JP2743510B2 - 光学活性な安息香酸類およびその製造法 - Google Patents

光学活性な安息香酸類およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、有機電子材料たとえば液晶材料の中間体と
して有用な光学活性な安息香酸類およびその製造法に関
するものである。
〈従来の技術〉 従来から液晶材料の中間体として種々の化合物が開発
されているが、上記の光学活性な安息香酸類およびその
工業的にも有利な製造法は知られていない。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、液晶材料の中間体として有用な光学活性な
安息香酸類およびその工業的にも有利な製造法を提供す
ることを目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、一般式(I) (式中、R*はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
数3〜15の不斉炭素原子を有する光学活性なアルキル基
またはアルコキシアルキル基を表わす。) で示される光学活性な安息香酸類およびその製造法であ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記の光学活性な安息香酸類(I)は、一般式(II) (式中、R*はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
数3〜15の不斉炭素原子を有する光学活性なアルキル基
またはアルコキシアルキル基を表わし、R'*は低級アル
キル基を表わす。) で示される光学活性な安息香酸エステル類を加水分解す
ることにより製造することができる。
該加水分解反応は、水の存在下に、通常は酸もしくは
アルカリを共存させて行われる。
上記反応に於いて用いられる酸としては、たとえば、
硫酸、リン酸、塩酸等の無機酸、トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸等の有機酸があげられる。アルカリと
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バ
リウム、炭酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕
7−ウンデセン等の有機および無機塩基があげられる。
かかる酸もしくはアルカリの使用量は以下に述べると
おりである。酸については上記安息香酸エステル酸(I
I)に対して0.02倍モルから10倍モルが好ましく用いら
れ、アルカリの場合には、少くとも1倍モル以上、好ま
しくは5倍モル以下である。もちろんこれ以上の使用量
でもさしつかえない。上記反応は通常溶媒の存在下に行
なわれ、かかる溶媒としては以下のものが例示される。
メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、
メチルエチルケトン、クロロホルム、ジクロルメタン、
トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、エチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン等の脂肪族もしくは芳
香族炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン、アミド
およびハロゲン化炭化水素等の反応に不活性な溶媒が単
独または混合物として使用され、その使用量については
特に制限されない。
反応温度は、通常−30℃〜120℃であるが、好ましく
は−20℃〜100℃である。
反応時間は特に制限されない。反応終了後、通常の分
離手段、たとえば抽出、分液、濃縮、再結晶等により光
学活性な安息香酸類(I)が収率よく得られ、これは必
要により更にカラムクロマトグラフィー等で精製するこ
ともできる。
尚、該加水分解反応は、生成物及び原料化合物が共に
エーテル化合物である為に、アルカリの共存下に行うこ
とがより好ましい。
一般式(II)で示される光学活性な安息香酸エステル
類は例えば次に示す2つの方法により製造することがで
きる。
一般式(III) (式中、R′は前記と同じ意味を表わす。) で示されるベンジルアルコール類と一般式(IV) R*−X (IV) (式中、R*は前記と同じ意味を表わし、Xはハロゲン原
子または一般式−OSO2R”を表わす。ここで、R"は低級
アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表
わす。) で示されるアルキル化剤とを反応させる方法。
一般式(V) R*−OH (V) (式中、R*は前記と同じ意味を表わす。) で示される光学活性なアルコール類と、一般式(VI) (式中、R′およびXは前記と同じ意味を表わす。) で示される安息香酸エステル誘導体と反応させる方法。
上記の方法に於いて上記ベンジルアルコール類(II
I)は公知化合物であり、文献記載の方法により製造す
ることができる。
一方、アルキル化剤(IV)は、後述する光学活性なア
ルコール類(V)をハロゲン化あるいは硫酸エステル化
することにより製造することができる。
上記アルキル化反応は、通常塩基性物質の存在下に行
われ、塩基性物質としては、水素化ナトリウム、水素化
カリウム等のアルカリ金属水素化物、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属、ナトリウムエチラー
ト、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属アルコラー
ト、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金
属、ブチルリチウム等が例示される。
かかる塩基性物質はベンジルアルコール(III)に対
して1当量倍以上必要であり、上限については特に制限
されないが、好ましくは3当量倍である。
ベンジルアルコール類(III)とアルキル化剤(IV)
の使用量は、各々の入手の難易度に応じて様々な割合で
使用されるが、通常、両者の使用当量比は、1:5〜5:1、
好ましくは、1:3〜3:1である。
上記反応で用いられるアルキル化剤(IV)としては、
以下に例示されるようなハロゲン原子で置換されていて
もよい炭素数3〜15の光学活性なアルキル基またはアル
コキシアルキル基を有するクロリド、ブロミド、アイオ
ダイド等のハロゲン化物あるいは硫酸エステル類(メタ
ンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、ベ
ンゼンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステ
ル等)である。
前記のハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数3
〜15の光学活性なアルキル基またはアルコキシアルキル
基としては以下のものが挙げられる。1−メチルプロピ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,2−ジメ
チルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチ
ル、1,2,2−トリメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチ
ル、2,3,3−トリメチルブチル、1−メチルペンチル、
2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,2−ジメ
チルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、2,3−ジメチル
ペンチル、2,4−ジメチルペンチル、1,2,2,3−テトラメ
チルペンチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシ
ル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、1,2−
ジメチルヘキシル、1,3−ジメチルヘキシル、1,4−ジメ
チルヘキシル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチ
ル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メ
チルヘプチル、1,3−ジメチルヘプチル、1−メチルオ
クチル、2−メチルオクチル、3−メチルオクチル、4
−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6−メチルオ
クチル、1,2−ジメチルオクチル、1,4−ジメチルオクチ
ル、1−メチルノニル、2−メチルノニル、3−メチル
ノニル、4−メチルノニル、5−メチルノニル、6−メ
チルノニル、7−メチルノニル、1,2−ジメチルノニ
ル、1−メチルデシル、2−メチルデシル、3−メチル
デシル、4−メチルデシル、5−メチルデシル、6−メ
チルデシル、7−メチルデシル、8−メチルデシル、1
−メチルウンデシル、9−メチルウンデシル、1−メチ
ルドデシル、10−メチルドデシル、メトキシエチル、メ
トキシプロピル、メトキシブチル、メトキシペンチル、
メトキシヘキシル、メトキシヘプチン、メトキシオクチ
ル、メトキシノニル、メトキシデシル、エトキシエチ
ル、エトキシプロピル、エトキシブチル、エトキシペン
チル、エトキシヘキシル、エトキシヘプチル、エトキシ
オクチル、エトキシノニル、エトキシデシル、プロポキ
シエチル、プロポキシプロピル、プロポキシブチル、プ
ロポキシペンチル、プロポキシヘキシル、プロポキシヘ
プチル、プロポキシオクチル、プロポキシノニル、プロ
ポキシデシル、ブトキシエチル、ブトキシプロピル、ブ
トキシブチル、ブトキシペンチル、ブトキシヘキシル、
ブトキシヘプチル、ブトキシオクチル、ブトキシノニ
ル、ブトキシデシル、ペンチルオキシエチル、ペンチル
オキシプロピル、ペンチルオキシブチル、ペンチルオキ
シペンチル、ペンチルオキシヘキシル、ペンチルオキシ
オクチル、ペンチルオキシデシル、ヘキシルオキシエチ
ル、ヘキシルオキシプロピル、ヘキシルオキシブチル、
ヘキシルオキシペンチル、ヘキシルオキシヘキシル、ヘ
プチルオキシエチル、ヘプチルオキシプロピル、ヘプチ
ルオキシブチル、ヘプチルオキシペンチル、オクチルオ
キシエチル、オクチルオキシプロピル、デシルオキシエ
チル、デシルオキシプロピル、 2−トリハロメチルペンチル、2−トリハロメチルヘ
キシル、2−トリハロメチルヘプチル、2−ハロプロピ
ル、3−ハロ−2−メチルプロピル、2,3−ジハロプロ
ピル、2−ハロブチル、3−ハロブチル、2,3−ジハロ
ブチル、2,4−ジハロブチル、3,4−ジハロブチル、2−
ハロ−3−メチルブチル、2−ハロ−3,3−ジメチルブ
チル、2−ハロペンチル、3−ハロペンチル、4−ハロ
ペンチル、2,4−ジハロペンチル、2,5−ジハロペンチ
ル、2−ハロ−3−メチルペンチル、2−ハロ−4−メ
チルペンチル、2−ハロ−3−モノハロメチル−4−メ
チルペンチル、2−ハロヘキシル、3−ハロヘキシル、
4−ハロヘキシル、5−ハロヘキシル、2−ハロヘプチ
ル、2−ハロオクチル(但し、上記アルキル基中ハロと
は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表わす。)等。
なお、一般式(IV)において置換基R*が臭素またはヨ
ウ素原子を含む光学活性なアルキル基の場合には、一般
的にアルキル化剤としては反応収率の面から硫酸エステ
ル類が好ましく用いられる。
但し、置換基R*がフッ素または塩素原子を含む光学活
性なアルキル基である場合には、アルキル化剤がブロミ
ドまたはアイオダイドであっても何ら問題なく使用する
ことができる。
反応溶媒としては、たとえばテトラヒドロフラン、エ
チルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、トルエ
ン、ベンゼン、クロルベンゼン、ジメチルホルムアミ
ド、ヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、エー
テル、ハロゲン化炭化水素等の反応に不活性な溶媒が単
独または混合物として使用され、その使用量については
特に制限されない。
また、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリ
ルアミド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒を使用す
ることもできる。
反応温度は、通常−50℃〜120℃、好ましくは−30℃
〜100℃の範囲である。
反応終了後、通常の分離手段、たとえば抽出、分液、
濃縮等の操作により光学活性な安息香酸エステル類(I
I)を得ることができる。
次に、前記の方法に於いて、安息香酸エステル誘導
体(VI)は、ベンジルアルコール類(III)を三臭化リ
ンを用いてハロゲン化するか、または、メタンスルホニ
ルクロリドもしくはトルエンスルホニルクロリド等を用
いて硫酸エステル化することにより製造することができ
る。
一方、光学活性なアルコール類(V)は、一部、市販
品を利用できるが、必要に応じて、対応するケトンの不
斉金属触媒、微生物または酵素による不斉還元により、
容易に得られる。
またあるものは、天然に依存するか、または分割によ
り得られる次のような光学活性アミノ酸および光学活性
オキシ酸から誘導できる。
バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニ
ン、スレオニン、アロスレオニン、ホモセリン、アロイ
ソロイシン、tert−ロイシン、2−アミノ酪酸、ノルバ
リン、ノルロイシン、オルニチン、リジン、ヒドロキシ
リジン、フェニルグリシン、アスパラギン酸、グルタミ
ン酸、マンデル酸、トロパ酸、3−ヒドロキシ酪酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、イソプロピルリンゴ酸等。
光学活性なアルコール類(V)と安息香酸エステル誘
導体(VI)の反応における条件は、先に説明したの方
法におけるアルキル化の反応条件がそのまま適用され
る。
但し、光学活性なアルコール類(V)と安息香酸エス
テル誘導体(VI)の使用量は、任意に決めうるが一般的
には安息香酸エステル誘導体(VI)の方がより安価で入
手が比較的容易な為に、該誘導体(VI)上記アルコール
類(V)に対して過剰量用いた方が好ましく、前記誘導
体(VI)の使用量は光学活性なアルコール類(V)に対
して1〜5当量倍、特に好ましくは1〜3当量倍であ
る。
尚、光学活性なアルコール類(V)の置換基R*は、先
に例示した光学活性なアルキル基またはアルコキシアル
キル基があげられる。
〈発明の効果〉 本発明の光学活性な安息香酸類(I)は、例えば下式
に示されるような方法により新規な液晶化合物(VII)
へ導くことができ、該化合物は強誘電性液晶として非常
に優れた性質を有している。
(式中、Arはフェニレン基、ビフェニレン基などを表わ
し、Yはアルキル基あるいはアルコキシル基などを表わ
す。R*は前記と同じ意味を表わす。) また、上記一般式(I)で示される光学活性な安息香
酸類は、農薬、医薬等の中間体として利用することもで
きる。
さらに、本発明の製造法によれば、光学活性な安息香
酸類(I)を工業的にも有利に製造することができる。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 撹拌装置、温度計を装着した4ツ口フラスコに2S−ブ
タノール2.96g(0.04モル)とジメチルホルムアミド15m
lを加え、5℃以下に冷却し、水素化ナトリウム0.48g
(0.02モル)を加え、同温度で1時間、さらに20〜25℃
にて2時間、撹拌した。次に、4−ブロモメチル安息香
酸メチルエステル4.58g(0.02モル)を、20〜25℃にて
1時間かけて加え、同温度にて2時間、さらに、30〜35
℃にて2時間撹拌した。反応終了後、反応液を氷水中に
あけ、トルエン50mlにて抽出し、有機層を水洗後、硫酸
マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を別後、溶媒を留去し
た。濃縮残渣はトルエンにてカラムクロマト精製するこ
とにより4−(2S−ブトキシメチル)安息香酸メチルエ
ステル(II−1)3.20gを得た。
▲〔α〕20 D▼+21°(c=1,CHCl3)、▲n20 D▼1.5032 次に、上記で得られた(II-1)1.11g(5ミリモ
ル)、20%苛性ソーダ1.5g(7.5ミリモル)およびメタ
ノール5mlを4ツ口フラスコに仕込み、室温にて4時間
撹拌した。
反応終了後、メタノールを留去し、2N−塩酸水にて弱
酸性となし、酢酸エチル20mlにて抽出し、有機層を水洗
ののち減圧濃縮した。濃縮残渣をトルエン:酢酸エチル
=5:1の溶出溶媒にてクロマト精製することにより4−
(2S−ブトキシメチル)安息香酸(I-1)1.01gを得た。
▲〔α〕20 D▼+6.7°(c=1,CHCl3)、融点46〜48℃ 実施例2 2S−メチルブタノール3.52g(0.04モル)、N−メチ
ルピロリドン15mlおよびテトラヒドロフラン3mlを加
え、5℃以下に冷却し、水素化ナトリウム0.5g(0.025
モル)を加え、同温度で1時間、さらに20〜25℃にて2
時間撹拌した。次に、4−ブロモメチル安息香酸エチル
エステル4.86g(0.02モル)を20℃以下にて1時間かけ
て加えた。同温度にて2時間、さらに30〜35℃にて2時
間撹拌し、反応終了後、反応液を氷中にあけ、トルエン
50mlにて抽出した。以下実施例1に準じて後処理、精製
することにより4−(2S−メチルブトキシメチル)安息
香酸エチルエステル(II-2)4.08gを得た。
▲〔α〕20 D▼+4.3°(c=1,CHCl3)、▲n20 D▼1.498
7 次に、ここで得た(II-2)1.34g(5ミリモル)、20
%苛性カリ2.1g(7.5ミリモル)およびメタノール3mlお
よびテトラヒドロフラン1mlを、30℃にて4時間撹拌し
た。
反応終了後、メタノールおよびテトラヒドロフランを
留去し、残渣を2N−塩酸水にて弱酸性とした。以下、実
施例1に準じて後処理、精製することにより4−(2S−
メチルブトキシメチル)安息香酸(I-2)1.07gを得た。
▲〔α〕20 D▼+5.3°(c=1,CHCl3)、融点66〜68℃ 実施例3 4−ブロモメチル安息香酸メチルエステルにかえて、
4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルのp−ト
ルエンスルホン酸エステル6.41g(0.02モル)を使用す
る以外は実施例1に準じて反応、後処理、精製すること
により4−(2S−メチルブトキシメチル)安息香酸メチ
ルエステル(II-3)3.56gを得た。
▲〔α〕20 D▼+5.5°(c=1,CHCl3)、▲n20 D▼1.500
4 次に、上記で得られた(II-3)1.27g(5ミリモ
ル)、20%苛性ソーダ2g(0.01モル)およびテトラブチ
ルアンモニウムブロミド0.1gを加え30℃にて10時間撹拌
した。反応終了後、2N−塩酸水にて弱酸性とし、酢酸エ
チル20mlにて抽出する。以下、実施例1に準じて、後処
理、精製することにより4−(2S−メチルブトキシメチ
ル)安息香酸(I-3)1.06gを得た。
▲〔α〕20 D▼+5.4°(c=1,CHCl3)、融点64〜66℃ 実施例4 4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル3.32g
(0.02モル)とジメチルホルムアミド20mlの溶液を5℃
に冷却し、水素化ナトリウム0.48g(0.02モル)を加
え、同温度で1時間、さらに20℃にて2時間撹拌した。
次に、4S−メチルヘキシルトシレート6.49g(0.024モ
ル)を20〜25℃にて1時間かけて加え、同温度で2時
間、さらに30〜35℃にて3時間撹拌した。反応終了後、
反応液を氷水中にあけ、トルエン50mlにて抽出し、以
下、実施例1に準じて後処理、精製することにより4−
(4S−メチルヘキシルオキシメチル)安息香酸メチルエ
ステル(II-4)3.49gを得た。
▲〔α〕20 D▼+2.1°(c=1,CHCl3)、▲n20 D▼1.495
8 次に、上記で得られた(II-4)1.32g(5ミリモ
ル)、20%苛性ソーダ3g(0.015モル)およびメタノー
ル5mlを20〜30℃にて5時間撹拌した。反応終了後、メ
タノールを留去し、2N−塩酸水にて残渣を弱酸性とな
し、酢酸エステル20mlにて抽出し、有機層を水洗のの
ち、減圧にて濃縮した。濃縮残渣をトルエン:酢酸エチ
ル=5:1にてカラムクロマト精製することにより4−(4
S−メチルヘキシルオキシメチル)安息香酸(I-4)1.22
gを得た。
▲〔α〕20 D▼+3.8°(c=1,CHCl3)、融点44〜45℃ 実施例5〜10 4S−メチルヘキシルトシレートにかえて、表−1に示
すアルキル化剤(IV)を使用する以外は、実施例4と同
様に反応、後処理、精製し、表−1に示す結果を得た。
実施例11および12 2S−ブタノールにかえて、表−2に示す光学活性なア
ルコール類(V)を使用する以外は、実施例1と同様に
反応、後処理、精製し、表−2に示す結果を得た。
参考例 液晶化合物(VII)の製造例 4ツ口フラスコに、4−(4S−メチルヘキシルオキシ
メチル)安息香酸(I-4)1.25g(5ミリモル)、4−デ
シルオキシ−4′−ヒドロキシビフェニル1.96g(6ミ
リモル)およびジクロルメタン30mlを仕込み、N,N′−
ジシクロヘキシルカルボジイミド1.13g(5.5ミリモル)
と4−ピロリジノピリジン0.1gを加えて25〜30℃にて24
時間撹拌した。
反応終了後、生じた沈殿を別し、トルエン200mlで
希釈し、有機層は、水、5%酢酸水、水、5%重曹水、
水の順に洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマト精製(溶出液;トルエン−酢酸エチル)する
ことにより(+)−4−(4S−メチルヘキシルオキシメ
チル)安息香酸4−デシルオキシビフェニリルエステル
2.33g(収率86%)を得た。
▲〔α〕20 D▼+1.2°(c=1,CHCl3

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R*はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素
    数3〜15の不斉炭素原子を有する光学活性なアルキル基
    またはアルコキシアルキル基を表わす。)nは1〜6の
    整数を表わす。) で示される光学活性な安息香酸類。
  2. 【請求項2】一般式(II) (式中、R*は前記と同じ意味を表わし、R'は低級アルキ
    ル基を表わす。)で示される光学活性な安息香酸エステ
    ル類を加水分解することを特徴とする一般式(I)で示
    される光学活性な安息香酸類の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(III) (式中、R'は前記と同じ意味を表わす。) で示されるベンジルアルコール類と一般式(IV) R*−X (IV) (式中、R*は前記と同じ意味を表わし、Xはハロゲン原
    子または一般式−OSO2R”を表わす。ここで、R"は低級
    アルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表
    わす。) で示されるアルキル化剤とを反応させて一般式(II)で
    示される光学活性な安息香酸エステル類を得、これを加
    水分解することを特徴とする一般式(I)で示される光
    学活性な安息香酸類の製造法。
  4. 【請求項4】一般式(V) R*−OH (V) (式中、R*は前記と同じ意味を表わす。) で示される光学活性なアルコール類と、一般式(IV) (式中、R'およびXは、前記と同じ意味を表わす。) で示される安息香酸エステル誘導体とを反応させて一般
    式(II)で示される光学活性な安息香酸エステル類を
    得、これを加水分解することを特徴とする一般式(I)
    で示される光学活性な安息香酸類の製造法。
JP22692889A 1988-10-04 1989-08-31 光学活性な安息香酸類およびその製造法 Expired - Fee Related JP2743510B2 (ja)

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