JP2738380B2 - 生理活性物質の活性測定法 - Google Patents

生理活性物質の活性測定法

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JP2738380B2
JP2738380B2 JP8032870A JP3287096A JP2738380B2 JP 2738380 B2 JP2738380 B2 JP 2738380B2 JP 8032870 A JP8032870 A JP 8032870A JP 3287096 A JP3287096 A JP 3287096A JP 2738380 B2 JP2738380 B2 JP 2738380B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なペプチド誘
導体を基質として用いる生理活性物質の測定法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ペプチド、タンパク質などの、主として
アミノ酸で構成されている物質は、生体内に於て、種々
の重要な生理的役割を果している。この生理的機能を発
現するにあたり、ペプチド結合の特異的な分解、特異的
な修飾、糖,リン酸基,スルホン基,硫酸基等のペプチ
ドへの特異的な付加及び特異的な脱離反応等が生体内で
起こることが知られている。例えば、ペプチド性ホルモ
ンの特異的加水分解による活性化、タンパク質のリン酸
化による活性調節、ペプチド,タンパク質の生体膜通過
時の特異的切断、タンパク質に対する糖鎖の付加又は脱
離等多くの具体例が知られている。このような反応の解
明は、医学的、生理学的に非常に重要なことであり、こ
のような反応を行う生理活性物質について、これまで種
々の研究がなされている。
【0003】従来より、ペプチド、タンパク質等に作用
する生理活性物質の活性を測定するにあたっては、ペプ
チド或はタンパク質を測定基質として用い、これに対し
て生理活性物質が修飾、脱離、分解等の種々の作用を行
った結果を測定する方法が最も一般的である。
【0004】例えば、プロテアーゼ活性やペプチダーゼ
活性を測定する場合、ペプチド或はアミノ酸に発色基を
導入した人工基質を用いる方法が知られている。この方
法は発色基として、クマリン、ナフチルアミン、ニトロ
アニリン、馬尿酸等の誘導体を用い、これらの発色基と
アミノ酸との結合が加水分解されることにより遊離する
発色基の蛍光強度、吸光度(吸収曲線)等の変化を測定
することにより、或は遊離する発色基を更にカップラー
等と呈色反応させて生じた色素の吸光度を測定すること
によりこれを測定する方法である。このように、目的と
する生理活性物質により直接この結合を加水分解し、測
定する方法は簡便ではあるが、この方法に用いられる基
質はペプチドと発色基との結合が切断されて初めて発色
或は蛍光性を有する基を生成するため、加水分解される
箇所はアミノ酸と発色基との結合部位でなくてはなら
ず、特異性の高い生理活性物質の測定法としては適当で
はない。また、ペプチドと発色基とを結合させた基質の
ペプチド部分を、目的の生理活性物質で加水分解させ、
更にエクソペプチダーゼ等を共役させて発色基を遊離さ
せる方法は、直接、加水分解物を測定していないため、
混入する他の生理活性物質の影響が避けられない。
【0005】またJournal of Biochemistry,98,1293〜1
299(1985)には、ペプチドを基質に用い、加水分解によ
って生じたアミノ基にフルオレサミンを作用させ、生じ
た蛍光を測定する方法が開示されている。この方法は、
感度の良い方法ではあるが、生成したアミノ基を特定で
きず、混入する他の生理活性物質によって他の部分のペ
プチドが加水分解され、その影響が生じるという欠点を
有する。この方法と同様に、新たに生じるアミノ基又は
カルボキシル基を測定する方法は、反応部分を特定でき
ないため、大きな誤差を与える恐れがある。
【0006】また、上記文献では、反応物を高速液体ク
ロマトグラフィーで分離定量することにより、加水分解
部分の特定と定量が可能であることが開示されている
が、この場合、ペプチド結合による220nm前後の吸収を
測定しているため、感度が低いという欠点を有してい
る。
【0007】更に、Biochemistry,15,1958〜1967(1976)
には特定の官能基の付加或は脱離を行う作用を有する酵
素の測定方法としてラジオアイソトープを用いる方法が
開示されている。この方法は、ヒストン、カゼイン等の
タンパク質と32Pでアイソトープラベルしたアデノシン
三リン酸を用いてタンパク質のリン酸化を行う酵素の測
定を行おうと云うものである。この方法は感度の高い方
法ではあるが、タンパク質のどの部分がリン酸化したか
特定できないし、アイソトープ使用のため特殊な機器類
を必要とし、また操作が煩雑であるという欠点を有して
いる。従って、この様な酵素の測定方法として、より特
異性が高く、反応機構の解明が可能で、操作の簡便な方
法の開発が強く望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、本発明が解決しようとす
る課題は、ペプチド、タンパク質等に作用する生理活性
物質の活性を新規なペプチド誘導体を基質として用いて
特異的に、且つ感度良く、簡便に測定し得る方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アミノ酸が2
〜15個からなる下記構造式[I]又は[II]を有するペ
プチド誘導体をペプチド又はタンパク質に作用する生理
活性物質の基質として用い、これが生理活性物質の作用
を受けて生じる生成物を分別測定し、得られた測定値に
基づいて生理活性物質の活性値を求めることを特徴とす
る、生理活性物質の活性測定法の発明である。
【0010】 R−A−A−A−R [I] 又はR−A−A−R [II] [但し、Aはアミノ酸残基又はアミノ酸が2〜13個か
らなるペプチド残基を表わし、AはN末端のアミノ酸
残基を、AはC末端のアミノ酸残基を夫々表わし、且
つ「−A−A−A−」及び「−A−A−」のア
ミノ酸配列は生理活性物質の基質となり得る配列であ
る。また、R はピリジル基、水素原子又はアミノ保護
基を表わし、R は水酸基、カルボキシ保護基又は−N
H−Y−R (但し、R はピリジルアミノ基を表わ
し、Yは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキ
レン基、又はフェニレン基を表わす。)を表わす。但
し、R が水素原子若しくはアミノ保護基の場合はR
は−NH−Y−R であり、R が水酸基又はカルボキ
シ保護基の場合はR はピリジル基である。
【0011】一般式[I]及び[II]に於けるR
しては、例えば2−ピリジル基、3−ピリジル基等のピ
リジル基、又は水素原子若しくはアミノ保護基等が挙げ
られる。またアミノ保護基としては、アミノ酸のアミノ
基の保護基として一般に用いられているものはいずれに
ても良いが、例えば、カルボベンゾキシ基、サクシニル
基、炭素数2〜18個からなるアルコキシカルボニル基
等の保護基が挙げられる。
【0012】一般式[I]及び[II]に於けるR
しては、水酸基、カルボキシ保護基、−NH−Y−R
で示される基が挙げられる。カルボキシ保護基として
は、アミノ酸のカルボキシ基の保護基として一般に用い
られているものは何れにても良いが、例えば、ベンジル
オキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基
等が好ましいものとして挙げられる。また、−NH−Y
−Rで示される基に於けるRとしては、例えば、2
−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基等のピリジ
ルアミノ基が挙げられる。また、Yとしては炭素数1〜
10の直鎖状又は分枝状のアルキレン基、又はフェニレ
ン基等が挙げられる。
【0013】R,Rは夫々独立して上記した如き種
々の基をとり得るが、Rが水素原子又はアミノ保護基
の場合はRは−NH−Y−Rでなければならず、ま
た、Rが水酸基又はカルボキシ保護基の場合はR
例えば2−ピリジル基、3−ピリジル基等のピリジル基
でなければならない。
【0014】一般式[I]に於けるAとしては、各種ア
ミノ酸残基又はアミノ酸が2〜13個からなるペプチド残
基が挙げられるが、これら、アミノ酸(ペプチドを構成
しているアミノ酸を含む。)の種類に特に制約はなく、
測定対象に応じて、また、合成のし易さ等を考慮して適
宜選択すれば良い。
【0015】一般式[I]及び[II]に於けるA1はN末
端のアミノ酸残基であり、A2はC末端のアミノ酸残基
であるが、これらのアミノ酸に関しても特に制約はな
く、測定対象に応じて適宜選択される。
【0016】また、一般式[I]及び[II]に於けるR1
−A1−及び−A2−R2は、例えばα位に遊離のアミノ
基及びカルボキシル基を有し他の部位に前記した如き蛍
光性及び/又はUV吸収を有する基を有するアミノ酸残
基であってもよい。即ち、例えばリジン,アスパラギン
酸,グルタミン酸等のようにα位以外の部位に遊離のア
ミノ基若しくはカルボキシル基を有するアミノ酸のα位
以外の部位のアミノ基若しくはカルボキシル基に蛍光性
及び/又はUV吸収を有する基を導入したアミノ酸残基
や、例えばシステイン等のように−SH基を有するアミ
ノ酸の−SH基の部分に蛍光性及び/又はUV吸収を有
する基を導入したアミノ酸残基、或はその他のα位以外
の部位に適当な方法により蛍光性及び/又はUV吸収を
有する基を導入したアミノ酸残基等であってもよい。
【0017】更にまた、一般式[I]及び[II]に於け
るR1−A1−は、遊離のカルボキシル基を少なくとも1
個有し、その他のカルボキシル基、アミノ基、或はチオ
ール基(−SH基)等に適当な方法により蛍光性及び/
又はUV吸収を有する基を2個以上導入したアミノ酸残
基であってもよい。即ち、例えばアスパラギン酸,グル
タミン酸等のようにα位以外の部位に遊離のカルボキシ
ル基を有するアミノ酸のα位又は他の部位のカルボキシ
ル基のどちらか一方を遊離のままで残し、その他のカル
ボキシル基及びアミノ基に蛍光性及び/又はUV吸収を
有する基を2個以上導入したアミノ酸残基や、例えばシ
ステイン等のように−SH基を有するアミノ酸の−SH
基の部分とアミノ基の部分に蛍光性及び/又はUV吸収
を有する基を導入したアミノ酸残基等であってもよい。
【0018】また、一般式[I]及び[II]に於ける−
2−R2は、遊離のアミノ基を少くとも1個有し、その
他のアミノ基、カルボキシル基或は−SH基等に適当な
方法により蛍光性及び/又はUV吸収を有する基を2個
以上導入したアミノ酸残基であってもよい。即ち、例え
ばリジン,アルギニン等のようにα位以外の部位に遊離
のアミノ基を有するアミノ酸のα位又は他の部位のアミ
ノ基のどちらか一方を遊離のままで残し、その他のアミ
ノ基及びカルボキシル基に蛍光性及び/又はUV吸収を
有する基を2個以上導入したアミノ酸残基や、例えばシ
ステイン等のように−SH基を有するアミノ酸の−SH
基の部分とカルボキシル基の部分に蛍光性及び/又はU
V吸収を有する基を導入したアミノ酸残基等であっても
よい。
【0019】本発明に係るペプチド誘導体は、例えば、
2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基等のピリ
ジルアミノ基の如く蛍光性及びUV吸収を有する基が
ペプチドのN末端側、C末端側の少なくともいずれかに
存在している必要があるが、そのいずれに存在していて
も、また、両端に存在していても良い。これらの基がN
末端側又はC末端側のどちらか片方にのみ存在している
場合、他の末端はアミノ酸のままでも良く、また、試料
中に混入するエキソペプチダーゼの作用により基質が加
水分解を受ける恐れのある場合には、修飾を行っても良
い。修飾剤としては試料中に混入するエキソペプチダー
ゼの作用を低下させるものであれば良く、特に限定され
ないが、N末端、C末端の夫々については通常前述した
ような夫々の保護基が用いられる。また、A,A
はR,Rのいずれにも利用できるアミノ酸の性質と
保護基としての性質を併せ持つものとしてβ−アラニ
ン,β−アミノ酪酸,γ−アミノ酪酸,δ−アミノ−n
−吉草酸等のβ−,γ−,δ−,‥‥‥アミノ酸が挙げ
られる。またN−末端がN−メチルアミノ酸等の如きN
−置換アミノ酸の場合には、当然のことながら、これを
更に修飾する必要はない。
【0020】ペプチド鎖の合成方法は、ステップ法、フ
ラグメント法或は固相法、液相法等の通常用いられる方
法で良く、末端への導入方法も特に限定されない。
【0021】本発明に係るペプチド誘導体は、例えば次
の様にして合成される。即ち、例えば、N末端側にピリ
ジルアミノ基を導入する場合を例にとると、公知文献、
Bull.Chem.Soc.Japan,33,1392〜1394(1960)に従い、以
下の操作を行う。即ち、ホルムアルデヒドと重亜硫酸ナ
トリウム水溶液を数十分乃至数時間還流後、2-アミノピ
リジンを加えて、更に1時間程度還流する。これに青酸
ナトリウムを加え、90℃近辺で数時間反応後、反応液を
濾過し、濾液をクロロホルム等で抽出し、濃縮すると2-
ピリジルアミノアセトニトリルの結晶が析出する。2-ピ
リジルアミノアセトニトリルを塩酸で加水分解し、濃縮
すると2-ピリジルグリシン塩酸塩の結晶が析出する。
【0022】次に、例えば、これとグリシンとのペプチ
ド結合反応について述べると、N-2-ピリジルグリシンに
ジクロルメタン、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド及びグリシンエチルエステルを加え、室温で数時間攪
拌後濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィー等で精
製すれば、Pyr-Gly-Gly-OEt(Pyrはピリジル基をGlyは
グリシン残基を夫々示す。)が得られる。
【0023】また、C末端側にピリジルアミノ基を導入
する場合について述べると、例えば、2-クロルピリジン
とエチレンジアミンを油浴上で数時間還流し、冷却後、
減圧濃縮し、塩酸を加えると、N-(2-ピリジル)エタンジ
アミン塩酸塩の結晶が析出するのでこれを単離する。次
いで、これにジメチルホルムアミド、トリエチルアミン
及びカルボベンゾキシアラニル-p-ニトロフェニルエス
テルを加え、室温で10〜30時間攪拌後濾過し、濾液を高
速液体クロマトグラフィー等で精製すれば、Z-Ala-CH2C
H2-NH-Pyr(Zはカルボベンソキシ基を、Alaはアラニン
残基を、Pyrはピリジル基を夫々示す。)が得られる。
【0024】本発明に係るペプチド誘導体はこれを基質
として用いた場合、水に対して溶解度が高く、安定性に
も優れている。
【0025】本発明に係るペプチド誘導体を基質として
用いれば、ペプチド、タンパク質等に対して修飾、脱
離、分解等の種々の作用を行う生理活性物質の活性を特
異的に且つ感度良く測定することができる。
【0026】即ち、本発明に係るペプチド誘導体をペプ
チド、タンパク質に作用する生理活性物質の基質として
用い、生理活性物質の作用を受けて生ずる生成物を分別
測定することにより、生理活性物質の活性を効果的に測
定することができる。
【0027】ペプチド、タンパク質等に作用する生理活
性物質としては、例えば、ペプチド結合の加水分解を行
うペプチダーゼ類或はプロテアーゼ類、ペプチド或はア
ミノ酸の転移反応を行うトランスフェラーゼ類(例え
ば、ペプチド或はタンパク質中のセリン残基,チロシン
残基,トレオニン残基のリン酸化を行うプロティンキナ
ーゼ類)、タンパク質或はペプチドに含まれているリン
酸基の脱離を行なうフォスファターゼ類、タンパク質或
はペプチド中のアスパラギン残基等に糖鎖を付加する酵
素類、タンパク質或はペプチドに付加している糖鎖に作
用し、糖鎖の減少、増加を促進する酵素類、タンパク質
或はペプチドにスルホン基,硫酸基,メチル基,アシル
基等の修飾又は脱修飾を行う酵素類等が挙げられる。
【0028】このような酵素類の測定に基質として用い
得る本発明に係るペプチド誘導体の具体例を挙げると下
記の如くなる。
【0029】尚、アミノ酸残基及び修飾基に関しては下
記の略語を使用した。Pyr:ピリジル基,Ala:アラニン
残基,Arg:アルギニン残基,Asn:アスパラギン残基,
Asp:アスパラギン酸残基,Cys:システイン残基,Cys-
Cys:シスチン残基,Gln:グルタミン残基,Glu:グル
タミン酸残基,Gly:グリシン残基,His:ヒスチジン残
基,Hyl:ヒドロキシリジン残基,Hyp:ヒポキシプロリ
ン残基,Ile:イソロイシン残基,Leu:ロイシン残基,
Lys:リジン残基,Met:メチオニン残基,Phe:フェニ
ルアラニン残基,Pro:プロリン残基,Ser:セリン残
基,Thr:トレオニン残基,Trp:トリプトファン残基,
Tyr:チロシン残基,Val:バリン残基。
【0030】(i)プロテアーゼの測定 エラスターゼの測定 Pyr-Gly(又はAla)-$Gly-$Glu-Lys-Lys-Leu-Leu-Lys-Phe
-Glu-β-Ala アミノ酸シークェンス中の$印はエラスターゼによる切
断部位を示す。即ち、上記基質にエラスターゼが作用す
ると$印の部位でペプチドが切断され、ピリジルアミノ
基を末端に有するペプチドが新たに二種類生成する。従
って、これを分別測定すればエラスターゼ活性を測定す
ることができるわけである。
【0031】(ii)プロティンキナーゼ類の測定 (1)Pyr-Gly(又はAla)-Glu-Asp-Ala-Glu-*Tyr-Ala-Ala-A
rg-NH-(CH2)2-NH-Pyr (2)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Lys-Glu-*Ser-Thr-Ser-Val-N
H-(CH2)2-NH-Pyr (3)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Lys-Arg-*Ser-Arg-Lys-NH(CH
2)2-NH-Pyr (4)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Lys-Asp-*Thr-Pro-Ala-Leu-N
H-(CH2)2-NH-Pyr (5)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Lys-Val-*Ser-Ser-Ala-Glu-N
H-(CH2)2-NH-Pyr (6)Pyr-Gly(又はAla)-Gly-Pro-Arg-Thr-*Thr-Arg-Ala-G
ln-NH-(CH2)2-NH-Pyr (7)Pyr-Gly(又はAla)-Gly-Glu-*Ser-*Ser-Glu-Glu-Asp-
β-Ala (8)Pyr-Gly(又はAla)-Gly-Asp-Arg-Val-*Tyr-Ile-His-P
ro-NH-(CH2)2-NH-Pyr (9)Pyr-Gly(又はAla)-Alg-Lys-Ala-*Ser-Gly-Pro-NH-(C
H2)2-NH-Pyr (10)Pyr-Gly(又はAla)-Ser-Gly-*Ser-Phe-Lys-Leu-NH-
(CH2)2-NH-Pyr (11)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-(又はLys)-Lys-*Ser-Pro-Ly
s-NH-(CH2)2-NH-Pyr (12)N-Acetyl-*Ser-Gly-Arg-Gly-NH-(CH2)2-NH-Pyr (13)Pyr-Gly(又はAla)-Thr-Arg-Ser-*Ser-Arg-Ala (14)Pyr-Gly(又はAla)-Lys-Lys-Gly-*Ser-Lys-Ala (15)Pyr-Gly(又はAla)-Pro-Ala-Lys(Ac)-*Ser-Ala-Pro-
Lys-Lys(Ac) (16)N-Acetyl-*Ser-Gly-Arg-Gly-Lys-NH-(CH2)2-NH-Pyr (17)Pyr-Gly(又はAla)-Lys(又はArg)-Gln-Ile-*Ser-Val
(又はIle)-Arg-Gly-NH-(CH2)2-NH-Pyr (18)Pyr-Gly(又はAla)-Arg(又はLys)-Glu-Ile-*Ser-Val
-Arg-NH-(CH2)2-NH-Pyr (19)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-His-Gly-*Ser-Lys-Tyr-Leu-
NH-(CH2)2-NH-Pyr (20)Pyr-Gly-Arg-Gly-Leu-*Ser-Leu-Ser-Arg-NH-(CH2)2
-NH-Pyr (21)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Gly-*Ser-Gly-Lys-Asp-Gly-
NH-(CH2)2-NH-Pyr (22)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Leu-*Ser-Ile-Ser-Thr-Glu-
NH-(CH2)2-NH-Pyr (23)Pyr-Gly(又はAla)-Gln-Ser-Gly-*Ser-Val(又はIle)
-Tyr-Pro-NH-(CH2)2−NH-Pyr (24)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Ala-Ile-*Thr-Ala-Arg-Arg-
NH-(CH2)2-NH-Pyr (25)Pyr-Gly(又はAla)-Val-Lys-Ser-*Ser-Lys-Glu-NH-
(CH2)2-NH-Pyr (26)Pyr-Gly(又はAla)-Val-Arg-Met-*Ser-Ala-Asx-NH-
(CH2)2-NH-Pyr (27)Pyr-Gly(又はAla)-Leu-Arg-Arg-Ala-*Ser-Leu-NH-
(CH2)2-NH-Pyr (28)Pyr-Gly(又はAla)-(Arg)-Arg-*Ser-*Ser-*Ser-Arg-
(Pro)-NH-(CH2)2-NH−Pyr (29)Pyr-Gly(又はAla)-(Arg)-Val-*Ser-Arg-(Arg)-NH-
(CH2)2-NH-Pyr (30)Pyr-Gly(又はAla)-(Arg)-Ala-*Ser-Arg-(Arg)-NH-
(CH2)2-NH-Pyr (31)Pyr-Gly(又はAla)-(Arg)-Arg-*Ser-*Ser-Arg-(Arg)
-NH-(CH2)2-NH-Pyr アミノ酸シークェンス中の*印はプロティンキナーゼに
よりリン酸基が付加される部位を示す。即ち、上記基質
にプロティンキナーゼが作用すると*印の部位にリン酸
基が付加され、基質とは異なる化合物が新たに生成す
る。従って、この生成物を分別測定すればプロティンキ
ナーゼ活性を測定することができるわけである。
【0032】(iii)フォスファターゼ類の測定 (ii)の基質の*印の部位にリン酸基が付加したものが全
てフォスファターゼ類の基質となる。フォスファターゼ
はプロティンキナーゼと全く逆の働きをする酵素で、タ
ンパク質或はペプチドに含まれているリン酸基の脱離を
行う。従って、この場合はリン酸基のついているペプチ
ドが基質で、リン酸基が外れた形のペプチドが生理活性
物質の作用を受けて生ずる生成物ということになる。
【0033】(iv)レニン又はアンジオテンシン転換酵素
(ACE-I)の測定 (1)Pyr-Gly(又はAla)-Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Ph
e-His-Leu-\Leu-Val-Tyr-Ser-NH-(CH2)2-NH-Pyr (2)Pyr-Gly(又はAla)-His-Pro-Phe-His-Leu-\Leu-Val-T
yr-NH-(CH2)2-NH-Pyr (3)Pyr-Gly(又はAla)-His-Pro-Phe-@His-Leu (4)Pyr-Gly(又はAla)-His-Pro-Phe-@His-Leu-NH-(CH2)2
-NH-Pyr アミノ酸シークェンス中の¥印はレニンによる切断部位
を、また、@印はACE−Iによる切断部位を夫々示
す。即ち、上記基質に夫々の酵素が作用すると¥印又は
@印の部位でペプチドが切断され二種のペプチドが新た
に生成する。従ってこれらの生成物を分別測定すれば各
々の酵素活性を測定することができる。
【0034】(v)各種ホルモン調節酵素の測定 (V−1)Post-proline cleaving enzymeの測定 (1)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Pro-Pro-$Gly-Phe-Ser-NH-(C
H2)2-NH-Pyr(ブラジキニンの水解) (2)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Pro-$Gly-NH-(CH2)2-NH-Pyr
(黄体形成ホルモン放出ホルモンの水解)
【0035】(V−2)ピログルタミン酸ペプチダーゼ
の測定 (1)ピログルタミン酸−$Gly-Pro-NH-(CH2)2-NH-Pyr (2)ピログルタミン酸−$Gly-Lys-NH-(CH2)2-NH-Pyr (3)ピログルタミン酸−$His-Pro-NH-(CH2)2-NH-Pyr (4)ピログルタミン酸−$His-Trp-NH-(CH2)2-NH-Pyr
【0036】(V−3)その他 (1)Pyr-Gly(又はAla)-Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-$Phe-$
Phe-Gly-$Leu-Met-NH-(CH2)2-NH-Pyr(サブスタンスP) (2)Pyr-Gly(又はAla)-Glu-Glu-Glu-Ala-#Tyr-Gly-Trp-N
H-(CH2)2-NH-Pyr(ガストリン) (3)Pyr-Gly(又はAla)-Asp-Arg-Asp-#Tyr-Met-Gly-Trp-N
H-(CH2)2-NH-Pyr(コレシストキニン) アミノ酸シークェンス中の$印は測定対象酵素による切
断部位を示し、#印は測定対象酵素によりスルホン酸基
が付加される部位を示す。前者に於ては、切断されて新
たに生じるペプチド又はアミノ酸を分別測定することに
より、また、後者に於てはスルホン酸基が付加されたペ
プチドを分別測定することにより夫々の酵素活性を測定
することができる。
【0037】本発明の測定法に於ける測定条件として
は、反応温度は特に限定されないが、好ましくは約20〜
40℃であり、反応時間は目的により適宜選択すれば良
く、また反応時のpHも、目的により適宜選択すれば良
い。反応pHを維持する緩衝剤は特に制約はないが、例え
ば、リン酸塩、トリスハイドロキシメチルアミン−塩
酸、グリシン−水酸化ナトリウム、グッドの緩衝剤、酢
酸塩などが挙げられる。
【0038】生理活性物質の作用による付加脱離反応、
加水分解反応、転移反応などにより生成する物質の分別
測定方法としては自体公知の分別測定法が種々あり、特
に限定されるものではないが、例えば、親水性や疎水性
の変化の度合により分別する場合には順相或は逆相の高
速液体クロマトグラフィーにより、分子量が大きく変化
する場合にはゲル濾過クロマトグラフィーにより、イオ
ン性基の修飾或は脱修飾が起こる場合にはイオン交換ク
ロマトグラフィーにより、また、糖鎖の付加脱離或は特
定のペプチド構造が変化する場合にはアフィニティクロ
マトグラフィー等の原理を応用してこれを行えばよい。
なかでも高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を利
用した測定法は、短時間のうちに結果が得られるため特
に有利である。HPLCの条件の一例を示せば、逆相ク
ロマトグラフィーに於ては、オクタデシルシラン、オク
チルシラン、トリメチルシラン基等の基を導入した化学
結合型シリカゲルが好ましく用いられる。溶離液として
は、アセトニトリルに酢酸アンモニウム緩衝液、トリフ
ルオロ酢酸緩衝液等を添加し、pH2.0〜6.0にしたものが
分離能が良く、イソクラティック、グラジェントのいず
れでも使用できるが、特にこれらに限定されるものでは
ない。流速はカラムサイズ、分離能により自由に選択で
きるが、例えば0.5〜2.0ml/minが好ましい例である。検
出は通常、蛍光法かUV法で行われる。例えば、先に述
べた合成例に於て、検出に利用するために導入した2-ピ
リジルアミノ基は、蛍光性及びUV吸収の両方を有し、
蛍光の場合は、通常、励起光及び蛍光を夫々300〜330n
m、350〜410nmの波長を用い、UVの場合は、通常300〜
310nmの波長を用いて測定する。
【0039】本発明によれば、ペプチド、タンパク質等
に作用する生理活性物質の活性を、特異的に且つ極めて
高い感度で(数ピコモルの反応生成物が検出できる)、
しかも、生理活性物質の反応部位の選択性をも測定する
ことができる。
【0040】本発明の方法により測定し得る生理活性物
質は、生体中に存在するものであるため、その測定時に
は様々な物質が共存する可能性が大きい。本発明に於て
はその測定時の基質としてペプチド誘導体を使用するた
め、測定対象酵素以外にプロテアーゼ、ペプチダーゼ、
ホスファターゼ或はエステラーゼ等の酵素(以下妨害酵
素と略称する。)が共存する場合にはその影響を受ける
可能性も皆無ではない。本発明に係るペプチド誘導体は
様々なものが合成可能であることから、ペプチドを構成
するアミノ酸の種類を妨害酵素による作用を受けにくい
ものに限定して合成すればこの問題を全く回避すること
ができる。しかしながら、測定対象によっては、このよ
うな条件に好適のアミノ酸を有するペプチド誘導体の使
用が難しい場合も考えられる。このような場合には共存
する妨害酵素のインヒビターを測定試薬中に共存させる
ことによってこの問題を解決すれば良い。この場合選択
されるインヒビターは測定対象の酵素活性を阻害しない
もので、共存する妨害酵素には有効に作用するものを適
宜選択して用いれば良い。そのようなインヒビターの具
体例としては、たとえばプロテアーゼに対してはペプス
タチン,ホスホラミン,ロイペプチン,アンチパイン,
キモスタチン,エラスタチナール,ジイソプロピルフル
オロホスフェイト(DFP),N-トシル-L-フェニルアラニン
クロロメチルケトン(TPCK),N-α-p-トシル-L-リジンク
ロロメチルケトン(TLCK),酵素蛋白質に対する抗体,大
豆トリプシンインヒビター,カリクレインインヒビタ
ー,α2-マクログロブリン等が、ペプチダーゼに対して
はベスタチン,アマスタチン等が、ホスファターゼに対
しては、ホルフェニシン等が、エステラーゼに対しては
エステラスチン等が挙げられる。
【0041】以下に実施例及び参考例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例、参考例
により何等限定されるものではない。尚、実施例に於て
は下記に示す略語を用いた。Pyr:ピリジル基,Gly:グ
リシン残基,Ala:アラニン残基,Leu:ロイシン残基,
Glu:グルタミン酸残基,Lys:リジン残基,Phe:フェ
ニルアラニン残基,Boc:t-ブトキシカルボニル基,Bz
l:ベンジル基,Cl-Z:塩化カルボベンゾキシ基,DCC:
N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド,DCHA:ジシク
ロヘキシルアミン,TBA:t-ブチルアミン。
【0042】
【実施例】 参考例1.2-ピリジルグリシンの合成 37%のホルムアルデヒド溶液 8.2gを重亜硫酸ソーダ水
溶液 10.8g/16mlH2Oに加え、30分間還流した。次い
で、2-アミノピリジン 9.4gを加え、更に1時間還流し
た後、これに、青酸ソーダ水溶液 10g/50mlH2Oを加
え、90℃で4時間攪拌反応させた。反応液を濾過し、濾
液をクロロホルム約50mlで6回抽出し、硫酸ナトリウム
で乾燥後、濃縮して結晶を析出させ、結晶を濾取してエ
ーテルで結晶を洗浄した(収量約7.2g)。クロロホルム
より再結晶を行い、2-ピリジルアミノアセトニトリル
5.9g(収率44%)を得た。これを100mlの6N HCl中で3時
間還流して加水分解を行い、濃縮して結晶を析出させ
た。結晶を濾取し、エタノールで洗浄した後、水より再
結晶を行い、本発明化合物合成時の重要な中間体の一つ
である2-ピリジルグリシン塩酸塩 7.5g(収率90.1%)
を得た。1 H-NMR(100MHz,D2O):δ4.3(s,2H,-CH2-),6.8〜7.0(m,2
H,pyridine H),7.7〜8.0ppm(m,2H,pyridine H)。 元素分析値[塩酸塩](C7H9O2N2Clとして) 実測値(%) C:44.40,H:4.83,N:14.70,Cl:18.56 計算値(%) C:44.58,H:4.81,N:14.85,Cl:18.80。 UV極大吸収波長:λmax=238,310nm。 励起波長:EX.max=318nm。 蛍光極大波長:Em.max=360nm。
【0043】参考例2. 2-ピリジル DL-アラニンの合
成 重亜硫酸ナトリウムの水溶液 10.5g/20ml H2Oに44%ア
セトアルデヒド溶液 10gを加え、1時間加熱還流した
後、2-アミノピリジン 9.4gを加え、更に2時間加熱還
流を続けた。これに青酸ソーダ水溶液 7g/10mlH2Oを加
え、90℃で2時間反応させた後、油層を分取し、冷却し
て結晶化した(収量11.6g)。これを酢酸エチルで再結
晶して、α-(2-ピリジルアミノ)プロピオニトリル 9g
(収率67%)を得た。得られたα-(2-ピリジルアミノ)プ
ロピオニトリル3gを50mlの6N HCl中で5時間還流して
加水分解後、濃縮し、析出してくる結晶(NH4Cl)を除い
た後、イオン交換樹脂[吸着剤:Dowex 50H+,カラム:
1.6×12cm]に吸着させた。水でよく洗浄した後、0.2M
酢酸アンモニウム溶液で溶出し、黄色の画分を集めて濃
縮乾固した。酢酸アンモニウムを除くため、これに水を
加え、再度濃縮乾固した後濃塩酸を加え、水−エタノー
ルより結晶化させ、本発明化合物合成時に於ける重要な
中間体の一つである2-ピリジル DL-アラニン塩酸塩の結
晶 約2g(収率60%)を得た。1 H-NMR(100MHz,D2O):δ1.44,1.52(d,3H,-CH3),4.0〜4.
2(q,1H,=CH-),6.8〜7.0(m,2H,pyridine H),7.7〜8.0ppm
(m,2H,pyridine H)。 元素分析値[塩酸塩](C8H11O2N2Clとして) 実測値(%) C:47.29,H:5.46,N:13.69,Cl:17.48 計算値(%) C:47.42,H:5.47,N:13.83,Cl:17.50。 UV極大吸収波長:λmax=238,310nm。 励起波長:EX.max=290nm。 蛍光極大波長:Em.max=370nm。
【0044】参考例3.Pyr-Gly-Gly-OEtの合成 参考例1で得られた2-ピリジルグリシン塩酸塩 9.4mg(5
0μmol)に、ジクロルメタン 1ml、DCC 50μmol、H2N-C
H2-CO-OC2H5 70μmol/200μl CHCl3を加え、室温で3
時間反応させた。反応液は黄色から濃青色に変化した。
反応液を濾過後、逆相の高速液体クロマトグラフィー
で、目的とする生成物を分取した(収率38%)。 HPLC
[カラム:充填剤 ODS-12OT(東洋曹達工業(株)商品
名),7×250mm,溶出液:25% CH3CN-0.01M NH4OAc(pH
5.6),流速:3ml/min] 溶出時間:23min1 H-NMR(100MHz,CDCl3):δ1.20〜1.34(t,3H,-CH3),2.9
(broad s,1H,-CO-NH-C),4.0〜4.3(m,6H,-CH2-),5.25(br
oad s,1H,Pyr-NH-C-),6.4〜6.8(m,2H,pyridineH),7.4〜
7.6ppm(m,2H,pyridine H)。 本参考例により、参考例1で得られた2-ピリジルグリシ
ンが他のアミノ酸と容易に結合し得ることが確認され
た。
【0045】参考例4.Leu-NH-CH2CH2-NH-Pyrの合成 2-クロルピリジン 12g(10ml)とエチレンジアミン 100ml
を混ぜ、5時間還流し、次に減圧下、未反応のエチレン
ジアミンを留去した。残渣を1N NaOHに溶かした後、ク
ロロホルムで数回抽出し、クロロホルム層を濃縮した。
濃塩酸を加え、塩酸塩とした後、メタノールを加え結晶
化し、N-(2-ピリジル)-1,2-エタンジアミン・塩酸塩 11
g(収率91%)を得た。1 H-NMR(100MHz,D2O):δ3.4〜3.5(t,2H,-CH2-CH2 -NH-P
yr),3.8〜3.9(t,2H,NH2-CH2 -CH2-),7.0〜7.3(m,2H,pyri
dine H),7.9〜8.2ppm(m,2H,pyridine H)。 次に、Boc-LeuOH・H2O 250mgにベンゼンを加え、エバポ
レーターで結晶水を除去した後、クロロホルム 5mlに
溶かし、DCC 206mgを加えて攪拌した。20分後、これに
先に合成したN-(2-ピリジル)エタンジアミンのクロロホ
ルム溶液 206mg/5mlを加え、一夜反応させた。反応液
を濾過し、沈殿を除いた後、溶媒を留去した。残渣をク
ロロホルムに溶かし、2.5%Na2CO3水溶液、水の順に洗
浄し、クロロホルム層を硫酸マグネシウムで脱水後、濃
縮すると、Boc-Leu-NH-CH2CH2-NH-Pyrが得られた。これ
にアニソール 0.1ml、TFA(トリフルオロ酢酸)0.5mlを
冷却下加え、0℃で2時間反応させ、Boc基をはずし
た。エーテルを加え、不溶物を集めてKOH入りのデシケ
ーターでよく乾燥させると、Leu-NH-CH2CH2-NH-Pyrが得
られた(収率約70%)。本化合物も本発明に係るペプチ
ド誘導体合成時の重要な中間体の一つである。1 H-NMR(100MHz,D2O):δ0.85(s,6H,-C(CH3)2 ),1.4〜1.
6(m,3H,=CH-CH2 CH〈),3.3〜3.6(m,4H,-NH-CH2 -CH2 -NH-P
yr),3.8〜4.0(t,1H,NH2-CH-CO-),6.7〜7.0(m,2H,pyridi
ne H),7.6〜7.9ppm(m,2H,pyridine H)。
【0046】参考例5.Pyr-Gly-Glu-Lys-Lys-Leu-Leu-
Lys-Phe-Glu-β-Alaの合成 公知文献 J.Am.Chem.Soc.,95,1310〜1315(1973)に従
い、固相法で合成した。クロロメチルポリスチレン樹脂
[ジビニルベンゼン 2%,100〜200メッシュ,Cl:0.93
mmol/g](和光純薬工業(株)製)1gを用い、常法に従
い、1/2当量のBoc-β-アラニンを導入させた後、TFAで
Boc基を脱離した。次に各々3倍当量のBoc-アミノ酸を
次の順序でDCC法により導入させた。即ち、Boc-Glu(OBz
l),Boc-Phe・DCHA,Boc-Lys(Cl-Z)・TBA、Boc-Leu・H
2O、Boc-Lys(Cl-Z)・TBA、Boc-Lys(Cl-Z)・TBA、Boc-Gl
u、Pyr-Glyであり、このうちBoc-Phe・DCHA、Boc-Glu(OB
zl)に於ては、カップリング反応を2回行った。HF処理
による、樹脂からのペプチドの切断とBzl、Z、各保護基
の切断後、トヨバール HW40(東洋曹達工業(株)商品
名)を用いたゲル濾過により、Pyr-Gly-Glu-Lys-Lys-Le
u-Leu-Lys-Phe-Glu-β-Alaを得た。これを高速液体クロ
マトグラフィーにより精製した(収率55%)。HF処理後
の化合物のマススペクトルにより、計算値1329と一致し
た分子量にピークが確認された。 アミノ酸分析値:Glu 2.1,Leu 2.0,Phe 1.0,Lys 3.
0,β-Ala 1.2。
【0047】実施例1.Pyr-Gly-Glu-Lys-Lys-Leu-Leu-
Lys-Phe-Glu-β-Alaを基質に用いたエラスターゼの測定 《試液の調製》 基質液 Pyr-Gly-Glu-Lys-Lys-Leu-Leu-Lys-Phe-Glu-β-Ala 1.2
mgを0.01Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン−塩酸
緩衝液(pH8.0)50mlに溶解し調製した。 酵素溶液 エラスターゼ(豚膵臓由来,シグマ社製)3.6mgを0.01M
トリスヒドロキメチルアミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.
0)100μlに溶解し調製した。 《測定方法》基質液 200μlに酵素溶液 5μlを加え、3
7℃の恒温槽中に放置した。20分,40分,60分,120分,
180分後にこの反応液を夫々10μlずつとり、高速液体ク
ロマトグラフィーで分析した。 《分析条件》 カラム:充填剤[オクタデシルシリル基結合逆相型,OD
S-120T(東洋曹達工業(株)),4×150mm] 溶離条件: A液:0.05%トリフルオロ酢酸を含む6%アセトニトリ
ル水溶液 B液:0.05%トリフルオロ酢酸を含む24%アセトニトリ
ル水溶液 0分から15分にかけて、A液とB液の直線的グラジェン
トを、1ml/minの流速で行った。 検出:蛍光;励起波長 310nm。 蛍光波長 370nm。 《測定結果》図1及び2に高速液体クロマトグラフィー
の測定結果を示す。図1はブランクのチャートを示し、
図2は反応開始2時間後のチャートを示す。図1及び2
の比較から明らかなように、反応により2つのピークが
生じていることがわかる。これらのピークはアミノ酸分
析の結果より(A)はPyr-Gly-Glu-Lys-Lys-Leu,(B)はPyr
-Gly-Glu-Lys-Lys-Leu-Leuと同定された。従って、エラ
スターゼは、この基質に対して2ヶ所で加水分解を行っ
ていることがわかる。また、(A)を定量し、40ピコモル
以下に於て、直線的タイムコースが得られた。このタイ
ムコースを図3に示す。
【0048】参考例6.Pyr-Gly-Gly-Glu-Ser-Ser-Glu-
Glu-Asp-β-Alaの合成 参考例5と同様にして公知文献 J.Am.Chem.Soc.,95,131
0〜1315(1973)に従い、固相法で合成した。即ち、クロ
ロメチルポリスチレン樹脂[ジビニルベンゼン 2%,1
00〜200メッシュ,Cl:0.93mmol/g ](和光純薬工業
(株)製)1gを用い、常法に従い、1/2当量のBoc-β-ア
ラニンを導入させた後、TFAでBoc基を脱離した。次に各
々3倍当量のBoc-アミノ酸を次の順序でDCC法により導
入させた。即ち、Boc-Asp(OBzl),Boc-Glu(OBzl),Boc-
Glu(OBzl),Boc-Ser(OBzl),Boc-Ser(OBzl),Boc-Glu(O
Bzl),Boc-Gly,Pyr-Glyであり、このうち、Boc-Aspに
於ては、カップリング反応を2回行った。HF処理によ
る、樹脂からのペプチドの切断とBzl,Z,各保護基の切
断後、トヨバール HW40(東洋曹達工業(株)商品名)を用
いたゲル濾過により、Pyr-Gly-Gly-Glu-Ser-Ser-Glu-Gl
u-Asp-β-Alaを得た。これを高速液体クロマトグラフィ
ーにより精製した(収率58%)。 アミノ酸分析値:Glu 3.0,Ser 1.8,Asp 1.1,β-Ala
1.2,Gly 1.0。
【0049】実施例2.Pyr-Gly-Gly-Glu-Ser-Ser-Glu-
Glu-Asp-β-Alaを基質に用いたプロティンキナーゼ活性
の測定 《試液の調製》 緩衝液 272mg イミダゾール,142mg 塩化マグネシウム,1.1g
塩化カリウム,76mg グリコールエーテルジアミン-N,N,
N',N'-四酢酸,12mg アデノシンリン酸・2Naを水80mlで
溶解し、塩酸を加えてpH7.5したのち全量を100mlとして
緩衝液とした。 基質液 Pyr-Gly-Gly-Glu-Ser-Ser-Glu-Glu-Asp-β-Ala 2.7mgに
水 3mlを加えて溶解して基質液とした。 試料 公知文献 B.B.R.C.,89巻(1),7〜16頁,1979年,Bolvinら
に従いヒト赤血球から精製したプロティンキナーゼを上
記緩衝液に適当量溶解したものを試料原液とし、それを
更に緩衝液を用いて1/4,2/4,3/4に希釈し、夫々試
料とした。 《測定方法》緩衝液 20μlに基質液10μlを加えた後、
試料を各々10μl加えて30℃で1時間反応後、夫々4μl
ずつとり高速液体クロマトグラフィーで分析した。 《分析条件》 カラム:充填剤[オクタデシルシリル基結合逆相型,OD
S,S-5(山村化学(株)),4×150mm]。 溶離条件: 溶離液:10%アセトニトリルを含む0.05%トリフルオロ
酢酸水溶液。 流速:1.0ml/min 検出:蛍光;励起波長 320nm。蛍光波長 410nm。 《測定結果》図4及び5に高速液体クロマトグラフィー
の測定結果を示す。図4はブランクのチャートを示し、
図5は2/4希釈試料を用いた反応液により得られた反応
開始1時間後のチャートを示す。図4及び5の比較から
明らかなように反応により1つのピーク(A)が生じ、リ
ンの定量により、生じたピーク(A)は基質がリン酸化さ
れたものであることがわかった。またこの生じたピーク
(A)を測定し直線的検量関係が得られた。この検量関係
を第6図に示す。
【0050】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、上記した如
きペプチド誘導体を基質として用いる生理活性物質の新
規な測定法を提供するものであり、本発明によれば、ペ
プチド、タンパク質等に作用する生理活性物質の活性を
特異的に且つ極めて高い感度で(数ピコモルの反応生成
物が検出できる)、しかも生理活性物質の反応部位を選
択して測定できる点に顕著な効果を奏するものであり、
斯業に貢献するところ大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に於ける高速液体クロマトグラフィー
の測定結果のうち、ブランクのチャートを示す。
【図2】実施例1に於ける高速液体クロマトグラフィー
の測定結果のうち、反応開始2時間後のチャートを示
す。
【図3】実施例1に於けるタイムコースを表わし、横軸
の反応時間(時間)に於けるピーク(A)物質の生成量
(ピコモル)を縦軸に対しプロットした点を結んだもの
である。
【図4】実施例2に於ける高速液体クロマトグラフィー
の測定結果のうち、ブランクのチャートを示す。
【図5】実施例2に於ける高速液体クロマトグラフィー
の測定結果のうち、2/4希釈試料を用いた反応液により
得られた反応開始1時間後のチャートを示す。
【図6】実施例2に於て得られた検量線を表わし、横軸
の各試料の希釈率について得られたピーク(A)物質の生
成量(ピコモル)を縦軸に沿ってプロットした点を結ん
だものである。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.アミノ酸が2〜15個からなる下記構造式[I]又
    は[II]を有するペプチド誘導体をペプチド又はタン
    パク質に作用する生理活性物質の基質として用い、これ
    が生理活性物質の作用を受けて生じる生成物を分別測定
    し、得られた測定値に基づいて生理活性物質の活性値を
    求めることを特徴とする、生理活性物質の活性測定法。 R−A−A−A−R [I] 又はR−A−A−R [II] [但し、Aはアミノ酸残基又はアミノ酸が2〜13個か
    らなるペプチド残基を表わし、AはN末端のアミノ酸
    残基を、AはC末端のアミノ酸残基を夫々表わし、且
    つ「−A−A−A−」及び「−A−A−」のア
    ミノ酸配列は生理活性物質の基質となり得る配列であ
    る。また、R はピリジル基、水素原子又はアミノ保護
    基を表わし、R は水酸基、カルボキシ保護基又は−N
    H−Y−R (但し、R はピリジルアミノ基を表わ
    し、Yは炭素数1〜10の直鎖状または分枝状のアルキ
    レン基、又はフェニレン基を表わす。)を表わす。但
    し、R が水素原子若しくはアミノ保護基の場合はR
    は−NH−Y−R であり、R が水酸基又はカルボキ
    シ保護基の場合はR はピリジル基である。] 2.生理活性物質の作用を受けて生ずる生成物の分別測
    定に、高速液体クロマトグラフィーを用いる、請求項1
    に記載の測定法。 3.生理活性物質が、ペプチド結合の加水分解を行うペ
    プチダーゼ類或はプロテアーゼ類、タンパク質、ペプチ
    ド或はアミノ酸に転移反応を行うトランスフェラーゼ
    類、タンパク質或はペプチドに含まれているリン酸基の
    脱離を行うフォスファターゼ類、タンパク質或はペプチ
    ド中のアスパラギン残基等に糖鎖を付加する酵素類、タ
    ンパク質或はペプチドに付加している糖鎖に作用し、糖
    鎖の減少、増加を促進する酵素類、又はタンパク質或は
    ペプチドにスルホン基、硫酸基、メチル基、アシル基等
    の修飾又は脱修飾を行う酵素類である、請求項1又は請
    求項2に記載の測定法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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ANALYTICAL BIOCHEMISTRY,155 (1986) P.315−321

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Publication number Publication date
JPH08275797A (ja) 1996-10-22

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