JP2743419B2 - 隔膜脱気装置および脱気方法 - Google Patents
隔膜脱気装置および脱気方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は膜を介して水と減圧した気相とを接触せしめ
ることにより、水中に溶解含有せる気体を除去する隔膜
脱気装置に関し、中でも特に、溶存酸素濃度0.3ppm以下
の低残留溶存酸素水の製造方法並びに装置に関する。本
発明は、例えばボイラー供給水や逆浸透膜への供給液の
脱酸素、半導体洗浄用の超純水の脱酸素、配管や冷却装
置の防錆を目的とした、水や海水の脱酸素や脱炭酸ガ
ス、気泡の発生の防止を目的とする、例えば写真現像液
の脱気、保存を目的とした水の脱酸素、医療用、食品用
の脱酸素水の製造などの分野に利用し得る。
ることにより、水中に溶解含有せる気体を除去する隔膜
脱気装置に関し、中でも特に、溶存酸素濃度0.3ppm以下
の低残留溶存酸素水の製造方法並びに装置に関する。本
発明は、例えばボイラー供給水や逆浸透膜への供給液の
脱酸素、半導体洗浄用の超純水の脱酸素、配管や冷却装
置の防錆を目的とした、水や海水の脱酸素や脱炭酸ガ
ス、気泡の発生の防止を目的とする、例えば写真現像液
の脱気、保存を目的とした水の脱酸素、医療用、食品用
の脱酸素水の製造などの分野に利用し得る。
[従来の技術] 水の脱気方法としては従来、過熱脱気、真空脱気、バ
ブリング法、超音波脱気、化学法、隔膜脱気などが知ら
れている。これらの中で隔膜脱気は脱気装置が小型、安
価になること、取扱が容易なこと、脱気に必要なエネル
ギーが少ないことなどの優れた特長をもっている。しか
しながら、隔膜脱気法によって水中の溶存気体濃度を0.
3ppm以下の低濃度まで下げることは相当困難であった。
ここで言う溶存気体濃度は、酸素、窒素、若しくは炭酸
ガスなどの、除去を目的とする単一の気体の濃度をい
う。
ブリング法、超音波脱気、化学法、隔膜脱気などが知ら
れている。これらの中で隔膜脱気は脱気装置が小型、安
価になること、取扱が容易なこと、脱気に必要なエネル
ギーが少ないことなどの優れた特長をもっている。しか
しながら、隔膜脱気法によって水中の溶存気体濃度を0.
3ppm以下の低濃度まで下げることは相当困難であった。
ここで言う溶存気体濃度は、酸素、窒素、若しくは炭酸
ガスなどの、除去を目的とする単一の気体の濃度をい
う。
隔膜脱気を効率良く行う方法については、例えば特開
昭60−25514において接触時間や隔膜面積について、特
開昭60−255120において周囲温度の効果について、特開
昭54−123785、特開昭58−62637、特開昭58−81404、特
開昭58−129345において隔膜の種類について開示されて
いる。しかしながら、これらはいずれも残留溶存気体量
が0.3ppmを越える、比較的多量に残存する場合か、ある
いは真空度が30torr以下まで高度に減圧する場合であっ
て、真空度が30〜100torrと言った比較的低い減圧でも
溶存気体濃度が0.3ppm以下の低濃度まで脱気する方法や
装置についてはこれまで知られておらず、上記の先行文
献の中でも、何らの記述も成されていない。
昭60−25514において接触時間や隔膜面積について、特
開昭60−255120において周囲温度の効果について、特開
昭54−123785、特開昭58−62637、特開昭58−81404、特
開昭58−129345において隔膜の種類について開示されて
いる。しかしながら、これらはいずれも残留溶存気体量
が0.3ppmを越える、比較的多量に残存する場合か、ある
いは真空度が30torr以下まで高度に減圧する場合であっ
て、真空度が30〜100torrと言った比較的低い減圧でも
溶存気体濃度が0.3ppm以下の低濃度まで脱気する方法や
装置についてはこれまで知られておらず、上記の先行文
献の中でも、何らの記述も成されていない。
[発明が解決しようとする課題] 水中に残存する溶存気体濃度を、例えば酸素、窒素、
炭酸ガスなどの水に対する溶解度が比較的高い気体に関
して0.3ppm以下という低残留濃度にまで下げるには、気
相側を20torr以下にまで減圧せねばならず、このため排
気量の大きな真空ポンプを要するのみならず、水封式真
空ポンプ、ダイヤフラム型真空ポンプ、蒸気エジェクタ
ー又は水流アスピレーターと言った、水蒸気を多量に含
む気体の吸引に適した減圧手段は、減圧度が不足するた
め使用することができなかった。このため、溶存気体量
が0.3ppm以下の高脱気水の製造には、油回転式やドライ
型など、水蒸気を多量に含む気体に適用する場合にはメ
ンテナンスが繁雑で寿命も短いタイプの真空ポンプを使
用する他なかった。さらに、これらの気体に関して0.3p
pm以下までの脱気を、真空度が30〜100torrと言った比
較的低い減圧度でありながら、かつ排気すべき気体の体
積の100倍以下という小排気量の減圧手段が使用できる
脱気方法については知られていなかった。
炭酸ガスなどの水に対する溶解度が比較的高い気体に関
して0.3ppm以下という低残留濃度にまで下げるには、気
相側を20torr以下にまで減圧せねばならず、このため排
気量の大きな真空ポンプを要するのみならず、水封式真
空ポンプ、ダイヤフラム型真空ポンプ、蒸気エジェクタ
ー又は水流アスピレーターと言った、水蒸気を多量に含
む気体の吸引に適した減圧手段は、減圧度が不足するた
め使用することができなかった。このため、溶存気体量
が0.3ppm以下の高脱気水の製造には、油回転式やドライ
型など、水蒸気を多量に含む気体に適用する場合にはメ
ンテナンスが繁雑で寿命も短いタイプの真空ポンプを使
用する他なかった。さらに、これらの気体に関して0.3p
pm以下までの脱気を、真空度が30〜100torrと言った比
較的低い減圧度でありながら、かつ排気すべき気体の体
積の100倍以下という小排気量の減圧手段が使用できる
脱気方法については知られていなかった。
一方、残存気体濃度を小さくすることのできる脱気方
法として、真空脱気が知られている。真空脱気には、充
填塔、濡れ壁法、邪魔板法など種々の形態があるが、い
ずれにおしても、水相と減圧された気相とを直接接触さ
せて、溶存気体を脱気する方法であり、設定された温度
における水の沸騰点近くまで減圧するか、あるいは設定
された減圧度における水の沸騰点近くまで水を加温する
ことにより、0.1ppm以下の低濃度まで脱気することが可
能である。しかしながら真空脱気法は、充填搭などの気
液接触部が大型、高価になる、システムが複雑になる、
などの欠点の他に、0.3ppm以下にまで脱気する場合に
は、多量の水の蒸発が避けられないため、減圧するため
の真空ポンプとして、脱気すべき気体の体積に対して千
倍から1万倍以上という大排気量のものを使用する必要
があった。そのため、ポンプが大型化し設置スペースが
大となる。ポンプが高価である、運転コストがかさむな
どの欠点を擁していた。
法として、真空脱気が知られている。真空脱気には、充
填塔、濡れ壁法、邪魔板法など種々の形態があるが、い
ずれにおしても、水相と減圧された気相とを直接接触さ
せて、溶存気体を脱気する方法であり、設定された温度
における水の沸騰点近くまで減圧するか、あるいは設定
された減圧度における水の沸騰点近くまで水を加温する
ことにより、0.1ppm以下の低濃度まで脱気することが可
能である。しかしながら真空脱気法は、充填搭などの気
液接触部が大型、高価になる、システムが複雑になる、
などの欠点の他に、0.3ppm以下にまで脱気する場合に
は、多量の水の蒸発が避けられないため、減圧するため
の真空ポンプとして、脱気すべき気体の体積に対して千
倍から1万倍以上という大排気量のものを使用する必要
があった。そのため、ポンプが大型化し設置スペースが
大となる。ポンプが高価である、運転コストがかさむな
どの欠点を擁していた。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、利点の多い隔膜脱気装置において、残
存気体濃度が0.3ppm以下まで高度に脱気する場合に発生
する上記の欠点を除去する方法、即ち、水封式真空ポン
プなどが使用でき、真空度が30〜100torrと言った比較
的低い減圧度でも残存気体濃度が0.3ppm以下まで脱気可
能な方法について、さらには小排気量の真空ポンプを用
いても低溶存濃度まで脱気できる方法について鋭意検討
した結果、本発明に到達した。
存気体濃度が0.3ppm以下まで高度に脱気する場合に発生
する上記の欠点を除去する方法、即ち、水封式真空ポン
プなどが使用でき、真空度が30〜100torrと言った比較
的低い減圧度でも残存気体濃度が0.3ppm以下まで脱気可
能な方法について、さらには小排気量の真空ポンプを用
いても低溶存濃度まで脱気できる方法について鋭意検討
した結果、本発明に到達した。
即ち本発明の要旨は、気液の境界を画する隔膜、該隔
膜で隔てられた液相側に供給する水の温度を40〜80℃に
加熱するための装置及び、該隔膜で隔てられた気相側を
30〜100torrに減圧するための装置を有することを特徴
とする、残留溶存気体濃度が0.3ppm以下,更には0.03pp
m以下の水を製造する隔膜脱気装置を提供する点にあ
る。また本発明は、このように、隔膜を用い、その片側
に供給する水の温度を好適な温度に調節することによ
り、気相の圧力を比較的簡単に達成される減圧度の状態
で、高度に脱気された水の製造を可能とする方法を提供
する。
膜で隔てられた液相側に供給する水の温度を40〜80℃に
加熱するための装置及び、該隔膜で隔てられた気相側を
30〜100torrに減圧するための装置を有することを特徴
とする、残留溶存気体濃度が0.3ppm以下,更には0.03pp
m以下の水を製造する隔膜脱気装置を提供する点にあ
る。また本発明は、このように、隔膜を用い、その片側
に供給する水の温度を好適な温度に調節することによ
り、気相の圧力を比較的簡単に達成される減圧度の状態
で、高度に脱気された水の製造を可能とする方法を提供
する。
本発明で言う溶存気体濃度や残存気体濃度は、除去を
目的とする特定の気体に関するものであって、特に断ら
ないかぎり、水に溶解している全気体種の総和のことを
いうのでは無い。但し、除去を目的とする気体が複数の
場合にはその合計とする。
目的とする特定の気体に関するものであって、特に断ら
ないかぎり、水に溶解している全気体種の総和のことを
いうのでは無い。但し、除去を目的とする気体が複数の
場合にはその合計とする。
発明者等の検討によれば、第3図に示した如き従来の
内部灌流方式による水の脱酸素の例に見られるように、
水の流量を下げて接触時間を長くするほど残存酸素濃度
は低下するものの限界があり、いかに膜面積や接触時間
を増やしても、また隔膜の種類を選択することによって
も、残存酸素濃度を0.3ppm以下(真空度を30torrとした
場合)にできないことが判明した。残存酸素濃度を0.3p
pm以下にするには、さらに減圧することが必要である
が、水蒸気を多量に含む気体の吸引に適した水封式真空
ポンプの使用が不可能になる。
内部灌流方式による水の脱酸素の例に見られるように、
水の流量を下げて接触時間を長くするほど残存酸素濃度
は低下するものの限界があり、いかに膜面積や接触時間
を増やしても、また隔膜の種類を選択することによって
も、残存酸素濃度を0.3ppm以下(真空度を30torrとした
場合)にできないことが判明した。残存酸素濃度を0.3p
pm以下にするには、さらに減圧することが必要である
が、水蒸気を多量に含む気体の吸引に適した水封式真空
ポンプの使用が不可能になる。
発明者等は種々検討した結果、原水を40〜80℃に加熱
する方法が好ましいことを見いだした。即ち、気液接触
隔膜に導く原水の温度を40〜80℃に加熱することにより
残存濃度の限界点を下げることができ、しかも、隔膜に
適当な特性のものを用いれば、残存気体量を増すこと無
く、これまで知られていた隔膜脱気や通常の真空脱気に
比べて、小排気量の真空ポンプの使用が可能になる。
する方法が好ましいことを見いだした。即ち、気液接触
隔膜に導く原水の温度を40〜80℃に加熱することにより
残存濃度の限界点を下げることができ、しかも、隔膜に
適当な特性のものを用いれば、残存気体量を増すこと無
く、これまで知られていた隔膜脱気や通常の真空脱気に
比べて、小排気量の真空ポンプの使用が可能になる。
残存気体量を減少させるために原水を加熱する方法
は、一般の真空脱気においては周知のことであるが、液
体の自由表面が存在する真空脱気装置の場合と、膜と隔
てて気液が接触している本発明の隔膜脱気装置では、脱
気の機構が全く異なり、容易に類推できる性質のもので
はない。例えば、真空脱気においては、設定された温度
において減圧してゆくか、あるいは設定された真空度に
おいで水を加熱してゆくと、水の沸騰点に達し、気体の
溶解度がゼロになると同時に、溶存気体量の無限大倍量
の水蒸気が発生することは周知である。しかしながら隔
膜脱気の場合には、設定された温度において減圧度をい
かに上げても、あるいは設定された真空度においで水を
どこまで加熱しても、水の沸騰が生じることは無い。従
って、隔膜脱気においては、真空脱気における水の沸騰
条件で操作することが可能であり、水の沸騰と共に溶存
気体濃度がゼロになることもない。このように、一般の
真空脱気と隔膜脱気はその機構に於て全く異なるもので
ある。
は、一般の真空脱気においては周知のことであるが、液
体の自由表面が存在する真空脱気装置の場合と、膜と隔
てて気液が接触している本発明の隔膜脱気装置では、脱
気の機構が全く異なり、容易に類推できる性質のもので
はない。例えば、真空脱気においては、設定された温度
において減圧してゆくか、あるいは設定された真空度に
おいで水を加熱してゆくと、水の沸騰点に達し、気体の
溶解度がゼロになると同時に、溶存気体量の無限大倍量
の水蒸気が発生することは周知である。しかしながら隔
膜脱気の場合には、設定された温度において減圧度をい
かに上げても、あるいは設定された真空度においで水を
どこまで加熱しても、水の沸騰が生じることは無い。従
って、隔膜脱気においては、真空脱気における水の沸騰
条件で操作することが可能であり、水の沸騰と共に溶存
気体濃度がゼロになることもない。このように、一般の
真空脱気と隔膜脱気はその機構に於て全く異なるもので
ある。
また、特開昭60−255120には、隔膜脱気において、隔
膜の設置された真空チャンバ温度をコントロールするこ
とによって膜の透過速度を増し、残存気体濃度を減少さ
せる方法が開示されている。しかしながら該文献は、実
施例にもみられるように、高々5〜3ppm程度までの脱気
に関するものであって、脱気限界濃度を引き下げる方法
を提示した本発明とは全く異なるものである。
膜の設置された真空チャンバ温度をコントロールするこ
とによって膜の透過速度を増し、残存気体濃度を減少さ
せる方法が開示されている。しかしながら該文献は、実
施例にもみられるように、高々5〜3ppm程度までの脱気
に関するものであって、脱気限界濃度を引き下げる方法
を提示した本発明とは全く異なるものである。
本発明の原水の加熱手段には特に制約はなく、スチー
ム、熱媒、電気など任意のものを用いることができる。
加熱は原水を熱交換器に通す事によって行ってもよい
し、原水をタンクに貯留した状態で大気開放下で行って
もよい。大気開放の貯水タンクを使用し、加熱すると同
時に攪拌や空気バブリングを行うことは、膜モジュール
への供給水中の溶存気体濃度を低減させ、脱気の負荷が
減少する点で好ましい。原水の温度が高く、過熱の必要
がない場合や、80℃を越える場合には、保温や冷却を行
うことにより、隔膜への供給温度を40〜80℃に調節す
る。
ム、熱媒、電気など任意のものを用いることができる。
加熱は原水を熱交換器に通す事によって行ってもよい
し、原水をタンクに貯留した状態で大気開放下で行って
もよい。大気開放の貯水タンクを使用し、加熱すると同
時に攪拌や空気バブリングを行うことは、膜モジュール
への供給水中の溶存気体濃度を低減させ、脱気の負荷が
減少する点で好ましい。原水の温度が高く、過熱の必要
がない場合や、80℃を越える場合には、保温や冷却を行
うことにより、隔膜への供給温度を40〜80℃に調節す
る。
本発明に用いる隔膜の気体透過速度定数は、除去すべ
き気体に関する透過速度定数が、使用する温度において
1×10-6[cm3(STP)/cm2,sec,cmhg、以下同じ]以上
であり、1×10-5以上が好ましく、1×10-4以上がさら
に好ましい。測定はASTMD1434に準拠して行う。本発明
に用いる膜は水を液体のままで透過しない事を要する。
膜の水蒸気透過速度定数は、除去すべき気体の透過速度
定数の0.5倍〜100倍であることが好ましく、さらに好ま
しくは1倍〜10倍である。気体透過速度定数に対する水
蒸気透過速度定数の比が小さいほど排気量の小さな真空
ポンプを用いることができるが、比が0.5より小さくな
ると、真空ポンプ排気量に係わらず残存気体濃度が上昇
することが判明した。水蒸気透過速度定数の測定は、膜
の一方の側に水を満たし、反対側を1torr以下に減圧し
て、水の減少速度をキャピラリーで測定する方法、若し
くは減圧側のコールドトラップに捕らえられた水の量で
測定する方法を採ることができる。この時、膜の両側の
圧力差は、測定温度における水の蒸気圧として計算す
る。
き気体に関する透過速度定数が、使用する温度において
1×10-6[cm3(STP)/cm2,sec,cmhg、以下同じ]以上
であり、1×10-5以上が好ましく、1×10-4以上がさら
に好ましい。測定はASTMD1434に準拠して行う。本発明
に用いる膜は水を液体のままで透過しない事を要する。
膜の水蒸気透過速度定数は、除去すべき気体の透過速度
定数の0.5倍〜100倍であることが好ましく、さらに好ま
しくは1倍〜10倍である。気体透過速度定数に対する水
蒸気透過速度定数の比が小さいほど排気量の小さな真空
ポンプを用いることができるが、比が0.5より小さくな
ると、真空ポンプ排気量に係わらず残存気体濃度が上昇
することが判明した。水蒸気透過速度定数の測定は、膜
の一方の側に水を満たし、反対側を1torr以下に減圧し
て、水の減少速度をキャピラリーで測定する方法、若し
くは減圧側のコールドトラップに捕らえられた水の量で
測定する方法を採ることができる。この時、膜の両側の
圧力差は、測定温度における水の蒸気圧として計算す
る。
膜の気体透過速度定数及び水蒸気透過速度定数は、使
用温度における値を用いるのが本来ではあるが、近似的
に室温(25℃)での測定値を用いることができる。
用温度における値を用いるのが本来ではあるが、近似的
に室温(25℃)での測定値を用いることができる。
このような透過特性に適合するものとしては、均質
膜、気体分離膜、疎水性多孔質膜、限外濾過膜、逆浸透
膜などを挙げることができる。これらの中で、気体分離
膜が、気体透過速度及び水蒸気遮断性の両面において好
ましく、気体分離膜の中でも、多孔質層と緻密層からな
る非対称複合膜や不均質膜が特に好ましい。又、このよ
うな透過特性に適合する膜素材としては、疎水性高分子
材料があげられる。親水性素材は、水の遮断性及び水蒸
気遮断性の点で好ましくない。疎水性高分子材料の中で
もポリ(4メチルペンテン1)は、酸素、窒素、炭酸ガ
スなどの気体透過係数が大きく、かつ水蒸気透過係数が
酸素透過係数の約1/2であることから、膜の水蒸気透過
速度定数を酸素透過速度定数の約1/2以上の範囲で自由
に製造できるため、特に好ましい素材である。
膜、気体分離膜、疎水性多孔質膜、限外濾過膜、逆浸透
膜などを挙げることができる。これらの中で、気体分離
膜が、気体透過速度及び水蒸気遮断性の両面において好
ましく、気体分離膜の中でも、多孔質層と緻密層からな
る非対称複合膜や不均質膜が特に好ましい。又、このよ
うな透過特性に適合する膜素材としては、疎水性高分子
材料があげられる。親水性素材は、水の遮断性及び水蒸
気遮断性の点で好ましくない。疎水性高分子材料の中で
もポリ(4メチルペンテン1)は、酸素、窒素、炭酸ガ
スなどの気体透過係数が大きく、かつ水蒸気透過係数が
酸素透過係数の約1/2であることから、膜の水蒸気透過
速度定数を酸素透過速度定数の約1/2以上の範囲で自由
に製造できるため、特に好ましい素材である。
隔膜の形状については、特に限定することを要しない
が、中空糸膜が、装置体積当りの表面積を大きく取れる
こと、モジュール化が容易なこと、耐圧強度を出し良い
ことなどの点で好ましい。中空糸膜を使用する場合に
は、内部灌流型、外部灌流型のどちらも目的に応じて使
用することができる。中空糸膜が非対象膜の場合には、
緻密層が水相に接する側で使用するのが好ましい。
が、中空糸膜が、装置体積当りの表面積を大きく取れる
こと、モジュール化が容易なこと、耐圧強度を出し良い
ことなどの点で好ましい。中空糸膜を使用する場合に
は、内部灌流型、外部灌流型のどちらも目的に応じて使
用することができる。中空糸膜が非対象膜の場合には、
緻密層が水相に接する側で使用するのが好ましい。
本発明は、水の脱気に関する。水は、上水、工業用
水、などの通常の水の他に、海水や、酸、アルカリ、各
種塩または防錆剤などを添加した溶液や、有機溶剤など
を含む系であってよいし、微生物その他の固体を分散す
る系であってもよい。
水、などの通常の水の他に、海水や、酸、アルカリ、各
種塩または防錆剤などを添加した溶液や、有機溶剤など
を含む系であってよいし、微生物その他の固体を分散す
る系であってもよい。
本発明が適用できる気体については、特に制約はな
い。酸素、窒素、炭酸ガスなど水に溶解する気体の脱気
に適用できるし、複数種の溶存気体を脱気することも、
複数種の溶存気体から選択的に一種もしくは複数種の気
体を脱気することも可能である。目的に応じた気体透過
速度、選択透過性を持つ隔膜を選択することができる。
い。酸素、窒素、炭酸ガスなど水に溶解する気体の脱気
に適用できるし、複数種の溶存気体を脱気することも、
複数種の溶存気体から選択的に一種もしくは複数種の気
体を脱気することも可能である。目的に応じた気体透過
速度、選択透過性を持つ隔膜を選択することができる。
本発明に用いることのできる気相側の減圧手段は、い
わゆる真空ポンプの他に、蒸気エジェクタ、水流アスピ
レーターなどが挙げられる(以下、簡略化のために、こ
れらを含めて真空ポンプと称する)。隔膜脱気装置にお
いては、真空ポンプ内で水蒸気の凝結が起こるため、水
封式真空ポンプ、蒸気エジェクタ、水流アスピレーター
が好ましい。ガスバラストポンプも使用可能であるが、
排気容量の大きなものが必要となる。運転圧力は高いほ
うがポンプの排気量が小さくて済むが、原水温度と関係
があり、運転圧力を高くするためには原水温度を高くす
る必要がある。原水がスチームの凝結水である場合など
加熱のエネルギーが問題とならない場合には、真空度は
40〜100torrと弱い減圧がポンプ容量や運転コスト面か
ら好ましいが、原水が水道水である場合のように加熱を
必要とする場合や、膜の耐熱性が低い場合には、原水温
度を40〜50℃程度に留め、30〜40torrの真空度で運転す
ることが好ましい。又、処理水の残留気体濃度を0.1ppm
以下にまで脱気するには、原水温度50℃以上、真空度30
〜40torrで運転することで目的を達することができる。
わゆる真空ポンプの他に、蒸気エジェクタ、水流アスピ
レーターなどが挙げられる(以下、簡略化のために、こ
れらを含めて真空ポンプと称する)。隔膜脱気装置にお
いては、真空ポンプ内で水蒸気の凝結が起こるため、水
封式真空ポンプ、蒸気エジェクタ、水流アスピレーター
が好ましい。ガスバラストポンプも使用可能であるが、
排気容量の大きなものが必要となる。運転圧力は高いほ
うがポンプの排気量が小さくて済むが、原水温度と関係
があり、運転圧力を高くするためには原水温度を高くす
る必要がある。原水がスチームの凝結水である場合など
加熱のエネルギーが問題とならない場合には、真空度は
40〜100torrと弱い減圧がポンプ容量や運転コスト面か
ら好ましいが、原水が水道水である場合のように加熱を
必要とする場合や、膜の耐熱性が低い場合には、原水温
度を40〜50℃程度に留め、30〜40torrの真空度で運転す
ることが好ましい。又、処理水の残留気体濃度を0.1ppm
以下にまで脱気するには、原水温度50℃以上、真空度30
〜40torrで運転することで目的を達することができる。
真空ポンプの排気量は、過大でも脱気性能上は何ら問
題はないが、設置面積、ポンプ価値、運転エネルギーな
どの点から小さいほうが好ましい。過不足ない真空ポン
プの容量は、真空度、水から取り出される気体の量、処
理水の残存気体の許容量、除去目的以外の溶存気体の有
無および種類と量、原水温度、隔膜の水蒸気および気体
透過速度定数、さらには膜面積などによって変わるが、
発明者等は、脱気する気体量の、100倍以下、有利には
5〜100倍、より有利には10〜40倍の排気量を有する真
空ポンプが好適であることを提案する。かかる真空ポン
プの排気量に関しては、通常下記第1式から導き出され
る。原水に、除去目的以外の気体が含まれる場合であっ
ても、含まれない場合と同じ排気量の真空ポンプが使用
できることは驚くべきことである。除去を目的とする気
体が複数である場合は、気体の量はそれらの合計とす
る。
題はないが、設置面積、ポンプ価値、運転エネルギーな
どの点から小さいほうが好ましい。過不足ない真空ポン
プの容量は、真空度、水から取り出される気体の量、処
理水の残存気体の許容量、除去目的以外の溶存気体の有
無および種類と量、原水温度、隔膜の水蒸気および気体
透過速度定数、さらには膜面積などによって変わるが、
発明者等は、脱気する気体量の、100倍以下、有利には
5〜100倍、より有利には10〜40倍の排気量を有する真
空ポンプが好適であることを提案する。かかる真空ポン
プの排気量に関しては、通常下記第1式から導き出され
る。原水に、除去目的以外の気体が含まれる場合であっ
ても、含まれない場合と同じ排気量の真空ポンプが使用
できることは驚くべきことである。除去を目的とする気
体が複数である場合は、気体の量はそれらの合計とす
る。
但し、 Vp:真空ポンプの排気量〔l/分〕 k:計数(脱気量に対する倍率)〔−〕 Vg:脱気される気体の標準状態における体積〔l/分〕 Di=原水中の溶存気体濃度 〔ppm〕 Do:処理水中の溶存気体濃度 〔ppm〕 W:処理水量 〔l/分〕 Mw:脱気される気体の分子量 〔g/mol〕 Pg:脱気される気体の真空ポンプ入口での分圧 〔torr〕 Pg=Xg×(P2−PS) (第3式) Xg:脱気される気体の体積分率 〔−〕 P2:真空ポンプ入口圧力 〔torr〕 Ps:真空ポンプ入口での水蒸気分圧 〔torr〕 即ち、実施例にもみられるように、残存気体濃度が0.
3ppm以下の高度に脱気する場合ですら、真空ポンプ容量
を水から取り出される気体容量の10倍以下にすることが
できる。ここで、第1式で用いる、水から取り出される
気体のノルマル体積は、原水及び処理水の溶存気体濃度
び処理水量から第2式で計算することができる。また、
水から取り出される気体の真空ポンプ入口での体積は、
真空ポンプ入口圧力(測定値)から、水蒸気分圧を差し
引いた分圧を持つとして第3式により見積ることができ
る。この場合の水蒸気分圧は、装置の周囲温度(気温)
における飽和水蒸気圧とする。又、原水及び処理水の溶
存気体濃度は、ガスクロマトグラフや、気体が酸素の場
合には溶存酸素濃度計によって測定することができる。
3ppm以下の高度に脱気する場合ですら、真空ポンプ容量
を水から取り出される気体容量の10倍以下にすることが
できる。ここで、第1式で用いる、水から取り出される
気体のノルマル体積は、原水及び処理水の溶存気体濃度
び処理水量から第2式で計算することができる。また、
水から取り出される気体の真空ポンプ入口での体積は、
真空ポンプ入口圧力(測定値)から、水蒸気分圧を差し
引いた分圧を持つとして第3式により見積ることができ
る。この場合の水蒸気分圧は、装置の周囲温度(気温)
における飽和水蒸気圧とする。又、原水及び処理水の溶
存気体濃度は、ガスクロマトグラフや、気体が酸素の場
合には溶存酸素濃度計によって測定することができる。
水相側圧力は、脱気速度や残存気体濃度には実質上影
響しないため、隔膜の耐圧や装置の用途目的によって、
任意に設定できる。処理水(脱気水)の圧力が、使用に
際して必要とする圧力以上になるように、モジュール供
給水の圧力を調節することにより、処理水の加圧ポンプ
を省略することができる。
響しないため、隔膜の耐圧や装置の用途目的によって、
任意に設定できる。処理水(脱気水)の圧力が、使用に
際して必要とする圧力以上になるように、モジュール供
給水の圧力を調節することにより、処理水の加圧ポンプ
を省略することができる。
[実施例] 以下に本発明を実施例と比較例によりさらに具体的に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
実施例1 特開昭59−229320の実施例3と同様の方法によってポ
リ(4メチルペンテン1)からなる中空糸型不均質膜を
製造した。得られた膜の寸法及び透過特性を表1に示
す。この中空糸膜を用いて第1図のような膜面積(中空
糸内表面積)1m2の膜モジュールを製造し、第2図に概
念図で示した装置を用いて水の脱気を行った。排気容量
3701/分の水封式真空ポンプを用い、中空糸の外側を真
空度30torrに減圧した。一方中空糸の内側に、温度調節
した水道水を0.21/分で流し、排出口は大気圧解放とし
た。このとき、モジュール流入口および排出口での溶存
酸素濃度を測定した。水温は、モジュール導入口で測定
し、酸素濃度測定には、ポーラログラフ型溶存酸素濃度
計を使用した。結果を第1表に示す。
リ(4メチルペンテン1)からなる中空糸型不均質膜を
製造した。得られた膜の寸法及び透過特性を表1に示
す。この中空糸膜を用いて第1図のような膜面積(中空
糸内表面積)1m2の膜モジュールを製造し、第2図に概
念図で示した装置を用いて水の脱気を行った。排気容量
3701/分の水封式真空ポンプを用い、中空糸の外側を真
空度30torrに減圧した。一方中空糸の内側に、温度調節
した水道水を0.21/分で流し、排出口は大気圧解放とし
た。このとき、モジュール流入口および排出口での溶存
酸素濃度を測定した。水温は、モジュール導入口で測定
し、酸素濃度測定には、ポーラログラフ型溶存酸素濃度
計を使用した。結果を第1表に示す。
比較例1 水温及び気温が25℃であること以外は実施例1と同じ
条件で、種々の隔膜を用いて脱気測定を行った。隔膜の
特性を第2表に、測定結果を第3図に示す。膜の種類を
かえても、又流量を下げても0.3ppm以下にならないこと
が分かる。
条件で、種々の隔膜を用いて脱気測定を行った。隔膜の
特性を第2表に、測定結果を第3図に示す。膜の種類を
かえても、又流量を下げても0.3ppm以下にならないこと
が分かる。
実施例2 隔膜に第2表の(ii)に記載したポリプロピレン製多
孔質中空糸膜を用いて実施例1と同じ条件で脱気を行っ
た。結果は、41℃におけるモジュール排出口での残存酸
素濃度は0.25ppmであった。
孔質中空糸膜を用いて実施例1と同じ条件で脱気を行っ
た。結果は、41℃におけるモジュール排出口での残存酸
素濃度は0.25ppmであった。
実施例3 特開昭59−229320の実施例3と同様の方法によってポ
リ(4メチルペンテン1)からなる中空糸型不均質膜を
製造した。得られた膜の寸法及び透過特性を表3に示
す。この中空糸膜を用いて第1図のような膜面積(中空
糸内表面積)15m2の膜モジュールを製造し、第2図に概
念図で示した装置を用いて水の脱気を行った。真空ポン
プとして排気容量3701/分の水封式真空ポンプを用い
た。一方中空糸の内側に、温度調節した水道水を18.6l/
分で流し、排出口は大気圧解放とした。このとき、モジ
ュール流入口および排出口で溶存酸素濃度を、モジュー
ル流入口で水温を測定した。結果を第3表に示す。
リ(4メチルペンテン1)からなる中空糸型不均質膜を
製造した。得られた膜の寸法及び透過特性を表3に示
す。この中空糸膜を用いて第1図のような膜面積(中空
糸内表面積)15m2の膜モジュールを製造し、第2図に概
念図で示した装置を用いて水の脱気を行った。真空ポン
プとして排気容量3701/分の水封式真空ポンプを用い
た。一方中空糸の内側に、温度調節した水道水を18.6l/
分で流し、排出口は大気圧解放とした。このとき、モジ
ュール流入口および排出口で溶存酸素濃度を、モジュー
ル流入口で水温を測定した。結果を第3表に示す。
一方、水封式真空ポンプの代わりに、ドライ型真空ポ
ンプを用いて同様の測定を行い、ポンプより排出される
気体の酸素濃度を、ガルバニ電池型の酸素濃度計で測定
したところ37%であった。残りの63%の窒素と考えられ
る。25℃での水の飽和水蒸気圧は23.8torrであるから、
真空ポンプ入口での酸素分圧は(41−23.8)×0.37=6.
36torrと計算され、この圧力下での、脱気された酸素の
体積は10.41/分、よって窒素の体積は17.71/分、気体の
総体積は28.11/分と計算される。このように真空ポンプ
は、脱気される酸素量の36倍、脱気される酸素及び窒素
の量の13倍という、小容量のものでよいことが分かる。
ンプを用いて同様の測定を行い、ポンプより排出される
気体の酸素濃度を、ガルバニ電池型の酸素濃度計で測定
したところ37%であった。残りの63%の窒素と考えられ
る。25℃での水の飽和水蒸気圧は23.8torrであるから、
真空ポンプ入口での酸素分圧は(41−23.8)×0.37=6.
36torrと計算され、この圧力下での、脱気された酸素の
体積は10.41/分、よって窒素の体積は17.71/分、気体の
総体積は28.11/分と計算される。このように真空ポンプ
は、脱気される酸素量の36倍、脱気される酸素及び窒素
の量の13倍という、小容量のものでよいことが分かる。
実施例4 真空ポンプに、排気量601/分のドライ型真空ポンプを
用いたほかは、実施例3と同じ測定を行った。結果を第
4表に示す。脱気される気体体積の3倍弱の極めて小排
気量の真空ポンプの使用が可能であることが分かる。
用いたほかは、実施例3と同じ測定を行った。結果を第
4表に示す。脱気される気体体積の3倍弱の極めて小排
気量の真空ポンプの使用が可能であることが分かる。
実施例5 真空ポンプに、排気量60l/分のドライ型真空ポンプを
用いたこと、水温が60℃であること、水の流量が5.2l/
分であること以外は、実施例3と同じ実験を行った。結
果を第5表に示す。脱気された気体の酸素濃度から、真
空ポンプ入口での酸素分圧は2.26torr、この圧力下での
体積は7.0l/分となり、真空ポンプの排気量は、脱気さ
れる酸素体積の9倍弱で十分であることが分かる。
用いたこと、水温が60℃であること、水の流量が5.2l/
分であること以外は、実施例3と同じ実験を行った。結
果を第5表に示す。脱気された気体の酸素濃度から、真
空ポンプ入口での酸素分圧は2.26torr、この圧力下での
体積は7.0l/分となり、真空ポンプの排気量は、脱気さ
れる酸素体積の9倍弱で十分であることが分かる。
[発明の効果] 本発明は以上の如きものであるから、隔膜によって水
の透過を最小限に止ね、簡易な減圧装置による軽度の排
気により、30〜100torrというあまり減圧されていない
状態では従来到底到達されない脱気度即ち、残留溶存気
体濃度が0.3ppm以下、更には0.03ppm以下の脱気水を得
ることを可能にするものである。従って、本発明は、高
能率低コストで高度に脱気された水の製造を可能とす
る。本発明はまた、適当な水蒸気/気体透過特性を持つ
隔膜を選択することにより、上記の脱気を、小排気量の
真空ポンプによって行うことを可能にするものであり、
設置スペースの低減、ポンプ価格の低廉化、運転コスト
の節約を計ることができる。
の透過を最小限に止ね、簡易な減圧装置による軽度の排
気により、30〜100torrというあまり減圧されていない
状態では従来到底到達されない脱気度即ち、残留溶存気
体濃度が0.3ppm以下、更には0.03ppm以下の脱気水を得
ることを可能にするものである。従って、本発明は、高
能率低コストで高度に脱気された水の製造を可能とす
る。本発明はまた、適当な水蒸気/気体透過特性を持つ
隔膜を選択することにより、上記の脱気を、小排気量の
真空ポンプによって行うことを可能にするものであり、
設置スペースの低減、ポンプ価格の低廉化、運転コスト
の節約を計ることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例で用いた中空糸型膜モジュールの部分縦
断正面図、第2図は本発明の実施例で用いた脱気装置の
概念図、第3図は従来技術による水の脱酸素特性を示す
グラフである。図中の符号は以下の通りである。 1……ケース、2……中空糸膜、3……樹脂封止部、
4、6……導入口、5、7……排出口、8……キャッ
プ、H……熱交換器、P……真空圧力計、DOS1、DOS2…
…溶存酸素計、(i)……ポリ(4メチルペンテン1)
不均質膜の脱酸素特性、(ii)……ポリプロピレン多孔
質膜の脱酸素特性、(iii)……シリコンゴム均質膜の
脱酸素特性、(iv)……PTFE均質膜の脱酸素特性。
断正面図、第2図は本発明の実施例で用いた脱気装置の
概念図、第3図は従来技術による水の脱酸素特性を示す
グラフである。図中の符号は以下の通りである。 1……ケース、2……中空糸膜、3……樹脂封止部、
4、6……導入口、5、7……排出口、8……キャッ
プ、H……熱交換器、P……真空圧力計、DOS1、DOS2…
…溶存酸素計、(i)……ポリ(4メチルペンテン1)
不均質膜の脱酸素特性、(ii)……ポリプロピレン多孔
質膜の脱酸素特性、(iii)……シリコンゴム均質膜の
脱酸素特性、(iv)……PTFE均質膜の脱酸素特性。
Claims (8)
- 【請求項1】気液の境界を画する隔膜、該隔膜で隔てら
れた液相側に供給する水の温度を40〜80℃に加熱するた
めの装置及び、該隔膜で隔てられた気相側を30〜100tor
rに減圧するための装置を有することを特徴とする、残
留溶存気体濃度が0.3ppm以下の水を製造する隔膜脱気装
置。 - 【請求項2】隔膜が、水蒸気の透過速度定数と除去対象
の気体の透過速度定数との比が100以下の膜である、請
求項1に記載の装置。 - 【請求項3】減圧装置が、脱気する気体量の100倍以下
の排気量を有する減圧装置である、請求項1または2に
記載の装置。 - 【請求項4】減圧装置が、水封式真空ポンプ、蒸気エジ
ェクター、若しくは水流アスピレーターである、請求項
1、2または3に記載の装置。 - 【請求項5】気液の境界を隔膜で画し、液相側に供給す
る水の温度を40〜80℃に調節し、かつ気相側の圧力を30
〜100torrに減圧することによって水を脱気し、残留溶
存気体濃度が0.3ppm以下の水を製造する方法。 - 【請求項6】隔膜が、水蒸気の透過速度定数と、除去対
象の気体の透過速度定数との比が100以下の膜である、
請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】脱気する気体量の100倍以下の排気量を持
つ減圧手段を用いることを特徴とする、請求項5に記載
の方法。 - 【請求項8】脱気する気体が酸素である、請求項5、6
または7に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33009588A JP2743419B2 (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | 隔膜脱気装置および脱気方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33009588A JP2743419B2 (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | 隔膜脱気装置および脱気方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02174902A JPH02174902A (ja) | 1990-07-06 |
JP2743419B2 true JP2743419B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=18228733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33009588A Expired - Lifetime JP2743419B2 (ja) | 1988-12-27 | 1988-12-27 | 隔膜脱気装置および脱気方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2743419B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6402818B1 (en) | 2000-06-02 | 2002-06-11 | Celgard Inc. | Degassing a liquid with a membrane contactor |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5695545A (en) * | 1996-05-10 | 1997-12-09 | Hoechst Celanese Corporation | Degassing liquids: apparatus and method |
JP5812661B2 (ja) * | 2011-04-21 | 2015-11-17 | 三菱重工業株式会社 | 二酸化炭素回収システム |
CN110327780A (zh) * | 2019-06-14 | 2019-10-15 | 浙江启尔机电技术有限公司 | 一种基于微孔膜丝的气液分离装置 |
AT16829U1 (de) * | 2019-10-30 | 2020-10-15 | Bvs Wassertechnik Gmbh | Membranentgasungsvorrichtung zur Trennung von Gasen aus einem Fluidstrom |
-
1988
- 1988-12-27 JP JP33009588A patent/JP2743419B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6402818B1 (en) | 2000-06-02 | 2002-06-11 | Celgard Inc. | Degassing a liquid with a membrane contactor |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02174902A (ja) | 1990-07-06 |
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