JP2740757B2 - ホイールローダの駆動力切換装置 - Google Patents

ホイールローダの駆動力切換装置

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JP2740757B2
JP2740757B2 JP8022411A JP2241196A JP2740757B2 JP 2740757 B2 JP2740757 B2 JP 2740757B2 JP 8022411 A JP8022411 A JP 8022411A JP 2241196 A JP2241196 A JP 2241196A JP 2740757 B2 JP2740757 B2 JP 2740757B2
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pressure oil
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康博 中西
愛一郎 田中
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Kawasaki Jukogyo KK
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    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/20Drives; Control devices
    • E02F9/22Hydraulic or pneumatic drives
    • E02F9/2278Hydraulic circuits
    • E02F9/2292Systems with two or more pumps

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願に係る発明は、地山
等の土砂の掘削作業や、原料のかき上げ作業、あるいは
原石をすくい込んでダンプ等に積込む作業を行うホイー
ルローダの駆動力切換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、地山の土砂を掘削したり、あ
るいは原石をすくい込んだりしてダンプ等に積込む作業
を行う場合にホイールローダが利用されている。また、
広範な場所に積まれた原料等を山状にかき上げたりする
作業にもホイールローダが用いられている。
【0003】このホイールローダによる作業の掘削作業
を例に説明すると、前部に設けたバケットを地面から若
干浮かせた状態でタイヤの駆動力によって土砂に食い込
ませ、この状態でバケットの先端側を上向きに回動させ
ることによって掘削した土砂をバケット内にすくい込
み、次にブームを上昇させながら後退したりあるいは旋
回したりしながらダンプの上方へと土砂を運び、ダンプ
の上方でバケットの先端側を下向きに回動させることに
よってダンプへ土砂を積込んでいる。従って、この作業
は掘削後にブームを上昇させながら移動し、ダンプに積
込む時にブームが上端に位置するような機器設定にする
のが作業効率の面から最適である。このことは、原石等
の場合も同様の操作によってバケット内にすくい込んで
所望位置まで搬送したりダンプ等の輸送機へと積込む作
業を行うので同様である。これに対し、かき上げ作業の
場合には、すくい込んだ原料をその場で山状に積み上げ
るように作業を繰り返し行っている。
【0004】この種のホイールローダにおける駆動力切
換装置として図5に示す油圧回路図のような装置があ
り、原動機51で駆動する第1ポンプ52と第2ポンプ
53とを設け、第1ポンプ52の吐出した圧油をステア
リング用操作弁55の流量調整弁54Aを介してステア
リング用切換弁54Bに供給してステアリングシリンダ
56を駆動し、第2ポンプ53の吐出した圧油を作業機
用操作弁57に供給してバケットシリンダ58およびブ
ームシリンダ59を駆動するように構成したものがあ
る。この構成では、ステアリング用の第1ポンプ52の
吐出圧油を、ステアリングの不使用時には全流量を作業
機用操作弁57側へと流し、ステアリング使用時にのみ
ステアリングの旋回に必要な流量をステアリング用切換
弁54B側へ流すように制御している。
【0005】そして、土砂を掘削する時のように大きな
作業力が働くと、第2ポンプ53の吐出した圧油配管6
0内の圧力が上昇するので、この圧油の圧力を検出して
アンロード弁61によって第2ポンプ53をアンロード
状態として第1ポンプ52の吐出した圧油のみを作業機
用操作弁57に供給し、ポンプの吸収馬力を減らしてそ
の分の原動機51の動力によって車輪の駆動力を増強し
て作業能力を向上させるようにしている(従来例1)。
【0006】この種の油圧回路の従来技術として実開昭
60−75701号公報記載の考案があり、この考案で
は、ブームを上方に回動させている途中で圧油の圧力が
高くなるとアンロード弁がアンロード状態となってブー
ムシリンダへの供給流量が減少してブーム上昇速度が遅
くなり作業能率が悪くなるという課題を解決するため
に、ブームを上方へ回動させているときには圧油の圧力
が高くなってもアンロード弁がアンロード状態とならな
いように切換えることができるようにしている(従来例
2)。
【0007】また、他に実開平4−61154号公報記
載の考案もあり、この考案では、油圧回路をアンロード
させるカットオフ弁の装着や取り外しを簡単にできるよ
うにするとともに余分な配管をなくすためにカットオフ
弁を設けた追加操作弁を設けている(従来例3)。
【0008】さらに、他の従来技術として特開平2−9
1328号公報記載の発明があるが、この発明では、3
つのポンプを同一原動機で駆動し走行駆動力を得るよう
にして走行トルクを最適値にしようとするものであり、
この発明では1つのポンプの吐出油を手動操作によって
アンロード状態にするか否かを選択できるようにしてい
る(従来例4)。
【0009】なお、この出願に係る駆動力切換装置のシ
フトダウンスイッチに関する従来技術としては特公平3
−30024号公報記載の発明があり、この発明では、
土砂を掘削する作業時等において、作業者が最適なタイ
ミングで且つ容易な操作で変速ギヤを2速から1速にシ
フトダウンさせることができるシフトダウンスイッチを
作業機操作レバーに設けた技術が記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例1の油圧回路は、バケットを土砂等に食い込ませる
ことによって回路内の圧油圧力が設定値以上に高くなら
ないとアンロード状態にはならないので、高掘削力、す
なわち高駆動力を必要とする作業時に作業者が意識的に
1つのポンプをアンロード状態にすることができない。
その上、積込み作業時のようにブームを上方に回動させ
ると回路圧が上昇して第2ポンプ53をアンロード状態
としてしまうので作業速度が遅くなってしまう。
【0011】また、上記従来例2の油圧回路は、従来例
1のようにブームを上方に回動させても所定角度でアン
ロード禁止スイッチが入るので回動途中で速度が遅くな
ることはないが、作業の内容によってはアンロード禁止
に切換えるスイッチの設定を変更しなければならない場
合もある。さらにこの従来例の場合、かき上げ作業時に
ブームを上方へ回動させる時のように、大きな車輪駆動
力を必要とするが作業機(ブーム・バケット)の速度は
遅くてもよい場合に作業者が大きな車輪駆動力を得たい
と望んでも任意にアンロード状態にすることは不可能で
ある。
【0012】このようにホイールローダにおける作業
は、例えばダンプ積込み作業時のように小さな駆動力で
も良いが迅速に作業したい時にはアンロード禁止が必要
で、かき上げ作業時のように低速でも良いが大きな駆動
力が必要である場合にはアンロード禁止が不要となるよ
うに様々な場合があるため、この従来例2のような圧油
の圧力だけでアンロード状態とする必要がある作業であ
るか否かを一義的に決定できるものではない。
【0013】また、上記従来例3も、この従来例2と同
様にポンプのアンロード状態を作業内容に応じて大きな
駆動力あるいは早い作業速度を得るように切換えること
ができない。
【0014】さらに、上記従来例4では手動操作によっ
てアンロードバルブを使用するか否かを選択できるよう
にしているが、この従来例4では上記従来例2で説明し
たように、小さな駆動力でも良いが迅速に作業したい場
合と低速でも良いが大きな駆動力が必要である場合とに
よって作業者が手動で弁を切換える必要があるため、非
常に煩雑な操作が必要となり様々な作業を行う作業現場
においては作業効率を向上させることが困難である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑みて、この
出願に係る発明は、変速ギアを2速から1速にシフトダ
ウンさせるシフトダウンスイッチを設け、作業者がこの
シフトダウンスイッチを入操作することにより、この操
作に連動して一方のポンプをアンロードさせてポンプの
吸収馬力を減らし、これによって車輪の駆動力を増強さ
せて高掘削力を発揮できるようにしている。これによっ
て駆動力(掘削力)と作業速度とをホイールローダの作
業に適した条件にして作業効率を向上させることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】この出願に係る発明は、同一の原
動機で駆動する第1ポンプと第2ポンプとを備え、第1
ポンプの吐出圧油をステアリング用操作弁に供給するス
テアリング用回路と、第2ポンプの吐出圧油を作業機用
操作弁に供給する作業機用回路と、これらの回路を合流
させる合流回路とを具備し、入操作で変速ギアを2速か
ら1速にシフトダウンさせるシフトダウンスイッチを設
けたホイールローダにおいて、前記作業機用回路に第2
ポンプの吐出する圧油をアンロードさせる切換弁を設
け、前記シフトダウンスイッチの入操作に連動して該切
換弁を切換えて第2ポンプをアンロード状態にし、変速
ギアをニュートラル又は後退に入れる操作に連動して該
切換弁のアンロード状態を解除する制御手段を設けてい
る。
【0017】これにより、シフトダウンスイッチで変速
ギアを2速から1速にシフトダウンさせることにより、
この操作に連動して第2ポンプがアンロード状態となる
のでポンプの吸収馬力が減少し、その馬力を車輪の駆動
力に使って高駆動力を発揮することができる。この第2
ポンプのアンロード状態は、作業者が車輪駆動力を必要
として行うシフトダウンスイッチの入操作に連動してい
る。また、1速による高駆動力を必要とする作業終了後
に変速ギアをニュートラル又は後退に切換えれば第2ポ
ンプのアンロード状態が解除されるので、バケット内の
被掘削物を早い速度で搬送あるいは積込みすることがで
きる。
【0018】さらに、同一の原動機で駆動する第1ポン
プ,第2ポンプ及び第3ポンプを備え、第1ポンプの吐
出圧油をステアリング用切換弁に、第2ポンプの吐出圧
油を流量調整弁に供給するステアリング用回路と、第3
ポンプの吐出圧油を作業機用操作弁に供給する作業機用
回路と、前記第2ポンプの回路と該第3ポンプの回路と
を合流させる合流回路を具備し、入操作で変速ギアを2
速から1速にシフトダウンさせるシフトダウンスイッチ
を設けたホイールローダにおいて、前記作業機用回路に
第2ポンプの吐出する圧油をアンロードさせる切換弁を
設け、前記シフトダウンスイッチの入操作に連動して該
切換弁を切換えて第2ポンプをアンロード状態にし、変
速ギアをニュートラル又は後退に入れる操作に連動して
該切換弁のアンロード状態を解除する制御手段を設けて
も同様であり、シフトダウンスイッチで変速ギアを2速
から1速にシフトダウンさせることにより、この操作に
連動して第2ポンプがアンロード状態となるのでポンプ
の吸収馬力が減少し、その馬力を車輪の駆動力に使って
高駆動力を発揮することができる。この第2ポンプのア
ンロード状態は、作業者が車輪駆動力を必要として行う
シフトダウンスイッチの入操作に連動している。また、
1速による高駆動力を必要とする作業終了後に変速ギア
をニュートラル又は後退に切換えれば第2ポンプのアン
ロード状態が解除されてバケット内の被掘削物を早い速
度で搬送あるいは積込みすることができる。
【0019】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一例を図面に基
づいて説明する。図1はこの出願に係る発明における第
1実施例の通常時を示す油圧回路図であり、図2は同実
施例のアンロード状態時を示す油圧回路図である。
【0020】図示するように、この第1実施例は2ポン
プ方式であり、原動機1で駆動される第1ポンプ2と第
2ポンプ3とが設けられ、第1ポンプ2の圧油配管4は
ステアリング用操作弁6の流量調整弁5Aと接続され、
この流量調整弁5Aで圧油の流量が調整されてステアリ
ング用切換弁5Bへと供給される。この回路がステアリ
ング用回路である。そして、ステアリング用切換弁5B
は配管7によってステアリングシリンダ8に接続されて
いる。また、ステアリング用切換弁5Bには戻り配管9
が設けられ、ステアリングシリンダ8を駆動した後の圧
油をタンクTへ戻すように構成されている。
【0021】第2ポンプ3の圧油配管10は逆止弁11
を介して作業機用操作弁12に接続されている。この回
路が作業機用回路である。そして、作業機用操作弁12
は配管13,15によってバケットシリンダ14および
ブームシリンダ16と接続されている。また、バケット
シリンダ14およびブームシリンダ16を駆動した後の
圧油と不使用時の圧油は、作業機用操作弁12に設けら
れた戻り配管17からタンクTへ戻すように構成されて
いる。
【0022】そして、上記流量調整弁5Aと作業機用操
作弁12との間が合流回路である合流配管18によって
接続されており、ステアリング不使用時には第1ポンプ
2の圧油を流量調整弁5Aから合流配管18を介して作
業機用操作弁12へ全量供給して、大流量の圧油によっ
て迅速な作業ができるように構成されている。
【0023】一方、この出願に係る発明では上記原動機
1でトルクコンバータCを介して駆動される走行用の変
速機G内に設けられた変速ギアを2速から1速にシフト
ダウンするためのシフトダウンスイッチ19が設けられ
ており、このシフトダウンスイッチ19の入操作を検知
するコントローラ20とが配線21によって電気的に接
続されている。また、このコントローラ20と変速機G
との間も配線22によって電気的に接続されており、シ
フトダウンスイッチ19を入操作することによってコン
トローラ20が変速機G内のギアを2速から1速にシフ
トダウンするように構成されている。なお、コントロー
ラ20には、前後進切換レバーL1 と速度段切換レバー
2 との信号が入力されるように電気的に接続されてい
る。
【0024】また、上記第2ポンプ3と逆止弁11との
間の圧油配管10には枝管23が設けられており、この
枝管23に切換弁24が設けられている。この切換弁2
4を通った圧油は戻り配管25によってタンクTへ戻る
ように構成されている。この切換弁24は通常は図1の
状態で管路を閉鎖しており、第2ポンプ3から吐出した
圧油が戻り配管25側へ流れることはない。
【0025】そして、上記コントローラ20とこの切換
弁24とが配線26によって電気的に接続されており、
シフトダウンスイッチ10を入操作することによってコ
ントローラ20が切換弁24を図1の閉鎖状態から図2
の連通状態に切換えるように構成されている。
【0026】以上のように構成された第1実施例に係る
ホイールローダの駆動力切換装置によれば、以下のよう
に作用して駆動力を切換えることができる。
【0027】すなわち、迅速性が必要となるような積込
作業時等においては、図1に示すように第1ポンプ2の
吐出した圧油でステアリング駆動用に用いられなかった
圧油(黒矢印)と第2ポンプ3の吐出した圧油(白矢
印)とを作業機用操作弁12に供給し、これらの大流量
の圧油によって作業機用操作弁12がバケットシリンダ
14あるいはブームシリンダ16を迅速に動かして効率
的な作業を行うことができる。この時の原動機1が2つ
のポンプ2,3を駆動しているため車輪の駆動力は小さ
い。また、第2ポンプ3から吐出した圧油は枝管23へ
も流れるが切換弁24で阻止されている。
【0028】一方、掘削作業時等のような低速作業を行
う時には、シフトダウンスイッチ19を入操作すること
によってコントローラ20が変速機Gの変速ギアを2速
から1速にシフトダウンする。するとこの入操作に連動
してコントローラ20が切換弁24を図2の連通状態に
切換える。そのため、第2ポンプ3から吐出した圧油
(白矢印)は切換弁24を介して戻り配管25からタン
クTへ戻ることとなり、第2ポンプ3はアンロード状態
となる。
【0029】従って、この状態では第1ポンプ2から吐
出した圧油(黒矢印)のみが流量調整弁5Aと合流配管
18とを介して作業機用操作弁12へと供給されること
となる。この時、合流配管18内の圧油は逆止弁11に
よって枝管23側へ流れることはない。
【0030】このようにして一方のポンプをアンロード
状態にするとポンプの吸収馬力が減少するため、その分
の原動機1の馬力を車輪駆動力に使い、これによって作
業能力を増強させることができる。しかも、この出願に
係る発明では、シフトダウンスイッチ19に連動して変
速ギアのシフトダウンと第2ポンプ3のアンロード状態
への切換えを同時に行っているため、第2ポンプ3をア
ンロードするための特別の操作を必要とせずに車輪駆動
力の増強が自動的に行われる。
【0031】このことは、この種ホイールローダにおい
ては大駆動力を必要とする作業時には作業速度は遅い方
が良いので、シフトダウンスイッチ19の入操作のみに
よってこれら駆動力と速度との関係を自動的に適した状
態とすることができることになる。
【0032】また、シフトダウンスイッチ19の入操作
によって2速から1速に切換えた変速ギアを前後進切換
レバーL1 によってニュートラル又は後退に切換えるこ
とにより、このレバーL1 からの信号がコントローラ2
0へと伝えられ、コントローラ20が切換弁24を連通
状態から閉鎖状態へと切換える。つまり、切換弁24の
アンロード状態が解除されることとなる。これによって
第2ポンプ3の圧油は圧油配管10から作業機用操作弁
12へと供給されることとなるため、両ポンプ2,3に
よって迅速なバケットあるいはブームの回動操作を行う
ことができる。
【0033】このことは、例えばホイールローダによっ
て掘削した被掘削物をダンプに積込む作業を行う場合、
掘削時には低速で高掘削力が必要となるのでシフトダウ
ンスイッチ19を操作すると同時に第2ポンプ3がアン
ロード状態となって1ポンプになり高駆動力を発揮する
ことができ、掘削した被掘削物をダンプに積込む場合に
は変速ギアを後退に入れると同時に第2ポンプ3のアン
ロード状態が解除されて2ポンプとなって迅速なブーム
の上昇やバケットの回動を行うことができるので、全体
的な作業の流れを効率的に行うことが可能となる。
【0034】また、かき上げ作業時には常に低速で作業
するため、バケットを土砂に食い込ませる直前に行うシ
フトダウンスイッチ19の入操作のみでブームを上方に
回動させる時においても高駆動力を発揮することが可能
となる。
【0035】次に、この出願に係る発明の第2実施例を
図3に示す通常時の油圧回路図に基づいて説明する。な
お、上記第1実施例と同一の構成については同一符号を
付してその説明は省略する。
【0036】図示するように、この第2実施例は3ポン
プ方式であり、原動機1で駆動される第1ポンプ2と第
2ポンプ3と第3ポンプ30とが設けられている。第1
ポンプ2の圧油配管27はステアリング用操作弁6のス
テアリング用切換弁5Bと接続され、第2ポンプ3の圧
油配管28はステアリング用操作弁6の流量調整弁5A
と接続されており、第1ポンプ2の圧油はステアリング
専用に用いられ第2ポンプ3の圧油は第1ポンプ2に不
足分を生じた時のみに必要量の圧油が流量調整弁5Aで
調整されてステアリング用切換弁5Bへと供給される。
この回路がステアリング用回路である。圧油配管28に
は流量調整弁5A側から圧油が逆流するのを防止する逆
止弁29が設けられている。
【0037】第3ポンプ30は圧油配管31を介して作
業機用操作弁12に接続されている。この回路が作業機
用回路である。
【0038】そして、上記流量調整弁5Aと作業機用操
作弁12との間が合流配管18によって接続されてお
り、ステアリング不使用時には第2ポンプ3の圧油全量
を流量調整弁5Aから合流配管18を介して作業機用操
作弁12へ供給し、大流量の圧油によって迅速な作業が
できるように構成されている。
【0039】これら以外の構成については上述した第1
実施例と同一であるため、その説明は省略する。
【0040】以上のように構成された第2実施例に係る
ホイールローダの駆動力切換装置によれば、以下のよう
に作用して駆動力を切換えることができる。
【0041】すなわち、迅速性が必要となるような積込
作業時等においては、図3に示すように第2ポンプ3の
吐出した圧油でステアリング駆動用に用いられなかった
圧油(白矢印)と第3ポンプ30の吐出した圧油(黒矢
印)とを作業機用操作弁12に供給し、これらの大流量
の圧油によって作業機用操作弁12がバケットシリンダ
14あるいはブームシリンダ16を迅速に動かして効率
的な作業を行うことができる。この時の原動機1で3つ
のポンプ2,3,30を駆動しているため車輪の駆動力
は小さいが迅速な作業ができる。また、第2ポンプ3か
ら吐出した圧油は枝管23へも流れるが切換弁24で阻
止されている。
【0042】一方、掘削作業時等のような低速作業を行
う時には、シフトダウンスイッチ19を入操作すること
によってコントローラ20が変速機Gの変速ギアを2速
から1速にシフトダウンする。するとこの入操作に連動
してコントローラ20が切換弁24を連通状態(図2参
照)に切換える。そのため、第2ポンプ3から吐出した
圧油(白矢印)は切換弁24を介して戻り配管25から
タンクTへ戻ることとなり、第2ポンプ3はアンロード
状態となる(図2の白矢印参照)。
【0043】従って、この状態では第3ポンプ30から
吐出した圧油(黒矢印)のみが作業機用操作弁12へと
供給されることとなる。
【0044】このようにして1つのポンプをアンロード
状態にするとポンプの吸収馬力が減少するため、その分
の原動機1の馬力を車輪駆動力に使い、これによって作
業能力を増強させることができる。しかも、上述した第
1実施例と同様に、シフトダウンスイッチ19に連動し
て変速ギアのシフトダウンと第2ポンプ3のアンロード
状態への切換えを同時に行っているため、第2ポンプ3
をアンロードするための特別の操作を必要とせずに車輪
駆動力の増強が自動的に行われる。
【0045】従って、この第2実施例でも上述した第1
実施例と同様に、シフトダウンスイッチ19の入操作の
みによってこれら駆動力と速度との関係を自動的に適し
た状態とすることができるとともに、シフトダウンスイ
ッチ19で1速に切換えた変速ギアをニュートラル又は
後退に切換えることにより切換弁24のアンロード状態
を解除してポンプ3,30による迅速なバケットあるい
はブームの回動操作を行うことができ、これらによって
ホイールローダによる全体的な作業の流れを効率的に行
うことが可能となる。
【0046】なお、上記第1および第2実施例では第2
ポンプ3のアンロード手段として切換弁24のみを用い
ているが、図4の油圧回路図に示すように、ベントポー
ト付アンローダ弁32と切換弁33との組合せにすれば
切換弁33を小容量にしたアンロード手段を構成するこ
とができる。このアンロード手段は、他の公知の電気信
号によるアンロード手段を用いてもよく、これらの構成
に限定されるものではない。
【0047】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うに構成しているので、以下に記載するような効果を奏
する。
【0048】請求項1および2に係るホイールローダの
駆動力切換装置によれば、作業者がシフトダウンスイッ
チを入操作するのみで第2ポンプをアンロード状態にし
て高駆動力を得ることができ、変速ギアをニュートラル
又は後退に切換えることによってポンプのアンロード状
態が解除されて迅速な作業を行うことができるので、駆
動力と作業機速度の関係を好ましい条件にすることが容
易に可能となり、ホイールローダによる作業の流れを効
率的に行って全体的な作業効率を向上させることが可能
となる。
【0049】特に、請求項1では2ポンプの構成、請求
項2では3ポンプの構成において、上記効果を奏するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係るホイールローダの駆動力切換装
置における第1実施例の通常時を示す油圧回路図であ
る。
【図2】図1の回路のアンロード状態時を示す油圧回路
図である。
【図3】この出願に係るホイールローダの駆動力切換装
置における第2実施例の通常時を示す油圧回路図であ
る。
【図4】図1に示す駆動力切換装置において他のアンロ
ード手段を用いた通常時を示す油圧回路図である。
【図5】従来のホイールローダの油圧回路図である。
【符号の説明】
1…原動機 2…第1ポンプ 3…第2ポンプ 4…圧油配管 5A…流量調整弁 5B…ステアリング用切換弁 6…ステアリング用操作弁 7,13,15…配管 8…ステアリングシリンダ 9,17,25…戻り管 10…圧油配管 11…逆止弁 12…作業機用操作弁 14…バケットシリンダ 16…ブームシリンダ 18…合流配管 19…シフトダウンスイッチ 20…コントローラ 21,22,26…配線 23…枝管 24…切換弁 27…圧油配管 28…圧油配管 29…逆止弁 30…第3ポンプ 31…圧油配管 32…ベントポート付アンローダ弁 33…切換弁 T…タンク G…変速機 C…トルクコンバータ L1 …前後進切換レバー L2 …速度段切換レバー

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の原動機で駆動する第1ポンプと第
    2ポンプとを備え、第1ポンプの吐出圧油をステアリン
    グ用操作弁に供給するステアリング用回路と、第2ポン
    プの吐出圧油を作業機用操作弁に供給する作業機用回路
    と、これらの回路を合流させる合流回路とを具備し、入
    操作で変速ギアを2速から1速にシフトダウンさせるシ
    フトダウンスイッチを設けたホイールローダにおいて、 前記作業機用回路に第2ポンプの吐出する圧油をアンロ
    ードさせる切換弁を設け、前記シフトダウンスイッチの
    入操作に連動して該切換弁を切換えて第2ポンプをアン
    ロード状態にし、変速ギアをニュートラル又は後退に入
    れる操作に連動して該切換弁のアンロード状態を解除す
    る制御手段を設けたことを特徴とするホイールローダの
    駆動力切換装置。
  2. 【請求項2】 同一の原動機で駆動する第1ポンプ,第
    2ポンプ及び第3ポンプを備え、第1ポンプの吐出圧油
    をステアリング用切換弁に、第2ポンプの吐出圧油を流
    量調整弁に供給するステアリング用回路と、第3ポンプ
    の吐出圧油を作業機用操作弁に供給する作業機用回路
    と、前記第2ポンプの回路と該第3ポンプの回路とを合
    流させる合流回路を具備し、入操作で変速ギアを2速か
    ら1速にシフトダウンさせるシフトダウンスイッチを設
    けたホイールローダにおいて、 前記作業機用回路に第2ポンプの吐出する圧油をアンロ
    ードさせる切換弁を設け、前記シフトダウンスイッチの
    入操作に連動して該切換弁を切換えて第2ポンプをアン
    ロード状態にし、変速ギアをニュートラル又は後退に入
    れる操作に連動して該切換弁のアンロード状態を解除す
    る制御手段を設けたことを特徴とするホイールローダの
    駆動力切換装置。
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