JP2736811B2 - 免疫グロブリンEのための高アフィニティー受容体のγサブユニットをコードするcDNA - Google Patents

免疫グロブリンEのための高アフィニティー受容体のγサブユニットをコードするcDNA

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、マスト細胞と好塩基性球上の免疫グロブリ
ンE(IgE)のための高アフィニティー受容体のγサブ
ユニット用のcDNAの単離と配列に関する。更に、本発明
は、受容体のα、βおよびγサブユニットのcDNAが同時
に共トランスフェクションされている時の受容体の発現
にも向けられている。
発明の背景 IgEの高アフィニティー受容体は、マスト細胞と好塩
基性球上に専ら見出されている。
この受容体:FcεRIは、アレルギーで重要な役目を果
たしている。多価のアレルゲンが受容体に結合したIgE
に結合すると、その結果起こる受容体の凝集は、アレル
ギー症の原因となるメジエイターを遊離する。
下記の表1から見られるように、FcεRIは非共有的に
接合したサブユニットの四量体:単量のIgEに結合する
αサブユニット、単量のβサブユニットそしてジスルフ
ィド結合したγサブユニットの二量体〔エイッチ・メッ
ツガー他(H.Metzger et al),アニュアル.レビュー
ウ.オブ.イミュノロジー(Ann.Rev.Immunol.),4:419
-470(1986)〕 αおよびβサブユニットの相補的DNA(cDNA)は、最
近単離されている〔ジェィ.−ピー、キネット他,バイ
オケミストリー(J.−P.Kinet et al,Biochemistry 26:
4605-4610(1987);エイ.シミズ他,プロセス.ナシ
ョナル.アカデミー.サイエンス.ユーエスエー(A.Sh
imizu et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA)85:1907-1911
(1988);ジェイ.コーチャン他,核散研究(J.Kochan
et al,Nucl.Acids Res.)16:3584(1988)を参照。〕。
しかし、現在迄、γサブユニットの単離と特定は開示
されていないし;トランスフェクションした細胞により
IgE−結合を発現することは出来なかった〔ジェイ.−
ピー.キネット他,バイオケミストリー(J.−P.Kinet
et al,Biochemistry 26:4605-4610(1987);エイ、シ
ミズ他,プロセス.ナショナル.アカデミー.サイエン
ス.ユーエスエー(A.Shimizu et al,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA)85:1907-1911(1988)を参照。〕。
IgEの高アフィニティーを持つ受容体(FcεRI)は、
マスト細胞、好塩基性球および関連細胞上に専ら見出さ
れる。FcεRIと結合したIgEの、抗原による凝集は、ヒ
スタミンとセロトニンのような予め形成されているメジ
エーターの両方の遊離の引金になり、並びにロイコトリ
エンの合成を刺激する。これらのメジエーターの遊離
は、アレルギー状態をもたらす。
もっともよくその特徴が知られているFcεRIはラット
の好塩基性の白血病(RBL)の細胞系のそれである。こ
れは3個の異なるサブユニットから成る: (1)IgEとの結合部位を含む、40-50キロダルトン
(Kd)の糖タンパク質のα鎖、(2)一本鎖の33Kdのβ
鎖および(3)二本の7-9Kdのジスルフィド結合したγ
鎖。
ヒトFcεRIは完全にクローン化および単離されていな
い。単に、ラットのFcεRIのαサブユニットのためにコ
ードしている遺伝子がクローン化されその配列が決めら
れている〔キネット他、バイオケミストリー(Kinet,et
al.,Biochemistry,26:4605(1987)を参照〕。
免疫グロブリンのFc領域に結合している受容体(「Fc
受容体」)は膜を通過するそれらの伝達を媒介し、抗原
抗体複合体により誘発されるいろいろな細胞活動を刺戟
する。幾つかのFc受容体のcDNAは特定されている。受容
体〔高分子免疫グロブリンの受容体(1)、マクロファ
ージとリンパ球上のFc受容体(2)、そしてマスト細胞
と好塩基性球上の高アフィニティーFc受容体(3-5)〕
の3種は共通の特徴を持っている:即ちそれらの免疫グ
ロブリンに結合する部分は2個以上の免疫グロブリン様
のドメイン(領域)を持つ。
高アフィニティーFc受容体は、多数のサブユニットか
ら成ると知られているFc受容体のみである。免疫グロブ
リンに結合するアルファ鎖に加えて、これはβ鎖と2個
のジスルフィド結合したγ鎖を含む。トランスフェクシ
ョンした細胞の表面上にαサブユニットのcDNAを発現す
ることは今までは出来なかった(3,4)。恐らく、他の
多数のサブユニットの受容体と同様に、表面で発現する
には他の一個以上のサブユニットが一緒に合成されなけ
ればならないのであろう(7,8). この受容体の作用機構におけるβとγサブユニットの
役目も興味あるものである。
発明の概略 本発明の一般的な目的は、FcεRIのγサブユニットの
cDNAを単離し、特定しそしてクローン化することであ
る。
本発明の別の目的は、その構造的特徴の多くを説明し
てFcεRIの模型(model)を提供することである。
更に、本発明の別の目的は、α、βおよびγサブユニ
ットのためのcDNAが同時に共トランスフェクションされ
た時にFcεRIの発現を行うことである。
本発明のこれらの、そして他の目的は;下記の記述か
らこの技術分野の熟練者には明瞭になるであろう。そし
てこの目的は、γサブユニットのcDNAクローンの単離と
COS7細胞にIgE受容体のcDNAの発現の成功により実施で
きた。トランスフェクションしたCOS7細胞上でのIgEの
表面結合は、3種全てのサブユニットのcDNAの同時の共
トランスフェクションを要求することが見出された。
本発明は、ヒトFcεRIポリペプチドのαサブユニット
をβおよびγサブユニットと一緒に発現する能力のある
原核または真核微生物の発現ビヒクル、形質転換した原
核または真核微生物、およびヒトFcεRIポリペプチドの
αサブユニット並びにβおよびγサブユニットを生産す
る上記微生物の培養、並びに固相合成法または必要な遺
伝子が適合性のある原核または真核有機体に適当なDNA
ベクターにより挿入される組換えDNA技術のいずれかに
よるヒトFcεRIポリペプチドのαサブユニット並びにβ
およびγサブユニットを生産する工程をも包含する。
図面の簡単な説明 図1は、ラットのFcεRIのγサブユニットのヌクレオ
チド配列とそれが予測するアミノ酸配列を示す。推定上
のトランスメンブラン領域に下線を付してある。
アミノ酸残基には、成熟タンパク質の最初の残基から
番号を付してある。5′残基から残基1迄にはマイナス
の符号を付してあって、ゲー.フォン ヘイイン(G.vo
n Heijne)の領域に該当する推定上のシグナルペプチド
をコードしている残基を包含する〔核酸の研究〔Nuclei
c Acids Res.),14:4683-4690(1980)を参照〕。N−
末端とC−末端の切断部位を矢印により示した。
扱われ、そして配列決定された4種のトリプシンペプ
チドは括弧〔{ }〕で括った。星印は最初のトリプシ
ンペプチドの配列における曖昧な残基を示す。
図2A-2Cは、FcεRIの予測される配列の水透過性(hyd
ropathicity)のプロットである:αサブユニット(図2
A)、βサブユニット(図2B)およびγサブユニット
(図C)である。水透過性(hydropathicity)の尺度は
インゲルマン他(Engelman et al.)による〔アニュア
ル レビュー オブ バイオフィジカル ケミストリー
(Annual Review of Biophysical Chemistry)、15:321-3
53(1986)〕. 連続している「窓」中の20個のアミノ酸の水透過性
(hydropathicity)値の総計がそれに該当する10個目の
アミノ酸の位置にプロットされている。
図3A-3Dは、トランスフェクションしたCOS7細胞とRBL
細胞によるIgEロゼットの形成を示している。
(図3A)COS7細胞はα、βおよびγcDNAのコード部分
により共にトランスフェクションされており、TNPで誘
導された赤血球に暴露する前に、マウスの抗−DNPのIgE
に感作させる。
(図3C)陽性の対照としてRBL細胞を同様にロゼット
形成のために試験した。
(図3Bと図3D)マウスの抗−DNPのIgEを添加する前
に、ラットのIgE(抗−DNP活性がない)と共にCOS7細胞
(図3B)またはRBL細胞(図3D)を予め保温する。
図4は、IgEのための高アフィニティー受容体四量体
の模型を示している。ポリペプチドはその充分にプロセ
シングした形で示してある。この受容体は、αサブユニ
ットの大きい細胞外部分が上部に、そしてその鎖の残部
が左に位置するように配置されている。αサブユニット
の右側に4つのトランスメンブレン部分を有するβサブ
ユニットが示してあり、そしてその右側にγ鎖の二量体
が示してある。α鎖中のシステイン26と68およびシステ
イン107と151は、それらがジスルフィド結合するように
対になっており、これはFcγ受容体における同族のシス
テインと同様である〔参照:エム、ヒッブス他、ジャー
ナル オブ イミュノロジー(J.Immunol.)140:544-55
0(1988)〕。推定上のトランスメンブレイン部分は全
てが21個の残基からなるものとして示され、α−ヘリッ
クスの構造であると期待されてよい。アミノ酸には1文
字のコードが使用されている〔エム.デイホーフ他、
ンパク質の配列と構造の地図、補.3,デイホーフ編集、3
63-373,ナショナル・バイオメジカル研究団体、ワシン
トン(M.Dayhoff et al,in Atlas of Protein Sequence
and Structure,Suppl.3,ed.M.Dayhoff,363-373,Natl.B
iomed.Res.Fndtn.,Washington D.C.)を参照〕。N−末
端から数えて各10番目の残基に斜線を施した。
図5は、ヒトFcεRIのαcDNAのヌクレオチド配列と予
測したアミノ酸配列を示している。
図6は、ラットのFcεRIのαサブユニット(R)、ヒ
トのFcεRIのαサブユニット(H)、およびマウスのFc
εRI(M)のαサブユニットの同族体を示している。3
件の間で互いに同一のものは四角で囲んである。番号1
の位置は、各々のタンパク質の予測した成熟N−末端に
該当する。
図7は、完全な生理的に活性なFcεRIのα鎖(pHAI、
pHAII)または溶解性の、分泌型の生理的に活性のFcεR
Iのα鎖(pHASI、pHASII)の合成を指針している真核発
現ベクターの構成を示すフローチャートである。
図8は、溶解性の、生理的に活性のFcεRIのα鎖(こ
れはアミノ酸残基24-204から成る)の合成を指針してい
る原核発現ベクターの構成を示すフローチャートであ
る。
図9は、βcDNAの制限酵素切断地図と、それによりそ
れらが配列される戦略を示す。空白の長方形はβサブユ
ニットをコードすると予測されている配列を示す;直線
は5′と3′の非翻訳領域を示す。
上方のスキームはPst I政談部位を含む1.5キロ塩基
(kb)のクローンを示す。
下方のスキームは、Cia Iの切断部位を含む2.4キロ塩
基のクローンを示す。後者の3′領域はスラッシで示し
たように端部を切断してある。その非翻訳領域はそのク
ローンの残りの部分と同様に完全に配列した。
制限酵素切断部位は、矢印により示してある:Hf.Hind
I;Hh.Hhal I;Al.Alu 1;Hp.Hpn;Av.Ava II;Ac.Acc 1;E
c.EcoR 1;Hd.Hind III。
水平方向の矢印はジデオキシヌクレオチド・チエイン
−ターミネーション法(dideoxynucleotide chain-term
ination法)による配列を示す。
図10Aは、βサブユニットをコードしているcDNAのヌ
クレオチドと推測したアミノ酸配列を示している。矢印
の頭部(▼)の所で始まって、代わり得る配列(β)が
6個のクローンで観察される。推定上のトランスメンブ
レイン−ドメインに下線を付してある。アミノ酸の配列
が直接に決定されたサブユニットβのトリプシンペプチ
ドは括弧(〈〉)で括ってある。推定上の末端近くのポ
リAシグナルには下線を付してある。
図10Bは、βcDNAの欠失型(deleted form)のヌクレ
オチド配列の続きを示している。連結する3′はA
(▼)で示してある。
図11A-11Cは、βサブユニットをコードしているcDNA
の発現を示している。
図11Aは、in vivoin vitroにおける翻訳生成物の比
較である。RBL細胞を[35S]システインを含有する倍地
中で生育する。細胞の洗剤抽出物をmAbβ(JRK)と沈澱
しそして、激しく洗浄した後、試料緩衝液で抽出し電気
泳動する(例1)。この実験では、受容体を完全に解離
するのに充分に高い濃度の洗剤を使用する。
βcDNAからの転写物を[35S]メチオニンを含有する
倍地中でin vitroで処理した(例2,3,および5)。対照
の試験は、cDNAを含有していなかった(列4)。免疫沈
澱物を洗浄した後、βサブユニットへのモノクロナール
抗体と反応させた。特定の洗浄した沈澱物を試料緩衝液
に溶解し、電気泳動した; 列2と4.mAbβ(HRK);列3,mAbβ(NB1:列5 不適
切なモノクロナール抗体[mAb(LB)].還元条件下、
その上で試料を分析した12.5%のポリアクリルアミドゲ
ルのオートラジオグラフィーを示してある。
図11Bは、βサブユニットのNH2−末端ペプチドへの一
つのエピトープのローカリゼーション(lacalization)
である。T7ポリメラーゼを使用する転写の前にβcDNAを
含むベクターをHha 1で切断した。得られたmRNAを、[
35S]メチオニンで標識したβサブユニットのNH2−末端
ペプチド(アミノ酸 1-21)を生成すべく翻訳した。混
合物をmAbβ(JRK)(列1)と不適切なmAb(LB)(列
2)と反応させる。沈澱物を非還元条件下、17%ゲル上
分析した。
図11Cは、βサブユニットのCOOH−末端断片のE.Coli
による発現である。ヌクレオチド499-787を含むHind I
断片をE.Coliの発現ベクター(16)中にサブクローンし
たそして抽出物を作製した。タンパク質をAにおけるの
と同じに電気泳動し、ニトロセルロース紙に移した。続
いて、後者を、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウ
スIgG(Fc)で現像されるモノクロナール抗体mAbβ(N
B)と反応させ、そして常法で現像した(14)。イミュ
ノブロットの下半分の拡大図を示す。列1,挿入しない形
質転換体からの抽出物;列2,間違った方向に挿入された
形質転換体からの抽出物;列3,正しい方向に挿入された
形質転換体からの抽出物。
図11Dは、E.Coliの発現Hind I断片により誘導された
ポリクロナール抗体とのBサブユニットの反応性を示し
ている。精製したIgE−受容体複合体を電気泳動し、ニ
トロセルロース紙に移し、そして抗体そして次いで適当
なアルカリンホスファターゼ−抱合抗−免疫グロブリン
抗体と反応させる。列1 mAbβ(JRK);列2 mAbβ(N
B);列3 断片Aに対する免疫血清;列5 断片Bに
対する免疫血清;列1と6 列3と5における免疫血清
にそれぞれ対応する免疫前血清;列7と8,2番目の抗体
だけである。このゲルは標準分子量無しに使用した。
図12はβサブユニットの予測した配列の水透過性(hy
dropathicity)を示している。インゲルマン他(Engelm
an et al)(21)により推薦されている方法と水透過性
(hydropathicity)の尺度を使用した。連続している
「窓」中の20個のアミノ酸の水透過性(hydropathicit
y)の正味値がそれに該当する10個目のアミノ酸の位置
にプロットされている。水への移行のための>20kcal
(1cal=4.18J)の正味の自由エネルギーはトランスメ
ンブレインの断片を暗示している(21)。
発明の詳細な説明 本発明は、IgEのための高アフィニティー受容体(Fc
εRI)のγサブユニットのcDNAの単離、特定およびクロ
ーニングに関する。更に、本発明は、FcεRIの模型にも
直接向けられており、この模型はその知られた構造状の
特徴の多くを説明する。FcεRIの3個全てのcDNAが同時
に共トランスフェクションされているときは、本発明に
よってCOS7細胞の表面上に受容体の発現が実施される。
IgE結合の発現の成功はIgE−受容体の相互作用の詳細な
解析を可能にしそしてかくして治療的に有効な抑制剤の
開発を可能にする。
γサブユニットのcDNAを単離そして特定するために、
γサブユニットのcDNAは、オリゴヌクレオチド試料を使
用してラットの好塩基性球の白血病(RBL)細胞から調
製したγgt11ライブラリーから単離した〔ジェイ.−ピ
ー.キネット他、バイオケミストリー(J.−P.Kinet et
al,Biochemistry)26:4605-4610(1987)を参照〕。4
個のペプチド配列をFcεRIγサブユニットのトリプシン
切断で同定した。そして、ペプチドの2個を2個のオリ
ゴヌクレオチドを合成するのに使用した(図1)。これ
らの2個の試料を使用して重複してライブラリーをスク
リーンし、重複するプラーク(plaque)を同定した。3
個の分離したプラークを精製し、サブクローンし、0.6-
0.7キロ塩基(kb)の同様の挿入物を含んでいることを
見い出した。
図1は、γcDNAの完全なヌクレオチドの配列、推測し
たアミノ酸の配列および4個の原始的(original)トリ
プシンペプチドの配列における位置を示している。配列
(図2C)の解析は、18残基のN−末端疎水性シグナルペ
プチドと推定上のトランスメンブレイン領域が細胞質内
領域から5個の残基の短い細胞外部分を分離しているこ
とを示している。以前の研究により予測されるように、
N−末端をプロセスしたγサブユニットは2個のシステ
イン残基を含有するがメチオニン残基とトリプトファン
残基を含まない〔ジー.アルカラズ他、バイオケミスト
リー(G.Alcaraz et al,Biochemistry)26:2569-2575(1
987)を参照。〕。
成分の分析は、γサブユニットが一個のヒスチジン基
を含んでいるようであることを暗示している〔ジー.ア
ルカラズ他、バイオケミストリー(G.Alcaraz et al,Bi
ochemistry)26:2569-2575(1987)を参照。〕。
しかし、最近の35Sメチオニンと3Hヒスチジンを使用
する受容体の生合成的二重標識法は受容体に同伴するγ
サブユニットにはヒスチジンの痕跡が取り込まれないこ
とを明瞭に示している。3個の独立のクローンからの読
み取り枠の各々はC−末端から6個のヒスチジン残基を
予測しているので、γサブユニットはヒスチジンを含有
する断片を切り落とすC−末端プロセシングを経ている
と期待される。更に、このヒスチジンの直前のペプチド
は回収されるので(図1)C−末端部分はリジン63(Ly
s 63)で切断すると予想される。充分にプロセシングし
たγの予測される分子量は従って7139Daであり、これは
ドデシル硫酸−尿素ゲル上で還元したγの精製品で得ら
れた値と近接している〔ジー.アルカラズ他、バイオケ
ミストリー(G.Alcaraz et al,Biochemistry)26:2569-2
575(1987)を参照。〕。
γサブユニット(図1)の7量体または9量体ペプチ
ドに対するポリクロナール抗ペプチド抗体を製造し、RB
L細胞のIgE−受容体との反応生を試験した。両方の精製
した抗ペプチド抗体は、部分的に精製したγサブユニッ
トの未還元2量体および還元したモノマーと、ウエスタ
ン−ブロット検定法で反応した。
更に、両方の抗体は、RBL細胞の抽出物または部分的
に精製した受容体の調製物のいずれからのものであって
も、受容体結合125I-IgEを定量的に沈澱した。これらの
事実を纏めると、本発明に従って単離されたcDNAはFcε
RIのγサブユニットをコードしていることは疑いのない
事実である。
COS7細胞の表面上での受容体の発現を実施するため
に、γcDNAの領域と以前に単離したαとβcDNAのコード
領域を、COS-7細胞中にトランスフェクションする前
に、第1にSV40プロモーターで作動する発現ベクターps
VL中に別々にサブクローンする。IgE−結合をIgEロゼッ
ト検出法を使用することによりトランスフェクションし
た細胞の表面上に検出した(実施例3を参照。)。図3A
は、α、βおよびγサブユニットで共トランスフェクシ
ョンした細胞によるIgE−結合活性を示している。実質
的に、陽性対照として使用されたRBL細胞の全ては、ロ
ゼットを形成した(図3C)。ロゼットは、ラットのIgE
によるプレインキュベーション(preincubation)によ
り完全に阻止されるが(図3BとD)、ヒトIgE(図示せ
ず)では阻止されなかった。これは、ラットのFcεRIの
種特異性と一致する〔クルスズスキー他、ジェイ.イー
エックスピー.エムイーデー.(J.Exp.Med.)139:600-
616(1974)〕。
IgE結合活性の表面発現に対する必要条件を研究する
ために、下の表2に示されるように3種のサブユニット
のためのcDNAの異なる組合せで細胞をトランスフェクシ
ョンした。
上の表は本出願の提出時までに本発明者等により行わ
れた全てのトランスフェクション試験から出されたデー
タをまとめている。α、βおよびγを同時に共トランス
フェクションした場合にIgE結合の5±2%発現が通常
達成されるように、トランスフェクション試験の成功率
は高められた。
ノーザンブロッティングにより評価されるように成功
したトランスフェクションは全ての組合せに対して達成
されたが、しかしロゼット形成性細胞は1そろいのcDNA
の共トランスフェクション後に検出されるだけだった。
これらの結果は、βおよびγサブユニットがIgE結合性
αサブユニットの表面発現に必要とされることを示す。
さらに、全体がそろった受容体だけが原形質膜に到達す
ることが示される。この現象はまたその他の系において
も観察されており(M.McPhaul等,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 83:8863-8867(1986);Y.Minami等,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 84:2688-2692(1987))、そしてポリマー性膜
タンパク質に対して一般に適用され得る。
αからβおよびγの容易な分離性(B.Rivnay等,Bio
chemistry 21:6922-6927(1982))は、概念的にγ
よびβをFcεRIのサブユニットとみなすべきか、または
「受容体関連」タンパク質とみなすべきかについて永続
的な不明確さを生じさせた(後者の例は胸腺誘導リンパ
球上の抗原受容体と会合するCD3複合体である(H.Cleve
rs等,Ann.Rev.Immunol.6:629-662(1988))。FcεRIの
ためのサブユニットモデルは、例えばα、βおよびγ
の同調生合成および異化に基づいて支持されてきた(R.
Quarto等,Molec.Immunol.22:1045-1052(1985))。本
発明により得られたトランスフェクションされた細胞に
関する新しいデータは、αβγがFcεRIの最小限の構
造である最も確実な証拠を提供する。
四量体FcεRI受容体に対する本モデルは図4に示され
ている。このモデルにおいて、発現された受容体を構成
する589個のアミノ酸残基の各々は丸で示されている。
図中、細胞の外部は上部にあり、受容体が埋め込まれて
いる原形質膜は中央部にあり、そして細胞の内部は下部
方向にある。各々のポリペプチド鎖(左側にあるα、中
央部にあるβ鎖および右側にある2本のγ鎖)は1つま
たはそれ以上のトランスメンブレン断片を含む。
α鎖は2つの鎖内ジスルフィドループを含むと信じら
れており、そしてこれらのループの配列は免疫グロブリ
ンとかなりの相同性を示す(J.−P.Kiet等,Biochemistr
y 26:4605(1987);A.Shimizu等,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 85:1907(1988);J.Kochan等,Nucleic Acids Res.1
6:3584(1988))。従って、αサブユニットは免疫グロ
ブリンスーパーファミリーのもう一つの構成員である
(A.Williams等,Ann.Rev.Immunol.6:381(1988))。α
鎖の細胞外およびトランスメンブレン断片はIgGを結合
するFc受容体の免疫グロブリン結合鎖とかなりの相同性
を示すが(J.Ravetch等,Science 234:178(1986))、
しかし細胞内細胞質尾部は全く異なっている。α鎖の細
胞外部分に共有結合している炭水化物残基は図4に示さ
れていない。N−結合炭水化物に対する7つの可能な部
位があるが(J.−P.Kiet等,Biochemistry 26:4605(198
7);A.Shimizu等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:1907(19
88))、しかしその中の細胞により実際に使用されてい
る部位はまだ決定されていない。研究はこれら炭水化物
がこの鎖によるIgEの結合に必須でないことを示す(B.H
empstead等,J.Biol.Chem.256:10717(1981))。
β鎖は4つのトランスメンブレン断片を含み(J.−P.
Kiet等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6483(1988))、
そしてモノクローナル抗体でのこれまでの研究(J.−P.
Kiet等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6483(1988);J.Ri
vera等,Mol.Immunol.25:647(1988))はアミノ末端お
よびカルボキシル末端がそれぞれ59および43残基の長さ
であり、これが原形質膜の細胞質表面から突出している
ことを示す。同様にγ鎖は長い細胞内伸長を有するが、
しかし外部への露出はごく限られている。
本モデルによれば、個々のサブユニットの推定上のト
ランスメンブレンドメインは各々の水通過性プロットか
ら推定される(図2参照、その中で水輸送のための>20
kacl/molの真の自由エネルギーはトランスメンブレン断
片またはリーダーペプチドを示唆する(D.Engelman等,A
nn.Rev.Biophys.Biophys.Chem.15:321-353(1986))。
これらのプロットはα、βおよびγのためのそれぞれ
1、4および1個の疎水性ドメイン(すなわち全体の受
容体のための7個のトランスメンブレンドメイン)を示
唆する。Gタンパク質と相互作用する受容体のファミリ
ーの構成員もまた7個のトランスメンブレンドメインを
含む(I.Herskowitz等,Cell 50:995-996(1987))。こ
のファミリーはβおよびαアドレナリン産生、ムスカリ
ン受容体およびロドプシンを包含する。FcεRIとこれら
の受容体との間の配列相同性は見ら出されないけれど
も、FcεRIとGタンパク質との相互作用はこの受容体に
より活性化された生化学的経路の少なくともいくつかを
説明することが主張された(S.Cockcroft等,Nature 31
4:534-536(1985))。αおよびβサブユニットのトポ
ロジー、特にβサブユニットのC−およびN−末端部分
の細胞質局在はJ.−P.Kiet等,Biochemistry 26:4605(1
987)およびA.Shimizu等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:1
907-1911(1988)で論議されている。2つの証拠は図4
に示されるようなγ−二量体のトポロジーを支持する:
γは倒立小胞上で酸化的にヨウ素化されるが無傷の細胞
上ではされず(D.Holowka等,J.Biol.Chem.259:3720-372
8(1984))、そして生体内において、γはトレオニン
残基上でホスホリル化される(R.Quarto等,Mol.Immuno
l.23:1215-1223(1986))。関連する残基はγの小さい
推定上の細胞質外断片には存在しないが、推定上の細胞
質尾部、すなわち2個のチロシンおよび4個のトレオニ
ン残基上に全て存在する。
受容体のトポロジーを試験するためのその他の手段と
して、3種のサブユニットの推定上の細胞外および細胞
内断片はG.von Heijine,Biochim.Biophys.Acta 947:307
-333(1988)により示唆されているように塩基性残基の
相対含量が分析された。彼は塩基残基/全残基の比率が
被試験断片の長さの関数として変化するが、しかし一般
には膜タンパク質の転移(細胞外)断片におけるより非
転移(細胞内)断片における方が実質的に高いことを見
出した。下の表3は本モデルに対して計算された比率と
「公知の」膜タンパク質(G.von Heijine,Biochim.Biop
hys.Acta 947:307-333(1988))に基づいて予測される
比率との良好な一致を示すものであり、それにより本明
細書で提示したトポロジーモデルに対して別の支持を与
える。
本モデルはサブユニットの構造に関していくつかの重
要な特徴を明らかにしている。βと、γの二量体とは互
いに相互作用し;界面活性剤溶液中でそれらはお互いか
ら分離する前にユニットとしてαから分離し(J.Rivera
等,Mol.Immunol.25:647-661(1988))、そして時には
βとγ二量体は互いにジスルフィド結合されているのが
観察される(J.−P.Kiet等,Biochemistry 22:5729-5732
(1983))。この結合のための最も可能性高いものは、
トポロジー的に近似していることが予想されるγ−cys7
およびβ−cys80である。その際に、少なくともγ−cys
26残基がγ二量体中でジスルフィド結合されていること
が必要であろう。受容体生合成に関する予備的なデータ
はαおよびβが互いに相互作用することを示唆する。
FcεRIの機能的特性は種々のFcγRのそれに広範囲に
わたり類似している。FcγRは免疫グロブリンのFc領域
の相同断片に結合することが明らかであり(B.Helm等,N
ature 331:180-183(1988);A.Duncan等,Nature 332:56
3-564(1988))、そして受容体上の結合部位が免疫グ
ロブリン様ドメインを有する相同ポリペプチドに見出さ
れることが明らかである(J.−P.Kiet等,Biochemistry
26:4605-4610(1987);J.Ravetch等,Science 234:718-7
25(1986))。両タイプの受容体は細胞活性化を引き起
こすために凝集することが必要であり、そして研究によ
れば、後者は広範囲に類似する第2のメッセンジャーの
生成を含むことが明らかである(H.Metzger等,Ann.Rev.
Immunol.4:419-470(1986);N.Hogg,Immunol.Today 9:1
85-187(1988))。それ故にFcεRIが4つのポリペプチ
ド鎖、7つのトランスメンブレン断片および5つの細胞
質断片からなるのに対し、FcγRはより単純な構造、す
なわちα様サブユニットのみで類似の機能を果たすよう
にみえることは驚きである。極端な場合はトランスメン
ブレン断片および細胞内断片さえも欠くようにみえるFc
γRIIIの場合である(P.Selvaray等,Nature 333:565-56
7(1988);D.Simmons等,Nature 333:568-570(1988);
T.Huizinga等,Nature 333:667-669(1988))。Fcγ受
容体の付加的な構成成分は遠くに放され得ることが示唆
された。可能性として、そのような構成成分はFcεRIの
βおよびγサブユニットに比べ、受容体の可溶化の際に
より容易に失われる(J.−P.Kinet等,Biochemistry 24:
4117-4124(1985))。そのような仮想的成分がβもし
くはγまたは両方に相同であると予想することは道理に
かなっている。後者の成分のための遺伝子プローブの有
用性はこの可能性の十分な探究を可能にしないであろ
う。
本発明に従って達成されたIgE結合の発現における成
功は重要な治療上の意味を有する。FcεRIにより刺激さ
れたマスト細胞および好塩基性球の粒崩壊はアレルギー
の多くの徴候の原因となる。この失調が高い頻度で得ら
れれば、IgE結合の特異的阻害剤の発見により多くの治
療上の利益が得られることが期待される。そのような阻
害剤の発見はヒト受容体へのヒトIgEの結合のための実
際的な試験管内アッセイの欠如により妨害されていた。
例えば、IgE誘導ペプチドの阻害能の最近の評価はめん
どうで危険性のある操作である皮膚試験(B.Helm等,Nat
ure 331:180-183(1988))により決定されなければな
らなかった。
本発明がトランスフェクションしたげっ歯類の受容体
の発現を達成することは、ヒトFcεRIが同様に発現され
得ることを示す。また、現在ヒトαサブユニットをコー
ドするcDNAだけが単離されているから(A.Shimizu等,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.UAS 85:1907(1988);J.Kochan等,Nu
cleic Acids Res.16:3584(1988))、げっ歯類のβお
よびγ鎖をコードするcDNAとの共トランスフェクション
で発現され得ることが期待される。
ヒトとラットのαサブユニットの比較を下の表4にま
とめて示す。
上の表から、ヒトとラットのアルファ鎖には約47%の
全体の相同性があり、予測されたトランスメンブレンド
メインにはほぼ70%の相同性があることがわかる。実際
に、トランスメンブレンドメインが厳密に試験される場
合、完全に同一である10個の連続残基の範囲がある。連
続残基のこの範囲は上の表で下線が付けられている。
トランスメンブレン断片は、βおよびγ鎖と最も相互
作用しそうなα鎖の領域であるから、ラットのβおよび
γ鎖と一緒にトランスフェクションされるならばヒトα
鎖は発現され得ることが期待された。これは、本発明者
等がヒトαならびにラットβおよびγサブユニットと同
時にトランスフェクションされたCOS細胞によりヒトIgE
結合を発現させることができたような場合であることを
証明した。もちろん、自然にトランスフェクションされ
た細胞系を有することは有利であろうし、そしてそのよ
うな系のためにヒトβおよびγサブユニットを利用する
ことを欲するであろう。本発明者等はトランスフェクシ
ョンされたものの製造が容易であるように、これらのサ
ブユニットのコード性配列を同定する方法を入手してい
る。従って、今利用可能な材料でもって、試験管内での
ヒトIgE結合のペプチド阻害剤を探究することは既に実
際的である。薬剤の実際の大量スクリーニングに適当な
アッセイを行うには現在の作業のわずかな拡張だけが必
要とされる。
もちろん遺伝的作業はアッセイより多くのものを提供
し、同様に重要であろう。直接突然変異により、さら
に、重要な結合領域に関するその他の情報の発見が可能
になるであろう。この情報を用いて合理的な薬剤設計が
可能になることが期待される。受容体自体の機能を阻害
すること、すなわち受容体の活性化を生じる初期の生化
学的シグナルと相互作用することが可能になることがさ
らに期待される。
なお、本発明において、厳密な条件下でハイブリッド
形成し得るとは、例えば4×SSC中65℃で1時間、次い
で0.1×SSC中65℃で1時間洗浄を行うことによりハイブ
リッド形成し得ること、または50%ホルムアミド、4×
SSC中42℃でハイブリッド形成し得ること等を意味す
る。
本発明を以下の実施例において詳細に説明する。これ
らの実施例は説明のためのものであり、本発明を制限す
るものではない。
実施例1 トランスフェクション実験 表2に係る上記トランスフェクション実験において、
FcRIの3つのサブユニット(図3)ととしてcDNAsの異
なる組み合わせでCOS-7細胞をトランスフェクションし
た。表2に示されている各トランスフェクションについ
てロゼット分析(rosetting assay)を行った。ノザン
・ブロッティングによるmRNAの評価を一度だけ行った
(2×107細胞で)。表2中のアスタリスクでマークさ
れている実験にインヒビターが細胞に加えられている
(特異マウス抗−DNP IgEの添加の30分前に非特異ラッ
トIgE 50g/mlを細胞に加えた。) 実施例2 γサブユニットのためのcDNAの単離および特徴づけ アルカラッツ(G.Alcaraz et al.)等「バイオケミス
トリー(Biochemistry)」第26巻,第2569〜2575頁(19
87年)に記載のTNP−リジンビーズ(TNP-lysine bead
s)を用いるアフィニティクロマトグラフィーによりFc
εRIを精製した。溶出液は、シアノゲンブロミドにより
モノクロナール抗−β(JRK)に結合したセファロース4
Bビーズに適用した〔ジェイ.リベラ等(J.River et a
l.)「モレキュラー イムノロジー(Mol.Immunol.)」
25:647-661(1988)〕。pH8のホウ酸塩緩衝液中のCHAPS
2mlでビーズを洗浄した後、合わせた物質を65℃にてpH
6.5の0.1%ドデシル硫酸ナトリウム燐酸塩緩衝液で溶出
した。次いでFcεRIからのサブユニットを、HPLCサイズ
クロマトグラフィーで分離し、βおよびγ含有画分を回
収し、還元し、アルキル化しそしてトリプシンで消化し
た〔ジェイ.ピー.キネット等(J.−P.Kinet et al.)
「バイオケミストリー(Biochemistry)」26:4605〜461
0(1987)〕。得られたポリペプチドを、〔ジェイ.ピ
ー.キネット等(J.−P.Kinet et al.)「バイオケミス
トリー(Biochemistry)」26:4605〜4610(1987)〕の
ようにHPLC逆相クロマトグラフィーにより分離した。β
およびγ消化からのクロマトグラムを比較し、そして非
重複γペプチドの配列が分析された〔ジェイ.ピー.キ
ネット等(J.−P.Kinet et al.)「バイオケミストリー
(Biochemistry)」26:4605〜4610(1987)〕。
オリゴヌクレオチドプローブをペプチド3(残基41な
いし47)およびペプチド4(残基54ないし62)の配列に
従って合成した。その配列は、 であった。λgt11ライブラリーをスクリーニングし、サ
ブクローンを精製しそして正クローンを配列するために
用いられる方法は当該技術分野で公知である(J.−P.Ki
net et al,Biochemistry 26:4605〜4610(1987))。ペ
プチド3およびペプチド4はまた、ペプチド合成薬ABI4
31Aを用いても合成された。合成ペプチドの純度は、HPL
C逆相クロマトグラフィー、アミノ酸組成および質量分
析により評価された。ペプチドは、m−マレイミドベン
ゾイル−N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル(F.−
T.Liu et al,Biochemistry 18:690-697(1979))を5:1
のモル比で用いてオボアルブミン(ovalbumin)にか、
またはシアノゲンブロミドでセファロース4Bに結合され
た。ウサギをオボアルブミン結合ペプチドで免疫化し、
抗血清を集め、その抗ペプチド抗体をセファロース4B結
合ペプチドを用いるアフィニティクロマトグラフィーに
より精製した。抗ペプチド抗体を、ウェスタン・ブロッ
ティング法によりFcεRIのγサブユニットとの反応性に
ついて、およびそれらの免疫沈澱125I-IgE受容体コンプ
レックス成形能について試験した〔ジェイ.リベラ等
(J.Rivera et al.)「モレキュラー イムノロジー(M
ol.Immunol.)」25:647-661(1988)〕。
本発明方法を用いて得られたラットFcεRIのγサブユ
ニットのヌクレオチド配列ならびに予測されるアミノ酸
配列を図1に示す。
実施例3 トランスフェンクションしたCOS7細胞及びRBL細胞によ
るIgEロゼットの生成 αcDNAの810bp EcoRI-Sty I制限断片、βcDNAの965bp
EcoRI-EcoRV制限断片、およびγcDNAの965bp EcoRI Dd
e I制限断片を一時発現ベクター(transient expressio
n vector)pSVL(Pharmacia社,スウェーデン国アップ
サラ)のSma I側に別々にサブクローン化した。これら
の制限断片は、個々に適当なサブユニットの完全コード
化配列と非翻訳配列(untranslated-seqences)の可変
部分を含む。唯一の外来配列はイニシャルリンカー(in
itial linker)に属する出発EcoRI認識配列であった。
次いで、培養したCOS7サル腎細胞を次いで標準燐酸カル
シウム沈澱技術〔エル.デービス等(L.Davis et a
l),「ベーシック メソッヅ イン モレキュラー
バイオロジー(Basic Methods in Molecular Biology/
分子の生物学における基本方法)」エル.デービス(L.
Davis)編、エルセヴィアー(Elsevier)出版,ニュー
ヨーク(1986)〕により、DNA40μgでトランスフェク
ションした。48時間後、トランスフェクションした細胞
(図3のパネルAおよびB)ならびにRBL細胞(図3の
パネルCおよびD)を、IgE結合の表面発現(surface e
xpression)について、IgEロゼット分析により試験し
た。細胞(5×10-6細胞/ml)を室温で、非特異ラットI
gE 50μg/mlと共に(パネルBおよびD)かまたは無し
に(パネルAおよびC)30分間、次いで抗−DNP-IgE 5
μg/mlと共に培養する〔エフ.ティ.ルイ等(F.−T.Lu
i et al.),〔ジャーナル オブ イムノロジー(J.Im
munol.)124:2728-2736(1980)〕。次いで該細胞を、
公知方法〔エム.リッテンベルグ等(M.Rittenberg et
al)「Peoc.Soc.Exp.Biol.Med」132:572-581(1969)〕
により2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸で変質さ
せた雄牛赤血細胞でロゼッティングした。結果を図3に
示す。
本発明はある特別の具体例に関して記載されているけ
れども、本発明の精神を逸脱すること無く多くの改良お
よび変更が当該技術分野の専門化によりなされ得ること
は明らかである。従って、本発明の真の精神および範囲
内に含まれる全てのそのような改良および変更をカバー
することが従属クレームにより意図されている。
ヒトFcεRIのαサブユニットに相当するポリペプチド
についてコードされたDNA配列を図5に示す。このDNA
は、当該技術分野の専門化によく知られている方法に従
い、対応ラットFcεRI DNAでヒトの末梢血液白血球cDNA
ライブラリーを調べることにより説明される。ハイブリ
ッド化により得られたcDNAは次いで標準的技術を用いて
サブクローン化した。これらのcDNAインサートは制限酵
素分析により図化され、そして更にサブクローン化され
配列が分析された。結果は、ヒトFcεRI αサブユニッ
トについてコード化された約1,200塩基のDNA配列であっ
た。
最近の組換えDNA操作の適用において、特定のDNA配列
は適当なDNAビヒクルまたはベクターに挿入され、宿主
細胞中で複製できる組換えDNAを生成する。プラスミド
と呼ばれる環状二重鎖DNA分子はしばしばベクターとし
て使用され、そしてそのような組換えDNA形態の調製に
はDNAを特定の塩基配列部位で分断する制限エンドヌク
レアーゼ酵素の使用を伴う。プラスミド中でおよび挿入
されるべき外来DNA断片中で制限酵素により一度切断さ
れると、2種のDNA分子は、リガーゼとして知られてい
る酵素により共有結合的に結合されるかもしれない。そ
のような組換えDNA分子の一般的な製造法は、コーエン
等(Cohen et al.)の米国特許第4,237,224号、コリン
ズ等(Collins et al.)の米国特許4,304,863号および
マニアティス(Maniatis et al.)の「モレキュラー
クローニング:ア ラボラトリー マニュアル(Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manual)」1982年,コール
ド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Sprin
g Harbor Laboratory)に記載されている。それは現技
術水準の多くを示しているので、これらの文献は本明細
書に参照文献として組み入れられる。
一度調整された組換えDNA分子は、多くの条件がそろ
った場合のみ、挿入された遺伝子配列により特定された
生成物を産生する。真っ先に要求されることは、組換え
分子が宿主細胞に適合し、従って宿主細胞中で自発的な
複製ができることである。ごく最近の操作で宿主有機体
として大腸菌(E.Coli.)が使用されているのは、それ
が広範な組換えプラスミドと適合するからである。使用
されるベクター/宿主細胞系に依存して組換えDNA分子
は、形質転換、形質導入またはトランスフェクションに
より宿主中に導入される。
宿主細胞中の組換えプラスミドの存在の検知は、プラ
スミドマーカー活性、例えば抗生物質耐性の使用を通じ
て都合良く行われる。このようにアンピシリン(ampici
llin)分解酵素の産生についてコード化されているプラ
スミドを持つ宿主は、アンピシリン含有培地中で宿主を
発育させることによって変化しない細胞から選択するこ
とができる。他の利点は、抗生物質耐生マーカーから得
ることができ、そこではプラスミドが第二の抗生物質分
解活性をコード化しており、その部位では選択された制
限エンドヌクレアーゼがそれをカットし外来遺伝子配列
が挿入されている。それで、適当な組換えプラスミドを
含有する宿主細胞は、次いで第一の抗生物質には耐性で
あるが第二番目には感受性であることにより特徴づけら
れる。
宿主細胞中への組換えプラスミドの単なる挿入、およ
び改良された宿主の単離はそれ自体、有意義な量の望む
遺伝子生成物が産生されることを明確にしない。この事
が起こるために、外来遺伝子配列が、プロモーターと呼
ばれるDNA転写用プラスミド中の単一領域に適当な関係
で融合されていなければならない。代わりに、外来DNA
が、宿主に認識されるほどの長さのそれ自身のプロモー
ターを持ってよい。その起源がどうであれ、そのプロモ
ーターは、RNAポリメラーゼの結合を指向し、それ故にD
NAのメッセンジャーRNA(mRNA)への転写を“促進”す
るDNA配列である。
多量のmRNAを提供できる強い促進が与えられると、最
終的に望む遺伝子生成物の産生は、mRNAから蛋白質への
翻訳の有効性に依存するであろう。これは、他方では、
mRNAへのリボゾームの結合の有効性に依存する。大腸菌
(E.Coli.)において、mRNA上のリボゾーム−結合部位
は開始コドン(AUG)と上流側シン−ダルガルノ(Shine
-Dalgarno)(SD)配列を含む。3〜9のヌクレオチド
とAUGコドンから配置された3〜11のヌクレオチドを含
むこの配列は、大腸菌(E.Coli.)16SリボゾームのRNA
(rRNA)の3′末端に相補的である〔シンおよびダルガ
ルノ(Shine and Dalgarno),「ネイチャー(Natur
e)」254:34(1975)〕。明らかに、mRNAへのリボソー
ムの結合は、mRNA中のSD配列と16SrRNA3′−末端での配
列との間に塩基対を作ることにより容易化される。遺伝
子発現を最高にする観点では、ロバーツおよびラウエル
(Roberts and Lauer)の「メソッド イン エンズィ
モロジー(Method in Enzymology)」第68巻:第473頁
(1979)を参照。
現在までの組換えDNA分野における操作の多くは、大
腸菌(E.Coli.)のようなバクテリア発現系の使用に焦
点が当てられている。しかし、バクテリア細胞の使用は
多くの望ましくない面を有する。例えば大腸菌中で産生
される多くの蛋白質およびポリペプチドは細胞周辺腔中
に蓄積する。かくして、これらの遺伝子生成物の回収
は、細胞の粉砕を必要とし、その操作は、望む生成物が
多くの他の大腸菌(E.Coli.)の細胞成分から精製され
なければならないので、役に立たずに重大な精製問題を
導く。またバクテリアは、多くの興味ある遺伝子生成物
の合成を終了させるのに必要なグリコシル化を行うこ
と、または多くの真核蛋白質の適当な形態と生物学的活
性に必須の特定ジスルフィド結合を生じることができな
い。
バクテリア発現系におけるこれらの欠点を克服するた
めに、遺伝子技術者の注目は、望ましいポリペプチドお
よび蛋白質を作るだけでなく、そのうえ遺伝子発現のコ
ントロールを研究すべく、組換えDNA用の真核宿主細胞
にだんだんと注がれている。酵母および哺乳動物細胞の
ような細胞は、望むの遺伝子生成物を培地中に分泌する
ことができ、また実質的なグリコシル化プロセスを行う
ことができる。しかし、組換えDNAクローン化および発
現のための哺乳動物細胞の使用はまた、克服されなけれ
ばならない技術的障害の主役を勤める。例えばバクテリ
アにおいて相当有用であることが証明されている内因性
プラスミドは、より高度な真核細胞により複製されなけ
ればならない。
一つのアプローチは、より低級の真核酵母Saccharomy
ces cerevisiaeを使用することであり、それは大腸菌
(E.Coli.)と同じように育成し、巧みに扱うことがで
きる。酵母クローニング系は市販されており、そのよう
な系の使用を通じて酵母でのヒトインターフェロン遺伝
子の効果ある発現が達成された〔ハイツェマン等(Hitz
eman et al.),「ネイチャー(Nature)(London)」2
93:713(1981)〕。インターフェロン遺伝子はイントロ
ンを含まないが、酵母細胞は、イントロンを含まない少
なくとも1つの異種哺乳動物遺伝子にてウサギβ−グロ
ブリン遺伝子を正確に転写しないことが見出された〔ベ
ッグス等(Beggs et al.),「ネイチャー(Nature)
(London)」283:835(1980)〕。
他のアプローチにおいて、外来遺伝子は哺乳動物細胞
中に直接摂取手段により挿入される。これはクローン化
遺伝子の燐酸カルシウム共−沈澱によりなし遂げられ、
その操作では一般的に約1〜2%の細胞がDNAを取り込
むように誘導される。しかしながら、そのような低レベ
ルの摂取は、非常に低い発現レベルの所望遺伝子生成物
しか産生しない。チミジンキナーゼ遺伝子を欠く哺乳動
物細胞(tk-細胞)が見出される場合、共−形質転換(c
o-transformetion)により、より良好な結果を得ること
ができる。選択的HAT(hypoxanthine-aminopterin−thy
midine)培地中で発育できるTk-細胞は、tk遺伝子を含
む内因性DNA(例えば単純ヘルペスウィルスのDNA)を取
り込むことにより、燐酸カルシウム共−沈澱を通じてこ
の失われた酵素活性を回復することができる。tkDNAに
共有結合的に結紮された、或はそれと単に混合された他
のDNAもまた細胞により取り込まれ、しばしば共−発現
されるであろう〔スキャンゴス等(Scangos et al.)
「ジーン(Gene)」14:1(1981)〕。
第三のアプローチにおいて、哺乳動物細胞中に他の遺
伝子を導入するためのベクターとしてウィルスゲノムが
使用されてきており、そしてシミアンウィルス40(Simi
an virus 40)、乳頭腫ウィルスおよびアデノウィルス
ゲノムに基づく系が記載されている〔ピー.ダブリュ.
ジェイ.リグビー(P.W.J.Rigby),“ウィルスレプリ
カントから誘導されたベクター系を用いる真核細胞中で
のクローン化遺伝子の発現(Expression of Cloned Gen
es in Eukaryotic Cells Using Vector Systems Derive
d from Viral Replicants)”「ジェネティック エン
ジニアリング(Genetic Engineering)」第3巻中;ア
ール.ウィリアムソン(R.Willianson)編,アカデミッ
ク プレス(Academic Press),ニューヨーク,pp.83〜
141(1982)、レビューとして、参照〕。しかしなが
ら、これらの系は限定された宿主細胞範囲の欠点で悩ま
される。更にこれらの系でのウィルスの複製は宿主細胞
を死へと導く。レトロウィルスDNA制御エレメントの使
用は、これらのウィルスベクターの欠点の多くを避け
る。
ゴーマン等(Gorman et al.)〔プロセス ナショナ
ルアカデミー サイエンス ユーエスエー(Proc.Natl.
Acad.Sci.USA.)79:6777(1982)〕は、例えばロウス肉
腫ウィルス(Rous sarcoma virus)長末端リピート(LT
R)が、CV-1サル腎細胞、ニワトリ胚フィブロブラス
ト、中国ハムスター卵巣細胞、ヒーラ細胞およびマウス
NIH/3T3細胞を含めた種々の細胞中に、DNA媒介トランス
フェクションによって導入され得る強いプロモーターで
あることを発表している。
本発明はまた、ヒトFcεRIのαサブユニットに相当す
るアミノ酸配列のポリペプチドを含む。
ヒトFcεRIα鎖用の組換えcDNAクローンは、多量のα
鎖ポリペプチドの合成を図る目的でこれらのコード化用
配列を適当な真核発現ベクター中に導入するために使用
された。α−サブユニットにとって真核細胞上に発現さ
れるためにはその遺伝子がβもしくはγの、または他の
サブユニットのそれと複合化されることが必要であろ
う。分泌形の発現にとってはこれは不必要かもしれな
い。適当な真核発現ベクターの全て、例えば上記に示さ
れているものが使用され得る。真核細胞中のヒトFcεRI
αのタンパク質の発現は,それがヒトFcεRIに相当する
成熟IgE結合性タンパク質を合成する結果となろう。発
現ベクターは次いで標準的技術により適当な真核細胞中
に導入され得る。蛋白質の合成は、これら細胞にヒトIg
EまたはラットIgEが結合する能力を証明することにより
モニターされる。
ヒトFcεRIαポリペプチドはまた、公知方法により原
核細胞中に発現され得る。ヒトFcεRIα鎖用の組換えcD
NAクローンは、α鎖から誘導されるポリペプチドと結合
しているIgEが多量に合成されることを目指して、適当
な原核発現ベクター中に導入される。この発現ベクター
は次いで適当は宿主中に形質転換されてよく、次いでヒ
トIgEに結合できる蛋白質の発現がモニターされる。
ヒトFcεRIα鎖の完全なまたは部分的なアミノ酸配列
に相当するペプチドはまた、例えばメリフィールド(Me
rrifield),「ジャーナル オブ アメリカン ケミカ
ル ソサイエティ(Journal of the American Chemical
Society)」85,2149(1963)に一般的に記載されてい
る固相合成(solid phase synthesis)手段により合成
され得る。この方法で合成されたペプチドは完全なαサ
ブユニットであってよく、または、より小さなαサブユ
ニットの活性部分に相当する断片であってもよい。
本発明によるDNA配列およびポリペプチドは多くの用
途を示し、限定されないが次の用途を含む: 1.アレルギー応答を防ぐための拮抗質として、または薬
物スクリーニング分析における試薬としてポリペプチド
またはその断片を使用すること. 2.療法としてポリペプチドを使用すること. 3.患者のIgEレベルをモニターするためにポリペプチド
を使用すること. 4.上記目的のために使用されるであろうポリペプチドを
合成するためにDNA配列を使用すること. 5.診断上の分析に有用なDNAプローブを作るcDNA配列を
合成するためにDNA配列を使用すること。
本発明は以下の実施例と関連して更に詳述されるが、
それらは例示の目的でのみ示されている。
実施例1.ヒトFcεRI アルファ cDNAクローンの分離: RNAは、チルグウィン(Chirgwin)等,バイオケミス
トリー(Biochemistry):18,5294(1979)のグアニジニ
ウムイソチオシアネート手法によって、キシ(Kish
i),ロイケミア リサーチ(Leukemia Reserch):9,31
8(1985)に記載されたKU812細胞から抽出され、そして
ポリA+RNAはアヴィヴ(Aviv)等,P.N.A.S. U.S.A.,6
9,1408(1972)の方法に従って、オリゴーdTクロマトグ
ラフィーによって分離される。
cDNA合成はキネット(Kinet)等,バイオケミストリ
(Biochemistry):26,2569(1987)に既に記載された
ように行われる。得られたcDNA分子はEcoRIリンカー(l
inkers)に連結され、制限酵素EcoRIで切断され、大き
さを分別され、そしてヤング(Young)等,サイエンス
(Science):222,778(1983)で述べられたようなλgtl
l EcoRIアーム(arms)に連結される。
λgtllDNAを含んだcDNA挿入は、バクテリオファージ
ラムダ 粒子中にパッケージされ、Y1090上で増幅さ
れる。全量1.2x106の独立cDNAクローンが得られる。cDN
Aライブラリーは150mm2のプレート(プレートあたり1
05)のY1090上に培養され、ニトロセルロース製のフィ
ルターに転写される。cDNAライブラリーフィルターはコ
ーチャン(Kochan)等,セル(Cell):44,689(1986)
に於けるが如くニックトランスレート(nick translate
d)されたcDNAフラグメントを使用して、インサイチュ
ーハイブリダイゼーション(in situ hybridization)
によってスクリーニングされる。cDNAフラグメントは、
ヌクレオチド119-781に相当するラットFcεRI アルフ
ァ cDNAから得られる。正のプラクは同定され、精製さ
れ、そしてcDNA挿入は、標準手法を使用して、pGEMベク
ター〔プロメガ バイオテク (Promega Biotech),
マジソン(Madison),ウィスコンシン(Wisconsin)〕
中にサブグローンされる。cDNA挿入は、制限酵素分析に
よってマップされ、pGEM誘導体中にサブクローンされ、
そしてプロメガ バイオテク(マジソン,ウィスコンシ
ン)のGemSeq二重ストランド(strands)DNA配列システ
ムプロトコールに従って、サンガー(Sanger)等,P.N.
A.S.:74,5463(1977)のジデオキシヌクレオチド法を使
用して配列される。
DNAシークエンスはcDNAクローンpLJ663(ヌクレオチ
ド1-1151)の両ストランド、およびクローンpLJ587(ヌ
クレオチド658-1198)の各末端の300bpを同定する。2
つのcDNAクローン間のDNAシークエンスの矛盾は観察さ
れなかった。
ヒトFcεRI アルファ cDNAのシークエンスは第5図
に示されている。ヒトFcεRI アルファポリペプチドに
対して予測されるアミノ酸配列はヌクレオチド配列の下
に示されており、ヌクレオチド107-109でメチオニンか
ら始まり、ヌクレオチド875-877でアスパラギン酸で終
わる。
予測される十分に発達してN末端の部位は、ヘイジン
(Heijne),ヨーロ ジャーナル オブ バイオケム
(Eur Journal of Biochem):133,17及び核酸研究(Nuc
leic Acid Research):14,4683(1986)に述べられた規
則に従って、ヌクレオチド182-184でバリンがあること
を同定する。
これは25アミノ酸シグナル ペプチドを予測する。cD
NAシークエンスの断片は、ヒトFcεRI アルファ鎖が17
9−残基の細胞外部分(アミノ酸残基26-204)と2個の
相同性ドメイン(14から25残部は同一である;残部80-1
04および163-190)、20−残基のトランスメンブレイン
セグメント(残基205-224)及び8塩基性アミノ酸を含
む33残基の細胞質ドメインを含むこと示す。
全体的にみて、ヒトとラットFcεRI アルファシーク
エンスの間に49%の同一性、そしてヒトFcεRI アルフ
ァとマウスFcGR アルファの間に37%の同一性がある
(第6図)。
相同性のもっとも高いレベルは、一般のアスパラギン
酸残基を取り囲む9個のアミノ酸が同一であるトランス
メンブレイン部分の範囲内である。
実施例2.真核生物細胞におけるヒトFcεRI アルファの
完全な及び可溶性形態の発現 ヒトFcεRI アルファ鎖のための組み換えcDNAを使用
して、これらのコードしているシークエンスを、アルフ
ァ鎖の完全な及び可溶性形態の両方を大量に合成するこ
とを指示するため、適当な真核生物発現ベクターに導入
することができる。
表面の発現のためには、アルファサブユニットをベー
タまたはガンマ サブユニットと複合化する必要がある
だろう。これに対して、アルファサブユニットの分泌さ
れた形態の真核生物発現のためには、これは必要としな
いであろう。この目的のための適当なベクターは、クレ
ン(Cullen),(1987)、酵素学における方法(Method
s in Enzymology)152,アカデミックプレス(Academic
Press),684で既に記載されているpBC12BIである。
完全なアルファ鎖をコードする発現ベクターの組み立
ては、以下のように単離されうる(第7図):独特なBg
III-SspIフラグメント(ヌクレオチド65-898)はpLJ663
から単離され、BgIII末端はDNAポリメラーゼ Iクレノ
ー断片で充填され、そしてHindIII-BamHIまたはHindIII
-SamIのどちらか(末端はDNAポリメラーゼ Iクレノー
断片で充填されることによって平坦になる)で制限され
たpBC12BIに連結される。
2つの異なる構造を試みる理由は、前者が3'イントロ
ンを含むのに対して、後者は含まないからである。イン
トロンの存在または不存在は、これらのベクターによっ
てトランスフェクションされた細胞中で合成されたアル
ファタンパク質のレベルに影響するかもしれない。
アルファ鎖の可溶性形態をコードする発現ベクターの
組み立ては、上記の発現ベクターのアルファ鎖中(pHA
I,pHAII,第7図)、コード領域のヌクレオチド719-721
で末端コドンを導入することによってなし遂げられる。
これはヒトアルファ鎖の分泌可溶性形態の合成で得ら
れた推定されたトランスメンブラン、および細胞質領域
を除くだろう。末端コドンの導入は、モリナガ(Morina
ga)等,バイオ テク(Bio.Tech.):2,636(1984)に
概説されたようにオリゴヌクレオチドに指示された部位
での特殊な突然変異誘発によってなし遂げられる。
オリゴヌクレオチドのシークエンスは5'AAGTASTGGCTA
TGATTTTTTATCCCATTG3'であろう。得られた発現ベクター
はpHASI及びpHASII(第7図)であり、これらはアミノ
酸1-204に相当する先端を切ったアルファタンパク質の
合成を指示するであろう。
真核生物細胞におけるこのプロテインの発現は、十分
に発達した、アミノ酸残基26-204を包含するIgE結合部
分の合成に於いて得られるであろう。
その後、発現ベクターは、CHOまたはCOSのような適当
な真核生物細胞にクレン(Cullen),(1987)、酵素学
における方法(Methods in Enzymology)152,アカデミ
ックプレス(Academic Press),ニューヨーク,684で記
載された標準手法によって、G418またはメソトレキサー
ト耐性のような選択マーカーの存在下で、導入される。
メソトレキサート耐性の選択マーカーが付加された利
点を持つため、発現のレベルは、より高いレベルの薬物
に細胞を導入することによって増幅される。
タンパク質の合成は、これらの細胞(完全なアルファ
鎖の場合)に結合するために、またはアルファ鎖の可溶
性形態に場合にこれらの細胞から分泌されたタンパク質
がベータが存在してもしなくてもIgEと結合する能力を
持つことを証明するために、ヒトIgE(またはラットIg
E)の能力を表示することによってモニターされる。
実施例3.原核生物細胞におけるヒトFcεRI アルファの
可溶性形態の発現 ヒトFcεRI アルファ鎖のための組み換えcDNAクロー
ンを使用して、これらのコードしているシークエンス
を、アルファ鎖から誘導された可溶性(非膜結合)IgE
結合ポリペプチドの大量合成を指示するため、適当な原
核生物発現ベクターに導入することができる。
この目的のための適当なベクターは、クロール(Crow
l)等,ジーン(Gene):38,31(1985)に記載されたpEV
-1である。
可溶性アルファ鎖をコードする発現ベクターの構成
は、第8図に示されているように単離することができ
る:独特なMstII-SspIフラグメント(ヌクレオチド195-
898)はpLJ663から単離され、MstII末端はDNAポリメラ
ーゼ Iクレノー残基で充填され、そしてEcoRIで制限
されたPEV-1に結合し、末端はクレノー(第8図、pEV
A)で充填される。
十分に発達したアルファ鎖のN末端は、オリゴヌクレ
オチドに指示された位置での特殊な突然変異誘発によっ
て再構成される。
オリゴヌクレオチドのシークエンスは5'GAATTAATATGG
TCCCTCAGAAACCTAAGGTCTCCTG3'である。発現ベクターpEV
Aへのこのシークエンスの導入は、EV-1ベクターのメチ
オニン残基をアミノ酸残基27-204(pEVHA,第8図)によ
って引続くバリーン−26(アルファ鎖の予測される十分
に発達したN末端)の隣に位置させる。
可溶性の形態のFcERIアルファの再構成は、オリゴヌ
クレオチドに部位を指示された突然変異誘発によってな
し遂げられる。オリゴヌクレオチドのシークエンスは、
5'−AAGTACTGGCTATGATTTTTTATCCCATTG-3'であろう。
発現ベクターへのこのシークエンスの導入は、トラン
スメンブラン領域の開始ちょうど前にポリペプチドの合
成を終わらせる。発現ベクターpEVHASによって符号化さ
れたタンパク質は、アミノ酸残基26-204に相当するアル
ファ鎖の可溶性形態の合成を正確に指示するべきであ
る。
その後、発現ベクターは適当な宿主に形質転換され
る。
本発明は好ましい具体例に関連して記載されるが、本
発明の範囲を特に述べられた形態に、制限するものでは
ないが、これに反して、記載されたクレームによって定
義されているように本発明の意図および範囲内に含まれ
るような代替物、変成物、および等価物(equivalent
s)は包含される。
物質及び方法 ペプチドの単離及び配列分析 ポリアクリルアミドゲルから電気溶出したβサブユニ
ットは、(9)で記載した如く製造した。トリプシン含
有ペプチドは、高圧液体クロマトグラフィーにより分離
し、次いで前の(3)の如く配列を分析した。
cDNAのクローニング及び配列分析 グアニジニウムイソシアネート法(10)によりラット
の好塩基球白血病(RBL)細胞から抽出したRNAは、オ
リゴ(dT)−セルロースカラム(11)上で分画し、次い
でpuc-9及びAgt11ライブラリー(11,12)を構成するた
めに使用した。 略語RBL,ラットの好塩基球白血病。
本文中に記載した配列分析法は、EMBL中に記載されて
いる方法である。ジェンバンク データ ベース アン
タイン ジェネシス(GenBank data base Untein Genes
is),マウンテン ビュー(Mountain View),CA,及びE
ur.Mol.Biol.Lab.,ハイダイベルク アセッション(Hei
deiberg Accession)No.1038-39。
コロニーは、モデル380A自動DNA合成装置〔アプライ
ド バイオシステムズ(Applied Biosystems,フォスタ
ー シティー(Foster City),CA〕により製造したオリ
ゴヌクレオチドを使用して前の(3)の如くスクーリー
ニングした。cDNA挿入体をpGEM-4又はpGEM-3Zにサブク
ローン化し、次いでその結果得られた二重螺旋DNAを提
供者〔プロメガ バイオテク マディソン(Promega Bi
otec.Madison)〕により推薦された方法に従って、Gems
eq/RT配列分析系を用いて配列分析した。この方法によ
り予め配列分析された領域に相当する20-merのオリゴヌ
クレオチドを、入手困難な他の重複配列を生じさせるた
めのプライマーとして使用した。幾つかの例において、
DNA配列分析は供給者〔ユナイテッド ステイツ バイ
オケミカル(United States Biochemical),クリーブ
ランド(Cleveland)〕により推薦された如き配列分析
法を使用して行った。
試験管内転写及び翻訳において、βサブユニット及び
その種々の突然変異又は截形形態をpGEM-4又はpGEM-3Z
転写ベクター(プロメガ バイオテク)の何れかにサブ
クローン化した。未標識化RNAsは、供給者により推薦さ
れた如きSP6又はT7ポリメラーゼの何れかを使用して合
成した。キャップ形成反応は(13)で報告したように行
った。RNアーゼを含まないDNアーゼIを用いた鋳型の消
化後、RNAをフェノール/クロロフォルムを用いて抽出
し次いでエタノールから3回沈澱させることにより更に
精製した。次いで、このRNAを供給者(プロメガ バイ
オテク)により推薦されたように、[35S]メチオニン
の存在下でラビット網状赤血球の微生物製ヌクレアーゼ
処理分離体を用いて翻訳した。翻訳生成物を、洗剤{3
−〔3−(コラミドプロピル)ジメチルサム−モニオ〕
−I−プロパンスルフォネート20mMを用いて希釈した;
ボレート−緩衝化塩類(pH8)中には、ml当たりアプロ
チニン30μl、ml当たりフェニルメチル−スルフォニル
フルオリド175μg、ml当たりロイペプチン10μg、及
びml当たりペプスタチン5ugが含まれ、そして(14)に
おいて記載したようなモノクローナル抗体を用いて免疫
沈澱化される。
レセプターの内部標識化 標識化アミノ酸及びモノサッカライドの生物合成的結
合は、(15)において記載した。ゲル上での精製及び分
析並びにIgE−レセプター複合体のイムノブロッティン
グに関しては、(14)において記載した。
RNAトランスファーブロッティング 全RNAのうちの30μgを、2%ホルムアルデヒドを含
む1%アガロースゲルに溶解し、次いでニトロセルロー
スフィルター(11)に滲ませた。このフィルターに、
(11)において記載したようにβcDNAの制限フラグメン
ト(ヌクレオチド1-174)を混合し、次いで65℃でクエ
ン酸ナトリウム15mM(NaCl/1.5mM)を用いて洗浄した。
抗体 所望の制限フラグメント(16,17)を含む発現ベクタ
ーを用いて翻訳されたエスチェリチア コリ(Escheric
hia coli)を、培養し且つ誘導させ、次いで組換えタン
パク質のために富化されたフラクションを(17)におい
て記載したように製造した。ナトリウムドデシルサルフ
ェート(NaDodSO4)中のポリアクリルアミドゲルにより
分離後、形質転換−特定プロテインを溶出し、次いでラ
ビットを免疫化するために使用した。プロテイン約100
μgを、完全フロイントアジュバント中で注射した;こ
れに続いて、完全アジュバント中でプロテイン25μgを
付加免疫注射した。モノクローナル抗−β抗体mABβ(J
RK)及びmA(NB)〔後者は、デヴィッド ハロウカ(Da
vid Halowka),コーネル大学(Corneil University)
から提供された遺伝子〕の単離及び特性付けは、(14)
において記載した。
結果 ペプチドの単離 完全なβ鎖を配列分析するための繰り返しの試みは不
成功だったので、我々はトリブシンの消化物からペプチ
ドを単離した。最初の消化物から単離されたペプチド
(No.1)は配列Tyr-Glu-Glu-Leu-His-Val-Tyr-Ser-Pro-
Ile-Tyr-Ser-Ala-Leu-Glu-Asp-Thrを有していた。後の
消化物からの同じペプチドは、NH2末端における付加的
なロイシン及びCOOH末端におけるアルギニンを示した。
3種の他のペプチド(各々相当な収率で単離された)の
配列分析を、続く図中に示す。
cDNAクローンの単離 ペプチド1について得られた初期の配列分析は、32 胞のmRNAから構成されたAGT11ライブラリーは、これら
のオリゴヌクレオチドの1:1混合物を用いてスクリーニ
ングした。6種の正のクローンは、同じ制限パターンを
与える。最も長い挿入体を含むクローンは、図1の上部
に示す手順に従って配列分析した。この配列はヌクレオ
チド46-48及び55-57〔これらは、各々246又は243残基の
ポリペプチドを与えるであろう(図2A)〕における可能
な出発コドンを予言する。分子量約27000の予言された
Mは、ポリアクリルアミドゲル(18)により分析した場
合には、βサブユニットの見掛けの分子量よりもほぼ20
%小さい。更に、枠内に止まっているコドンは出発コド
ンの明らかな上流側ではなかった。真の出発コドンはま
だ別の5′であったという可能性を除外するために、我
々は制限フラグメント(ヌクレオチド7-474)及び合成
オリゴヌクレオチドプローブ(ヌクレオチド3-32)を用
いてcDNAライブラリーを再スクリーニングした。28種の
付加的なクローンを単離し、次いでそれらの制限パター
ンを調べた。20種は元のクローンと同じであった。5′
末端における6種の付加的なヌクレオチド(ヌクレオチ
ド1-6,図2A)のみを同定した。初期の終止が6種のコド
ンにおいて認められ、その他はヌクレオチド375(図2
B)と同一の配列を有していた。1種の2.4-kbクローン
は、アデニンにより置換されたシチジン243を有してい
た。この置換はPstIサイトを廃止し、そしてヌクレオチ
ド470に新規なClaIサイトを創造する。更にこれによ
り、Ala-140はAsp-140になるであろう(図2A)。最後
に、1種のクローンは5′方向に約350の塩基対(bp)
により延長された。図2Aに示す配列分析を用いた結合は
AATAAAACAAAAAAAAAAAAATG(新規に生じたATGの最後の2
種のヌクレオチドは、以前の配列のヌクレオチド8及び
9に相当する)であった。このクローンは2種の独立し
たcDNAの結紮から生じたらしい。puc-9ライブラリーの
スクリーニングは、3種のクローンを明らかにした。し
かしながら、これらの配列はヌクレオチド84を越えて
5′を全く延長しなかった。
RNAトランスファーブロッティング RNAトランスファーブロッティングを、PstIフラグメ
ントプローブ(ヌクレオチドI-474)を使用して高緊縮
下で行った。RBL細胞は、約2.7kb及び1.75kbにおいて二
つの大きなバンド(上部バンドは下部バンドの約2倍の
強度を有している)を与えた。1.2kbにおける小さなバ
ンドも認められた。高親和性IgEレセプターを発現しな
い種々の細胞;ラット下垂体系統GH3〔アメリカン タ
イプ カルチャー コレクション(American Type Cult
ure Collection)No.CCL82.I〕、ラットグリア細胞系統
C6(No.CCL107)、マウスライディッヒ細胞系統1-10(N
o.CCL83)、及びとりわけマウス単球系統J774(No.TIB6
7)及びラットリンパ腫“NTD"(14)を用いて、負の結
果を得た。
試験管内発現 PstIサイトを含むβクローンをT7RNAポリメラーゼを
用いて試験管内で転写し、次いで得られたmRNAを
35S〕メチオニンの存在下でラビット網状赤血球の分
離体を用いて翻訳した。非フラクション化翻訳物質は、
RNAが省略されたか又は互変性RNA〔ブロウム(Brome)
モザイクウイルス〕が置換された(データは示されてい
ない)対照と比較して、M約32000において大きな成分
を示す。NaDodSO4中のポリアクリルアミドゲル上に放射
性物質を沈澱させたモノクローナル抗−β抗体mAbβ(J
RK)及びmAbβ(NB)(14)(図3A,レイン2及び3)…
しかし、不適切な抗体(レイン5)ではない…は、M320
00において大きなバンドを示した。このバンドは、標識
化RBL細胞(レイン1)の抽出物からのmAbβ(JRK)に
より沈澱させられた上部の二重バンドと同一の移動性を
有していた。再現性は良くなかったけれども、オートラ
ジオグラムは試験管内で合成された物質も試験管外で合
成されたβ鎖中に見られた低分子量成分を含んでいたと
いうことを示した。試験管内で合成されたプロテインの
移動度は、以前にβサブユニットを用いて観察された如
く還元により不変であった。ClaIサイトを含むクローン
(これは、最初のATGコドンを欠く)は、ゲル上の移動
度がPstIサイトを含むクローンの移動度と区別できなか
ったプロテインの合成に導く。他方、新規に生じたATG
(上記)を含む変体クローンは、見掛けM33500を有する
幾分か大きなプロテインの合成に導く(データは示され
ていない)。βサブユニットのNH2−末端21アミノ酸の
ための転写コード化の試験管内翻訳は、mAbβ(JRK)に
より沈澱可能な生成物を導く(図3B)。
イー.コリ(E.Coli)発現 2種のHindIフラグメント(A.ヌクレオチド106-98:B.
ヌクレオチド499-787)を、イー.コリ発現ベクター中
に個々にサブクローン化し、次いで抽出物を誘導カルチ
ャーから製造した。一つのイムノブロッティング実験結
果を図3Cに示す。HindIフラグメントBを含むベクター
を用いて形質転換したバクテリアから抽出した物質は、
mAbβ(NB)と反応性であるがしかしmAbβ(JRK)と反
応性ではないM14000の成分を表わす。別のNH2−末端Hin
dIフラグメントAを含む形質転換体からの抽出物は、全
く抗体とは反応しなかった(上記と比較)。フラグメン
トAにより生じたラビット抗体は、イムノブロット上で
2種のモノクローナル抗−β抗体が反応した位置(図3
D,レイン1-3)で、精製されたレセプターと正確に反応
し、次いでRBL細胞の非フラクション化洗剤抽出物から
完全な125I−標識化IgE−レセプター複合体を定量的に
沈澱させる(データは示されていない)。
生物合成的混合 区別できるように標識化された2種の異なるアミノ酸
の生物合成的混合を使用することにより、我々はレセプ
ターのサブユニット中のそれらの比率を決定した(表1,
右部分)。互いに区別可能なアミノ酸4種の比率は、3
種の潜在的グリコシル化サイトを予言するβサブユニッ
トのためのβcDNAから予言された比率と充分に一致した
ので、我々は〔3H〕マンノース及び〔35S〕システイン
を使用する二重標識実験も行った。
+IgE−受容体複合体は識別可能な放射性同位体によ
り標識した二つの前躯体の混合物とともに培養されたRB
L細胞から精製した。サブユニットはポリアクリルアミ
ドゲル上で分離した。ゲルを1-mm細片に区分けし、抽出
し、そしてシンチレーション分光学により放射能につい
て分析測定した。35S/3Hのcpm比は各々α、βおよびγ
サブユニットについて算出した。αサブユニットにおけ
る比は、αサブユニット中の35S−標識残基と3H−標識
残基との知られたモル比に比例している。ここに、βサ
ブユニット(およびγサブユニット)における対応する
比は該サブユニット中の同じ残基の比を予測しうる。
αサブユニット(19)につき報告された炭水化物の相
対的データを基礎としてそしてこれをcDNAから予測され
たこの鎖のためにペプチド分子量に基づき補正して、本
発明者は、αサブユニットは1モル当たり〜20モルのマ
ンノースを含有することを算出した。従って二重標識実
験からβサブユニットにおけるマンノース/システイン
比を決定することができる。その結果は僅かシステイン
0.05モル/モルまたはβサブユニット0.3モル/モルを
示した(表1、右部、欄4)。
検討 βサブユニットについてのcDNAコード 本発明者が単離したcDNAがβサブユニットをコードす
るという十分な証拠がある。(i)cDNAのインビトロ転
写および誘導されたmRNAの翻訳はゲル電気泳動による明
確な分子量が真正なβ鎖のそれと区別できないところの
蛋白質を生成する(第3図)。(ii)cDNAはβ鎖のトリ
プシン消化酵素より単離された4個のペプチドの配列
(第2A図)そして直接分析および生合成組み入れとよく
一致するところの組成(表1)を予測しうる。(iii)
βサブユニット上の個別のエピトープと反応性のある2
種類のモノクローナル抗体(14)はクローン化されたcD
NAから試験管内合成されたタンパク質を沈澱させ(第3A
図)、そしてそれらの一方は大腸菌中に発現されたタン
パク質の断片と反応する(第3B図)。(iv)大腸菌形質
転換細胞により合成されたβサブユニットの断片に対し
て得られたポリクローナル抗体はイムノブロット(第3C
図)上でβ鎖と、そして溶液中のIgE−受容体複合体と
反応する。
開始サイト クローンされたcDNA(no.1)の5'末端でのヌクレオチ
ド配列はそれ自体で読み取り枠の開始点を明瞭に限定す
るものでない。リーダー配列は無くまた仮定開始コドン
に先立つ枠内(in frame)終始コドンも無い。加えて、
該サブユニットはグリコシル化されていないけれども、
cDNAから演繹された分子量(M 27000)は、NaDodSO4
ルにつき観測された分子量(M 32000)より実質的に低
い。したがって、おそらく開始コドンは逸してしまった
と思われる。にもかかわらず、集合データはβサブユニ
ットについて十分なコード配列が回復したという強力な
証拠を提供する。(i)二つの別個の文献のいずれにお
いても、より延長した5'配列を用いてcDNAを表わそうと
した更なる試みは失敗した。(ii)5'延長研究により生
じた主な種は我々のクローンの多くが開始するところの
点にて正確に終結した。(iii)5'末端での第二ATGコド
ンは公知の開始サイト(20)の常識的特性と合致する。
近くの5'ATGコドンにより先立たれることは異常である
が、稀でなく(20)、そしてヒトαサブユニットについ
て観察されている(4、5)。(iv)既に述べたよう
に、第二ATGコドンのみを含むcDNAから転写されたmRNA
のインビトロ翻訳は、真正なβ鎖から長さにつき区別で
きないポリペプチドを与える。仮定開始コドンに対する
開始コドン48ヌクレオチド5'を含む変態クローンは、β
サブユニットの分子量よりも適当に大きい明確な分子量
を持ったポリペプチドのインビトロ合成を指図した(結
果)。従って、真正な鎖とクローン1からインビトロ合
成された蛋白質との間の明確な分子量の一致は意義ある
ものである。RAN転移ブロットデータは、〜2.7kbのmRN
A、正確には本発明者が配列決定(第2図)したcDNAか
ら予想されたもので、200ヌクレオチドのポリ(A)
テールを与えるものを示す。以降の検討において本発明
者は、β鎖は第二ATGによりコード化されたメチオニン
残基から始まり、そして、従って、243残基の長さを有
することを前提とする。
βサブユニットの別の形態 分析された37個のクローンの中で、Cla I制限サイト
を含む単クローンが唯一個のみ観察された。このクロー
ンはおそらくはクローニングの間に単塩基突然変異から
生じたものであって正常に発生するmRNAを表現しそうも
ない。逆に、欠失配列(第2図B)を示す6個のクロー
ンが観察されそしておそらくはmRNAの真正な種を反映し
たものであろう。翻訳する場合、単トランスメンブラン
セグメントのみを持つMr 14000蛋白質につきコードする
であろう。
配列特性 βサブユニットの配列はN−結合グルコシル化のため
の潜在的サイトを残基5.151と154に含む。しかし、過去
および新規の組み入れデータはβサブユニット中の炭水
化物について確証を与えない(文献15および18、並びに
表1)。該配列は、以前に報告された配列に対して、特
にFc受容体またはFc結合因子と関連した配列に対して、
異常な特徴と相同を何等示さない。
トポロジカル考察 水透過性分析は、βサブユニットが原形質膜を4回交
差することを暗に示している(第4図)。従って親水性
のNH4およびCOOH末端は膜の同じ側にあるであろう。βc
DNAのフラグメントの表現はmAbβ−(NB)がアミノ酸残
基149-243(第3C図)内で反応することそしてmAbβ(JR
K)が残基1-21(第3B図)を含むフラグメントと反応す
ることを示している。いずれの抗体もそっくりそのまま
の細胞と目にみえるほどに反応しないが両者は音波処理
細胞と反応するので、組み合わせた結果は、原形質膜の
細胞質側において研究されたNH4末端およびCOOH末端と
一致する。
初期の研究は、β鎖は膜が結合する(13)と同時にタ
ンパク質加水分解に抵抗するM 20000β1領域を含むと
提言していた。またこの部分は内部二層標識試薬(18、
22)により改質されそして化学架橋試薬を使用した場合
(18)αおよび/またはyサブユニットに結合しかつ同
時にジスルフィド結合がβサブユニットとy2サブユニッ
トの間で起きた場合(23)yサブユニットに結合するよ
うになるところの該残基を含むものであった。残りのも
の、β、はその場で(24、25)ホスホリル化するが決し
て分離したフラグメントとして陽性に同定されないとこ
ろのセリン残基を含むと思われた。サブユニットについ
てcDNAにより予測された配列は、NH2−末端59残基また
はCOOH−末端44残基のいずれか、あるいは両方の一部ま
たは全体が開裂してβ1フラグメントを生じることを暗
に示していた。
コトランスフェクション実験 一時的発現のためのベクターを使用することによりα
およびβサブユニットの全体の長さのコード配列を共ト
ランスフェクションした。これまで、IgE結合部位はト
ランスフェクションされた細胞の表面に発現されなかっ
た。おそらく、全てのサブユニットが受容体の表面発現
を行うために必要であろう。
他の細胞におけるサブユニット? マクロファージ上のIgEについて低アフィニティを持
った受容体のβ研究は、IgE−結合部分と化学的に架橋
できそして高アフィニティ受容体のβサブユニット(2
6)と同様の明確な分子量を有するところの成分を明ら
かに示した。この成分からプロテアーゼ消化により生じ
たペプチドはβサブユニットから放出されたものと明ら
かに異なるが、他のFc受容体もまたこれまで検出を逃れ
てきた(文献14も参照せよ。)ところのβ様サブユニッ
トを含むものであるという可能性が起きてきた。これま
で、我々はこれにつき高い厳密度で行われたRNA転移ブ
ロット実験からの確証を持っていなかった。特に、J774
細胞は、その免疫グロブリン−結合鎖がIgEについての
高アフィニティ受容体のα鎖(3)と相当な相同を示す
ところのFc受容体を含むことが知られている。しかし、
本発明者は、用いた方法によりβ鎖についてmRNAを検出
することができなかった。同様に、NTDリンパ細胞は、
それらがFc受容体を有しかつイムノブロット上のmAbβ
(JRK)(14)と反応する低分子量の成分を示すけれど
も、負の結果を与えた。勿論我々は、Fc受容体がβ様サ
ブユニットを有することを除外することができない。
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Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)、(b)または(c)から選択
    される単離されたDNA断片: (a)以下のヌクレオチド配列: ATG ATC CCA GCG GTG ATC TTG TTC TTG CTC CTT TTG GTG GAA GAA GCA GCT GCC CTA GGA GAG CCG CAG CTC TGC TAT ATC CTG GAT GCC ATC CTG TTT TTG TAT GGT ATT GTC CTT ACC CTG CTC TAC TGT CGA CTC AAG ATC CAG GTC CGA AAG GCA GAC ATA GCC AGC CGT GAG AAA TCA GAT GCT GTC TAC ACG GGC CTG AAC ACC CGG AAC CAG GAG ACA TAT GAG ACT CTG AAA CAT GAG AAA CCA CCC CAA TAG を有する単離されたDNA断片、 (b)上記(a)のDNA断片と厳密な条件下でハイブリ
    ッド形成し得、かつFcεRI受容体のαおよびβサブユニ
    ットのタンパク質複合体で存在する場合にIgEを結合し
    得るポリペプチドをコードするヌクレオチドの塩基配列
    からなる単離されたDNA断片、または (c)上記(a)または(b)の単離されたDNA断片と
    縮重の関係にある単離されたDNA断片。
  2. 【請求項2】FcεRI受容体のγサブユニット二量体の鎖
    またはFcεRI受容体のαおよびβサブユニットとのタン
    パク質複合体で存在する場合にIgEを結合し得る前記ア
    ミノ酸配列の断片の鎖に該当するアミノ酸配列を持つポ
    リペプチドをコードし、以下のヌクレオチド配列: ATG ATC CCA GCG GTG ATC TTG TTC TTG CTC CTT TTG GTG GAA GAA GCA GCT GCC CTA GGA GAG CCG CAG CTC TGC TAT ATC CTG GAT GCC ATC CTG TTT TTG TAT GGT ATT GTC CTT ACC CTG CTC TAC TGT CGA CTC AAG ATC CAG GTC CGA AAG GCA GAC ATA GCC AGC CGT GAG AAA TCA GAT GCT GTC TAC ACG GGC CTG AAC ACC CGG AAC CAG GAG ACA TAT GAG ACT CTG AAA CAT GAG AAA CCA CCC CAA TAG を有する核酸の単離されたDNA断片。
  3. 【請求項3】以下のヌクレオチド配列: ATG ATC CCA GCG GTG ATC TTG TTC TTG CTC CTT TTG GTG GAA GAA GCA GCT GCC CTA GGA GAG CCG CAG CTC TGC TAT ATC CTG GAT GCC ATC CTG TTT TTG TAT GGT ATT GTC CTT ACC CTG CTC TAC TGT CGA CTC AAG ATC CAG GTC CGA AAG GCA GAC ATA GCC AGC CGT GAG AAA TCA GAT GCT GTC TAC ACG GGC CTG AAC ACC CGG AAC CAG GAG ACA TAT GAG ACT CTG AAA CAT GAG AAA CCA CCC CAA TAG を有する単離されたDNA断片またはその相補体と厳密な
    条件下でハイブリッド形成し得、かつFcεRI受容体のα
    およびβサブユニットとのタンパク質複合体で存在する
    場合にIgEを結合し得るポリペプチドをコードする単離
    されたDNA断片。
  4. 【請求項4】前記単離されたDNA断片が成熟γサブユニ
    ットタンパク質の鎖に該当する一次および二次構造を有
    するポリペプチドをコード化する請求項1記載の単離さ
    れたDNA断片。
  5. 【請求項5】前記単離されたDNA断片が以下のアミノ酸
    配列: LGEPQLCYILDAILFLYGIVLTLLYCRLKIQVRKADIASREKSDAVYTGL
    NTRNQETYETLK からなるポリペプチドまたは上記アミノ酸配列の二次構
    造を有するポリペプチドをコード化する請求項1記載の
    単離されたDNA断片。
  6. 【請求項6】前記配列がFcεRIのγサブユニット二量体
    の鎖の細胞質ドメインに該当するアミノ酸配列と同じ二
    次構造を持つポリペプチドをコードする塩基配列からな
    り、該細胞質ドメインはγサブユニット鎖のトランスメ
    ンブレンドメインのC末端に隣接し、前記アミノ酸配列
    は以下の配列: LKIQVRKADIASREKSDAVYTGLNTRNQETYETLKHEKPPQ からなる請求項1記載の単離されたDNA断片。
  7. 【請求項7】ポリペプチドがγサブユニット鎖の以下の
    アミノ酸配列: IQVRKADIASREKSDAVYTGLNTRNQETYETLK からなる請求項6記載の単離されたDNA断片の一部断
    片。
  8. 【請求項8】単離されたDNA断片がラット供給源から誘
    導される請求項1ないし7のいずれか1項に記載のDNA
    断片。
  9. 【請求項9】以下の配列: MIPAVILFLLLLVEEAAALGEPQLCYILDAILFLYGIVLTLLYCRLKIQ VRKADIASREKSDAVYTGLNTRNQETYETLKHEKPPQ を有するFcεRI受容体のγサブユニット二量体の鎖に該
    当するアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードするヌ
    クレオチドの塩基配列からなる請求項1記載の単離され
    たDNA断片。
  10. 【請求項10】ベクターと請求項1ないし9のいずれか
    1項に記載のDNA断片を含有する組換えDNA分子。
  11. 【請求項11】請求項10記載の組換えDNA分子でトラン
    スフェクションされた細胞からなる形質転換体。
  12. 【請求項12】FcεRIのγサブユニット二量体の鎖に該
    当するアミノ酸配列を持つ組換えポリペプチドを製造す
    る方法であって、 該ポリペプチドが産生されるような条件下で請求項11記
    載の形質転換された細胞を培養し、そして該ポリペプチ
    ドを単離することからなる、前記方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の方法により製造された、
    FcεRIのγサブユニット二量体の鎖に該当するアミノ酸
    配列を持つ組換えポリペプチド。
  14. 【請求項14】FcεRIからなるIgEに対する高アフィニ
    ティー受容体に該当するアミノ酸配列を持つポリペプチ
    ド複合体を製造する方法であって、 少なくとも1種の細胞を、FcεRIのαサブユニットに該
    当するアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする組
    換えDNA分子;FcεRIのβサブユニットに該当するアミノ
    酸配列を持つポリペプチドをコードする組換えDNA分
    子;および請求項1記載のDNA断片からなる組換えDNA分
    子でトランスフェクションし、そして 前記ポリペプチド複合体が前記トランスフェクションさ
    れた細胞により産生されるような条件下で前記トランス
    フェクションされた細胞を培養する、 ことからなる前記方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の方法により製造された、
    FcεRIからなる、IgEに対する高アフィニティー受容体
    に該当するアミノ酸配列を持つポリペプチド複合体。
  16. 【請求項16】FcεRIのαサブユニットに該当するアミ
    ノ酸配列を持つポリペプチドをコードする組換えDNA分
    子;FcεRIのβサブユニットに該当するアミノ酸配列を
    持つポリペプチドをコードする組換えDNA分子;および
    請求項1記載のDNA断片からなる組換えDNA分子でトラン
    スフェクションされた少なくとも1種の細胞により発現
    される、FcεRIからなる、IgEに対する高アフィニティ
    ー受容体に該当するアミノ酸配列を持つポリペプチド複
    合体。
  17. 【請求項17】αサブユニットをコード化する組換えDN
    A分子がヒト供給源から誘導され、そしてβサブユニッ
    ト−およびγサブユニットをコード化する組換えDNA分
    子がラット供給源から誘導される請求項15または16記載
    のポリペプチド複合体。
  18. 【請求項18】αサブユニットをコード化する組換えDN
    A分子がヒト供給源から誘導され、そしてβサブユニッ
    ト−およびγサブユニットをコード化する組換えDNA分
    子がラット供給源から各々誘導される請求項14記載のFc
    εRI様ポリペプチド複合体の製造方法。
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