JP2739579B2 - イムノグロブリンの分離精製方法 - Google Patents
イムノグロブリンの分離精製方法Info
- Publication number
- JP2739579B2 JP2739579B2 JP62330178A JP33017887A JP2739579B2 JP 2739579 B2 JP2739579 B2 JP 2739579B2 JP 62330178 A JP62330178 A JP 62330178A JP 33017887 A JP33017887 A JP 33017887A JP 2739579 B2 JP2739579 B2 JP 2739579B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- immunoglobulin
- purification method
- molar ratio
- immunoglobulin separation
- hydroxyapatite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- External Artificial Organs (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、イムノグロブリンの分離精製方法に関す
る。 従来の技術 CaとPのモル比が1.5ないし2.0であるリン酸カルシウ
ム、特にCa/Pモル比が1.67であるハイドロキシアパタイ
トやCa/P比が1.50であるリン酸三カルシウムは、生体親
和性にすぐれたインプラント材料として人工歯根や骨充
填材料として実用化している。ハイドロキシアパタイト
はまた、蛋白の吸着能にもすぐれ、液体クロマトグラフ
ィー用吸着カラムとして広く用いられている。ところ
で、免疫グロブリン(IgG)は、ヒト血清中に最も高濃
度(8〜15mg/ml)に含まれる免疫グロブリンクラス
で、多くの抗体活性を持つ。血管外体液中濃度も高く、
また、胎盤を通じて母体から退治に移行し、新生児の感
染防御にもかかわっている。分子量は15万、沈降定数は
6.5〜7.0Sである。 ヒトでは、IgG1〜IgG4の四つのサブクラスがあり、Ig
G4以外は補体結合性を有するものである。 この様な免疫グロブリンは、様々な感染症の予防及び
治療を目的として使用されるものである。 課題を解決する為の手段 本発明は、CaとPのモル比が1.5ないし2.0で、粒径が
20〜100μの球状粒子を700℃〜900℃で焼成して得られ
るリン酸カルシウム化合物をイムノグロブリン溶液に浸
すことにより、変性したイムノグロブリン(IgG)を吸
着除去する免疫グロブリンの分離精製方法を提案するも
のである。 本発明で示すリン酸カルシウム化合物は、CaとPのモ
ル比が1.5ないし2.0で、粒径が20〜100μの球状粒子を7
00℃〜900℃で焼成して得られるものであって、特にCa/
Pモル比が1.6ないし1.7のハイドロキシアパタイト相の
ものが望ましい。 その製法は、例えば、湿式法等で合成したスラリーを
噴霧乾燥し、0.1〜150μの粒径をもつ球状微粒子とした
ものを300〜1300℃で焼成した方法が提示される。 噴霧乾燥粉以外にボールミルやサンプルミル、ジェッ
トミル、アトマイザーなどの種々の粉砕法による粉砕
粉、あるいは熱分解法、アルコキシド法、乾式法などの
別な合成法による造粒粉を用いても良い。 また、牛骨や魚骨など天然の骨や歯を高温で焼結した
焼成粉を用いることもできる。 また、Mg、Zr、Fe、Ti、Si、Srなどの陽イオンやC
l-、F-、I-、CO3 2-などの陰イオンを0〜10%程度含む
ものをもちいてもよい。 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例 ハイドロキシアパタイトは湿式法で合成し、脱水乾燥
をおこなった後、サンプルミルで粉砕し、さらに800℃
で焼成した粉末を用いた。 上記ハイドロキシアパタイトをグロブリン溶液に浸
し、室温で、約2分間反応させた後、上清液のイムノグ
ロブリン量を測定した。 イムノグロブリン等の蛋白液の濃度は、光電比色計
(日立M−100−20)を用い、主として280nmで吸光度を
測定した。結果を第1表に示す。 さらにこれを電気泳動した所、吸着前のグロブリンの
方が変性したイムノグロブリンのパターンが見られた。 このことから、ハイドロキシアパタイトにより、変性
したグロブリンが吸着除去されていることが知見され
た。
る。 従来の技術 CaとPのモル比が1.5ないし2.0であるリン酸カルシウ
ム、特にCa/Pモル比が1.67であるハイドロキシアパタイ
トやCa/P比が1.50であるリン酸三カルシウムは、生体親
和性にすぐれたインプラント材料として人工歯根や骨充
填材料として実用化している。ハイドロキシアパタイト
はまた、蛋白の吸着能にもすぐれ、液体クロマトグラフ
ィー用吸着カラムとして広く用いられている。ところ
で、免疫グロブリン(IgG)は、ヒト血清中に最も高濃
度(8〜15mg/ml)に含まれる免疫グロブリンクラス
で、多くの抗体活性を持つ。血管外体液中濃度も高く、
また、胎盤を通じて母体から退治に移行し、新生児の感
染防御にもかかわっている。分子量は15万、沈降定数は
6.5〜7.0Sである。 ヒトでは、IgG1〜IgG4の四つのサブクラスがあり、Ig
G4以外は補体結合性を有するものである。 この様な免疫グロブリンは、様々な感染症の予防及び
治療を目的として使用されるものである。 課題を解決する為の手段 本発明は、CaとPのモル比が1.5ないし2.0で、粒径が
20〜100μの球状粒子を700℃〜900℃で焼成して得られ
るリン酸カルシウム化合物をイムノグロブリン溶液に浸
すことにより、変性したイムノグロブリン(IgG)を吸
着除去する免疫グロブリンの分離精製方法を提案するも
のである。 本発明で示すリン酸カルシウム化合物は、CaとPのモ
ル比が1.5ないし2.0で、粒径が20〜100μの球状粒子を7
00℃〜900℃で焼成して得られるものであって、特にCa/
Pモル比が1.6ないし1.7のハイドロキシアパタイト相の
ものが望ましい。 その製法は、例えば、湿式法等で合成したスラリーを
噴霧乾燥し、0.1〜150μの粒径をもつ球状微粒子とした
ものを300〜1300℃で焼成した方法が提示される。 噴霧乾燥粉以外にボールミルやサンプルミル、ジェッ
トミル、アトマイザーなどの種々の粉砕法による粉砕
粉、あるいは熱分解法、アルコキシド法、乾式法などの
別な合成法による造粒粉を用いても良い。 また、牛骨や魚骨など天然の骨や歯を高温で焼結した
焼成粉を用いることもできる。 また、Mg、Zr、Fe、Ti、Si、Srなどの陽イオンやC
l-、F-、I-、CO3 2-などの陰イオンを0〜10%程度含む
ものをもちいてもよい。 以下、本発明を実施例により詳細に説明する。 実施例 ハイドロキシアパタイトは湿式法で合成し、脱水乾燥
をおこなった後、サンプルミルで粉砕し、さらに800℃
で焼成した粉末を用いた。 上記ハイドロキシアパタイトをグロブリン溶液に浸
し、室温で、約2分間反応させた後、上清液のイムノグ
ロブリン量を測定した。 イムノグロブリン等の蛋白液の濃度は、光電比色計
(日立M−100−20)を用い、主として280nmで吸光度を
測定した。結果を第1表に示す。 さらにこれを電気泳動した所、吸着前のグロブリンの
方が変性したイムノグロブリンのパターンが見られた。 このことから、ハイドロキシアパタイトにより、変性
したグロブリンが吸着除去されていることが知見され
た。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.CaとPのモル比が1.5ないし2.0で、粒径が20〜100
μの球状粒子を700℃〜900℃で焼成して得られるリン酸
カルシウム化合物をイムノグロブリン溶液に浸すことに
より、変性したイムノグロブリン(IgG)を吸着除去す
ることを特徴とするイムノグロブリンの分離精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62330178A JP2739579B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | イムノグロブリンの分離精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62330178A JP2739579B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | イムノグロブリンの分離精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01171567A JPH01171567A (ja) | 1989-07-06 |
JP2739579B2 true JP2739579B2 (ja) | 1998-04-15 |
Family
ID=18229697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62330178A Expired - Lifetime JP2739579B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | イムノグロブリンの分離精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2739579B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4779190B2 (ja) * | 2000-07-26 | 2011-09-28 | 東レ株式会社 | 炎症性疾患治療用カラム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0653169B2 (ja) * | 1986-04-24 | 1994-07-20 | 株式会社クラレ | 血液浄化用吸着剤 |
JPH0653170B2 (ja) * | 1986-07-07 | 1994-07-20 | 旭光学工業株式会社 | β2ミクログロブリン吸着剤 |
-
1987
- 1987-12-28 JP JP62330178A patent/JP2739579B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01171567A (ja) | 1989-07-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5137534A (en) | Method for producing dental and medical bone prosthesis and bone prosthesis produced thereby | |
US5030611A (en) | Porous ceramics material | |
JPH01236058A (ja) | 骨修復組成物及び方法 | |
JPS6343106B2 (ja) | ||
JPS60253455A (ja) | 骨形成因子を含有する生体材料とその製造方法 | |
CA1288355C (en) | .beta. -MICROGLOBULIN ADSORBENT | |
RU1783984C (ru) | Способ получени средства дл компенсации недостатка минеральных солей в организме | |
JP2739579B2 (ja) | イムノグロブリンの分離精製方法 | |
JP3064116B2 (ja) | 生体移植材とその製造方法 | |
KR20010106090A (ko) | 합성 생체 물질 화합물 | |
JP3170339B2 (ja) | 生体移植材 | |
JPH0444606B2 (ja) | ||
JP3329868B2 (ja) | ペプチドおよびこれを担体上に固定化してなる吸着剤 | |
Niwa et al. | The adsorptive properties of hydroxyapatite to albumin, dextran and lipids | |
JP2778013B2 (ja) | 脂質吸着剤の使用方法 | |
JP2543766B2 (ja) | ウイルス及び細胞の吸着分離剤並びにこれを用いたウイルス及び細胞の分離方法 | |
JP4528957B2 (ja) | 特定蛋白質に対する特異的吸着特性を有するアパタイト成形体、及びその製造方法 | |
JPH0665635B2 (ja) | 成形材料 | |
EP0318191B1 (en) | Oral phosphate ion adsorbent | |
RU2132702C1 (ru) | Остеопластический стеклокристаллический композиционный материал для изготовления пористых имплантатов в виде гранул и способ их получения | |
PL210026B1 (pl) | Sposób wytwarzania wysokoporowatego, fosforanowo-wapniowego bioaktywnego tworzywa implantacyjnego | |
JPH1060000A (ja) | 抗体の精製方法 | |
Huq et al. | Molecular interactions of peptide encapsulated calcium phosphate delivery vehicle at enamel surfaces | |
JPH03228811A (ja) | リン酸カルシウムの製造方法 | |
JPH01314571A (ja) | 複合人工骨材料 |