JP2740826B2 - 窒素ガス固定化用溶液及びそれを用いる窒素ガスの固定化方法 - Google Patents
窒素ガス固定化用溶液及びそれを用いる窒素ガスの固定化方法Info
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Description
溶液及びそれを用いる窒素ガスの固定化方法に関するも
のである。
ルテニウム(III)錯体は水溶液中で三塩化チタンと反
応させることで水中の溶存窒素ガスを吸収できることが
すでに示されている(T.Takahashi,K.H
iratani,K.Kasuga,E.Kimur
a,Chem.Lett.,1993,1761)。ま
た、前記錯体のアミン配位子の窒素原子に炭化水素基を
導入したルテニウム(III)錯体が、同様に窒素ガス吸
収能力を持つことも確認されている(特願平7−262
147:窒素固定化能をもつルテニウム3級テトラアミ
ン錯体)。さらに前記錯体のアミン配位子の炭素原子に
炭化水素基を導入したルテニウム(III)錯体について
も、同様に窒素ガス吸収能力を示すことも確認されてい
る。上述したように、N−置換−第3級テトラアミンを
配位子とするルテニウム(III)錯体は、そのルテニウ
ム金属(III)を2価のルテニウム金属(II)に還元す
ることにより、水溶液中で窒素ガスを吸収する能力をも
つが、その吸収速度は遅く、ガス分離や検出に応用して
工業化するには十分な速度とは言えなかった。
収速度の高められた窒素ガス固定化用溶液及びそれを用
いる窒素ガスの固定化方法を提供することをその課題と
する。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、N−置換第3級ポリ
テトラアミンを配位子とするルテニウム(III)錯体を
水と有機溶媒との混合液に溶解させた溶液からなる窒素
ガス固定化用溶液が提供される。また、本発明によれ
ば、前記窒素ガス固定化用溶液に、3価のルテニウム
(III)金属を2価のルテニウム(II)金属に還元する
還元剤を添加して、該3価のルテニウム金属(III)を
2価のルテニウム金属(II)に還元するとともに、該溶
液に窒素ガスを接触させ、該窒素ガスをルテニウム(I
I)錯体に固定化させることを特徴とする窒素ガスの固
定化方法が提供される。
としては、第3級アミノ基を4個有するN−置換第3級
テトラアミン、好ましくは、2,5,9,12−テトラ
炭化水素置換−2,5,9,12−テトラアザトリデカ
ンが好ましく用いられる。このようなN−置換第3級テ
トラアミンの例としては、例えば、以下のようなものが
挙げられる。
ール基、アルアルキル基等が包含される。アルキル基と
しては炭素数1〜12、好ましくは2〜4のアルキル基
や、シクロヘキシル基等が挙げられる。アリール基とし
ては、フェニル基やトリル基、ナフチル基等が挙げられ
る。アルアルキル基としては、ベンジル基やフェネチル
基等が挙げられる。
は、以下のようにして製造される。先ず、下記一般式
(5)
トラアザトリデカンを合成する。このものは、N,N−
ジメチルグリシンエステルと1,3−プロパンジアミン
とから以下の2段階の行程により製造される。 (1)行程1 この行程はN,N−ジメチルグリシンエステルと1,3
−プロパンジアミンとの反応によって式(I)の2,1
2−ジメチル−4,10−ジオキソ−2,5,9,12
−テトラアザトリデカンを得るものである。この行程に
おける反応を式で示すと以下の通りである。
プロパノール等、アルコール系溶媒中において、好まし
く行われる。またこの反応は50℃から150℃におい
て好ましくは行われる。
−ジメチル−4,10−ジオキソ−2,5,9,12−
テトラアザトリデカンと還元剤、好ましくは水素化リチ
ウムアルミニウムとの反応によって、式(5)の2,1
2−ジメチル−2,5,9,12−テトラアザトリデカ
ンを得るものである。この行程における反応を式で示す
と以下の通りである。
1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒中において行わ
れる。またこの反応は20℃から120℃において好ま
しく行われる。
表される2,9−ジ炭化水素−2,12−ジメチル−
2,5,9,12−テトラアザトリデカンを用い、以下
の2段階の行程によって、前記一般式(3)で表わされ
る化合物を合成する。 (1)行程1 この行程においては、下記式(5)
ボン塩化物もしくは(RCO)2Oで表されるカルボン
酸無水物との反応によって下記一般式(8)
炭化水素カルボニル−2,5,9,12−テトラアザト
リデカンが合成される。この行程における反応を式で示
すと以下のとおりである。
で行われる。また前記反応においては溶媒中に塩基を共
存させておくことが好ましい。この場合、塩基としては
トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが用いられる。
ましくは水素化リチウムアルミニウムと反応させること
によって、下記一般式(3)
−ジメチル−5,9−ジ炭化水素−2,5,9,12−
テトラアザトリデカンが合成される。この場合の反応は
次式で示される。
5モルの水素化リチウムアルミニウムを用いて行う。反
応温度は20℃から120℃である。溶媒はジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
系溶媒が好ましく用いられる。
トラアミンは、以下のようにして製造される。先ず、下
記式(11)
で表されるテトラアミンジアミド化合物を合成する。こ
のものは、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン
とマロン酸誘導体、好ましくは酸塩化物とを反応させる
ことにより合成される。この反応を、式で示すと以下の
ようになる。
酸基、アルコキシ基またはハロゲンを示す)
(11)のテトラアミンジアミド化合物を還元剤、好ま
しくは水素化ホウ素化合物、水素化リチウムアルミニウ
ム、アルキルアルミニウム水素化物等によって、エーテ
ル系溶媒中で還元する。この反応を、式で示すと以下の
ようになる。
3級テトラアミンを配位子とするルテニウム(III)錯
体は、一般式(3)のテトラアミンに、カリウムペンタ
クロロアコルテニウム(III)〔K2RuCl5(O
H2)〕を反応させることにより得ることができる。こ
のようにして得られるルテニウム(III)錯体は、次の
式で表わされるtrans−ジクロロルテニウム(II
I)錯体である。
を有する) この場合の反応を式で示すと以下のようになる。
媒としてはエタノール、メタノール、エチレングリコー
ル、2−メトキシエタノールなどが用いられる。反応後
の溶液を濃縮後、2−プロパノールに溶解する成分のみ
をLH−20カラムクロマトグラフィーを用いて溶離
し、黄色いフラクションを分取し、濃縮後濃塩酸から再
結晶によってこの錯体を黄色の針状結晶として単離する
ことができる。
化水素−2,12−ジメチル−2,5,9,12−テト
ラアザトリデカンは、その分子中に含まれる4個の第3
級アミノ基によって三価ルテニウムイオンとの安定な錯
体を形成し、置換基の立体障害のためにtrans−ジ
クロロ錯体が選択的に得られる。
I)N−置換第3級テトラアミン錯体は、水溶液中で三
塩化チタンと反応させると、3価のRu(III)は瞬時
に還元を受けてRu(II)となり、窒素ガスを吸収する
ことができるようになる。この反応を溶液内のイオン反
応式で示すと以下のようになる。
を表す)
3級テトラアミンを配位子とするルテニウム(III)錯
体は、一般式(4)のテトラアミンに、カリウムペンタ
クロロアコルテニウム(III)〔K2RuCl5(O
H2)〕を反応させることにより得ることができる。こ
のようにして得られるルテニウム(III)錯体は、次の
式で表わされるtrans−ジクロロルテニウム(II
I)錯体である。
するには、N−置換第3級テトラアミン配位子とするル
テニウム(III)錯体、例えば、前記一般式(1)又は
(2)で表わされるルテニウム(III)錯体を、水と有
機溶媒との混合液に溶解させる。この場合、有機溶媒と
しては、アルコールが好ましく用いられる。この物のア
ルコールには一価アルコール及び多価アルコールが包含
される。一価アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル等が挙げられる。多価アルコールとしては、エチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等
が挙げられる。また、有機溶媒は、アルコールに限られ
るものではなく、水溶性を有する中性有機溶媒であれば
任意のものを用いることができる。このようなものとし
ては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリ
コールメチルエーテル等のエーテル等が挙げられる。水
と有機溶媒との比率は特に制約されないが、水と有機溶
媒との混合液に対し、水の割合は10〜90重量%、好
ましくは30〜60重量%である。また、ルテニウム
(III)錯体の割合は、水と有機溶媒との混合液に対
し、少なくとも0.1重量%であり、その上限はその飽
和溶解度である。一般には0.2〜0.5重量%程度で
ある。このルテニウム(III)錯体溶液は、それ自体で
は窒素ガスを吸収固定化するものではないが、これに還
元剤を加え、3価のルテニウム金属Ru(III)を、2
価のルテニウム金属Ru(II)に還元させると、窒素ガ
スを吸収固定化する能力が付与され、この溶液に窒素ガ
スを接触させると、その窒素ガスを吸収固定化させる。
ルテニウム(III)錯体溶液に加える還元剤は、3価の
Ru(III)を2価のRu(II)に還元し得るものであ
ればどのようなものでもよいが、三塩化チタンの使用が
好ましい。また、還元剤としては、三塩化チタンの他、
二塩化クロム等も使用可能である。このような還元剤
は、ルテニウム金属1モル当り、1〜10モル、好まし
くは1〜2モルの割合で用いられる。還元剤は、水溶液
や、有機溶媒溶液として使用するのが好ましい。
機溶媒との混合液をルテニウム錯体の溶媒として用いた
ことから、高められた窒素ガスの吸収反応速度を示す。
する。
5,9,12−テトラアザトリデカン(化合物A)の合
成 N,N−ジメチルグリシンエチルエステル47.1g
(359mmol)と1,3−ジアミノプロパン13.
2g(0.178mmol)とを500mlのエタノー
ル中に混合し、3日間加熱還流する。溶媒ならびに未反
応の原料を減圧留去した後、減圧蒸留を行って0.1m
mHg、170℃の留分として化合物Aを得ることがで
きる。この物質は常温では無色の固体である。収率8
%、融点86.7〜87.7℃。
12−テトラザトリデカン(化合物B)の合成 2,12−ジメチル−4,10−ジオキソ−2,5,
9,12−テトラアザトリデカン(化合物A)2.8g
(11.5mmol)をあらかじめリチウムアルミニウ
ムヒドリド3.8g(99mmol)を懸濁してある脱
水ジエチルエーテル250ml中に徐々に加え、窒素気
流下、室温で12時間撹拌を行う。反応後、水7.1g
(395mmol)、炭酸カリウム6.8g(50mm
ol)を加え、50℃で1時間加熱撹拌する。反応液中
に析出する固体を濾過によってのぞき、溶媒を留去した
後、減圧蒸留を行って0.1mmHg、100℃の留分
として化合物Bを得ることができる。収率70%。
ソブタノイル−2,5,9,12−テトラアザトリデカ
ン(化合物C)の合成 2,12−ジメチル−2,5,9,12−テトラアザト
リデカン(化合物B)0.92g(4.3mmol)と
炭酸カリウム0.87g(6.5mmol)を脱水ジメ
チルホルムアミド50mlに溶解し、これにイソ酪酸無
水物をゆっくり加えた。その後、オイルバスで80℃に
加温して12時間撹拌した。反応後、溶媒を減圧留去
し、残渣を1規定水酸化ナトリウム水溶液に溶かし、エ
ーテルによる抽出分を溶媒を留去した後、減圧蒸留によ
って、1.0mmHg、220℃の留分として化合物C
を得る。収率58%。
ソブチル−2,5,9,12−テトラアザトリデカン
(化合物D)の合成 2,12−ジメチル−5,9−ジイソブタノイル−2,
5,9,12−テトラアザトリデカン(化合物C)0.
80g(2.2mmol)をあらかじめリチウムアルミ
ニウムヒドリド1.0g(26mmol)を懸濁させた
脱水エーテル100mlに窒素気流化、室温で徐々に加
え、そのまま室温で12時間撹拌を続ける。最終的な溶
液に水1.9g(106mmol)、炭酸カリウム1.
8(13mmol)を注意深く徐々に加えた後、50℃
にて1時間還流し、固体を濾過によって取り除く。最終
的に得られた溶液を濃縮後、減圧蒸留し、0.1mmH
gで130℃の留分として化合物Dを得る。収率96
%。
(III)(2,12−ジメチル−5,9−ジイソブチル
−2,5,9,12−テトラアザトリデカン)塩化物
(化合物E)の合成 前記生成物(化合物D)0.60g(1.8mmol)
をあらかじめカリウムペンタクロロアコルテニウム(II
I)を脱水エタノール100mlに懸濁してある容器中
に加え、激しく撹拌しながらアルゴン気流下で72時間
加熱、還流する。反応溶液を濃縮乾固して残渣に2−プ
ロパノールを加える。析出する塩を濾過により取り除
き、溶液を少量のメタノールに溶かし、LH−20ゲル
濾過カラムクロマトグラフィーによってメタノールで展
開し、褐色のフラクションを集める。集めた溶液を濃縮
後、約50℃に暖めながら最小量の濃塩酸に溶解し、こ
れを冷ましたときに析出する赤褐色の針状結晶(化合物
E)を濾過によって集め、室温にて減圧乾燥する。収率
16%。この化合物Eは元素分析によって組成を確認し
た。またUVスペクトル、サイクリックポルタンメトリ
ーで測定される錯体の還元電位E1/2(Ru(II)/R
u(III)))によってtrans−ジクロロルテニウ
ム(III)錯体としての構造を有することを確認した。
ロロギ酸エチル(ClCOOC2H5)を用いた以外は同
様にして実験を行って、trans−ジクロロルテニウ
ム(III)(2,5,9,12−テトラエチル−2,
5,9,12−テトラアザトリデカン)塩化物Fを得
た。
8−ジオキソ−2,5,9,12−テトラアザトリデカ
ン(化合物G)の合成 ジメチルマロン酸クロライド2g(11.4mmol)
をベンゼン200mlに溶かし、トリエチルアミン2.
35g(35.2mmol)を加えて撹拌した。これ
に、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン3.5
6g(34.8mmol)を加え、20℃で18時間撹
拌した。反応後、溶媒を減圧留去し、水酸化ナトリウム
水溶液にとかし、エーテルで抽出した。エーテルを減圧
留去後、減圧蒸留を行い、0.1mmHg、140℃の
留分として化合物Gが2.79g(9.3mmol)得
られた。収率79%。この物質は、常温で淡黄色の液体
である。
メチル−2,5,9,12−テトラアザトリデカン(化
合物H)の合成 2,5,7,7,9,12−ヘキサメチル−6,8−ジ
オキソ−2,5,9,12−テトラアザトリデカン(化
合物G)2.05g(6.8mmol)を、あらかじめ
リチウムアルミニウムヒドリド2.7g(71.2mm
ol)を懸濁してあるジエチルエーテル150ml中に
徐々に加え、常温で21時間撹拌した。反応後、水5.
1g(285mmol)、炭酸カリウム4.9g(3
5.6mmol)を加え、50℃で約1時間加熱撹拌す
る。反応液中に析出する固体を濾過によって除去し、溶
媒を減圧留去した後、減圧蒸留すると0.1mmHg、
80℃の留分として化合物Hが1.50g得られた。収
率80%。この物質は、常温で無色透明の液体である。
(III)(2,5,7,7,9,12−ヘキサメチル
−2,5,9,12−テトラアザトリデカン)塩化物
(化合物J)の合成 2,5,7,7,9,12−ヘキサメチル−2,5,
9,12−テトラアザトリデカン(化合物H)0.20
g(0.67mmol)を、あらかじめカリウムペンタ
クロロアコルテニウム(III)一水和物〔K2RuC
l5(OH2)〕0.25g(0.67mmol)をエタ
ノール60mlに懸濁したものに加え、撹拌しながら4
5時間環流した。反応後、濾過して未反応物を除き、溶
媒を留去して少量の2−プロパノールに溶かすと塩が析
出してくる。この塩も濾過によって除去し、溶媒を留去
後少量のメタノールを加え溶かして、ジエチルエーテル
を加えると、まもなく沈殿が発生する。沈殿を濾過し
て、この沈殿に少量の濃塩酸を加えてとかし、常温で静
置した。結晶が成長したところで濾過し、結晶をジエチ
ルエーテルで洗うと、黄色針状晶の化合物Kが0.22
g得られた。収率41%。この化合物Jは、元素分析に
よって組成を確認した。また、UVスペクトル、サイク
リックボルタンメトリーで測定される錯体の酸化還元電
位E1/2(Ru(II)/Ru(III))によってt
rans−ジクロロルテニウム(III)錯体としの構
造を有することを確認した。
086mmol)を、メタノール10mlと水10ml
との混合液に溶かして、溶液Iを調製した。
084mmol)を、メトキシエタノール10mlと水
10mlとの混合液に溶かして、溶液IIを調製した。
084mmol)を、2−プロピルアルコール10ml
と水10mlとの混合液に溶かして、溶液IIIを得た。
は同様にして、溶液C(I)を得た。
077mmol)を、2−プロパノール10mlと水1
0mlとの混合液に溶かして、溶液IVを得た。
は同様にして、溶液C(IV)を得た。
(0.121mmol)を、水10mlと2−プロパノ
ール10mlとの混合液に溶かして、溶液Vを得
は同様にして、溶液C(V)を得た。た。
めに、以下に示す窒素ガス固定化テストを行った。
て、内部圧を一定気圧に保つようにセラムキャップを有
する反応溶媒にガスビュレットを接続した装置を用い
た。その装置の構造図を図1に示す。溶液の窒素ガス固
定化テストを行うには、容器内に溶液を入れ、窒素ガス
を吹込んで溶液中にあらかじめ窒素ガスを飽和させた
後、内部空間を密閉し、容器を20℃に保持する。次
に、この容器内に、セラムキャップを通じて、三塩化チ
タン溶液1.10mlをすばやく注入し、その直後か
ら、窒素ガスの吸収による内部気圧の低下に応じて上昇
する10%硫酸ナトリウム水溶液の液面位を時間と関連
させて記録する。また、この場合、容器内の圧力を一定
に保持するために、液溜の高さを上昇する液面高さに合
せた。前記窒素ガス固定化テストの結果を、各溶液との
関連で表1〜表3に示す。
のように定義される。 (窒素固定化率)本錯体は、1分子当たり最大1分子の
窒素ガスを固定する。
以下の通りである。 (還元剤A)メタノール5mlと0.2M塩酸5mlと
の混合液に三塩化チタン9.5mmolを溶解させたも
の。反応溶媒にはその1.10ml(Ti含量:0.2
09mol)を添加した。 (還元剤B)還元剤Aにおいて、メタノールの代りにメ
トキシエタノールを含むもの。 (還元剤C)還元剤Aにおいて、メタノールの代りに2
−プロピルアルコールを含むもの。 (還元剤Z)0.2M塩酸10mlに三塩化チタン9.
5mmolを溶解させたもの。
C(I)についての窒素固定化テストの結果を表1に示
す。
吸収初速度は、溶液C(I)のそれよりも、それぞれ、
約6倍、約2倍及び約12倍加速されることがわかっ
た。
窒素固定化テストの結果を表2に示す。
(IV)のそれよりも、約5倍加速されることがわかっ
た。
窒素固定化テストの結果を表3に示す。
(V)のそれよりも、約4倍加速されることがわかっ
た。
固定化することができる。従って、本発明は、空気中か
らの窒素の除去技術や、空気中から窒素を除去すること
による酸素富化空気の製造技術等として有利に適用され
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 N−置換3級テトラアミンを配位子とす
るルテニウム(III)錯体を水と有機溶媒との混合液に
溶解させた溶液からなる窒素ガス固定化用溶液。 - 【請求項2】 前記ルテニウム(III)錯体が、式
(1) 【化1】 (式中、Rは炭化水素基を示し、Ruは3価の価数を有
する) または式(2) 【化2】 (式中、R1、R2は水素原子または炭化水素基を示し、
Ruは3価の価数を有する)で表される錯体であること
を特徴とする請求項1の窒素ガス固定化用溶液。 - 【請求項3】 有機溶媒がアルコールである請求項1又
は2の窒素ガス固定化用溶液。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの窒素ガス固定
化用溶液に3価のルテニウム(III)金属を2価のルテ
ニウム(II)金属に還元する還元剤を添加して、該3価
のルテニウム金属(III)を2価のルテニウム金属(I
I)に還元するとともに、該溶液に窒素ガスを接触さ
せ、該窒素ガスをルテニウム(II)錯体に固定化させる
ことを特徴とする窒素ガスの固定化方法。 - 【請求項5】 還元剤として三塩化チタン溶液を使用す
る請求項4の窒素ガスの固定化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8083596A JP2740826B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 窒素ガス固定化用溶液及びそれを用いる窒素ガスの固定化方法 |
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JP8083596A JP2740826B2 (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 窒素ガス固定化用溶液及びそれを用いる窒素ガスの固定化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241285A JPH09241285A (ja) | 1997-09-16 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2869460B2 (ja) | 1996-03-08 | 1999-03-10 | 工業技術院長 | 窒素固定化能を持つc−置換三級ポリアミンルテニウム錯体 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP8083596A patent/JP2740826B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Chemistry Letters(1993),第1329〜1332頁 |
Chemistry Letters(1993),第1761〜1764頁 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2869460B2 (ja) | 1996-03-08 | 1999-03-10 | 工業技術院長 | 窒素固定化能を持つc−置換三級ポリアミンルテニウム錯体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09241285A (ja) | 1997-09-16 |
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