JP2740807B2 - 間接熱交換装置の製造方法 - Google Patents

間接熱交換装置の製造方法

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JP2740807B2 JP30356589A JP30356589A JP2740807B2 JP 2740807 B2 JP2740807 B2 JP 2740807B2 JP 30356589 A JP30356589 A JP 30356589A JP 30356589 A JP30356589 A JP 30356589A JP 2740807 B2 JP2740807 B2 JP 2740807B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.発明の目的 <産業上の利用分野> この発明は散水蒸発式冷却塔、ヒーティングタワー、
加湿器などに用いられる間接熱交換装置の製造方法に関
する。
<従来の技術> この種の熱交換装置は金属製パイプからなるコイル形
の密閉熱交換装置と、PVCなどの熱可塑性合成樹脂から
なる全体直方体状の間接熱交換装置の2種類に大別され
る。
前者の密閉型熱交換装置の一例として、本件特許出願
人名義の特開昭61−173078号公報があり、後者の間接熱
交換装置の一例として、特開昭57−1000370号公報(出
願人:ザ.マーレイ.カンパニー)がある。
<発明が解決しようする課題> 前者の密閉型熱交換装置の場合には、供給ヘッダーか
らこの熱交換装置の蛇行流路内へ供給される工業用プロ
セス液体の水圧は、通常4〜10kg/cm2と大きいため、こ
のプロセス液体供給用のポンプが大型化すると共に、全
体が金属製のため、重量が重くなり、かつ高価となる。
この前者の不具合を改良する目的で開発された後者の
間接熱交換装置は、全体が熱可塑性合成樹脂からなるた
め、軽量となり製作し易いが、この空気通路の天井部
は、工業用プロセス液体の分配槽底部を形成し密閉され
ており、この空気通路の両壁及び天井部を形成する逆U
字状部材は、水平な桟杆により吊り下げられ、この状態
で使用されるものであり、隣接する逆U字状部材間に形
成した上下開口の工業用プロセス流体通路内に分配槽か
ら流入する工業用プロセス流体を、この空気通路を水平
方向に流れる空気流により間接的に冷却するものであ
る。
しかし、この空気通路に冷却用散布水を散布し、この
散布水と工業用プロセス液体の間接接触によりこの工業
用プロセス液体をより能率良く冷却する際には、前記桟
杆に代えて、散水パイプをこの空気通路に挿通し、これ
ら散水パイプで間接熱交換装置を吊り下げ支持して、散
水パイプから空気通路両壁全長にわたり散布水を散布し
濡れ壁を形成しなくてはならず、間接熱交換装置に散布
水用の散水パイプを組込むため、全体の構造が複雑化
し、長期間の使用に伴いこの濡れ壁、及び工業用プロセ
ス液体通路壁に付着し成長するスラリーなどにより間接
熱交換装置の目詰まり、破損が生じた場合の交換時に
は、この散水パイプを取り外す手間が必要となりその交
換作業に手間取るというおそれが前記後者の間接熱交換
装置にはある。
この出願に係る発明は、前記各公報のもつ課題を全て
解決し、軽量で、かつ構造を簡略化すると共に、工業用
プロセス液体、散布水などの液体の供給のためのポンプ
を小型化し得る間接熱交換装置の製造方法を開発し提供
することを目的とする。
ロ.発明の構成 <課題を解決するための手段> この発明の製造方法は前記課題を解決するために、
a)全体矩形の熱交換隔壁板ブランク材より、真空成形
乃至プレス加工する際に下記のi)乃至iii)の形状に
形成して熱交換隔壁板を複数枚形成する工程。
i)前記各ブランク材の上下縁部を同一方向に同一寸
法水平に折り曲げ、水平な折り曲げ縁を形成する。
ii)前記上部水平折り曲げ縁において、このブランク
材の一側縁寄りの折り曲げ稜線部に、第1液体供給口と
なる窪みを形成し、またこの上部水平折り曲げ縁の自由
端縁には、前記窪みと反対側に位置するブランク材の他
側縁寄りで第2液体供給口となる切欠きを形成する。
iii)前記窪み及び切欠きの真ぐ下側位置において、
このブランク材の全幅にわたり、ブランク材の両側縁を
除いて、第1、第2の両方の液体を分配するための液体
分配用畝及び谷を前記水平折り曲げ縁と同一方向に膨出
形成する。
b)前記a)の熱交換隔壁板と対称な形状のものを前記
a)熱交換壁板とほゞ同数、同様に形成する工程。
c)前記a)工程とb)工程で形成した熱交換隔壁板同
士を2枚一組として各水平折り曲げ縁が相互に逆向きで
外側に向く姿勢で背中合わせに垂直に並列し、その両側
縁部及び前記窪みのない折り曲げ稜線部で相互に貼り合
わせ、相向かい合う前記窪みで上下部開口の第1液体供
給口をこの背中合わせに貼りあわせた熱交換隔壁板間に
形成すると共に、前記一組の熱交換隔板の前記畝及び谷
で第1液体分配路及びこの分配路の下方に連なる第1液
体流下通路を形成する工程。
d)前記背中合わせした2枚の熱交換隔壁板を一ユニッ
トとして、熱交換隔壁板の前記折れ曲げ縁の自由端縁に
おいて順次隣接するユニット同士を結合し隣接する各ユ
ニット間に前記一対の切欠きで第2液体供給口を形成
し、かつ一対の前記畝及び谷で第2液体分配路を形成す
ると共に、この分配路の下方に第2液体流下通路を形成
し、この第2液体通路の両側を外気に開放し水平な通気
路をも兼用させる工程。
e)前記複数のユニットを垂直に並設してなる間接熱交
換装置の上面に、前記第1、第2の一時溜り部を相互離
隔して形成し、一方の一時溜り部に対応する液体が流下
する前記第1液体供給口を前記一方の溜り部に、また他
方の一時溜り部に前記第2液体供給口をそれぞれ開口連
通させる工程。
前記a)乃至e)からなることを特徴とする間接熱交
換装置の製造方法である。
前記全ての第1液体流下通路を、気液通路である第2
液体流下通路の空気取入口寄りの一方の一時溜り部の底
壁にその上端で開口し、他方の一時溜り部の底壁には非
開口として、また全ての気液通路である第2液体流下通
路を、この空気吐出口寄りの他方の一時溜り部の底壁の
みににその上端で開口し、これら一時溜り部の中間に、
これら2つの一時溜り部を離隔する隆起部をこの間接交
換装置の全幅にわたり形成することが、工業用プロセス
液体の冷却上好ましい。なお、この第2液体流下通路
と、気液通路の一時溜り部への開口位置を相対的に逆に
する場合もある。
前記液体分配用の畝及び谷を、第1液体通路及び第2
液体通路の流路を一時的に絞る絞り部を前記気流の流れ
方向全長にわたり間隔をおいて各熱交換隔壁板に突出形
成することがその液体分配上好ましい。
<使用方法> この発明の製造方法で製造した間接熱交換装置の使用
方法を説明する。
a)直交流式冷却塔に組込み使用する場合。
直交流式冷却塔の上部水槽は、気流流れ方向で第1水
槽部と第2水槽部に区画されており、この冷却塔の外気
取入口寄りに位置する第1水槽部は、この発明の製造方
法で製造した間接熱交換装置の第1の一時溜まり部の平
面形状に符合する大きさに形成され、負荷部(例えば、
冷凍機)から第1液体である工業用プロセス液体がこの
第1水槽部に供給される。
また、この冷却塔の排気口寄りに位置する第2水槽部
は、前記第2の一時溜り部の平面形状に符合する大きさ
としてあり、冷却塔の後述する下部水槽から汲み上げら
れ循環使用される第2液体である散布水を受入れるため
のものとしてある。
更にこの冷却塔の下部水槽は、前記間接熱交換器下端
からのプロセス流体及び散布水を各々分離して受け入れ
るべく、2室に区画された二重構造としてあり、一方の
室はプロセス液体貯溜室としてあり、前記プロセス液体
流下通路の下端がこのプロセス液体貯溜室に開口し、他
方の室は散布水貯溜室とし、前記気液通路の下端部が散
布水貯溜室に開口してあり、プロセス液体貯溜室は負荷
部にプロセス液体を供給すべく連通し、一方、散布水貯
溜室は前記上部水槽の第2水槽部に連通している。
前記第2の一時溜り部に上端で開口する前記気液通路
は、前記散布水の流下通路となり、第1の一時溜り部に
上端で開口する第1液体流下通路は工業用プロセス液体
として、前記間接熱交換装置はこの上面が上部水槽の底
面下方に位置する状態で直交流式冷却塔本体内に組込ま
れる。
このように間接熱交換装置を組み込んでなる直交流式
冷却塔における上部水槽の第1水槽部に工業用プロセス
液体を冷凍機などの負荷部から供給すると、この第1水
槽部底壁の落下孔群からこの間接熱交換装置の対応する
第1の一時溜り部に工業用プロセス液体落下しこの部分
に一時滞留する。
この後、工業用プロセス液体は第1の一時溜り部に開
口する複数個の第1液体即ち工業用プロセス液体流下通
路に流入し、次いで、前記液体分配用畝により、一時的
に絞られこの間接熱交換装置の気流の流れ方向全長にわ
たり所定水量で拡がり分配された後、この流下通路両壁
を形成する熱交換隔壁板の一側壁全面に沿い、この冷却
塔の下部水槽における工業用プロセス液体貯溜室に向け
流下していく。
また、前記上部水槽の第2水槽部に散布水が供給さ
れ、第2水槽部から第2の一時溜り部に落下し、この部
分に一時滞留する。
この後、第2の一時溜り部に開口する複数個の前記気
液通路内に散布水が流下し、次いで前記液体分配用畝で
一時的に絞られこの気液通路内を水平に流れる気流の流
れ方向全長わたり所定の水深で拡がり分配された後、前
記熱交換隔壁板の他側壁全面に沿い冷却塔下部水槽にお
ける散布水貯溜室に向け流下してゆき、気液通路内に濡
壁を形成しこの流下中に、熱交換隔壁板を介して間接的
に反対側の側壁に沿い流下中の工業用プロセス液体を冷
却し、この散布水自身は昇温する。
一方、この冷却塔の排気口に設けた送風機の作動によ
り、この冷却塔の外気取入口から取り込まれた空気は前
記プロセス液体の流れと直交して前記複数個の気液通路
内を流れるとともに、前記この液通路通過中に前記昇温
した散布水と直接接触し潜熱作用でこの散布水を冷却す
る。この冷却で自身昇温した空気はこの気液通路を水平
に流れ前記送風機を上部に配置した冷却塔の通風室に至
り次いで排気口から外部へ排気される。
このようにして所定温度に冷却された工業用プロセス
液体は、前記冷却塔における下部水槽のプロセス液体貯
溜室に一時的に滞留した後、循環ポンプの作動により冷
凍機などの負荷部へ供給され、仕事を終え昇温した後再
びこの上部水槽の第1の水槽部に供給され以下繰り返し
循環する。
一方、取り込んだ空気との間で直接接触し潜熱作用を
受けて冷却され、且つ前記プロセス液体を間接的に冷却
した冷却水、次回のプロセス液体の冷却に適した温度に
冷却された状態で前記下部水槽の散布水貯溜室内に流入
して一時的に滞留された後、汲み上げポンプの作動によ
り前記上部水槽の第2水槽部に供給され、以下繰返し循
環する。
b)ヒーティングタワーにこの発明の製造方法で製造し
た間接熱交換装置を組み込んで使用する場合。
この場合には、第1液体はブライン液とし上部水槽の
第1水槽よりこの間接型熱交換装置の前記第1液体流下
通路の上流端に向けて自然落下させ、流入させる。この
第1液体流下通路を流下中に前記気液通路内を通過する
空気により、このブライン液は間接的に加温され、負荷
部である蒸発器へ供給されて、室内の暖房などの仕事を
した後低温化したブライン液を再び上部水槽の第1水槽
部へ戻し、繰返し加温する。この際、気液通路は空気通
路としてのみ使用する。
前記の説明ではブライン液と空気流とは間接接触し
て、ブライン液を閉ループで循環使用する場合を示した
が、ブライン液を気液通路に流下させ、空気流と直接接
触する場合もある。
c)加湿器にこの発明の製造方法で製造した間接熱交換
装置を組み込み使用する場合。
室外側と室内側の間にこの間接熱交換装置を介設し、
一次側から2次側に向け空気流を前記気液通路に沿い水
平に流し、この気液通路内を通過中に、前記第2の一時
溜り部から散布水をこの気液通路に流入させ、この気液
通路全域に濡れ壁を形成し、空気流の湿度を高め、かつ
加温し、湿り空気として室内へ吹出させる。
<実施例> この発明の代表的な実施例を次に説明する。
<第1実施例> まず、全体矩形の熱交換隔壁板ブランク材である前記
合成樹脂製シート10を下記i)〜iii)の真空成形加工
して各熱交換隔壁板11を形成するに際し、下記i)〜ii
i)の形状を形成する。
i)前記各シート材10の上下縁部12a、12bを同一方向に
同一寸法水平に折り曲げ、水平な折り曲げ縁13、14を形
成する。
ii)前記上部水平折り曲げ縁13において、このシート材
10の一側縁15寄りの折り曲げ稜線部16に、第1液体供給
口23となる窪み17を形成し、またこの上部水平折り曲げ
縁13の自由端縁18には、前記窪み17と反対側に位置する
シート材10の他側縁19寄りで第2液体供給口26となる切
欠き20を形成する。
iii)前記窪み17及び切欠き20の真ぐ下側位置におい
て、このシート材10の全幅にわたり、シート材10の両側
縁15、19を除いて、第1、第2の両方の液体を分配する
ための液体分配用畝21及び谷22を前記水平折り曲げ縁1
3、14と同一方向に膨出しこれら畝21及び谷22の深さ
を、前記折り曲げ縁13、14の幅より浅く形成する(第14
図参照)。
次に、前記の熱交換隔壁板11と対称な形状のものを前
記熱交換隔板11とほゞ同数、同様に形成する。
前記のように相互対称に形成した熱交換隔壁板11同士
を2枚一組として各水平折り曲げ縁13、14が相互に逆向
きで外側に向く姿勢で背中合わせに垂直に並列し(第15
図参照)、その両側縁部15、19及び前記窪み17のない折
り曲げ稜線部16で相互に貼り合わせ、相向かい合う前記
窪み17で上下部開口の第1液体供給口23をこの背中合わ
せに貼り合わせた熱交換隔壁板11間に形成すると共に、
前記一組の熱交換壁板11の前記畝21及び谷22で第1液体
分配路24及びこの分配路24の下方に連なる第1液体流下
通路25を形成する(第1図、第2図参照)。
更に、前記背中合わせした2枚の熱交換隔壁板11を一
ユニットA0として、熱交換隔壁板11の前記折曲げ縁13の
自由端縁18において順次隣接するユニットA0同士を結合
して隣接して、各ユニットA0間に前記一対の切欠き20で
第2液体供給口26を形成し、かつ一対の前記畝21及び谷
22で第2液体分配路27を形成すると共に、この分配路27
の下方に第2液体流下通路28を形成し、この第2液体通
路28の両側を外気に開放し水平な通気路をも兼用させる
(第1図及び第3図参照)。
前述の順次隣り合う折り曲げ縁13、14同士の結合はそ
の自由端縁18で突合せ結合することが好ましいが若干ラ
ップさせて結合してもよい。
次いで、前記複数のユニットA0を垂直に並設してなる
間接熱交換装置Aの上面に、第1、第2の一時溜り部2
9、30を相互離隔して形成し、一方の一時溜り部29に対
応する液体が流下する前記第1液体供給口23を前記一方
の前記溜り部29に、また他方の一時溜り部30に前記第2
液体供給口26をそれぞれ開口連通させる。
好適には、前記全ての第1液体流下通路25を、気液通
路である第2液体通路28の空気取入口31寄りの前記一方
の一時溜り部29の底壁32にその上端で開口し、他方の一
時溜り部30の底壁32には非開口として、また全ての気液
通路である第2液体流下通路28を、この空気吐出口33寄
りの前記他方の一時溜り部30の底壁34のみにその上端で
開口し、これら一時溜り部29、30の中間に、これら2つ
の一時溜り部29、30を離隔する隆起部35をこの間接交換
装置Aの全幅にわたり形成する(第1図、第5図、第6
図参照)。
前記液体分配用の畝21及び谷22によって、第1液体流
下通路25及び気液通路の流路を一時的に絞る第1、第2
の絞り部を前記気流の流れ方向全長にわたり間隔をおい
て各熱交換隔壁板11に突出し形成してある。
即ち、この畝21及び谷22を、第1液体流下通路25側へ
突出する一対の畝21により第1絞り部が形成され、第2
液体流下通路28側へ突出する一対の谷22により第2絞り
部が形成される。この際、相互反対側へ突出する第1絞
り部、第2絞り部の突出形状は、水平方向に延びるリブ
状のもので、輪郭形状は長方形、長円形などどれでも良
く、要は液体の流れを一時的に抑制するのみであれば形
状、大きさに限定はない。
また、第1液体流下通路25の下端開口部を、この間接
熱交換装置Aの気流の流れ方向全長にわたり形成し、第
1液体の吐出口部とし(第6図参照)、また、気流通路
である第2液体流下通路28の空気吐出口下端部を、第2
液体の吐出部とする(第6図参照)。
このようにして製造した前記実施例の間接熱交換装置
Aの使用方法を次に説明する。
a)直交流式冷却塔Bに組込み使用する場合。
第9図において、直交流式冷却塔Bの上部水槽60は、
気流流れ方向で第1水槽部61と第2水槽部62に区画され
ており、この冷却塔Bの外気取入口63寄りに位置する第
1水槽部61は、前記間接熱交換装置Aの第1の一時溜ま
り部29の平面形状に符合する大きさに形成され、負荷部
(例えば、冷凍機)Cから第1液体である工業用プロセ
ス液体がこの第1水槽部61に供給される。
また、この冷却塔Bの排出口64寄りに位置する第2水
槽部62は、前記第2の一時溜り部30の平面形状に符合す
る大きさとしてあり、冷却塔Bの下部水槽65から汲み上
げられ循環使用される第2液体である散布水を受入るた
めのものとしてある。
更に、この下部水槽65は、間接型熱交換装置A下端か
らのプロセス流体及び散布水を別々に分離して受け入れ
るべく、ほゞ水平な仕切板71で上と、下とに仕切られた
二重構造としてあり、その下側の室69がプロセス液体貯
溜室としてあり、前記全てのプロセス液体流下通路16の
下端全域がこのプロセス液体貯溜室69に開口し、上側の
70が散布水貯溜室として前記気液通路19の空気吐出口下
端部側方が散布水貯溜室70に向け開口してあり、プロセ
ス液体貯溜室69な負荷部Cにプロセス液体を供給すべく
連通し、散布水貯溜室70は前記第2水槽部62に散布水を
循環供給すべく各々連通している(第10図参照)。
更に、前記間接型熱交換装置Aの下端を前記下部水槽
65の仕切板71に対して着脱自在に組み付けるべく間接型
熱交換装置Aの底面の内端全長から内方に向け前記仕切
板71と同幅の合成樹脂製フランジ72が延在し、この延在
するフランジ72の下面にパッキン材73を介して前記仕切
板71の側辺全長がボルト74、ナット75により、水密に結
合されている。即ち、前記仕切り板71と間接型熱交換装
置Aの底面のフランジ72の継目においてプロセス液体貯
溜室17への散布水の漏水が阻止されているとともに、交
換時にこの仕切板71からこの間接型熱交換器Aが取外し
可能としてある。
前記第2の一時溜り部30に上端で開口する前記第2液
体流下通路28は、前記散布水の流下通路とし、また第1
の一時溜り部29に上端で開口する第1液体流下通路25は
工業用プロセス流体として、この間接熱交換装置Aは直
交流式冷却塔本体66内に組込まれる。
即ち、前記間接熱交換装置Aの上面を上部水槽60の底
面下方に位置させ、その第2液体流下通路28の空気取入
口31を冷却塔Bの外気取入口63に対面させた状態で、こ
の間接熱交換装置Aを下部水槽65上に載置し、その仕切
板71の側辺と間接熱交換装置Aのフランジ72とをパッキ
ン材73を介してボルト74、ナット75で接続し、この間接
熱交換装置Aを冷却塔Bの本体内に組み込む(第10図、
第11図参照)。
このように間接熱交換装置Aを組み込んでなる直交流
式冷却塔Bにおける上部水槽60の第1水槽部61に工業用
プロセス液体を負荷から供給すると、この第1水槽部61
底壁の落下孔群からこの間接熱交換装置Aの対応する第
1の一時溜り部29に工業用プロセス液体落下しこの部分
に一時滞留する。
この後、工業用プロセス液体は第1の一時溜り部29に
開口する複数個の第1液体即ち工業用プロセス液体流下
通路25に流入し、次いで、前記液体分配用畝21及び谷22
の第1絞り部により、一時的に絞られこの間接熱交換装
置Aの気流の流れ方向全長にわたり所定水量で拡がり分
配された後、この流下通路25両壁を形成する熱交換隔壁
板11の一側壁全面に沿い、この冷却塔Bの下部水槽65に
おけるプロセス液体貯溜室69に向け流下していく。
更に、この工業用プロセス液体の滞溜過程を詳述すれ
ば、工業用プロセス液体の一部は気流方向で隣接する第
1絞り部間の間隙を通り抜け下方へ流下していくと共
に、残りの工業用プロセス流体は一度第1絞り部により
絞られその流下を遅速され、この第1絞り部の上部で散
布水通路である第2液体流下通路28側へ膨出するこの工
業用プロセス液体通路流下通路25の膨出溜り部36に一時
的に滞溜した状態となり、気流方向全長にわたり所定の
水深をもって拡がり、その後、この第1絞り部24を乗り
越えて下方へ流下していく。
従って、この第1絞り部の大きさを成形時に変更する
ことで、その流下量を制御することができる。
即ち、大きければ(例えば、長くしたり、その突出量
を大きくする)その水深は深くなり、一度の流下量は少
なくなり、小さければその水深は浅くなり、一度の流下
量は多くなる。
また、前記上部水槽60の第2水槽部62に散布水が供給
され、第2水槽部62から第2の一時溜り部20に落下し、
この部分に一時滞留する。
この後、第2の一時溜り部30に開口する複数個の前記
第2液体流下通路28内に散布水が流下し、次いで前記液
体分配用畝21及び谷22の第2絞り部で一時的に絞られ、
この第2液体流下気液通路28内を水平に流れる気流の流
れ方向全長にわたり所定水深で拡がり分配された後、前
記熱交換隔壁板11の他側壁全面に沿い冷却塔Bの下部水
槽65における散布水貯溜室70に向け流下してゆき、第2
液体流下通路28内に濡壁を形成しこの流下中に、熱交換
隔壁板11を介して間接的に反対側の側壁に沿い流下中の
工業用プロセス液体を冷却し、この散布水自身は昇温す
る。
前記散水の滞留過程を更に詳述すれば、散布水の一部
は気流方向で隣接する第2絞り部間の間隙を通り抜け、
残りの散布水はこの第2絞り部でその流下を遅速され、
この第2絞り部の上流側で一時的に滞留した状態とな
り、気流方向全長にわたり所定の水深をもって拡がり、
この後第2絞り部を乗り越えて下方へ流下していく。
従って、散布水の流下量の大きさに応じてこの第2絞
り部の大きさを前記第1絞り部の大きさと対応して設定
することで良好な熱交換が行われる。
一方、この冷却塔Bの排気口64に設けた送風機67の作
動により、この冷却塔Bの外気取入口63から取り込まれ
た空気は前記プロセス液体の流れと直交して前記複数個
の第2液体流下通路28内を流れるとともに、前記この第
2液体流下通路19通過中に前記昇温した散布水と直接接
触し潜熱作用でこの散布水を冷却する。この冷却で自身
昇温した空気はこの第2液体流下通路28を水平に流れ前
記送風機67を上部に配置した冷却塔Bの通風室68に至り
次いで排気口64から外部へ排気される。
このようにして所定温度に冷却された工業用プロセス
液体は、全てのプロセス液体流下通路25の下端全域から
一斉に前記冷却塔Bにおける下部水槽65のプロセス液体
貯溜室69に内に吐出しここに一時的に滞留した後、循環
ポンプP1の作動により冷凍機などの負荷部Cへ供給さ
れ、仕事を終え昇温した後再び前記上部水槽60の第1の
水槽部61に供給され以下繰り返し循環する。
一方、取り込んだ空気との間で直接接触し潜熱作用を
受けて冷却され、且つ前記プロセス液体を間接的に冷却
した散布水は、次回のプロセス液体の冷却に適した温度
に冷却された状態で前記下部水槽65の散布水貯溜室70内
に流入して一時的に滞留された後、汲み上げポンプP2の
作動により前記上部水槽60の第2水槽部62に供給され、
以下繰返し循環する。
長期間の運転によりスラッジスラリーがこの間接熱交
換装置Aの各通路25、28に付着し、目詰まりを起した
り、一部欠損し、洗浄又は交換のために、この間接熱交
換器Aを取り外すには前記下部水槽65との結合を分離し
冷却塔B本体の外側に取りだし、洗浄を行いその目詰ま
りを解消するか、新しいものと交換する。
なお、必要に応じ上部水槽60と間接熱交換装置A上面
との間の空間には、工業用プロセス液体及び散布水を分
散する桟杆90が設置される。
b)ヒーティングタワーDにこの間接熱交換装置Aを組
み込んで使用する場合(第12図参照)。
この場合には、第1液体はブライン液としヒーティン
グタワーDの上部水槽80の第1水槽81よりこの間接型熱
交換装置Aの前記第1液体流下通路25の上流端に向けて
自然落下させ、流入させる。この第1液体流下通路25を
流下中に前記第2液体流下通路28内に通過する空気によ
り、このブライン液は間接的に加温され、負荷部である
蒸発器(図示せず)へ供給されて、室内の暖房などの仕
事をした後低温化したブライン液を再び上部水槽80の第
1水槽部81へ戻し、繰返し加温する。この際、第2液体
流下通路28は空気通路としてのみ使用する。
前記の説明ではブライン液と空気流とは間接接触し
て、ブライン液を閉ループで循環使用する場合を示した
が、ブライン液を気液通路19に流下させ、空気流と直接
接触する場合もある。
c)加湿器Eにこの間接熱交換装置Aを組み込み使用す
る場合(第13図参照)。
室外側と室内側の間にこの間接熱交換装置Aを介設
し、一次側(室外側)から2次側(室内側)に向け空気
流を前記第2液体流下通路28に沿い水平に流し、この第
2液体流下通路28内を通過中に、前記第2の一時溜り部
30から散布水をこの第2液体流下通路28に流入させ、こ
の第2液体流下通路28全域に濡れ壁を形成し、空気流の
湿度高め、かつ加温し、湿り空気として室内へ吹出させ
る。
<第2実施例>(第8図参照) 第1実施例と異なる工程は第2液体流下通路28aの成
形工程であり、その他は第1実施例と同じである。
この実施例の第2液体流下通路28の側壁に、空気取込
口31寄りで垂直な水切り用の畝77をそのほゞ全高さにわ
たり延設し、この水切り用の畝の上端から気流方向にそ
の全長にわたり延在する水平な第2液体分配用畝77を形
成し、この畝の位置を、前記各液体分配用畝21及び谷の
上方で、一時溜り部30の底壁34寄りとする。
このように構成した第2実施例で製造した間接型交換
装置の使用方法は、第1実施例とほゞ同じである。
第1実施例と異なるところを直交流式冷却塔に組み込
んだ場合を例にとり説明すれば、第2液体流下通路28を
流下する散布水は第2の一時溜り部30から流入すると直
ちに第2液体分配用畝77に伝わり流れると共に、その一
部は気流により水平方向に拡がり分配された状態で前記
各液体分配用畝21及び谷22に向け流下していく。
一方、この第2液体流下通路28を水平に流れる空気流
と直交して流下する散布水は、その空気取込口31から冷
却塔Bの外気取入口より外部へ飛散する傾向にあるが、
前記水切り用畝76に突き当たり、内側へ引き戻される。
また、空気流が一時溜り部30に向け偏流することが水
平な第2液体分配用畝77により緩和される。
ハ.発明の効果 前記のように構成し作用及び使用する発明において
は、前記液体分配用の畝により、第1、第2の液体を相
互分離した状態でそれぞれ一部に偏在せずに前記一時溜
り部から各々対応する通路全域に一様に分配でき、第1
液体と第2液体を間接的に熱交換でき、第1液体を所望
の使用温度に冷却できる間接型熱交換装置を簡易に製造
できる。
前記効果に加えて、通路の上部は対応する一時溜り部
に開口してあり、第1、第2の液体は自重落下式に流入
するため、第1液体、第2液体を散布パイプなどを使用
せずにこの熱交換装置に散布流下せずに済み、熱交換装
置上部に第1液体又は第2液体専用の散水パイプを配設
する必要性がなくなり、第1、第2の液体の熱交換装置
を流下する水圧を大幅に低下でき、両方の液体の供給用
ポンプを小型化できる間接型熱交換器Aを得ることがで
きる。
従って、この熱交換装置の部品及び全体の構造を簡略
化でき、その組立て、保守管理も容易にできる上、全重
量も軽量化できる。
請求項第2項記載の発明においては、殊に前記隆起部
分により一時溜り部内での第1液体と第2液体の相互分
離を簡単な構造で確実に行え、対応する通路に第1、第
2液体を分離した状態で流入させるものが製造でき、前
記工業用プロセス流体の冷却を散布水との間接接触によ
り有効に能率良く行うのに最適となる。
前記熱交換隔壁板を合成樹脂板を真空成形加工品乃至
金属製平板のプレス加工品とすることによりその製造は
量産化でき、価格を低下できるとともにその全体の重量
を軽く出来る。
前記液体分配用の畝及び谷を、第1液体通路及び気液
通路の流路を一時的に絞る絞り部を前記気流の流れ方向
全長にわたり間隔をおいて各熱交換隔壁板に突出し形成
する場合には、この絞り部において、各液体はその流量
を一時的に絞られるため、この絞り部上流域に液体を所
定の深さで、前記全長にわたり拡がり滞留させることが
でき、前記液体に対応する一時溜り部の底面積が狭くて
も液体をその全長に一様に、確実に分散、流下させるこ
とができる間接型熱交換器を製造できる。
(各実施例固有の効果) 第1実施例においては、前記のように第1液体流下通
路25下端を間接熱交換装置A全長で開口することで、第
1液体をよどみなく円滑に、冷却塔の下部水槽などに吐
出でき、かつ第2液体を第2液体流下通路28の空気吐出
口下端から第1液体と混合せずに分離して冷却塔の下部
水槽などに吐出でき、殊に直交流式冷却塔用の間接熱交
換装置として最適なものを得ることができる。
第2実施例においては、その水切り用畝76、第2液体
分配用畝77の作用により、第2液体の外部への飛散を有
効に防止できると共に、より第2液体を全域に均等分配
できる。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明に係るもので、第1図は第1実施例の製造
方法で製造した間接熱交換器の一部省略平面図、第2図
は第1図の2−2線に沿う第1液体通路を示す縦断側面
図、第3図は第1図の3−3線に沿う第2液体通路を示
す縦断面図、第4図は第1図の4−4線に沿う第1液体
通路を示す縦断正側面図、第5図は第1図の5−5線に
沿う第2液体通路を示す縦断正面図、第6図は間接熱交
換装置の底面図、第7図は絞り部の他の形状を示す図、
第8図は別の間接型交換器の正面図、第9図はこの方法
で製造した間接熱交換装置を直交流式冷却塔に適用した
状態を示す概略図、第10図はその冷却塔の下部水槽と間
接熱交換器の結合状態を示す縦断面図、第11図はその斜
視図、第12図はこの間接熱交換装置をヒーティングタワ
ーに適用した状態を示す概略図、第13図は加湿器にこの
間接熱交換装置を適用した場合の概略図第14図はこの熱
交換板の斜視図、及び第15図はこの一ユニットの斜視図
である。 図中の種な記号の説明 A……間接熱交換装置。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記a)乃至e)からなることを特徴とす
    る間接熱交換装置の製造方法。 a)全体矩形の熱交換隔壁板ブランク材より、真空成形
    乃至プレス加工する際に下記のi)乃至iii)の形状に
    形成して熱交換隔壁板を複数枚形成する工程。 i)前記各ブランク材の上下縁部を同一方向に同一寸法
    水平に折り曲げ、水平な折り曲げ縁を形成する。 ii)前記上部水平折り曲げ縁において、このブランク材
    の一側縁寄りの折り曲げ稜線部に、第1液体供給口とな
    る窪みを形成し、またこの上部水平折り曲げ縁の自由端
    縁には、前記窪みと反対側に位置するブランク材の他側
    縁寄りで第2液体供給口となる切欠きを形成する。 iii)前記窪み及び切欠きの真ぐ下側位置において、こ
    のブランク材の全幅にわたり、ブランク材の両側縁を除
    いて、第1、第2の両方の液体を分配するための液体分
    配用畝及び谷を前記水平折り曲げ縁と同一方向に膨出形
    成する。 b)前記a)の熱交換隔壁板と対称な形状のものを前記
    a)熱交換壁板とほゞ同数、同様に形成する工程。 c)前記a)工程とb)工程で形成した熱交換隔壁板同
    士を2枚一組として各水平折り曲げ縁が相互に逆向きで
    外側に向く姿勢で背中合わせに垂直に並列し、その両側
    縁部及び前記窪みのない折り曲げ稜線部で相互に貼り合
    わせ、相向かい合う前記窪みで上下部開口の第1液体供
    給口をこの背中合わせに貼りあわせた熱交換隔壁板間に
    形成すると共に、前記一組の熱交換隔壁板の前記畝及び
    谷で第1液体分配路及びこの分配路の下方に連なる第1
    液体流下通路を形成する工程。 d)前記背中合わせした2枚の熱交換隔壁板を一ユニッ
    トとして、熱交換隔壁板の前記折れ曲げ縁の自由端縁に
    おいて順次隣接するユニット同士を結合し隣接する各ユ
    ニット間に前記一対の切欠きで第2液体供給口を形成
    し、かつ一対の前記畝及び谷で第2液体分配路を形成す
    ると共に、この分配路の下方に第2液体流下通路を形成
    し、この第2液体通路の両側を外気に開放し水平な通気
    路をも兼用させる工程。 e)前記複数のユニットを垂直に並設してなる間接熱交
    換装置の上面に、前記第1、第2の一時溜り部を相互離
    隔して形成し、一方の一時溜り部に対応する液体が流下
    する第1液体供給口を前記一方の溜り部に、また他方の
    一時溜り部に前記第2液体供給口をそれぞれ開口連通さ
    せる工程。
  2. 【請求項2】全ての第1液体流下通路を、気液通路であ
    る前記第2液体流下通路の空気取入口寄りの一方の一時
    溜り部の底壁にその上端で開口し、他方の一時溜り部の
    底壁には非開口とし、また全ての気液通路である第2液
    体流下通路を、この空気吐出口寄りの他方の一時溜り部
    の底壁のみにその上端で開口し、これら一時溜り部の中
    間に、これら2つの一時溜り部を離隔する隆起部をこの
    間接交換装置の全幅にわたり形成することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の間接熱交換装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記液体分配用の畝及び谷を、第1液体流
    下通路及び第2液体流下通路を流路を一時的に絞る絞り
    部を前記気流の流れ方向全長にわたり間隔をおいて各熱
    交換隔壁板に突出し形成することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項又は第2項記載の間接熱交換装置の製造方
    法。
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