
イ外(OFF)にリセットしモータ駆動がこれ以前に終
了していない場合にはモータ駆動を強制的に終了させる
とともに駆動状態フラグ(MOVFLG)を停止中(O
FF)とする。AFCPUはこれ以降ミラーアップ信号
(MR)がダウン(OFF)となるのを待機している。
メインCPUは時刻t4より始まった一連のミラーアッ
プ動作、シャッタ動作、ミラーダウン動作を終了すると
時刻t6においてミラーアップ信号(MR)をダウン
(OFF)とする。AFCPUはこれを検知して次回の
CCD蓄積動作を開始する。
【0030】以上のように追尾モードにおいては撮影動
作間に必ず一回の焦点検出及びAFモータ駆動動作が行
なわれるとともにAFモータ駆動時間が最大で追尾ディ
レイ時間(T1)+駆動ディレイ時間(T2)だけ確保
できるので動きの速い被写体に対して十分追尾を行なう
ことが可能になる。以上が追尾モードでのAFCPUの
動作が時間的流れの概要である。次に本発明の実施例に
おけるAFCPUとメインCPUの具体的プログラム及
びその動作について説明する。まずメインCPUのプロ
グラムについて図5、図6のフローチャートを用いて説
明する。メインCPUはタイマーを内蔵しておりタイマ
ー割込み機能を有している。プログラムは図5に示すメ
インプログラムと図6に示すタイマー割込みプログラム
の2つから構成されている。図5において、メインプロ
グラムは#100においてまずイニシャライズを行な
う。即わちAFCPUに対するIO信号ミラーアップ信
号(MR)をダウン(OFF)、AF許可信号(AF)
を許可(ON)とする。又所定時間毎例えば、50msお
きにタイマー割込がかかるようにタイマーをセットしタ
イマー割込を許可する。
【0031】次に#105でレリーボタン(RB)が全
押(ON)となるのを待機する。レリーズボタン(R
B)が全押し(ON)になると#110に進みフォーカ
スモード(FM)がマニュアル(M)であるかテスト
し、マニュアルの場合は#115から#125までのレ
リーズ許可待機をせずに即#130以降の撮影動作処理
にジャップする。#110でマニュアルでなかった場合
#115でフォーカスモード(FM)が連続AF(C)
であるかテストし連続AFでない即わちワンショットの
場合には#125に進む。#115で連続AFだった場
合には#120で駒速モードが通常連続撮影(C2)で
あるかテストし、C2でない場合には#130にジャン
プする。#120で駒速モードC2だった場合は#12
5に進む。#125ではレリーズ許可信号(RL)が許
可(ON)になるのを待機し、許可になると#130に
進む。以上の#110〜#125ではフォーカスモード
がワンショットAFあるいはフォーカスモードが連続A
Fで駒速モードがC2即ち追尾モードの場合だけAFC
PUからのレリーズ許可信号を待機してから#130以
降の撮影動作処理に進みそれ以外のモード設定の場合に
は、即#130以降の撮影動作処理を行なうことにな
る。
【0032】#130ではミラーアップ信号(MR)を
アップ(ON)にして、#135で後述するタイマー割
込処理で行なわれるAE演算結果により目標絞り値にな
るよう絞り制御を行なうと同時にミラーアップ制御を行
なう。#140ではAE演算により求められたシャッタ
速度でシャッタ制御を行なう。#145ではミラーダウ
ン制御を行なうとともに絞り制御を行ない絞りを開放に
する。#150ではミラーアップ信号(MR)をダウン
(OFF)にし、次に#155ではAF許可信号(A
F)を禁止(OFF)にして#160で巻上チャージ制
御を行なう。巻上チャージが完了すると#165でAF
許可信号(AF)を許可(ON)にする。#170では
駒速モードが通常連続撮影(C2)であるかテストし、
C2であった場合には#175に進み、所定時間のディ
レイの後再び#105に戻る。又#170でC2でなか
った場合には、#180で駒速モードがシングル(S)
がテストし、シングルであった場合には#185でレリ
ーズボタン信号(RB)が全押でなくなる(OFF)の
を待機して、全押でなくなった#105に戻る。#18
0でシングルでない場合即ち高速連続撮影(C1)であ
った場合は即#105に戻り、次回の撮影動作シーケン
スをくり返す。図6はメインCPUのタイマ割込プログ
ラムであり、メインCPUがメインプログラムを実行中
に所定時間毎(例50ms)にタイマ割込プログラムが起
動する。
【0033】まずタイマー割込がかかると、#200で
図1に示したレンズCPU13と通信バス64を通じて
通信し、レンズのAE情報(設定絞り値、焦点距離等)
を取り込む。次に#205で図1のAE情報手段85よ
りボディのAE情報(測光値、フィルム感度等)を収集
する。#210ではレンズのAE情報及びボディのAE
情報、に基づいてAE演算を行ない目標絞り値、シャッ
タ速度等を決定する。#215ではAE演算で得られた
結果を図1の表示手段86に表示し#220でメインプ
ログラムへリターンする。以上がメインCPUのプログ
ラム動作である。次にAFCPUのプログラムについて
説明する。AFCPUはCCD出力のAD変換データを
格納するメモリとタイマーとパルスカウンタを内蔵して
おりタイマー割込機能とパルスカウンタ割込機能を有し
ている。表3にAFCPUのプログラムで使用するフラ
グの名称及び意味を示す。表4にAFCPUのプログラ
ムで使用するデータの名称及び内容を示す。図7にAF
CPUのプログラム概要を示す。AFCPUのプログラ
ムはメインプログラムと2つの割込プログラム(タイマ
ー割込プログラム及びパルスカウンタ割込プログラム)
とから構成されている。更にメインプログラムは(1)〜
(11)のモジュールから構成されており大きなループ構
造となっている。
【0034】メインプログラムではまず(1)イニシャラ
イズモジュールで各種フラグ、データ、信号の初期化を
行なう。次に(2)蓄積前処理モジュールでCCD蓄積開
始可・不可の判定を行ない、蓄積可(ミラーがダウンし
ていてAFモータが停止している)となった場合は、
(3)CCD蓄積制御モジュールでCCDの蓄積開始・終
了・蓄積時間の管理の制御を行なう。 (4) CCD出力AD変換モジュールではCCD出力を
AD変換したCCDデータを内部メモリに格納する。 (5) AFアルゴリズムモジュールでは格納されたデー
タに所定の焦点検出演算を施こして静的被写体に対する
デフォーカス量を算出する。 (6) レンズ情報読み込みモジュールではレンズCPU
と通信を行ないモータ駆動等に必要なレンズAF情報を
取り込む。 (7) 追尾アルゴリズムモジュールでは動的被写体か否
かを判定し、動的被写体と判定された場合は、静的被写
体に対するデフォーカス量に追尾補正量を加えて動的被
写体に対するモータ駆動量(追尾駆動量)を決定する。 (8) 合焦判定・表示モジュールでは、合焦状態(デフ
ォーカス量が合焦ゾーン内であるか否か)の判定を行な
い、判定結果を図1のAF表示手段40に表示する。 (9) AF許可待機モジュールでは追尾モードの場合メ
インCPUから送られてくるAF許可信号(AF)が許
可(ON)となるのを待機する。 (10) 駆動制御モジュールではデフォーカス量をパルス
数の変換し該パルス数データを比較レジスタにセットす
るとともに合焦方向にAFモータの駆動を開始する。 (11) AGC(オートゲインコントロール)演算モジュ
ールでは、今回得られたCCDデータに基づいて次回の
CCDデータが適当な値となるように次回のCCD蓄積
時間(INTT)を決定し、(2)蓄積前処理モジュール
に戻る。以上がAFCPUのメインプログラムの概要で
あり、CCDの蓄積動作とAFモータ駆動による撮影レ
ンズの駆動動作が互いに時間的に独立したシーケンスと
なっている。 (12) タイマー割込みモジュールでは、各種IO信号の
変化の検知及びそれに応じたフラグのセット・リセット
処理、駆動ディレイ時間の管理、レンズ端の検出が行な
われる。 (13) パルスカウンタ割り込みモジュールでは、AFモ
ータの駆動停止処理が行なわれる。
【0035】次に各モジュールの動作について詳細な説
明を行なう。図8は(1)イニシャライズモシュールのフ
ローチャートであり、AFCPUは電源ON又はリセッ
トにより#230より処理を開始する。#230ではA
FCPUのプログラムで使用する各種フラグ及びデータ
の初期化を行なう。フラグ及びデータの初期値について
は表3及び表4に示した通りである。表4で初期値が空
欄となっているものは初期化の不要なものである。又C
CDの蓄積時間(INTT)の初期値は所定値IZ(例
えば1ms)にセットされる。次に#235ではレリーズ
許可信号(RL)を禁止(OFF)にする。これはワン
ショットAFモードや追尾モードで電源ONで即レリー
ズボタンを全押しても撮影動作が行なわれないようにす
るためである。#240では、図1のAF表示手段40
の表示部41、42、43、44を全て表示OFFとす
る。#245では、AFモータの初期化(停止)を行な
う。#250ではCCDの受光部転送部に蓄積されてい
る電荷を掃き出すとともにCCDを蓄積終了状態にさせ
る指令を図1のセンサー制御手段26に送りCCDを初
期化する。#255では、AFCPUに内蔵されたタイ
マー類のセットを行ない。タイマー割り込みが所定時間
(例えば1ms)おきにかかるようにする。#260では
上記タイマー割込の受付を許可する。#265ではAF
モータ駆動停止のためのパルスカウンタ割込を禁止して
(2)蓄積前処理モジュールへ進む。
【0036】(2)蓄積前処理モジュール以降の説明は、
前述のようにループ構造となっているので電源ON時の
動作ではなくループを何回かまわった時の動作として説
明を行なう。図9に(2)蓄積前処理モジュールのフロー
チャートを示す。#270では追尾モードであるかテス
トし、追尾モードでない場合には、#276へジャンプ
する。#270で追尾モードであった場合は#275で
ミラーアップが終了したかテストし、ミラーアップが終
了していない場合は再び#270へ戻り以上の処理をく
り返し、#275でミラーアップが終了していると判定
された場合は#276へ進む。以上の#270、#27
5の処理は、図4の動作タイムチャートに示すように追
尾モードでレリーズボタンが全押しされている場合に撮
影動作間に1回だけ焦点検出演算及びAFモータ駆動動
作を行なわせるための処理である。即わち追尾モードの
全押中には後述するようにAFモータ駆動開始時点でミ
ラーフラグ(MIRFLG)がONにセットされるとと
もに、次回のCCD蓄積開始は、必ずミラーアップによ
りミラーフラグ(MIRFLG)がOFFされた後とな
る。追尾モード以外では余裕があれば撮影動作間に何回
でも焦点検出演算及びAFモータ駆動を行なうので#2
75をスキップする。追尾モードにおいては撮影動作間
に必ず1回だけ焦点検出演算を入れるのは次の理由によ
る。即わち連写撮影中の追尾においては、露光の瞬間に
ピントが合った状態となるように追尾補正量を算出し、
そのようにレンズを駆動制御する事は前にも述べた通り
である。
【0037】上記の目的を精度よく達成するためには露
光、蓄積演算、駆動、露光、蓄積演算、駆動…が所定の
時間間隔でくり返し行なわれる事が望ましい。露光と駆
動の間に蓄積演算の入る回数がその都度異なる場合、サ
イクルタイムが変動するようになり、正確な動体判定を
行ない、正確な追尾補正量を求める処理が非常に煩雑又
は困難となる。#276ではスキャン中(SCAFLG
がON)かテストし、スキャン中の場合は#280のA
Fモータの駆動の停止を待機せずに#285へジャンプ
する。これはスキャン中だけはAFモータのスキャン駆
動動作とCCDの蓄積動作を時間的に並列に行なうこと
を許可するためである。#276でスキャン外であった
場合には#280へ進む。#280ではAFモータの停
止(MOVFLGがOFF)を待機し、停止したら#2
85に進む。これは前述のようにCCDの蓄積動作とA
Fモータの駆動動作を時間的に分離するためである。#
285では現在追尾中か否かテストし追尾中でなかった
場合は#305へジャンプする。追尾中(PRSFLG
がON)とは後述の追尾アルゴリズムにおいて被写体が
動的被写体であると判定され、AFモータの駆動量を
(通常の駆動量+追尾補正量)としてAFモータの駆動
を行っている状態である。#285で追尾中であった場
合には#290で更に被写体が接近中(追尾駆動量DR
IV<0即ち駆動方向が至近方向)であるかテストし、
接近中の場合は#305にジャンプする。#290では
接近中でない場合即わち被写体が遠ざかっている場合に
は、#295で駆動の残量(予定パルス数ETM−現在
までのパルスカウント数ECNT)が所定量EXより大
きいかテストし、大きくない場合は#305へジャンプ
する。#295で駆動残量が大きいと判定された場合
は、#300へ進み追尾補正量をクリア(COMP=
0)する。尚、追尾補正量は後述する追尾アルゴリズム
で使用されるデータである。#285から#300まで
の処理を要約すると追尾中でかつ被写体が遠ざかってい
てかつAFモータ停止時の駆動残量が大きい場合には追
尾補正量をクリアするという処理になる。
【0038】このような処理を行なう理由について図1
0を用いて説明する。図10において実線は被写体が一
定の速度で遠ざかっている場合にフィルム面上に被写体
像を常に結像させるための理想的な撮影レンズ11のレ
ンズ位置の軌跡、一点鎖線は実際の追尾中で全押の場合
の撮影レンズの動きの軌跡を表わしている。時刻t0に
撮影レンズ11の位置がZ0で停止しCCDの蓄積を開
始し、蓄積時間の中点の時刻t1において実線と一点鎖
線がほぼ交わっていて静的被写体に対するデフォーカス
量はほぼ0となり追尾アルゴリズムによって動的被写体
と判定され追尾補正量が加わえられた追尾駆動量(Z2
−Z0)だけ時刻t2より駆動を開始した場合について
考察する。追尾中で全押の場合は図4の動作タイムチャ
ートでも説明したようにAFモータの全駆動時間が所定
時間(ほぼT1+T2)に制限されているので、追尾駆
動量が大きく時刻t2より所定時間後の時刻t3までに
所定レンズ位置Z2に到達していない場合はAFモータ
の駆動は時刻t3レンズ位置Z1で強制的に終了させら
れる。時刻t3より再びCCDの蓄積を開始し、蓄積時
間の中点の時刻t4において実線の位置がZ3であった
とすると、静的被写体に対するデフォーカス量は(Z3
−Z1)に対応するものとなる。一方、追尾アルゴリズ
ムにおいて再び動的被写体と判定されると前回と同程度
の追尾補正量を加えられた追尾駆動量は(Z4−Z3)
となり時刻t5より駆動を開始すると破線で示す如く実
線よりもかなり行きすぎてしまう。ところが時刻t5に
おいて動的被写体でないと判定されれば静的被写体に対
するデフォーカス量に対応する駆動量(Z3−Z1)だ
け時刻t5より駆動され時刻t6においてレンズ位置Z
3に到達するので実線より行きすぎることはない。
【0039】そこで図9の#285から#300の処理
では追尾中に駆動量の残量が大きくなった場合(図10
で時刻t3でAFモータが強制停止させられたようなケ
ース)では追尾補正量をクリアする後述する追尾アルゴ
リズムでは追尾中に追尾補正量がクリアされるとその回
に動的被写体は判定されなくなるので、時刻t5以降追
尾外となり一点鎖線の軌跡で撮影レンズを移動すること
ができる。図9の#290で被写体の移動方向をテスト
し、接近中は追尾補正量をクリアしないのは一定速度で
被写体の接近する場合、理想的なレンズの動きは接近す
るとともに大きくなるので上記のような撮影レンズの行
きすぎといった問題は少ないためである。一方、被写体
が遠ざかる場合には理想的なレンズの動きは遠ざかるに
つれて減少するが、上記のような行きすぎが問題とな
る。もちろん接近してくる場合も遠ざかる場合と同様に
してもかまわない。又#295の所定量EXは実験によ
り一定量に決定することができるし、種々の条件(レン
ズ焦点距離、焦点検出サイクル時間=焦点検出時間+駆
動時間、等)によって変えることもできる。
【0040】図9に戻り再び(2)蓄積前処理モジュール
の説明を行なう。#305では次の(3)CCD蓄積制御
モジュールに備えて、メインCPUからミラーアップ信
号(MR)のダウン(OFF)を待機し、ミラーアップ
信号がダウンすると(3)CCD蓄積制御モジュールに進
む。図11は(3)CCD蓄積制御モジュールのフローチ
ャートである。#320に進んでくる前にスキャン中以
外はモータの駆動停止が確認され、さらにミラーがダウ
ンしていてCCDの蓄積が可能なことが確認されてい
る。#320では図1のセンサ制御手段26に対してC
CDの蓄積開始指令を出しCCDの蓄積を開始させる。
#325では第1回目のCCD蓄積以外は後述の(11)
AGC演算モジュールで決定された蓄積時間(INT
T)を計時する。第1回目のCCD蓄積の場合は(1)イ
ニシャライズモジュールで初期設定された蓄積時間(I
NTT=IZ)となる。計時方法はAFCPUに内蔵さ
れたタイマーあるいはソフト上で作られたタイマーによ
る。#325の蓄積時間の計時を終了すると、#330
でセンサ制御手段26に対してCCDの蓄積終了指令を
出しCCDの蓄積を終了させ、(4)CCD出力AD変換
モジュールに進む。
【0041】図12は(4)CCD出力AD変換モジュー
ルのフローチャートである。#340でAFCPUはセ
ンサ制御手段26から送られてくるCCD出力同期信号
と同期をとってCCD25から送出されるCCD出力の
AD変換を開始する。#345では以後センサ制御手段
26から送られるCCD出力転送ブロックに同期して所
定回数(2n回)だけCCD出力をAD変換してCCD
データを内部メモリに格納する。ここで一対のCCDデ
ータはA(1)〜A(n) B(1)〜B(n)としA(1)
とB(1) A(2)とB(2)・・・A(n)とB(n)が
図2の1対の受光部29A、29Bの対応する受光素子
の出力データとする。CCDデータの格納が終了すると
次の(5)AFアルゴリズムモジュールに進む。図13は
(5)アルゴリズムモジュールのフローチャートである。
#360では内部メモリに格納された2nケのCCDデ
ータA(1)〜A(n) B(1)〜B(n)を用いて本出
願による特開昭60−37513に開示された公知の相
関演算を行ない図2のCCD25上の一対の被写体像の
相対的横ずれ量(SHIFT)及び求められた横ずれ量
の信頼性を示すパラメータ(SLOP)を求める。図1
4、図15も用いて公知の相関演算について簡単に説明
する。まず(1)式の相関演算を行ないCCDデータ同志
の相関量C(L)を求める。
【数1】 ただし(1)式においてLは整数であり一対のCCDデ
ータの受光素子ピッチを単位とした場合の相対的シフト
量である。又(1)式の積算演算はCCDデータが存在
する範囲で実行するものとする。
【0042】(1)式の演算結果は、図14において相
対的シフト量Lを横軸に取りかつ相関量C(L)を縦軸
に取って示すように、1対のCCDデータの相関が高い
シフト量Lにおいて相関量C(L)が最小になる。とこ
ろが実際上当該相対的シフト量Lは受光部29A、29
Bを構成する受光素子から離散的に得られるデータに基
づいて決まるので、相関量C(L)も離散的になる。そ
こで演算により求めた相関量C(L)から必ずしも直接
に相関量C(L)の最小素値C(L)MIN が得られると
は限らない。そこで図15に示す3点内挿の手法を用い
て相関量C(L)の最小値C(L)MIN を求める。すな
わち離散的に求められた相関量C(L)における最小値
が相対的シフト量LがL=xのとき得られたとすると、
その前後の相対的シフト量x−1、x+1に対応する相
関量C(L)はC(x−1)、C(x)、C(x+1)
になる。そこで先ず最小相関量C(x)と、残る2個の
相関量C(x−1)及びC(x+1)のうち大きい相関
量(図9の場合C(x+1))とを結ぶ直線Hを引き、
次に残る相関量C(x−1)を通りかつ直線Hと傾きが
反対な直線Jを引いてこれら2つの直線H及びJの交点
Wを求める。この交点Wの座標は相対的シフト量x
m と、その相関量C(xm )とで表すことができ、この
座標によって連続的な相対的シフト量における最小相対
的シフト量xm と最小相関量C(xm )を表すことがで
きる。かかる3点内挿手法を演算式で表せば、最小相対
的シスト量xm は次式
【数2】 のように表すことができると共に、その相関量C
(xm )は次式
【数3】 のように表すことができる。
【0043】ここで(2−1)及び(2−2)式におい
てDは、相対的シフト量・・・x−1、x、x+1・・
・の各データ間の偏差で次式
【数4】 のように表すことができる。また(2−1)及び(2−
2)式においてSLOPは相対的シフト量x−1、x、
x+1に対応する相関量C(x−1)、C(x)、C
(x+1)間の偏差のうち大きい方の偏差を表し、次式 SLOP=MAX(C(x+1)−C(x),C(x−1)−C(x)) …(4) のように表すことができる。
【0044】(1)式〜(4)式で表される演算式は、
相対的シフト量xm が1対のCCDデータの相対的ずれ
量を表し、受光素子のピッチをyとすれば、CCD25
上に結像される2つの被写体像の相対的な横ずれ量SH
IFTは SHIFT=y×xm …(5) のように表すことができる。また焦点面におけるデフォ
ーカス量DEFは次式 DEF=KX×SHIFT …(6) のように表すことができる。ここで、KXは図2に示し
た焦点検出光学系の構成上の条件などによって決まる係
数である。又(4)式で求めたパラメータSLOPはそ
の値が大きい程図14で示す相関量C(L)のへこみが
深く即ち相関が大きいことを示し従って求められたデフ
ォーカス量DEFの信頼性が高いことを示している。再
び図13に戻り説明を続ける。#360で以上のように
してシフト量(SHIFT)及び信頼性(SLOP)を
求める。#365ではシフト量(SHIFT)が求まっ
たかテストする。即ち図14において最大シフト量(図
では5)までシフト量Lをずらしてもへこみが見つから
なかった場合にはシフト量(SHIFT)を求めること
はできない。#365でシフト量(SHIFT)が求ま
らなかった場合には#385に進む。#365でシフト
量が求まった場合には、#370で求められるデフォー
カス量(DEF)の信頼性が有するか(SLOPが所定
値SX以上あるか)否かテストし、無いと判定された場
合には#385に進む。#370で信頼性が有ると判定
された場合には、#375でローコンフラグ(LOCF
LG)をリセット(OFF)にして焦点検出が不能でな
いとし、#380では求められたシフト量(SHIF
T)から(6)式によってデフォーカス量(DEF)を
求めて次の(6)レンズ情報読み込みモジュールに進む。
1方#365でシフト量が求まらなかったと判定された
場合あるいは#370で信頼性がないと判定された場合
は、#385に進み、ローコンフラグ(LOCFLG)
をセット(ON)にして焦点検出不能だったとし、次の
(6)レンズ情報読み込みモジュールに進む。
【0045】図16は(6)レンズ情報読み込みモジュー
ルのフローチャートである。#390で図1の通信バス
64を通じてレンズCPU13と通信を行ないAFCP
Uが必要とするレンズAF情報を取り込み、内部メモリ
に格納する。例えばデフォーカス量(DEF)をパルス
数に変換する時に必要なパルス変換係数KL、レンズの
焦点距離FL、AF可能なレンズであるか否かの情報等
のデータがレンズCPU13からAFCPUに送られ
る。#395では取り込んだレンズ情報に基づき装着さ
れているレンズがAFレンズ(AF可能なレンズ)であ
るかテストし、AFレンズと判定されると、#405で
AFレンズフラグ(AFLFLG)をセット(ON)
し、(7)追尾アルゴリズムに進む。又#395でAFレ
ンズでないと判定されると#400でAFレンズフラグ
をリセット(OFF)して、次の(7)追尾アルゴリズム
に進む。
【0046】図17は(7)追尾アルゴリズムモジュール
のフローチャートである。#410〜#425のブロッ
クはレリーズボタン全押中におけるショット回数をカウ
ントするためのブロックであり、#410でリレーズボ
タン信号(RB)が全押し(ON)であるかテストし、
全押しでない場合は#425でショットカウンタ(PC
OUNT)を0にクリアして#430へ進む。一方#4
10で全押しであった場合には、#415で更にショッ
ト回数が3未満(PCOUNT<3)であるかテスト
し、3未満でない即ち3以上の場合はショット回数はそ
のままにしておいて#430へ進む。#415で3未満
であった場合には#420へ進みショット回数に1を加
算(PCOUNT=PCOUNT+1)する。又ション
トカウンタ(PCOUNT)のデータは追尾モードにお
いてのみ後述の追尾判定等に使用される。追尾モードに
おいて全押中は撮影動作間に必ず一度CCD蓄積及び焦
点検出動作が確保されており撮影動作間に必ず1度(7)
追尾アルゴリズムモジュールが実行されるので、上述の
#410から#425のブロックによりショット数がカ
ウントされることになる。#430から#515までの
ブロックは追尾モードにおける追尾動作を行なうか否か
の判定を行なうブロックである。
【0047】追尾動作を行なう条件を表5にまとめて示
す。以下順を追って追尾動作の判定について説明する。
#430では現在追尾モードであるか(PMDFLG
ON)テストする。尚追尾モードフラグ(PMDFL
G)は後述するタイマー割込処理においてフォーカスモ
ード及び駒速モードの組み合わせを定期的に調べて更新
される。#430で追尾モードでなかった場合は追尾動
作を行なわず#545へ進む。#430で追尾モードだ
った場合は#435で焦点検出不能であるか(LOCF
LG ON)テストする。焦点検出不能であった場合に
は追尾動作を行なわず#545へ進む。#435で焦点
検出が可能であった場合は#440へ進み求められたデ
フォーカス量(DEF)の信頼性があるか即ち(4)式
で求めた信頼性を表わすパラメータSLOPが所定値S
Z以上であるかテストする。もちろん所定値SZは#3
65で用いた所定値SXよりは大きい値を持つ。#44
0で信頼性がないと判定された場合は追尾動作を行なわ
ず#545へ進む。このような判定を行なう理由は、信
頼性がない場合は求められたデフォーカス量DEFも誤
差を多く含み、このまま後述する追尾動作を行なうと撮
影レンズが静的被写体に対しても不安定動作(ハンチン
グ等)を起こしてしまうので、このような不安定動作を
未然に防ぐためである。#440では(4)式で求めた
パラメータSLOPの値により信頼性を判定している
が、これら限られることはなく信頼性を判定できる処理
であればかまわない。例えば(7)式で求めるコントラ
スト情報CONTと所定値との大小を比較して信頼性を
判定するようにしてもよい。
【数5】 (7)式においてA(i)はCCDデータ、lは所定の
整数である。#440で信頼性があると判定された場合
には、#445へ進み、スキャン中(SCAFLG O
N)かテストする。#445でスキャン中と判定される
と追尾動作を行なわず#545へ進む。
【0048】スキャン中に求めたデフォーカス量は、撮
影レンズを駆動中にCCD蓄積を行ったCCDデータに
基づいて求められたデフォーカス量なので誤差を多く含
んでおり、このフォーカス量に基づいて追尾動作を行な
うと不安定動作を起こし易くなる。#445はこのよう
な不具合を防ぐための判定である。#445でスキャン
中でない場合には、#450へ進み前回駆動を行った
(DRVFLGがON)かテストし駆動を行なわなかっ
た場合には追尾動作を行なわず#545へジャンプす
る。その理由は追尾動作は後述するように撮影レンズが
動いたという仮定のもとに追尾補正量を加えて補正する
動作なので、撮影レンズが静止している状態からいきな
り追尾動作を行なうと追尾補正がうまく働らかず動作が
不安定になってしまうためである。従って撮影レンズが
静止している状態から追尾動作に移る間に必ず一回通常
の駆動(追尾補正をしない駆動)が入ることになり、不
安定動作を防ぐことができる。#450で前回駆動した
と判定された場合は、#455へ移り、前回の駆動が駆
動方向が反転してから最初の駆動(REVFLGがO
N)であるかテストする。
【0049】駆動反転プラグ(REVFLG)は後述す
る(10) 駆動制御モジュールにおいて駆動方向が反転し
た時にセットされるフラグである。前回の駆動が駆動方
向が反転してから最初の駆動であると判定されると追尾
動作を行なわず#545へジャンプする。図18を用い
て#455の分岐の理由を説明する。図18(A)は#
455の判定がない場合の撮影レンズの動きを示す図で
あって、実線は静止している被写体に対してその被写体
像をフィルム面に一致させるための撮影レンズの位置
(合焦位置)を示し、2点鎖線は実際の撮影レンズの動
きを示している。撮影レンズのデフォーカスしている位
置から駆動D0により合焦位置に近づき誤差のため合焦
点を通りすぎて停止した場合、この位置で求めたデフォ
ーカス量がDEF0となった。次にこの位置よりデフォ
ーカス量DEF0に基づいて合焦位置へ向って駆動D1
を行なうがこの駆動D1は反転後初めての駆動のため、
図1のボディ伝達系51及びレンズ伝達系12のバック
ラッシュにより破線のように合焦位置までは駆動せずに
合焦位置よりバックラッシュ分離れた位置で停止する。
この位置で求めたデフォーカス量がDEF1になると、
前回駆動行ったにもかかわらず合焦位置に到達しなかっ
たので追尾動作に入り次回の駆動D2の駆動量はデフォ
ーカス量DEF1の2倍に相当するものになり、合焦位
置を通りすぎてしまう。これ以降も同様な動作をくり返
し合焦位置付近でハンチングを起こすことになる。
【0050】一方図18(B)の場合は、反転後2回目
の駆動D2の際には、追尾動作を行なわないので駆動量
はデフォーカス量DEF1に相当するものとなり合焦位
置へ到達することができる。上述の説明では撮影レンズ
の駆動方向が反転した際には反転後2回の駆動は追尾動
作を禁止しているが2回に限られることはなく2回以上
の所定回数であればよい。又反転後初回の駆動において
所定量以上の駆動が行なわれた場合には2回目の駆動に
おいて追尾動作を許可するようにしてもよいし、反転後
の累積駆動量が所定量以上となったら追尾動作を許可す
るようにしてもよい。又反転後所定時間の間追尾動作を
禁止するようにしてもよい。以上した説明したように#
455の処理は、駆動反転時のバックラッシュによる不
安定動作を防止するための処理である。#455で前回
の駆動が駆動方向が反転してから最初の駆動でないと判
定されると#460に進み現在追尾中(PRSFLGが
ON)であるかテストする。追尾中フラグは後述するよ
うに追尾動作を行なう即ち動的被写体だと判定して静的
被写体に対するデフォーカス量に追尾補正量を加えた追
尾駆動量によって駆動を行なう際にセット(ON)され
る。#460で追尾中でない場合には、#465で追尾
補正量(COMP)を0にクリアして#480へ進む。
#460で追尾中と判定された場合には、#470に進
み今回求められたデフォーカス量(DEF)と前回の追
尾デフォーカス量(PLST)の符号が同符号であるか
テストする。同符号であった場合には#480に進み、
異符号であった場合には#475に進みデフォーカス量
の絶対値(|DEF|)が所定値DXより大きいかテス
トする。#475で大きいと判定された場合には、追尾
動作を行なわずに#545へジャンプする。#475で
小さいと判定された場合には、#480へ進む。#47
0から#475の処理は追尾動作の終了時の応答を速く
するための処理であって、図19を用いてこれを説明す
る。
【0051】図19において実線は被写体に対する被写
体像をフィルム面に一致させるための撮影レンズ位置の
理想的な軌跡であり、1点鎖線は実際の撮影レンズの動
きの軌跡である。レリーズの行なわれる以前の追尾動作
においては後述するように動的被写体に対しても焦点検
出結果であるデフォーカス量(DEF)が0になるよう
に追尾補正を行って駆動をしている。従ってCCDの蓄
積時間の中点において実線と一点鎖線が交わるように動
作が行なわれる。(図は駆動終了後即ち蓄積時間がほと
んど0の蓄積を行ったと仮定して描いたものである。)
追尾動作中に被写体が急停止した場合図19に示すよう
に前回の追尾デフォーカス量(PLST)と今回のデフ
ォーカス量(DEF)の符号は反転するとともにその絶
対値はかなり大きくなる。
【0052】しかしこのような場合でも今回の追尾デフ
ォーカス量(PRED)は今回のデフォーカス量(DE
F)に追尾補正量(COMP)を加えたものになり、前
回の追尾デフォーカス量(PLST)と同符号で同程度
の大きさになってしまうので後述する#480から#5
15の判定処理においても追尾不可と判定されることが
なく追尾動作に入ってしまい、図19に破線で示す如く
撮影レンズは合焦位置から更にオーバランしてしまう。
そこで#470、#475によりこのような場合には追
尾動作に入らないようにしており図19の示すように1
度合焦位置を通りすぎると追尾動作を行なわずに次の駆
動では即ち合焦位置に到達することができることにな
る。#480では今回の追尾デフォーカス量(PRE
D)を今回のデフォーカス量(DEF)と前回の追尾補
正量(COMP)の和として計算を行なう。#485で
は今回の追尾デフォーカス量(PRED)との符号と前
回の追尾デフォーカス量(PLST)の符号が同符号で
あるかテストし、異符号の場合は追尾動作を行なわずに
#545へジャンプする。これは追尾の方向が反転した
ときは一旦追尾動作から抜けて通常の駆動を行なうこと
により、被写体の動きの反転した時に不安定動作(ハン
チング、オーバーラン等)をしないようにするためであ
る。#485で同符号の場合には#490へ進み、今回
の追尾デフォーカス量(PRED)と前回の追尾デフォ
ーカス量(PLST)の和の絶対値(|PRED+PL
ST|)が所定値δ(例えば200μm)以上であるか
テストする。所定値δ以下であった場合は追尾動作を行
なわずに#545へジャンプする。#490の処理は、
合焦位置近傍では追尾デフォーカス量とそれに含まれる
誤差値が同程度になりこれを用いて追尾動作を行なうと
合焦位置近傍で不安定動作(ハンチング、オーバーラン
等)を起こしてしまうので、これを防止することを目的
としている。所定値δは実験的に一定値に決定したり、
種々の条件(レンズ焦点距離、追尾中か否か、デフォー
カス量の信頼度等)に応じて変えることもできる。
【0053】特に安定性を確保するために追尾中には所
定値δ1、非追尾中には所定値δ2(>δ1)とヒステ
リシスを設けることは有効である。#490のかわりに
今回の追尾デフォーカス量(PRED)の絶対値の大き
さだけで追尾可否を判定することも可能であるが、#4
90のように前回の追尾デフォーカス量(PLST)と
の和を取ることによって追尾デフォーカス量に含まれる
誤差の影響を軽減し、より安定な追尾動作を保証するこ
とができる。#490で所定値δ以上あると判定される
と#495へ進む。#495から#515の処理は、今
回の追尾デフォーカス量(PRED)と前回の追尾デフ
ォーカス量(PLST)との比に応じて追尾動作の可否
を判定する処理である。前述したように追尾動作中はデ
フォーカス量(DEF)はほぼ0になり追尾補正量CO
MPはほぼ一定になる。従って今回の追尾デフォーカス
量(PRED)と前回の追尾デフォーカス量(PLS
T)との比は理想的にはほぼ1となる。追尾補正は被写
体がほぼ一定速度で運動していると仮定して行なう補正
であり、被写体の速度が急変した場合にもこのような追
尾補正を行なうと不安定動作(ハンチング、オーバーラ
ン等)を起こす可能性がある。被写体の速度が変わると
それに応じて追尾デフォーカス量の値も変化するので、
今回と前回の追尾デフォーカス量の比の値も1から大き
くなったり小さくなったりする。
【0054】そこで#495から#515の処理ではこ
の比が1を含む一定範囲の値になっている場合のみ追尾
動作を行なうようにして、被写体速度の急変による不安
定動作を防止している。#495から#505ではショ
ットカウンタ(PCOUNT)の値によって比の上限
(r)の値を変えている。この理由を図20を用いて説
明する。図において実線は動いている被写体に対して被
写体像をフィルム面と一致させるために必要な撮影レン
ズの動きの軌跡であり、一点鎖線は追尾動作時の実際の
撮影レンズの動きの軌跡である。全押し以前においては
AFCPUはCCDの蓄積及び焦点検出演算の動作とA
Fモータの駆動動作をくり返しており、その周期はほぼ
F0で一定してありショットカウンタ(PCOUNT)
の値は0になっている。全押し以降はショットカウンタ
(PCOUNT)は1になり駆動動作の後に撮影動作が
行なわれる。撮影動作が行なわれる以前には駆動終了後
即ちCCDの蓄積が行なわれたのに対し、全押以降は撮
影動作後にCCDの蓄積が行なわれるので、全押以前の
デフォーカス量はほぼ0であり全押以降初めのデフォー
カス量(DEF2)は大きな値となる。従って初回の撮
影動作後に初めて行なわれる(7)追尾アルゴリズムモジ
ュールの処理においては即ちショット回数が2回目(P
COUNT=2)の時は、前述の今回の追尾デフォーカ
ス量(PRED)は前回の追尾デフォーカス量(PLS
T)より大きくなるので、その比(r)の上限も大きく
取らないと追尾動作から不要にはずれてしまう。従って
ショットカウンタが2(PCOUNT=2)の場合に限
り比の上限(r)を通常の値(RS)より大きな値(R
L、RL>RS)にしている。
【0055】以上が#495から#505の処理の内容
であり#495で第1回目の撮影動作(レリーズ)後で
あるかテストし、第1回目(PCOUNT=2)でない
場合は、#505に進み比の上限の値(r)を所定値R
S(例えば3)にし、#510に進む。第1回目(PC
OUNT=2)の場合は#500へ進み、比の上限の値
(r)を所定値RL(例えば6)にし#510に進む。
#510では前述のように今回の追尾デフォーカス量の
絶対値(|PRED|)が前回の追尾デフォーカス量の
絶対値(|PLST|)のr倍以下であるかテストし、
r倍以下でない場合には追尾不可と判定して追尾動作を
行なわず#545へジャンプする。r倍以下だった場合
は#545へ進み、今回の追尾デフォーカス量の絶対値
(|PRED|)と前回の追尾デフォーカス量の絶対値
(|PLST|)の所定値K(例えば1/2)倍以上である
かテストする。K倍以上でなかった場合は追尾不可とし
て追尾動作を行なわず#545へジャンプする。K倍以
上であった場合は追尾可として#520へ進む。前述の
#490、#510、#515の判定処理における比較
パラメータδ、r、kは所定値として説明を行ったが、
追尾中か否かに応じて所定巾のヒステリシスをこれらの
パラメータに設けてもよい。ヒステリシスは追尾動作中
は追尾動作を抜けにくく又追尾動作外の時に追尾動作に
入りにくくするように設定する。
【0056】例えばδは追尾中はδ1追尾外ではδ2
(>δ1)、rは追尾中はRL1又はRS1、追尾外は
RL2(<RL1)又はRS2(<RS1)、kは追尾
中はk1、追尾外はk2(>k1)とする。このように
ヒステリシスを設けることにより追尾動作と追尾動作中
の間の遷移を安定に行なうことができる。#520から
#540は追尾動作のための演算処理である。#520
は追尾補正量(COMP)を今回の追尾デフォーカス量
(PRED)に係数αを乗じて演算する場合の係数αを
決定するための処理である。#520の処理の内容につ
いて図20を参照して説明する。図20において全押し
以前にはCCD蓄積及び焦点検出演算動作とAFモータ
駆動動作からなる周期はF0でほぼ一定なので係数αは
ほぼ1が適正である。全押し後は撮影動作が周期に含ま
れることになるので図に示すように周期がF1、F2、
F3と全押し以前の周期F0より長くなる。又全押し以
前にはCCDの蓄積時間の中点で実線と一点鎖線が交わ
るように係数αを決定する。全押し以後は撮影時の露光
の中点(図にEで示す)で実線と一点鎖線が交わるよう
に係数αを決定する。図に撮影動作時におけるCCDの
蓄積の開始から露光の中点までの周期をF1′、F
2′、F3′で示してあるが、係数αは前回の周期と今
回の露光の中点までの周期との比にほぼ比例し、ショッ
トカウンタが0(PCOONT=0)の場合は、係数α
はF0/F0〜1、1(PCOUNT=1)の場合はF
1′/F0=1.5、2(PCOUNT=2)の場合は
F2′/F1=0.9〜1、3(PCOUNT=3)の
場合はF3′/F2=0.8〜1が適している。又係数
αは被写体の運動方向及びレンズの焦点距離に応じても
変えることが望ましい。
【0057】図21を用いてその理由を説明する。図2
1(A)において実線は被写体が∞から至近に近づいて
くる場合の被写体像を常にフィルム面に一致させるため
の撮影レンズの動きの軌跡を示し、一点鎖線は被写体の
至近から∞に遠ざかる場合の撮影レンズの動きの軌跡で
ある。被写体が近づく場合には、至近に近づくにつれて
撮影レンズの動きが大きくなる。反対に被写体が遠ざか
る場合には、∞に遠ざかるにつれて撮影レンズの動きが
小さくなる。従って追尾補正量を決めるための係数α
は、被写体が遠ざかる時に近づく時より小さく設定して
おくのが好ましい。又図21(B)は近づいてくる被写
体に対する撮影レンズの軌跡を示し、実線は焦点距離が
短かい撮影レンズの動きの軌跡を示し、一点鎖線は焦点
距離が長い撮影レンズの動きの軌跡を示している。焦点
距離が長い場合は無限遠∞から至近まで撮影レンズの動
きが一定であるのに対し、焦点距離が短かい場合は至近
に近づくにつれて撮影レンズの動きの軌跡が急激に立上
がる。従って係数αは焦点距離が長いレンズの場合には
焦点距離が短かいレンズの場合より小さめに設定してお
くのが好ましい。
【0058】以上の理由により#520ではショット回
数(PCOUNT)及びレンズの焦点距離(FL)が所
定値(FX)より大きいか小さいか及び被写体の運動方
向(追尾デフォーカス量の符号)の3つのパラメータに
応じて表に示すように係数αを定める。#525では#
520で定められた係数αを今回の追尾デフォーカス量
(PRED)に乗じて追尾補正量(COMP)を求め
る。また同じ焦点距離のレンズでも被写体が無限遠∞に
近い場合と至近側に近い場合とでは図21(B)の実線
のように加速のされかたが異なっている。従ってより厳
密に扱うためにはレンズの距離情報も加味してαの値を
決定するのが良く、例えば被写体が近づく場合には至近
側になる程のαの値を大きくして補正量を大きくとるの
が良い。
【0059】次にレンズの焦点距離情報や距離情報を用
いないでαの値を求める方法を述べる。この為には前記
PLSTとPREDを用いてPRED/PLST=βの
値を算出する。像面移動の速度が定速の場合はβ=1で
加速の時はβ>1、減速のときはβ<1となるので、こ
のβを用いてαの値を決めることができる。この場合例
えば次の様なテーブルを用いてβの値からαの値を決定
する。尚、このβは、追尾デフォーカス量の時間変化す
なわち被写体移動に伴う像面の加速度に関する情報であ
る。
【表1】 αの値はβの値より少し小さ目となるが、これは露光と
蓄積時間の時間間隔に依存し、おおむね
【数6】 となる。#530では追尾動作を行なうために今回のデ
フォーカス量(DEF)に#525で求めた追尾補正量
(COMP)を加えて今回の追尾駆動量(DRIV)を
決定する。#535では前回(最終)の追尾デフォーカ
ス量(PLST)を今回の追尾デフォーカス量(PRE
D)に置きかえ次回の追尾処理・判定に準備する。#5
40では追尾動作中(PRSFLG ON)として次の
(8)合焦判定・表示モジュールに進む。以上が追尾動作
を行なう時の処理である。#545と#550は追尾不
可と判定された場合の処理である。#545では前回
(最終)の追尾デフォーカス量(PLST)として今回
のデフォーカス量(DEF)を採用して次回の追尾処理
・判定に備える。#550では追尾動作中でないとして
追尾中フラグをリセット(PRSFLGをOFF)にし
て次の(8)合焦判定・表示モジュールに進む。
【0060】図22は(8)合焦判定・表示モジュールの
フローチャートである。#560ではフォーカスモード
がワンショットモード(ONEFLG ON)であるか
テストしワンショットモードであった場合は#565を
スキップし#570へ進む。ワンショットモードでなか
った場合即ち連続AFモードあるいはマニュアルモード
であった場合は#565で固定フラグをリセット(FI
XFLGをOFF)して駆動表示が一旦合焦した後も固
定されないようにする。#570では駆動表示が固定さ
れている(FIXFLGがON)かテストし固定された
場合には以下の処理をパスして次の(9)AF許可待機モ
ジュールへ進む。#570で駆動表示が固定されていた
場合は#575へ進み、焦点検出不能であったか(LO
CFLGがON)テストし焦点検出不能の場合には#6
10に進み非合焦(FZCFLG OFF)と判定しさ
らに#615でAF表示手段40の表示部44(X)を
アクティブにして表示を行なう。#575で焦点検出不
能でなかった場合は、#580でこれ以降スキャンを行
なわないようにスキャン禁止フラグをセット(NSCF
LGをON)し#585で追尾モードであるか(PMD
FLGがON)テストする。追尾モードであった場合に
は、#590へ進み追尾中であるか(PRSFLGがO
N)テストする。
【0061】追尾中であった場合には、#595でレン
ズ端であるか(LLMFLGがON)テストする。レン
ズ端であった場合は#600で非合焦と判定((10) 駆
動制御モジュールで常に駆動が行なわれるように)して
合焦フラグをリセット(FZCFLGをON)し、更に
#605で表示部41及び43を両方アクティブにして
他の表示状態(合焦、非合焦)と異なる表示形態で追尾
動作中であることを表示して次の(9)AF許可待機モジ
ュールに進む。#620から#640までの処理は合焦
判定のための合焦ゾーンを決定するための処理であって
#585で追尾モードでなかった場合は非合焦から合焦
に入る場合の狭いゾーン(ZONEN)をZ1(例えば
50μm)、合焦から非合焦に出る場合の広いゾーン
(ZONEW)をZ2(例えば150μm)に設定し#
645以降の判定処理に進む。一方#590で追尾中で
なかった場合及び#595でレンズ端であると判定され
た場合は、#625に進み、狭いゾーン(ZONEN)
をZ3(例えば50μm)、広いゾーン(ZONEW)
をZ4(例えば100μm)に設定する。Z4をZ2よ
り小さく設定することにより追尾モードにおける駆動の
応答性を高めることができる#630では低輝度である
か(LOLFLGがON)テストし、低輝度であった場
合は#640へ進む。低輝度でなかった場合は#635
で信頼性が高いか(SLOPが所定値SY以上である
か)テストし、信頼性が高い場合はそのまま#645へ
抜ける。#635では信頼性の判定のパラメータSLO
Pを使用しているが(7)式で求めるコントラストパラ
メータCONTを用いてもよい。
【0062】一方信頼性が低いと判定された場合及び#
630で低輝度であった場合は#640で広いゾーン
(ZONEW)をZ4より大きなZ5(例えば200μ
m)に変更して#645へ進む。#630から#640
の処理は追尾モードにおいて低輝度及び信頼性が低い場
合には応答性よりも安定性を重視して合焦ゾーンを設定
するための処理である。#645で前回合焦していたか
(FZCFLGがON)テストし非合焦であった場合
は、#650へ進み今回のデフォーカス量の絶対値(|
DEF|)と狭いゾーン(ZONEN)を比較する。合
焦であった場合は、#680で今回のデフォーカス量の
絶対値(|DEF|)と広いゾーン(ZONEW)を比
較する。#650及び#680でゾーン外と判定された
場合は#685へ進み非合焦と判定(FZCFLGをO
FF)して、#690で今回のデフォーカス量(DE
F)の符号を判定する。
【0063】符号が正(前ピン)の場合は#695へ進
み表示部41の三角マークをアクティブにして前ピン状
態を表示して次のモジュールに進む。符号が負(後ピ
ン)の場合には#700で表示部43の三角マークをア
クティブにして後ピン状態を表示して、次のモジュール
に進む。#650及び#680でゾーン内であると判定
されると#655で合焦フラグ(FZCFLG)をセッ
ト(ON)する。#660でフォーカスモードがワンシ
ョットモード(ONEFLGがON)であるかテスト
し、ワンショットモードでない場合は#675へジャン
プする。ワンショットモードであった場合は#665で
固定フラグをセット(FIXFLGをON)して以後の
駆動及び表示を固定する。更に#670ではレリーズ許
可信号(RL)を許可(ON)にしてワンショットモー
ドでの合焦レリーズ許可をメインCPUに知らせ、#6
75へ進む。#675では表示部42の合焦マークをア
クティブにして合焦を表示して次の(9)AF許可待機モ
ジュールに進む。
【0064】図23は(9)AF許可待機モジュールのフ
ローチャートである。#710で追尾モードであるか
(PMDFLGがON)テストし、追尾モードでなかっ
た場合は何もせずに次の(10) 駆動制御モジュールに進
む。追尾モードであった場合は、#715でAF許可信
号(AF)が許可(ON)になるのを待機し、許可にな
らない場合は#710、#715を繰り返す。AF許可
信号が許可になると#720に進みレリーズ中であるか
(PCOUNT≠0)テストし、レリーズ中であった場
合は#725で、ミラーフラグ(MIRFLG)をセッ
ト(ON)してミラーアップ前の状態をセットし、又
(10) 駆動制御モジュールにより駆動が開始されてから
リレーズ許可信号(RL)を許可(ON)するまでの追
尾ディレイ状態をセット(PDYFLGをON)し、そ
れと同時に追尾ディレイ時間T1を追尾ディレイ(PR
SDLY)にセットし#730に進む。#720でリレ
ーズ中でなかった場合は、#725の処理を行なわず#
730に進む。#730では追尾動作中であるか(PR
SFLGがON)テストして追尾動作中である場合は、
#375で今回のデフォーカス量(DEF)を追尾駆動
量(DRIV)に置きかえて、次の(10) 駆動制御モジ
ュールでデフォーカス量のかわりに追尾駆動量で駆動が
行なわれるようにする。#730で追尾中でなかった場
合はそのまま(10) 駆動制御モジュールに進む。
【0065】図24は(10) 駆動制御モジュールのフロ
ーチャートである。#740で、AF許可信号(AF)
が許可(ON)かテストし、許可でなかった場合は、#
865から#880の非駆動処理に進む。AF許可信号
が許可であった場合は、#745に進み、AFモードで
あるか(AFMFLGがON)テストする。AFモード
フラグ(AFMFLG)は、装着レンズがAF可能なレ
ンズであり、かつ、フォーカスモードがマニュアルでな
い場合にセットされる。AFモードでなかった場合は、
#865以降の非駆動処理に進む。AFモードであった
場合は、#750で駆動が固定されているか(FIXF
LGがON)テストする。駆動が固定されていた場合、
#865以降の非駆動処理に進む。駆動が固定されてい
ない場合、#755に進み、合焦しているか(FZCF
LGがON)テストする。
【0066】合焦している場合は、#865以降の非駆
動処理に進む。合焦していない場合は、#760に進
み、焦点検出不能であるか(LOCFLGがON)テス
トする。焦点検出不能であった場合は、#830以降の
スキャン駆動処理に進む。焦点検出が不能でなかった場
合は、#765以降の駆動処理に進む。#765から#
775は撮影レンズの駆動方向の反転を判定する処理で
あって#765では今回のデフォーカス量(DEF)の
符号と最終のデフォーカス量(DEFLST)の符号を
比較し、異符号であった場合は、#770で駆動反転フ
ラグをセット(REVFLGをON)し、#780に進
む。同符号であった場合は、#775で駆動反転フラグ
をリセット(REVFLGをOFF)して#780に進
む。#780では最終デフォーカス量(DEFLST)
を今回のデフォーカス量(DEF)に置きかえて更新を
行なう。#785では、今回のデフォーカス量(DE
F)に応じた、AFモータの駆動量即わちエンコーダ5
2からフィードバックされる予定パルス数(ETM)を
次式を用いて計算する。 ETM=KL×KB×|DEF| …(8) (8)式において、係数KLは撮影レンズの像面の単位
デフォーカス量あたりのレンズ側カップリング14の回
転数、係数KBはボディ側カップリング53の1回転当
りのエンコーダ52の発生するパルス数を示している。
従って(8)式により、撮影レンズの像面を今回のデフ
ォーカス量(DEF)だけ移動させた時にエンコーダ5
2が発生すべきパルス数が求められるわけである。計算
された予定パルス数は後述のパルスカウンタ割込の設定
値として比較レジスタにセットされる。#790ではス
キャン駆動でない(SCAFLGをOFF)とし、#7
95で今回駆動を行なう(DRVFLGをON)とし、
#800で駆動状態を駆動中(MOVFLGをON)に
する。
【0067】次に、#805では、駆動開始前に、パル
スカウンタをクリア(ECNT=0)する。#810か
ら#820では今回のデフォーカス量(DEF)の符号
に従って駆動方向を決定し、駆動を開始するための処理
である。#810では今回のデフォーカス量(DEF)
の符号を調べ前ピン(符号が正)の場合は、#815で
AFモータを遠方向へ駆動を開始する。後ピン(符号が
負)の場合は、#820に進みAFモータを近方向へ駆
動を開始する。駆動処理の最後として、#825でパル
スカウンタの割込みを許可して次の(11) AGC演算モ
ジュールに進む。一方#760で焦点検出不能と判定さ
れた場合は、#830へ進み、スキャン禁止中であるか
(NSCFLGがON)テストする。#830でスキャ
ン禁止であった場合は、スキャン駆動を行なわず#86
5以降の非駆動処理に進む。
【0068】スキャン禁止でなかった場合には、#83
5で現在スキャン中であるか(SCAFLGがON)テ
ストする。スキャン中であった場合は、スキャン駆動開
始処理を行なわず、#860へジャンプする。スキャン
中でなかった場合は、#840から#855のスキャン
駆動開始処理を行なう。#840でスキャン中(SCA
FLGをON)にし、#845で今回駆動を行なう(D
RVFLGをON)とし、#850で駆動中(MOVF
LGをON)とする。#855では、予め定められた方
向へAFモータの駆動を開始しスキャンを始めるととも
に、#856でレンズ端カウンタをクリア(LCOUN
T=0)し、#860へ進む。#860では、パルスカ
ウンタの割込みを禁止して(11) AGC演算モジュール
へ進む。#740、#745、#750、#755、#
830より#865に進むとスキャンフラグをリセット
(SCAFLGをOFF)とする。#870では、今回
駆動なし(DRVFLGをOFF)とし、#875で駆
動中でない(MOVFLGをOFF)とする。非駆動処
理の最後として#880でAFモータの駆動を停止して
次のモジュールへ進む。
【0069】図25は、(11) AGC演算モジュールの
フローチャートである。まず#890で次回のCCDの
蓄積時間(INTT)を(9)式によって計算する。 INTT=INTT×IX/MAX …(9) (9)式において右辺のINTTは今回の蓄積時間、I
XはCCDデータの最大値の目標値、MAXは今回のC
CDデータの最大値である。(9)式により、次回の蓄
積時間(左辺のINTT)は、次回のCCDデータの最
大値が目標値IXになるように設定される。#895で
は、次回の蓄積時間が所定値IY以上であるか即わち低
輝度であるかテストする。所定値IY以上だった場合
は、#900へ進み低輝度フラグをセット(LOLFL
GをON)して、(2)蓄積前処理に戻る。所定値IY以
上でなかった場合は、#905へ進み低輝度フラグをリ
セット(LOLFLGをOFF)して、(2)蓄積前処理
に戻る。以上の処理では低輝度であるか否かをCCDの
蓄積時間に基づいて決めているが、メインCPUと通信
し、メインCPUの持っているAE情報(測光情報)を
もらって、該情報に基づいて低輝度であるか否かを決定
してもよい。又、IYは所定値に定められているが、前
回低輝度であったか否かにより、所定中のヒステリシス
を設けてもよい。以上がメインプログラムの蓄積演算及
び駆動の一周期であり、この処理がくり返されることに
なる。
【0070】図26は、タイマー割込プログラムのフロ
ーチャートである。タイマー割込プログラムは、メイン
プログラム動作中に一定時間毎に起動されて処理が行な
われる。#910から#925はAFモードフラグ(A
FMFLG)を更新するための処理である。#910で
は装着レンズがAFレンズであるか(AFLFLGがO
N)テストする。AFレンズであった場合は、#915
に進みフォーカスモード信号(FM)がワンショットA
F又は連続AFであるか(C又はO)テストする。ワン
ショットAF又は連続AFであった場合は、#920へ
進み、AFモードフラグ(AFMFLG)をセット(O
N)にし、#930に進む。#910でAFレンズでな
かった場合、及び#915でフォーカスモード信号(F
M)がマニュアルモードであった場合は、#925に進
みAFモードフラグ(AFMFLG)をリセット(OF
F)し、#930に進む。#930から#940の処理
は、ワンショットフラグを更新するための処理であっ
て、#930でフォーカスモード信号(FM)がワンシ
ョットAFモードであるかテストする。ワンショットモ
ードであった場合は、ワンショットフラグをセット(O
NEFLGをON)し、#945に進む。ワンショット
モードでなかった場合は、ワンショットフラグをリセッ
ト(ONEFLGをOFF)し、#945に進む。#9
45から#1005のブロックは追尾モードにおける全
押、追尾ディレイ、ミラーアップ処理である。#945
から#965では追尾モードであるか否かの判定を行な
う処理であって、#945では駒速モード信号(DM)
が通常連続撮影(C2)であるかテストし、C2でない
場合は非追尾モードとして#965へ進む。通常連続撮
影(C2)であった場合は、#950へ進み、AFモー
ドであるか(AFMFLGがON)テストする。AFモ
ードでなかった場合は、非追尾モードとして#965へ
進む。AFモードであった場合は、#955へ進み、ワ
ンショットモードであるか(ONEFLGがON)テス
トする。ワンショットモードであった場合は、非追尾モ
ードとして#965へ進む。ワンショットモードでなか
った場合は、追尾モードとして#960へ進む。結局フ
ォーカスモードが連続AFで駒速モードがC2でかつ装
着レンズがAFレンズの場合に、#960へ進み、追尾
モードがセット(PMDFLGがON)され、その後、
追尾モードの処理が行なわれる。
【0071】一方、それ以外のモードの組み合わせで
は、非追尾モードと追尾モードをリセット(PMDFL
GをOFF)し、追尾モードの処理を行なわず、#10
10のミラーアップ処理に進む。#960で追尾モード
がセットされると、#970でレリーズボタン信号(R
S)が全押し(ON)かテストし、全押しされている場
合は、#975の追尾モードの全押処理を抜かして#9
80へ進む。全押しされていない場合は、#975で追
尾ディレイフラグをリセット(PDYFLGをOFF)
ミラーフラグをリセット(MIRFLGをOFF)、レ
リーズ許可信号(RL)を禁止(OFF)として、追尾
モードにおいての全押中の動作をリセットする。#98
0から#995は追尾モードにおける追尾ディレイ時間
の計時及び追尾ディレイ終了時のレリーズ許可を行なう
処理である。#980で追尾ディレイ中であるか(PD
YFLGがON)テストし、追尾ディレイ中でない場合
は#985以降の処理は行なわず、#1000へ進む。
追尾ディレイ中であった場合は、#985で追尾ディレ
イ時間を1だけ減ずる(PRSDLY=PRSDLY−
1)。例えばタイマー割込が1ms毎にかかり追尾ディレ
イ時間が45msであった場合には、(9)AF許可待機モ
ジュールでPRSDLY=45にセットされ、これがタ
イマー割込ごとに1だけ減ぜられるので45ms後に0と
なる。#990では、追尾ディレイの終了(PRSDL
Y=0)をテストし、終了でない場合には、#1000
へ抜ける。
【0072】終了の場合は、#995でディレイ終了処
理を行ない追尾ディレイフラグをリセット(PDYFL
GをOFF)するとともにレリーズ許可信号(RL)を
許可(ON)にして、メインCPUに対してレリーズ許
可を伝え、#1000へ進む。#1000と#1005
は追尾モードにおけるミラーアップ処理であって、#1
000でミラーアップ信号(MR)がアップ(ON)か
テストしダウンの場合は、そのまま#1010へ抜け
る。アップの場合は、#1005でミラーフラグをリセ
ット(MIRFLGをOFF)して、(2)蓄積前処理モ
ジュールで、ミラーアップ後の処理へ進むことを可能に
するとともに、これ以降のレリーズを禁止するために、
レリーズ許可信号(RL)を禁止(OFF)にして#1
010へ進む。#1010から#1050はミラーアッ
プ処理のブロックであり、#1010でミラーアップ信
号(MR)がアップ(ON)かテスト、ダウンの場合
は、#1055でミラーアップフラグをリセット(RL
SFLGをOFF)し、ミラーダウン中として、#10
60へ抜ける。ミラーアップ中の場合は、ワンショット
モードでの合焦による駆動表示の固定及びレリーズ許可
を1回撮影動作(ミラーアップ)が行なわれることによ
り解除するために、#1050で固定フラグをリセット
(FIXFLGをOFF)しレリーズ許可信号(RL)
を禁止(OFF)にする。#1020では前回のタイマ
ー割込時にミラーアップ中であるか(RLSFLGがO
N)テストし、ミラーアップ中の場合は、そのまま#1
060へ抜ける。
【0073】前回ミラーダウン中の場合は、前回と今回
のタイマー割込の間にミラーがダウンからアップを開始
したので、図4に示したようにこれに同期して駆動ディ
レイを始める。#1025では、ミラーアップフラグを
セット(RLSFLGをON)し、ミラーアップ中とし
て#1030では現在駆動中であるか(MOVFLGが
ON)テストする。停止中の場合には駆動ディレイの必
要はないので、#1060へ抜ける。駆動中の場合は、
#1035でディレイフラグをセット(DLYFLGを
ON)して駆動ディレイ状態に入り、次に#1040で
は、追尾モードであるか(PMDFLGがON)テスト
する。追尾モードであった場合は、駆動が終了した時点
でちょうどメインCPUによるミラーアップ動作が終了
し、露光が開始されるように、ディレイ時間を所定値T
2(DLY=T2)に設定し、#1060へ進む。
【0074】一方、追尾モードでなかった場合は、メイ
ンCPUのミラーアップ動作終了以前に駆動が終了する
ようにディレイ時間を所定値T0(DLY=T0、T0
<T2)に設定し、#1060へ進む。#1060から
#1070はAF許可信号が禁止になった時のモータ停
止処理である。#1060ではAF許可信号(AF)が
許可(ON)であるかテストし、許可の場合は、停止処
理は行なわず、#1075へ抜ける。禁止の場合は、#
1065で現在AFモータが駆動中であるかテストし、
停止中の場合は、停止処理は行なわず、#1075へ抜
ける。駆動中の場合は、#1070でAFモータの駆動
を停止するとともに駆動状態フラグをリセット(MOV
FLGをOFF)して#1075へ進む。#1075か
ら#1090は駆動ディレイ時間の計時及びディレイ終
了処理のブロックである。#1075で駆動ディレイ中
であるか(DLYFLGがON)テストし、ディレイ中
でない場合は、そのまま#1095へ抜ける。ディレイ
中である場合は、#1080で駆動ディレイ時間を1だ
け減ずる(DLY=DLY−1)。タイマー割込が1ms
毎にかかり、ディレイ時間が55msであった場合には、
DLY=55が#1045でセットされ、これがタイマ
ー割込ごとに1だけ減ぜられるので55ms後に0にな
る。#1085では、駆動ディレイが終了したか(DL
Y=0)テストし、終了していない場合にはそのまま、
#1095へ抜ける。終了した場合には、#1090で
AFモータの駆動を停止するとともに、駆動ディレイフ
ラグをリセット(DLYFLGをOFF)、駆動状態フ
ラグをリセット(MOVFLGをOFF)して、#10
95へ進む。#1095から#1125はレンズ端処理
のブロックで通常の駆動においてはレンズ端でのモータ
停止及びスキャン駆動においてはレンズ端での駆動反転
を行なう。#1095でレンズ端であるか(ECNT=
ELST)テストする。タイマー割込は所定時間毎に行
なわれるので、レンズ端においてパルスが発生しない場
合には、パルスカウンタの内容が増加せず、前回のタイ
マー割込等のパルスカウンタの内容(ELST)と今回
のタイマー割込時のパルスカウンタの内容(ECNT)
が一致する。
【0075】従って、パルスカウンタ内容の一致不一致
に従ってレンズ端か否かの判定ができる。#1095で
レンズ端でなかった場合には、#1115へ抜ける。レ
ンズ端であった場合は、#1100でスキャン中である
か(SCAFLGがON)テストする。スキャン中でな
い場合は、#1125の停止処理に進む。スキャン中の
場合は、#1105でレンズ端に到達した回数が所定値
LX(例えば2)となっている(LCOUNT=LX)
テストする。所定値LXになっいる場合は、スキャンが
終了したと判断して、#1120へ進み、スキャンフラ
グをリセット(SCAFLGをOFF)、スキャン禁止
フラグをセット(NSCFLGをON)にして、スキャ
ン終了処理を行ない、#1125へ進む。#1125
は、通常駆動におけるレンズ端及びスキャン終了時に実
行されAFモータの駆動を停止するとともに、駆動状態
フラグをリセット(MOVFLGをOFF)し、#11
30へ進み、メインプログラムへリターンする。一方、
#1105でレンズ端カウンタが所定値LXに達してい
ない場合にはスキャン駆動方向を反転するために#11
10へ進み、レンズ端カウンタの内容を1だけ増加させ
(LCOUNT=LCOUNT+1)AFモータの駆動
方向を反転させ、#1115に進む。#1115では、
最終パルスカウンタの内容を更新(ELST=ECN
T)して#1130でメインプログラムへリターンす
る。
【0076】図27は、パルスカウンタ割込プログラム
のフローチャートである。パルスカウンタ割込は、エン
コーダ52の発生するパルスの累積数(ECNT)が
(10) 駆動制御モジュールで計算した予定パルス数(E
TM)に一致した時に行なわれる割込であって、撮影レ
ンズの合焦位置への移動が完了した後のAFモータの駆
動停止処理を行なう。#1140では、AFモータの駆
動を停止し、#1145で駆動状態フラグをリセット
(MOVFLGをOFF)して、#1150でこれ以降
のパルスカウンタ割込がかからないように割込を禁止し
て#1155で、メインプログラムにリターンする。
【0077】以上が、AFCPUのメインプログラムの
各モジュール及び割込プログラムの説明であり、各モジ
ュール及び割込プログラムが連結して、焦点検出及びA
Fモータの駆動が制御される。本実施例の説明において
は、AFCPUのプログラムの(7)追尾アルゴリズムに
おいて、今回の追尾デフォーカス量と前回の追尾デフォ
ーカス量の和の絶対値(|PRED+PLST|)と所
定値δを比較して追尾動作を行なうか否かを決定してい
た(#490の分岐)。上記のようにして、移動被写体
であるか否かを判定し、それに応じて追尾動作を行なう
か否かを決定する理由について以下詳細に説明する。従
来、被写体が移動しているか否かの判定は、過去及び現
在のデフォーカス量に基づいて、デフォーカス検出のサ
イクルの間の被写体移動を加味したデフォーカス量とし
て現在の追尾デフォーカス量を求め、該現在の追尾デフ
ォーカス量と所定値とを比較することにより行なわれて
いた。例えば、現在の追尾デフォーカス量PRED
(0)、所定値δとする|PRED(0)|≧δの場合
は、移動被写体と判定し、|PRED(0)|<δの場
合は移動被写体でないと判定する。
【0078】図28を用いて、従来の追尾動作及び移動
被写体の判定について説明する。図28において実線は
移動被写体に対してその像を常時フィルム面へ合致させ
るための撮影レンズの動きの軌跡を示し、一点鎖線は実
際の撮影レンズの動きの軌跡を示し、又焦点検出のため
のセンサーの電荷蓄積及び焦点検出演算は撮影レンズを
停止して行なうとともに、センサーの電荷蓄積(図28
においては蓄積時間T(0))は駆動終了後すぐに行な
われるものとしている。追尾動作におていは撮影レンズ
の駆動量は焦点検出により得られたデフォーカス量に、
追尾補正量を加えて求めており、例えば図において現在
より1回前の駆動においてその駆動量DRIV(−1)
は1回前のデフォーカス量DEF(−1)(図において
実線と一点鎖線の差に相当する)と1回前の追尾補正量
COMP(−1)の和として算出される。又駆動が終了
した時点で得られる現在のデフォーカス量DEF(0)
と前回の追尾補正量COMP(−1)の和である追尾デ
フォーカス量PRED(0)は図より明らかなように焦
点検出の1サイクル(前回のセンサー蓄積から今回のセ
ンサー蓄積までの周期)に実線で示す撮影レンズの動き
量即ち被写体の移動量に対応しており、追尾デフォーカ
ス量PRED(0)の絶対値が所定値以上あることをも
って被写体が移動していると判定することができるわけ
である。
【0079】しかしながら、上記のようにして現在の追
尾デフォーカス量を単独で所定値と比較することによ
り、移動被写体の判定を行なうと、デフォーカス量DE
F(0)に含まれる誤差のために誤判定してしまうこと
があった。特に被写体の動きが微小な場合には、追尾デ
フォーカス量PRED(0)に占める誤差の割合が相対
的に大きくなるため、被写体が一定の動きをしていても
追尾動作に入ったり抜けたりをくり返し撮影レンズの動
きが不安定になってしまった。又上記のように、現在の
追尾デフォーカス量を単独で所定値と比較すると被写体
の動きの量を検知するサイクルが1サイクルだけの短か
いものとなるので、被写体のランダムノイズ的な動きに
影響されて被写体移動の判定を誤まったり、微小な被写
体の動きを検出できなかった。又焦点検出サイクルが変
動した場合にも、その変動の影響を受けて誤判定してし
まう可能性が高かった。本実施例では上述の従来の問題
点を解決するために追尾デフォーカス量を単独に所定値
と比較せずに、前述のように今回の追尾デフォーカス量
と前回の追尾デフォーカス量の和をとってその絶対値と
所定値δを比較して、移動被写体の判定を行なうことに
より、追尾デフォーカス量に含まれる誤差、被写体のラ
ンダムノイズ的動き、焦点検出サイクルの変動等の影響
を統計的に軽減し、安定な動作を可能にしているわけで
ある。
【0080】一般的には実施例の#490の処理のかわ
りに追尾デフォーカス量に対して統計平均処理を施こし
た結果と、所定値δとを比較することにより移動被写体
の判定を行なうことができる。例えば今回の追尾デフォ
ーカス量をPRED(0)、今回からn回前の追尾デフ
ォーカス量をPRED(n)(nは正の整数)とした
時、(10)式に示すような統計処理を施こした判定を
#490で行ってもかまわない。 |k(0)×PRED(0)+k(1)×PRED(1)+・・・・ +k(n)×PRED(n)+・・・・k(N)×PRED(N)|>δ …(10) (10)式においてk(n)は所定の重み係数、Nは任
意の整数である。実施例は(10)式においてN=1、
k(0)=k(1)=1とした場合である。(10)式
において任意の整数Nを適当に選ぶことにより、被写体
の移動量を検出するための期間(N×サイクルタイム)
を選択することができる。又重み係数k(n)は最新の
追尾デフォーカス量により重みを付けて応答性を高める
ために(11)式のように設定してもよい。 k(0)>k(1)>…k(n)>…>k(N) …(11) 又重み係数k(N)を追尾デフォーカス量PRED
(n)を算出した時のデフォーカス量演算で求められた
パラメータSLOP(n)やコントラスト値CONT
(n)に比例して(12)式の如く設定してもよい。 k(n)=k×SLOP(n)又はk×CONT(n) …(12) (12)式においてkは所定の定数である。(12)式
のように設定することにより追尾デフォーカス量が信頼
度に比例した重み付けで平均化されるので、より確度の
高い移動被写体の判定ができる。又、追尾デフォーカス
量PRED(n)が求められる場合の焦点検出サイクル
タイム(図28において1回の駆動が終了した時点から
次の駆動が終了した時点に相当する)の変動をキャンセ
ルするために各サイクルタイムT(n)を測定しこれを
用いて(13)式のように、重み係数k(n)を決める
こともできる。
【数7】 (13)式においてkは所定の定数である。(13)式
のように設定し、(10)式の統計平均処理を行なうこ
とにより各重み係数×追尾デフォーカス量は単位時間当
りの追尾デフォーカス量となるのでサイクルタイムの変
動の影響のないものとなる。
【0081】上述のように追尾デフォーカス量に統計平
均処理を行ないその結果に応じて、移動被写体であるか
否かの判定を行うことにより、追尾デフォーカス量に含
まれる誤差、被写体のランダムノイズ的動き、焦点検出
サイクルの変動(特に追尾中に撮影動作が途中から入っ
た場合等に起こる)の影響を軽減し安定な追尾動作を可
能にするとともに、上記誤差の影響が軽減した分所定値
δを小さく設定でき従ってより微小な被写体の動きに対
しても移動被写体と判定して追尾動作に入れることがで
き追尾性能の向上が期待できる。本発明の特徴の1つ
に、レリーズ全押後は、レンズ駆動開始から第1所定時
間T1後にミラーアップを開始させ、レンズ駆動時間の
多少によらずに露光の周期、蓄積の周期等のサイクルタ
イムを一定に保ち、常に露光の瞬間にピントの合った写
真がとれる追尾技術があり、その点について追加的な説
明を行なう。連写中の追尾動作については、次の様なシ
ークエンスとなる。即わち、ミラーアップ、露光、ミラ
ーダウン、電荷蓄積、演算、レンズ駆動がくり返され
る。このうちミラーアップとミラーダウンの時間50〜
100msは同一機種では常に一定で変動しない。又露光
時間は連写中はほぼ一定であるし、そもそも追尾を行な
う明るい条件では時間的に短く30ms程度以下なのでバ
ラツキには寄与しない。又蓄積時間も被写体の明るさに
依存するが連写中はほぼ一定であり、通常の明るさでは
30ms程度以下なのでバラツキへの寄与は小さい。演算
時間もその焦点検出システムにより多少ことなるが20
ms〜100msの間の一定値となり、連写中のバラツキは
小さい。
【0082】これに対してレンズの駆動時間は追尾のた
めに駆動するデフォーカス量に応じて0ms〜100ms以
上の範囲で変動する。ミラーアップ、露光、ミラーダウ
ン、蓄積、演算、レンズ駆動、で1サイクルとし従来通
りシークエンスを組むと次のサイクルに関するミラーア
ップ開始は前回のレンズ駆動終了後となる。1サイクル
の時間がおよそ300ms前後(秒3コマ)とすると駆動
の時間の長短で1サイクルの時間が例えば250ms〜3
50msと大きく変動する可能性が生まれる。追尾におい
ては次回の露光の瞬間に合焦状態になるように次の方法
を用いることができる。過去の1サイクルの蓄積周期
と、その間の被写体移動による像面移動量(PRED)
と、最終の蓄積期間の中点から次回露光予定時間の中点
までの時間とを用いて、その間の追尾補正量(COM
P)を
【数8】 で算出し最終のデフォーカス量DEFに上記追尾補正量
COMPを加えた値を追尾駆動量として駆動するという
ものである。もし駆動の終了に合わせてミラーアップを
行なうとすると、上式の分母のみならず分子に関しても
駆動時間によって100ms位のバラツキが生じることに
なり、例えば分子は150ms〜250msの範囲でバラツ
クことになる。駆動時間に関してはあらかじめ知る事が
できないので、駆動の終了にもどずいてミラーアップを
開始する方法では、分母分子のバラツキが大きくなり適
正なαを決定できず、従って効果的な追尾を行なうこと
ができない。
【0083】そこで本発明では駆動時間に関係なく、駆
動中であろうが駆動が完了していようが、駆動開始から
第1の所定時間T1後にミラーアップを開始するように
している。これによって前式の分母、分子ともほぼ一定
値となり、このようにして定められたαの値を用いて追
尾補正量COMPを算出するので、次回の露光の瞬間に
確実に合焦状態を実現することが可能である。又ミラー
ダウン後フィルム巻上を行なうため電源容量が不足し
て、フィルム巻上とレンズ駆動を同時に行ない得ず、演
算が終了していてもフィルム巻上完了後にレンズ駆動を
行なう場合でも、連写の間フィルム巻上時間がほぼ一定
なのでこの場合でもサイクルタイムの変動はなく問題は
ない。
【0084】即わち要点を順序だててまとめると、撮影
レンズのデフォーカス量をくり返し算出する焦点検出手
段と、過去及び現在のデフォーカス量にもとずいてデフ
ォーカス検出のサイクル間の被写体移動に伴なうデフォ
ーカス量である追尾デフォーカス量(PRED)を算出
し、これから追尾のための追尾補正量(COMP)を算
出する追尾補正量算出手段と、現在のデフォーカス量
(DEF)に追尾補正量(COMP)を加えた追尾駆動
量(DRIV)にもとずいて撮影レンズの駆動を行なう
レンズ駆動手段とがあり、又ミラーアップや蓄積、駆動
のタイミングをコントロールする手段を制御手段とする
と、制御手段は、レリーズ全押後に関してはミラーアッ
プ、露光、ミラーダウン、蓄積、演算、駆動のサイクル
において、レンズ駆動開始後第1所定時間T1の経過後
にミラーアップを行なわれるように制御する。
【0085】さらに前記制御手段は、レンズの駆動可能
な時間を所定最大時間(T1+T2)に限定し、従って
ミラーアップからT2時間経過後もレンズ駆動が終了し
ていない時にはレンズを強制的に停止させる。ここで、
T2はミラーアップ開始から露光が始まるまでの時間と
同程度、好ましくは露光の直前に駆動がほぼ停止してい
る程度の時間である。所定最大駆動時間(T1+T2)
はその時間内にデフォーカス量3〜4mm分を完全に駆動
できる時間にとる事が望ましく例えば100ms前後とな
る。この場合ほぼミラーアップ時間に等しいT2が50
msec程度であればT1〜50msec程度となる。又前記所
定最大時間内で駆動が終了せず強制停止となった場合に
は駆動の残量を調べ、これが所定値を越える時には次回
は追尾の補正を行なわないようにするのがよい。こうす
ることにより動体の動き方によっては追尾動作に付随し
て生じるオーバーランを避けるとともに、オーバーラン
した場合でもそこからの回復を早めることができる。又
本発明では連写中のミラーアップ動作のサイクルの中に
必ず1回の焦点検出動作を含むように構成しているが、
これは露光及び蓄積のサイクルを毎回一定して、次回露
光時のレンズ位置の予測をしやすくする為である。勿論
露光終了後蓄積開始までの時間は常に一定となるように
制御手段によりコントロールされている。
【0086】本発明では駆動の最大時間を決め、その時
間内に必要な駆動量を達成すれば、駆動時間の長短によ
らず、露光の瞬間に合焦を達成できる。従って複雑な時
間のコントロールや駆動速度のコントロールが不用であ
り、交換レンズの種類によって負荷が異なり駆動スピー
ドが大きく異なる時でも対処で容易である。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】 表 5 <追尾動作を行う条件> (1) 追尾モードである (2) ローコントラストでない (3) 信頼性が有る (4) スキャン中でない (5) 前回駆動した (6) 駆動方向反転しなかった (7) デフォーカス量と最終追尾デフォーカス量が同符
号、または異符号でもデフォーカス量が小さい (8) 追尾デフォーカス量と最終追尾デフォーカス量が
同符号 (9) 追尾デフォーカス量と最終追尾デフォーカス量の
和の絶対値が所定値δ以上 (10) 追尾デフォーカス量が所定値r*最終追尾デフォ
ーカス量以下 (11) 追尾デフォーカス量が所定値k*最終追尾デフォ
ーカス量以上 以上の様に第1の発明によれば、撮影レンズの駆動方向
が反転した後、所定回数の駆動において追尾駆動を禁止
しているので、合焦点近傍で無用に追尾駆動に入りハン
チングを起こすことがなく、安定性が高く、しかも、被
写体に対する追従性も高い自動焦点装置を提供すること
ができる。
【0087】(第2実施例)本発明の第2実施例は、第
1実施例とほとんど同様の構成であり、第1実施例の追
尾補正量をより正確に得られるように構成したものであ
る。以下、図17、20、29に基づき説明する。まず
レリーズ全押前、直後、1回ミラーアップ後に関する識
別と補正の要点を述べる。図20のごとく、レリーズ全
押前までの駆動、全押直後の駆動、全押後2回目の駆
動、全押後3回目以降の駆動及びそれらに先だつ追尾補
正書の算出の時期を識別する手段を設け、それにより上
記識別結果をそれぞれ図17のPCOUNT=0,1,
2,3とする。全押前(PCOUNT0)では蓄積、演
算、駆動のサイクルタイムはFOで一定しており、前記
追尾デフォーカス量(PRED)から前記追尾補正量
(COMP)を算出するには、 COMP=PRED×α で例えばα=1とすることができる。つまり全押前では
蓄積の中点で毎回合焦することを目的とすると、前回の
蓄積間のサイクルタイム=F0、次回のそれの予定時間
までの間隔もF0なのでα=F0/F0=1となるから
である。全押後では駆動と蓄積の間にミラーアップに伴
なう露光が入るので蓄積のサイクルタイムが変わる。又
全押後では合焦の最適化の瞬間が蓄積の中点から露光の
中点(中点とは中央時の意味)に変わる。従って露光時
合焦とするため追尾補正量(COMP)は COMP=PRED×α
【数9】 となる。従って全押直後(PCOUNT1)においては
【数10】 で決まる値となる。全押後ミラーアップが間に入った2
回目の駆動に先だつ計算の時期(PCOUNT2)にお
いては
【数11】 である。さらに全押後3回目以降の駆動に先だつ計算の
時点(PCOUNT3)では
【数12】 となる。
【0088】このように上記αの算出式にもとずいてα
を算出し追尾補正量を求めれば正確な追尾が可能であ
る。ここで分母の時間は過去の量なので値が確定してい
るが、分子は未来の量なので値が確定していない。この
うち一番不確定なのはレンズ駆動時間であるが、とりあ
えずα=1としておよその駆動量(DRIV)が算出さ
れたら、その駆動時間のおよその目安はわかるので、そ
れより少し余裕を見て駆動時間を定めればそれに続く露
光の瞬間までの時間が決定でき、従って前式の分子にあ
たる「最後の蓄積から次の露光までの時間」が定められ
る。この場合ミラーアップ開始は予定露光の瞬間からミ
ラーアップ時間だけ午前の瞬間にミラーアップ指示を行
なう事で達成される。実際問題としては実施例記載のご
とく、レリーズ後はレンズ駆動時間の最大値を一定に決
めてしまい、駆動開始後一定時間(T1)後にミラーア
ップを開始するようにすれば扱いが簡単となり好まし
い。このようにすればPCOUNT3以降についてはα
は同一値となる。又PCOUNT2と3では場合によっ
てαは同一値にも異なった値にもなるがこれは分子はF
2′=F3′であるが分母がF1=F2の時とF1≠F
2の時とあるからである。蓄積・演算後すぐにレンズ駆
動が始まる場合はF1=F2であるが、演算終了後もフ
ィルム巻上終了までレンズ駆動ができないとするとF1
≠F2となる。一般にPCOUNT0,1,2では最適
なαの値は異なってくるが、ミラーアップ時間その他の
設計的変動要因でその具体的値が異なってくる。αの最
適な値は前記αを算出する式にもとずいて決めてもよい
し、実験的に決めてもよい。こうして決められたαを用
いて実施例ではPCOUNT0,1,2,3を識別し、
αのテーブル(図17)を参照して最適な値を決定する
ようにしている。
【0089】次に定速で近づく被写体に対して像面の移
動速度が一定とならないために生じる問題点について説
明する。図29(A)、(B)は図21(B)をさらに
具体的に表現したものであり、図29(A)はf=18
0mmの撮影レンズの場合、図29(B)はf=400mm
の撮影レンズの場合を示している。いずれの図も、実線
は被写体が10m/sで近づく場合の像面の移動の様子
を、レンズと像面の距離から一定値を引いた値を縦軸に
とって図示したものである。又点線は理想的に追尾がな
された場合のレンズと所定検出面(フィルム面と共役)
との距離から前記一定値を引いた値を縦軸にとったもの
で、蓄積の瞬間(黒丸印)に実線と交わり合焦が達成さ
れている。図から明らかなように長焦点レンズの場合図
29(B)では、像面の変化の早さがほぼ一定なので、
過去の1サイクル(蓄積から蓄積まで)における被写体
像面の移動量PREDをそのまま次回の予想移動量CO
MPとすればよく従ってα=1とすれば良い。
【0090】これに対して短焦点レンズ(A)では像面
が急加速度で離れていくので、過去1サイクルでの値P
REDをそのまま次回の予想量COMPとしたのでは破
線aのように追尾遅れが生じてしまう。従って COMP=PRED×α においてαを1より大き目にとるのが良い。以上まとめ
ると所定の焦点距離をFXとし、撮影レンズの焦点距離
をFLとするとき、例えば次表のようにする。
【表6】 もし安定化のため追尾動作を少しひかえめにかけるとす
れば実施例(図17αテーブル)のごとく次表のように
することもできる。
【表7】 このようにどのタイミングで合焦をはかるかの価値判断
や、上記安定化の配慮等によりαの値の絶対値は違って
くるが、いずれにしても撮影レンズの焦点距離に依存さ
せてαの値を変化させる事により、レンズの焦点距離に
よらず最適な追尾動作を行なわせる事ができる。
【0091】このような補正の効果はサイクルタイムが
100ms以上と短かい場合には目立たないが200ms以
上となると効果が大きくなり、特にミラーアップが入っ
てサイクルタイムが300msにもなると効果は非常に大
きくなる。次に被写体が遠ざかる場合について述べる。
被写体が遠ざかるか近づくかについてはPREDの符号
で容易に判断することができる。被写体が遠ざかる場合
には図21(A)の一点鎖線のごとく減速となる。従っ
て過去の結果にもとずいてそのまま追尾駆動を行なうと
オーバーラン気味となる。従って近ずく場合に比べてα
の値を小さ目にとる事が望ましい。このような加減速は
焦点距離の短いレンズ程著しい。実施例では図17のα
テーブルのごとく、減速の効果の大きい焦点距離小(F
L<FX)の場合及び焦点距離が大きくてもサイクルタ
イムが大きく減速効果の大きいPCOUNT2,3では
遠ざかる場合について近づく場合よりαの値を小さくし
て対処している。このようにαの変更を必要とする要因
には、撮影レンズ焦点距離の大小、被写体が近づくか遠
ざかるか、レリーズの前後、サイクルタイムの大小等い
ろいろ存在し、実際上はこれらが複合して組合わされて
おり、又メカ機構の時定数に対する依存もあるので図1
7のように場合分けしたαテーブルを記憶し、条件に応
じたαの値を用いるのが好ましい。又値としては最適値
を実験的に決定すればよく、ボディが変わりメカの時定
数が変わればαの最適的も変わる。しかしおおむねαの
最適な値の範囲は
【数13】 の範囲に存在する。
【0092】(第3実施例)本発明の第3実施例は、第
1実施例とほとんど同様の構成であり、第1実施例の合
焦表示をより分り易く構成したものである。以下、図3
0〜図32に基づき説明する。図7のAFCPUプログ
ラム中合焦判定・表示モジュールにおいては図22#
590〜#605に示す如く追尾中でかつレンズ端でな
い場合には、AF表示手段40の表示部41、43を両
方アクティブにし、通常の焦点調節状態表示と異なる表
示形態とすることで撮影者に追尾中であることを認識さ
せている。撮影者はこの表示により被写体が移動してい
ることを知り移動被写体の撮影の対応例えば絞り調節、
シャッター速度の選択ができる。以下、他の実施例を用
いて上記の追尾中の表示技術について説明を加える。図
22#605においては、追尾中表示をAF表示手段4
0により表示していたが、別実施例として追尾中表示を
AF表示手段40以外の表示手段により表示することも
できる。
【0093】図30(A)に追尾表示手段45を別に設
けた場合の一実施例の構成を示す。図30(A)におい
て追尾表示手段45は図1で説明したAFCPU30の
ポートP13により制御される。追尾表示手段45は追
尾表示部46を有し、追尾表示部46は追尾中のみアク
ティブとなることにより撮影者に追尾中であることを知
らせるようになっている。図31(A)に上記実施例の
図7のAFCPUのプログラムの一部を示す。図31
(A)の#2010は図22の#605に置き換えられ
る。従って追尾中でありかつレンズ端でない場合#20
10により追尾表示手段45の表示部46がアクティブ
にされる。一方ここではプログラムフローチャートでの
図示を省略するが上記実施例においては追尾中でないか
又はレンズ端であった場合には、追尾表示手段45の表
示部46をOFFにして追尾中でないことを表示する。
#2010以降は今回のデフォーカス量DEFに従って
図22の如くAF表示手段40によるAF表示を行って
もよいし、AF表示手段40の表示部を全てOFFして
しまってもよい。
【0094】図30(B)に追尾表示手段45が追尾中
の表示と被写体の移動方向(接近又は遠ざかる)の表示
を行なう場合の一実施例の構成示す。図30(B)にお
いて、追尾表示手段45は表示部47,48を有すると
ともに、AFCPU30によりポートP13を介して制
御される。表示部47がアクティブの場合は被写体が遠
ざかっていることを表示し、表示部48がアクティブの
場合は被写体が接近していることを表示している。又表
示部47、48のいずれかがアクティブな場合は追尾中
であることを表示している。図31(B)に上記実施例
のAFCPUプログラムの一部を示す。図31(B)の
#2015〜#2025は図22の#605に置き変え
られる。従って追尾中であり、かつレンズ端でない場合
は、#2015により追尾駆動量DRIVの符号がテス
トされ符号が負の場合は#2020で追尾表示手段45
の表示部48をアクティブ、表示部47をOFFにし、
追尾中で被写体が接近中であることを表示する。又#2
015で符号が正の場合は、#2025へ進み表示部4
7をアクティブ、表示部48をOFFにして、追尾中で
被写体が遠ざかっていることを表示する。
【0095】一方ここではプログラムフローチャートで
の図示は省略するが、上記実施例においては追尾中でな
いか又はレンズ端であった場合は追尾表示手段45の表
示部47,48を両方ともOFFにして追尾中でないこ
とを表示する。#2020、#2025以降の処理は前
実施例と同様である。上記実施例においては撮影者は追
尾の方向を知ることができるので、撮影者の意図しない
方向への追尾を撮影者自身が別手段の操作(例えばレリ
ーズボタンの半押や専用ボタン)によりキャンセルする
ことが可能になる。図30(B)においては被写体の移
動方向を表示するための表示部47、48を三角表示マ
ークとして表わしたがもちろんこれ以外の表示マークで
もよい。例えば
【数14】 のマークを表示部47、48として用いることができ
る。
【0096】図30(C)に追尾表示手段45により追
尾中の焦点調節状態を表示する一実施例の構成を示す。
図30(C)において追尾表示手段45は、表示部5
3、54、55を有し、各々AFCPU30のポートP
13より制御される。表示部53、54、55のアクテ
ィブ状態は各々追尾状態での前ピン、合焦、後ピンを表
示している。図31(C)に上記実施例のAFCPUの
プログラムの一部を示す。図31(C)の#2030〜
#2085は図22の#605に置き変えられる。従っ
て追尾中でありかつレンズ端でない場合は、#2030
においてまず第1回目以降のレリーズ後であるかテスト
され、レリーズ後でない場合には#2035〜#205
5の処理を行なう。
【0097】図32(A)はレリーズが行なわれていな
い場合の移動被写体に対する撮影レンズの理想軌跡(実
線)と実際の撮影レンズの駆動軌跡(1点鎖線)を示し
ており、蓄積、演算、駆動からなるシーケンスを1サイ
クルとして撮影レンズは追尾駆動される。撮影レンズの
追尾駆動が理想的に行なわれた場合にはイメージセンサ
の蓄積時間の中点Imにおいて実線と一点鎖線が交差す
る。従ってこの場合追尾中の蓄積から求められたデフォ
ーカス量DEFは0になるはずである。#2035〜#
2055では上述の考え方に基づいてデフォーカス量の
値に従って合焦、前ピン、後ピンを判定する。#203
5ではデフォーカス量の絶対値が所定値ZONEFより
大きいかテストする。一般に追尾中に求められるデフォ
ーカス量は静止中に求められるデフォーカス量より精度
が悪化しているので所定値ZONEFの値は図22で示
した合焦判定のための所定値Z1,Z2,Z3,Z4,
Z5より大きくとっておいた方が表示が安定する。#2
035で所定値ZONEFより小さかった場合は#20
40で表示部54をアクティブにして追尾中の合焦であ
ることを表示する。#2035で所定値ZONEFより
大きい場合は#2045へ進みデフォーカス量DEFの
符号をテストし、符号が正であった場合は表示部53を
アクティブにして追尾中の前ピンを表示する。#204
5で符号が負であった場合は#2055で表示部55を
アクティブにして追尾中の後ピンを表示する。一方#2
030でレリーズ後であると判定された場合には#20
60〜#2085の処理を行なう。
【0098】図32(B)はレリーズが行なわれている
場合の移動被写体に対する撮影レンズの理想軌跡(実
線)と実際の撮影レンズの駆動軌跡(1点鎖線)を示し
ており、撮影、蓄積、演算、駆動からなるシーケンスを
1サイクルとして撮影レンズは追尾駆動される。撮影レ
ンズの追尾駆動が理想的に行なわれた場合には、撮影動
作(露光)の中点において、実線と一点鎖線が交差す
る。従ってこの場合、追尾中の蓄積から求めたデフォー
カス量即ちこれは図において蓄積時間の中点Im におけ
る実線と一点鎖線の差に相当する量は0にならず、理想
的には撮影動作の中点Em と蓄積時間の中点Im の時間
中に撮影レンズが理想軌跡(実線)に沿って動いた量H
Xとなる。
【0099】量HXは今回の蓄積時間の中点(例えばI
m1)と前回の蓄積時間の中点(例えばImo)の間に実際
に撮影レンズが動いた量をDLST(これは前回の駆動
量に相当する)、今回の蓄積時間の中点(Im1)と前回
の蓄積時間の中点(Imo)の間の時間をTE、今回の蓄
積時間の中点(Im1)と今回の撮影動作の中点(Em1
の間の時間をTDとすると次式の如くなる。 HX=DLST×TD/TE ・・・・・(14) DLSTは前回の駆動量を記憶しておくことにより、又
TD、TEはAFCPUに内蔵するタイマー等で計時す
ることにより得ることができる。従って#2060〜#
2085では上述の考え方に基づいてデフォーカス量か
ら所定値HXを差し引いた値に従って合焦、前ピン、後
ピンを判定する。#2060では(14)式に従ってH
Xを計算する。#2065では今回のデフォーカス量よ
りHXを引いたものの絶対値が所定値ZONERより大
きいかテストする。所定値ZONERは前述の所定値Z
ONEFと同じか少し大きく設定する。#2065で所
定値ZONER以下であった場合は#2070へ進み表
示部54をアクティブにして追尾中の合焦であることを
表示する。#2065で所定値ZONER以上であった
場合は、#2075でデフォーカス量からHXを引いた
量の符号をテストし、符号が正であった場合は#208
0で表示部53をアクティブにして追尾中の前ピンであ
ることを表示する。#2075で符号が負であった場合
は、#2085へ進み表示部55をアクティブにして追
尾中の後ピンであることを表示する。#2040、#2
050、#2055、#2070、#2080、#20
85以降の処理は前実施例と同様であるが、AF表示手
段40の表示部は全てOFFしておくのが望ましい。
【0100】一方ここではプログラムフローチャートで
の図示は省略するが上記実施例においては追尾中でない
か又はレンズ端であった場合は追尾表示手段45の表示
部53、54、55は全てOFFにして追尾中でないこ
とを表示する。上記実施例においては#2035、#2
065で所定値ZONEF、ZONERと比較すること
により合焦判定を行なっていたが、図21に示す如く一
般的に一定の速度で遠ざかる被写体に対しては理想レン
ズの速度は時間とともに減少し反対に一定の速度で接近
する被写体に対しては理想レンズの速度は時間とともに
増加するので、符号−(前ピン、接近中)の合焦判定ゾ
ーンを符号+(後ピン、遠ざかる)の合焦判定ゾーンよ
りも大きく設定すれば表示がより安定する。上記実施例
においては撮影者は追尾中であるか否かを認識できると
ともに追尾中の焦点調節状態を知ることができるので焦
点調節状態に応じたレリーズ操作例えば追尾中に合焦し
ていたらレリーズ操作を行なうといったことが可能にな
る。又上記実施例においては追尾表示手段45をAF表
示手段40とは別に設けていたが、追尾中であるか否か
の情報が不要な場合には、AF表示手段40で追尾表示
手段45を兼用できる。
【0101】上記のような場合には、追尾中においても
焦点調節状態表示が通常時(追尾を行なっていない時)
と同様な形態で行なわれるので違和感がないとともに、
追尾中の表示の安定化をはかることができる。尚、図2
2、図31の表示部の表現において実線はアクティブ、
破線はOFFとなっていることを示している。図30、
図31で示した実施例においては追尾中であるか否かを
表示手段45によって表示したが本発明はこれに限られ
ることはなく音等によって追尾中であることを認識させ
ることも可能である。又追尾中であることを表示させる
だけではなく、追尾中である場合にはカメラのその他の
作動手段を自動的に制御することもできる。例えば追尾
中である場合には自動的にシャッター速度を高速にした
り、絞りを小さくする等が可能である。
【0102】以上の様に本実施例によれば被写体の移動
の有無が表示されるので撮影者は被写体の移動を認識で
きるとともに、移動被写体に対するそれなりの対応が可
能となるとともに従来のように移動被写体に対して撮影
レンズの焦点調節状態のみを表示して、撮影者が静止被
写体と移動被写体を区別できない場合の失敗、例えば精
度が同じだと思って撮影したらボケていたというような
ことを防ぐことができる。又撮影レンズの焦点調節状態
を表示する部材と被写体の移動状態を表示する部材を兼
用すればコストアップにもならず撮影者にとっても混乱
を招くことがないといった利点もある。請求項1及び請
求項11の発明によれば、撮影者は自動焦点調節装置が
意図に反して追尾駆動を開始した場合に手動で追尾駆動
をキャンセルできる。また、移動被写体用の追尾モード
と静止被写体用の静止モードとを用意しているので、静
止被写体を撮影する場合には予め静止モードを選択する
ことで誤検出によって追尾駆動を開始する危険性を防止
できる。また、請求項2〜9の発明によれば、請求項1
の効果に加えて、追尾モードを設定する場合に、焦点検
出のモード、フィルムの巻き上げモードに連動させて設
定しているので、特別専用の操作部材が不要である。ま
た、請求項10の発明によれば、請求項1の効果に加え
て、追尾モードの合焦範囲を静止モードの合焦範囲によ
り狭くしているので、静止被写体の自動焦点調節ではハ
ンチングを起こすことなく安定した合焦動作が可能であ
り、移動被写体の自動焦点調節では被写体の微妙の動き
にも追従でき、合焦動作の応答性を向上できる。また、
請求項12及び13の発明によれば、移動被写体の誤検
出の可能性のあるマニュアルフォーカスモードの時には
移動被写体の判定、あるいは表示を行わないので、誤検
出による使い勝手の悪化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成図。
【図2】AFモジュールの構成図。
【図3】本発明による実施例の動作タイムチャート図。
【図4】本発明による実施例の動作タイムチャート図。
【図5】メインCPUのプログラムフローチャート図。
【図6】メインCPUのプログラムフローチャート図。
【図7】(a)AFCPUのプログラムフローチャート
図。 (b)AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図8】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図9】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図10】AFCPUのプログラムのための説明図。
【図11】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図12】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図13】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図14】焦点検出演算の説明図。
【図15】焦点検出演算の説明図。
【図16】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図17】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図18】(A)AFCPUのプログラムのための説明
図。 (B)AFCPUのプログラムのための説明図。
【図19】AFCPUのプログラムのための説明図。
【図20】AFCPUのプログラムのための説明図。
【図21】(A)AFCPUのプログラムのための説明
図。 (B)AFCPUのプログラムのための説明図。
【図22】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図23】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図24】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図25】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図26】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図27】AFCPUのプログラムフローチャート図。
【図28】従来の追尾動作の説明図。
【図29】(A)第2実施例において、撮影レンズの焦
点が異なる場合における撮影レンズの軌跡を示す図。 (B)第2実施例において、撮影レンズの焦点が異なる
場合における撮影レンズの軌跡を示す図。
【図30】(A)第3実施例の構成を説明するための
図。 (B)第3実施例の構成を説明するための図。 (C)第3実施例の構成を説明するための図。
【図31】(A)第3実施例の構成を説明するための
図。 (B)第3実施例の構成を説明するための図。 (C)第3実施例の構成を説明するための図。
【図32】(A)レリーズが行なわれている場合と行な
われていない場合の移動被写体に対する撮影レンズの軌
跡を示した図。 (B)レリーズが行なわれている場合と行なわれていな
い場合の移動被写体に対する撮影レンズの軌跡を示した
図。
【符号の説明】
10 レンズ 11 撮影レンズ 12 レンズ−伝達系 13 レンズ−CPU 20 ボディ 23 AFモジュール 24 焦点検出光学系 25 CCD 26 センサ制御手段 30 AFCPU 40 AF表示手段 50 AFモータ 51 ボディ伝達系 52 エンコーダ 60 レリーズボタン 61 駒速モード選択手段 62 フォーカスモード選択手段 70 メインCPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/232 G03B 3/00 A (72)発明者 山野 省三 東京都品川区西大井1丁目6番3号 株 式会社ニコン 大井製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−148218(JP,A)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主光学系により形成された被写体像の焦
    点調節状態を繰り返し検出し、検出された焦点調節状態
    に応じて焦点検出信号を時系列的に発生する焦点検出手
    段と、 前記時系列的に発生する複数の焦点検出信号に基づき被
    写体が移動被写体か否かを判定する判定手段と、 静止被写体に適した焦点調節動作を行う静止モードと前
    記移動被写体に適した焦点調節動作を行う追尾モードと
    を設定するモード設定手段と、 前記モード設定手段による前記静止モード設定時には前
    記焦点検出信号に基づき前記主光学系を駆動し、また、
    前記モード設定手段による前記追尾モード設定時に、前
    記判定手段が移動被写体であると判定した場合には、複
    数の前記焦点検出信号に基づき前記移動被写体を追尾す
    るように前記主光学系を駆動すると共に、前記判定手段
    が静止被写体であると判定した場合には、前記焦点検出
    信号に基づき前記主光学系を駆動する駆動手段とを備え
    たことを特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 前記モード設定手段は、前記主光学系が
    一旦合焦したら駆動を禁止するS−AFモードと前記主
    光学系を連続的に前記焦点検出信号に基づき駆動するC
    −AFモードとを切り換える切換手段を含み、前記切換
    手段のモード切り換えに基づいて前記追尾モードを設定
    することを特徴とする請求項1の自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 前記モード設定手段は、前記切換手段の
    前記C−AFモードへの切り換えに基づいて前記追尾モ
    ードを設定することを特徴とする請求項2の自動焦点調
    節装置。
  4. 【請求項4】 連続的に行われる撮影の間にフィルムを
    巻き上げる手段であって、高速巻き上げモードと通常巻
    き上げモードとを有する巻き上げ手段を備えたカメラに
    使用される前記自動焦点調節装置において、 前記巻き上げ手段の巻き上げモードの設定に応じて前記
    追尾モードを設定することを特徴とする請求項1の自動
    焦点調節装置。
  5. 【請求項5】 前記巻き上げ手段が前記高速巻き上げモ
    ードを設定していた時には前記モード設定手段は前記静
    止モードを設定し、また前記低速巻き上げモードを設定
    していた時には前記モード設定手段は前記追尾モードを
    設定することを特徴とする請求項4の自動焦点調節装
    置。
  6. 【請求項6】 撮影動作を単発的に行う単写モードと撮
    影動作を連続的に行う連写モードとを切り換える撮影モ
    ード切り換え手段を備えたカメラに使用される前記自動
    焦点調節装置において、 前記撮影モード切り換え手段の切り換えに応じて前記追
    尾モードを設定することを特徴とする請求項1の自動焦
    点調節装置。
  7. 【請求項7】 前記単写モードが設定された時には前記
    モード設定手段は前記静止モードを設定し、また、前記
    連写モードが設定された時には前記モード設定手段は前
    記追尾モードを設定することを特徴とする請求項6の自
    動焦点調節装置。
  8. 【請求項8】 連続的に行われる撮影の間にフィルムを
    巻き上げる手段であって、高速巻き上げモードと通常巻
    き上げモードとを有する巻き上げ手段を備えたカメラに
    使用される前記自動焦点調節装置において、 前記主光学系が一旦合焦したら駆動を禁止するS−AF
    モードと前記主光学系を連続的に前記焦点検出信号に基
    づき駆動するC−AFモードとを切り換える切換手段を
    備え、 前記巻き上げ手段と前記切換手段との組合せに応じて、
    前記モード設定手段は前記追尾モードの設定を行うこと
    を特徴とする請求項1の自動焦点調節装置。
  9. 【請求項9】 前記モード設定手段は、前記巻き上げ手
    段が前記通常巻き上げモードを設定し且つ前記切換手段
    が前記C−AFモードを設定した時に、前記追尾モード
    を設定することを特徴とする請求項8の自動焦点調節装
    置。
  10. 【請求項10】 合焦点を含む合焦範囲を設定する合焦
    範囲設定手段と、 前記焦点検出信号が前記合焦範囲に入った時に前記駆動
    手段の駆動を禁止する駆動制御手段とを備え、 前記合焦範囲設定手段は、前記モード設定手段の前記追
    尾モード時の前記合焦範囲を前記モード設定手段の前記
    静止モード時の前記合焦範囲より狭く設定することを特
    徴とする請求項1の自動焦点調節装置。
  11. 【請求項11】 主光学系により形成された被写体像の
    焦点調節状態を繰り返し検出し、検出された焦点調節状
    態に応じて焦点検出信号を時系列的に発生する焦点検出
    手段と、 前記時系列的に発生する複数の焦点検出信号に基づき被
    写体の移動に追随するように前記主光学系を駆動する追
    尾駆動手段と、 外部操作部材を有し、該外部操作部材の操作により前記
    追尾駆動手段の動作を強制的に禁止する禁止手段とを備
    えたことを特徴とする自動焦点調節装置。
  12. 【請求項12】 主光学系により形成された被写体像の
    焦点調節状態を繰り返し検出し、検出された焦点調節状
    態に応じて焦点検出信号を時系列的に発生する焦点検出
    手段と、 前記時系列的に発生する複数の焦点検出信号に基づき被
    写体が移動被写体か否かを判定する判定手段と、 前記判定手段の判定結果に基づいて移動被写体か否かの
    表示を行う表示手段と、 前記主光学系の焦点調節を手動で行わせるマニュアルモ
    ードと、前記主光学系の焦点調節を前記焦点検出信号に
    基づいて自動で行わせるオートモードとを選択する選択
    手段と、 前記オートモード時に前記判定手段が移動被写体である
    と判定した場合には、前記表示手段に前記移動被写体で
    あることを表示させ、また、前記マニュアルモード時に
    は前記表示手段の表示動作を行わせないよう制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする自動焦点調節装置。
  13. 【請求項13】 主光学系により形成された被写体像の
    焦点調節状態を繰り返し検出し、検出された焦点調節状
    態に応じて焦点検出信号を時系列的に発生する焦点検出
    手段と、 前記時系列的に発生する複数の焦点検出信号に基づき被
    写体が移動被写体か否かを判定する判定手段と、 前記主光学系の焦点調節を手動で行わせるマニュアルモ
    ードと、前記主光学系の焦点調節を前記焦点検出信号に
    基づいて自動で行わせるオートモードとを選択する選択
    手段と、 前記選択手段により前記マニュアルモードが選択された
    時には前記判定手段の判定を禁止する禁止手段とを備え
    たことを特徴とする自動焦点調節装置。
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