JP2740067B2 - 電子部品のメッキ用治具 - Google Patents

電子部品のメッキ用治具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は短尺ICリードフレー
ム、小物接点部品等の短尺或いは短片形状の電子部品に
半田メッキ、金メッキ、銀メッキ等の機能メッキ及び
(又は)装飾メッキを行うために使用されるバスケット
形状のメッキ用の治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、短尺のICリードフレーム、小物
接点部品等の電子部品へのメッキは、前者については一
般的な表現でよく知られるラック、タコ等と呼ばれる
銅、ステンレスを芯材とし、これに塩化ビニル樹脂やポ
リエチレン樹脂等をコーティングした縦長の棒状又は平
板状の本体と一部を通電のために芯材露出した小骨から
なるメッキ用の治具に部品の一部をひっかけてメッキす
ることが多いが、別の方法として、メッシュバスケット
(網カゴ)の底面に通電用の金属導体を配置し、該部品
をその自重によりその導体に接触させ、通電させて各種
のメッキをする方法も古くから実施されてきた。後者の
小物接点部品等のメッキについても、自重によるこのよ
うなメッキの手法が古くから盛んに実施されてきた。
【0003】このような経過を経て最近では、自動化の
進展に伴い、前者の短尺ICリードフレームでは古くか
らの前記自重メッキ方法がロード、アンロード操作が有
利であるために見直され、多用されるようになってい
る。例えば短尺ICリードフレームのメッキについて、
自重方式のバスケット形状メッキ用治具を用いると、該
治具へのリードフレームのロードでは、該部品をバスケ
ット内に投げ込むだけで良く、アンロードでは、位置制
御により機械的にチャッキングすれば容易に取り出すこ
とができ、従って非常に能率の良いメッキ設備を提供で
きる。後者の小物接点部品等についてもバレルメッキと
いう自重メッキ方式に集約されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように短尺、短
片、小物の電子部品のメッキは、該電子部品の自重によ
り必要な通電を各種のバスケット形状の容器内底面でと
りメッキしているが、その治具の構造について問題点が
多く改善が望まれている。バスケット形状のメッキ用治
具は、通常、自重による通電接点を治具底面に配置し、
他の部分は、部品を保持するために粗いメッシュ、格子
状、櫛歯状等に電気絶縁体で構成してあり、通電接点を
銅、ステンレススチールで作成し、保持部の電気絶縁体
はガラス繊維強化のPPS(ポリフエニレンスルフイ
ド)で形成したり、銅、ステンレススチールといった通
電用金属を芯材としてこれに塩化ビニル樹脂、ポリエチ
レン樹脂等をコーティングをして形成している。そのた
め、いずれも次のような問題がある。 i)使用開始して短時間のうちにバスケット底面部に配
置した銅、ステンレスの通電接点がメッキ工程の各種薬
品溶液に侵食され、メッキ不良と治具の傷みがひどくな
る。 ii)前記の侵食された接点金属がメッキ工程の各液に混
入し、液質を劣化させ、液寿命を低下させ、それによる
メッキ不良が多発する。 iii)通電接点の金属面とこれに付着するメッキ皮膜の仮
性接着の状態が不安定で、メッキ処理中に該皮膜が脱落
し、それが部品のメッキ面に再付着してメッキ不良が生
じると共にメッキ液を壊す。 iv)バスケット本体がガラス繊維強化のPPSで作られ
ているときは、耐薬品性については大きな問題はない
が、ハッ水性がなく、むしろ親水性があり、その結果、
前工程で付着した工程液が次工程に多量に持ち込まれ、
各メッキ工程の液が壊れるとともにメッキ不良が多発す
る。特に、最終工程の純水洗浄水を破壊し、製品に残留
することがあり、電子部品としての信頼性を著しく低下
させることが多い。 v)ステンレス、銅等の芯材に塩化ビニル樹脂、ポリエ
チレン樹脂等をコーティングしたバスケットでは、短時
間でメッキ工程液の侵食を受け、電子部品のメッキ用治
具として不適当なものとなる。
【0005】このため、従来の電子部品メッキに使用す
るメッキ用治具には改善、研究が特に要望されている。
前記の問題点を整理すると、バスケット状メッキ用治具
は電子部品のメッキ手段として、メッキしようとする部
品のロード、アンロードの点で合理的な好ましいもので
あるが、特にその材質に問題があり、バスケット底面部
に位置する通電接点部の導体金属のメッキ工程に使用さ
れる薬品に対する耐食性とこの通電接点部に付着するメ
ッキ金属の仮性接着の安定性が問われているとともに、
電子部品がメッキ工程中に脱落しないように保持するた
めのいわゆる電気絶縁性のバスケット本体のメッキ工程
に使用される薬品に対する耐食性と、前工程の薬品液の
次工程への持ち込みが問われており、これらを同時に解
決した電子部品のバスケット状メッキ用治具の出現が待
たれている。
【0006】そこで本発明は、かかる現状に鑑み、前記
従来の問題点を解決することができる電子部品のバスケ
ット状のメッキ用治具を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題解
決にあたり、バスケット構成する材料について検討を加
えた。その過程で、従来のようにガラス繊維強化したP
PSでバスケットを作り、陰極電流の電気接点はニッケ
ルを予めメッキした銅帯をバスケットの底面に配置し
た。また、ステンレススチール線を芯材にしてこれに塩
化ビニル樹脂を厚くコーティングした線材を使用してバ
スケットを作り、陰極電流の電気接点は、バスケットの
底面の一部の塩化ビニル樹脂を削り取ってステンレスの
表面を露出させた構造とした。
【0008】しかし、このように形成した従来タイプの
バスケット状のメッキ用治具のうち、PPS使用の治具
では約1カ月の使用で、ニッケルメッキした銅帯ででき
た陰極電流接点がメッキ工程の薬品液で侵食され、再使
用不能となったほか、溶け出た銅イオンが原因のメッキ
不良が多量発生した。また、PPSの太さは直径8mm
のものを使用したが全体に強度不足が目立ち、且つ、P
PSの親水性によるメッキ工程間の液の持ち出し、持ち
込みが多く生じたため、メッキ液が破壊されたほか、最
終の純水洗浄水が汚れて製品の品質が著しく悪かった。
【0009】ステンレススチール線に塩化ビニル樹脂を
コーティングした線材からなるバスケットでは、使用後
約1カ月で電気接点用に露出させたステンレス部がメッ
キ工程の薬品液で完全に侵食されてなくなった。また、
塩化ビニル樹脂コーティング層とステンレスの間に間隙
が生じることを避け得ず、この間隙にメッキ工程の各液
が溜まり、これが原因でメッキ工程液の全部が大きく影
響を受け、メッキ不良が山積みしてしまった。
【0010】そこで本発明者は、芯材の金属と電気絶縁
用樹脂のメッキ工程液に対する耐食性と挙動について別
々に基礎試験を行った。その結果、電子部品のメッキ工
程液に耐食性のある金属として白金、チタン、Ni−M
o合金(以下、「ハステロイ」(登録商標)という)
三種類がの残ったが、さらにこれを検討すると、白金は
太くしないと強度が十分に得られず重く、且つ、何より
高価な材料であり、実用に適していない。チタンは陰極
にすると水素吸蔵が激しく脆くなる他、電流が流れなく
なるので使用できないことが判った。また、チタンに白
金を薄くコーティングしたものがあるが、いずれにして
も高価でかこうが困難であるため適当でないとの結論に
達した。これらに比べ、ニッケルとモリブデンを合金の
主成分とするハステロイは比較的安価であり、強度も高
く、耐熱耐酸化性も良く、何よりメッキ工程液に対して
の耐食性が十分良いうえ、全く予期しない結果としてメ
ッキの仮性接着性が良いということが見出された。説明
するまでもなく、メッキの仮性接着性が重要なことは当
業界の認知するところで、陰極電流接点に付着するメッ
キの層がメッキ工程中で脱落し、悪影響を与えることを
回避するために重要である。
【0011】次いで、電気絶縁性樹脂の試験を行った結
果、メッキ薬品液に耐食性の良い樹脂は大変多くあり説
明を省くが、単独でほぼ完全に耐食性を示すものの例を
挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、PPS、二
フッ化エチレン樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化
エチレン樹脂、塩化ビニル樹脂などがある。しかし、こ
れらの樹脂は耐食性はあるが単独ではいずれも強度に難
点があるので、芯材にコーティングして用いることが適
当である。だが、金属を芯材にし、そのうえにコーティ
ングするという場合には、さらに選別しなければならな
い。
【0012】すなわち、前記樹脂のうチポリプロピレン
樹脂、PPSを除く樹脂は金属芯材へのコーティングに
適合するが、金属芯材との密着性を考慮するとさらに塩
化ビニル樹脂が除外される。さらに、ハッ水性及びメッ
キ工程液の付着防止の点からポリエチレン樹脂が除外さ
れる。かくして、二、三、四個のエチレン中の水素原子
がフッ素原子と置き換えられた単量体が重合されてでき
るフッ素樹脂が電子部品メッキ用治具の絶縁性樹脂とし
て適当であることが判った。
【0013】また、このフッソ樹脂はハステロイ芯材に
コーティング可能であり、且つ、そのコーティング層は
ハステロイ芯材に密着し得ることも判った。以上の結論
として、本発明が完成された。すなわち、本発明は、電
子部品のバスケット状のメッキ用治具において、該治具
を構成する芯材がハステロイからなり、該芯材の表面
に、メッキしようとする電子部品への通電用部分を残し
て、フッ素樹脂をコーティングしてあることを特徴とす
る電子部品のメッキ用治具を提供するものである。
【0014】前記フッ素樹脂コーティング層は、二フッ
化、三フッ化、四フッ化といった各種フッソ樹脂で形成
できるが、なかでも、ハッ水性があり、液なじみがない
四フッ化エチレン樹脂で形成することが好ましい。ま
た、フッ素樹脂コーティング層の強度を向上させるた
め、前記フッ素樹脂コーティング層を、硬質化用複合材
入りフッ素樹脂からなる中間層と、該中間層上に形成し
たフッ素樹脂単体からなる最表面層により構成してもよ
い。
【0015】この場合も、フッソ樹脂には四フッ化エチ
レン樹脂を採用することができる。前記硬質化用複合材
としては、黒鉛、カーボン、セラミック粉等を例示でき
る。いずれにしても、本発明に係る治具は、その構造の
点においても、メッキ液の持ち出し、持ち込みの少ない
ものであることが望ましく、また、メッキしょうとする
部品にメッキし易いものが望ましい。
【0016】本発明者は、この点につき、どのようなバ
スケット形状が良いかについても検討を加えた。その結
果、できるだけ単純な形状で、且つ、できるだけ細い線
材を使用してバスケットの骨組を構成したほうが効果的
であることを見出した。よって、本発明治具では、前記
芯材をハステロイ線材を主体とすることが考えられる。
【0017】かかる線材は、あまり太いと、メッキしょ
うとする電子部品の必要メッキ面を遮蔽するため適正な
メッキが得られず、且つ、メッキ工程の各薬品液を持ち
出し、持ち込みしやすいので、製品の電子部品の品質低
下をきたし、メッキ液を破壊してしまう。従って、バス
ケット本体部を構成する線材の太さは角棒状では5mm
角以下が望ましく、丸棒状では直径5mm以下が望まし
い。
【0018】また、バスケットの構造は必ずしも網篭の
ようになっている必要はなく、電子部品が脱落しない限
り、電流を遮蔽しない空間部が多いものであればよい。
【0019】
【作用】本発明メッキ用治具は、電子部品のメッキライ
ンの搬送装置に通電を確保するように考慮して取り付け
られ、所定のシーケンス、プログラムに基づきメッキ工
程を移動することにより、該メッキ用治具に投入された
電子部品に必要なメッキを施すことができる。
【0020】本発明のメッキ用治具はバスケット形状で
あるため、電子部品のロード、アンロードでの製品部品
の投入、取り出しは一般的なチャッキングマシンにより
自動的に行うことができる。本発明のメッキ用治具はハ
ステロイ芯材にフッソ樹脂コーティング層を形成したも
のであるから、そのコーティング層の作用でメッキ工程
液に対するなじみがなく、それだけメッキ工程液の持ち
出し、持ち込みが少ない。また、電気接点部は露出した
ハステロイ芯材の一部であるから、侵食が少なく、メッ
キの仮性接着性が良い。さらに、フッ素樹脂層とハステ
ロイの組み合わせ特性として両者に隙間がなく、それだ
けメッキ工程液汲み出しが少ない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は実施例メッキ用治具の斜視図である。この
治具は、集積回路チップ51を形成した短尺リードフレ
ーム6にメッキを施すためのもので、一本の線材1を、
リードフレーム5より長い所定の長さLを有する部分1
Aの両端a1、a2で同方向に直角に折り曲げて立ち上
げ、部分1Aから同じ長さ立ち上がった箇所b1、b2
で、前記部分1Aと平行に、且つ、互いに反対方向に延
びるように折り曲げ、該底部1Aの両端a1、a2とそ
れらの中間部に等間隔配置で、高さHのV字形線材2の
下端部を固定してこれら線材2が櫛状に配列された恰好
とし、さらに、各隣合う線材2、2の中間部で、底部分
1A上に短い、陰極電流接点用の線材4を直角方向に固
定し、底部分両端a1、a2からやや立ち上がった位置
でV字形線材2に短い線材3を渡し設けたものであり、
全体として単純な構成のバスケット形状に形成されてい
る。陰極電流が線材1の端部等から流れるように用いら
れる。
【0022】メッキしょうとする短尺リードフレーム5
は横に長い姿勢でV字形線材2に嵌め込まれ、底部の線
材4(陰極電流接点)に接触して支えられ、これら線材
2に凭れる。リードフレーム長手方向への脱落は線材3
で防止される。この治具構成のように線材を主体とする
単純構成として空隙を多くすることは、治具構成材が占
める表面積を少なくすることになり、メッキ薬品液の持
ち出し、次工程液への持ち込みが少なくなるので有利で
ある。
【0023】この治具を構成している各線材1〜3のそ
れぞれは、第1例では、図2に線材断面で示すように、
ハステロイ芯材6にフッ素樹脂(二フッ化、三フッ化、
四フッ化いずれでも良いが特に四フッ化が望ましい)の
コーティング層7を形成したものである。線材4もハス
テロイ芯材6から形成してあるが、これにについては、
これを陰極電流接点とするため、コーティング層を設け
ていない。線材1〜4が相互に連結される部分では、先
ず、ハステロイ芯材同士を溶接により相互固定したの
ち、その上から、陰極電流接点4を除いてコーティング
層7を形成してある。従って、図中線材1上部からの通
電があれば全体に支障なく配電される構造になってい
る。
【0024】第2の例では、各線材1〜3のそれぞれ
は、図3に線材断面で示すように、芯材ハステロイ6の
上にフッ素樹脂のプライマー層9を設け、そのうえに黒
鉛、カーボン、セラミック粉等の複合材を含有する硬質
フッ素樹脂中間層8を設け、さらにそのうえに四フッ化
エチレン樹脂層7を最表面として形成したもので、この
例では、硬質中間層8を設けてあるので使用時に傷付き
難く、より良い電子部品のメッキ用治具が提供される。
この第2例の他の点については前記第1例と同様であ
る。
【0025】なお、治具の全体形状は前記例に限定され
るものではなく、メッキ工程液の持ち出し、持ち込みが
少なくなるように工夫されている限り、種々の構造、形
状をとり得る。前記いずれの例においても、フッ素樹脂
のコーティングの厚さについては特に限定はないが、全
体として0.03mm〜2mm程度が適当である。ま
た、使用するフッ素樹脂の具体的な市中商品例として
は、デュポン社の「ブルーアーマ」、旭硝子社の「アフ
ロン」等の通常テフロンコーティング材として市販され
ているものを挙げることができる。
【0026】ハステロイの芯材6については、ハステロ
イ線材として丸棒が一般的に手に入り易くこれをそのま
ま使用するのが有利である。このハステロイ線材の太さ
については2〜9mmが一般に手に入り易いが、2〜5
mmの線径のものが本発明の実施には適当である。な
お、ハステロイはニッケルとモリブデンを主成分とする
合金であり、この合金のグレードによっては、鉄、クロ
ム、タングステン等を含有するものもあるが、すべて本
発明に支障なく利用される。
【0027】本発明治具を用いるメッキ工程で使用す
る、電子部品のメッキ工程液については、各種のメッキ
液のほか、特に硝酸、過酸化水素水、ハロゲン化合物な
どあらゆる化学薬品の使用がある。このためにも本発明
のメッキ治具の仕様は重要である。次に、より具体的な
実施例1及び実施例2について説明する。なお、これら
実施例の全体構造は図1のとおりである。 (実施例1)直径3mmで、合金成分(Ni55.5〜
59.5%、 Mo18〜22%、C0.04〜0.1
5%、 Fe18〜22%)がいわゆる42材と呼ばれ
るグレードのハステロイ芯材6を使用して、図1のよう
に、幅W30mm×長さL200mm×高さH50mm
の構造基体を形成し、次いで、これの上部L字コーナ部
b1、b2から下の部分全部に四フッ化エチレン樹脂
(デュポン社のテフロン)を420〜530℃の高温に
て0.5mmの厚さに焼き付けコーティングした。
【0028】次いで、冷却後、電流接点4の一部表面を
ナイフで削り、ハステロイ芯材6の地肌を出した。以上
のようにしてできたメッキ用治具をコーティングしなか
ったL字コーナより上部を介して、図示しない自動搬送
式のハンダメッキ装置に取り付けた後、リードフレーム
5を図示しない自動チャッキング装置により、該メッキ
用治具のバスケット部に投入させメッキラインに搬送し
た。
【0029】メッキの前処理、後処理として硝酸処理、
ハロゲン化物処理、アルカリ処理等を行った。ハンダメ
ッキ液は有機酸タイプの市販液を使用した。メッキは2
A/dm2 で10min行い、この結果、平均厚さが8
〜10μmの極めて均一なメッキと汚れのない、且つ、
メッキ不良のない製品を連続して生産でき、その歩留り
はほぼ100%であった。
【0030】また、このメッキ用治具を使用すると、メ
ッキ工程間の液の混入が殆ど無く、良いメッキが得られ
るだけでなく、結果的にランニングコストが著しく低減
された。また治具の寿命も長く、年間を通しても取り換
えは殆ど必要ない。 (実施例2)直径4mm、合金成分Ni53%、Mo2
4%、Cr3%、残部Feのハステロイ芯材6にて実施
例1と同様の構造基体を作り、これに、図3に示すよう
に、最初、505℃の温度条件にて四フッ化エチレン樹
脂からなるプライマーフッ素樹脂9を全体に0.15m
m焼付コーティングし、次いで、490℃の温度条件に
て、粒子平均径25ミクロンの黒鉛粉末35%、四フッ
化エチレン樹脂65%からなる硬質フッ素樹脂8を0.
7mm積層するように焼付コーティングした。
【0031】最後に、さらにこの表面に四フッ化エチレ
ン樹脂からなるフッソ樹脂7を0.2mm厚さで、52
0℃の温度条件で、焼付コーティングし、最終的な処理
として、400℃、30minの熱処理をした。次に電
流接点4の一部の該コーティング層をサンダーで削りと
り、ハステロイ6の地肌を出した。
【0032】以上のようにして得られた治具を、自動搬
送式のリードフレームハンンダメッキ装置に取りつけ、
該治具に短尺リードフレームを投入し、市販の前処理
液、メッキ液、後処理液を配した各槽を通過させた。1
5A/dm2、3分間メッキ処理して、8μ±1μの極
めて精度の高いハンダメッキを施すことができた。この
メッキ用治具は、耐摩耗性、耐食性等が良好で寿命が長
く、1年間の耐用試験においても何等欠陥なく使用継続
が可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、次の利点を有する電子
部品用のメッキ用治具を提供することができる。 ハステロイ芯材にフッソ樹脂コーティング層を設けて
構成してあるから、そのコーティング層の作用でメッキ
工程液に対するなじみがなく、それだけメッキ工程液の
持ち出し、持ち込みが少なく、従って、メッキ工程液を
壊すことが少なくなり、延いてはそれだけランニングコ
ストが低くなり、生産性も向上し、製品品質が向上す
る。 さらに、フッ素樹脂層とハステロイの組み合わせ特性
として両者に隙間がなく、よってメッキ工程液汲み出し
が少なく、この点でも、メッキ工程液を壊すことが少な
くなり、延いてはランニングコストが低くなり、生産性
も向上し、製品品質が向上する。 電気接点部は露出したハステロイ芯材の一部であるか
ら、侵食が少なく、それだけ治具寿命が向上し、生産性
が上がりメッキコストが低減されるうえ、浸食が少ない
ので、メッキ工程液の劣化もそれだけ少なくなり、製品
品質が向上する。 電気接点部は露出したハステロイ芯材の一部であるか
ら、メッキの仮性接着性が良好であり、それだけ、メッ
キ工程液の汚染が防止され、製品品質が向上する。 フッ素樹脂コーティング層が硬質化用複合材入りフッ
素樹脂からなる中間層と、該中間層上に形成したフッ素
樹脂単体からなる最表面層により構成されているとき
は、該中間層の存在により耐摩耗性、耐食性等が良好と
なり、それだけ寿命が長くなる。 前記芯材をハステロイ線材を主体として治具全体を形
成するときは、全体構造、形状を単純化してメッキ工程
液の持ち出し、持ち込みをそれだけ少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の斜視図である。
【図2】図1の治具を構成する線材の1例の断面図であ
る。
【図3】図1の治具を構成する線材の他の例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1、2、3 線材 4 線材(電流接点用) 5 短尺リードフレーム 6 ハステロイ芯材 7 フッ素樹脂層 8 硬質フッ素樹脂層 9 プライマーフッ素樹脂層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品のバスケット状のメッキ用治具
    において、該治具を構成する芯材がNi−Mo合金から
    なり、該芯材の表面に、メッキしようとする電子部品へ
    の通電用部分を残して、フッ素樹脂をコーティングし、
    前記フッ素樹脂コーティング層が硬質化用複合材入りフ
    ッ素樹脂からなる中間層と、該中間層上に形成したフッ
    素樹脂単体からなる最表面層より構成されていることを
    特徴とする電子部品のメッキ用治具。
  2. 【請求項2】 前記中間層及び最表面層における各フッ
    素樹脂が四フッ化エチレン樹脂である請求項1記載の電
    子部品のメッキ用治具。
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