JP2739068B2 - Dna固定ミクロスフェア及びそれを用いるdna転写制御因子精製法 - Google Patents

Dna固定ミクロスフェア及びそれを用いるdna転写制御因子精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、タンパク質の精製法等に用いられるDNA固
定ミクロスフェアに関する。さらに詳しくは、転写制御
因子タンパク質を特異的に結合する塩基配列を有するDN
A鎖に転写制御因子を吸着させ、他のタンパク質を除去
した後、転写制御因子とDNA鎖を解離させる転写制御因
子の精製法に用いる、転写制御因子タンパク質を特異的
に結合する塩基配列を有するDNA鎖とタンパク質を吸着
しない担体から成り、担体とDNA鎖が化学結合しているD
NA固定ミクロスフェアに関する。
(従来の技術) 近年めざましく進歩する遺伝子工学の柱の一つに遺伝
子自体の解析がある。その中で遺伝子における転写制御
因子の解析は転写制御のメカニズムの解明につながるも
のであり、重要である。
転写とは遺伝子であるDNAからRNAポリメラーゼによっ
てRNAが合成される過程であり、転写開始、延長、終結
段階に分けられる。
転写開始段階において、RNAポリメラーゼがプロモー
ターと呼ばれるDNAの特異塩基配列に結合して転写を開
始する。原核細胞のプロモーターにおいて、転写開始部
位より10塩基対ほど上流に存在するプリブノーボックス
と呼ばれる、プロモーターにより少しずつ異なっている
が基本的塩基配列はTATAATである塩基配列が実際にRNA
ポリメラーゼが結合する部位であると考えられている。
また、ある種のタンパク質がオペレーターと呼ばれる特
異塩基配列に結合してプロモーターからの転写を促進す
る、または抑制する。真核細胞では、TATAボックスまた
はゴルドバーグ・ホグネスボックスと呼ばれる転写開始
部位より上流20〜30塩基対の位置に見いだされる、プロ
モーターにより少しずつ異なっているが基本的塩基配列
である塩基配列がRNAポリメラーゼIIの転写開始を規定
していることが示唆されており、TATAボックスに結合し
て転写を調節する因子も分離されている。転写量の制御
はTATAボックスより上流にあり、各々の遺伝子の転写制
御に関与する固有の特異塩基配列が存在すると考えられ
ている。さらにエンハンサーと呼ばれる転写効率を高め
る特異塩基配列もある。真核細胞のRNAポリメラーゼは
3種類あり、通常のmRNA前駆体の合成にはRNAポリメラ
ーゼII、リボソームRNAの合成にはRNAポリメラーゼI、
5S及びtRNAの合成にはRNAポリメラーゼIIIが関与し、い
ずれの場合もその転写に特異的な調節遺伝子が存在す
る。
転写延長段階においては、原核細胞の場合、オぺロン
内部に存在する転写終結シグナルとしてアデニュエータ
ーと呼ばれる配列があり、遺伝子発現を調節している。
動物細胞の場合アテニュエーターに対応する調節シグナ
ルの報告はほとんどないが、SV40の後期遺伝子領域内に
存在することが示唆されている。
転写終結段階においては、原核細胞の場合、ターミネ
ーターと呼ばれる転写終結を指令する塩基配列がある。
大腸菌においては、ターミネーターは大別してρと呼ば
れるタンパク因子を必要とするもの(ρ依存型)と必要
としないもの(ρ非依存型)の2種がある。また、λN
抗転写終結タンパク等の関与によって、ターミネーター
は複雑に制御されている。真核細胞については、研究は
進みつつあるが、明らかにはなっていない。
このように、転写には、数多くの遺伝子上のシグナル
が関与している。それらのシグナルの多くはタンパク質
である転写制御因子との相互作用によって機能してい
る。これら転写の機構を解明、利用することは、遺伝子
工学を用いた生命活動の制御や有用物の産生等に大きな
進歩をもたらし、医薬、発酵等の分野への意義は大き
い。
この重要な遺伝子における転写制御因子の解析にあた
り、制御因子となるタンパク質の分離・精製が要求され
る。しかし、このような転写制御因子タンパク質は微量
であり、精製が困難である。遺伝子と直接結合する転写
制御因子タンパク質は、結合部位を含むDNA鎖をリガン
ドとするアフィニティクロマトグラフィを用いた分離・
精製が行われ、セルロースやアガロース等のゲル粒子が
用いられてきた。しかし、市販されるこれらのゲルは、
粒子径として数十μm以上のものがほとんどであり、粒
子表面の総面積も小さく、また粒子径分布も広いため、
上記のような用途に用いた場合、効率、再現性等におい
て充分な性能を有しているとは言えない。さらに、カラ
ムに充填した場合、これらのゲル粒子は数十倍以上の水
を含有しているため、ゲル粒子の強度から考えると、高
圧でカラム中に溶液を流すことは不可能であり、効率の
悪いものである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、鋭意研究の結果、非特異吸着性を持た
ない合成高分子粒子に転写制御因子であるタンパク質が
特異的に結合する塩基配列を持った合成DNA鎖を化学結
合したものを担体として用いることより、該転写制御因
子であるタンパク質が容易に、収率良く得られることを
見いだし、本発明を完成するに到った。
(課題を解決するための手段) かくして本発明によりば、第1の発明として、特定の
タンパク質を特異的に結合する塩基配列を有するDNA鎖
とタンパク質を吸着しない担体から成り、担体とDNA鎖
が化学結合しているDNA固定ミクロスフェアが提供さ
れ、第2の発明として、特定のタンパク質を特異的に結
合する塩基配列を有するDNA鎖とタンパク質を吸着しな
い担体から成り、担体とDNA鎖が化学結合しているDNA固
定ミクロスフェアに、該DNA鎖を介して該タンパク質を
吸着させ、他のタンパク質を除去した後、該タンパク質
とDNA鎖を解離させる特定のタンパク質の精製法が提供
される。
本発明におけるタンパク質を吸着しない担体とは、担
体粒子表面にタンパク質が物理的吸着等により非特異的
に吸着しないものを意味する。一般的に粒子表面が疎水
性表面である場合、各種タンパク質は、非特異的吸着を
起こしやすい。従って、本発明においては、粒子表面が
疎水性でないことが必須である。親水性の高分子化合物
のモノマーとしては、エチレングリコール(メタ)アク
リレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト等のエチレンオキサイド含有(メタ)アクリル酸エス
テル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ基含有
(メタ)アクリル酸エステル、グリシジル(メタ)アク
リレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステ
ル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート等のアルキル(メタ)アクリル酸エステル、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトアクリルア
ミド、N−ヒドロキシミチルアクリルアミド等のモノエ
チレン性不飽和アミドモノマー、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル化合物
等を例示することができる。これらのモノマー1種から
なるポリマーでも、2種以上からなる共重合体でも本発
明の粒子表面に用いることができる。親水性のモノマー
でなくても、ポリマーあるいは共重合体としてタンパク
質の非特異的吸着を粒子表面に持ち込まないものではあ
れば、特に限定されない。本発明においては、タンパク
質の非特異的吸着の防止の観点から、グリシジルメタク
リレートのポリマー(以下、ポリGMAという。)が特に
好ましい。
本発明の粒子の製造法は、粒子表面にタンパク質の非
特異的吸着性を持ち込まないものであれば特に限定され
ず、懸濁重合法は、乳化重合法を用いることが可能であ
る。懸濁重合法による場合、その重合副資材は粒子表面
にタンパク質の非特異的吸着性を持ち込まないものであ
れば特に限定されず、分散安定剤としてポリアクリルア
ミドおよびその限定加水分解物、ポリアクリル酸、ヒド
ロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチル
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等
の水溶性高分子を例示することができ、重合開始剤とし
てもアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過
酸化ベンゾイル等の過酸化物等を用いることができる。
乳化重合においても、通常の乳化重合で使用されるもの
なら、粒子表面にタンパク質の非特異的吸着性を持ち込
まないものであれば特に限定されず、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤や、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル等の非イオン界
面活性剤等の界面活性剤、硫酸ナトリウム等のビルダ
ー、ヘキサメタリン酸等の無機分散安定剤、あるいは過
酸化カルウム等の重合開始剤等が使用できる。さらに乳
化重合における重合法も同様に限定されるものではな
く、バッチ式、セミバッチ式、連続式等の通常の重合法
が用いられる。
本発明において用いられる乳化重合法は、粒子表面を
クリーンな表面とし、タンパク質の非特異的吸着性を持
ち込まないために、水、モノマー、重合開始剤のみから
なるソープフリー乳化重合を用いることが特に好まし
い。
粒子としては重合体あるいは共重合体のみから成るも
のでも、コア・シェル構造を持ったものでも、タンパク
質の非特異的吸着性を持ち込まないものでありさえすれ
ばかまわない。ただし、コア・シェル構造を持つ粒子の
場合は、芯となる物質がタンパク質の非特異的吸着が起
こる物質であった場合、表面を完全にコーティングして
いかなければならなず、さらに、精製の作業中に表面の
剥離等が起こらないように充分な強度が要求される。
また、この担体はゲル粒子とは異なり、重合反応の制
御等により粒径の分布を狭くできるので、品質を制御し
やすい。
精製に用いるという目的から、単位体積当りに結合さ
れるDNA鎖が多いものが好ましい。その理由からは、粒
径が小さいものほど好ましい。粒径が小さいと、単位体
積当りの表面積が大きくなり、DNA鎖が結合できる部位
が増加するからである。粒径は50μm以下、好ましくは
20μm以下のものが効果的である。
しかし、一方でアフィニティークロマトグラフィに用
いることを考えた場合、粒径が3μm以下であると、カ
ラムへの充填、保持が難しい。カラムからの担体の流出
防止材に要求される条件を充すもので、粒径3μm以下
のものの流出を防止できるものがないためである。ただ
し、粒径が3μm以下であっても、DNA鎖にタンパク質
を吸着させた後に試料と分離するバッチ法での分離・精
製に利用できるものであれば、タンパク質の精製に用い
ることは可能である。例えば、ポリGMAは充分な比重を
持ち、遠心により担体を沈澱させ、上清と分離させるこ
とができ、バッチ法を用いてタンパク質の精製に用いる
ことができる。
こうして得られる粒子の表面へのDNA鎖の固定化は、
共有結合法で行うが、粒子の表面にタンパク質の非特異
吸着性を持たせる方法でなければ、特に限定されず、公
知の方法により行うことができる。一般的には、粒子表
面ののカルボン酸を用いるカルボジイミド法、表面のヒ
ドロキシ基を用いる臭化シアン法、表面のアミノ基を用
いるグルタルアルデヒド法またはジアゾ法、表面のエポ
キシ基を用いるエポキシド法等によりDNA鎖を粒子表面
に固定できる。
担体に結合するDNA鎖が多いほど、DNA鎖を介しての担
体とDNA鎖の結合が増し、精製の目的には好ましいの
で、そのような条件を検討するとよい。
ここで用いるDNA鎖は2本鎖のものである。1本鎖で
あると、粒子への固定時にDNA鎖の途中が固定に関与す
る可能性があり、また、タンパク質の非特異的吸着が起
こりやすい。このDNA鎖は特定のタンパク質と特異的に
結合できる塩基配列を有するものであり、対象となるタ
ンパク質はDNA鎖と結合するタンパク質から選ばれ、そ
のタンパク質に応じて特定の塩基配列が選ばれる。精製
の効率をよくするためには、特定のタンパク質と結合す
る特定の塩基配列が一つのDNA鎖中に複数含まれている
ものが好ましい。特定の塩基配列と特異的に結合するタ
ンパク質としては、転写制御因子タンパク質等がある。
このDNA固定ミクロスフェアを用いて、タンパク質を
精製するが、目的のタンパク質を吸着させ、他のタンパ
ク質を除去した後、特定のタンパク質とDNA鎖を解離さ
せる方法は、特に限定されない。カラムを用いたアフィ
ニティクロマトグラフィでも、バッチ式でもかまわな
い。
この粒子はゲルに比べて硬質であり、また水を含有し
ていないので、カラムに充填する場合、高圧で溶液を流
すことも可能であり、精製が効率よく行える。また、ゲ
ルを用いた従来のカラム・クロマトグラフィでは大量の
緩衝液が必要であり、その結果、精製したタンパク質を
希釈することになる。それに対し、この粒子を用いた精
製は、カラム・クロマトグラフィの場合の希釈倍率が低
いのはもちろん、バッチ法の場合も粒子を沈降させる等
の方法により、簡単に、かつ希釈せず、精製タンパク質
を得ることができる。これは、転写制御因子タンパク質
等の微量タンパク質の精製においては大きな利点とな
る。
後述の実施例に示すように、本発明のDNA固定ミクロ
スフェアを用いた精製法により、転写制御因子E4TF1が
初めて精製され、精製法として優れていることが示され
た。
(発明の効果) かくして本発明によれば、特定の塩基配列と特異的に
結合する特定のタンパク質、特に転写制御因子タンパク
質が、効率よく、分離・精製することができる。
(実施例) 以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例 1 水160mlにモノマーGMA10gと重合開始剤として過硫酸
カリウムを0.2g加え、70℃で24時間、200rpmのスピード
でスターラーで撹拌しながら、GMAをソープフリー乳化
重合させた。生成したポリGMA粒子は遠心により沈降さ
せ、上澄みを除去し、蒸留水に分散させるという洗浄を
3回繰り返した。こうして得られたポリGMAは平均粒子
径0.23μmであった。
比較例として水160mlにモノマー・スチレン14gとモノ
マーGMA6g、過硫酸カリウム0.2gを加え、GMAの重合と同
じ条件でソープフリー乳化重合し、平均粒子径0.50μm
のスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体粒子
(以後、St−GMA粒子という。)を得た。
HeLa細胞の核からの抽出物をヘパリンセフアロースの
カラムのカラムにかけて0.1M KClで溶出させ、さらにDE
AEセフアロースのカラムにかけて0.35M KClで溶出させ
タンパク質溶液(溶媒はpH7.9の0.1M KCl Tris バッフ
ァ)を調製した。
ポリGMA粒子、St−GMA粒子を酸処理によ親水化したも
の各200μgを、それぞれ未精製の上記タンパク質溶液2
00μと混合した。その後、遠心により粒子を沈降させ
て上澄みを採取し、ポリアクリルアミド電気泳動にかけ
た。
粒子不在下の電気泳動パターンのバンドと比較する
と、St−GMA粒子存在下の電気泳動パターンのバンドは
薄く、かなりのタンパク質がSt−GMA粒子に吸着してい
るのに対し、ポリGMA粒子系のバンドは粒子不在下のバ
ンドと差が認められず、ポリGMA粒子にはタンパク質が
吸着していないことが示された。St−GMA粒子の表面に
スチレンユニットが露出し、そのためタンパク質の疎水
的結合が起こっているものと考えられる。
以上の結果から、上記ポリGMA粒子はタンパク質非特
異的吸着性を持っていないことが示された。
また、この粒子はサブミクロンサイズであるにもかか
わらず、比重が約1.2と大きいため沈降しやすく、簡単
に回収できる利点を持つ。
実施例 2 転写制御タンパク質E4TF1に認識される塩基配列を持
つた15bpのオリゴデオキシヌクレオキシド を合成機を用いて調製した。
このオリゴデオキシヌクレオシドに、γ−32P−ATP
(本来は必要ないが、後述の実施例3において担体とDN
A鎖の結合量を調べるため、また実施例4のタンパク質
の検出のために加えた)、ATP、キナーゼを加え、37℃
で1時間反応させ、5'末端をリン酸化し、アニール/リ
ガーゼにより結合させて、5'末端の突出した約200bpのD
NA鎖を調製した。
実施例3 実施例2で調製したDNA鎖を臭化シアン法にて粒子に
結合した。反応条件は、前もって検討した結果、実施例
1で調製したポリGMA粒子に最も高効率でDNA鎖を結合で
きる反応温度2℃、pH11〜12、臭化シアン/粒子=3.0g
/240mg結合させた。遠心により、DNA鎖が固定されたポ
リGMA粒子を回収した後、上澄み中の粒子に結合せずに
残されたDNA鎖を32Pの放射線量から定量し、DNA鎖の固
定量を算出した結果、用いたDNA鎖の内50〜60%が粒子
に固定され、約20本/粒子(0.6〜1.0μg/mg)のDNA鎖
固定ポリGMA粒子が得られたことが判った。
実施例4 DNA鎖固定ポリGMA粒子200μgを実施例1で用いたの
と同じタンパク質溶液に加え、4℃、30分間、ピペッテ
ィングにより撹拌した後、DNA鎖固定ポリGMA粒子を遠心
により、上清と分離した。充分にpH7.9の0.1M KCl Tris
バッファで洗浄した後、pH7.9の0.5M KCl Trisバッファ
でDNA鎖固定ポリGMA粒子を処理し、DNA鎖に結合してい
たタンパク質を溶出させた。
各工程での上澄みについて、SDS−PAGEを行った。そ
の結果、pH7.9の0.5M KCl TrisバッファでDNA鎖固定ポ
リGMA粒子を処理することによる溶出液中に、DNA鎖に結
合していたタンパク質E4FT1が認められたが、まだ、他
のタンパク質が混入が多かった。
また、E4TF1と結合能を持つ実施例2で調製した末端
ラベルしたDNAと試料タンパク質溶液(各工程での上澄
み)を混合し、ポリアクリルアミドゲル中で電気泳動
し、ゲルシフトアッセイを行った。その結果、この精製
処理により、E4TF1は特異塩基配列により結合する活性
を保持していることがわかった。
この粗精製E4TF1溶液をTrisバッファで希釈し塩濃度
0.1Mに下げて、再び、DNA固定ポリGMA粒子で処理して精
製した。
SDS−PAGEにより、転写制御因子E4TF1が、きわめて選
択的に、分離・精製されたことが確認された。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定のタンパク質を特異的に結合する塩基
    配列を有するDNA鎖とタンパク質を吸着しない粒径50μ
    m以下の担体から成り、担体とDNA鎖が化学結合してい
    るDNA固定ミクロスフェア。
  2. 【請求項2】特定のタンパク質が転写制御因子である請
    求項1記載のDNA固定ミクロスフェア。
  3. 【請求項3】タンパク質を吸着しない担体表面がポリグ
    リシジルメタクリレート粒子から成る請求項1または請
    求項2記載のDNA固定ミクロスフェア。
  4. 【請求項4】特定のタンパク質を特異的に結合する塩基
    配列を有するDNA鎖とタンパク質を吸着しない粒径50μ
    m以下の担体から成り、担体とDNA鎖が化学結合してい
    るDNA固定ミクロスフェアに、該DNA鎖を介して該タンパ
    ク質を吸着させ、他のタンパク質を除去した後、該タン
    パク質とDNA鎖を解離させる特定のタンパク質の精製
    法。
  5. 【請求項5】特定のタンパク質が転写制御因子である請
    求項4記載の特定のタンパク質の精製法。
  6. 【請求項6】タンパク質を吸着しない担体表面がポリグ
    リシジルメタクリレートから成る請求項4または請求項
    5記載の特定のタンパク質の精製法。
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