JP2738487B2 - 液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物

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JP2738487B2
JP2738487B2 JP4324106A JP32410692A JP2738487B2 JP 2738487 B2 JP2738487 B2 JP 2738487B2 JP 4324106 A JP4324106 A JP 4324106A JP 32410692 A JP32410692 A JP 32410692A JP 2738487 B2 JP2738487 B2 JP 2738487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液状エポキシ樹脂組成
物、更に詳しくは、電気・電子部品であるハイブリッド
ICやチップオンボードなどのICチップを封止保護す
る目的で、ポッティングやコーティングに使用される液
状エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子部品の小型化や薄膜化のた
め、たとえばセラミック基板上にICチップを搭載し、
回路パターンとボンディングしたハイブリッドICや、
プリント配線板上にICチップを直接搭載したチップオ
ンボードの需要が急激に延びている。しかし、これらの
部品に搭載されるICチップは裸の状態にあるため、こ
れに適当な封止材料をポッティングあるいはコーティン
グして外部ストレスから保護する必要がある。
【0003】ところで、封止材料としてエポキシ樹脂を
主成分とした一液型の、たとえばエポキシ樹脂に対し、
特定のシリコーン化合物および分散安定剤を加え、攪拌
混合して得られたシリコーン樹脂粒子をエポキシ樹脂マ
トリックス中に分散せしめた液状組成物が知られてい
る。この組成物は内部応力が低く、特に封止されるIC
チップの熱ストレス低減に有効ではあるが、さらに性能
上の耐湿信頼性や低線膨張率を確保するのに多量の充填
材(溶融シリカ、結晶性シリカなど)を配合した場合、急
激な粘度上昇が起こり、ポッティングやコーティングの
作業に問題があった。このため本発明者らの研究によ
り、IC封止後の耐湿信頼性を悪化することなく、かつ
多量の充填材を含むも適度の粘度を有し、作業性の良好
な液状エポキシ樹脂組成物として、(A)エポキシ樹脂、
(B)両末端シラノールオルガノポリシロキサン、(C)1
分子内に少なくとも2個のアルコキシシリル基を有する
シランカップリング化合物で、そのアルコキシ基と上記
ポリシロキサン(B)の水酸基とのモル比率が0.1〜1
5、(D)分散安定剤として、4種のオルガノポリシロキ
サン誘導体の群から選ばれる少なくとも1種、(E)溶融
シリカ、および(F)粘度低下剤として特定のポリエーテ
ル変性シリコーン化合物から成る液状エポキシ樹脂組成
物を開発し、これについて特許出願公開に至っている
(特開平4−33914号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
許出願公開された液状エポキシ樹脂組成物にあっても、
粘度低下剤であるポリエーテル変性シリコーン化合物
(F)に起因して吸水率がアップする問題が生じる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
分散安定剤として特定のウレタン変性シリコーン樹脂を
用いれば、シリコーン樹脂粒子の分散安定化と同時に粘
度低下機能を発揮することができ、上述の粘度低下剤の
使用を省略できることを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0006】すなわち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、
(B)両末端シラノールオルガノポリシロキサン、(C)1
分子内に少なくとも2個のアルコキシシリル基を有する
シランカップリング化合物で、そのアルコキシ基と上記
ポリシロキサン(B)の水酸基とのモル比率が0.1〜1
5、(D)分散安定剤として、(a)両末端アルコール性ヒ
ドロキシル基または両末端アミノ基もしくはイミノ基含
有シリコーン化合物(以下、両末端活性水素シリコーン
化合物と称す)と(b)多価ヒドロキシルまたは多価アミノ
もしくはイミノ化合物(以下、多価活性水素化合物と称
す)と(c)ジイソシアネート化合物と(d)両末端にヒドロ
キシル基またはアミノ基を含有する鎖延長剤(以下、両
末端活性水素鎖延長剤と称す)との反応生成物からなる
ウレタン変性シリコーン樹脂、および(E)溶融シリカか
ら成ることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物を提供
するものである。
【0007】本発明におけるエポキシ樹脂(A)は通常の
ものが使用されてよく、特に制限はない。具体例として
は以下のものが挙げられ、1種または2種以上の混合物
を使用に供する。 (1)グリシジルアミン型エポキシ樹脂 N,N−ジグリシジルアミノ基を少なくとも1個有する
エポキシ樹脂で、N,N,N',N'−テトラグリシジルア
ミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジルメタ(また
はパラ)アミノフェノールグリシジルエーテルおよびそ
れらの縮合物。これらはアラルダイトMY720(チバ
ガイギー社製)、エポトートYH434、YH120(東
都化成社製)として市販。
【0008】(2)ノボラック型エポキシ樹脂 フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてエピコート
152,154(シェル化学社製)、ダウエポキシ樹脂D
EN431,438,439,485(ダウケミカル社
製)、チバガイギーEPN1138,1139(チバガイ
ギー社製)、RE−305S(日本化薬社製)等。クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂としてチバガイギーEC
N1235,1273,1280,1299(チバガイギー
社製)、EOCN100,102,103,104,EOC
N−1020,1025,1027,3300,4400
(日本化薬社製)、QUATREX3310,3410,3
710(ダウケミカル社製)等。 (3)ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてエピコート
828,834,827,1001,1002,1004,1
007,1009(油化シェル社製)、ダウエポキシDE
R331,332,662,663U,662U(ダウケミ
カル社製)、アラルダイト6071,7071,7072
(チバガイギー社製)、エピクロン840,850,85
5,860,1050,3050,4050,7050(大日
本インキ化学工業社製)、RE−310S、RE−41
0S(日本化薬社製)等。ウレタン変性ビスフェノールA
型エポキシ樹脂としてアデカレジンEPV−6,EPV
−9,EPV−15(旭電化工業社製)等。臭素化ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂としてアラルダイト8011
(チバガイギー社製)、ダウエポキシ樹脂DER511
(ダウケミカル社製)等。
【0009】(4)脂環式エポキシ樹脂としてアラルダイ
トCY−179,CY−178,CY−182,CY−1
83(チバガイギー社製)等。 (5)その他:ビスフェノールF型[市販品としてエピコー
ト807(油化シェル社製)、RE−304S、RE−4
03S、RE−404S(日本化薬社製)、S−129、
830S(大日本インキ化学社製)]、レゾルシン型、テ
トラヒドロキシフェニルエタン型、ポリアルコール、ポ
リグリコール型、グリセリントリエーテル型、ポリオレ
フィン型、エポキシ化大豆油、エステル型エポキシ樹
脂、フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ
樹脂、各種難燃性エポキシ樹脂等を使用することができ
る。なお、これらのエポキシ樹脂にあって、常温液状の
ものはそのまま使用できるが、常温固形のものについて
は、その融点以上に加熱溶融するか、あるいは液状エポ
キシ樹脂を併用して液状化すればよい。
【0010】本発明における両末端シラノールオルガノ
ポリシロキサン(B)としては、式:
【化1】 [式中、R1はメチルまたはフェニル、R2はフェニル、
rは9〜500、およびsは0またはrの6%以下である]
で示されるポリシロキサンが挙げられ、これらの群から
選ばれた1種または2種以上の混合物を使用に供する。
具体的には、たとえば末端シラノールポリジメチルシロ
キサン、末端シラノールジフェニルシロキサン、末端シ
ラノールポリジメチル−ジフェニルシロキサン、ポリテ
トラメチル−p−シリルフェニレンシロキサンが市販さ
れている。使用量は、エポキシ樹脂(A)100部(重量
部、以下同様)に対して5〜200部、好ましくは5〜
50部の範囲で選定すればよい。5部未満であると、改
質効果が得られず、また200部を越えると、樹脂全体
がゲル化状態となる傾向にある。
【0011】本発明におけるシランカップリング化合物
(C)としては、下記化合物群(i)〜(iv)のものが挙げら
れ、これらから選ばれた1種または2種以上の混合物を
使用に供する。(i)式:
【化2】 [式中、R3は水素、フェニル、ベンジル、シクロヘキシ
ル、ビニルベンジルまたはアリル、R4は−C24−、
−C36−または−C24SC24−、R5およびR6
同一もしくは異なってメチルまたはエチル、R7は−C2
4−、−C24SC24−、−C24NHC24−ま
たは−CO−、R8は−C24−または−C36−、お
よびtは0または1である]で示されるアミノシラン化合
物、
【0012】(ii)式:
【化3】 [式中、R5,R6およびtは前記と同意義、およびR9は−
36−または−CH2−である]で示されるメルカプト
シラン化合物、
【0013】(iii)式:
【化4】 [式中、R5,R6およびtは前記と同意義、およびR10
式:
【化5】 である]で示されるエポキシシラン化合物、および
【0014】(iv)式:
【化6】 [式中、R5,R6およびtは前記と同意義、およびR11
−A−または−Q−NHCOX−A−(ここで、Aはア
ルキレン基、好ましくは炭素数2以上、特に3以上の低
級アルキレンでたとえば−C24−、−C36−等、Q
はジイソシアネート残基、たとえば2,4−もしくは2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート
残基またはヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添M
DI、水添TDIなどの脂肪族系ジイソシアネート残
基、およびXは−NH−、−O−または−S−)であ
る]で示されるイソシアネートシラン化合物。
【0015】以下、式[C1〜C4]のシラン化合物の具
体例について、それぞれの構造式および化合物名を列挙
する。式[C1−I]のアミノシラン化合物2NC36Si(OC25)3 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン H2NC24Si(OCH3)3 β−アミノエチルトリメトキシシラン γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン CH2=CHCH2NHC36Si(OCH3)3 γ−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン β−(β−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシ
ラン H2NC24SC24Si(OC25)3 β−(β−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン
【化7】 β−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン
【化8】 γ−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン
【化9】 γ−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン
【化10】 γ−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリエトキシシラ
【0016】式[C1−II]のアミノシラン化合物2NC24NHC36Si(OCH3)3 N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン H2NC24NHCH2Si(OCH3)3 β−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン H2NC24NHC24NHC36Si(OCH3)3 γ−[β−(β−アミノエチルアミノエチルアミノ)プロ
ピル]トリメトキシシラン H2NCONH(CH2)3Si(OC25)3 N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア
【0017】式[C2]のメルカプトシラン化合物
【化11】 3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
【化12】 3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン
【化13】 メルカプトメチルトリメトキシシラン
【化14】 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
【0018】式[C3−I,II]のエポキシシラン化合
【化15】 β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン
【化16】 [2−(3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル)プ
ロピル]メチルジエトキシシラン
【化17】 (3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン
【化18】 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
【0019】式[C4]のイソシアネートシラン化合物
【化19】 γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン
【化20】 γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン
【0020】これらのシランカップリング化合物(C)は
いずれも、分散剤兼架橋剤として機能し、使用量はそれ
らのアルコキシ基と上記ポリシロキサン(B)の水酸基と
のモル比率:[アルコキシ基]/[OH]が0.1〜15とな
るように選定する。この比率が0.1未満であると、分
散安定効果が発揮されず、また15を越えると、シリコ
ーン樹脂粒子を分散して得られるエポキシ樹脂組成物の
粘度安定性が劣る。本発明では、エポキシ樹脂とシリコ
ーン樹脂粒子界面の接着性も考慮しており、アルコキシ
基が水酸基(シラノール基)に対してかなり過剰のモル比
で使用することもある。
【0021】本発明における分散安定剤(D)であるウレ
タン変性シリコーン樹脂は、(a)両末端活性水素シリコ
ーン化合物、(b)多価活性水素化合物、(c)ジイソシアネ
ート化合物および(d)両末端活性水素鎖延長剤を原料と
し、以下の手順に従って製造することができる。
【0022】その1:先ず、両末端活性水素シリコーン
化合物(a)とジイソシアネート化合物(c)を、要すれば適
当な溶媒(たとえば酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、ベンゼン、クロロホルム、テトラヒ
ドロフラン)中、20〜120℃×2〜120時間の条
件で反応させてモノ付加物を形成する。一方、多価活性
水素化合物(b)とジイソシアネート化合物(c)について
も、前記と同様な条件下で反応させてモノ付加物を形成
する。次に、上記それぞれのモノ付加物を両末端活性水
素鎖延長剤(d)の存在下、20〜120℃×3〜24時
間の条件でブロック付加反応させて、ウレタン変性シリ
コーン樹脂を得る。
【0023】その2:上記4成分(a〜d)を要すれば上記
溶媒中、ワンバッチ方式で上記と同様なブロック付加反
応に供することによっても、ウレタン変性シリコーン樹
脂を得ることができる。
【0024】上記両末端活性水素シリコーン化合物(a)
としては、式:
【化21】 [式中、X1は−OH、−NH2または−NHR(ここで、
RはC18の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基あるいは
フェニル基)、R12およびR13は同一もしくは異なっ
て、水素、メチルまたはフェニル、R14は炭素数1〜1
2のアルキレン基もしくはアルキレンエーテル基、およ
びmは3〜300である]で示されるシリコーン化合物が
挙げられ、分子量900〜20000、好ましくは18
00〜10000のものが適当である。これらはKF6
001、KF6002、KF6003(信越シリコーン
社製)、FM3311、FM3321、FM4421(チ
ッソ社製)等として市販されている。
【0025】上記多価活性水素化合物(b)としては、式:
【化22】 [式中、X2は−OH、−NH2または−NHR(ここで、
Rは前記と同意義)、R15は水素またはメチル、R16
炭素数1〜12のアルキレン基または
【化23】 (ここで、R17およびR18は同一もしくは異なって、水
素またはメチル)の基もしくはその水素化基、lは5〜1
00およびl'は5〜100である]で示される化合物(た
とえばポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレンエチレングリコール、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキシド付加体もしくはエチレンオ
キシド付加体)、または式:
【化24】 [式中、R19は脂肪族または芳香族ジカルボン酸の残
基、およびR20は脂肪族または芳香族ジアルコールの残
基であり]の繰返し単位10〜100個を有し、かつ両
末端が−OHであるポリエステルポリオール(ここで、
繰返し単位のR14,R20は各々単一でなく共重合物でも
よい)が挙げられ、分子量500〜10000、好まし
くは1000〜3000のものが適当である。
【0026】上記ジイソシアネート化合物(c)として
は、たとえば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシ
アネート(TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、キシリレンジイソシアネートなどの
芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、水添MDI、水添TDIなどの脂肪族ジイソシ
アネートが挙げられる。
【0027】上記両末端活性水素鎖延長剤(d)として
は、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、メ
チルイミノジエタノール、ジメチロールプロピオン酸、
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げら
れる。
【0028】なお、かかる4成分(a〜d)のブロック付加
反応によって得られるウレタン変性シリコーン樹脂の構
造は、たとえばa成分として式:
【化25】 の両末端活性水素シリコーン化合物、b成分として式:
【化26】 のビスフェノールA・プロピレンオキシド付加体、c成
分としてTDI、およびd成分としてブタンジオールを
用いた場合、式:
【化27】 (pは1〜10、qは1〜20)で示すことができる。
【0029】このようにして得られるウレタン変性シリ
コーン樹脂は分散安定剤(D)として使用することがで
き、使用量はエポキシ樹脂(A)100部に対して0.0
1〜20部、好ましくは0.5〜5部の範囲で選定すれ
ばよい。0.01部未満であると、シリコーン樹脂の所
望の分散安定効果および粘度低下効果が得られず、また
20部を越えると、シリコーン分散相のマトリックスへ
の溶解や粘度の著しい増加などの傾向となる。
【0030】本発明における溶融シリカ(E)は、通常の
ものであってよいが、特に粘度上昇防止の観点から、溶
融シリカに対してたとえば0.1〜6%(重量%、以下同
様)、好ましくは0.5〜3%のエポキシアルコキシシラ
ン化合物[たとえばβ−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、[2−(3,4−エポキシ
−4−メチルシクロヘキシル)プロピル]メチルジエトキ
シシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキ
シシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンなど]およびメルカプトアルコキシシラン化合物[たと
えば3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプ
トメチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル
トリメトキシシランなど]の群から選ばれる少なくとも
1種で、溶融シリカを常法に従って表面処理したものの
使用が好ましい。かかる溶融シリカ(E)の使用量は通
常、エポキシ樹脂100部に対して50〜450部、好
ましくは100〜350部の範囲で選定すればよい。5
0部未満であると、ICチップの耐湿信頼性の低下や熱
ストレスの低下が見られ、また450部を越えると、組
成物の粘度が高くなり、取扱いが困難となる傾向にあ
る。
【0031】本発明に係る液状エポキシ樹脂組成物は、
上記所定割合のエポキシ樹脂(A)、ポリシロキサン
(B)、シランカップリング化合物(C)、分散安定剤(D)
および溶融シリカ(E)で構成されるが、通常は、E成分
を除くA〜D成分を室温または加熱下で、要すれば反応
触媒(t−ブチル錫オキサイド、オクチル酸鉛、オクチル
酸錫、第三級アミノ化合物、水など)を加え、攪拌混合
して架橋反応を行い、エポキシ樹脂マトリックス中にシ
リコーン樹脂粒子を安定に分散せしめた後、これにE成
分を配合することにより調製すればよい。必要に応じ
て、硬化促進剤(イミダゾール類もしくはその塩、第三
級アミン類もしくはその塩、トリアゾール類もしくはそ
の塩、有機金属錯塩、有機酸金属塩、第4級アンモニウ
ム塩、ホスフィン類、ホスホニウム塩、ジアザビシクロ
アルケン類もしくはその塩など)、チクソ剤、希釈剤、
消泡剤、イオントラップ剤、難燃剤等を適量配合しても
よい。
【0032】また、本発明組成物の硬化には、一般的に
一液性エポキシ樹脂に用いられている潜在性硬化剤等の
使用が可能であり、たとえばジシアンジアミド、イミダ
ゾール系化合物、アミンイミド系化合物、ヒドラジド系
化合物、酸無水物系化合物が使用できる。
【0033】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明組成物は、エ
ポキシ樹脂の分散安定剤として、特定のウレタン変性シ
リコーン樹脂を用いたことにより、低粘度で作業性に優
れ、かつ吸水率アップの問題が解消される。また用途と
しては、主にIC用封止材料が挙げられるが、これ以外
にも各種コーティング材、塗料、接着剤、プリプレグな
どへの適用が含まれる。
【0034】
【実施例】次に製造例、実施例および比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明する。なお、製造例は分散安定
剤の製造例である。 製造例1,2 下記表1に示す部数の各成分を用い、以下の手順に従っ
て分散安定剤を製造する。 i)先ず、ジイソシアネート化合物を所定量セパラブルフ
ラスコに入れ、酢酸エチルを加え50%溶液とし、70
℃で加熱を行った後、これに所定量の両末端活性水素シ
リコーン化合物の酢酸エチル50%溶液を滴下漏斗で加
え、70℃×3時間の反応を行う。その結果、ジイソシ
アネート化合物のNCO基が初期と比べ2分の1に半減
していることを滴定で確認した。
【0035】ii)同様に、ジイソシアネート化合物を所
定量セパラブルフラスコに入れ、酢酸エチルを加え50
%溶液とし、70℃で加熱を行った後、これに所定量の
多価ヒドロキシル化合物の酢酸エチル50%溶液を滴下
漏斗で加え、70℃×6時間の反応を行う。その結果、
ジイソシアネート化合物のNCO基が初期と比べ2分の
1に半減していることを滴定で確認した。
【0036】iii)次に、上記(i)および(ii)で得たモノ
付加物をセパラブルフラスコに入れ、70℃加熱下で所
定量の鎖延長剤の酢酸エチル50%溶液を加え、70℃
×6時間でブロック付加反応を行って、ウレタン変性シ
リコーン樹脂溶液を得る。IR分析の結果、NCO基が
消去していることを確認した。同時にGPCにより数平
均分子量(Mn)を測定し、結果を表1に示す。
【0037】製造例3,4(ワンバッチ方式) 表1に示す製造例3および4の各成分を酢酸エチル50
%溶液として配合し、70℃×6時間でブロック付加反
応を行って、ウレタン変性シリコーン樹脂溶液を得る。
IR分析の結果、NCO基が消去していることを確認し
た。なお、GPCにより数平均分子量(Mn)を測定し、
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1中、 注1)FM4421:チッソ(株)製、分子量5000の
式、
【化28】 のシリコーン化合物。 FM4411:同(株)製、分子量1000の式、
【化29】 のシリコーン化合物。 FM3321:同(株)製、分子量5000の式、
【化30】 のシリコーン化合物
【0040】注2)P−1000:旭電化工業(株)製、分
子量1000のポリプロピレングリコール。 BPX−55:旭電化工業(株)製、分子量800のビス
フェノールA・プロピレンオキシド付加体。
【0041】製造例5(特開平4−33914号公報に
記載の液状エポキシ樹脂組成物に使用される分散安定
剤)式:
【化31】 のポリシロキサン(信越シリコーン(株)製、X−22−
167B、平均分子量3500)5gをセパラブルフラス
コに入れ、これにエチルアクリレート100g、AIB
N(1g)およびトルエン100gを加え、N2置換および
70℃加熱下で2時間の熱重合を行い、白色粘稠状のブ
ロックポリマーを得る。重合収率は85%で、GPC測
定の結果、未反応のポリシロキサンの他に、平均分子量
35000の高分子物が認められた。未反応モノマー、
溶媒を留去後、メタノールで分別精製を行い、IR分析
により、カルボニル基(1720cm-1)、シロキサン(1
000〜1100cm-1)の吸収を確認した。
【0042】実施例1〜3および比較例1〜4 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本化薬社製、RE
−310S)80gに、末端シラノールポリジメチルシロ
キサン(ペトラッチ・システムズ・インコーポレイテッ
ド(Petrach Systems Inc.)社製、PS343)20
g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化
学工業社製、KBM−803)1g、製造例1〜5で得た
分散安定剤(溶液状態)40gおよびt−ブチル錫オキサイ
ド0.5gを加え、80℃加熱下で6時間攪拌を続ける。
反応混合物は乳白色液体となり、反応終了後室温で放
置、冷却してエポキシ樹脂中にシリコーン樹脂粒子が均
一に分散したエポキシ樹脂組成物を得る。次に、このエ
ポキシ樹脂組成物に、溶融シリカ(旭電化工業(株)製、
FB−74)60g、硬化促進剤(四国化成工業(株)製、
2MA−OK、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイ
ミダゾール−(1')]エチル−3−トリアジンイソシアヌ
ル酸付加物)2.3gおよび比較例2,4の場合のみ粘度低
下剤(トーレ・シリコーン(株)製、SF−8400、ポ
リエーテル変性シリコーン化合物)1.6gを配合して目
的とする液状エポキシ樹脂組成物を調製し、それぞれに
ついて粘度測定(B型粘度計、40℃)を行い、かつ60
℃温水に1週間浸漬した後、浸漬前後の重量変化(吸水
率、%)を測定し、結果を下記表2に示す。
【0043】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/31 //(C08K 13/02 3:36 5:54)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、 (B)両末端シラノールオルガノポリシロキサン、 (C)1分子内に少なくとも2個のアルコキシシリル基を
    有するシランカップリング化合物で、そのアルコキシ基
    と上記ポリシロキサン(B)の水酸基とのモル比率が0.
    1〜15、 (D)分散安定剤として、(a)両末端アルコール性ヒドロ
    キシル基または両末端アミノ基もしくはイミノ基含有シ
    リコーン化合物と(b)多価ヒドロキシルまたは多価アミ
    ノもしくはイミノ化合物と(c)ジイソシアネート化合物
    と(d)両末端にヒドロキシル基またはアミノ基を含有す
    る鎖延長剤との反応生成物からなるウレタン変性シリコ
    ーン樹脂、および (E)溶融シリカから成ることを特徴とする液状エポキシ
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)〜(E)成分の配合割合が、(A)10
    0重量部に対してそれぞれ、(B)5〜200重量部、
    (D)0.01〜20重量部および(E)50〜450重量
    部である請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
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