JP2741492B2 - エンジンのオイル通路構造 - Google Patents

エンジンのオイル通路構造

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JP2741492B2 JP7274109A JP27410995A JP2741492B2 JP 2741492 B2 JP2741492 B2 JP 2741492B2 JP 7274109 A JP7274109 A JP 7274109A JP 27410995 A JP27410995 A JP 27410995A JP 2741492 B2 JP2741492 B2 JP 2741492B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1オイル通路
と、第1オイル通路の油圧とは異なる油圧のオイルが流
通する第2オイル通路とが、第1オイル通路の軸線と平
行な平面への両オイル通路の投影が相互に交差する配置
でエンジン本体に設けられるエンジンのオイル通路構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このようなオイル通路構造では、
特開平5−71315号公報で開示されるように、第1
および第2オイル通路が相互に離隔した位置でエンジン
本体に設けられるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ように、両オイル通路が相互に離隔した位置でエンジン
本体に設けられるのでは、それらのオイル通路を離隔せ
しめるスペースを確保するために、エンジン本体が大型
化する。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、両オイル通路の配設スペースを必要最小限と
してエンジン本体の小型化を可能としたエンジンのオイ
ル通路構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、第1オイル通路と、第1オ
イル通路の油圧とは異なる油圧のオイルが流通する第2
オイル通路とが、第1オイル通路の軸線と平行な平面へ
の両オイル通路の投影が相互に交差する配置でエンジン
本体に設けられるエンジンのオイル通路構造において、
第1オイル通路には、両端部外面に環状のシール部材が
それぞれ装着された円筒状の仕切り部材が嵌入され、前
記両シール部材で両端をシールされた環状の中間室が仕
切り部材の外面および第1オイル通路の内面間に形成さ
れ、第2オイル通路は、上流側通路部および下流側通路
部が前記中間室を介して相互に連通される配置でエンジ
ン本体に設けられる。
【0006】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、エンジン本体は、シリンダ
ボアをクランク軸の軸方向に相互にオフセットさせた
左、右バンクを有してV型に構成され、一方のバンク側
で前記クランク軸の軸線方向に沿うエンジン本体の一端
部には前記シリンダボアのオフセットに伴って厚肉部が
形成され、第1オイル通路はクランク軸と平行にして両
バンク間の略中央部でエンジン本体に設けられ、第2オ
イル通路は、中間室に通じる上流側通路部と、中間室に
通じるとともに一方のバンク側で前記厚肉部に設けられ
たブローバイガス通路あるいはオイル戻り通路を避けて
エンジン本体に設けられる第1下流側通路部と、中間室
に連通されるとともに他方のバンク側でエンジン本体に
設けられる第2下流側通路部とから成り、第1および第
2下流側通路部は、両バンクでのシリンダボアのオフセ
ット方向と同一方向にオフセットしてエンジン本体に配
設されることを特徴とすることを特徴とする。
【0007】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の発明の構成に加えて、エンジン本体は左、右バンクを
有したV型に構成され、第1オイル通路はクランク軸と
平行にして両バンク間の略中央部でエンジン本体に設け
られ、第2オイル通路は、中間室に通じる上流側通路部
と、中間室に通じて両バンクの一方側でエンジン本体に
設けられる第1下流側通路部と、中間室に連通されると
ともに両バンクの他方側でエンジン本体に設けられる第
2下流側通路部とから成り、第1および第2下流側通路
部は、クランク軸の軸方向に沿う略同一位置でエンジン
本体に配設されることを特徴とする。
【0008】さらに請求項4記載の発明は、上記請求項
2または3記載の発明の構成に加えて、第2オイル通路
における両下流側通路部の一方と、上流側通路部とは同
軸にして一直線状に形成されることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記請求項1記載の発明の構成によれば、第1
オイル通路に嵌入される仕切り部材の外面と第1オイル
通路の内面との間に形成される中間室を経由して、第2
オイル通路が第1オイル通路と交差するので、両オイル
通路の交差部で両オイル通路を離隔させることが不要と
なる。
【0010】また上記請求項2記載の発明の構成によれ
ば、両下流側通路部をクランク軸の軸方向にオフセット
してエンジン本体に配設することにより、オイル通路の
穿孔加工を容易とした上でエンジン本体の大型化および
ブローバイガス通路あるいはオイル戻り通路の充分な流
通面積確保が可能となる。すなわちV型であるエンジン
本体では両バンクのシリンダボアがクランク軸の軸方向
にオフセットして配置されるものであり、そのオフセッ
トでエンジン本体に生じた厚肉部にブローバイガス通路
あるいはオイル戻り通路が配設されているときに、クラ
ンク軸の軸方向に両下流側通路部を容易にオフセットし
得ることにより、シリンダブロックの大型化を回避する
とともにブローバイガス通路あるいはオイル戻り通路の
充分な流通面積の確保を可能とする位置に、両下流側通
路部を配置することができる。
【0011】上記請求項3記載の発明の構成によれば、
第2オイル通路の第1および第2下流側通路部がクラン
ク軸の軸方向に沿って略同一位置となるようにして両バ
ンクでエンジン本体に配設されることにより、両下流側
通路部の中間室への開口端を仕切り部材の軸方向に沿っ
て略同一位置として仕切り部材の短縮化を図ることがで
きる。
【0012】さらに上記請求項4記載の発明の構成によ
れば、第2オイル通路において両下流側通路部の一方と
上流側通路部とが同軸かつ一直線状であるので、両下流
側通路部の一方および上流側通路部の穿孔加工が容易と
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0014】図1ないし図14は本発明の第1実施例を
示すものであり、図1はV型エンジンの正面図、図2は
図1の2−2線拡大断面図、図3はカバーを外した状態
での図2の3−3に沿う断面図、図4はポンプボディの
正面図、図5はポンプボディの背面図、図6は油圧回路
図、図7は図3の7−7線断面図、図8は図3の8−8
線断面図、図9は図3の9−9線断面図、図10はシリ
ンダブロックのポンプボディとの結合面を示す側面図、
図11は図3の11−11線断面図、図12はシリンダ
ブロックの平面図、図13は図3の13−13線断面
図、図14は図3の14−14線断面図である。
【0015】先ず図1および図2において、エンジン本
体Eは、V型に形成されるシリンダブロック15の上部
に一対のシリンダヘッド161 ,162 を結合して構成
され、シリンダブロック15の下部にはオイルパン17
が、また両シリンダヘッド161 ,162 の上部にはヘ
ッドカバー181 ,182 がそれぞれ結合される。
【0016】シリンダブロック15は、クランクケース
部15aと、該クランクケース部15aからV字形をな
して上方に延びる一対のシリンダバレル部15b1 ,1
5b 2 とを有し、両シリンダバレル部15b1 ,15b
2 の上部にシリンダヘッド161 ,162 が結合され
る。また両シリンダバレル部15b1 ,15b2 には、
直列に並ぶ複数のシリンダボア19…がそれぞれ設けら
れており、これらのシリンダボア19…内にピストン2
0がそれぞれ摺動自在に嵌合される。またクランクケー
ス部15aには、各シリンダボア19…の配列方向に沿
って複数のジャーナル軸受21…が隔設されており、各
ジャーナル軸受21…の下面にそれぞれ固着される軸受
キャップ22…と、前記各ジャーナル軸受21…とによ
りクランク軸23が回転自在に支承され、該クランク軸
23のクランクピン23a…と、前記各ピストン20…
とはコンロッド24…を介して連結される。
【0017】クランク軸23の軸方向一端側で、シリン
ダブロック15における一側壁外面には、クランク軸2
3で駆動されるオイルポンプPが配設される。このオイ
ルポンプPは、シリンダブロック15の前記側壁外面に
取付けられるポンプケース25内に、クランク軸23に
固定される内側ロータ26と、該内側ロータ26に噛合
する外側ロータ27とが相互に偏心した位置で回転自在
に収納、配置されて成るトロコイドポンプである。
【0018】図3、図4および図5を併せて参照して、
シリンダブロック15の一側壁外面にはポンプボディ2
8が締結される。而してポンプケース25は、ポンプボ
ディ28の背面側に設けられたポンプケース部29と、
該ポンプケース部29に結合されるケース部材30とで
構成されるものであり、ケース部材30がポンプケース
部29の背面側すなわちシリンダブロック15側に取付
けられた状態で、ポンプボディ28がシリンダブロック
15に結合される。
【0019】ポンプケース25に設けられる吸込み口3
1には、オイルパン17内に配置されるオイルストレー
ナ32が吸込み管33を介して接続される。
【0020】エンジン本体Eにおける一側壁外面に近接
した位置には、クランク軸23と平行にして両シリンダ
ヘッド161 ,162 にそれぞれ回転自在に支承される
動弁カム軸351 ,352 を駆動するための巻掛伝動系
Tが配設されるものであり、この巻掛伝動系Tは、オイ
ルポンプPのポンプケース25から突出したクランク軸
23の端部に固定される第1駆動プーリ36と、動弁カ
ム軸351 ,352 の端部にそれぞれ固定される被動プ
ーリ371 ,372 と、第1駆動プーリ36および被動
プーリ371 ,372 に巻掛けられる無端状のタイミン
グベルト38とを備え、第1駆動プーリ36は、ポンプ
ケース25をシリンダブロック15の一側壁外面との間
に挟む位置でクランク軸23に固定されることになる。
【0021】巻掛伝動系Tにおいて、第1駆動プーリ3
6および被動プーリ371 間でのタイミングベルト38
の外周側にはアイドルプーリ39が係合され、このアイ
ドルプーリ39の係合によりタイミングベルト38は、
第1駆動プーリ36および被動プーリ371 間を仮に直
接結ぶようにしたときの仮想系路R(図1参照)よりも
内方側、すなわち第1駆動プーリ36および被動プーリ
371 へのタイミングベルト38の巻掛け量を増大させ
る方向にタイミングベルト38の走行経路が偏倚される
ことになる。而してポンプボディ28には、アイドルプ
ーリ39を回転自在に支承するためのボス40が設けら
れる。
【0022】両被動プーリ371 ,372 間でタイミン
グベルト38はウォータポンプ41に巻掛けられる。ま
た被動プーリ372 および第1駆動プーリ36間でタイ
ミングベルト38の外周には回転輪42が係合されてお
り、この回転輪42は、該回転輪42をタイミングベル
ト38に圧接する方向のばね力を発揮するテンションば
ね43とともにテンショナ44を構成する。
【0023】このような巻掛伝動系Tはカバー45で覆
われるものであり、ポンプボディ28には、カバー45
の下部周縁を係合させる隆起部46が、第1駆動プーリ
36およびアイドルプーリ39を囲むようにして設けら
れる。またカバー45の上部には、シリンダヘッド16
1 ,162 との間に配置されるリヤカバー47が結合さ
れる。
【0024】クランク軸23はカバー45からさらに突
出されるものであり、クランク軸23のカバー45から
の突出端部には、たとえば図示しないACジェネレータ
や空気調和装置用コンプレッサを駆動するための第2駆
動プーリ48と、たとえば図示しないパワーステアリン
グ用油圧ポンプを駆動するための第3駆動プーリ49と
を有する回転輪50が固着される。
【0025】図6において、このエンジンは、シリンダ
ブロック15における両シリンダバレル部15b1 ,1
5b2 のシリンダボア19…毎に一対ずつの吸気弁(図
示せず)を備えるものであり、一方のシリンダバレル部
15b1 側での各シリンダボア19…毎の両吸気弁はそ
れぞれ油圧アクチュエータA1 によって作動特性を変更
可能であり、また他方のシリンダバレル部15b2 側で
の各シリンダボア19…毎の両吸気弁はそれぞれ油圧ア
クチュエータA2 によって作動特性を変更可能である。
【0026】シリンダバレル部15b2 側において、両
吸気弁は、一対の駆動ロッカアーム51,52にそれぞ
れ連動、連結されており、両駆動ロッカアーム51,5
2と、それらの駆動ロッカアーム51,52間に挟まれ
る自由ロッカアーム53とは、固定のロッカ軸542
揺動可能に支承され、両駆動ロッカアーム51,52に
は、動弁カム軸352 に設けられた一対の低速カム6
1,61(図2参照)によって揺動駆動され、自由ロッ
カアーム53は動弁カム軸352 に設けられた高速カム
62(図2参照)によって揺動駆動される。
【0027】油圧アクチュエータA2 は、自由ロッカア
ーム53への嵌合を可能として一方の駆動ロッカアーム
51に摺動自在に嵌合されるとともに駆動ロッカアーム
51との間に油圧室59を形成する第1切換ピン55
と、第1切換ピン55の油圧室59とは反対側の端面に
一端面を当接させて自由ロッカアーム53に摺動自在に
嵌合されるとともに他方の駆動ロッカアーム52への嵌
合が可能な第2切換ピン56と、第2切換ピン56の他
端面に当接して他方の駆動ロッカアーム52に摺動自在
に嵌合される規制ピン57と、第2切換ピン56を介し
て第1切換ピン55に当接した状態にある規制ピン57
を油圧室59側に付勢するばね力を発揮して駆動ロッカ
アーム52および規制ピン57間に縮設される戻しばね
58とを備える。しかもロッカ軸542 には油圧室59
に常時通じる油路602 が設けられる。
【0028】かかる油圧アクチュエータA2 では、油圧
室59の油圧が高くなることにより、第1切換ピン55
が自由ロッカアーム53に嵌合するとともに第2切換ピ
ン56が他方の駆動ロッカアーム52に嵌合して、各ロ
ッカアーム51,52,53が連結される。このように
各ロッカアーム51〜53が連結されると、両駆動ロッ
カアーム51,52は、高速カム62で揺動駆動される
自由ロッカアーム53と一体的に揺動作動することにな
り、両吸気弁は高速カム62に応じたタイミングおよび
リフト量で開閉作動することになる。また油圧室59の
油圧が低くなると戻しばね58のばね力により第1切換
ピン55が第2切換ピン56との当接面を駆動ロッカア
ーム51および自由ロッカアーム53間に対応させる位
置まで戻り、第2切換ピン56が規制ピン57との当接
面を自由ロッカアーム53および駆動ロッカアーム52
間に対応させる位置まで戻るので各ロッカアーム51〜
53の連結状態が解除される。而してこの連結解除状態
では、両駆動ロッカアーム51,52が低速カム61,
61により揺動駆動されることになり、吸気弁は低速カ
ム61,61に応じたタイミングおよびリフト量で開閉
作動することになる。
【0029】シリンダバレル部15b1 側においても、
両吸気弁は、低速カム(図示せず)で揺動駆動される一
対の駆動ロッカアーム51,52にそれぞれ連動、連結
されており、両駆動ロッカアーム51,52と、それら
の駆動ロッカアーム51,52間に挟まれて高速カム
(図示せず)で揺動駆動される自由ロッカアーム53と
が固定のロッカ軸541 に揺動可能に支承される。而し
て、それらのロッカアーム51〜53に設けられる油圧
アクチュエータA1 は、上記油圧アクチュエータA2
同様に構成され、ロッカ軸541 には油路601 が設け
られる。
【0030】オイルポンプPの吐出口63は、フィルタ
・クーラユニット64を介してメインギャラリー65に
接続されるとともに、フィルタ・クーラユニット64お
よび油圧制御弁Vを介して、両ロッカ軸541 ,542
の油路601 ,602 に接続される。またオイルポンプ
Pの吸込み口31および吐出口63間にはリリーフ弁6
6が設けられる。
【0031】図7において、リリーフ弁66は、ポンプ
ボディ28のポンプケース部29に配設されるものであ
り、吐出口63に通じる小径孔68に段差を介して同軸
に連なるとともに外端がキャップ70で閉塞された大径
孔69に摺動可能に嵌合される有底円筒状の弁体71
と、吸込み口31に通じて大径孔69に開口される連通
孔72を閉鎖する方向のばね力を発揮して弁体71およ
びキャップ70間に縮設される弁ばね73とを備える。
而して弁体71の閉塞端に作用する吐出口63の油圧に
よる開弁方向の力が、弁ばね73による閉弁方向の力を
上回ると、吸込み口31に連なる連通孔72を小径孔6
8に連通させる位置まで弁体71が移動して、吐出口6
3から吸込み口31にオイルの一部が戻されることにな
る。
【0032】オイルポンプPに隣接する位置でポンプボ
ディ28の外面側には、円形の取付座74が設けられて
おり、該取付座74にフィルタ・クーラユニット64が
取付けられる。
【0033】ポンプボディ28には、図8で示すよう
に、オイルポンプPの吐出口63に内端を通じさせると
ともに外端をキャップ76で閉じた油路75が取付座7
4に対応する部分で一直線状に延びて設けられる。また
取付座74内に開口する入口孔78がポンプボディ28
に設けられ、シリンダブロック15に設けられている連
通路77の一端が、ポンプボディ28がシリンダブロッ
ク15に結合された状態にあってはキャップ76の近傍
で油路75に連通され、該連通路77の他端は前記入口
孔78に連通される。
【0034】またポンプボディ28には、図9で示すよ
うに、一端がキャップ80で閉じられる油路79が取付
座74に対応する部分で前記油路75とほぼ平行に設け
られており、該油路79に、取付座74内に開口してポ
ンプボディ28に設けられる出口孔81が連通される。
【0035】すなわちオイルポンプPから吐出されるオ
イルは、油路75から連通路77および入口孔78を経
てフィルタ・クーラユニット64内に導入され、該フィ
ルタ・クーラユニット64内で清浄化されつつ冷却され
たオイルは出口孔81から油路79に導出されることに
なる。
【0036】油路79の他端は、ポンプボディ28のシ
リンダブロック15側の面に設けられた凹部82に連通
されており、該凹部82は、ポンプボディ28がシリン
ダブロック15に結合されたときに、図10で示すよう
にシリンダブロック15に設けられているメインギャラ
リー65に連通される。すなわち油路79はメインギャ
ラリー65に連通される。
【0037】ところで、図1および図3で示すように、
巻掛伝動系Tにおける第1駆動プーリ36および被動プ
ーリ371 間でタイミングベルト38にアイドルプーリ
39が係合されることにより、アイドルプーリ39の外
側方にはデットスペースDが生じるものであり、巻掛伝
動系Tを覆うカバー45すなわち隆起部46よりも外方
側で前記デッドスペースDに位置するようにして油圧制
御弁Vがポンプボディ28に配設される。
【0038】ポンプボディ28には、内端を油路79に
通じさせるとともに外端をキャップ85で閉じた入口油
路83と、外端をキャップ86で閉じた出口油路84と
がほぼ平行に設けられ、前記凹部82に隣接する位置で
ポンプボディ28のシリンダブロック15の側の面に設
けられた円形凹部87に出口油路84の内端が連通され
る。しかも該円形凹部87は、ポンプボディ28がシリ
ンダブロック15に結合されたときに、図10で示すよ
うにシリンダブロック15に設けられている油路88に
連通されるものであり、該油路88は、ポンプボディ2
8側に開口した有底穴状にしてクランク軸23と平行な
軸線を有するようにシリンダブロック15に形成され
る。
【0039】ポンプボディ28の外面側には、入口油路
83および出口油路84の長手方向とほぼ直交する方向
に長く延びる弁取付座91が設けられており、入口油路
83に通じる入口側開口部92と、出口油路84に通じ
る出口側開口部93と、排出側開口部94とが弁取付座
91に開口される。而して排出側開口部94は、ポンプ
ボディ28のシリンダブロック15への結合時に該シリ
ンダブロック15に設けられた排出路89に連通され、
該排出路89は、シリンダブロック15内を下方に延び
るとともに下端がオイルパン17に開口される。
【0040】図6に特に注目して、油圧制御弁Vは、前
記入口側開口部92に通じる入口ポート96、前記出口
側開口部93に通じる出口ポート97、ならびに前記排
出側開口部94に通じる解放ポート98を有して弁取付
座91に結合されるハウジング95内に、油路601
602 に低油圧のオイルを供給せしめる低油圧位置(上
方位置)と、油路601 ,602 に高油圧のオイルを供
給する高油圧位置(下方位置)との間で移動可能にして
スプール弁体99が摺動自在に嵌合されて成る。
【0041】ハウジング95には、上端をキャップ10
0で閉塞されるシリンダ孔101が穿設されており、ス
プール弁体99は、キヤップ100との間にパイロット
室102を形成して該シリンダ孔101に摺動自在に嵌
合される。しかもハウジング95の下部とスプール弁体
99との間に形成されたばね室103には、スプール弁
体99を上方に向けて付勢するばね104が収納され
る。而してスプール弁体99は、ばね104により上方
すなわち低油圧位置側に付勢されるとともに、パイロッ
ト室102に高油圧が作用したときにはパイロット室1
02の油圧力により高油圧位置側へと移動せしめられ
る。またスプール弁体99には、入口ポート96および
出口ポート97間を連通可能な環状凹部105が設けら
れており、図6で示すようにスプール弁体99が上動し
ているときには、スプール弁体99は入口ポート96お
よび出口ポート97間を遮断する状態にある。
【0042】ハウジング95がポンプボディ28に結合
された状態で、入口ポート96と入口側開口部92との
間にはオイルフィルタ106が挟持される。またハウジ
ング95には、入口ポート96および出口ポート97間
を連通する絞り孔107が穿設される。したがってスプ
ール弁体99が低圧位置に在る状態でも、入口ポート9
6および出口ポート97間は絞り孔107を介して連通
されており、絞り孔107で絞られた油圧が出口ポート
97から出力される。
【0043】またハウジング95には、スプール弁体9
9が低油圧位置にあるときのみ環状凹部105を介して
出口ポート97に通じるバイパスポート108が穿設さ
れ、このバイパスポート108は解放ポート98に連通
する。さらにハウジング95にはパイロット室102を
解放ポート98に連通させるリークジェット109が設
けられる。
【0044】キャップ100にはパイロット室102に
通じる接続孔110が穿設されており、入口ポート96
に通じてハウジング95に設けられた油路112と、前
記接続孔110との間に介在するようにしてソレノイド
弁111がハウジング95に取付けられる。
【0045】したがってソレノイド弁111を励磁して
開弁することによりパイロット室102に油圧を作用せ
しめてスプール弁体99を高油圧位置に作動させること
ができ、ソレノイド弁111を消磁して閉弁することに
より、パイロット室102の油圧を低下させてスプール
弁体99を低油圧位置に作動させることができる。
【0046】図11および図12を併せて参照して、ポ
ンプボディ28のシリンダブロック15側の面には、シ
リンダブロック15の側壁外面に設けられた凹部113
と協働して下部ブローバイガス通路115を形成する凹
部114が設けられており、この下部ブローバイガス通
路115の下端は、シリンダブロック15内に形成され
るクランク室内に開口される。
【0047】ところで、シリンダブロック15におい
て、一方のシリンダバレル部15b1に設けられるシリ
ンダボア19…と、他方のシリンダバレル部15b2
設けられるシリンダボア19…とは、図12で示すよう
に、オフセット量d1 だけずれて配置されるものであ
り、一方のシリンダバレル部15b1 においてクランク
軸23の軸方向に沿う一端部、すなわちポンプボディ2
8が結合される側壁側の端部には、オフセット量d1
けシリンダボア19…がずれて配置されることにより厚
肉部117が生じるものであり、その厚肉部117に上
部ブローバイガス通路116が上下に延びて設けられ、
この上部ブローバイガス通路116の下端は下部ブロー
バイガス通路115の上端に連通される。
【0048】しかもポンプボディ28において、入口油
路83および出口油路84を形成する部分は、下部ブロ
ーバイガス通路115の上部に突出した突出部28aと
して形成されている。
【0049】而してブローバイガスは、下部ブローバイ
ガス通路115を経て上部ブローバイガス通路116へ
と上昇するが、その途中で前記突出部28aにブローバ
イガスが衝突することによりブローバイガスが同伴した
オイルの分離が促進され、またシリンダブロック15の
厚肉部117を有効利用して全体をコンパクトにするこ
とができる。
【0050】油圧制御弁Vの出口ポート97に連なって
ポンプボディ28に設けられた出口油路84は、シリン
ダブロック15に設けられた油路88に連通されるが、
この油路88に連なってシリンダブロック15に設けら
れる制御油圧路120が両シリンダヘッド161 ,16
2 のロッカ軸541 ,542 内に設けられた油路6
1 ,602 に連通される。
【0051】ところで、第1オイル通路としてのメイン
ギャラリ65が、エンジン本体Eにおける左、右両バン
ク間の中央部でクランク軸23と平行にしてシリンダブ
ロック15に設けられるのに対し、第2オイル通路とし
ての制御油圧路120が、メインギャラリ65よりも下
方位置に在る油路88とシリンダブロック15における
上部の両シリンダバレル部15b1 ,15b2 にそれぞ
れ配設されるロッカ軸541 ,542 内の油路601
602 とを結ぶようにしてシリンダブロック15に設け
られるものであることから、メインギャラリ65の軸線
と平行な平面へのメインギャラリ65および制御油圧路
120の投影は相互に交差する配置となる。しかるにメ
インギャラリ65内を流通するオイルの油圧と、制御油
圧路120内を流通するオイルの油圧とは相互に異なる
ものであり、メインギャラリ65および制御油圧路12
0は、相互に隔絶して形成されることが必要であり、上
記投影の交差部を離隔させてメインギャラリ65および
制御油圧路120を配置すると、その分だけ大きなスペ
ースをシリンダブロック15に設定する必要があり、シ
リンダブロック15の大型化につながる。
【0052】そこで本発明に従えば、シリンダブロック
15に大きなスペースを確保することを不要した構造で
制御油圧路120が構成される。
【0053】図13および図14を併せて参照して、オ
イルギャラリ65のポンプボディ28側の開口端部に
は、外方に臨む段部65aを介して大径孔部65bが設
けられ、該大径孔部65bに、段部65aおよびポンプ
ボディ28間で挟持されるようにして円筒状の仕切り部
材121が嵌入される。この仕切り部材121の軸方向
中間部における外周面には環状凹部122が設けられて
おり、仕切り部材121の両端部外面には環状のシール
部材123,123がそれぞれ装着される。而して仕切
り部材121がメインギャラリ65の大径孔部65bに
嵌入された状態では、前記両シール部材123,123
で両端をシールされた環状の中間室120bが、仕切り
部材121の外面と、メインギャラリ65における大径
孔部65bの内面との間に形成されることになり、この
中間室120bは、仕切り部材121によりメインギャ
ラリ65とは隔絶されることになる。
【0054】而して制御油圧路120は、油路88の内
端部および中間室120b間を結ぶ上流側通路部120
aと、中間室120bと、シリンダバレル部15b1
上面および中間室120b間を結ぶ第1下流側通路部1
20c1 と、シリンダバレル部15b2 の上面および中
間室120b間を結ぶ第2下流側通路120c2 とで構
成され、上流側通路部120aと第2下流側通路部12
0c2 とは同軸上且つ一直線状に配置される。
【0055】ところで、V型であるエンジン本体Eでは
両バンクのシリンダボア19…が、図12で示したよう
に、オフセット量d1 だけずれて配置されるものであ
り、一般的に上部ブローバイガス通路116あるいはオ
イル戻り通路はそのオフセットで生じる厚肉部117に
配設されている。而して、制御油圧路120の第1およ
び第2下流側通路部120c1 ,120c2 の配設位置
をクランク軸23の軸線方向に沿って一致させようとす
ると、上部ブローバイガス通路116あるいはオイル戻
り通路の流通面積を充分確保した上で第1下流側通路部
120c1 と上部ブローバイガス通路116あるいはオ
イル戻り通路との干渉を回避するためにはシリンダブロ
ック15を大型化しなければならず、またシリンダブロ
ック15の大型化を避けて第1下流側通路部120c1
と上部ブローバイガス通路116あるいはオイル戻り通
路との干渉を回避するためには上部ブローバイガス通路
116あるいはオイル戻り通路の流通面積を充分に確保
できなくなるおそれがある。そのような問題が生じるこ
とを回避するためには、図12で示すように、第1下流
側通路部120c1 および第2下流側通路120c2
シリンダバレル部15b1 ,15b2 への開口位置をク
ランク軸23の軸線方向に沿ってシリンダボア19…の
オフセット方向に同一方向にオフセット量d2 だけオフ
セットさせて配置すればよいが、第1および第2下流側
通路部120c1 ,120c2 が上流側通路部120a
から直接分岐した構造では、第1および第2下流側通路
部120c1 ,120c2 の少なくとも一方の中間部を
屈曲させる必要があり、そのような屈曲構造を得るため
にはシリンダブロック15への穿孔加工が煩雑となる。
しかるに第1および第2下流側通路部120c1 ,12
0c2 は、クランク軸23の軸線方向に沿う中間室12
0bを介して上流側通路部120aに連通するものであ
り、第1および第2下流側通路部120c1 ,120c
2 の中間室120bへの開口位置をクランク軸23の軸
線方向に沿ってオフセット量d2 だけオフセットさせれ
ばよいので、シリンダブロック15に煩雑な穿孔加工を
施すことが不要となる。
【0056】尚、図12において参照符号124…で示
す孔は、シリンダヘッド161 ,162 をシリンダブロ
ック15に取付けるためのヘッドボルト孔である。
【0057】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、シリンダブロック15に設けられたメインギャラ
リ65に、両端部外面に環状のシール部材123,12
3が装着された円筒状の仕切り部材121が嵌入される
ことにより、仕切り部材121の外面およびメインギャ
ラリ65の内面間に環状の中間室120bが形成され
る。而して制御油圧路120は、上流側通路部120a
と、第1および第2下流側通路部120c1 ,120c
2 が前記中間室120bを介して相互に連通される配置
でシリンダブロック15に設けられるものであり、制御
油圧路120は、メインギャラリ65の周囲に形成され
て該メインギャラリ65とは隔絶された中間室120b
を交差部としてメインギャラリ65と交差することにな
り、メインギャラリ65および制御油圧路120の交差
部を相互に離隔させる必要がなく、その離隔に要するス
ペースが不要となるのでシリンダブロック15すなわち
エンジン本体Eの小型化に寄与することができる。
【0058】またV型であるエンジン本体Eにおいて制
御油圧路120が両バンクに分岐して配置されるにあた
って、両シリンダバレル部15b1 ,15b2 に配置さ
れる第1および第2下流側通路部120c1 ,120c
2 の中間室120bへの連通位置をクランク軸23の軸
方向にずらせることにより、シリンダブロック15に施
す穿孔加工を容易とした上で、シリンダブロック15の
大型化、ならびに上部ブローバイガス通路116あるい
はオイル戻り通路の充分な流通面積確保が可能となる。
【0059】しかも制御油圧路120において、上流側
通路部120aと、第2下流側通路部120c2 とが、
同軸かつ一直線状にしてエンジン本体Eに配設されるこ
とにより、上流側通路部120aおよび第2下流側通路
部120c2 の穿孔加工を極めて容易に行なうことがで
きる。
【0060】図15は本発明の第2実施例を示すもので
あり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符
号を付す。
【0061】V型であるエンジン本体Eでは両バンクの
シリンダボア19…がオフセット量d1 だけずれて配置
されることに伴って、一方のバンクにおいてシリンダブ
ロック15には厚肉部117が生じるが、その厚肉部1
17に上部ブローバイガス通路116(図12参照)や
オイル戻り通路が配設されない場合には、制御油圧路1
20の第1および第2下流側通路部120c1 ,120
2 が、クランク軸23の軸方向に沿う略同一位置でエ
ンジン本体Eのシリンダバレル部15b1 ,15b2
配設されるようにする。
【0062】この第2実施例によれば、両下流側通路部
120c1 ,120c2 の中間室120bへの開口端を
仕切り部材121の軸方向に沿って略同一位置とするこ
とができ、それにより仕切り部材121の軸方向長さを
短縮化することが可能であり、そうすればエンジン本体
Eの小型化に寄与することができる。
【0063】図16ないし図18は本発明の第3実施例
を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同
一の参照符号の説明を付す。
【0064】上記実施例では、油圧制御弁Vにおいて入
口ポート96および出口ポート97間を結ぶ絞り孔10
7がハウジング95に設けられていたが、この第3実施
例では、図16で示すように油圧制御弁Vには絞り孔が
設けられず、それに代えて制御油圧路120の中間室1
20bに、メインギャラリ65が油圧制御弁Vを経由す
ることなく絞り孔130およびフィルタ131を介して
連通される。
【0065】図17および図18において、ポンプボデ
ィ28側でメインギャラリ65の開口端部に設けられた
大径孔部65bには、段部65aおよびポンプボディ2
8間で挟持されるようにして円筒状の仕切り部材12
1′が嵌入され、仕切り部材121′の外面と大径孔部
65bの内面との間には、両端をシール部材123,1
23でシールされた環状の中間室120bが形成され
る。しかも仕切り部材121′には絞り孔130が穿設
され、該絞り孔130の外端を覆うフィルタ131がろ
う付け等により仕切り部材121′の外周に固着され
る。したがってメインギャラリ65が絞り孔130およ
びフィルタ131を介して制御油圧路120の中間室1
20bに連通されることになる。
【0066】この第3実施例によれば、油圧制御弁Vの
スプール弁体99が低油圧位置にあるときには入口ポー
ト96および出口ポート97間は遮断されており、オイ
ルポンプPから吐出されてフィルタ・クーラユニット6
4を経由したオイルは、油圧制御弁Vを経由することな
くメインギャラリ65から絞り孔130およびフィルタ
131を経て制御油圧路120の中間室120bに導か
れる。したがって絞り孔130で減圧されるとともにフ
ィルタ131で清浄化されたオイルが中間室120bか
ら第1および第2下流側通路部120c1 ,120c2
を経て油圧アクチュエータA1 ,A2 に導かれることに
なる。すなわち油圧制御弁Vのスプール弁体99が低油
圧位置にあるときには、フィルタ・クーラユニット64
からのオイルが油圧制御弁Vの入口および出口ポート9
6,97、出口油路84、油路88および制御油圧路1
20の上流側通路部120aを通過することはなく、そ
の分だけ流通経路が短縮されることによる圧力損失の低
減を図ることができる。
【0067】また油圧制御弁Vのスプール弁体99が高
油圧位置に移動したときには、フィルタ・クーラユニッ
ト64からのオイルは、入口油路83、入口ポート9
6、出口ポート97、出口油路84、油路88および制
御油圧路120の上流側通路部120aを経由して減圧
されることなく中間室120bに導かれる。この際、仕
切り部材121′の絞り孔130およびフィルタ131
を介してメインギャラリ65内が中間室120bに連通
しているので、メインギャラリ65から減圧されたオイ
ルが中間室120bに流入してくる。これにより中間室
120bの油圧は、油圧制御弁Vのスプール弁体99が
低油圧位置に在るときよりも高圧となり、油圧アクチュ
エータA1 ,A2 が連結作動し、吸気弁が高速運転に応
じた作動特性で開閉作動することになる。
【0068】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0069】たとえば、本発明はV型エンジンに限るも
のではなく、またメインギャラリ65および制御油圧路
120の組合せだけでなく、第1オイル通路と、第1オ
イル通路の油圧とは異なる油圧のオイルが流通する第2
オイル通路とが、第1オイル通路の軸線と平行な平面へ
の両オイル通路の投影が相互に交差する配置でエンジン
本体Eに設けられるエンジンのオイル通路構造として広
く適用可能である。
【0070】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、第1オイル通路には、両端部外面に環状のシール部
材がそれぞれ装着された円筒状の仕切り部材が嵌入さ
れ、前記両シール部材で両端をシールされた環状の中間
室が仕切り部材の外面および第1オイル通路の内面間に
形成され、第2オイル通路は、上流側通路部および下流
側通路部が前記中間室を介して相互に連通される配置で
エンジン本体に設けられるので、仕切り部材の外面と第
1オイル通路の内面との間に形成される中間室を経由し
て、第2オイル通路を第1オイル通路と交差せしめるこ
とにより、両オイル通路をその交差部で離隔させること
を不要としてエンジン本体の小型化に寄与することがで
きる。
【0071】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、エンジン本体は、シ
リンダボアをクランク軸の軸方向に相互にオフセットさ
せた左、右バンクを有してV型に構成され、一方のバン
ク側で前記クランク軸の軸線方向に沿うエンジン本体の
一端部には前記シリンダボアのオフセットに伴って厚肉
部が形成され、第1オイル通路はクランク軸と平行にし
て両バンク間の略中央部でエンジン本体に設けられ、第
2オイル通路は、中間室に通じる上流側通路部と、中間
室に通じるとともに一方のバンク側で前記厚肉部に設け
られたブローバイガス通路あるいはオイル戻り通路を避
けてエンジン本体に設けられる第1下流側通路部と、中
間室に連通されるとともに他方のバンク側でエンジン本
体に設けられる第2下流側通路部とから成り、第1およ
び第2下流側通路部は、両バンクでのシリンダボアのオ
フセット方向と同一方向にオフセットしてエンジン本体
に配設されるので、クランク軸の軸線に沿って両下流側
通路部の位置を容易にずらせ得るようにしてオイル通路
の穿孔加工を容易とし、エンジン本体の大型化を回避す
るとともに、厚肉部に設けられたブローバイガス通路あ
るいはオイル戻り通路の流通面積を充分に確保すること
ができる。
【0072】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明の構成に加えて、エンジン本体は左、右バ
ンクを有したV型に構成され、第1オイル通路はクラン
ク軸と平行にして両バンク間の略中央部でエンジン本体
に設けられ、第2オイル通路は、中間室に通じる上流側
通路部と、中間室に通じて両バンクの一方側でエンジン
本体に設けられる第1下流側通路部と、中間室に連通さ
れるとともに両バンクの他方側でエンジン本体に設けら
れる第2下流側通路部とから成り、第1および第2下流
側通路部は、クランク軸の軸方向に沿う略同一位置でエ
ンジン本体に配設されるので、仕切り部材の軸方向短縮
化を可能とし、それによりエンジン本体の小型化をより
一層効果的に達成することができる。
【0073】さらに請求項4記載の発明によれば、上記
請求項2または3記載の発明の構成に加えて、第2オイ
ル通路における両下流側通路部の一方と、上流側通路部
とは同軸にして一直線状に形成されるので、オイル通路
の穿孔加工がより一層容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のV型エンジンの正面図である。
【図2】図1の2−2線拡大断面図である。
【図3】カバーを外した状態での図2の3−3に沿う断
面図である。
【図4】ポンプボディの正面図である。
【図5】ポンプボディの背面図である。
【図6】油圧回路図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】図3の8−8線断面図である。
【図9】図3の9−9線断面図である。
【図10】シリンダブロックのポンプボディとの結合面
を示す側面図である。
【図11】図3の11−11線断面図である。
【図12】シリンダブロックの平面図である。
【図13】図3の13−13線断面図である。
【図14】図3の14−14線断面図である。
【図15】第2実施例の図12に対応した平面図であ
る。
【図16】第3実施例の図6に対応した油圧回路図であ
る。
【図17】第3実施例の図14に対応した断面図であ
る。
【図18】図17の18−18線拡大断面図である。
【符号の説明】
19・・・シリンダボア 23・・・クランク軸 65・・・第1オイル通路としてのメインギャラリ 116・・・ブローバイガス通路 117・・・厚肉部 120・・・第2オイル通路としての制御油圧路 120a・・・上流側通路部 120b・・・中間室 120c1 ・・・第1下流側通路部 120c2 ・・・第2下流側通路部 121,121′・・・仕切り部材 123・・・シール部材 E・・・エンジン本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 義仁 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 高橋 誠幸 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1オイル通路(65)と、第1オイル
    通路(65)の油圧とは異なる油圧のオイルが流通する
    第2オイル通路(120)とが、第1オイル通路(6
    5)の軸線と平行な平面への両オイル通路(65,12
    0)の投影が相互に交差する配置でエンジン本体(E)
    に設けられるエンジンのオイル通路構造において、第1
    オイル通路(65)には、両端部外面に環状のシール部
    材(123)がそれぞれ装着された円筒状の仕切り部材
    (121,121′)が嵌入され、前記両シール部材
    (123)で両端をシールされた環状の中間室(120
    b)が仕切り部材(121,121′)の外面および第
    1オイル通路(65)の内面間に形成され、第2オイル
    通路(120)は、上流側通路部(120a)および下
    流側通路部(120c1 ,120c2 )が前記中間室
    (120b)を介して相互に連通される配置でエンジン
    本体(E)に設けられることを特徴とするエンジンのオ
    イル通路構造。
  2. 【請求項2】 エンジン本体(E)は、シリンダボア
    (19)をクランク軸(23)の軸方向に相互にオフセ
    ットさせた左、右バンクを有してV型に構成され、一方
    のバンク側で前記クランク軸(23)の軸線方向に沿う
    エンジン本体(E)の一端部には前記シリンダボア(1
    9)のオフセットに伴って厚肉部(117)が形成さ
    れ、第1オイル通路(65)はクランク軸(23)と平
    行にして両バンク間の略中央部でエンジン本体(E)に
    設けられ、第2オイル通路(120)は、中間室(12
    0b)に通じる上流側通路部(120a)と、中間室
    (120b)に通じるとともに一方のバンク側で前記厚
    肉部(117)に設けられたブローバイガス通路(11
    6)あるいはオイル戻り通路を避けてエンジン本体
    (E)に設けられる第1下流側通路部(120c1
    と、中間室(120b)に連通されるとともに他方のバ
    ンク側でエンジン本体(E)に設けられる第2下流側通
    路部(120c2 )とから成り、第1および第2下流側
    通路部(120c1 ,120c2 )は、両バンクでのシ
    リンダボア(19)のオフセット方向と同一方向にオフ
    セットしてエンジン本体(E)に配設されることを特徴
    とする請求項1記載のエンジンのオイル通路構造。
  3. 【請求項3】 エンジン本体(E)は左、右バンクを有
    したV型に構成され、第1オイル通路(65)はクラン
    ク軸(23)と平行にして両バンク間の略中央部でエン
    ジン本体(E)に設けられ、第2オイル通路(120)
    は、中間室(120b)に通じる上流側通路部(120
    a)と、中間室(120b)に通じて両バンクの一方側
    でエンジン本体(E)に設けられる第1下流側通路部
    (120c1 )と、中間室(120b)に連通されると
    ともに両バンクの他方側でエンジン本体(E)に設けら
    れる第2下流側通路部(120c2 )とから成り、第1
    および第2下流側通路部(120c1 ,120c2
    は、クランク軸(23)の軸方向に沿う略同一位置でエ
    ンジン本体(E)に配設されることを特徴とする請求項
    1記載のエンジンのオイル通路構造。
  4. 【請求項4】 第2オイル通路(120)における両下
    流側通路部(120c1 ,120c2 )の一方(120
    2 )と、上流側通路部(120a)とは同軸にして一
    直線状に形成されることを特徴とする請求項2または3
    記載のエンジンのオイル通路構造。
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