JP2740636B2 - パイロット式ダイヤフラム弁 - Google Patents

パイロット式ダイヤフラム弁

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JP2740636B2
JP2740636B2 JP6306853A JP30685394A JP2740636B2 JP 2740636 B2 JP2740636 B2 JP 2740636B2 JP 6306853 A JP6306853 A JP 6306853A JP 30685394 A JP30685394 A JP 30685394A JP 2740636 B2 JP2740636 B2 JP 2740636B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水や薬液等を流体とし
て、弁の開閉によりその流体の制御を行うパイロット電
磁弁に関し、特に、弁の開閉によって起るウォータハン
マ現象の発生を防止した電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、流体の流量や圧力を制御するもの
として、図9に示すようなパイロット電磁弁が一般的に
使用されている。これを第1従来例として以下説明す
る。この電磁弁は、大きく分けて上半分のソレノイド部
と下半分の弁部とで構成されている。そのソレノイド部
の中心には、両端部にフランジを有する中空円筒状のコ
イルボビン31の胴部に銅線が巻かれたコイル32があ
り、そのコイル32の外周は磁気枠33によって囲まれ
ている。コイルボビン31の円筒内には、非磁性体金属
材料から成るガイドパイプ34が下から嵌合され、その
上部円筒内には固定鉄心35が嵌着されている。また、
ガイドパイプ34の内側には、プランジャ36が上下方
向に移動可能に復帰バネ39によって上方から付勢され
て嵌合保持されている。そして、ソレノイド部は樹脂3
7により全体が一体化するようにモールド固定されてい
る。
【0003】次に、パイロット電磁弁の下半分を構成す
る弁部には、弁本体40に穿設された流入ポート41、
流出ポート42と、プランジャ36下部にダイアフラム
弁体47によって仕切られた弁室43、そして流入ポー
ト41と流出ポート42との間に弁座44が構成されて
いる。そして弁座44を連通する弁孔45をダイアフラ
ム弁体47が塞いでいる。また、そのダイアフラム弁体
47には細孔47aが形成され、かつその中心を貫く軸
芯48にパイロット孔48aが形成されている。そし
て、前記プランジャ36の下端には弁体38がこのパイ
ロット孔48aを塞ぐようにして上下に設けられ、その
両者は引張バネ49によって掛止めされている。
【0004】このような構成を有するパイロット電磁弁
は次のように作用する。プランジャ36は、復帰バネ3
9により下向きに付勢され、ダイアフラム弁体47が弁
座44に当接し弁孔45を塞いでいる。これにより、流
入ポート41と流出ポート42とは遮断され流体は流れ
ない。一方、コイル32に電流が流されると、固定鉄心
35の上下方向に磁界が発生し、固定鉄心35はプラン
ジャ36を吸引する。この吸引力は、復帰バネ39のバ
ネ力よりも強いので、プランジャ36は、固定鉄心35
に当接する位置まで移動する。このとき引張バネ49が
伸び弁体38と軸芯48が離れてパイロット孔48aが
開孔し、弁室43内の圧力低下により流入側との差圧に
よってダイアフラム弁体47が上方へ引かれる。これに
より、ダイアフラム弁体47が弁座44から離れて流入
ポート41と流出ポート42が連通し、流体が流れるこ
ととなる。
【0005】ところで、従来から液圧管路系内において
はその末端の弁の急激な作用により、液体の運動エネル
ギが圧力エネルギに変換されてウォータハンマが発生す
ることが問題となっている。というのも、ウォータハン
マによって発生する異常音が騒音となり、また、管路部
材やその管路内の機器が破損する等の事故を引き起こす
恐れがあるためであり、電磁弁の作成にあたってはこの
ウォータハンマの発生に十分な注意を払う必要がある。
しかし、上記第1従来例で示したダイアフラム電磁弁で
は、差圧方式を採用するものであるため、閉弁の直前に
ダイアフラム弁体47が急速に弁座44側に向けて移動
し当接する。このとき、弁孔45は急激に閉じられるた
め、流入ポート41から流出ポート42へ流れていた流
体がダイアフラム弁体47によって急にせき止められ、
液体のもっていた運動エネルギが圧力エネルギに変換さ
れることによりウォータハンマが発生する。
【0006】そこで、従来では閉弁時の絞り作用および
流体圧力による揚力を利用した電磁弁が開示されてい
る。次に、そのような電磁弁を開示した公昭56−3
7173号公報のものを第2従来例として説明する。図
10はその第2従来例に係るパイロット電磁弁の断面を
示した図である。これは、液圧用ダイアフラム弁が使用
されており、弁座面に対し当り面が直角方向に移動する
ダイアフラム弁体61に弁孔62中に係合する厚肉部6
3を設けると共に、弁座64と弁孔内周面65との接続
部が凸曲面66によって形成されている。ダイアフラム
弁体61には弁座64に当接する当り面67と厚肉部6
3との接続部が弁座64と弁孔内周面65との接続部の
曲面より曲率半径の大きい凹曲面69となるように形成
されている。また、ダイアフラム弁体61の厚肉部63
外周面68間の環状の間隔が次第に小さくなるように形
成されている。
【0007】このような構成により、閉弁時には厚肉部
63が弁孔62中に挿入されて、弁座64の凸曲面66
と厚肉部63の外周面68とで流路が絞られ、凹曲面6
9の外側の当り面67と弁座64の凸曲面とが当接する
ことにより閉弁されて流体の流れが遮断される。このと
き、ダイアフラム弁体61の凹曲面69の外側の当り面
等の流体による揚力が働き、閉弁直前の流体運動エネル
ギが時間的に分散されて圧力上昇が緩和され、弁体の閉
弁速度が減少させられる。そのためウォータハンマが比
較的防止される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような第
2従来例のものでは、長時間の使用によりダイアフラム
61には伸びが発生するため、ダイアフラム弁体61が
弁座64に傾いた状態で当接するこがある。特にダイア
フラム電磁弁は差圧方式を取るため、ダイアフラムに瞬
間的に偏った圧力がかかり、伸びが生じたダイアフラム
弁体61であれば傾いた状態で閉弁が行われる。具体的
には図11に示したように、ダイアフラム弁体61の厚
肉部63が弁座に一度乗り上げた後に閉弁することとな
る。そして、このような場合には、ダイアフラム弁体6
1および弁座64の当接面に曲面を形成したことの効果
は発揮されず、流入ポートから流出ポート側へ流れる流
体の管内の流速が急激に変化し、ウォータハンマが発生
することとなる。
【0009】そこで、本発明では、安定した弁体の運動
によりウォータハンマの発生を防止した電磁弁を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のパイロット電磁弁は、弁座面と弁孔内周面との接続
部を曲面で形成した弁座と、弁孔内に入り込む挿入部を
設けるとともに、その挿入部が形成された先端面と挿入
部側面との連続部を曲面で形成した弁体とを有し、閉弁
過程では、挿入部が弁孔内へ進入するにつれて弁孔内周
面と挿入部側面との間の環状間隙が次第に小さくなり、
閉弁完了時には弁座と弁体に形成された前記両曲面が当
接するように構成されたものであって、前記弁体と一体
に同軸上に設けられたガイド軸と、弁座と弁体に形成さ
れた前記両曲面とが位置ずれしないで当接するよう前記
ガイド軸の移動を案内するガイド孔とを有するものであ
る。また、本発明のパイロット電磁弁は、前記ガイド軸
が弁体上部に形成され、その直径がプランジャより大き
い円柱形で、且つ常にガイド孔内に半分以上が挿入され
ていることが望ましい。また、本発明のパイロット電磁
弁は、前記プランジャが上昇する際にその下部に設けら
れたガイド軸を上方へ付勢するよう、プランジャとガイ
ド軸との間で掛止めされた引張バネを有することが望ま
しい。また、前記弁座に形成された弁座面と弁孔内周面
との接続部の曲面と、前記弁体に形成された弁体先端面
と挿入部側面との連続部の曲面とが同一または略同一の
曲率半径であることが望ましい。更に、本発明のパイロ
ット電磁弁は、前記ガイド軸が一体に形成された弁体が
ダイアフラム弁体であることが望ましい。
【0011】
【作用】このような構成による本発明の電磁弁は以下の
ように作用する。即ち、プランジャの回りに設けられた
コイルが通電されると、そのコイルの中空部に摺動可能
に嵌合されたプランジャが励磁されて上下に移動する。
そして、プランジャの上下動に伴って弁体が上下に移動
し、下降したときに弁体が弁座に当接して閉弁が行われ
る。このような閉弁過程において、前記弁体と一体に同
軸上に設けられたガイド軸が真直に移動するようにガイ
ド孔内を摺動し、そして弁体の挿入部が真直に弁孔内へ
進入するにつれて弁孔内周面と挿入部側面との間の環状
間隙が次第に小さくなり、閉弁完了時には弁座面と弁孔
内周面との接続部に形成された曲面と弁体先端面と挿入
部側面との連続部に形成された曲面とが位置ずれしない
で確実に当接する。そのため、弁孔を通って流入ポート
から流出ポートへ流れていた流体は弁体によってその流
れが遮断されるが、弁孔内周面と挿入部側面との間の環
状間隙が次第に小さくなるように閉弁されることと、更
に弁座側の曲面と弁体側の曲面とがガイド軸とガイド孔
との案内により確実に当接することにより、流体による
揚力が働き流体を絞りながら流体の運動エネルギを分散
させて衝撃を緩和した閉弁が行われる。
【0012】また、本発明のパイロット電磁弁は、弁の
開閉に際して上下に移動する弁体と一体に形成されたガ
イド軸が、その弁体の移動に伴ってガイド孔内を摺動す
るが、そのガイド軸が弁体の上部、即ちプランジャと弁
体との間でそのプランジャからの運動を安定した形で伝
達する。しかもガイド孔内に半分以上が挿入されている
状態で摺動することにより更にその安定性が増す。ま
た、本発明のパイロット電磁弁は、前記プランジャが上
昇する際にその下部に設けられたガイド軸を引張バネが
上方へ付勢し、弁の差圧が少ない場合にもプランジャの
上昇に伴ってガイド軸が上方へ引っ張られ弁が全開す
る。また、閉弁時には前記弁座に形成された弁座面と弁
孔内周面との接続部の曲面と、前記弁体に形成された弁
体先端面と挿入部側面との連続部の曲面とが同一または
略同一の曲率半径であるため、曲面同士が当接して気密
な閉弁が行われる。更に、本発明のパイロット電磁弁
は、前記ガイド軸がガイド孔内を摺動し、ダイアフラム
弁体が安定した弁の開閉を行う。
【0013】
【実施例】以下本発明の電磁弁の第1実施例を図面を示
して説明する。図1、図2は本発明の電磁弁の第1実施
例の断面を示した図であり、図1に閉弁時、図2に開弁
時の状態を示した。本実施例では上記第1従来例の電磁
弁と共通する部分が多く、そのような構成部品には同符
号を付して説明の詳細は省略する。本実施の電磁弁は、
上記第1従来例のものと同様に上半分のソレノイド部と
下半分の弁部とより構成されている。そして、そのソレ
ノイド部は、中空円筒状のコイルボビン31に巻かれた
コイル32の外周を囲んで磁気枠33が形成され、更に
この外面は樹脂37により全体が一体化するようにモー
ルド固定されている。一方、コイルボビン31の円筒内
には、ガイドパイプ34が挿入固定され、その上方には
固定鉄心35が挿入されて固定され、その固定鉄心35
の下方にはプランジャ36が上下方向に移動可能に挿入
されている。
【0014】一方弁部には、弁本体40に穿設された流
入ポート41と流出ポート42とを連通させる弁座2の
弁孔45を塞ぐ弁体1が、ダイアフラム弁体47を挟む
ようにして構成されている。また、弁体1の上面の中心
にはガイド軸3が弁体1と一体に形成され、その弁体1
からガイド軸3の上端にかけてパイロット孔48aが形
成されている。そして、弁本体40の蓋部5には、ガイ
ド軸3がプランジャ36と同一直線上を真直に移動する
ようにガイド孔4が設けられている。ここで、ガイド軸
3はプランジャ36よりその直径が大きく所定長さの円
柱形状をなす一方、ガイド孔4は中空円筒形状をなし、
そのガイド軸3が摺動可能なようにガイド軸3の直径と
ガイド孔4の内周の直径が略同一寸法で形成されてい
る。そして、本実施例ではガイド軸3の安定した移動を
確保するためにガイド軸3及びガイド孔4は、図1、図
2に示すように開弁時及び閉弁時のいずれにおいてもガ
イド軸3の半分以上がガイド孔4内に収まるように配設
されている。
【0015】ここで、本実施例の電磁弁の弁体1及び弁
座2を詳細に説明する。図3は、弁体1と弁座2を拡大
した図である。これによると弁座2は、弁体1に向かう
緩やかに傾斜した弁座面12と、中心に2つのポートを
連通する弁孔45を構成する内周面11とにより形成さ
れている。そして、弁孔45を形成する内周面11と弁
座面12とが連続する先端部13は、曲面によって形成
されている。一方弁体1は、弁座2と係合する先端面1
4に断面が台形で円形の挿入部15が形成され、先端面
14との連続面16は曲面によって形成されている。こ
の連続面16の曲面は、上記弁座2の先端部13の曲面
と気密に当接するよう同一又は同等の曲率半径Rで形成
されている。
【0016】更に上記弁体1の先端面14に形成された
挿入部15との連続面16と、弁座2の先端部13の拡
大断面図を図4に示す。これからも分かるように、先端
部13の内周面11側の曲面と連続面16との曲率半径
Rが同一又は同等に設計されているため、両面は密に接
合している。
【0017】次に、上記構成を有する本実施例の電磁弁
の動作について説明する。先ず、開弁状態を示す図2の
ように、コイル32に電流が流されると、固定鉄心35
の上下方向に磁界が発生してプランジャ36を吸引す
る。この吸引力は、復帰バネ39のバネ力よりも強いの
で、プランジャ36は、固定鉄心35に当接する位置ま
で移動する。この時、引張バネ49はプランジャ36に
よって上方に引っ張られるが、弁室43の圧力が高いた
め弁体1の上昇は制限されて引張バネ49が伸びる。そ
のため、パイロット孔48aが開孔して弁室43内の圧
力が下がることにより弁体1が弁室43と流入側の圧力
差によって上昇する。これにより、弁体1が弁座2から
離れて流入ポート41と流出ポート42とが連通して流
体が流れる。このとき、プランジャ36とガイド軸3が
引張バネ49で引っ張られているので、液体の圧力が極
めて低い場合でもダイアフラム弁体47に支持された弁
体1は確実に上昇して開弁し、その後の開弁状態が安定
保持されるので誤動作を行うことがない。
【0018】次に、図2に示したような開弁状態から図
1に示すような閉弁状態に移る場合は、コイル32への
通電を止めればプランジャ36は復帰バネ39により下
向きに付勢されて下降する。そして、プランジャ36の
下降に伴ってダイアフラム弁体47に形成された細孔4
7aから流体が弁室43に流入し、弁室43の圧力が高
められて復帰バネ39の付勢力とともに弁体1が弁座2
へ当接する。ところで、弁体1が下降する際には先端面
14に形成された挿入部15が弁座2の弁孔45に挿入
される。このとき挿入部15が弁孔45内へ進入するに
つれて弁孔45内の側面11と挿入部15の側面17と
の間の環状間隙18が次第に小さくなり、閉弁完了時に
は先端部13と連続面16との曲面が密接に当接する。
【0019】また、このように、弁体1が上下動すると
きにはその弁体1とともにガイド軸3も上下動するが、
その際、ガイド軸3は常にガイド孔4の内周面を摺動し
て真直に移動するので、弁体1と弁座2は、その曲率半
径が同一あるいは同等の寸法Rで形成されたその連続面
16と先端部13とが安定した閉弁動作を行う。即ち、
弁孔45内の側面11と挿入部15の側面17との間の
環状間隙18を均等な間隔で小さくし、弁座2の先端部
13が弁体1の連続面16と常に同じ位置で当接するこ
ととなる。そのため、環状間隙18が次第に小さくなっ
て流出しようとする流体の流量が制限され、更に先端部
13と連続面16との曲面によってその流量が絞られる
ことにより流体による揚力が働き、弁体1の閉弁速度が
減少させられ急激な圧力変化を防止する。
【0020】従って、上記構成を有する第1実施例の電
磁弁によれば、ガイド軸3が弁体1の開閉動作に際して
常にガイド孔4の内周面を摺動することにより安定した
直線移動が行われる。そのため、上記第2従来例で示し
た如く弁体1の下端に形成した挿入部15の先端面が弁
座2に当たってしまうと言ったことも解消され、弁体1
の連続面16と弁座2の先端部13とが常に当接されて
以下のような効果を奏する。先ず、本実施例の電磁弁の
ようなダイアフラム弁を使用するものでは、閉弁時に弁
体1が傾くことがないため、ダイアフラム弁体47が伸
びたとしても、弁体1の挿入部15が真直に下降し弁孔
に挿入されることにより、挿入部15の連続面16およ
び側面17等に流体による揚力が働きウォータハンマが
抑制される。
【0021】ここで、本実施例で示した電磁弁と上記第
1従来例で示した電磁弁を使用してウォータハンマの発
生状況について実験を行ったので、ここにその実験方法
と実験結果について説明する。図5は本実験を行った測
定回路を示した図である。本実験では図に示すように水
が入れられたタンク21に、そのタンク21内の水量を
調節するための水圧源22がストップバルブ23aを介
して接続されている。また他方ではタンク21内に供給
された水を加圧するための圧縮機24が減圧弁25を介
して接続されている。更に、タンク21はストップバル
ブ23bを介して当該実験を行う試供電磁弁27にパイ
プ26を介して接続され、その試供電磁弁27には電磁
弁にかかる圧力波形を検出するアナライジングレコーダ
28に接続されている。一方パイプ26は試供電磁弁2
7の手前で分岐して、ストップバルブ23c及び圧力計
29とともに圧力変換器30が接続されている。そし
て、圧力変換器30はアナライジングレコーダ28に接
続されている。
【0022】このような測定回路の実験装置おいて行う
測定方法は次の通りである。即ち、水圧源22からタン
ク21内に供給された水は、空気圧縮機24によって所
定圧力が加えられてパイプ26を通って試供電磁弁27
に圧力水として流れ込む。この時、試供電磁弁27のコ
イルを通電して開弁状態にしておき、減圧弁25を調節
してこの試供電磁弁27に流れ込む水の圧力を1.5k
gf/cm2 に調節する。そして、係る水圧をかけた状
態で試供電磁弁27の開弁及び閉弁を繰り返し、そのと
きの圧力波形をアナライジングレコーダ28によって記
録する。
【0023】この記録結果を図6及び図7に示す。図6
は本発明の電磁弁で、図7は従来の電磁弁に係るもので
あり、開弁A(P)および閉弁B(Q)を1サイクルと
してA−B−A,P−Q−Pを示したものである。従っ
て両者を比較すると開弁時のA−B間及びP−Q間はと
もに約0.15MPaを示し、閉弁時のB−A間及びQ
−P間の安定時期は約0.36MPaを示し、ともに安
定している。そこで、両者に大きく差が現れるのは閉弁
直後であり、本実施例のもののように安定な直線運動を
行って閉弁されるものでは、弁体に急激な閉弁を抑える
ように揚力が確実に働くため、従来のものに比べて格段
に閉弁時発生する水圧変化が小さくなり、ウォータハン
マの影響を抑制し配管への負担が小さくなり寿命の長い
電磁弁を実現することが可能となった。
【0024】次に、本発明の電磁弁に係る第2実施例に
ついて説明する。図8は、本実施例の断面を示した図で
ある。本実施例では上記第1実施例の電磁弁と共通する
構成部分については同符号を付してその説明の詳細は省
略する。本実施の電磁弁についても上半分のソレノイド
部と下半分の弁部とより構成され、ソレノイド部は、中
空円筒状のコイルボビン31に巻かれたコイル32の外
周を囲んで磁気枠33が形成され、そのコイルボビン3
1の円筒内には、ガイドパイプ34が挿入固定され、そ
の上方には固定鉄心35が挿入され固定され、その固定
鉄心35の下方にはプランジャ36が上下方向に移動可
能に挿入されている。そして、そのプランジャ36の下
端には弁体50が上方からインナーバネ51に付勢さ
れ、後述するパイロット孔23を塞ぐようににて設けら
れている。
【0025】一方弁部には、弁本体40に穿設された流
入ポート41と流出ポート42を連通させる弁座25の
弁孔45を塞ぐ弁体27が保持部材21に周りをつかま
れている。その保持部材21は円形をなし、周りに摺動
リング28がはめ込まれた状態で弁室43内を上下方向
に摺動可能に配設されている。また、弁体27の上面の
中心にはパイロット孔23が形成された軸芯26が保持
部材21と弁体27を貫いて設けられている。そして、
その軸芯26にはパイロット孔23を備え弁体27の下
方に伸びた支持部22が形成されている。ところで、出
力ポート42側の第2室46には前記プランジャ36、
弁体50及びガイド軸22の同一直線上にガイド部材2
4が形成されている。これは、ガイド軸22が摺動可能
なようにそのガイド軸22の外形寸法と略同一寸法の内
径を有するもので第2室46の側面に形成されている。
ところで、本実施例の電磁弁に使用される弁体27及び
弁座25は、上記第1実施例で図3、図4をもって示し
たものと同様なのでその詳細は割愛する。
【0026】次に、上記構成を有する本実施例の電磁弁
の動作について説明する。コイル32に電流が流される
と、固定鉄心35の上下方向に磁界が発生し、固定鉄心
35は電磁石となってプランジャ36を吸引する。この
吸引力は、復帰バネ39のバネ力よりも強いので、プラ
ンジャ36は、固定鉄心35に当接する位置まで移動す
る。この時、引張バネ49にはプランジャ36によって
上方に引っ張られて伸びるため、パイロット孔23が開
孔され弁室43内の圧力が下がり弁体27が弁室43と
流入側の圧力差によって上昇する。これにより、弁体2
7が弁座25から離れて流入ポート41と流出ポート4
2とが連通する。
【0027】そして、コイル32への通電を止めると、
コイル32に電流が流されなくなり、プランジャ36は
復帰バネ39により下向きに付勢される。そして、プラ
ンジャ36の下降に伴って弁体27も下降し、その弁体
27の先端面14に形成された挿入部15が弁座25の
弁孔45に挿入される。この時、インナーバネ51の作
用により軸芯26を押す弁体50の荷重が軽減され、そ
れに伴って弁室43内を摺動リング28を摺動させて下
降する弁体27の弁座25への当接時の衝撃を和らげる
こととなる。また、本実施例のものはガイド軸22が常
にガイド部材24を貫通した状態にあり、開弁及び閉弁
に伴い同一直線上を安定して移動する。
【0028】よって、上記構成を有する本実施例の電磁
弁では、上記第1実施例のものと同様に、弁体27がガ
イド軸22に案内されて真直に移動するため、ウォータ
ハンマを確実に抑制することが可能となった。また、弁
座25と弁体27が接合する弁座25の先端部13の曲
面と弁体27の連続面16の曲面の曲率半径が同一であ
るため、密に当接する点でも漏れに対する信頼性が向上
した。そして、本実施例ではそれらの効果に加え、プラ
ンジャ36内でインナーバネにより弁体50を下方に付
勢することとしたため、弁体27が弁座25との当接時
の衝撃を緩和することができるので、弁体27が弁座2
5に当ったときの衝突による凹みの発生を防止するた
め、その点でも漏れに対する信頼性が向上した。
【0029】以上、本発明の電磁弁の一実施例について
説明したが、本発明はこのようなものに限定されるわけ
ではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可
能である。例えば、上記第1及び第2実施例ともにガイ
ド軸をプランジャとの中心の同一直線上に形成された
が、弁体におけるその中心線との交点を中心にした対象
的な位置に複数のガイド軸を設けるようにして弁の開閉
を安定させるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】上記目的を達成する本発明のパイロット
電磁弁は、弁体と弁座との当接部を曲面で形成したもの
であって、その弁体の中心軸上に一体に突出して設けら
れたガイド軸と、弁体の開閉動作に際して前記ガイド軸
の移動を案内するガイド孔とを構成したので、長時間の
使用でダイアフラムが伸びても弁体が傾くことなく、弁
体の安定した運動によりウォータハンマの発生を防止し
た作動特性の良いパイロット電磁弁を提供することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電磁弁の閉弁時の断面を
示す図である。
【図2】本発明の第1実施例の電磁弁の開弁時の断面を
示す図である。
【図3】本発明の実施例の電磁弁の弁座と弁体を拡大し
た図である。
【図4】本発明の実施例の電磁弁の弁座の先端部と、弁
体の先端面に形成された挿入部との連続面の拡大断面図
である。
【図5】本発明に係る電磁弁と従来の電磁弁との水撃試
験を行う試験装置の測定回路を示した図である。
【図6】本発明の電磁弁に係る水撃試験の測定結果を示
したグラフを示した図である。
【図7】従来のの電磁弁に係る水撃試験の測定結果を示
したグラフを示した図である。
【図8】本発明の第2実施例の電磁弁の閉弁時の断面を
示す図である。
【図9】第1従来例の電磁弁の断面を示す図である。
【図10】第2従来例の電磁弁の断面を示す図である。
【図11】第2従来例の電磁弁の閉弁時の不安定な状態
を示した断面図である。
【符号の説明】
1 弁体 2 弁座 3 ガイド軸 4 ガイド孔 13 先端部 14 先端面 15 挿入部 16 連続面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁座面と弁孔内周面との接続部を曲面で
    形成した弁座と、 弁孔内に入り込む挿入部を設けるとともに、その挿入部
    が形成された先端面と挿入部側面との連続部を曲面で形
    成したダイヤフラム弁体とを有し、 閉弁過程では、前記ダイヤフラムの挿入部が弁孔内へ進
    入するにつれて弁孔内周面と挿入部側面との間の環状間
    隙が次第に小さくなり、閉弁完了時には弁座と弁体に形
    成された前記両曲面が当接するように構成されたパイロ
    ット式ダイヤフラム弁において、 前記ダイヤフラム弁体と一体に同軸上に設けられたガイ
    ド軸と、 弁座と弁体に形成された前記両曲面とが位置ずれしない
    で当接するよう前記ガイド軸の移動を案内するガイド孔
    とを有し、 前記閉弁過程で、前記ダイヤフラムの挿入部が弁孔内へ
    進入して弁孔内周面と挿入部側面との間の環状間隙が次
    第に小さくなる時に、前記ガイド軸が前記ガイド孔と嵌
    合していることにより、前記環状間隙が均一に保持され
    ことを特徴とするパイロット式ダイヤフラム弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のパイロット式ダイヤフ
    ラム弁において、 前記ガイド軸が、弁体上部に形成され、その直径がプラ
    ンジャより大きい円柱形で、且つ常にガイド孔内に半分
    以上が挿入されていることを特徴とするパイロット式ダ
    イヤフラム弁。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のパイロット式ダイヤフ
    ラム弁において、 前記プランジャが上昇する際にその下部に設けられたガ
    イド軸を上方へ付勢するよう、プランジャとガイド軸と
    の間で掛止めされた引張バネを有することを特徴とする
    パイロット式ダイヤフラム弁。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のパイロット式ダイヤフ
    ラム弁において、 前記弁座に形成された弁座面と弁孔内周面との接続部の
    曲面と、前記ダイヤフラム弁体に形成された弁体先端面
    と挿入部側面との連続部の曲面とが同一または略同一の
    曲率半径であることを特徴とするパイロット式ダイヤフ
    ラム弁。
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