JP2742434B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JP2742434B2 JP1284589A JP1284589A JP2742434B2 JP 2742434 B2 JP2742434 B2 JP 2742434B2 JP 1284589 A JP1284589 A JP 1284589A JP 1284589 A JP1284589 A JP 1284589A JP 2742434 B2 JP2742434 B2 JP 2742434B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、学習制御機能を有するエンジンの空燃比制
御装置に関する。
[従来技術] 一般に、自動車などの車輛における空燃比制御では、
電子制御式燃料噴射装置(EGI)にて、基本燃料噴射量T
pを各種補正量によって補正し燃料噴射量を決定してい
る。
この燃料噴射量Tpは、吸入空気量Qとエンジン回転数
Nに応じた理論空燃比を得るための燃料噴射量であり、 Tp=k×Q/N (k:定数) により算出される。
そして、この基本燃料噴射量Tpを、エンジンの各種運
転条件に応じて各種補正係数で補正することにより、実
際の燃料噴射量Tiが設定される。
上記各種補正係数は、その時点での運転条件に適合す
る空燃比となるように各種増量補正する各種増量分補正
係数COEF、理論空燃比への空燃比フィードバック補正係
数α、電圧補正係数Tsなどであり、これらの各種補正係
数によって設定された燃料噴射量Tiで空燃比が制御され
る。
すなわち、上記燃料噴射量Tiは、 Ti=Tp×α×COEF+Ts によって設定される。
ここで、空燃比を理論空燃比に保つには、排気管に臨
まされたO2センサなどの排気センサにより排気ガス中に
含まれている酸素濃度を測定し、吸入混合気の空燃比を
算出すると共に、この算出された空燃比の理論空燃比か
らのずれ量に応じた補正量により空燃比フィードバック
制御を行う。
しかしながら、空燃比フィードバック制御による目標
空燃比の制御においては、目標値と実空燃比との偏差が
ある範囲内にないと、目標値への収束に時間がかかる。
さらに、エンジン運転領域が急激に変化した場合や、空
燃比制御系の構成部品の経時劣化による制御出力のずれ
など、条件によっては空燃比のオーバーシュートやハン
チングを生じ、空燃比フィードバック系が不安定となっ
て制御不能となる恐れがある。
したがって、この空燃比フィードバック制御の収束性
を高めるため、また、各構成部品の劣化あるいは個々の
部品毎の特性のばらつきを補正するため、さらには、空
燃比フィードバック制御の出来ない領域での空燃比を良
好に補正するため、空燃比のずれ量を学習値KLRとする
学習制御によってさらに精密な空燃比制御が実現されて
いる。なお、この従来技術は、例えば、特開昭60−9315
0号公報に開示されている。
すなわち、学習による補正係数をKBLRCとすると、上
記燃料噴射量Tiは、 Ti=Tp×α×COEF×KBLRC+Ts となり、この学習補正された燃料噴射量Tiによって空燃
比が制御される。
ところで、燃料タンク内の燃料蒸気をキャニスタに一
時吸着させておき、走行中にエンジンに還元する燃料蒸
発ガス発散防止装置を装備する車輛では、スロットルバ
ルブ略全閉状態のアイドリング中、キャニスタパージコ
ントロールバルブを閉じてキャニスタパージをカット
(以下、「パージカット」と略称)し、アイドリング回
転を安定化させると共に、HC,COの排出量増加を防止
し、また、スロットルバルブ全閉状態の減速中にもキャ
ニスタパージカットして触媒の保護を図るようにしてい
る。
キャニスタパージが開始されると、キャニスタの吸着
層に吸着された燃料蒸気が吸気系に供給されることで空
燃比がリッチとなり、上述の空燃比学習制御装置ではこ
れに伴い空燃比フィードバック制御により空燃比をリー
ン化し、理論空燃比となるように制御するので上記空燃
比フィードバック補正係数αがリーン側に設定され(α
<1.0)、これにより学習値KLRは、学習によりベース
空燃比を理論空燃比(λ=1.0)にするようにリーン側
補正値(KLR<1.0)に更新される。
特に、高温外気時、高蒸気圧特性のガソリン(気化し
やすいガソリン)を使用したとき、あるいは高地走行時
には多量の燃料蒸気が発生してキャニスタパージの際に
はパージ量が増加して空燃比がオーバリッチとなり、こ
れを補正するため、上記空燃比フィードバック補正係数
αがオーバリーン側(α>1.0)に設定され、これによ
り学習値KLRは、学習によりオーバーリーン側補正値
(KLR>1.0)に更新される。
したがって、この状態からパージカットに移行して、
またはキャニスタパージによる空燃比のオーバーリッチ
状態を脱して通常の空燃比状態に戻った直後にも、オー
バーリーン側に更新された学習値KLRを用いて空燃比制
御が行われるため空燃比がオーバーリーンとなり、且
つ、このとき学習値KLRがオーバーリーン側補正値であ
るため、この学習値KLRを学習によりリッチ側に所定割
合ずつ更新してある値に収束するまで、すなわち、学習
が完了するまでに時間がかかり、この間、空燃比のオー
バーリーン状態が継続されるためエンジン不調に至り、
走行性、排気エミッションが悪化する。
このため、本出願人は、先の出願特開昭61−1127号公
報にて、2つの学習値テーブルを設け、キャニスタパー
ジを行うか否かによって学習を行う学習値テーブルを選
択するようにしてキャニスタパージ中の場合とキャニス
タパージカット中の場合とで別々の学習値テーブルを用
いることで対処する技術を提案した。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記先行例においては、2つの学習値
テーブルとも制御パラメータを同一としているが、空燃
比を左右する要因には複数のパラメータがある。
ここで、空燃比を左右する要因は主として吸入空気量
センサなどの吸入空気量計測系とインジェクタ、プレッ
シャレギュレータなどの燃料噴射系との2つの要因があ
り、この2つの要因に劣化が生じる場合、第9図に示す
ように、吸入空気量計測系の劣化特性と燃料噴射系の劣
化特性とは異なり、吸入空気量Qに対し燃料噴射系の劣
化により空燃比のずれは略一定に変化し、吸入空気量計
測系の劣化により空燃比のずれは吸入空気量の増大に伴
い増加する傾向にあり、所定吸入空気量以上では燃料噴
射系の劣化による空燃比のずれ量よりも吸入空気計測系
の劣化により空燃比のずれ量の差が大きくなる。
したがって、吸入空気量計測系における吸入空気量セ
ンサの経時劣化に起因する吸入空気量の算出誤差と、燃
料噴射系におけるインジェクタ、プレッシャーレギュレ
ータの経時劣化に起因する実際の燃料噴射量の誤差と
は、運転領域によりその劣化特性の相違によって大きさ
が異なる。
したがって、先行例のように単一のパラメータによっ
て学習制御を行う場合、エンジン運転領域によって学習
値が異なり、上記吸入空気量センサなどの吸入空気計測
系の劣化に起因する空燃比のずれと上記インジェクタあ
るいはプレッシャーレギュレータなどの燃料噴射系の劣
化に起因する空燃比のずれとが異なるため、単一のパラ
メータによって学習を行うと学習値がバラツキ、制御性
の改善には限界がある。
[発明の目的] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、学習頻
度の相違にかかわらず全体の学習値の分布を平滑化して
学習値のバラツキをなくし学習精度を高めると共に、制
御性を向上し、さらに、キャニスタパージとパジカット
との相互切換の際の空燃比変動を防止し、排気エミッシ
ョンの改善、燃費向上を図ることができるエンジンの空
燃比制御装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明によるエンジンの空
燃比制御装置は、エンジン回転数と吸入空気量とに基づ
き基本燃料噴射量を設定する基本燃料噴射量設定手段
と、排気センサの出力信号に基づき算出された空燃比と
目標空燃比とのずれ量から、基本燃料噴射量あるいは燃
料噴射量をパラメータとして構成される燃料噴射系学習
値テーブルにて燃料噴射系の補正量を学習する燃料噴射
系学習手段と、排気センサの出力信号に基づき算出され
た空燃比と目標空燃比とのずれ量から、吸入空気量をパ
ラメータとして構成される吸入空気量計測系学習値テー
ブルにて吸入空気量計測系の補正量を学習する吸入空気
量計測系学習手段と、スロットルバルブ全閉状態を検出
するスロットルバルブ状態検出手段からの出力信号に応
じ、スロットルバルブ全閉状態の場合には上記燃料噴射
系学習手段の学習を指定し、スロットルバルブ全閉以外
の場合には上記吸入空気量計測系学習手段の学習を指定
する学習指定手段と、上記基本燃料噴射量を、この基本
燃料噴射量あるいは燃料噴射量に応じ上記燃料噴射系学
習手段により設定された燃料噴射系学習補正係数と吸入
空気量に応じ上記吸入空気量計測系学習手段により設定
された吸入空気量計測系学習補正係数とで補正して燃料
噴射量を設定する燃料噴射量設定手段とを備えている。
[作用] 上記構成により、スロットルバルブ状態検出手段から
の出力信号に応じ、学習指定手段によりスロットルバル
ブ全閉状態の場合には燃料噴射系学習手段が指定され
て、基本燃料噴射量あるいは燃料噴射量をパラメータと
して構成される燃料噴射系学習値テーブルにて空燃比の
ずれ量に基づき燃料噴射系の補正量が学習され、スロッ
トルバルブ全閉以外の場合には吸入空気量計測系学習手
段が指定されて、吸入空気量をパラメータとして構成さ
れる吸入空気量計測系学習値テーブルにて空燃比のずれ
量に基づき吸入空気量計測系の補正量が学習されるの
で、燃料噴射系と吸入空気量計測系とのオーバラップが
なくなり学習精度が向上される。
また、燃料噴射量設定手段で燃料噴射量が設定される
際に、吸入空気量に応じ吸入空気量計測系学習手段によ
って設定される吸入空気量計測系学習補正係数にて吸入
空気量計測系による誤差の補正が行われるとともに、基
本燃料噴射量あるいは燃料噴射量に応じ燃料噴射系学習
手段によって設定される燃料噴射系学習補正係数にて燃
料噴射系による誤差の補正が行われて空燃比が適性に制
御される。
[発明の実施例] 以下、図面にしたがって本発明の実施例を説明する。
図面は本発明の一実施例を示し、第1図は空燃比制御
装置のブロック図、第2図はエンジン制御系の概略図、
第3図はフィードバック制御判定マップの説明図、第4
図(a)は定常状態判定のマトリックスの説明図、第4
図(b)は吸入空気量計測系学習値テーブルの説明図、
第4図(c)は燃料噴射系学習値テーブルの説明図、第
5図はO2センサ出力と空燃比フィードバック補正係数と
の説明図、第6図はキャニスタパージコントロールバル
ブの制御手順を示すフローチャート、第7図は空燃比制
御手順を示すフローチャート、第8図は学習値更新手順
を示すフローチャート、第9図は吸入空気量計測系およ
び燃料噴射系の劣化特性を示す説明図である。
(構成) 図中の符号1はエンジン本体で、図においては水平対
向型4気筒エンジンを示す。上記エンジン本体1のシリ
ンダヘッド2に形成された吸入ポート2aにインテークマ
ニホルド3が連設されており、このインテークマニホル
ド3の上流側にエアチャンバ4を介してスロットルチャ
ンバ5が連通され、このスロットルチャンバ5の上流側
が吸入管6を介してエアクリーナ7に連通されている。
また、上記吸入管6の上記エアクリーナ7の直下流に
吸入空気量センサ(図においては、ホットワイヤ式エア
フロメータ)8が介装され、さらに、上記スロットルチ
ャンバ5に設けられたスロットルバルブ5aにスロットル
ポジションセンサ9およびスロットルバルブ5aの全閉状
態を検出するためのスロットルバルブ状態検出手段とし
てのアイドルスイッチ10が連設されている。
なお、アイドルスイッチ10は、本実施例においてはス
ロットルバルブ全閉でONし、このとき、後述する制御装
置30のI/Oインタフェイス35にL信号が入力される。
また、上記インテークマニホルド3の各気筒の各吸入
ポート2aの直上流側に、インジェクタ1が配設されてお
り、燃料タンク12から燃料ポンプ13によって圧送される
燃料が、燃料フィルタ13aを経てプレッシャーレギュレ
ータ25により、上記インテークマニホルド3内の圧力と
燃料圧力との差圧が一定に保たれて上記インジェクタ11
に供給される。
一方、上記燃料タンク12の上部空間12aが通路14を介
してキャニスタ15の活性炭などからなる吸着層15aに連
通されており、上記燃料タンク12内で発生した燃料蒸気
が、上記通路14を経てキャニスタ15の吸着層15aに吸着
される。
さらに、上記キャニスタ15の吸着層15aが、パージバ
ルブ15b、パージライン16を介して上記インテークマニ
ホルド3に連通されている。
また、上記パージバルブ15bの作動室15cと上記スロッ
トルチャンバ5の上記スロットルバルブ5aの全閉位置に
おける直上流および直下流とがセンシングライン17を介
して連通されており、このセンシングライン17の中途に
キャニスタパージアクチュエータの一例で三方電源切換
弁からなるキャニスタパージコントロールバルブ18が介
装されている。
このキャニスタパージコントロールバルブ18は制御装
置30からの制御信号に伴って開閉動作するもので、キャ
ニスタパージコントロールバルブ18が開弁すると、上記
スロットルバルブ5aの開度に応じた負圧が上記パージバ
ルブ15bの作動室15cに供給され、上記パージバルブ15b
が開弁し、上記キャニスタ15の吸着層15aに吸着された
燃料蒸気が上記パージライン16を介してインテークマニ
ホルド3内の負圧に応じてインテークマニホルド3内へ
供給、すなわち、キャニスタパージされる。
また、上記エンジン本体1のクランクシャフト1bに、
その外周に所定クランク角度に突起あるいはスリットを
有するクランクロータ19が固設されており、このクラン
クロータ19の外周に、電磁ピックアップなどからなるク
ランク角センサ20が対設されている。
さらに、上記インテークマニホルド3に形成された冷
却水通路(図示せず)に冷却水温センサ21が臨まされて
いる。
また、上記シリンダヘッド2に形成された排気ポート
2bに連通する排気管22にO2センサ23が臨まされている。
なお、符号24は触媒コンバータである。
また、エンジン制御系の電源はバッテリ26により供給
され、上記各センサ8,9,20,21,23、および、制御装置30
を、上記バッテリ26の電圧を定電圧回路30aにより発
生、安定化した電圧で動作する。
(制御装置の回路構成) 上記制御装置30は、CPU(中央処理演算装置)31,ROM3
2,RAM33、不揮発性RAM34およびI/Oインターフェイス35
がバスライン36を介して互いに接続されており、上記I/
Oインターフェイス35の入力ポートに上記吸入空気量セ
ンサ8、スロットルポジションセンサ9、アイドルスイ
ッチ10、クランク角センサ20、冷却水温センサ21、およ
び、O2センサ23が接続されていると共に、バッテリ26の
電圧をモニタする電圧検出回路38が接続されている。ま
た、このI/Oインターフェイス35の出力ポートに駆動回
路37を介して上記インジェクタ11、および、キャニスタ
パージコントロールバルブ18が接続されている。
上記ROM32には制御プログラム、固定データが記憶さ
れており、また、上記RAM33には、データ処理した後の
上記各センサの出力信号およびCPU31で演算処理したデ
ータが格納される。また、上記不揮発性RAM34には、後
述する燃料噴射系学習値テーブルTFLR及び吸入空気量
計測系学習値テーブルTQLRが格納されており、例えば
バッテリバックアップなどにより、エンジンキーOFFの
状態においても記憶されたデータが保持されるようにな
っている。
上記CPU31では上記ROM32に記憶されている制御プログ
ラムに従い、上記RAM33、および、不揮発性RAM34に記憶
されている各種データに基づき燃料噴射量Tiを演算し、
この燃料噴射量Tiに相応する駆動パルス信号を、駆動回
路37を介してインジェクタ11へ所定タイミングに出力す
る。
(制御装置の機能構成) 第1図に示すように制御装置30は、キャニスタパージ
設定手段40、コントロールバルブ駆動手段41、吸入空気
量算出手段42、エンジン回転数算出手段43、各種増量分
補正係数設定手段44、電圧補正係数設定手段45、基本燃
料噴射量設定手段46、空燃比フィードバック制御判定手
段47、空燃比フィードバック補正係数設定手段48、学習
条件判別手段49、学習指定手段50、吸入空気量計測系学
習手段51、吸入空気量計測系学習値テーブルTQLR、燃
料噴射系学習手段52、燃料噴射系学習値テーブルTFL
R、燃料噴射量設定手段53、インジェクタ駆動手段54か
ら構成される。
上記キャニスタパージ設定手段40は、アイドルスイッ
チ10、冷却水温センサ21の出力信号を読込み上記キャニ
スタパージコントロールバルブ18の開閉を設定する。
すなわち、冷却水温Twが設定値Two(例えば60℃)未
満の場合(Tw<To)、あるいは、アイドルスイッチ10が
ON(スロットルバルブ5を全開状態)の場合、コントロ
ールバルブ駆動手段41へパージカット信号を出力する。
一方、冷却水温Twが設定値Two以上で(Tw≧Two)、且
つ、アイドルスイッチ10がOFFの場合には、上記コント
ロールバルブ駆動手段41へパージ信号を出力する。
このコントロールバルブ駆動手段41では、上記キャニ
スタパージ設定手段40の出力信号に従ってキャニスタパ
ージコントロールバルブ18へ動作信号を出力する。例え
ば、上記キャニスタパージを設定手段40からパージ信号
が出力された場合、キャニスタパージコントロールバル
ブ18のコイル18aを非通電とし、センシングライン17と
作動室15cとを連通してスロットルバルブ5aの開度に応
じた負圧によりパージバルブ15bを開弁して、キャニス
タ15の吸着層15aに吸着されている燃料蒸気をパージす
る。
一方、パージカット信号が出力された場合には、キャ
ニスタパージコントロールバルブ18のコイル18aを通電
し、センシングライン17と作動室15cとを遮断し、作動
室15cを大気開放することによりパージバルブ15bが閉弁
してパージカットされる。
吸入空気量算出手段42は、吸入空気量センサ8からの
出力信号を読込み、吸入空気量Qを算出する。
エンジン回転数算出手段43は、クランク角センサ20か
らの出力信号に基づき、エンジン回転数Nを算出する。
上記各種増量分補正係数設定手段44では、スロットル
ポジションセンサ9、アイドルスイッチ10、および、冷
却水温センサ21からの出力信号を読込み、水温補正、ア
イドル後増量補正、スロットル全開増量補正、加減速補
正などに係る各種増量分補正係数COEFを設定する。
上記電圧補正係数設定手段45では、バッテリ26の端子
電圧に応じて、インジェクタ48の無効噴射時間(パルス
幅)を図示しないテーブルから読取り、この無効噴射時
間を補間する電圧補正係数Tsを設定する。
基本燃料噴射量設定手段46では、上記吸入空気量算出
手段42にて算出された吸入空気量Q、および、上記エン
ジン回転数算出手段43にて算出されたエンジン回転数N
から基本燃料噴射量Tpを Tp=K×Q/N ……(1) (K:定数) により算出する。
上記空燃比フィードバック制御判定手段47では、O2
ンサ23の出力信号を読込み、このO2センサ23が不活性状
態のとき、空燃比フィードバック補正係数設定手段48に
対して空燃比フィードバック制御中止信号を出力すると
ともに、O2センサ23が活性領域にあっても、空燃比フィ
ードバック制御条件が成立するか判定し、上記空燃比フ
ィードバック補正係数設定手段43に空燃比フィードバッ
ク制御を行うか否かを指示する。
上記O2センサ23の活性状態の判定は、例えば、所定時
間当りのO2センサ出力電圧最大値EMAXと出力電圧最小
値EMINとの差が設定値未満の場合、O2センサ23が不活
性状態と判定し、設定値以上であればO2センサ23が活性
状態であると判定する。
また、上記O2センサ23が活性状態であっても空燃比フ
ィードバック制御条件が成立するかの判定は、エンジン
回転数Nと、例えば、基本燃料噴射量Tpに基づくエンジ
ン負荷データLとをパラメータとして第3図に示す空燃
比フィードバック制御判定マップから、エンジン回転数
Nが設定回転数No(例えば、4500rpm)以上、あるい
は、上記負荷データLが設定負荷Lo以上のとき(スロッ
トル略全開領域)、空燃比フィードバック制御中止信号
を上記空燃比フィードバック補正係数設定手段48に出力
し、これ以外のとき、且つ、上記O2センサ23が活性状態
にあるときのみ、空燃比フィードバック制御条件成立と
して上記空燃比フィードバック補正係数設定手段48に空
燃比フィードバック制御開始の指示をする。
上記空燃比フィードバック補正係数設定手段48では、
上記空燃比フィードバック制御判定手段47にて空燃比フ
ィードバック制御条件成立と判定された場合、O2センサ
23の出力電圧(出力信号)とスライスレベル電圧とを比
較して、比例積分制御により空燃比フィードバック補正
係数αを設定する。
なお、空燃比フィードバック補正係数設定手段48は、
上記空燃比フィードバック制御判定手段47にて、O2セン
サ23が不活性状態、あるいは、スロットル略全開領域と
判定されて空燃比フィードバック制御中止を指示された
場合、上記空燃比フィードバック補正係数αをα=1.0
に設定して空燃比フィードバック制御を中止する。
上記学習条件判定手段49では、O2センサ23の出力電圧
を読込み、所定時間当りのO2センサ23の出力電圧最大値
EMAXと出力電圧最小値EMINとの差が設定電圧値Eo(例
えば、300mV)以上で(EMAX−EMIN≧Eo)、かつ、冷
却水温センサ21の冷却水温Tw信号を読込み冷却水温Twが
設定値Two(例えば、60℃)以上で(Tw≧Two)、か
つ、負荷データL(基本燃料噴射量Tp)とエンジン回転
数Nとをパラメータとして構成したマトリックス(第4
図(a)参照)において、上記基本燃料噴射量設定手段
46にて設定された基本燃料噴射量Tpによる負荷データL
と、上記エンジン回転数算出手段43にて算出されたエン
ジン回転数Nとからマトリックス中の区画を決定し、こ
の区画が前回選択された区間と同じで、かつ、この区間
領域内において、上記O2センサ23の出力電圧がn回反転
したときエンジン定常状態であり、このとき学習条件が
成立したと判別する。
上記学習指定手段50では、上記学習条件判別手段49に
て学習条件が成立したと判定されると、アイドルスイッ
チ10の出力信号を読込み、アイドルスイッチ10がON(ス
ロットルバルブ全閉)の場合、燃料噴射系学習手段52へ
学習を指示し、一方、アイドルスイッチ10がOFF(スロ
ットルバルブが開かれている状態)の場合、吸入空気量
計測系学習手段51へ学習を指示する。
吸入空気量計測系学習値テーブルTQLRは、不揮発性R
AM34に構成され、第4図(b)に示すように吸入空気量
レンジQoQTQ1Q2 Q2Q3 ,…,Qn-1Qnに対応するアドレ
スa1,a2,a3,…,anを有しており、各アドレスに吸入
空気量計測系学習値KQLRが格納されている。なお、各
アドレス中の吸入空気量計測系学習値KQLRは、イニシ
ャル値としてKQLR=1.0が所定アドレスにストアされて
いる。
上記吸入空気量計測系学習手段51は、学習指定手段50
からの学習指示により、すなわち、上記学習条件判別手
段49で学習条件成立と判定され、且つ、アイドルスイッ
チ10がOFFの場合、上記空燃比フィードバック補正係数
設定手段48にて設定された空燃比フィードバック補正係
数αと基準値との偏差量を求め、この偏差量を、基準値
との偏差の符号+,−により上記吸入空気量計測系学習
値テーブルTQLRの吸入空気量Qをパラメータとした該
当アドレスに格納されている吸入空気量計測系学習値K
QLRに所定割合加算あるいは減算して、上記吸入空気量
計測系学習値KQLRを更新する。
さらに、上記吸入空気量計測系学習手段51では、所定
タイミング毎に、そのときの吸入空気量Qをパラメータ
として吸入空気量計測系学習値テーブルTQLRから吸入
空気量計測系学習値KQLRを検索し、補間計算により吸
入空気量計測系学習値補正係数KBLRC1を設定する。こ
の吸入空気量計測系学習補正係数KBLRC1を、後述する
燃料噴射量Ti算出の際に用いることで、吸入空気量計測
系の劣化による算出誤差が補正される。
上記燃料噴射系学習値テーブルTFLRは、不揮発性RAM
34上に、上記吸入空気量計測系学習値テーブルTQLRと
は別に構成され、第4図(c)に示すように基本燃料噴
射量レンジTpoTp1Tp1Tp2Tp2Tp3に対応するア
ドレスb1,b2,b3を有しており、各アドレスに燃料噴射
系学習値KFLRが格納されている。
なお、燃料噴射系学習値テーブルTFLRのアドレスb1
においてスロットルバルブ全閉状態のアイドリング時の
学習が行われ、アドレスb2,b3において減速時の学習が
行われる。また、各アドレスにおける燃料噴射系学習値
KFLRは、イニシャル値としてKFLR=1.0がストアされ
る。
上記燃料噴射系学習手段52は、学習指定手段50からの
学習指示により、すなわち、上記学習条件判別手段49で
学習条件成立と判定され、且つ、アイドルスイッチ10が
ON(スロットルバルブ全閉)の場合、上記空燃比フィー
ドバック補正係数設定手段48にて設定された空燃比フィ
ードバック補正係数αと基準値との偏差量を求め、この
偏差量を、基準値との偏差の符号の+,−により上記燃
料噴射系学習値テーブルTFLRの該当アドレス(上記学
習条件判別手段49においてエンジン定常状態判定の際に
特定されたマトリックス中の区間に対応する基本燃料噴
射量レンジを有するアドレス)に格納されている燃料噴
射系学習値KFLRに所定割合加算あるいは減算して、上
記燃料噴射系学習値KFLRを更新する。
さらに、燃料噴射系学習手段52では、所定タイミング
毎にそのときの基本燃料噴射量Tpをパラメータとして燃
料噴射系学習値テーブルTFLRから燃料噴射系学習値KF
LRを検索し、補間計算により燃料噴射系学習補正係数K
BLRC2を設定する。この燃料噴射系学習補正係数KBLRC2
を後述する燃料噴射量Ti算出に用いることで、燃料噴射
系の劣化による算出誤差が補正される。
すなわち、吸入空気量センサ8などの吸入空気量計測
系と、インジェクタ11あるいはプレッシャーレギュレー
タ25などの燃料噴射系のいずれが劣化しても結果的に空
燃比のずれが生じるが、これら2つのパラメータを同一
運転領域において別々に学習し、燃料噴射量Tiを設定す
ると、その劣化特性の相違からそれぞれが別々の方向に
学習し、一方はリッチ方向の補正、もう一方はリーン方
向の補正というように互いに相反する補正となって、か
えって制御性が悪化する可能性がある。
上記吸入空気量計測系においては、上記吸入空気量セ
ンサ8の劣化、例えば、ホットワイヤ式エアフローメー
タのホットワイヤのカーボン付着などによる吸入空気量
検出精度の低下などは、例えば第9図に示すように、そ
の劣化特性は、一般に吸入空気量Qの大きさ領域程、劣
化によりずれが大きい。一方、燃料噴射系においては、
例えば、インジェクタ11の機械的摩耗による応答時間の
変化あるいは噴射ノズル部のカーボン堆積に伴う開口面
積の縮小、また、プレッシャーレギュレータ25のダイア
フラムの劣化による受圧面積の変化に伴う燃料圧力の変
化あるいは燃料ポンプ13の劣化による燃料圧力の低下な
ど、その劣化特性は、吸入空気量Qにかかわらず略一定
であり、従って、劣化による変化率は、吸入空気量Qの
小さい領域、すなわち、燃料噴射量の小さい領域におい
てむしろ大きく、吸入空気量の大きい領域すなわち燃料
噴射量の大きい領域においては、相対的に変化率は小さ
い。
したがって、吸入空気量Qの大きいアイドルスイッチ
10のOFF(スロットルバルブ5aの開かれている状態)の
場合には吸入空気量計測系の学習を行う吸入空気量計測
系学習手段51を選択し、吸入空気量Qの小さいアドレス
スイッチがON(スロットルバルブ全閉状態)の場合には
燃料噴射系の学習を行う燃料噴射系学習手段52を選択し
て学習を行うことにより、学習頻度の相違にかかわらず
学習値の分布が平滑化され学習値のバラツキが解消され
学習精度を高めることができる。
上記燃料噴射量設定手段53では、上記基本燃料噴射量
設定手段46にて設定した基本燃料噴射量Tpを、上記各種
増量分補正係数設定手段44、電圧補正係数設定手段45、
空燃比フィードバック補正係数設定手段48、吸入空気量
計測系学習手段51、燃料噴射系学習手段52でそれぞれ設
定した各種増量分補正係数COEF、電圧補正係数Ts、空燃
比フィードバック補正係数α、吸入空気量計測系学習補
正係数KBLRC1、および、燃料噴射系学習補正係数KBLR
C2で補正して燃料噴射量Tiを Ti=Tp×KBLRC1×KBLRC2×COEF×α+Ts …(2) により設定し、この燃料噴射量Tiに相応する駆動パルス
信号をイジェクタ駆動手段54を介して所定タイミングで
インジェクタ11に出力する。
したがって、燃料噴射量Ti算出の際に、上記吸入空気
量計測系学習手段51にて得られる吸入空気量計測系学習
補正係数KBLRC1による吸入空気量計測系の劣化による
算出誤差が補正されるとともに、上記燃料噴射系学習手
段52によって得られる燃料噴射系学習補正係数KBLRC2
により燃料噴射系の劣化による算出誤差が補正され、そ
の結果、上記吸入空気量計測系、および、燃料噴射系の
劣化によるベース空燃比の理論空燃比λ=1.0からのず
れが解消され、制御性を大幅に向上することができる。
また、吸入空気量計測系の学習は、学習条件判別手段
49、および、学習指定手段50による少くともアイドルス
イッチ10がOFFで、かつ、冷却水温Twが設定値Two以上
の条件が満足された場合、すなわち、キャニスタパージ
時の学習を行い、また、燃料噴射系の学習は、アイドル
スイッチ10がONの場合、すなわち、パージカット時の学
習を行うので、燃料噴射量Tiの演算の際に、吸入空気量
計測系学習補正係数KBLRC1および燃料噴射系学習補正
係数KBLRC2を用いて補正を行うことにより、キャニス
タパージとパージカットとの相互切換の際の空燃比変動
が防止される。
(作用) 次に、上記構成による制御装置30の制御手順を第6図
ないし第8図のフローチャートを基に説明する。
(キャニスタパージコントロールバルブの制御手順) 第6図に示すように、まず、ステップS101においてア
イドルスイッチ10からの信号を読込み、アイドルスイッ
チ10がON(スロットルバルブ全閉状態)か、OFF(スロ
ットルバルブ5aが開かれている状態)かを判定し、OFF
の場合ステップS102へ進み、ONの場合ステップS104へ進
む。
ステップS102へ進むと、冷却水温Twを読込み、設定値
Two(例えば60℃)と比較し、Tw≧Twoの場合ステップ
S103へ進み、パージ信号を出力してキャニスタパージコ
ントロールバルブ18のコイル18aを非通電とする。これ
によって、センシングライン17と作動室15cとが連通さ
れてパージバルブ15bが開弁し、パージが行われる。
一方、アイドル運転中(アイドルスイッチON)あるい
はエンジン暖機中(Tw<Two)と判定されてステップS1
04へ進むと、パージカット信号を出力してキャニスタパ
ージコントロールバルブのコイル18aを通電する。これ
によってセンシングライン17と作動室15cとが遮断さ
れ、作動室15cが大気開放されてパージバルブ15bが閉弁
し、パージカットされる。
(空燃比制御手順) 次に、上記制御装置30による空燃比制御手順を第7図
に示すフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS201で吸入空気量センサ8、クランク
角センサ20かの出力信号を読込み、吸入空気量Q、エン
ジン回転数Nを算出する。
次いでステップS202へ進み、上記ステップS201にて算
出した吸入空気量Q、エンジン回転数Nから基本燃料噴
射量Tpを前記(1)式 Tp=K×Q/N (K:定数) により算出してステップS203へ進む。
ステップS203では、冷却水温センサ21からの冷却水温
Tw信号、アイドルスイッチ10からのアイドルId信号、お
よびスロットルポジシャンセンサ9からのスロットル開
度θ信号を読込み、ステップS204で、水温補正、アイド
ル後増量補正、スロットル全開増量補正、加減速補正な
どに係る各種増量分補正係数COEFを設定する。
次いで、ステップS205でバッテリ26の端子電圧を読込
み、インジェクタ11の無効噴射時間を補間する電圧補正
係数Tsを設定して、ステップS206へ進む。
ステ「S206では、O2センサ23の出力(電圧)信号を読
込んで、所定時間当りのO2センサ23の出力電圧最大値E
MAXと出力電圧最小値EMINとの差を求め、その差が設定
値以上の場合、上記O2センサ23は活性であると判定して
ステップS207へ進む。一方、所定時間当りのO2センサ23
の出力電圧最大値EMAXと出力電圧最小値EMINとの差が
設定値未満の場合、上記O2センサ23は不活性であると判
定してステップS209へ進み、空燃比フィードバック補正
係数αをα=1.0に固定し、空燃比フィードバック制御
を中止してステップS210へ進む。
ステップS207では、上記ステップS201にて算出したエ
ンジン回転数Nと、上記ステップS202にて設定した基本
燃料噴射量Trに基づくエンジン負荷データLとをパラメ
ータとして、空燃比フィードバック制御条件が成立する
か否かを判定する。エンジン回転数Nが設定回転数No
(例えば、4500rpm)よりも低く(N<No)、かつ、上
記負荷データLが設定負荷Loよりも低い(L<Lo)運転
状態のとき、空燃比フィードバック制御条件成立として
ステップS208へ進む。
一方、エンジン回転数Nが設定回転数No以上(N≧N
o)、あるいは上記負荷データLが設定負荷Lo以上(L
≧Lo)のとき、すなわちスロットル略全開領域において
は、運転領域が空燃比フィードバック制御中止領域にあ
ると判定され、ステップS209へ進み、空燃比フィードバ
ック補正係数αをα=1.0に固定し、空燃比フィードバ
ック制御を中止してステップS210へ進む。
なお、上記ステップS206におけるO2センサ23の活性、
不活性の判定は、冷却水温センサ21からの冷却水温Tw信
号を読込み、この冷却水温Twが設定値以下のとき(エン
ジン冷態状態のとき)上記O2センサ23が不活性状態と判
定しても良く、さらに、上記ステップS207における空燃
比フィードバック制御条件成立の判定は、スロットル全
開領域判定としてスロットル開度θに基づく判定を行う
ようにしても良い。
ステップS208では、上記O2センサ23の出力電圧とスラ
イスレベルとを比較して比例積分制御により空燃比フィ
ードバック補正係数αを設定してステップS210へ進む。
ステップS210では、上記ステップS201にて算出した吸
入空気量Qをパラメータとして吸入空気量計測系学習値
テーブルTQLRから吸入空気量計測系学習値KQLRを検索
し、補間計算により吸入空気量計測系学習補正係数KBL
RC1を設定する。
次いで、ステップS211へ進み、上記ステップS202にて
設定した基本燃料噴射量Tpをパラメータとして燃料噴射
系学習値テーブルTFLRから燃料噴射系学習値KFLRを検
索し、補間計算による燃料噴射系学習補正係数KBLRC2
を設定する。
次いで、ステップS212で、上記ステップS202にて設定
した基本燃料噴射量Tpを、上記ステップS204,S205,S20
8、あるいは、S209,S210,S211にて設定された各種増量
分補正係数COEF、電圧補正係数Ts、空燃比フィードバッ
ク補正係数α、吸入空気量計測系学習補正係数KBLRC
1、および、燃料噴射系学習補正係数KBLRC2により補正
し、燃料噴射量Tiを前記(2)式 Ti=Tp×KBLRC1×KBLRC2×COEF×α+Ts により設定し、ステップS213へ進む。
そして、ステップS213で、上記燃料噴射量Tiに相応す
る駆動パルス信号が駆動手段を介して、所定タイミング
でインジェクタ11に出力される。
なお、上記吸入空気量センサ8の劣化に起因する吸入
空気量の算出誤差の補正は、吸入空気量算出手段42(ス
テップS202に対応)での吸入空気量Qの算出において吸
入空気量Qそのものを補正しても良く、あるいは、基本
燃料噴射量設定手段46(ステップS202に対応)での基本
燃料噴射量Tpの算出において基本燃料噴射量Tpを補正し
ても良い。
(学習値更新手順) 次に学習値更新手順について第8図のフローチャート
を基に説明する。
まず、ステップS301で、O2センサ23の出力(電圧信
号)を読込み、ステップS302で、所定時間当りの上記O2
センサ23の出力電圧最大値EMAXと出力電圧最小値EMIN
との差と、設定値Eo(例えば、300mv)とを比較し、EM
AX−EMIN<Eoの場合には、ルーチンを終了し、EMAX−
EMIN≧Eoの場合にはステップS303へ進む。
ステップS303で冷却水温センサ21からの冷却水温Tw信
号を読込み、ステップS304で冷却水温Twと設定値Two
(例えば、60℃)とを比較し、Tw<Twoの場合にはルー
チンを終了し、Tw≧Twoの場合には、ステップS305へ進
む。
すなわち、上記ステップS302,S304にてO2センサ23の
活性状態判定が行われ、EMAX−EMIN≧Eoで、かつ、Tw
≧TwoのときO2センサ23が活性状態と判定されてステッ
プS305へ進む。
ステップS305では、クランク角センサ23の出力信号を
読込みエンジン回転数Nを算出する。
次いで、ステップS307へ進み、上記ステップS305にて
算出したエンジン回転数NおよびステップS306にて設定
した負荷データLが、それぞれ定常状態判定領域にある
か否か、すなわち、第4図(a)に示すマトリックス範
囲内(No≦N≦Nn,Lo≦L≦Ln)にあるか否かが判定さ
れる。上記エンジン回転数Nおよび負荷データLがマト
リックス範囲内にあり、学習値更新制御対象範囲内にあ
ると判定されると、上記エンジン回転数Nと負荷データ
Lによってマトリックス中の区画位置が、例えば、第4
図(a)の区画D1のようにマトリックス中で特定され、
ステップS308へ進む。
一方、上記エンジン回転数Nあるいは負荷データLが
マトリックス範囲外であり、学習値更新制御対象範囲外
のときには、ルーチンを終了する。
ステップS308では、前回のルーチンで特定したマトリ
ックス中の区画位置と今回特定した区画位置とを比較し
てエンジン定常選択状態か否かを判定する。すなわち、
前回のルーチンで特定した区画位置と今回特定した区画
位置とが同一でない場合、非定常運転状態と判定して学
習値の更新を行わずステップS309へ進み、今回のルーチ
ンにおいて特定したマトリックス中の区画位置を前回の
区画位置データとしてRAM33にストアしてステップS301
へ進み、カウンタをクリア(COUNT←φ)してルーチン
を終了する。
なお、初回のルーチンにおいては、前回の区画位置デ
ータがないので、ステップS307からステップS309へジャ
ンプし、ステップS310を経てルーチンを終了する。
一方、上記ステップS308において、今回のルーチンで
特定したマトリックス中の区画位置と前回の区画位置と
が同一と判定されると、ステップS313へ進み、O2センサ
23の出力電圧が読込まれ、この出力電圧がリッチ側とリ
ーン側とに交互に反転しているかが判定される。
上記O2センサ23の出力電圧の反転がない場合には、ル
ーチンを終了し、出力電圧の反転がある場合は、ステッ
プS312へ進んでカウンタのカウント値がカウントアップ
される。
次いで、ステップS313では、上記カウンタのカウント
値がn(例えば、3)より小さい場合ルーチンを終了
し、一方、カウント値がn以上の場合には定常状態と判
定されてステップS314へ進む。
すなわち、ステップS308,S311,S313にて定常状態判定
が行われ、負荷データL、および、エンジン回転数Nに
よる運転状態が略同一であり、且つ、この時O2センサ23
の出力電圧の反転がn回以上あった場合のみ、エンジン
定常運転状態と判定されて、学習値の更新が行われる。
上述のステップで定常状態と判定されてステップS314
へ進むと、カウンタがクリアされ、次いで、ステップS3
15へ進んで、O2センサ23の出力電圧を基準電圧と比較し
比例積分制御により空燃比フィードバック補正係数αを
設定し、この空燃比フィードバック補正係数αの平均値
が算出され、この平均値と基準値α0との偏差量Δ
αが算出される(第5図参照)。
すなわち、空燃比フィードバック補正係数αにおい
て、例えば、4回スキップする間の最大値α1,α5と最
小値α3,α7の平均値を、=(α1+α5+α3+
α7)/4により求め、こ(の平均値の基準値α0(=
1.0)に対する偏差量Δαを算出してステップS316へ進
む。
ステップS316では、アイドルスイッチ10からの信号を
読込み、燃料噴射系学習値更新か吸入空気量計測系学習
値更新かを特定する。
アイドルスイッチ10がOFF(スロットルバルブ5aが開
かれている状態)の場合には、吸入空気量計測系学習値
更新と判定してステップS317へ進み、そのときの吸入空
気量Qをパラメータとして吸入空気量計測系学習値テー
ブルTQLRの該当アドレスから吸入空気量計測系学習値
KQLRを検索し、ステップS318へ進み、上記ステップS31
7で検索した吸入空気量計測系学習値KQLRと上記ステッ
プS315で算出した偏差量Δαとから、次式 KQLR←KQLR+Δα/M1 により新たな吸入空気量計測系学習値KQLRを設定し、
吸入空気量計測系学習値テーブルTQLRにおける該当ア
ドレスの吸入空気量計測系学習値KQLRを更新する。
なお、上式における係数M1は、学習値更新時に、吸入
空気量計測系の劣化特性に基づいて偏差量Δαを加える
割合を決定する定数(加重平均の重み)であり、予め設
定された値がROM32に格納されている。
一方、上記ステップS316において、アイドルスイッチ
10がON(スロットルバルブ全閉)の場合には、燃料噴射
系学習値更新と判定されてステップS319へ進む。
ステップS319ではそのときの基本燃料噴射量Tpをパラ
メータとして燃料噴射系学習値テーブルTFLRの該当ア
ドレスから燃料噴射系学習値KFLRを検索し、ステップS
320へ進み、上記ステップS319にて検索した燃料噴射系
学習値KFLRと上記ステップS315で算出した偏差量Δα
とから、次式 KFLR←KFLR+Δα/M2 により新たな燃料噴射系学習値KFLRを設定し、燃料噴
射系学習値テーブルTFLRにおける該当アドレスの燃料
噴射系学習値KFLRを更新する。
ここで、上式における係数M2は、学習値更新時、燃料
噴射系の劣化に基づいて偏差量Δαを加える割合を決定
する定数(加重平均の重み)であり、予め設定された値
がROM32に格納されている。
したがって、以上から明らかな様に、燃料噴射系の劣
化の影響が大きい吸入空気量Qの少ない領域、すなわ
ち、アイドルスイッチ10がON(スロットルバルブ全閉状
態)の場合には、燃料噴射系学習値テーブルTFLRにお
ける燃料噴射系学習値KFLRの更新を行うことにより燃
料噴射系の劣化による誤差を補正すべく学習がなされ、
また、吸入空気量計測系の劣化による影響が大きい吸入
空気量Qの多い領域、すなわち、アイドルスイッチ10が
OFF(スロットルバルブ5aが開かれている状態)の場合
には、吸入空気量計測系学習値テーブルTQLRにおける
吸入空気量計測系学習値KQLRの更新を行うことにより
吸入空気量計測系の劣化による誤差を補正すべく学習が
なされるので、吸入空気量計測系学習領域と燃料噴射系
学習領域とのオーバーラップが解消され、同一学習領域
において個々に相反する学習値を持つことがなくなって
学習精度が高められる。
また、燃料噴射量Ti設定の際に、吸入空気量計測系学
習補正係数KBLRC1および燃料噴射系学習補正係数KBLR
C1を用いて補正を行うようにしているので、燃料噴射量
Tiの演算過程において、吸入空気量計測系の劣化による
誤差と燃料噴射系の劣化による誤差とが共に補正され、
ベース空燃比の理論空燃比からのずれが解消され、制御
性が大幅に向上される。
さらに、吸入空気量計測系の学習は少くともアイドル
スイッチ10がOFFで、かつ、冷却水温Twが設定値Tw0以
上の場合、すなわち、キャニスタパージ時の学習が行わ
れ、また、燃料噴射系の学習は、アイドルスイッチ10が
ONの場合、すなわちパージカット時の学習が行われるの
で、燃料噴射量Ti設定の際に、吸入空気量計測系学習補
正係数KBLRC1、および、燃料噴射系補正係数KBLRC2を
用いて補正を行うことにより、キャニスタパージとパー
ジカットとの相互切換の際の空燃比変動が防止される。
なお、本実施例では、エンジン負荷データLを本燃料
噴射量Tpとしているが、これに代え、例えば、燃料噴射
量Tiを負荷データとして用いるようにしてもよい。
また、燃料噴射系学習テーブルTFLRのパラメータを
基本燃料噴射量Tpに代え、燃料噴射量Tiとしてもよい。
さらに、本実施例では、吸入空気量計測系学習値テー
ブルTQLR、燃料噴射系学習値テーブルTFLRの各アドレ
スにストアされている学習値KQLR、KFLRのイニシャル
値を1.0としているが、必ずしもイニシャル値として1.0
と設定する必要はなく、例えば、両学習値KQLR、KFLR
のイニシャル値を0.0としても良く、この場合、前記
(2)式は Ti=Tp×(1+KBLRC1)×(1+KBLRC2)×COEF×α
+Ts …(2) となる。
また、本実施例ではスロットルバルブ状態検出手段と
してアイドルスイッチを用い、アイドルスイッチのON、
OFFによるスロットルバルブ全閉状態、スロットルバル
ブの開かれている状態を検出するようにしているが、こ
れに代え、スロットルポジションセンサ出力を用い、あ
るいは、スロットルポジションセンサとアイドルスイッ
チとの併用により検出するようにしても良い。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、吸入空気量計測
系の特性を学習する吸入空気量計測系学習領域と燃料噴
射系の特性を学習する燃料噴射系学習領域とを、スロッ
トルバルブ状態に応じ選択するようにしたので学習領域
のオーバラップがなくなり、同一学習領域において個々
に相反する学習を持つことがなくなって学習精度が高め
られるとともに、制御性が向上し、さらに、キャニスタ
パージとパージカットとの相互切換の際の空燃比変動が
防止され、走行性、排気エミッションの改善、および燃
費向上を図ることができるなど優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図は空燃比制御装
置のブロック図、第2図はエンジン制御系の概略図、第
3図はフィードバック制御判定マップの説明図、第4図
(a)は定常状態判定のマトリックスの説明図、第4図
(b)は吸入空気量計測系学習値テーブルの説明図、第
4図(c)は燃料噴射系学習値テーブルの説明図、第5
図はO2センサ出力と空燃比フィードバック補正係数との
説明図、第6図はキャニスタパージコントロールバルブ
の制御手順を示すフローチャート、第7図は空燃比制御
手順を示すフローチャート、第8図は学習値更新手順を
示すフローチャート、第9図は吸入空気量計測系および
燃料噴射系の劣化特性を示す説明図である。 8……吸入空気量計測系、10……スロットルバルブ状態
検出手段、11,13,25……燃料噴射系、23……排気セン
サ、30……制御装置、46……基本燃料噴射量設定手段、
50……学習指定手段、51……吸入空気量計測系学習手
段、52……燃料噴射系学習手段、53……燃料噴射量設定
手段、TQLR……吸入空気量計測系学習値テーブル、TF
LR……燃料噴射系学習値テーブル。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−87645(JP,A) 特開 昭64−19143(JP,A) 特開 昭61−229961(JP,A) 特開 平2−169837(JP,A) 特開 昭60−50250(JP,A) 特開 昭58−59329(JP,A) 特開 昭59−150941(JP,A) 特開 平1−267336(JP,A) 特開 平2−99738(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン回転数と吸入空気量とに基づき基
    本燃料噴射量を設定する基本燃料噴射量設定手段と、 排気センサの出力信号に基づき算出された空燃比と目標
    空燃比とのずれ量から、基本燃料噴射量あるいは燃料噴
    射量をパラメータとして構成される燃料噴射系学習値テ
    ーブルにて燃料噴射系の補正量を学習する燃料噴射系学
    習手段と、 排気センサの出力信号に基づき算出された空燃比と目標
    空燃比とのずれ量から、吸入空気量をパラメータとして
    構成される吸入空気量計測系学習値テーブルにて吸入空
    気量計測系の補正量を学習する吸入空気量計測系学習手
    段と、 スロットルバルブ全閉状態を検出するスロットルバルブ
    状態検出手段からの出力信号に応じ、スロットルバルブ
    全閉状態の場合には上記燃料噴射系学習手段の学習を指
    定し、スロットルバルブ全閉以外の場合には上記吸入空
    気量計測系学習手段の学習を指定する学習指定手段と、 上記基本燃料噴射量を、この基本燃料噴射量あるいは燃
    料噴射量に応じ上記燃料噴射系学習手段により設定され
    た燃料噴射系学習補正係数と吸入空気量に応じ上記吸入
    空気量計測系学習手段により設定された吸入空気量計測
    系学習補正係数とで補正して燃料噴射量を設定する燃料
    噴射量設定手段とを備えたことを特徴とするエンジンの
    空燃比制御装置。
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