JP2737224B2 - エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物 - Google Patents

エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物
に関する。更に詳しくは、シール部品などの加硫成形品
の耐圧縮割れ性、耐熱老化性などを向上せしめるエチレ
ン・プロピレン系共重合ゴム組成に関する。
〔従来の技術〕 ガスケット、パッキン、Oリングなどのシール部品の
主な寿命の一つは、圧縮永久歪により左右される。従っ
て、シール部品の圧縮永久歪性は重要な特性値であり、
この値を小さくしようと努めると、今度は圧縮割れとい
う不具合を生ずる。
また、かかる用途に、エチレン・プロピレン共重合ゴ
ム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴムなどのエ
チレン・プロピレン系共重合ゴムを用いる場合、耐熱老
化性のすぐれていることも要求されている。耐熱老化性
の改善には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、酸化鉛、水酸化カルシウムなどの添加が有効である
とされているが、これらを単独で用いた場合にはその改
善効果は十分ではなく、しかも圧縮割れの防止には十分
に有効でない。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、シール部品を一定に圧縮した場合に加熱や
経時的変化などによりシール部品が割れる現象である圧
縮割れの問題を解決すると共に、耐熱老化性をも向上せ
しめるエチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物を提供
することにある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる本発明の目的は、エチレン・プロピレン系共重
ゴム、酸化チタン、酸化亜鉛および有機過酸化物を含有
してなるエチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物によ
って達成される。
エチレン・プロピレン系共重合ゴムとしては、有機過
酸化物によって容易に架橋されるエチレン・プロピレン
・ジエン共重合ゴム(EPDM)が好んで用いられる。本発
明においては、かかる共重合ゴム100重量部当りそれぞ
れ約10〜50重量部、好ましくは約15〜40重量部の酸化チ
タンと約3〜15重量部、好ましくは約5〜10重量部の酸
化亜鉛とが併用される。ここで酸化チタンと酸化亜鉛と
が併用されるのは、それぞれ単独で用いられると、耐熱
性が悪く、また加硫成形品表面に肌荒れ(ざら付き)を
生ずるためである。
架橋剤である有機過酸化物としては、例えば第3ブチ
ルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、ジ第3ブチルパーオキサイド、第3ブチルクミルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3,1,3−ビス(第3ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン、1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス
(第3ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパー
オキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、第3ブチルパ
ーオキシベンゾエート、第3ブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネート、第3ブチルベンゾエートなどが用い
られる。これらの有機過酸化物は、共重合ゴム100重量
部当り約0.5〜10重量部、好ましくは約1〜4重量部の
割合で用いられる。
以上の各配合成分を必須成分とするエチレン・プロピ
レン系共重合ゴム組成物中には、シリコーン油を共重合
ゴム100重量部当り約0.1〜5重量部、好ましくは約1〜
3重量部の割合で含有せしめることができ、これによっ
て耐圧縮割れ性の一層の改善が図られる。かかるシリコ
ーン油としては、ジメチルシリコーン、フェニルメチル
シリコーンなどのオリゴマーであって、粘度(25℃)が
約100〜10,000センチストークス程度のものが用いられ
る。
組成物中には、これらの配合成分以外に、多官能性不
飽和化合物よりなる架橋助剤、各種カーボンブラックよ
りなる補強剤、充填剤あるいは老化防止剤などを必要に
応じて配合することができる。
組成物の調製は、任意の手段、例えばミキシングロー
ル、バンバリーミキサー、各種ニーダー類などを使用す
ることかによって行われ、調製された組成物の架橋加硫
は、一般に約100〜200℃の温度に約0.5〜120分間程度加
熱しながら、加圧成形法、射出成形法などを適用するこ
とによって行われる。
〔発明の効果〕
エチレン・プロピレン系共重合ゴムは、一般に耐熱老
化性を改善せんとすると硬さの上昇、引張強さおよび伸
びの低下がみられるという特徴がある。本発明において
は、酸化チタンと酸化亜鉛とを併用することにより、硬
さ、引張強さおよび伸びの変化を大幅に低く抑えなが
ら、耐熱老化性の改善を達成させている。具体的には、
伸びの低下率80%を寿命とすると、従来品は175℃で約5
0〜70時間、また150℃では約300〜500時間程度のレベル
の耐熱老化しか有しなかったが、本発明品においては、
かかる条件下では十分なる耐熱老化性を保持している。
そればかりでなく、従来は困難とされていた圧縮永久歪
と圧縮割れとの同時改善を本発明では達成させるとい
う、顕著な効果も奏せられている。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 EPDM(日本合成ゴム成品EP22)100部(重量、以下同
じ)、SRFカーボンブラック15部、酸化チタン20部、酸
化亜鉛5部、老化防止剤としての2−メルカプトベンゾ
イミダゾール2部、加工助剤としてのワックス1部、架
橋助剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレー
ト1.7部およびビス(第3ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン2部の各配合成分をニーダーで混練し、18
0℃で6分間加熱成形し、テストピースを作製した。
作製されたテストピースについて、常態物性、耐熱老
化性(175℃で70時間加熱後の常態値の変化)、圧縮永
久歪(3×20×2mm)のテストピースを130℃で70時間加
熱、40%圧縮)および圧縮割れ(圧縮永久歪測定時の圧
縮率を50%、52.5%または55%に変更)をそれぞれ測定
した。
実施例2 実施例1において、SRFカーボンブラック量を5部
に、酸化チタン量を30部に、また酸化亜鉛量を10部にそ
れぞれ変更した。
実施例3 実施例1において、更にシリコーン油(ジメチルシリ
コーンオリゴマー、25℃における粘度1000cst)2部が
配合された。
実施例4 実施例2において、更に上記シリコーン油が4部配合
された。
比較例1 実施例1において、SRFカーボンブラック量を35部に
増量し、酸化チタンおよび酸化亜鉛を用いなかった。
比較例2 比較例1において、更に水酸化カルシウム5部が配合
された。
比較例3 実施例1において、酸化亜鉛が用いられなかった。
比較例4 実施例1において、SRFカーボンブラック配合量を30
部に、また酸化亜鉛配合量を10部にそれぞれ変更し、酸
化チタンは用いられなかった。
以上の実施例2〜4および比較例1〜4についても、
実施例1と同様の測定が行われ、その測定結果は実施例
1共々次の表に示される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン・プロピレン系共重合ゴム100重
    量部、酸化チタン10〜50重量部、酸化亜鉛3〜15重量部
    および有機過酸化物0.5〜10重量部を含有してなるエチ
    レン・プロピレン系共重合ゴム組成物。
  2. 【請求項2】更にシリコーン油0.1〜5重量部を含有せ
    しめた請求項1記載のエチレン・プロピレン系共重合ゴ
    ム組成物。
JP7380189A 1989-03-28 1989-03-28 エチレン・プロピレン系共重合ゴム組成物 Expired - Lifetime JP2737224B2 (ja)

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