JP2737362B2 - 電気量記憶装置 - Google Patents

電気量記憶装置

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JP2737362B2 JP14105490A JP14105490A JP2737362B2 JP 2737362 B2 JP2737362 B2 JP 2737362B2 JP 14105490 A JP14105490 A JP 14105490A JP 14105490 A JP14105490 A JP 14105490A JP 2737362 B2 JP2737362 B2 JP 2737362B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、通電電気量を電圧として検出し、記憶する
電気量記憶装置に関する。
従来の技術 従来の電気量記憶装置は、銀イオン−電子混合導電体
を電極活物質として用い、その銀イオン−電子混合導電
体における銀のケミカルポテンシャルが、混合導電体中
の銀の含有量によって変化する電気量記憶素子を用いた
ものである。さらに詳しくは下記に述べるような原理に
より通電電気量を検出,記憶する。
すなわち素子に流れる電流は固体電解質中においては
銀イオンとして流れる。この流れた銀イオンにより混合
導電体中の銀の含有量が変化する。それにより混合導電
体における銀のケミカルポテンシャルが変化し、その変
化を電圧として検出,記憶するものである。
上記のような素子としては、Ag2Se−Ag3PO4で表わさ
れる銀イオン−電子混合導電体を動作極の材料に、RbAg
4I5ジャーナル オブ アプライド エレクトロケミス
トリ〔Journal of Applied Electrochemistry〕,vol.3,
p.129,(1973)〕またはAg6I4WO4〔電気化学,No.8,p.53
5,(1976)〕を銀イオン導電性固体電解質層に用いた素
子の提案がされていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら上記のようなAg2Se−Ag3PO4で表わされ
る銀イオン−電子混合導電体を動作極の材料に用いた場
合、通電電気量と電極電位の直線性が保たれる範囲は、
0mVから約100mVまでの範囲であり、通電電気量を検出,
記憶できる範囲も最大で100mVと小さなものであり、ま
た電極材料として用いられているセレン化物が高温で酸
化されるため高温で素子の特性が損なわれるといった課
題を有していた。
それに対し、通電電気量を検出,記憶する範囲を100m
W以上まで拡大し、高温でも安定な素子とするために、
動作極の電極材料として、Ag2Se−Ag3PO4に代えてAgxV2
O5-y(0.35<x,yは酸素欠損)で表わされる複合酸化物
を動作極の電極材料として用いる提案が発明者らによっ
てなされている。
このような電気量記憶素子に必要とされる特性として
は、上にあげた通電電気量と電圧の直線性の他に、記憶
電圧の保持性が重要となっている。
上記の提案による電気量記憶素子は、電気化学反応を
用いた素子であるが故に、その特性は電池と共通するも
のが多く、素子の自己放電による電圧の低下や温度によ
る電圧の変化がある。自己放電は記憶電圧が時間ととも
に失われてしまうことを意味し、また温度の変化による
電圧の変化は記憶電圧の出力が温度によって変化するこ
とを意味する。
これらの課題のうち自己放電に関しては、上記発明に
おいて電解質として採用されているヨウ化銀−タングス
テン銀系の固体電解質が非常に電子伝導性の低い固体電
解質であることから、実用上は支障のないものとなって
いる。
一方、電圧の温度依存性は電池を初めとする電気化学
素子に共通の特性であるが、電気量記憶素子のようにそ
の出力電圧の正確さが要求される素子に関しては、電圧
の温度依存性が小さなものであるか、または電圧の温度
依存性が電圧に対して直線的に変化し、簡単な温度補償
回路で校正できることが望ましい。
発明者らによる上記発明によると、動作極と対極にい
ずれもAg0.7V2O5で表わされる複合酸化物を用い、動作
極と対極に同量のAg0.7V2O5を用いることが特に好まし
いとしている。以上のように構成した電気量記憶素子に
ついて、記憶電圧の温度変化率を測定したところ、20℃
で100mV以下で充電し電圧を記憶させた際には、記憶電
圧の温度変化率は約0.3%/℃でほぼ一定であったが、1
50mVで充電した場合には温度変化率は約0.4%/℃であ
り、200mVで充電した際には60℃以下での温度変化率は6
0℃以上の変化率に比べ大きなものとなっており、約0.6
%/℃となっていた。
ここで温度変化率とは、出力電圧が1度の温度変化あ
たり記憶電圧の何パーセントにあたるかといった量であ
り、便宜的に記憶電圧のT℃の際の出力電圧をV(T)
とした際の、出力電圧の温度変化dV(T)/dTを20℃で
記憶させた電圧V(T=20℃)で規格化したもの(dV
(T)/dT/V(T=20℃)と定義した。
このように、発明者らによる従来の電気量記憶素子
は、記憶電圧が温度により変化し、またその変化率も記
憶電圧に対して一定の関係を満たさないため温度補償回
路による校正も困難であるといった課題を有していた。
本発明は以上の課題を解決し、記憶電圧の温度変化の
小さな、またはその温度変化率が一定で簡単な温度補償
回路により温度校正の可能な電気量記憶装置の提供を目
的とする。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために本発明の電気量記憶装置
は銀イオン導電性固体電解質層を介して動作極と対極の
一対の電極を有し、前記動作極がAgxV2O5-y(0.35<x,y
は酸素欠損)で表わされる複合酸化物をMモル含み、前
記対極がAgvV2O5-w(0.35<v,wは酸素欠損)で表わされ
る複合酸化物をNモル含み、x≦0.7の時Q1=M(0.22x
−0.054),x≧0.7の時Q1=M(0.74x−0.412)とし、v
≦0.7の時Q2=N(0.43v−0.126),v≧0.7の時Q2=N
(−0.62v+0.613)とした時、Q1≧Q2を満たす電気量記
憶素子と、その電気量記憶素子と直列または並列に接続
した電圧制御手段とを設け、前記電気量記憶素子に160m
V以下の直流電圧を印加するか、銀イオン導電性固体電
解質層を介して動作極と対極の一対の電極を有し、前記
動作極がAgxV2O5-y(0.35<x,yは酸素欠損)で表わされ
る複合酸化物を含み、前記対極が金属銀を含む電気量記
憶素子と、その電気量記憶素子と直列または並列に接続
した電圧制御手段とを設け、前記電気量記憶素子に160m
V以下の直流電圧を印加する構成とした。
作用 発明者らは、上記のような充電電圧によって温度変化
率が変化し、高い電圧を記憶させた際にその変化率が大
きい原因を探った結果、以下の知見を得た。
(1) 電気化学反応した銀とバナジウムよりなる複合
酸化物の20℃における電位が銀に対してE(T=20℃)
(mV)であったとき、その電位の温度に対する変化率dE
/dT(mV/K)は20℃における電位が約160mV以下の時、近
似的に次のような式で表わされる。
dE/dT=3.25E(T=20℃)−0.38 …(1) (2) さらに貴な電位領域まで、具体的には20℃にお
ける電位が約160mV以上となるまで酸化反応を起こした
状態の複合酸化物では、低温測に温度変化率の大きな領
域が現われ、電気量記憶素子が使用されると思われる−
20℃以上の温度範囲でもこのような関係式が成り立たな
い。
これらの知見より、(1)式に表わされるような電位
の温度変化率を示す電位領域で電気化学反応を生じさせ
る範囲では、電位の温度変化率は小さなものとなり、ま
た電位の温度変化も電圧に対して一定の関係を持つよう
になることから、温度補償も容易なものとなると思われ
る。すなわち、動作極および対極の電位が約160mVを超
えない範囲で動作させることで、−20℃以上の温度範囲
では素子の出力電圧の温度変化率は小さなものとなり、
また出力電圧の温度変化率付も一定となり温度補償も容
易なものとなる。但し素子構成としては、下記の2つの
うちのいずれかにする必要がある。
(1) 対極としてAgxV2O5で表わされる複合酸化物を
用いた場合、対極の容量を動作極に比べて小さなものと
し、動作極が160mVの電位を示すだけの酸化反応の電気
量に対応する還元反応により、対極がさらに低い電位、
好ましくは0mVの電位を示すようにする。
この方法によると、対極が0mVを示す際に動作極が160
mV以下の電位であることが必要となっている。動作極が
AgxV2O5-y(0.35<x,yは酸素欠損)で表わされる複合酸
化物をMモル含み、対極がAgvV2O5-w(0.35<v,wは酸素
欠損)で表わされる複合酸化物をNモル含む電気量記憶
素子について、x≦0.7の時Q1=M(0.22x−0.054),x
≧0.7の時Q1=M(0.74x−0.412)とし、v≦0.7の時Q2
=N(0.43v−0.126),v≧0.7の時Q2=N(−0.62v+0.
613)とした時、Q1≧Q2の条件とする。
(2) 対極としてAgxV2O5で表わされる複合酸化物に
代えて金属銀を用い、対極の電位を電気量記憶素子の動
作についていつも0mVの一定値とすることで、動作極の
動作電位範囲が0〜160mVの時、素子の出力電圧が0〜1
60mVを示すようにする。
また、このような電極材料としてAgxV2O5-yを用い
た、電気量記憶素子に用いられる銀イオン導電性の固体
電解質としてはどのような銀イオン導電性の固体電解質
を用いても素子を構成することが可能であるが、WO3,Si
O2,MoO3,V2O5から選ばれる化合物とAgX(X=I,Br,C
l),Ag2Oから合成されたaAgX−bAg2O−cGm1On1(XはI,
Br,Clより選ばれる一種以上の元素、GはW,Mo,Si,Vより
選ばれる一種以上の元素であり、m1,n1は元素Gと酸素
の化学量論比を表わす)またはpAgX−qAgGm2On2(Xは
I,Br,Clより選ばれる一種以上の元素,GはW,Mo,Si,Vより
選ばれる一種以上の元素であり,m2,n2は銀,元素Gと酸
素の化学量論比を表わす)で表わされる固体電解質は、
すべて吸湿性をもたない材料から合成することになるた
め、材料合成を乾燥雰囲気で行う必要がなく、また合成
された固体電解質も大気中の水分に対して安定であるた
め電気量記憶素子の構成も大気中で行うことができるこ
とや、構成された電気量記憶素子の耐候性の観点から好
ましく用いられる。なかでもAgI,Ag2O,WO3から合成され
た4AgI・Ag2WO4は、熱的に結晶化し電気伝導度が低下す
るなどの問題がないことから、より好ましく用いられ
る。
またCrO3,P2O5,B2O3から選ばれる化合物とAgI,Ag2Oか
ら合成されたaAgX−bAg2O−cGm1On1(XはI,Br,Clより
選ばれる一種以上の元素、GはCr,P,Bより選ばれる一種
以上の元素であり、m1,n1は元素Gと酸素の化学量論比
を表わす)またはpAgX−qAgGm2On2(XはI,Br,Clより選
ばれる一種以上の元素,GはCr,P,Bより選ばれる一種以上
の元素であり,m2,n2は銀,元素Gと酸素の化学量論比を
表わす)で表わされる固体電解質は、原材料として吸湿
性のあるものを含んでいるが、合成された固体電解質は
湿度に対し安定であることから同様に好ましく用いられ
る。このような,銀イオン伝導性固体電解質を形成する
化学量論的化合物Gm1On1あるいはAgGm2On2としては,先
に挙げたWO3,MoO3,SiO2,V2O5,CrO3,P2O5,B2O3,Ag2WO4
他にも,Ag2MoO4,Ag2V4O11,Ag2CrO4,Ag2Cr2O7,Ag3PO4,Ag
4P2O7,AgPO3などが知られている。m1,n1ならびにm2,n2
は,おのおのこのような化学量論的化合物Gm1On1,AgGm2
On2における元素Gと酸素の化学量論比(組成比)を表
わす。
実 施 例 以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
実施例1 4AgI・Ag2WO4で表わされる銀イオン導電性固体電解質
層を介して動作極と対極がともにAg0.7V2O5で表わされ
る複合酸化物を含む電気量記憶素子を以下の方法で構成
した。
先ず、用いられる固体電解質と複合酸化物を以下の方
法により合成した。
最初に、AgI,Ag2O,WO3をモル比4:1:1の比となるよう
に秤量し、アルミナ乳鉢で混合した。この混合物を加圧
成形しペレット状とした後、パイレックス管中に減圧封
入し、400℃で17時間溶融、反応させた。その反応物を
乳鉢で200メッシュ以下に粉砕し、4AgI・Ag2WO4で表わ
される銀イオン導電性固体電解質を得た。
次に、銀とバナジウムの複合酸化物を以下の方法によ
り合成した。V2O5とAgをモル比で1:0.7となるよう秤量
し、乳鉢で混合した。その混合物を同じくペレット状に
加圧成形し、石英管中に減圧封入し、600℃で48時間反
応させ、同じく200メッシュ以下に粉砕し、Ag0.7V2O5
表わされる複合酸化物を得た。
このようにして得た複合酸化物を用い、以下の方法で
電気量記憶素子Aを構成した。
上記で得られた固体電解質と複合酸化物を重畳比で1:
1の比で混合し、電極材料を得た。この電極材料を200mg
秤量し、4ton/cm2で10mmφに加圧成形し動作極の電極ペ
レットを得、この電極材料を100mg秤量し、4ton/cm2で1
0mmφに加圧成形し対極の電極ペレットを得た。
以上のようにして得られた電極ペレットを固体電解質
400mgを介して配し、全体を4ton/cm2で加圧圧接し、さ
らに錫鍍金銅線のリードをカーボンペーストにより接着
し、全体をエポキシ系の樹脂で封じ電気量記憶素子Aを
得た。その断面図を第1図に、電気量記憶素子Aと直列
に電圧制御手段を設け、160mV以下の直流電圧を印加し
て負荷の電気量を測定する電気量記憶装置の構成を第2
図に示す。
第1図において、1は4AgI・Og2WO4の銀イオン導電性
固体電解質層であり、2がAg0.7V2O5で表わされる複合
酸化物を3.98×10-5モル含む動作極であり、3がAg0.7V
2O5で表わされる複合酸化物を3.48×10-5モル含む対極
である。4はカーボンペーストからなる電極であり、5
はリード端子、6は素子を封止するための樹脂層であ
る。
第2図において、7が電気量記憶素子であり、8は前
記電気量記憶素子7に直列に設けられた電圧制御手段で
あり、負荷9の電気量を測定する時、電気量記憶素子7
に印加される電圧Vを160mV以下とする。
電圧Vの経時変化を測定することによって負荷9の電
気量を測定することができる。
10は電気量記憶素子7を充電する時に使用する直流電
源であり、11は充電電圧を制御する手段、12は充放電切
換の時使用するスイッチである。
電気量記憶素子Aについては、Q1=3.98×10-5,Q2
3.48×10-5となっており、本発明によるQ1≧Q2の条件を
満たす。
また、比較例として対極ペレットの重量を200mgとし
た以外は上記と同様の方法で、電気量記憶素子Bを得
た。
得られた電気量記憶素子Bについては、Q1=3.98×10
-5,Q2=6.95×10-5となっており、本発明によるQ1≧Q2
の条件を満たさない。
このようにして得た電気量記憶素子AおよびBを20℃
で50,75,100,125,150mVの電圧を示すように電流を通
じ、端子を開放状態とした後、恒温槽中で温度を変化さ
せ、その記憶電圧の温度依存性を測定した。その結果を
第3図(電気量記憶素子A),第4図(電気量記憶素子
B)に示す。また、得られた電圧の1℃あたりの温度変
化と20℃における充電電圧の関係を横軸に充電電圧(20
℃),縦軸に電圧の1℃あたりの変化率を第5図(電気
量記憶素子A),第6図(電気量記憶素子B)に示す。
比較例の電気量記憶素子Bでは充電電圧が100mV以上
のとき温度変化率は大きな値をとり、また第4図にみら
れるような電圧の温度変化の大きな領域が現われている
が、本発明による電気量記憶素子Aでは充電電圧が150m
Vとなっても電圧の温度変化率は充電電圧に対して直線
的に変化しており、また電圧は温度に対して直線的に変
化している。以上の結果より、本発明によると記憶電圧
の温度変化が小さくまた記憶電圧の温度変化が電圧に対
して一定の関係を持つ動作電圧範囲の広い電気量記憶素
子が得られていることが分かる。
次に、電気量記憶素子Aを第2図に示すように電圧制
御手段と直列につなぎ20℃で直流電源で160mV以下に充
電後、負荷の電気量を160mV以下で測定すると、従来よ
り簡単な温度補償回路により温度校正をしながら正確に
電気量を測定することができた。
なお、電圧制御手段は電気記憶素子と並列につないで
もよい。
実施例2 最初に、AgI,Ag2O,V2O5をモル比で5:3:2の比となるよ
うに秤量し、アルミナ乳鉢で混合した。この混合物をガ
ラス状カーボン坩堝中で、加熱溶融反応させた後、融液
を直接液体窒素中に注ぎ込み急冷した。以上のようにし
て得られた反応物を乳鉢で200メッシュ以下で粉砕し、5
AgI・3Ag2O・2V2O5で表わされる銀イオン導電性固体電
解質を得た。
以上のようにして得た銀イオン導電性固体電解質と、
実施例1で得た銀とバナジウムよりなる複合酸化物を用
い、以下の方法で電気量記憶素子Cを得た。
5AgI・3Ag2O・2V2O5で表わされる固体電解質とAg0.7V
2O5で表される複合酸化物を重量比で1:1の比で混合し、
電極材料を得た。この電極材料を200mg秤量し、4ton/cm
2で10mmφに加圧成形し動作極の電極ペレットを得た。
また、上記の銀イオン導電性固体電解質と金属銀粉末
を重量比で1:1に混合した電極材料を100mg秤量し、4ton
/cm2で10mmφに加圧成形し対極の電極ペレットを得た。
以上のようにして得られた電極ペレットを固体電解質
400mgを介して配し、全体を4ton/cm2で加圧圧接し、さ
らに錫鍍金銅線のリードをカーボンペーストにより接着
し、全体をエポキシ系の樹脂で封じ電気量記憶素子Cを
得た。
このようにして得た電気量記憶素子Cの記憶電圧の温
度変化を実施例1と同様に測定した。その結果を第7図
(記憶電圧の温度依存性)および第8図(充電電圧とそ
の温度変化率との関係)に示す。
以上の結果より、本発明による電気量記憶素子Cでは
充電電圧が150mVとなっても電圧の温度変化は充電電圧
に対して直線的に変化しており、また電圧は温度に対し
て直線的に変化している。以上の結果より、本発明によ
る記憶電圧の温度変化が小さくまた記憶電圧の温度変化
が電圧に対して一定の関係を持つ動作電圧範囲の広い電
気量記憶素子が得られていることが分かる。
この素子も素子Aと同様の装置構成により正確に電気
量が測定できた。
実施例3 V2O5と金属銀をモル比で1:0.45となるよう秤量し、実
施例1と同様の方法でAg0.45V2O5で表わされる複合酸化
物を得た。
以上のようにして得た銀とバナジウムよりなる複合酸
化物と実施例1で得た4AgI・Ag2WO4で表わされる銀イオ
ン導電性固体電解質を重量比で1:1の割合で混合し、電
気量記憶素子の対極に用いられる電極材料を得た。この
電極材料を100mg秤量し、4ton/cm2で10mmφに加圧成形
し対極の電極ペレットを得た。
以上のようにして得られた対極の電極ペレットを用い
た以外は、実施例1と同様の方法で電気量記憶素子Dを
得た。
得られた電気量記憶素子Dについては、Q1=1.99×10
-5,Q2=1.47×10-5となっており、本発明によるQ1≧Q2
の条件を満たす。
このようにして得た電気量記憶素子Dの記憶電圧の温
度変化を実施例1と同様に測定した。その結果、電気量
記憶素子Dは、充電電圧が150mVとなっても電圧の温度
変化率は実施例1と同程度の一定値をとっており、また
電圧は温度に対して直線的に変化していた。このことか
ら、本発明によると記憶電圧の温度変化が小さくまた記
憶電圧の温度変化率の一定である動作電圧範囲の広い電
気量記憶素子が得られることが分かる。
この素子も素子Aと同様の装置構成により正確に電気
量が測定できた。
実施例4 V2O5と金属銀をモル比で1:0.85となるように秤量し、
実施例1と同様の方法でAg0.85V2O5で表わされる複合酸
化物を得た。
以上のようにして得た銀とバナジウムよりなる複合酸
化物と実施例1で得た4AgI・Ag2WO4で表わされる銀イオ
ン導電性固体電解質を重量比で1:1の割合で混合し、電
気量記憶素子に用いられる電極材料を得た。この電極材
料を10mg秤量し、4ton/cm2で10mmφに加圧成形し対極の
電極ペレットを得た。
また、実施例1で得たAg0.7V2O5で表わされる複合酸
化物と4AgI・Ag2WO4で表わされる銀イオン導電性固体電
解質を重量比で1:1の比で混合し、100mgを4ton/cm2で10
mmφに加圧成形し動作極の電極ペレットを得た。
以上のようにして得られた動作極と対極の電極ペレッ
トとを用いた以外は、実施例1と同様の方法で電気量記
憶素子Eを得た。
得られた電気量記憶素子Eについては、Q1=1.99×10
-5,Q2=1.57×10-5となっており、本発明によるQ1≧Q2
の条件を満たす。
このようにして得た電気量記憶素子Eの記憶電圧の温
度変化を実施例1と同様に測定した。その結果、電気量
記憶素子Eは、充電電圧が150mVとなっても電圧の温度
変化率は実施例1と同程度の一定値をとっており、また
電圧は温度に対して直線的に変化していた。このことか
ら、本発明によると記憶電圧の温度変化が小さくまた記
憶電圧の温度変化率の一定である動作電圧範囲の広い電
気量記憶素子が得られることが分かる。
この素子も素子Aと同様の装置構成により正確に電気
量が測定できた。
なお本発明における実施例では、銀イオン導電性固体
電解質として、WO3またはV2O5とAgI,Ag2Oよりなる銀イ
オン導電性固体電解質を用いたが、WO3またはV2O5に代
えて、MoO3,SiO2,CrO3,P2O5,B2O3より選ばれる化合物ま
たはそれらの複合体を用いた場合にも同様の結果が得ら
れることはいうまでもない。
発明の効果 以上のように本発明によると、従来より通電電気量の
検出、記憶する範囲が広く、記憶電圧の温度変化の小さ
な、またその温度変化率が一定で簡単な温度補償回路に
より温度校正の可能な電気量記憶装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電気量記憶装置に用いる電気量記憶素
子の一実施例の断面図、第2図は本発明による電気量記
憶装置の電気回路図、第3図および第7図は電気量記憶
素子の記憶電圧の温度による変化を示した特性図、第5
図および第8図は同じく電気量記憶素子の記憶電圧の温
度に対する変化率と充電電圧との関係を示した特性図、
第4図および第6図は比較例の特性図である。 1……銀イオン導電性固体電解質層、2……動作極、3
……対極、7……電気量記憶素子、8……電圧制御手
段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 靖彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 豊口 吉徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀イオン導電性固体電解質層を介して動作
    極と対極の電極を有し、前記動作極がAgxV2O5-y(0.35
    <x,yは酸素欠損)で表わされる複合酸化物をMモル含
    み、前記対極がAgvV2O5-w(0.35<v,wは酸素欠損)で表
    わされる複合酸化物をNモル含み、x≦0.7の時Q1=M
    (0.22x−0.054)、x≧0.7の時Q1=M(0.74x−0.41
    2)とし、v≦0.7の時Q2=N(0.43v−0.126)、v≧0.
    7の時Q2=N(−0.62v+0.613)とした時、Q1≧Q2を満
    たす電気量記憶素子と、その電気量記憶素子と直列また
    は並列に接続した電圧制御手段とを設け、前記電気量記
    憶素子に160mV以下の直流電圧を印加する電気量記憶装
    置。
  2. 【請求項2】銀イオン導電性固体電解質層を介して動作
    極と対極の一対の電極を有し、前記動作極がAgxV2O5-y
    (0.35<x,yは酸素欠損)で表わされる複合酸化物を含
    み,前記対極が金属銀を含む電気量記憶素子と、その電
    気量記憶素子と直列または並列に接続した電圧制御手段
    とを設け、前記電気量記憶素子に160mV以下の直流電圧
    を印加する電気量記憶装置。
  3. 【請求項3】銀イオン導電性固体電解質が、aAgX−bAg2
    O−cGm1On1(XはI,Br,Clより選ばれる一種以上の元
    素、GはW,Mo,Si,V,Cr,P,Bより選ばれる一種以上の元素
    であり、m1,n1は元素Gと酸素の化学量論比を表わす)
    またはpAgX−qAgGm2On2(XはI,Br,Clより選ばれる一種
    以上の元素,GはW,Mo,Si,V,Cr,P,Bより選ばれる一種以上
    の元素であり,m2,n2は銀,元素Gと酸素の化学量論比を
    表わす)で表わされる銀イオン導電性固体電解質である
    請求項1または2記載の電気量記憶素子。
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