JP2739072B2 - エッチング廃液処理方法 - Google Patents

エッチング廃液処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はNi−Fe合金、例えば不変鋼のエッチング廃液
からニッケル分を除去して再生する廃液の処理方法に関
する。
〔従来の技術〕
近年テレビジョンやOA機器、コンピューター等の発達
に伴い、CRTが多用されるようになり、しかも高感度の
ものの要求が高まって来ている。これに伴ってシャドウ
マスクも不変鋼(インバー)のような高ニッケル合金が
広く用いられる傾向にある。このような合金膜のエッチ
ングには、作用が温和かつ確実で、水素ガスなどの発生
がないところから、高濃度の塩化鉄(III)の水溶液が
蝕刻剤として用いられている。エッチングによってニッ
ケルや鉄等の素材である金属が部分的に溶解すると、塩
化鉄(III)は還元されて塩化鉄(II)となる。一方鉄
及びニッケルはそれぞれ塩化鉄(II)及び塩化ニッケル
(II)になって溶解する。生成した塩化鉄(II)は、塩
素ガスによって、あるいは塩酸の存在下に過酸化水素を
用いること等によって容易に元の塩化鉄(III)に酸化
される。
しかしながらこのような方法のみによっては系内に塩
化ニッケルが蓄積し、遂には反応速度や平衡の点からみ
て使用不能に陥る。従ってエッチング液を循環使用する
ためには少なくともその一部をエッチング廃液として抜
き取ってニッケル成分を除去した後、系内に戻すことが
必要となる。このようなエッチング廃液からニッケル分
を除去する方法として種々の手段が提案されている。す
なわち、(a)廃液を電解してカソード還元により、金
属ニッケルを析出させる方法(特開昭59−31868)、
(b)グリオキシムのようなニッケルに選択的な錯化剤
を用いて錯体として沈澱分離する方法(特開昭59−1903
67)、(c)金属鉄を用いてニッケルを置換析出させ、
次いで塩素を用いてFe2+をFe3+に酸化する方法(特公昭
61−44814)、(d)エッチング廃液を加熱濃縮してか
ら冷却し、先ずFeCl2・4H2Oの結晶を除き、母液を5〜
−10℃に冷却しつつ塩化水素ガスを導入してニッケルの
みをNiCl2結晶として析出させて回収する一方、被処理
液より塩化水素をストリップすることにより、被処理液
をFeCl3の濃厚液として回収すると共に、ストリップし
回収した塩化水素を前記の冷却晶析工程にリサイクルす
る方法(特公昭63−10097)等が主なものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来法の(a)はFe2+とNi2+がそれぞれ金属とな
るための標準電極電位が近い上、ニッケルは過電圧を生
じ易く、ニッケルのみを選択的に還元析出させることが
困難であり、Fe3+も還元されるので経済的でない。
(b)は脱ニッケル率を極めて高くできるが、錯化剤が
高価であり、一般にニッケルを完全に除去する必要はな
いのでメリットは少ない。(c)はFe3+がすべてFe2+
還元された後ニッケルが析出するため、多量の塩化鉄
(II)が生成するので塩化鉄(III)を回収するために
は必ずしも良い方法ではない。(d)は最も好ましい方
法の一つであるが、2段の晶析を行う必要があるし、5
〜−10℃の低温に冷却する必要があり、動力費が嵩み、
装置も複雑となる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記のような課題を解決しようとするもので
その方法は、塩化鉄(III)の水溶液を用いる主として
シャドウマスク用のNi−Fe合金のエッチングによって生
成する塩化鉄(III)約40〜50wt%、塩化鉄(II)を約
0〜10wt%、塩化ニッケルを2〜5wt%程度含有する廃
液に塩化水素含有ガスを吸収させて塩酸溶液中の溶解度
の差によって、塩化ニッケルを晶析分離除去するに際し
て、廃液の温度を15乃至30℃に保ちながら塩化水素を含
有するガスを吸収させて塩化ニッケルと共に塩化鉄(II
I)あるいは塩化鉄(III)と塩化鉄(II)を晶析させる
エッチング廃液の処理方法である。
本来、塩化ニッケルの水溶液に塩化水素を高濃度に吸
収させるときは塩化ニッケルの溶解度が下り(例えば20
℃で38%の溶解度が36%の塩酸中では約1%となる)、
一方塩化鉄(III)は、HFeCl4となって溶解度は数倍と
なるため、濃厚塩酸中からは沈澱し難いとされ、塩化ニ
ッケルをより良く除去するために前述のように5〜−10
℃という低温冷却が提案されたものと考えられる。
本発明者らは上記の如きエッチング廃液から効率よく
塩化ニッケルを除去するべく鋭意研究の結果、比較的高
濃度の塩化鉄(III)を含むエッチング廃液に15〜30℃
という室温付近において塩化水素を吸収させることによ
って、従来のFeCl2、NiCl2、FeCl3、HCl、H2Oを主成分
とする系に関する溶解度表(例えばLinke,Seidel;Solub
ilities,Inorganic and Metal−Organic Compounds,P.V
an Nortrand Co,Inc,参照)からは予想できない実験結
果を得て本発明に到達したのである。すなわち塩化鉄
(III)によるニッケル合金の精密エッチングは室温付
近における飽和溶解度に近い40〜50wt%濃度で使用する
ことが効率がよいとされている。従って廃液も上記の範
囲の塩化鉄(III)と塩化鉄(II)は、それが酸化され
ているか、いないかに応じて0〜10wt%、塩化ニッケル
は反応速度や平衡的関係等から2〜5wt%程度含まれて
いる。一般的に言って共通イオンであるCl-の影響によ
って溶液中の各成分の溶解度は単独成分の溶解度よりも
下るといえる。エッチング中に晶出が起こると蝕刻パタ
ーンが不規則になるので、この面からも塩類濃度は規制
される。このようなかなり高濃度ともいえる廃液に、塩
化水素を吸収させると溶解度表からみても常識的には塩
化水素のCl-の影響によって塩化ニッケル(II)と塩化
鉄(II)の溶解度は下る(例えば20℃において、H2O100
g当り、NiCl262.0gの溶解度がHCl64gの吸収でNiCl20.6g
に下る。FeCl2は同条件で62g→1.5gとなる)が、塩化鉄
(III)は上記2成分と異なって、 FeCl+HClHFeCl4 の反応によってクロロ第2鉄酸が生成し、陰イオンFeCl
- 4となり、溶解度は飛躍的に増大する(例えば25℃でH2
O100g当りFeCl398gの溶解度はHCl63gの吸収により、370
gの溶解度となる)。このため3価の鉄の沈澱はHClの吸
収によって起こらない筈であると考えられた。しかるに
本発明者らが上記の如き組成のエッチング廃液に塩化水
素を15乃至30℃の温度で吸収させると、廃液が沈澱する
のに充分な塩化鉄(II)を含むときは塩化鉄(II)を含
めて、塩化ニッケル(II)と共に予想外の塩化鉄(II
I)の結晶が沈澱する。この際より低温で塩化水素を吹
き込む場合よりも、沈澱の結晶は粗く、固液の分離性が
数段優れていることが認められた。就中母液中に残存す
るニッケルは予想外に少量であることが認められた。塩
化水素吸収時の温度が30℃を超えると塩化水素の吸収が
遅くなり、塩化ニッケルの溶解度も高くなり好ましくな
い。温度を15℃未満にすると塩化水素の吸収は良くなる
が、同時にクロロ鉄酸の生成も早くなるためか、塩化鉄
(III)の沈澱は減るか、あるいは生成しなくなり、母
液中の塩化ニッケル濃度は逆に上昇する。
本発明の場合、塩化鉄(III)の沈澱は塩化鉄(II)
の溶解度には影響を与えないことが認められた。ニッケ
ル合金のエッチングにおいては通常Fe2+→Fe3+のための
酸化槽を保有しているから、循環によって液中における
溶解鉄分の増大は避けられないので、鉄塩の総沈澱量が
溶解増分を超えないよう注意すれば塩化鉄(III)の補
給は不要である。本発明ではこの要求も容易に満たされ
ることが判明した。
ニッケルを分離した母液は常法によって塩化水素を回
収後、必要に応じて遊離塩酸を化学反応によって塩化鉄
(II)又は塩化鉄(III)に転化すれば回収塩化鉄(II
I)をエッチングのために循環使用することができる。
〔実施例〕
ニッケル合金膜(Ni36%、Fe64%)を塩化鉄(III)
溶液を用いてエッチングを行うことによって生成した塩
化鉄(II)を塩素で酸化し塩化鉄(III)に再生し、液
を循環使用する方式のエッチング装置からのエッチング
廃液を攪拌機つきの丸底フラスコに採り、冷却しながら
塩化水素を温度20±5℃に保ちながら吹き込んで吸収さ
せた。温度の急激な上昇を避けるため、始めは乾燥窒素
で1:1程度に希釈したガラスを用い、次第に100%塩化水
素に濃度を上げ、温度上昇があまり認められなくなった
時点で吸収を停止した。析出した結晶を分離し、結晶部
分及び母液部分について分析した結果を以下の表に示
す。
なお比較のためLinke,Seidel(前出)の溶解度表から
推定した20℃における塩化水素濃度64g/100gH2O付近の
塩酸に対する各塩類の溶解度を示すとH2O100g当り次の
とおりである。
FeCl2:1.5g,NiCl2:0.6g,FeCl3:366.8g すなわち本発明の方法によれば塩化ニッケルの母液中
の残存量は予想されるニッケルの溶解度と比較して約1/
4となつていることが判る。一方塩化鉄(II)の溶解量
は略々予想通りである。
結晶中のFe/Ni重量比は約15/16であり、合金比よりも
小さい。又得られた結晶の粒径も従来法に比べて大き
く、母液の炉過性は極めて良好であった。
なお10℃で塩化水素濃度64.4g/100gH2Oの場合の塩化
ニッケルの母液中の残存量は1.2g/100gH2Oと実施例の約
7.5倍であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば従来法の如く0℃付近もしくはそれ以
下に冷却する必要がなく、室温付近の冷却によって、ま
た特に多量の塩化水素の吸収を行わせる必要もなく、充
分なニッケルの除去効果が得られる。又結晶粒径も従来
法と比較して大きくサラサラとしたものであり、固液の
分離性が極めて良好であり取り扱い易い。従って必要エ
ネルギーも少なく、脱ニッケルができるので産業上極め
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−222087(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル−鉄合金の塩化鉄(III)を用い
    たエッチングで生成する廃液に塩化水素を吸収させ、塩
    化ニッケルを晶析させて分離除去するエッチング廃液の
    再生方法において、廃液の温度を15乃至30℃に保ちつつ
    塩化水素もしくは塩化水素含有ガスを廃液に接触させ、
    塩化水素を吸収させることにより、塩化ニッケルと共に
    塩化鉄(III)あるいは塩化鉄(III)と塩化鉄(II)と
    を同時に晶析させることを特徴とするエッチング廃液の
    処理方法
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