JP2742713B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents
弾性表面波装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、弾性表面波装置に係るもので、特にスペク
トラム拡散通信方式に用いられる弾性表面波コンボルバ
の改良に関するものである。
トラム拡散通信方式に用いられる弾性表面波コンボルバ
の改良に関するものである。
[発明の概要] 本発明は、速度分散性をもつ圧電基板を用いた弾性表
面波コンボルバにおいて、動作周波数帯域内の各周波数
成分に対する実効的な積分時間長を等しくすることによ
り、弾性表面波コンボルバの畳み込み積分動作を理想状
態に近づけ、スプリアス特性を改善するようにしたもの
である。
面波コンボルバにおいて、動作周波数帯域内の各周波数
成分に対する実効的な積分時間長を等しくすることによ
り、弾性表面波コンボルバの畳み込み積分動作を理想状
態に近づけ、スプリアス特性を改善するようにしたもの
である。
[従来の技術] 弾性表面波(SAW)素子については、現在、幅広い応
用と研究開発がなされており、特に実時間間畳み込み積
分機能を持つSAWコンボルバは、例えば民生の次世代通
信方式と期待されているスペクトラム拡散(SS)通信方
式の復調器における主要なデバイスとして注目されてい
る。このSS通信方式では、搬送波が擬似雑音符号(PNco
de)によって広い周波数帯域に拡散されるため、SAWコ
ンボルバとしては、広帯域の周波数特性を持っているこ
とが要求される。
用と研究開発がなされており、特に実時間間畳み込み積
分機能を持つSAWコンボルバは、例えば民生の次世代通
信方式と期待されているスペクトラム拡散(SS)通信方
式の復調器における主要なデバイスとして注目されてい
る。このSS通信方式では、搬送波が擬似雑音符号(PNco
de)によって広い周波数帯域に拡散されるため、SAWコ
ンボルバとしては、広帯域の周波数特性を持っているこ
とが要求される。
上記SAWコンボルバの基本的な構造は、第7図に示す
ように、圧電基板1上に形成した2つの入力くし型電極
2,2′と、その間に形成された出力ゲート電極3とから
成る。畳み込み積分動作は、2つの入力信号f(t),g
(t)がそれぞれ入力くし型電極2,2′によってSAWに変
換され、互いに逆方向に出力ゲート電極下部の相互作用
領域を伝搬し、弾性的非線形性あるいは半導体の非線形
性を利用して掛け算され、ゲート電極によって積分する
ことにより行われる。
ように、圧電基板1上に形成した2つの入力くし型電極
2,2′と、その間に形成された出力ゲート電極3とから
成る。畳み込み積分動作は、2つの入力信号f(t),g
(t)がそれぞれ入力くし型電極2,2′によってSAWに変
換され、互いに逆方向に出力ゲート電極下部の相互作用
領域を伝搬し、弾性的非線形性あるいは半導体の非線形
性を利用して掛け算され、ゲート電極によって積分する
ことにより行われる。
上記SAWコンボルバは、その構造から3種類に大別さ
れ、弾性的非線形性を利用したエラステイックコンボル
バ、圧電体と半導体を微少ギャップを介して近接させ、
半導体中の非線形性を利用するエアーギャップ型コンボ
ルバ、そして半導体基板上に圧電薄膜を積層してモノリ
シック化したモノリシック型コンボルバとして知られて
いる。この中で最も有利な構造は、高効率の得られる半
導体の非線形性を利用し、微少なギャップを不要とする
モノリシック型であると考えられる。
れ、弾性的非線形性を利用したエラステイックコンボル
バ、圧電体と半導体を微少ギャップを介して近接させ、
半導体中の非線形性を利用するエアーギャップ型コンボ
ルバ、そして半導体基板上に圧電薄膜を積層してモノリ
シック化したモノリシック型コンボルバとして知られて
いる。この中で最も有利な構造は、高効率の得られる半
導体の非線形性を利用し、微少なギャップを不要とする
モノリシック型であると考えられる。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記モノリシック型コンボルバの場合、音
速の異なる複数種の材料で構成された層構造圧電基板が
周波数によってSAWの音速が異なる速度分散性を持つた
め、動作周波数帯域が制限され、広帯域化が難しいとい
う問題がある。
速の異なる複数種の材料で構成された層構造圧電基板が
周波数によってSAWの音速が異なる速度分散性を持つた
め、動作周波数帯域が制限され、広帯域化が難しいとい
う問題がある。
更に従来構造のSAWコンボルバでは、積分動作を行う
出力ゲート電極が単一の矩形状あるいはSAWの伝搬方向
に並行し、かつ長さが等しい複数のストリップ状電極で
あるため、広い周波数帯域では実効的な積分時間長が周
波数によって異なり、スプリアス特性を劣化させる原因
となっている。
出力ゲート電極が単一の矩形状あるいはSAWの伝搬方向
に並行し、かつ長さが等しい複数のストリップ状電極で
あるため、広い周波数帯域では実効的な積分時間長が周
波数によって異なり、スプリアス特性を劣化させる原因
となっている。
これに対し、第8図に示すように、入力くし型電極指
のピッチをSAWの伝搬方向に沿って連続的に変化させ、
周波数に対応してSAWの励振位置を変えたチャープ型電
極4,4′を入力トランスデューサとして速度分散を補償
する構造も提案されているが、本質的にすべての帯域内
周波数成分に対して同一の伝搬路を共有しているため、
積分時間長が周波数によって異なる現象は回避できな
い。
のピッチをSAWの伝搬方向に沿って連続的に変化させ、
周波数に対応してSAWの励振位置を変えたチャープ型電
極4,4′を入力トランスデューサとして速度分散を補償
する構造も提案されているが、本質的にすべての帯域内
周波数成分に対して同一の伝搬路を共有しているため、
積分時間長が周波数によって異なる現象は回避できな
い。
[発明の目的] 本発明は、上記問題についてなされたものであって、
速度分散性を持つ圧電基板を用いたSAWコンボルバにお
いて、理想的な畳み込み積分動作が可能となるようにし
た弾性表面波装置を得ることを目的としているものであ
る。
速度分散性を持つ圧電基板を用いたSAWコンボルバにお
いて、理想的な畳み込み積分動作が可能となるようにし
た弾性表面波装置を得ることを目的としているものであ
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、第1の発明は、少なくとも
2対の入力トランスデューサおよびその間の出力ゲート
電極を備え、弾性表面波の音速が周波数の関数v(ω)
となる速度分散性を持った圧電基板を用い、前記入力ト
ランスデューサが速度分散性を補償し、かつ弾性表面波
伝搬方向と直角方向に弾性表面波の周波数を分布させる
弾性表面波コンボルバにおいて、各対の入力トランスデ
ューサ間の距離1が前記直角方向で異なるように構成さ
れ、かつ前記出力ゲート電極の弾性表面波伝搬方向の長
さLが前記直角方向で異なるようになっており、各対の
入力トランスデューサ間の弾性表面波の伝搬路がその弾
性表面波の周波数帯域毎に複数チャンネルに分離され、
各チャンネルにおいて全てのチャンネルで夫々の周波数
帯域の中心周波数に対し前記距離1は同一の遅延時間長
を有しかつ前記長さLは同一の積分時間を有するように
設定されていることを要旨とする。
2対の入力トランスデューサおよびその間の出力ゲート
電極を備え、弾性表面波の音速が周波数の関数v(ω)
となる速度分散性を持った圧電基板を用い、前記入力ト
ランスデューサが速度分散性を補償し、かつ弾性表面波
伝搬方向と直角方向に弾性表面波の周波数を分布させる
弾性表面波コンボルバにおいて、各対の入力トランスデ
ューサ間の距離1が前記直角方向で異なるように構成さ
れ、かつ前記出力ゲート電極の弾性表面波伝搬方向の長
さLが前記直角方向で異なるようになっており、各対の
入力トランスデューサ間の弾性表面波の伝搬路がその弾
性表面波の周波数帯域毎に複数チャンネルに分離され、
各チャンネルにおいて全てのチャンネルで夫々の周波数
帯域の中心周波数に対し前記距離1は同一の遅延時間長
を有しかつ前記長さLは同一の積分時間を有するように
設定されていることを要旨とする。
また第2の発明は、少なくとも2対の入力トランスデ
ューサおよびその間の出力ゲート電極を備え、弾性表面
波の音速が周波数の関数v(ω)となる速度分散性を持
った圧電基板を用い、前記入力トランスデューサが速度
分散性を補償し、かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に
弾性表面波の周波数を分布させる弾性表面波コンボルバ
において、各対の入力トランスデューサが、並設された
複数組のチャープ型電極から成るトランスデューサで形
成され、各組の左右入力トランスデューサのチャープ型
電極は各組で周波数帯域をずらして並列配置され、入力
トランスデューサ間に配置された出力ゲート電極は弾性
表面波の伝搬方向の直角方向で長さLが異なるようにな
っており、各対の入力トランスデューサ間の弾性表面波
の伝搬路がその弾性表面波の周波数帯域毎に複数チャン
ネルに分離され、各チャンネルにおいて全てのチャンネ
ルで夫々の周波数帯域の中心周波数に対し前記長さLは
同一の積分時間を有するように設定されていることを要
旨とする。
ューサおよびその間の出力ゲート電極を備え、弾性表面
波の音速が周波数の関数v(ω)となる速度分散性を持
った圧電基板を用い、前記入力トランスデューサが速度
分散性を補償し、かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に
弾性表面波の周波数を分布させる弾性表面波コンボルバ
において、各対の入力トランスデューサが、並設された
複数組のチャープ型電極から成るトランスデューサで形
成され、各組の左右入力トランスデューサのチャープ型
電極は各組で周波数帯域をずらして並列配置され、入力
トランスデューサ間に配置された出力ゲート電極は弾性
表面波の伝搬方向の直角方向で長さLが異なるようにな
っており、各対の入力トランスデューサ間の弾性表面波
の伝搬路がその弾性表面波の周波数帯域毎に複数チャン
ネルに分離され、各チャンネルにおいて全てのチャンネ
ルで夫々の周波数帯域の中心周波数に対し前記長さLは
同一の積分時間を有するように設定されていることを要
旨とする。
上記第2の発明において、前記出力ゲート電極の形状
が見掛け上、全体として矩形状となるように両側に接触
しないようにダミー電極を配置してもよい。
が見掛け上、全体として矩形状となるように両側に接触
しないようにダミー電極を配置してもよい。
更に第3の発明は、1対の入力トランスデューサおよ
びその間の出力ゲート電極を備え、弾性表面波の音速が
周波数の関数v(ω)となる速度分散性を持った圧電基
板を用い、前記入力トランスデューサが速度分散性を補
償し、かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に弾性表面波
の周波数を分布させる弾性表面波コンボルバにおいて、
前記1対の入力トランスデューサ間の距離1が前記直角
方向で連続的に異なるように構成され、かつ前記出力ゲ
ート電極の弾性表面波伝搬方向の長さLが前記直角方向
で連続的に異なるように構成され、前記1対の入力トラ
ンスデューサは前記直角方向に連続的に電極指のピッチ
が変化するように構成され、前記距離1は分布する弾性
表面波の周波数に対し同一の遅延時間長を有し、かつ前
記長さLは同一の積分時間を有するように設定されてい
ることを要旨とする。
びその間の出力ゲート電極を備え、弾性表面波の音速が
周波数の関数v(ω)となる速度分散性を持った圧電基
板を用い、前記入力トランスデューサが速度分散性を補
償し、かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に弾性表面波
の周波数を分布させる弾性表面波コンボルバにおいて、
前記1対の入力トランスデューサ間の距離1が前記直角
方向で連続的に異なるように構成され、かつ前記出力ゲ
ート電極の弾性表面波伝搬方向の長さLが前記直角方向
で連続的に異なるように構成され、前記1対の入力トラ
ンスデューサは前記直角方向に連続的に電極指のピッチ
が変化するように構成され、前記距離1は分布する弾性
表面波の周波数に対し同一の遅延時間長を有し、かつ前
記長さLは同一の積分時間を有するように設定されてい
ることを要旨とする。
上記第3の発明において、前記出力ゲート電極の形状
が見掛け上、全体として矩形状となるように前記出力ゲ
ート電極の両側に接触しないようにダミー電極を配置し
てもよい。
が見掛け上、全体として矩形状となるように前記出力ゲ
ート電極の両側に接触しないようにダミー電極を配置し
てもよい。
[作用] 上記構成の弾性表面波装置においては、出力ゲート電
極の弾性表面波伝搬方向の長さが弾性表面波の伝搬方向
と直角方向に異なる構成となっているので、実効的な積
分時間長は全動作周波数帯域内でほぼ一定とされる。
極の弾性表面波伝搬方向の長さが弾性表面波の伝搬方向
と直角方向に異なる構成となっているので、実効的な積
分時間長は全動作周波数帯域内でほぼ一定とされる。
[実施例] 以下、本発明を各種の実施例を示す図面に基づいて具
体的に説明する。
体的に説明する。
第1A図は本発明の一実施例を示す。ここで圧電基板1
は、例えば圧電膜/絶縁膜/半導体の層状構造で、速度
分散性を持つ。
は、例えば圧電膜/絶縁膜/半導体の層状構造で、速度
分散性を持つ。
本実施例では、第1A図および第1B図に示すように、全
体の動作周波数帯域を分割し、それぞれの周波数領域の
中心ω1,ω2,ω3を中心周波数とする入力くし型電極5a
・5a′,5b・5b′,5c・5c′を図示の如く、それぞれl1,l
2,l3の距離で配置することで、周波数成分の異なるSAW
の伝搬路をチャネルに分離する、いわゆるフィルタバン
ク型の構成を用いている。また、出力ゲート電極6はSA
W伝搬方向の長さがチャネル毎に、L1,L2,L3と異なる。
体の動作周波数帯域を分割し、それぞれの周波数領域の
中心ω1,ω2,ω3を中心周波数とする入力くし型電極5a
・5a′,5b・5b′,5c・5c′を図示の如く、それぞれl1,l
2,l3の距離で配置することで、周波数成分の異なるSAW
の伝搬路をチャネルに分離する、いわゆるフィルタバン
ク型の構成を用いている。また、出力ゲート電極6はSA
W伝搬方向の長さがチャネル毎に、L1,L2,L3と異なる。
ここで、SAWの音速を周波数ωの関数v(ω)として
表せば、同一中心周波数を持つ入力くし型電力 の距離l1,l2,l3は (ただし、τは所望の遅延時間長)となるように決定さ
れ、これにより速度分散による遅延時間特性を補償する
ことができる。また、これと同時に、各チャネル上の出
力ゲート電極長L1,L2,L3も (ただし、Tは所望の積分時間)となるように決めら
れ、これにより実効的な積分時間長を全動作周波数帯域
内でほぼ一定とすることができる。
表せば、同一中心周波数を持つ入力くし型電力 の距離l1,l2,l3は (ただし、τは所望の遅延時間長)となるように決定さ
れ、これにより速度分散による遅延時間特性を補償する
ことができる。また、これと同時に、各チャネル上の出
力ゲート電極長L1,L2,L3も (ただし、Tは所望の積分時間)となるように決めら
れ、これにより実効的な積分時間長を全動作周波数帯域
内でほぼ一定とすることができる。
本実施例では、説明を容易にするため、チャネル数を
少なくしているが、分割数を多くするほど速度分散の補
償効果および実効的な積分時間長の帯域内均一性は向上
する。
少なくしているが、分割数を多くするほど速度分散の補
償効果および実効的な積分時間長の帯域内均一性は向上
する。
前記実施例では、出力ゲート電極6の端部を段階状に
変化させたものであるが、形状を単純化するために、第
1C図に示すように、ゲート電極6′の端部を連続に変化
させても、少なくともチャネル中央部での端部間距離
が、前述した条件を満たせば、前記と同等の効果を得ら
れる。
変化させたものであるが、形状を単純化するために、第
1C図に示すように、ゲート電極6′の端部を連続に変化
させても、少なくともチャネル中央部での端部間距離
が、前述した条件を満たせば、前記と同等の効果を得ら
れる。
また、第1D図および第1E図に示すように、出力ゲート
電極をチャネル毎に分離し、複数のストリップ状構造と
した電極6″,6にすれば、導波効果によって、チャネ
ル間のクロストークの抑圧効果を得ることができる。
電極をチャネル毎に分離し、複数のストリップ状構造と
した電極6″,6にすれば、導波効果によって、チャネ
ル間のクロストークの抑圧効果を得ることができる。
第2A図は、入力トランスデューサとしてSAWの伝搬方
向に直角な方向に連続的に電極指のピッチが変化する、
いわゆる斜め電極指7,7′を用いた実施例を示す。この
場合、電極指で励振されるSAWの周波数は、図中y方向
に連続的に分布し、w(y)として表すことができる。
ここで、電極7,7′の中心線をSAW伝搬方向に平行に結ん
だ距離l(y)が、 (ただし、τは所望の遅延時間)となるように、電極指
の中心を傾斜させることで、速度分散性を補償すること
が可能であるが、同時に出力ゲート電極8のSAW伝搬方
向の端部を、 (ただし、Tは所望の積分時間)となるように変化させ
ることにより、前記第1実施例と同様に、帯域内の積分
時間長を均一にすることができる。
向に直角な方向に連続的に電極指のピッチが変化する、
いわゆる斜め電極指7,7′を用いた実施例を示す。この
場合、電極指で励振されるSAWの周波数は、図中y方向
に連続的に分布し、w(y)として表すことができる。
ここで、電極7,7′の中心線をSAW伝搬方向に平行に結ん
だ距離l(y)が、 (ただし、τは所望の遅延時間)となるように、電極指
の中心を傾斜させることで、速度分散性を補償すること
が可能であるが、同時に出力ゲート電極8のSAW伝搬方
向の端部を、 (ただし、Tは所望の積分時間)となるように変化させ
ることにより、前記第1実施例と同様に、帯域内の積分
時間長を均一にすることができる。
本実施例の場合も、第2B図に示すように、出力ゲート
電極端部をy方向に沿って不連続に変化させた電極8′
の使用が可能であり、その場合、L(y)が一定となる
傾向はSAW伝搬方向に平行であり、かつL(y)はその
領域の中心のyに対するSAWの周波数w(y)に対して を満たす必要がある。
電極端部をy方向に沿って不連続に変化させた電極8′
の使用が可能であり、その場合、L(y)が一定となる
傾向はSAW伝搬方向に平行であり、かつL(y)はその
領域の中心のyに対するSAWの周波数w(y)に対して を満たす必要がある。
更に、前記第1実施例と同様に、出力ゲート電極をSA
Wの伝搬方向と平行な領域に分離し、導波効果による領
域間のクロストークを抑圧する効果を利用することも有
効である。
Wの伝搬方向と平行な領域に分離し、導波効果による領
域間のクロストークを抑圧する効果を利用することも有
効である。
第3A図は、速度分散の補償および広帯域化の効果をね
らったチャープ型電極9a・9a′,9b・9b′を入力トラン
スデューサとして用い、第3B図に示すように、周波数帯
域をずらして2つ並列配置した入力電極を利用した実施
例である。なお、11,12はそれぞれ入力電極9a・9a′,9b
・9b′の周波数特性を示す。この場合、出力ゲート電極
10のSAW伝搬方向の長さL1,L2は、2つのチャネルを伝搬
するSAWそれぞれの周波数領域の中心での周波数w1,w2に
対して となるように決められる。
らったチャープ型電極9a・9a′,9b・9b′を入力トラン
スデューサとして用い、第3B図に示すように、周波数帯
域をずらして2つ並列配置した入力電極を利用した実施
例である。なお、11,12はそれぞれ入力電極9a・9a′,9b
・9b′の周波数特性を示す。この場合、出力ゲート電極
10のSAW伝搬方向の長さL1,L2は、2つのチャネルを伝搬
するSAWそれぞれの周波数領域の中心での周波数w1,w2に
対して となるように決められる。
また、前記第1実施例と同様に、出力ゲート電極に対
し、第1C図、第1D図、第1E図に示した形状が可能であ
り、チャネルの分割数を2つ以上であればよい。
し、第1C図、第1D図、第1E図に示した形状が可能であ
り、チャネルの分割数を2つ以上であればよい。
第4図は、傾斜型チャープ電極13,13′を用いた実施
例であり、出力ゲート電極14については、第2A図および
第2B図の実施例と同様な記述が適用される。
例であり、出力ゲート電極14については、第2A図および
第2B図の実施例と同様な記述が適用される。
前述した各実施例において、出力ゲート電極のSAW入
射端は、いずれの場合もSAW伝搬方向に直角な方向に直
線状となっていないため、SAW波面が歪む可能性があ
る。そこで、例えば第5図および第6図に示すように、
出力ゲート電極15,16において、そのy方向に直線状を
なし、SAWの伝搬路上での金属部分の長さが、いずれの
チャネルでも一定となり、かつ出力ゲート電極とは接触
しないダミー電極17,17′,18,18′をゲート電極と入力
電極間に配置した構造によって、前記波面の歪みを防ぐ
ことが可能である。
射端は、いずれの場合もSAW伝搬方向に直角な方向に直
線状となっていないため、SAW波面が歪む可能性があ
る。そこで、例えば第5図および第6図に示すように、
出力ゲート電極15,16において、そのy方向に直線状を
なし、SAWの伝搬路上での金属部分の長さが、いずれの
チャネルでも一定となり、かつ出力ゲート電極とは接触
しないダミー電極17,17′,18,18′をゲート電極と入力
電極間に配置した構造によって、前記波面の歪みを防ぐ
ことが可能である。
[発明の効果] 速度分散性を持つ基板を利用したSAWコンボルバに対
して、SAWの周波数に応じた励振位置の変化による補償
のみでは、理想的なコンボルバの動作は実現しないが、
本発明によれば、全動作周波数帯域で各周波数成分に対
する積分時間長が均一化されることにより、理想的な畳
み込み積分動作が可能となる。
して、SAWの周波数に応じた励振位置の変化による補償
のみでは、理想的なコンボルバの動作は実現しないが、
本発明によれば、全動作周波数帯域で各周波数成分に対
する積分時間長が均一化されることにより、理想的な畳
み込み積分動作が可能となる。
第1A図は本発明の一実施例を示すSAWコンボルバの平面
図、第1B図はくし型電極の周波数特性、第1C図、第1D図
および第1E図は出力ゲート電極の変形例を示す平面図、
第2A図は他の実施例を示すSAWコンボルバの平面図、第2
B図は出力ゲート電極の変形例を示す平面図、第3A図は
他の実施例を示すSAWコンボルバの平面図、第3B図はSAW
の波形図、第4図は他の実施例を示すSAWコンボルバの
平面図、第5図および第6図はそれぞれ出力ゲート電極
にダミー電極を組み付けた場合の平面図、第7図は従来
の基本的SAWコンボルバの斜視図、第8図はチャープ型
電極を用いたSAWコンボルバの平面図である。 1……圧電基板、5a,5a′,5b,5b′,5c,5c′……くし型
電極、6,6′,6″,6,8,10,14,15,16……出力ゲート電
極、7,7′……斜め電極指、9a,9a′,9b,9b′……チャー
プ型電極、13,13′……傾斜型チャープ電極、17,17′,1
6,16′……ダミー電極。
図、第1B図はくし型電極の周波数特性、第1C図、第1D図
および第1E図は出力ゲート電極の変形例を示す平面図、
第2A図は他の実施例を示すSAWコンボルバの平面図、第2
B図は出力ゲート電極の変形例を示す平面図、第3A図は
他の実施例を示すSAWコンボルバの平面図、第3B図はSAW
の波形図、第4図は他の実施例を示すSAWコンボルバの
平面図、第5図および第6図はそれぞれ出力ゲート電極
にダミー電極を組み付けた場合の平面図、第7図は従来
の基本的SAWコンボルバの斜視図、第8図はチャープ型
電極を用いたSAWコンボルバの平面図である。 1……圧電基板、5a,5a′,5b,5b′,5c,5c′……くし型
電極、6,6′,6″,6,8,10,14,15,16……出力ゲート電
極、7,7′……斜め電極指、9a,9a′,9b,9b′……チャー
プ型電極、13,13′……傾斜型チャープ電極、17,17′,1
6,16′……ダミー電極。
Claims (5)
- 【請求項1】少なくとも2対の入力トランスデューサお
よびその間の出力ゲート電極を備え、弾性表面波の音速
が周波数の関数v(ω)となる速度分散性を持った圧電
基板を用い、前記入力トランスデューサが速度分散性を
補償し、かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に弾性表面
波の周波数を分布させる弾性表面波コンボルバにおい
て、各対の入力トランスデューサ間の距離1が前記直角
方向で異なるように構成され、かつ前記出力ゲート電極
の弾性表面波伝搬方向の長さLが前記直角方向で異なる
ようになっており、各対の入力トランスデューサ間の弾
性表面波の伝搬路がその弾性表面波の周波数帯域毎に複
数チャンネルに分離され、各チャンネルにおいて全ての
チャンネルで夫々の周波数帯域の中心周波数に対し前記
距離1は同一の遅延時間長を有しかつ前記長さLは同一
の積分時間を有するように設定されていることを特徴と
する弾性表面波装置。 - 【請求項2】少なくとも2対の入力トランスデューサお
よびその間の出力ゲート電極を備え、弾性表面波の音速
が周波数の関数v(ω)となる速度分散性を持った圧電
基板を用い、前記入力トランスデューサが速度分散性を
補償し、かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に弾性表面
波の周波数を分布させる弾性表面波コンボルバにおい
て、各対の入力トランスデューサが、並設された複数組
のチャープ型電極から成るトランスデューサで形成さ
れ、各組の左右入力トランスデューサのチャープ型電極
は各組で周波数帯域をずらして並列配置され、入力トラ
ンスデューサ間に配置された出力ゲート電極は弾性表面
波の伝搬方向の直角方向で長さLが異なるようになって
おり、各対の入力トランスデューサ間の弾性表面波の伝
搬路がその弾性表面波の周波数帯域毎に複数チャンネル
に分離され、各チャンネルにおいて全てのチャンネルで
夫々の周波数帯域の中心周波数に対し前記長さLは同一
の積分時間を有するように設定されていることを特徴と
する弾性表面波装置。 - 【請求項3】前記出力ゲート電極の形状が見掛け上、全
体として矩形状となるように両側に接触しないようにダ
ミー電極が配置されていることを特徴とする請求項1記
載の弾性表面波装置。 - 【請求項4】1対の入力トランスデューサおよびその間
の出力ゲート電極を備え、弾性表面波の音速が周波数の
関数v(ω)となる速度分散性を持った圧電基板を用
い、前記入力トランスデューサが速度分散性を補償し、
かつ弾性表面波伝搬方向と直角方向に弾性表面波の周波
数を分布させる弾性表面波コンボルバにおいて、前記1
対の入力トランスデューサ間の距離1が前記直角方向で
連続的に異なるように構成され、かつ前記出力ゲート電
極の弾性表面波伝搬方向の長さLが前記直角方向で連続
的に異なるように構成され、前記1対の入力トランスデ
ューサは前記直角方向に連続的に電極指のピッチが変化
するように構成され、前記距離1は分布する弾性表面波
の周波数に対し同一の遅延時間長を有し、かつ前記長さ
Lは同一の積分時間を有するように設定されていること
を特徴とする弾性表面波装置。 - 【請求項5】前記出力ゲート電極の形状が見掛け上、全
体として矩形状となるように前記出力ゲート電極の両側
に接触しないようにダミー電極が配置されていることを
特徴とする請求項4記載の弾性表面波装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21199989A JP2742713B2 (ja) | 1989-08-16 | 1989-08-16 | 弾性表面波装置 |
GB9017436A GB2236637B (en) | 1989-08-16 | 1990-08-09 | Surface acoustic wave device |
DE19904026000 DE4026000A1 (de) | 1989-08-16 | 1990-08-16 | Oberflaechenwellenbauelement |
US07/764,053 US5189330A (en) | 1989-08-16 | 1991-09-23 | Surface acoustic wave device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21199989A JP2742713B2 (ja) | 1989-08-16 | 1989-08-16 | 弾性表面波装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0374920A JPH0374920A (ja) | 1991-03-29 |
JP2742713B2 true JP2742713B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=16615218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21199989A Expired - Fee Related JP2742713B2 (ja) | 1989-08-16 | 1989-08-16 | 弾性表面波装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2742713B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5235235A (en) * | 1991-05-24 | 1993-08-10 | The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy | Multiple-frequency acoustic wave devices for chemical sensing and materials characterization in both gas and liquid phase |
JP2005217709A (ja) * | 2004-01-29 | 2005-08-11 | Samsung Yokohama Research Institute Co Ltd | Sawマッチドフィルタ、及びこれを用いた送信機と受信機 |
-
1989
- 1989-08-16 JP JP21199989A patent/JP2742713B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0374920A (ja) | 1991-03-29 |
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