JP3534406B2 - 免疫グロブリンEの高アフィニティレセプタのヒトβサブユニットの分離,特性化および用法 - Google Patents

免疫グロブリンEの高アフィニティレセプタのヒトβサブユニットの分離,特性化および用法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は免疫グロブリンE(IgE)の高アフィニティ
レセプタのα、β、およびγサブユニットを、特にヒト
βサブユニットをコードしたDNAセグメントに関する。
本発明はさらにそのα、β、およびγサブユニットをコ
ードしたDNAをホスト細胞中で同時に発現させることに
よりレセプタを産生する方法に関する。
2.関連技術 免疫グロブリンのFc領域と結合したレセプタ(「Fcレ
セプタ」)は、膜を通しての免疫輸送を媒介し、抗原−
抗体複合体により誘起される種々の細胞活性を刺激し、
おそらく抗体の生合成を規制する。三種のレセプタ[ポ
リマー性免疫グロブリンに対するレセプタ(Mostov他
(1984)Nature(London)308:37−43)、マクロファー
ジおよびリンパ球上のFcレセプタ(Ravetech他(1986)
Science 234:718−725)、及びマスト細胞および好塩基
球上の高アフィニティレセプターFc(Kinet他(1987)B
iochemistry 26:4605−4610;Shimizu他(1988)Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 85:1907−1911;Kochan他(1988)Nucl
eic Acids Res.16:3584)]は共通の特徴があり、それ
らの免疫グロブリン結合部は二つ以上の免疫グロブリン
類似の領域を有している。
高アフィニティIgEレセプタFcεR Iはアレルギー反応
を開始するのに寄与する。アレルゲンのレセプタ結合Ig
Eへの結合は細胞を活性化させアレルギーを発現する媒
体(ヒスタミンのような)を放出する。このレセプタは
テトラマー複合体αβγでこれはマスト細胞および高
塩基球の表面に見られる。IgG(FcγR III)に対する低
アフィニティレセプタと会合してあるいはT細胞抗原レ
セプタと会合してFceR Iのγ鎖はマクロファージ、NK細
胞およびT細胞に見出されているが、αおよびβサブユ
ニットはその他の造血細胞には検出されていない。
αおよびγに対する遺伝子は、両者ともヒト(Le Con
iat,1990)およびマウスの染色体1に局在している。
(Huppi,1988,Kinet他1987;Kochan他1988;Shimizu他198
8;Ra他1989。)マウスβに対する遺伝子は、マウスの染
色体19に局在しており、単一遺伝子であると信じられて
いる(Huppi,1989)。ラットのα遺伝子の構造(Teple
r,1989)およびγ遺伝子の構造(Kuster,1990)はヒト
で特性化されているが、β遺伝子の構造はヒトで特性化
されていない。
IgE FcεR Iに高アフィニティーを有するレセプタは
マスト細胞、好塩基球、ランゲルハンス細胞、および関
連細胞にのみ見出される。IgEにより占有されたFcεR I
の抗原による凝集は、ヒスタミンおよびセロトニンのよ
うな予め生成した媒体を放出させ、またロイコトリエン
の合成を刺激するきっかけとなる。これらの媒体の放出
によりアレルギー状となる。
最も徹底的に特性化されたFcεR Iは、ラット好塩基
性白血病細胞系(RBL)のものである。これは次の三つ
の異なるサブユニットから成る。(1)IgEに対する結
合部位を有する40−50キロダルトン(Kd)の糖蛋白アル
ファ鎖、(2)単一の33Kdベータ鎖、および(3)二つ
の7−9Kdジサルファイド結合ガンマ鎖(H.Metzger et
al.,Ann.Rev.Immunol.4:419−470(1986))。
ラットαサブユニットに対する相補的DNA(cDNA)が
分離されている(J.−P.Kinet et al.,Biochemistry 2
6:4605−4610 1987))。しかしながら以前には、βお
よびγサブユニットの分離および特性化が開示されたこ
とはなく、また形質移入された細胞によるIgE結合を発
現することもできなかった(J.−P.Kinet et al.,Bioch
emistry 26:4605−4610;A.Shimizu et al.,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 85:1907−1911(1988))。
げっ歯動物およびヒトのサブユニットのいくつかの分
子クローニングにより、形質移入により表面発現された
レセプタ複合体の再構成ができた。これらの研究による
驚くべき発見の一つは、異なる種で表面発現のための条
件が異なることであった。ラット(Blank,1989)あるい
はマウス(Ra,1989)レセプタの効率的な表面発現を促
進するには三つの鎖α、β、およびγのサブユニットの
同時形質移入が必要である。これと対照的に、ヒトαγ
複合体の或る表面発現は繊維芽細胞のαおよびγだけの
同時形質移入により達成することができ、βは不必要で
あろうことを示唆している(Miller,1989)。この結果
および以前にはヒトβサブユニットの遺伝子がクローン
化できなかったことは、ヒトβが存在していない可能性
と、αγ複合体がヒトの細胞に天然に存在している可能
性を提起した。
高アフィニティIgEレセプタFcεR Iは、α鎖、β鎖、
および二つのジサルファイド結合γ鎖(鎖とサブユニッ
トとは本明細書中では互換的に用いる)より成るテトラ
マーヘテロオリゴマーである。β鎖は四つの膜トランス
メンブレン(TM)セグメントおよび長い細胞質領域を有
し、これらは細胞内シグナル伝達に重要な役割を果たす
と考えられる。そもそもヒトベータサブユニットが存在
するのかを決めることは大変困難で、仮に存在していて
もその遺伝子を分離することは非常に困難なことであっ
た。本発明はこれらの困難を克服し、驚くべきことにFc
εR Iのヒトβサブユニットに対するcDNAクローンを提
供するものである。
さらに本発明は、完全なヒトFcεR Iレセプタを産生
する方法を提供し、βサブユニットを抑止することによ
りこのレセプタの生成あるいはその機能を抑止する方法
を提供するものである。
発明の要約 本発明の一態様は、FcεR Iサブユニットをコードす
る核酸セグメントを提供することにある。
本発明の一態様は、FcεR Iのα、β、およびγサブ
ユニットをコードする核酸配列を提供することにある。
特に、本発明は、DNA配列に関するものである。本発明
の一態様は、完全なヒトβ遺伝子およびcDNAの構造の特
性化と配列に関する。ヒトベータのクローニングの成功
は期待されず、失敗続きだった。様々なcDNAライブラリ
ーをスクリーニングするために、単に、げっ歯動物のベ
ータプローブを用いて、ヒトベータ遺伝子をクローニン
グする試みでは、ヒトベータ遺伝子をコードするcDNAク
ローンは単離できなかった。げっ歯動物のベータに相同
性のある非常に短いフラグメント(153bp)のみが単離
された。しかし、このフラグメントは、該領域のベータ
と相同性があることで知られているCD20のようなベータ
類似分子の一部であると思われるため、げっ歯動物のベ
ータ配列からの情報を用いることによって、PCR技術に
より、ヒトベータをクローニングしていた。しかし、ヒ
トとげっ歯動物のベータの相同性は、コード領域で、69
%の相同性があるが、PCR反応には十分でない。この方
法を用いても、ヒトベータ遺伝子は単離できなかった。
ヒトベータがアルファ−ガンマ複合体の発現に必要で
ないと思われていたため、ヒトベータの存在が疑問視さ
れた。遺伝子の転移の研究によって、アルファ、ベータ
およびガンマの3つの遺伝子の形質移入による転移が、
ラットとマウスのレセプタの発現に必要であることが示
された。しかし、ヒトアルファとガンマの形質移入によ
り、線維芽細胞におけるヒトレセプタの表面発現を十分
に促進できることから、ヒトレセプタの表面発現に、ヒ
トベータは必要でないことが示唆された。そのような結
果から、ヒトベータの存在に関して、興味ある疑問が生
じた。
ヒトベータは、アルファ−ガンマ複合体の機能上は必
要ではなかった。ガンマ遺伝子の細胞質尾部の形質移入
により、細胞が十分活性化される。いくつかのグループ
では、ガンマ鎖の細胞質領域は、多数の生化学的シグナ
ルを仲介できるため、細胞を活性化するという見解をも
った。これらのシグナルは、チロシンキナーゼの活性
化、ホスホイノシチドの加水分解、カルシウムの動態
化、T細胞のIL2の産生、マスト細胞の脱顆粒化、およ
び細胞破壊を含む。ガンマの細胞質領域は、細胞を活性
化すると考えられる10−12アミノ酸残基のモチーフをも
っていることが証明された。このモチーフは、様々な細
胞で、多くの異なるシグナルを引き起こすことができ
る。このモチーフは、転移ができ、交換できると考えら
れる。これらの見解から、ヒトベータの存在に関する疑
問が、再び生じた。ガンマ鎖により細胞の活性化が十分
にできれば、ベータの必要性はないと思われた。
また、ヒトベータをクローニングできなかったり、
(ラットやマウスのプローブを用いて)ヒト細胞のヒト
ベータの転移物を検出できなかったので、ヒトベータ遺
伝子の存在が疑問視された。
クローニングには、発明的な方法と永続性が必要であ
った。さらに、cDNAライブラリーをスクリーニングする
ために用いられた153bpフラグメントは、役に立たなか
った。しかし、たとえその相同性が約70%しかなかった
としても、153bpがヒトベータの一部であると想定する
ことによって、25kbの遺伝子クローンが発見された。ラ
ットのベータ配列に相当するオリゴヌクレオチドプロー
ブと特異的にハイブリダイズすると思われる小さい挿入
物が見つかった。ヒトベータをコードする挿入物を探す
中で、すべてのこれら挿入物(全部で11kb)は、異なる
エクソンを再構築するように配列されていた。推定され
ているヒトベータ遺伝子から7番目のエクソン上で、最
初のエクソンの先端と、コード配列の末端が何であるか
を取り扱うことによって、推定されるcDNAのヒトベータ
配列が、PCRにより、(PCR反応のために鋳型としてヒト
好塩基球より得られた最初の鎖の逆転写物を用いること
によって)生じた。
単離された遺伝子およびcDNAが、ヒトベータ遺伝子を
コードしていることが証明された。単離された遺伝子お
よびcDNAは、げっ歯動物のベータと相同性があるベータ
様分子、あるいはCD20様分子に相当すると考えられる。
しかし、69%の相同性では、これらの配列がヒトベータ
をコードしている証明の基準にはならない。トランスフ
ェクタントにおけるアルファ、ベータ、およびガンマの
同時発現は、生じたcDNAがヒトベータを本当にコードし
ていることをむしろ証明するのに望ましい。しかし、こ
れらの実験は以下の理由により成功しなかった。
1.ヒトアルファとヒトガンマ同時形質移入は、線維芽細
胞上のレセプタの表面発現および機能再構成に十分であ
る。
2.ヒトベータcDNAをアルファおよびガンマと同時形質移
入する場合、形質移入効率が上昇しない。
第20図には、COS−7細胞中のヒトアルファおよびガ
ンマの形質移入は、形質移入物の表面にアルファ−ガン
マ複合体を発現させるに充分であることが示されてい
る。ラットIgEレセプタの発現において、ヒトベータ
が、ラットベータに置換できないことも示されている。
したがって、ヒトベータが完全な複合体の発現を促進す
るかどうかを見るために、アルファおよびガンマの同時
形質移入が作用しない条件を用いた(第20図)。これ
は、ヒトガンマの細胞質尾部の先端切断により行なっ
た。これらの条件下で、ヒトアルファの切断ヒトガンマ
との同時形質移入では、複合体の発現はなった。しかし
ながら、ヒトベータ(しかしCD20のものではない)と、
アルファおよび切断ガンマとの同時形質移入では、IgE
を結合できる機能性複合体の発現があった。これらの条
件下で、ヒトアルファおよび先端切断ガンマサブユニッ
トの発現には、ラットベータサブユニットはヒトベータ
サブユニットの代わりにはならなかった。この検定は、
ヒトベータがこの二つの他の鎖に特異的に会合すること
を示したものである。したがって、これらの新しい結果
は、ヒトベータはヒトIgEレセプタの一部であり、単にC
D20の類似を分子ではないことを示している。これらの
結果は、以前には想像できなかったヒトベータの重要性
を示している。
第21図には、KU812細胞中でのアルファ−ガンマの形
質移入が、非常に僅かのレセプタ発現であったことが示
されている。発現のレベルは、ベータとガンマとの形質
移入の後に得られたレベルと類似のものである。したが
って、このレベルは内因性アルファ(ベータとガンマと
の形質移入について)あるいは内因性ベータ(アルファ
とガンマとの形質移入について)によるものであろう。
これと対照的に、三つのcDNAの同時形質移入後の発現の
レベルは非常に実質的なものである。
結論として、 1.マスト細胞および好塩基球では、レセプタの発現のレ
ベルを規制するものは繊維芽細胞におけるものとは異な
るものであろう。
2.ヒトマスト細胞および好塩基球では、レセプタの発現
にはアルファ、ベータ遺伝子およびガンマの存在が必要
であり、形質移入された繊維芽細胞にはヒトアルファお
よびガンマが充分にある。
ヒトベータサブユニット遺伝子は約10kbのスパンであ
り、七つのエクソンを有する。TATAボックスが先行する
単一の転写開始部位がある。第一のエクソンが5'非転翻
訳域およびN−末端細胞質テールの一部をコードする。
トランスメンブレン(TM)1がエクソン2および3にコ
ードされ、TM2がエクソン3および4にコードされ、TM3
がエクソン5に、TM4がエクソン6にコードされる。第
7番目および最後のエクソンはC末端細胞質テール端お
よび3'未翻訳配列をコードする。ヒトβ遺伝子は単独の
コピー遺伝子のようである。
およそ3.9kbのダブレットとして検知される二つの対
応する転写物が、異なる個体からのマスト細胞および好
塩基球リニージの中に存在するが、試験したその他の造
血細胞には存在しない。ヒトβ蛋白はげっ歯動物βと相
同である。ヒト、マウス、およびラットβの共通アミノ
酸配列は、69%の同一残基を示す。
本発明のもう一つの態様として、本発明はFcεR Iの
α、β、およびγサブユニットに対応するポリペプチド
を提供する。より具体的には、天然の環境から分離され
たヒトβサブユニットに相当するポリペプチドを提供す
る。これは、組換法により産生する又は当業に既知の装
置により合成されるかいずれかの、あるいは蛋白の分離
および精製法により分離精製されたポリペプチドのアミ
ノ酸配列を含むものとして定義される。ポリペプチド
は、アミノ酸の全体配列、あるいはその中の選択された
部分を含む。例えば、(1)レセプタのアセンブリ、
(2)細胞活性化、及び/又は(3)アルファおよびガ
ンマサブユニットとの複合化、に必須のヒトベースサブ
ユニットの部分(領域)を含む。「天然の環境」とは、
蛋白の形で他のタイプの蛋白と共に天然に生じる細胞中
のサブユニット及び一般的にサブユニットと構造的にあ
るいは機能的に関連する細胞成分として定義することが
できる。
本発明のもう一つの態様は、ベクターおよびFcεR I
のα、β、およびγサブユニットをコードするDNAセグ
メントを含む組換えDNA分子を提供することである。
本発明のもう一つの態様は、上述の組換えDNA分子を
含む細胞を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、げっ歯動物およびヒトの
両方の種にいて、FcεR Iのα、β、およびγサブユニ
ットに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを産
生する方法を提供することである。
繊維芽細胞状の細胞中の形質移入されたレセプタの表
面発現を分析すると、ヒトαγ複合体およびαβγ複合
体は同等な効率で発現されていることが分かる。予期し
なかったことに、アセンブリ規則は他のヒト細胞と異な
っていた。さらに、ヒトβはラットβより効率的にヒト
αと相互作用する。対照的に、ラットβもマウスβも両
者ともヒトβよりはるかに効率的に対応するα鎖と相互
作用し、α−β相互作用の強い種特異性が示される。
本発明のもう一つの目的は、機能性FcεR Iレセプタ
を産生する方法を提供することである。
一つの例において、本発明はFcεR Iのα、β、およ
びγサブユニットに対応するアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドをコード化するDNAセグメントに関する。
もう一つの例において、本発明はFCER Iのα、β、お
よびγサブユニットに対応するアミノ酸配列を有するポ
リペプチドを産生する方法に関する。
さらにもう一つの具体例において、本発明はベクタ
ー、およびFcεR Iのα、β、およびγサブユニットに
対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードす
るDNAセグメントを有する組換えDNA分子に関する。
他の例において、本発明は、上記の組換えDNA分子を
含む細胞に関する。
更なる例において、本発明はFCεR Iのα,βおよび
γサブユニットに対応するアミノ酸配列を有するポリペ
プチドの産生方法に関する。
他の具体例において、本発明は、ホスト細胞にFCεR
Iのα、β、およびγサブユニットをコードするDNAセグ
メントを導入し、レセプタが生成するような条件下で上
記DNAセグメントを発現させる機能性FCεR Iレセプタを
産生する方法に関する。細胞COS−7あるいはCHOの表面
におけるレセプタの発現は、FCεR Iの三つのサブユニ
ットについてのcDNAすべてが同時に同時形質移入された
場合に行なわれる。IgE結合の発現のこの成功により、I
gEレセプタ相互作用の詳細な分析を可能にし、したがっ
て治療に有効な抑制剤の開発を可能にする。
本発明の一態様では、ヒトベータサブユニットの本質
的な関与を抑制することにより、IgEに対する高アフィ
ニティレセプタの凝集によるアレルギー反応のカスケー
ドを止める。ベータサブユニットは、レセプタ凝集及び
/又は翻訳シグナルの機能を抑制する標的である。この
ような抑制はアレルギー疾患の予防および治療に広範に
応用できる。何故ならば、レセプタIgE相互作用からカ
スケードする望ましくない事象はアレルゲンとは無関係
であり、マスト細胞、好塩基球、ランゲルハンス細胞な
どのような種々の細胞タイプから生じるからである。
ベータの抑制剤は、鎖、アンチセンス核酸配列、ベー
タサブユニットポリペプチドに結合し得るアミノ酸配
列、およびサブユニットに対するモノクローン抗体の構
造あるいは機能を攻撃する化学製剤を有する。
ベータサブユニット抑制剤の有効量は試験管内細胞検
定、動物モデル検定、および臨床試験により決めること
になる。
抑制剤の有効量が、薬学的に許容できるキャリアと一
緒になり得る。アレルギー反応がFcεR Iに関連する細
胞タイプが種々であり、反応はアレルゲンとは無関係で
あり、そのため投与のルートは全身的でもアトピー性で
もよい。
候補抑制剤物質は、本明細書に開示する方法で試験す
る。
抑制剤物質の試験管内細胞検定は、抑制剤と複合体に
なった又は抑制剤と一緒に培養された、ヒトアルファ、
ベータ、およびガンマサブユニットをコードする核酸配
列により形質移入されたホスト細胞により行なわれる。
FcεR Iレセプタによる細胞活性化は、ウィルスの存在
下と抑制剤不在下とで開始し比較される。多くの検定が
できる。
本発明のその他の目的および長所は以下の記述と実施
例により明らかとなろう。
図面の簡単な説明 第1図はヒトFcεR IアルファcDNAのヌクレオチド配
列(配列ID番号10)および予測したアミノ酸配列(配列
ID番号11)を示す。
第2図はラットFcεR Iアルファサブユニット(R)
(配列ID番号12)、ヒトFcεR Iアルファサブユニット
(A)(配列ID番号13)、およびマウスFcεR Iアルフ
ァサブユニット(M)(配列ID番号14)のアミノ酸配列
の相同性を示す。この三つが同一の領域をボックスで囲
んである。第1番目の位置が、各蛋白の予測した成熟N
−末端の部位に対応する。
第3図は完全に生物学的に活性なFcεR Iアルファ鎖
(pHA I、pHA II)あるいは可溶性の分泌した生物学的
に活性なFcεR Iアルファ鎖(pHAS I、pHAS II)の合成
を行なう真核発現ベクターの構築を示すフローチャート
である。この図に示された配列は配列ID番号20にも示
す。
第4図は可溶性の生物学的に活性なFcεR Iアルファ
鎖(アミノ酸残基26−204より成る)の合成を行なう原
核発現ベクターの構築を示すフローチャートである。pE
VA構造に示した配列は配列ID番号15−17にも示す。pEVH
A構築に示した配列は配列ID番号18および19にも示す。p
EVHAS構築W示した配列は配列ID番号20および21にも示
す。
第5図はβcDNAについての制限マップおよびそれらが
配列される方略(strategy)。開いた矩形はβサブユニ
ットに対するコード化を予知した配列を示す。線は5'お
よび3'未翻訳領域を示す。上側のスキームはPst I開裂
部位を有する1.5キロベース(kb)クローンを示す。下
側のスキームはCla I開裂部位を有する2.4−kbクローン
を示す。後者の3'領域は斜線で示したよに切断されてい
る。その未翻訳部分はクローンの残りと同様に完全に配
列されている。制限部位は垂直な線で示す:Hf,Hinfl;H
h,Hha I;Al,Alu I;Hp,Hph I;Av,Ava II;Ac,Acc I;Ec,Ec
oR I;Hd,Hind III。水平方向の矢印はジデオキシヌクレ
オチド鎖−末端法による配列の方向と程度を示す。
第6図は(A)ヌクレオチド(配列ID番号22)および
βサブユニットをコードするcDNAの推定(deduced)ア
ミノ酸(配列ID番号23)配列。逆矢印(▼)のところで
始まり、別の配列(B)が六つのクローンで観測され
た。想定されるトランスメンブラン領域にアンダーライ
ンをした。βサブユニットのトリプシンペプチド(これ
によりアミノ酸配列が直接決まる)は括弧(<>)でく
くった。末端近くの想定されるポリ(A)信号にアンダ
ーラインをした。(B)βcDNAの欠失形のヌクレオチド
配列(配列ID番号24)のつづき。3'はA(▼)で示した
ところで結合。
第7図はβサブユニットをコードするcDNAの発現。
(A)生体内および生体外の翻訳産物の比較。RBL細胞
は[35S]システイン含有媒地中で成長。細胞の洗剤抽
出物をmAbβ(JRK)で沈殿させ、激しく洗った後、サン
プルバッファーで抽出し、電気泳動にかけた(レーン
1)。この実験では、レセプタを完全に解離するように
充分高濃度で洗剤を用いた。βcDNAからの転写物を生体
外で[35S]メチオニン含有媒地中で処理した(レーン
2、3、および5)。
対照インキュベーションはcDNAを含んでいなかった
(レーン4)。混合物を透明化イムノプレシビテーショ
ン(clearing immunopreciptation)の後にβサブユニ
ットへのモノクローナル抗体と反応させた。特異的に洗
浄した沈澱物をサンプル・バッファに溶かして電気泳動
にかけた。レーン2と4−mAbβ(JRK)、レーン3−mA
bf1(NB)、レーン5−無関係のモノクローナル抗体[m
Abβ(LB)]、12.5%ポリアクリルアシドゲル上で還元
性条件で標本を解析したオートラジオグラフを示す。
(B)βサブユニットのNH2末端ペプチドへの1つのエ
ピトームの局在化。βcDNAを含むベクターをT7ポリメラ
ーゼを使って転写する前にHha Iで消化した。得られたm
RNAを翻訳すると、[35S]メチオニンで標識されたβサ
ブユニットβ(アミノ酸1−21)のNH2末端ペプチドが
生成した。この混合物をmAbβ(JRK)(レーン1)及び
無関係のmAb(LB)(レーン2)と反応させた。沈澱物
を17%ゲル上で非還元性条件で解析した。(C)βサブ
ユニットのCOOH末端断片のE.coli発現。ヌクレオチドを
含むHinfl断片をE.coli中(Crowl他(1985)Gene38:31
−38)にサブクローン化し、抽出物を調製した。蛋白を
Aと同様に電気泳動し、ニトロセルロース紙に移した。
後者を順次モノクロール抗体mAbβ(NB)と反応させ、
アルカリ性ホスファターゼ結合ヤギ・抗マウスIgG(F
c)とともに展開し、通常の方法で現像した(Rivera他
(1988)Mol.Immunol.)。イムノブロットの下半部を拡
大して示す。レーン1−挿入物なしの形質転換体からの
抽出物、レーン2−誤った方向の挿入物を含む形質転換
体からの抽出物、レーン3−正しい向きの挿入物を含む
形質転換体からの抽出物。(D)E.Coliで発現されたHi
nf I断片によって誘発されたポリクローナル抗体に対す
るβサブユニットの反応性。精製したIgE−リセブタ複
合体を電気泳動にかけ、ニトロセルロース紙に移し、抗
体と反応させ、続いて適当なアルカリ性ホスファターゼ
結合抗イムノグロブリン抗体と反応させた。レーン1−
mAbβ(JRK)、レーン2−mAbβ(NB)、レーン3−断
片Aに対する免疫血清、レーン5−断片Bに対する免疫
血清、レーン4および6−それぞれレーン3および5の
免疫血清に対応するプレ免疫(preimmune)血清;レー
ン7および8、二次抗体のみ。このゲルは分子量標準な
しで行なった。
第8図は、βサブユニットの予知配列のハイドロパシ
シティ(hydropathicity)プロット。Engleman等により
推奨された処理とハイドロパシシティスケール(Engelm
an他(1986)Annu.Rev.Biophys.Chem.15:321−353)を
用いた。各連続した「窓(window)」に対して20のアミ
ノ酸に対するネットのハイドロパシシティ値を、10番目
の残基に対応する位置にプロットした。水への移送につ
いてのネットの自由エネルギー>20kcal(1cal=4.18
J)であることはトランスメンブランセグメントを示唆
している(Engelman他(1986)Annu.Rev.Biophys.Chem.
15:321−353)。
第9図はラットFcεR Iのγサブユニットのヌクレオ
チド配列(SEQ ID NO:26)およびそれによって予測さ
れるアミノ酸配列(SEQ ID NO:27)を示す図である。
推定トランスメンブレン領域を下線で示す。アミノ酸残
基は、成熟蛋白の第一残基から順に番号を付けてある。
残基5'から残基1までは負の番号を付けてあり、G.フォ
ン・ハイネ(von Heijne)の判定基準(Nucleic Acids
Res.14:4683−4690(1986))による推定シグナル・ペ
プチドをコードする残基を含んでいる。N末端およびC
末端開裂部位を矢印で示してある。カバーされ配列され
た4つのトリプチック・ペプチドは括弧で包んである。
最初のトリプチック・ペプチド配列中のあいまいな残基
は星印を付けてある。
第10図はFcεR Iのαサブユニット(パネルA)、β
サブユニット(パネルB)、γサブユニット(パネル)
の予測配列のハイドロパシシティプロットを示すグラフ
である。ハイドロパシシティの尺度はエンゲルマン(En
gelman)他に基づく(Ann.Rev.Biophys.Biophys.Chem.1
5:321−353(1986))。連続する「ウィンドウ」内の20
個のアミノ酸の合計ハイドロパシシティ値を10番目の残
基に対応する位置にプロットしてある。
第11図は形質移入されたCOS7細胞およびRBL細胞によ
るIgEロゼットの形成を示す図である。COS7細胞は、
α、β、γcDNAのコード化部分の同時形質移入し、TNP
で誘導体化された赤血球にさらす前にマウスIgE抗DNPで
感作させた(パネルA)。正の対照として、RBL細胞を
同様にロゼット形成に関してテストした(パネルC)。
ロゼット形成検定の特異性は、マウスの抗DNP IgEを加
える前に、同時形質移入されたCOS7細胞(パネルB)お
よびRBL細胞(パネルD)を(抗DNP活性を欠く)ラット
IgEで前インキュベートすることにより評価した。
第12図はIgEのテトラマー高アフィニティーレセプタ
のモデルを示す図である。ポリペプチド(SEQ ID NO:
28−30)は完全に処理済みの形で示してある。このレセ
プタは、αサブユニットの大きな細胞外部分が上端にあ
り、鎖の残りの部分が左側にくるように配向している。
αサブユニット(SEQ ID NO:28)の右側にその4つの
トランスメンブレンセグメントを含むβサブユニット
(SEQ ID NO:29)があり、その右側にγ鎖のダイマー
(SEQ ID NO:30)がある。α鎖のシステイン26と68お
よびシステイン107と151は、ジスルフィド結合されてい
る可能性が高いので対になっておりFcγレセプタ中の相
同システインも同様である(M.ヒッブス(Hibbs)他、
J.Immunol.140:544−550(1988))。推定トランスメン
ブレンセグメントはすべて、21個の残基からなるように
示してあり、αらせん構成になっていると予想される。
アミノ酸に単文字コードを使用する(M.デイホッフ(Da
yhoff)他、Atlas of Protein SEquence and Structur
e,Suppl.3、M.デイホッフ論、363−373、Natl.Biomed.R
es.Fndtn.ワシントンD.C.(1988))。(N端から順
に)10番目ごとの残基に陰影を付けてある。
第13図はヒトβ遺伝子の制限マップ構造と構造配列、
介在配列を示す図である。7個のエクソンの位置を枠で
示してある。開始コドンと停止コドンの位置を示してあ
る。
第14図はヒトFcεR I β鎖遺伝子のヌクレオチド配
列(SEQ ID NO:31)を示す図である。7個のエクソン
を太字で示してある。ヌクレオチドの番号は開始コドン
を基準にして付けてある。TATAAボックス、翻訳開始コ
ドン(ATG)、終了コドン(TAA)および潜在的ポリアデ
ニル化シグナル(AATAAA)に下線を付けてある。確実に
決定されていない塩基はNで示してある。
第15図はヒトβ遺伝子とラットβcDNA配列をドット・
マトリックス・ブロットによって比較した図である。マ
ックベクター・プログラムのプステルDNAマトリックス
をヌクレオチド30個のウィンドウで最小スコア63%で使
用した。左側で示したローマ数字は7個のエクソンに対
応する。
第16図は好塩基球中での転写物の存在を示す図であ
る。好塩基球に富む白血球および他の様々な細胞からの
全RNA10μgを変性アガロース・ゲルで分画した後、Nyt
ran膜に写し、ヒトβcDNAプローブ(パネルAではヌク
レオチド+306〜+456、パネルCではヌクレオチド−2
〜+790)でハイブリッド化した。パネルAに示した膜
ははがして、全長ヒトαcDNAプローブ(パネルB)で再
ハイブリッド化した。
第17図は転写開始部位の決定を示す図である。
パネルAでは、好塩基球からのRNAが逆転写され、ポ
リA+の両端にターミナル・トランスフェラーゼを付加
し、PCRで増幅した。増幅生成物(cDNA)とゲノムDNA
(遺伝子)は、同じプライマーで配列決定し、それぞれ
の配列決定反応は8%アクリルアミド・ゲル上で並行し
て行った。転写開始部位を矢印で示す。パネルBでは、
好塩基球(レーン1)またはtRNA(レーン2)からのRN
Aをプライマー拡張に使用し、拡張生成物を5%ポリア
クリルアミド尿素ゲル上でゲノムDNAの配列反応と並行
して分析した。転写開始部位を矢印で示す。
第18図は異なる5つの個体から得たゲノムDNAのサザ
ン・ブロット分析を示す図である。DNAを異なる制限エ
ンドヌクレアーゼ消化につけ、ブロットし、βサブユニ
ットについてヒト全長cDNAとハイブリッド化した。上端
の番号は異なる個体を示し、各パネルは異なる制限消化
に対応する。寸法標準を右に示してある。
第19図はFcεR Iヒトβサブユニットのアミノ酸配列
(SEQ ID NO:32)とラット(SEQ ID NO:33)および
マウス(SEQ ID NO:34)βとの配列を示す図である。
同じアミノ酸残基および異なるアミノ酸残基をそれぞれ
大文字と小文字で示す。同一性および密接に関係する交
換には疑問行の^印を付け、疎遠な関係の交換はドット
で示してある。相同でない交換には疑問行に印を付けて
ない。ギャップはハイフンで示す。トランスメンブレン
領域は下線で示し、スプライス部位は縦線で示してあ
る。
第20図はFcεR Iサブユニットの様々な組合せで形質
移入したCOS7細胞におけるIgE結合を示すFACS分析の結
果を示す図である。
第21図はFcεR Iサブユニットの様々な組合せで形質
移入した好塩基球系統(KU812)の細胞におけるIgE結合
を示すFACS分析の結果を示す図である。
発明の詳細な説明 本発明はその一部として、ヒトFcεR Iのサブユニッ
トに対応するポリペプチドをコードするDNA配列に関す
る。
より具体的には、FcεR Iのα、β、およびγサブユ
ニットに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドを
コードするDNAセグメント(例えばDNA分子)に関する。
一つの具体例では、第1図、第6図、第9図あるいは第
14図(配列ID番号10、22および24、26および31)に示し
た配列を有するDNAセグメント、その対立遺伝子あるい
は種変種、あるいはそのような配列のユニークな部分
(ユニークな部分とは少なくとも15−18塩基としてここ
では定義する)を有する。他の具体例ではDNAセグメン
ト、は第1図(配列ID番号11)、第6図(配列ID番号23
および24)、第9図(配列ID番号27)、あるいは第19図
(配列ID番号32−34)、あるいはその対立遺伝子あるい
は種変種、あるいはそのような配列のユニークな部分
(ユニークな部分とは少なくとも5−6のアミノ酸とし
てここでは定義する)をコードする。
対立遺伝子あるいは種変種とは、ここで定義するサブ
ユニットの機能を無くさない核酸あるいはアミノ酸配列
の置換、欠如、あるいはその他の変化として定義され
る。或る用途には、ヌクレオチド配列は意図的に変更さ
れる。例えば、ベータサブユニットをそのように変化し
たときの効果を試験するため、あるいは或る目的のため
に不活性化されたサブユニットを産生するためなど。
他の具体例では、FcεR Iのα、β、およびγサブユ
ニットに対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドに
関する。一つの好ましい具体例では、ポリペプチドは第
1図、第6図、第9図および第19図に示されたアミノ酸
配列(各々配列ID番号11、23および24、27および32−3
4)あるいはその対立遺伝子あるいは種変種、あるいは
そのような配列のユニークな部分(ユニークな部分とは
少なくとも5−6のアミノ酸としてここでは定義する)
を有する。
他の具体例では本発明は、上述のようにベクター(例
えば、プラスミドあるいはウイルスベクター)とFcεR
Iのα、β、およびγサブユニットに対応するポリペプ
チドをコードするDNAセグメントとを有する。好ましい
一具体例では、コード化セグメントはプロモーターに操
作可能なように結合されたベクター中に存在する。
もう一つの具体例では、本発明は上述の組換えDNA分
子を含有する細胞に関する。適当なホスト細胞として
は、原核生物(E.coliなどを含む細菌のような)、低級
真核生物(例えば酵母)および高級神真核生物(例えば
哺乳類の細胞)の両者が含まれる。組換え分子のホスト
細胞への導入は、当業に知られている方法により行なう
ことができる。
もう一つの具体例では、本発明は上述のポリペプチド
が産生されるような条件下で上述のホスト細胞を培養し
該ポリペプチドを分離することを含む上述のポリペプチ
ドを産生する方法に関する。
もう一つの具体例では、本発明はFcεR Iのα、β、
およびγサブユニットをコードするDNAセグメントをホ
スト細胞へ導入し、このセグメントをレセプタが生成す
るような条件下で発現させることを含む機能性FcεR I
レセプタを産生する方法に関する。
本発明による核酸配列およびポリペプチドは次のよう
な多くの用途がある。しかし用途はこれらに限定される
ものではない。
1.ポリペプチドあるいはそのフラグメントを、アレルギ
ー反応を防ぐアンタゴニスト、あるいは薬剤スクリーニ
ング検定での試薬としての利用。
2.治療薬としてのポリペプチドの利用。
3.患者のIgEレベルを監視するためのポリペプチドの利
用。
4.上述の目的のために使用されるポリペプチドを合成す
るための核酸の利用。
5.診断検定に有用なDNAを構築するためのcDNAを合成す
るための核酸配列の利用。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
これらの実施例は説明のためのものであり、本発明を限
定するものと考えるべきではない。
実施例1 ヒトFcεR Iのアルファ・サブユニットに関するcDNAク
ローンの単離 Chirgwinら、Biochemistry、18,5294(1979)のグア
ニジウムイソチオシアネート法により、Kishi、Leukemi
a Research、9,381(1985)により記載されるFUB12細胞
からRNAを抽出し、Avivら、P.N.A.S. U.S.A.、69,1408
(1972)の方法に従って、ポリ(A)mRNAをオリゴ−dt
クロマトグラフィーにより単離した。cDNA合成は、Kine
tら,Biochemistry、26,2569(1987)による先の報告に
準じて行なった。生成したcDNA分子を、Youngら、Scien
ce、222,778(1983)の記載に準じて、EcoR Iリンカー
に連結し、制限酵素EcoR Iで消化し、サイズ分画し、λ
gt11 EcoR Iアームに連結した。λgt11 DNAを含むcDNA
挿入物を、バクテリオファージラムダ粒子に封入し、Y1
090上で増幅した。合計1.2×106個の独立したcDNAクロ
ーンを得た。cDNAライブラリーを、150mm2プレート上の
Y1090上にプレーティングし(プレート当たり105)、ニ
トロセルロースフィルターに移動させた。cDNAライブラ
リーのフィルターは、Kochanら、Cell、44,689(1986)
と同様に、ニックトランスレーションしたcDNA断片を用
いてその場でハイブリダイゼーションすることによりス
クリーニングした。ヌクレオチド119〜781に対応するラ
ットのFcεR IアルファcDNAから、cDNA断片を得た。陽
性プラークを同定、精製し、標準的な方法を用いて、pG
EMベクター(Promega Biotech,Madison,Wisconsin)内
にcDNA挿入物をサブクローン化した。制限酵素分析によ
りcDNA挿入物の制限地図を作成し、pGEMの誘導体内にサ
ブクローン化し、Promega Biotech(Madison,Wisconsi
n)から入手したGemSeq二本鎖DNA配列系プロトコールに
従った、Sangerら、P.N.A.S.,74,5463(1977)のジデオ
キシヌクレオチド法を用いてcDNA挿入物の配列を決定し
た。DNA配列は、cDNAクローンpLJ663(ヌクレオチド1
〜1151)の両鎖およびクローンpLJ587(ヌクレオチド65
8〜1198)の各末端の300bpについて決定した。2個のcD
NAクローンの間のDNA配列の差異は認められなかった。
ヒトFcεR IアルファcDNAの配列を、第1図およびSEQ
ID NO(配列番号):10に示す。ヒトFcεR Iアルファポ
リペプチドの推定アミノ酸配列を、ヌクレオチド107〜1
09のメチオニンで始まりヌクレオチド875〜877のアスパ
ラギンで終わるSEQ ID NO:11に示されるヌクレオチド配
列の下側に示す。推定された成熟N末端の部位は、von
Heijne、Eur.Journal of Biochem,137,17およびNucleic
Acid Research,14,4683(1986)によって記載された規
則に従って、ヌクレオチド182〜184のバリンと決定し
た。
これらの結果から、25アミノ酸のシグナルペプチドを
予測した。残りのcDNA配列から、ヒトFcεR Iアルファ
鎖には、2つの相同ドメインを有する約179〜224の残基
(25残基のうち14残基が同一である;残基80〜104およ
び163〜190)、20残基の膜貫通セグメント(残基205〜2
24)、および8個の塩基性アミノ酸を含む33残基の細胞
質ドメインが含まれていることが示唆される。全体とし
て、ヒトおよびラットのFcεR Iアルファ配列間には47
%の相同性があり、ヒトのFR Iアルファおよびマウスの
FcGRアルファの間には46%の相同性がある(図2および
SEQ ID NO.12〜14)。共通のアスパラギン酸残基を囲む
9個のアミノ酸が同一である膜貫通領域内で、相同性の
レベルが最大である。
実施例2 真核細胞中でのヒトFcεR Iアルファ完全形および可溶
性形の発現 ヒトFcεR Iアルファ鎖の組換えcDNAクローンを用い
て、これらのコード配列を適当な真核細胞発現ベクター
中に導入し、アルファ鎖の完全形および可溶性形の大量
合成を行なうことができる。表面発現の場合には、アル
ファサブユニットがベータまたはガンマサブユニットと
複合体形成することが必要となることがあるが、分泌形
のアルファサブユニットの真核細胞発現の場合には、そ
れが必要ないことがある。この目的に適するベクター
は、Cullen,(1987)Methods in Enzymology 152,Acade
mic Press,684で先に報告されたpBC12B Iである。完全
アルファ鎖をコードする発現ベクターの構築物は、次の
ようにして単離することができる(図3)。単一のBql
II−Sap I断片(ヌクレオチド65〜898)をpLJ663から単
離し、Bgl II末端をDNAポリメラーゼIクレノー(Kleno
w)断片で充填し、Hind III−BamH IまたはHind III−S
ma Iのいずれか一方で制限されているpBCl2B Iに連結す
る(この末端は、DNAポリメラーゼIクレノー断片で充
填することによって平滑化される)。2つの異なる構築
物を試みる理由は、前者には3′介在配列が含まれる
が、後者には含まれないためである。介在配列の有無
は、これらのベクターによりトランスフェクションされ
る細胞中で合成されるアルファ蛋白質の量に影響を与え
ることがある。可溶性形のアルファ鎖をコードする発現
ベクターの構築は、上述の発現ベクターのアルファ鎖中
のコード領域のヌクレオチド719〜721に終止コドンを導
入することにより達成される(pHA I、pHA II、第3
図)。これにより、推定される膜貫通領域および細胞質
領域が除去され、分泌可溶性形のヒトアルファ鎖が合成
される。終止コドンの導入は、Morinagaら、Bio.Tech.,
2,636(1984)により概説されると同様に、オリゴヌク
レオチド部位特異的突然変異の誘発により達成される。
オリゴヌクレオチドの配列は、5′AAGTACTGGCTATGATTT
TTTATCCCATTG 3′である(SEQ ID NO:1)。生成した発
現ベクターは、pHAS IおよびpHAS IIであり(第3
図)、これらは、アミノ酸1〜204に対応する切頭形の
アルファ蛋白質の合成を行なう。真核細胞中でこの蛋白
質が発現すると、アミノ酸残基26〜204を含む成熟IgE結
合蛋白質が合成される。
次に、G418またはメトトレキセート耐性などの選択可
能マーカーの存在下で、Cullen、(1987)、Methods in
Enzymology、Academic Press、NY 152:684で詳述され
たものなどの標準的な手法により、発現ベクターをCHO
またはCOSなどの適する真核細胞中に導入する。発現量
は、細胞に高薬量を導入することにより増幅することが
できるため、メトトレキセート耐性の選択可能マーカー
は付加的利点をもつ。蛋白質の合成は、これらの細胞へ
のヒトIgE(またはラットIgE)結合能を示すことにより
モニターされるし(完全アルファ鎖の場合)、または、
可溶性形のアルファ鎖の場合には、これらの細胞から分
泌された蛋白質は、ベータの有無によらずIgE結合能を
有することを示すことによりモニターされる。
実施例3 原核細胞中でのヒトFcεR Iアルファ可溶性形の発現 ヒトFcεR Iアルファ鎖の組換えcDNAクローンを用い
て、これらのコード配列を適当な原核発現ベクター中に
導入し、アルファ鎖由来の大量の可溶性(非膜結合)Ig
E結合ポリペプチドの合成を行なうことができる。この
目的に適するベクターは、Crowlら,Gene,38,31(1985)
によって記載されたpEV−1である。可溶性アルファ鎖
をコードする発現ベクターの構築物は、第4図に記載し
たようにして単離することができる。単一のMst II−Ss
p I断片(ヌクレオチド195〜898)をpLJ663から単離
し、Mst II末端をDNAポリメラーゼIクレノー断片で充
填し、EcoR Iで制限されるpEB−1に結合し、この末端
を、クレノーで充填する(第4図、pEVA)。成熟アルフ
ァ鎖のN末端は、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変
異の誘発により再構築される。オリゴヌクレオチドの配
列は、5′GAATTAATATGGTCCCTCAGAAACCTAAGGTCTCCTTG
3′(SEQ ID NO:2)である。この配列を発現ベクターpE
VAに導入すると、バリン−26(アルファ鎖の推定成熟N
末端)の隣にEV−1ベクターのメチオン残基が配列し、
後方にアミノ酸残基27〜204が配列する(pEVHA、第4
図)。可溶性形FcεR Iアルファの再構築は、オリゴヌ
クレオチド部位特異性突然変異の誘発により達成され
る。オリゴヌクレオチドの配列は、5′−AAGTACTGGCTA
TGATTTTTTATCCCATTG−3′(SEQ ID NO:3)である。こ
の配列を発現ベクターに導入すると、膜貫通領域の開始
直前で、ポリペプチド合成が終結する。このように、発
現ベクターpEVHASによりコードされた蛋白質は、アミノ
酸残基26〜204に対応する可溶性形アルファ鎖の合成を
忠実に行なうはずである。その後、この発現ベクター
を、適する宿主中に形質転換させる。
実施例4 FcεR Iのベータ・サブユニットのペプチド類の単離お
よび配列分析 無傷のβ鎖を配列決定する試みに繰り返し失敗したた
め、トリプシン消化物からペプチドを単離した。ポリア
クリルアミドゲルから電気的に溶出したβサブユニット
を、報告のようにして調製した(Alcarazら、(1987)B
iochemistry、26:2569−2575)。トリプシン消化ペプチ
ドは、高速液体クロマトグラフィーで分離し、前述のよ
うに配列決定した(Kinetら、(1987)Biochemistry、2
6:4605−4610)。最初の消化物から単離したペプチド
(no.1)は、配列(SEQ ID NO:4)Tyr−Glu−Glu−Leu
−His−Val−Tyr−Ser−Pro−Ile−Tyr−Ser−Ala−Leu
−Glu−Asp−Thrを有していた。後の消化物には、同じ
ペプチドに、NH2末端でロイシンの追加およびCOOH末端
でアルギニンの追加が認められた。それぞれかなりの収
率で単離された、他の3個のペプチドの配列を、図面に
示す。
実施例5 FcεR IのベータサブユニットのcDNAクローンのクロー
ニングおよび配列決定 グアニジウムイソチオシアネート法(Chirgwinら(19
79)Biochemistry、18:5294−5299)により、ラットの
好塩基球性白血病(RBL)細胞から抽出したRNAを、オリ
ゴ(dT)−セルロースカラム上で分画し(Maniatisら
(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Col
d Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NY))、pU
C−9およびλgt11ライブラリーの構築に用いた(Mania
tisら(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual
(Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NY);
YoungおよびDavies(1983)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
80:1194−1198)。ペプチド1について得られた最初の
配列を用いて、2種の26merのオリゴヌクレオチド(各
々32倍の縮重)すなわ5′−GGIGA(A/G)TA(G/C)ACA
TGIA(A/G)(C/T)TC(C/T)TCATA−3′(SEQ ID NO:
5)および5′−GGICT(A/G)TA(G/C)ACATGIA(A/G)
(C/T)TC(C/T)TCATA 3′(SEQ ID NO:6)を構築し
た。RBL細胞のmRNAから構築したλgt11ライブラリー
を、これらの15個のオリゴヌクレオチドの1:1混合物を
用いてスクリーニングした。コロニーは、モデル380A自
動DNA合成装置(Applied Biosystems,Foster City CA)
で調製したオリゴヌクレオチドを用いて、Kinetら、(1
987),Biochemistry,26:4605−4610のようにしてスクリ
ーニングした。6個の陽性クローンには、同様な制限パ
ターンが認められた。cDNA挿入物を、pGEM−4またはpG
EM−3Z中にサブクローン化し、得られた二本鎖DNAを、
供給者(Promega Biotec,Madison,WI)により推奨され
た方法に従って、GemseqRT配列決定系をいて配列決定し
た。この方法により先に配列決定された領域に対応する
20merのオリゴヌクレオチドを1プライマーとして使用
し、別の方法では得ることが困難な重複配列を生成し
た。いくつかの例では、供給者(United States Bioche
mical,Cleveland)により推奨されたように、Sequenase
を用いてDNA配列決定を行なった。最長の挿入物を含む
クローンは、第5図の上部に示される戦略に従って配列
決定した。この配列は、246または243残基のポリペプチ
ドをそれぞれ生成するヌクレオチド46〜48および55〜57
に開始コドンをおそらくもつことを予測させる(第6A図
およびSEQ ID NO:22)。約27,000と予測したMrは、ポリ
アクリルアミドゲルで分析すると、βサブユニットの見
かけの分子量より約20%小さい(HolowkaおよびMetzger
(1982)Mol.Immunol.19:219−227)。さらに、フレー
ム内停止コドンは、明らかに開始コドンの上流にはなか
った。真の開始コドンがずっと5′側にある可能性を否
定するため、制限断片(ヌクレオチド7〜474)および
合成オリゴヌクレオチドプローブ(ヌクレオチド3〜3
2)でcDNAライブラリーを再スクリーニングした。さら
に28個のクローンを単離し、それらの制限パターンを調
べた。20個は、元のクローンと同様であった。5′末端
の6個のヌクレオチド(ヌクレオチド1〜6、第6A図)
のみを同定した。6個のクローンで早期の終結が認めら
れ、その他の点では、ヌクレオチド375を経る同一配列
を有していた(第6B図およびSEQ ID NO:24)。1個の2.
4kbクローンは、アデニンで置換されたシチジン473を有
していた。この置換により、Pst I部位が破壊され、ヌ
クレオチド470に新たにCla I部位が生成される。またこ
れにより、Ala−140がAsp−140になる(第6A図)。
最終的に、1個のクローンが、5′方向に約350塩基
対(bp)を伸長した。第6A図に示す配列の接合部は、
(SEQ ID NO:7)AATAAAACAAAAAAAAAAAAATGで、先の配列
のヌクレオチド8および9に対応する新たに生成したAT
Gの最新の2個のヌクレオチドである。このクローン
は、単に2個の独立したcDNAが結合して生じたと考えら
れる。pUC−9ライブラリーのスクリーニングにより、
3個のクローンが認められた。しかし、これらのどの配
列も、ヌクレオチド84以降で5′を伸長しなかった。
実施例6 RNAトランスファーブロッティング Pst I断片プローブ(ヌクレオチド1〜474)を用いて
厳密さの高い条件下で、RNAトランスファーブロッティ
ングを行なった。30マイクログラムの全RNAを、2%ホ
ルムアルデヒドを含む1%アガロースゲル上で泳動し、
ニトロセルロースフィルターにブロットした(Maniatis
ら(1982)Molecular Cloning:A laboratory Manual(C
old Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NY))。
このフィルターを、報告のように(Maniatisら(1982)
Molecular Cloning:A laboratory Manual(Cold Spring
Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NY)、βcDNAの制限
断片(ヌクレオチド1〜474)とハイブリダイズし、65
℃で15mM NaCl/1.5mMクエン酸ナトリウムで洗浄した。R
BL細胞から、上部バンドが下部バンドの約2倍の強さを
有する約2.7kbおよび1.75kbの2つの主なバンドが得ら
れた。1.2kbの微量バンドも認められた。高親和性のIgE
レセプタを発現しない種々の細胞では、陰性の結果が得
られた。このような細胞は、ラットの下垂体細胞系GH3
(American Type Culture Collection no.CCL82.1)、
ラットのグリア細胞系C6(no.CCL107)、マウスのライ
ディヒ細胞系1−10(no.CCL83)、および、特に、マウ
スの単球系J774(no.T1B67)およびラットのリンパ腫
“NTD"(Riveraら、(1988)Mol.Immunol.)である。
実施例7 生体外(in vitro)転写および翻訳 βサブユニットおよびその種々の突然変異形または切
頭形に対応するcDNAを、pGEN−4またはpGEM−3Z転写体
イオンベクター(Promega Biotec)のいずれか一方中に
サブクローン化した。Pst I部位を含むβクローンは、T
7 RNAポリメラーゼで生体外転写した。無標識RNAは、供
給者により推奨されたようにしてSP6またはT7ポリメラ
ーゼのいずれか一方を用いて合成した。キャッピング反
応は、報告のように行なった(Contrerasら、(1982)N
ucleic Acids Res.10:6353−6362)。RNase非含有のDNa
se Iで鋳型を消化した後さらに、フェノール/クロロホ
ルムで抽出し、エタノールで3回沈殿させて精製した。
次に、供給者(Promega Biotec)により推奨されたよう
に、[35S]メチオニンの存在下で、ウサギ網状赤血球
の小球菌ヌクレアーゼ処理溶解物でRNAを翻訳した。翻
訳生成物を、1ml当たりアプロチニン30μl、1ml当たり
フェニルメチルスルホニルフルオライド175μg、1ml当
たりロイペプチン10μg、および1ml当たりペプスタチ
ン5μgを含むホウ酸塩緩衝塩水(pH8)中の洗剤{3
−[3−(コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−
1−プロパンスルホン酸塩20mMで1:1希釈し、報告され
ているように(Riveraら、(1988)Mol.Immunol.)モノ
クローナル抗体を用いて免疫沈降した。分画されなかっ
た翻訳物質では、RNAが除かれたか又は代替RNA(brome
モザイクウィルス)と置換かれた対照に比べ、Mr32,000
で主要成分が認められた。
抗体の単離は、次のようにして行なった。所期の制限
断片を含む発現ベクターで形質転換したEscherichia co
li(Crowlら(1985)Gene 38:31−38;Portnoyら(198
6)J.Biol.Chem.261:14697−14703)を培養、誘導し、
組換え蛋白に富む画分を、報告のように調製した(Port
noyら(1986)J.Biol.Chem.261:14697−14703)。硫酸
ドデシルナトリウム(NaDodSO4)中ポリアクリルアミド
ゲルで分離後、形質転換体特異的蛋白質を溶出し、これ
を用いてウサギを免疫した。蛋白質約100μgを完全フ
ロイントアジュバントに加え、注射した。この後、不完
全アジュバント中の蛋白質25μgをブースター注射し
た。モノクローナル抗β抗体mAbβ(JRX)およびmAbβ
(NB)(後者は、David Halowka,コーネル大学から入手
した)の単離および特性については、報告されている
(Riveraら(1988)Mol.Immunol.25:647−661)。
モノクローナル抗β抗体mAbβ(JRK)およびmAbβ(N
B)(Riveraら(1988)Mol.Immunol.)(第7A図、レー
ン2および3)は、無関連な抗体(レーン5)ではない
が、放射性物質を沈降させ、NaDodSO4中ポリアクリルア
ミドゲル上でMr32000の主要バンドを示した。このバン
ドは、標識RBL細胞の抽出物由来のmAbβ(JRK)によっ
て沈降する二重線の上部バンドと同じ移動度を有してい
た(レーン1)。再形成を試みたときにはよく分からな
かったが、オートラジオグラムから、in vitro合成され
た物質はまた、in vivo合成されたO鎖で認められた低
分子量の成分を含むことも認められた。in vitro合成蛋
白質の移動度は、βサブユニットで先に認められたよう
に、還元によって不変っであった。(最初のATGコドン
を欠く)C1a部位を含むクローンは、ゲル上での移動度
がPst I部位を含むクローンの移動度と区別のつかない
蛋白質を合成した。一方、新たに生成したATG(上述)
を含む異常クローンは、見かけのMrが33,500のやや大き
な蛋白質の合成を誘導した。βサブユニットのNH2末端
の21個のアミノ酸をコードする転写体のin vitro翻訳に
より、mAb β(JRK)によって沈降可能な生成物が得ら
れた(第7B図)。
実施例8 E.coli中でのFcεR Iのベータサブユニットの発現 2個のHinf I断片(Aはヌクレオチド106−498;Bはヌ
クレオチド499−787)を、E.coli発現ベクター中に別個
にサブクローン化し、誘導培養物から抽出物を調製し
た。1つのイムノブロッティング実験の結果を、第7C図
に示す。Hinf I断片Bを含むベクターで形質転換したバ
クテリアから抽出した物質には、mAbβ(NB)とは反応
するがmAbβ(JRK)とは反応しないMr14,000の成分が認
められた(第7C図、レーン3)。NH2末端Hinf I断片A
(残基17〜148)含む形質転換体からの抽出物は、どの
抗体とも反応しなかった(上述と比較)。断片Aにより
生成されたウサギ抗体は、2個のモノクローナル抗β抗
体が反応し(第7D図、レーン1〜3)、RBL細胞の分画
されなかった洗剤抽出物由来の無傷の125I標識IgEレセ
プタ複合体を定量的に沈降させた位置で、精製レセプタ
とイムノブロット上で反応した。
実施例9 生合成的取込み 標識アミノ酸および単糖類の生合成的取込みを、報告
のように行なった(Perez−Montfortら(1983)Biochem
istry 27:5722−5728)。IgEレセプタ複合体のゲル上お
よびイムノブロッティングによる精製および分析もま
た、報告のように行なった(Riveraら(1988)Mol.Immu
nol.)。
区別できるように標識した2個の異なるアミノ酸の生
合成的取込み法を用いて、レセプタのサブユニット中の
それらの比(表1、右側)を測定した。互いに異なる4
個のアミノ酸の比は、βcDNAクローンから予測した比と
うまく一致した(表1、右側、カラム1〜3)。βサブ
ユニットのcDNAは、グリコシル化部位が3か所考えられ
るため、(3H)マンノースおよび(35S)システインを
用いた二重標識実験も行なった。αサブユニットについ
て報告された炭水化物比較データに基づき、かつcDNAか
ら予測したこの鎖のペプチド分子量に基づきこれらのデ
ータを修正して、αサブユニットが、1モル当たりマン
ノース約20モルを含むと計算した。したがって、二重標
識実験からβサブユニット中のマンノース/システイン
比を決定することができる。この結果は単に、システイ
ン0.05モル/モルまたはβサブユニット0.3モル/モル
を示した(表1、右側、カラム4)。
実施例10 配列の特性 単離したcDNAが、βサブユニットをコードする証拠は
十分にある。(i)cDNAのin vitro転写および誘導mRNA
の翻訳により、ゲル電気泳動での見かけの分子量が、真
のβ鎖の分子量と区別できない蛋白質が得られる(第7A
図)。(ii)cDNAにより、β鎖のトリプシン消化物から
単離した4個のペプチドの配列(第6A図およびSEQ ID N
O:22)および直接分析や生合成的取込みとうまく一致す
る組成(表I)が正確に予測される。(iii)βサブユ
ニット上に離散するエピトープと反応する2個のモノク
ローナル抗体(Riveraら(1988)Mol.Immunol.)は、ク
ローン化したcDNAからin vitro合成した蛋白質を沈降さ
せ(図7A)、それらのうち1個は、E.Coli中で発現した
蛋白質の断片と反応する(第7C図)。(iv)E.Coli形質
転換体により合成されたβサブユニットの断片に対する
ポリクローナル抗体は、イムノブロット上のβ鎖(第7D
図)および溶液中のIgEレセプタ複合体と反応する。
クローン化したcDNA(クローン1)の5′末端のヌク
レオチド配列は、オープンリーディングフレームの開始
部位をそれ自体では明白には規定していない。予定の開
始コドンに先行するリーダー配列も、“フレーム内(in
frame)”停止コードンもない。さらに、cDNAから推定
された分子量(Mr27,000)は、βサブユニットが糖鎖形
成されていないにもかかわらず、NaDodSO4ゲル上で認め
られた分子量(Mr32,000)よりかなり低い。したがっ
て、開始コドンが失われたと考えることができる。にも
かかわらず、データを集約すると、βサブユニットの完
全コード配列が回収されたという証拠が強く示された。
(i)さらに伸長した5′配列を用いて、2個の別々の
ライブラリーのいずれか一方でcDNAを明らかにする多く
の試みは失敗した。(ii)5′伸長試験により生成した
主な物質種は、我々のほとんどのクローンが開始した位
置で正確に終結した。(iii)5′末端の2番目のATGコ
ドンは、既知の開示部位のコンセンサスは特性に合致す
る(Kozak(1987)Nucleic Acids Res.15:8125−814
8)。このコドンの前に5′付近のATGコドンがあること
はまれだが、全くないというわけではなく(Kozak(198
7)Nucleic Acids Res.15:8125−8148)、ヒトαサブユ
ニットで認められている(Shimizuら(1988)Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 85:1907−1911;Kochanら(1988)Nucle
ic Acids Res.16:3584)。(iv)すでに言及したよう
に、2番目のATGコドンのみを含むcDNAから転写したmRN
Aをin vitro翻訳すると、真のβ鎖と長さにおいて区別
できないポリペプチドが得られる。予定の開始コドンに
対し開始コドン48ヌクレオチド5′を含む異常クローン
は、βサブユニットよりも適切に大きい見かけと分子量
を持つポリペプチドをin vitro合成した。したがって、
真のβ鎖とクローン1からin vitro合成された蛋白質と
の間の見かけの分子量を対応させることは、意味があ
る。RNAトランスファーブロッティングデータから、約
2.7KbのmRNAが認められ、これは約200ヌクレオチドのポ
リ(A)尾部を示す。配列決定(第6図)されたcDNAか
ら正確に予想された。以下の議論では、β鎖が、2番目
のATGによりコードされたメチオニン残基で始まり、し
たがって、残基長さ243であると仮定する。
分析した37個のクローンのうち、Cla I制限部位を含
むクローンは1個のみ認められた。このクローンは、ク
ローニングの間に単一の塩基突然変異により生じたと考
えられ、通常生成するmRNAとは考えられない。逆に、欠
損配列を示す6個のクローン(第B6図)が認められ、真
のmRNA種を反映すると考えられる。翻訳した場合には、
単一の膜貫通セグメントのみを持つMr14,000の蛋白質を
コードすることになる。
βサブユニットの配列には、残基5、151および154に
N結合グリコシル化する可能性のある部位が含まれる。
しかし、過去および最新の取込みに関するデータによる
と、βサブユニット中に炭水化物が存在する証拠は全く
認められていない(Perez−Montfortら(1983)Biochem
istry 27:5722−5728;HolowkaおよびMetzger(1982)Mo
l.Immunol.19:219−227;および表I)。この配列には、
先に報告された配列、特にFcレセプタまたはFc結合因子
に関連する配列と異なる特徴または相同性は認められな
い。
ヒドロパシー(hydropathicity)分析により、βサブ
ユニットが4回形質膜を貫通していることが分かる(第
8図)。したがって、親水性のNH2およびCOOH末端は、
膜の同じ側にあることになる。βcDNAの断片の発現によ
り、mAbβ(NB)はアミノ酸残基149〜243以内で反応し
(第7C図)、mAbβ(JRK)は残基1〜21を含む断片と反
応する(第7B図)ことがわかる。どの抗体も無傷の細胞
とあまり反応しないが、両者とも音波処理細胞と強く反
応するため、結果を合わせると、NH2およびCOOH末端が
形質膜の細胞質側にあることと一致する。
β鎖は、膜に結合していると蛋白分解に耐性であるMr
20,000の“β,"ドメインを含むことが、初期の研究で示
唆されていた(HolowkaおよびMetzger(1982)Mol.Immu
nol.19:219−227)。この部分はまた、二重層内標識試
薬によって修飾されるそれら残基を含み(Holowkaおよ
びMetzger(1982)Mol.Immunol.19:219−227;Holowkaら
(1981)Nature(London)289:806−808)、化学架橋試
薬を使用するとβおよび/又はγサブユニットに結合し
(HolowkaおよびMetzger(1982)Mol.Immunol.19:219−
227)、βおよびγ2,サブユニット間の自発的ジスルフ
ィド結合が起こるとγサブユニットに結合する(Kinet
ら(1983)Biochemistry 22:5729−5732)。残りの“β
2,"は、その場でリン酸化されるセリン残基を含んでい
ると考えられているが(Perez−montfortら(1983)Bio
chemistry 22:5733−5737;QuartoおよびMetzger(198
6)Mol.Immunol.23:1215−1223)、別個の断片であると
は明確に同定されていない。βサブユニットのcDNAによ
り推定される配列から、NH2末端の59残基またはCOOH末
端の44残基のいずれか一方の一部もしくは全部、または
両者の一部もしくは全部が、切断され、β1断片を生成
することが示唆される。
実施例11 同時トランスフェクション実験 一時的発現用のベクターを用いてCOS 7細胞中で、α
およびβサブユニットの完全長のコード配列を同時トラ
ンスフェクションした。IgE結合部位は、トランスフェ
クションした細胞の表面で発現しなかった。
マクロファージ上のIgEに低親和性のレセプタの研究
から、IgE結合部分に化学的に架橋可能で、高親和性レ
セプタのβサブユニットと同様の見かけの分子量を持つ
成分が明らかとなった(FinoloomおよびMetzger(198
3)J.Immunol.130:1489−1491)。蛋白質分解酵素消化
によりこの成分から生成したペプチドは、βサブユニッ
トから放出されたものとは異なると思われたが、他のFc
レセプタにも、これまで検出されていなかったβ様サブ
ユニットが含まれている可能性が高まった(Riveraら
(1988)Mol.Immunol.)。これに関する証拠は、厳密さ
の高い条件下で行なわれたRNAトランスファーブロット
実験からも得られなかった。特に、J774細胞には、Fcγ
レセプタが含まれていることが知られているが、このFc
γレセプタの免疫グロブリン結合鎖は、IgEに高親和性
のレセプタのα鎖との相同性がかなり認められる(Kine
tら(1987)Biochemistry 26:4605−4610)。しかし、
使用した方法により、β鎖のmRNAを検出することは可能
ではなかった。同様に、NTDリンパ腫細胞は、たとえそ
れらの細胞がFcγレセプタを有しているとしても、否定
的結果を与えたし、また、イムノブロット上でmAbβ(J
RK)と反応する低分子量成分を示した。
実施例12 FcεR Iのガンマサブユニットのペプチド類の単離およ
び配列分析 G.Alcarazら、Biochemistry 26:2569−2575(1987)
で報告のように、TNP−リシンビーズを用いた親和性ク
ロマトグラフィーにより、FcεR Iを精製した。臭化シ
アンによりモノクローナル抗β(JRK)に結合したSepha
rose 4Bビーズに、溶出液をアプライした(J.Rivera
ら、Mol.Immunol.25:647−661(1988))。pH8のホウ酸
塩緩衝塩水中2mM CHAPSでビーズを洗浄後、0.1%ドデシ
ル硫酸ナトリウム、リン酸塩緩衝塩水(pH6.5)で、65
℃で結合物質を溶出した。次に、FcεR I由来のサブユ
ニットをHPLCサイズクロマトグラフィーで分離し、βお
よびγ含有断片を回収し、還元し、アルキル化しおよび
トリプシンで消化した(J.−P.Kinetら、Biochemistry
26:4605−4610(1987))。生じたペプチドを、J.−P.K
inetら、Biochemistry 26:4605−4610(1987)の報告の
ように、HPLC逆相クロマトグラフィーで分離した。βお
よびγ消化物のクロマトグラムを比較して、重複してい
ないqペプチドを配列決定した(J.−P.Kinetら、Bioch
emistry 26:4605−4610(1987))。
実施例13 FcεR IのガンマサブユニットのcDNAクローンのクロー
ニングおよび配列決定 ペプチド3(SEQ ID NO:27の残基41〜47)およびペプ
チド4(SEQ ID NO:27の残基54〜62)の配列に従って、
オリゴヌクレオチドプローブを合成した。配列は、GA
(A/G)AA(A/G)TCIGA(T/C)GCTCTCTA(SEQ ID NO:
8)およびAA(T/C)CA(A/G)GA(A/G)ACITA(T/C)GA
(A/G)ACI(T/C)TIAA(SEQ ID NO:9)である。陽性ク
ローンを精製し、サブクローン化し、配列決定するた
め、λgt11ライブラリーのスクリーニングに使用した方
法は、当技術分野で周知である(J.−P.Kinetら、Bioch
emistry 26:4605−4610(1987))。また、ペプチド3
およびペプチド4は、ペプチド合成装置ABI 431Aを用い
て合成した。合成ペプチドの純度は、HPLC逆相クロマト
グラフィー、アミノ酸組成および質量スペクトル分析に
より評価した。ペプチドは、m−マレイミドベンゾイル
−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを用いてオボ
アルブミンに(F.T.Liuら、Biochemistry 18:690−697
(1979))モル比5:1で結合させるか、臭化シアンでSep
harose 4Bに結合させるかのいずれか一方とした。ウサ
ギを、オボアルブミン結合ペプチドで免疫し、抗血清を
収集し、抗ペプチド抗体をSepharose 4B結合ペプチドを
用いた親和性クロマトグラフィーにより精製した。抗ペ
プチド抗体は、ウエスタンブロッティング法によりFcε
R Iのγサブユニットとの反応性について、および125I
−IgEレセプタ複合体を免疫沈降する能力について試験
した(J.Riveraら,Mol.Immunol.25:647−661(198
8))。ラットのFcεR Iのγサブユニットのヌクレオチ
ド配列(SEQ ID NO:26)及びそれにより推定したアミノ
酸配列(SEQ ID NO:27)は、本発明の方法を用いて得た
が、これらを第9図に示す。
γサブユニットのcDNAを単離し特性を検討するため
に、FcεR IのサブユニットのcDNAを、オリゴヌクレオ
チドプローブを用いてラットの好塩基球性白血病(RB
L)細胞(J.−P.Kinetら、Biochemistry 26:4605−4610
(1987))から調製したλgt11ライブラリーから単離し
た。FcεR Iのγサブユニットのトリプシン消化物中
で、4個のペプチド配列を同定し、このペプチドのうち
2個を用いて、2個のオリゴヌクレオチドプローブを合
成した(第9図)。これらの2個のプローブで、ライブ
ラリーを2回スクリーニングし、重複するプラークを同
定した。3個の別個のプラークを精製し、サブクローン
化し、0.6ないし0.7キロ塩基(kb)の同様な挿入物が含
有されることが分かった。
第9図に、γcDNAの完全ヌクレオチド配列(SEQ ID N
O:26)、推定されたアミノ酸配列(SEQ ID NO:27)およ
び4個の先のトリプシン処理ペプチドの配列内の位置を
示す。配列の解析(第10C図)から、18残基のN末端疎
水性シグナルペプチドおよび、細胞質内ドメイン由来の
5残基の短い細胞外部分を分離する推定の膜貫通ドメイ
ンが示された。初期の試験で予測されたように、N末端
がプロセシングを受けたサブユニットには、2個のシス
テインが含まれるが、メチオニンおよびトリプトファン
は含まれない(G.Alcarazら、Biochemistry 26:2569−2
575(1987))。組成分析から、γサブユニットが1個
のヒスチジン残基を含む可能性があることが示唆され
た。(G.Alcarazら、Biochemistry 26:2569−2575(198
7))。しかし、35Sメチオニンおよび3Hヒスチジンを用
いたレセプタの生合成二重標識試験により、ヒスチジン
はレセプタ関連のγサブユニットに取込まれた形跡がな
いことが明白に示唆された。それぞれC末端からのヒス
チジンの6個の残基を予測する、3個の独立するクロー
ンに、オープンリーディングフレームが由来したため、
γサブユニットが、ヒスチジン含有セグメントを切るC
末端プロセシングを受けると考えられる。さらに、この
ヒスチジンの直前にあるペプチドが回収されたため(第
9図およびSEQ ID NO:26)、C末端セグメントは、Lys
63の後ろで切断されなければならない。したがって、完
全にプロセシングを受けたγの推定分子量は7139Daとな
り、ドデシル硫酸ナトリウム−尿素ゲル上で還元された
精製γに関して得られた値と良く一致する(G.Alcaraz
ら、Biochemistry 26:2569−2575(1987))。
γサブユニットのヘプタマーおよびノナマーペプチド
に対するポリクロナール抗ペプチド抗体を調製し、RBL
細胞のIgEレセプタ複合体との反応性を試験した。精製
した抗ペプチド抗体は両方とも、ウエスタンブロットア
ッセイで、部分精製したγサブユニットの非還元二量体
および還元単量体と反応した。さらに、両抗体とも、RB
L細胞の抽出物または部分精製したレセプターの調製物
のいずれかに由来するレセプタ結合125I−IgEを定量的
に沈降せさた。これらの結果を合わせて考えると、本発
明に従って単離したcDNAが、FcεR Iのγサブユニット
をコードすることは確実である。
実施例14 レセプタの発現 COS 7細胞表面上のレセプタの発現を達成するため
に、COS 7細胞中にトランスフェクションする前に、SV
40プロモーター促進発現ベクターpSVL中に、初めにα、
β、およびγのcDNAコード領域を別々にサブクローン化
した。一時的発現用ベクターpSVLのSma I部位中に、αc
DNAの810bp EcoR I−Sty I制限断片、βcDNAの965bp Ec
oR I−EcoR V制限断片およびγcDNAの300bp EcoR I−Dd
e I制限断片を、別々にサブクローン化した(Pharmaci
a,Uppsala,Sweden)。これらの制限断片には、個々に、
適するサブユニットの完全コード配列および非翻訳配列
の可変部分が含まれていた。外来配列のみが、初期リン
カーに属する開始EcoR I認識配列であった。次に、培養
したCOS 7サル腎細胞を、標準リン酸カルシウム沈殿法
により、DNA 40μlでトランスフェクションした(L.Da
visら、in Basic Methods in molecular Biology,ed,L.
Davis,Elsevier,New York(1986))。48時間後、IgEロ
ゼッティング(rosetting)分析により、トランスフェ
クションした細胞(第11図のパネルAおよびa)ならび
にRBL細胞(第11図のパネルCおよびD)をIgE結合の表
面発現について調査した。これらの細胞(5x106細胞/m
l)を、非特異的ラットIgEとともに(パネルBおよび
D)または非特異的ラットIgEなしで(パネルAおよび
C)30分間、次に、5μg/mlの抗DNP−IgEで、室温でイ
ンキュベートした(F.T.Liuら、J.Immunol.124:2728−2
736(1980))。次に、周知の方法によって、2,4,6−ト
リニトロベンゼンスルホン酸で修飾した雄ウシの赤血球
で、細胞をロゼッティングした(M.Rittenbergら、Pro
c.Soc.Exp.Biol.Med.132:575−581(1969))。結果を
第11図に示す。第11A図に、α、β、およびγサブユニ
ットで同時トランスフェクションした細胞により発現さ
れたIgE結合活性を示す。陽性対照として使用される、
事実上すべてのRBL細胞が、ロゼットを形成した(第11C
図)。細胞を、ヒトIgE(図示せず)ではなくラットのI
gE(第11B図および第11D図)とプレインキュベーション
することにより、ロゼットが完全に阻害された。これ
は、ラットFcεR Iに対する種特異性と一致した(A.Kul
czyckiら、J.Exp.Med.139:600−616(1974))。
IgE結合活性の表面発現に対する必要条件を調べるた
めに、表2に示すように、3個のサブユニットのcDNAの
組み合わせを変えて、細胞をトランスフェクションし
た。
FcεR Iの3個のサブユニットのcDNAの組み合わせを
変えて、COS 7細胞をトランスフェクションした(第11
図)。表2に示す各トランスフェクションのために、ロ
ゼッティング分析を行なった。ノーザンブロッティング
によるmRNAの評価は、1回のみ行なった(2×107細胞
上で)。表2中でアスタリスクの印で示した実験の細胞
に、阻害剤を添加した(50μg/mlの非特異的ラットIgE
を、特異的マウス抗DNP IgEを添加する30分前に細胞に
添加した)。
表2に、これまで述べたように行なったすべてのトラン
スフェクション実験から得たデータをまとめる。トラン
スフェクション実験の成功率は、α、β、およびγが同
時に同時トランスフェクションされる場合、IgE結合の5
0±2%発現を日常的に達成するようにデータを収集し
たため、改善された。
ノーザンブロッティングにより評価されたように、す
べての組み合わせで、トランスフェクションが成功した
が、ロゼット形成細胞は、完全な組合せのcDNAを同時に
トランスフェクションした後でのみ検出された。これら
の結果から、βおよびγサブユニットが、IgE結合αサ
ブユニットの表面発現に必要であることが示唆される。
さらに、完全に集合したレセプタのみが、形質膜に到達
することが示唆される。この現象はまた、他の系でも認
められ(M.McPhaulら、Proc.Natl,Acad.Sci.USA 83:886
3−8867(1986);Y.Minamiら、Proc.Natl,Acad.Sci.USA
84:2688−2692(1987))、一般には、ポリマー性膜蛋
白質に応用することができる。
αから、βおよびγ容易に解離することから(B.Rivn
ayら、Biochemistry 21:6922−6927(1982))、概念的
に、γ、およびβがFcεR Iのサブユニットまたは
“レセプタ関連”蛋白として考えられるかどうかについ
ての不確かさが持続的に高まっている。(後者の例は、
胸腺由来リンパ球上の抗原レセプタに関連するCD3複合
体である(H.Cleversら、Ann.Rev.Immunol.6:629−662
(1988))。たとえば、α、β、およびγの協調的生合
成および異化作用に基づくと、FcεR Iのサブユニット
モデルが有利である(R.Quartoら、Molec.Immunol.22:1
045−1052(1985))。本発明により得られたトランス
フェクション細胞に関する新規データから、αβγ2が
FcεR Iの最小構造であることの最も強力な証拠が提供
される。
テトラマーFcεR Iレセプタの本モデルを、第12図お
よびSEQ ID NO:28〜30に図示する。このモデルで、発現
レセプタを構成する589アミノ酸残基のそれぞれが、円
で示されている。図中、細胞の外側が上方になり、レセ
プタが包埋される形質膜が中間になり、および細胞の内
側が下方である。ポリペプチド鎖のそれぞれに(αはSE
Q ID NO:28、左側の鎖、βはSEQ ID NO:29、真中の鎖お
よび2本のγはSEQ ID NO:30、右側の鎖)、1個または
複数の膜貫通セグメントが含まれている。
α鎖(SEQ IDNO:28)には、2個の鎖内ジスルフィド
ループが含まれると考えられ、これらのループの配列は
免疫グロブリンとかなりの相同性を示している(J.P.Ki
netら、Biochemistry 26:4605(1987);A.Shimizuら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 5:1907(1988);J.kochanら、N
ucleic Acids Res.16:3584(1988))。このように、α
サブユニットは、免疫グロブリンスーパーファミリーの
別のメンバーである(A.Williamsら、Ann.Rev.immunol.
6:381(1988))。α鎖の細胞外および膜貫通セグメン
トは、IgGを結合するFcレセプタの免疫グロブリン結合
鎖とかなりの相同性を示すが(J.Ravetchら、Science 2
34:178(1986))、細胞内細胞質尾部は、全く異なって
いる。α鎖の細胞外部分に共有結合する炭水化物の残基
は、第12図に示されていない。N結合炭水化物について
は、7部位が考えられるが(J.P.Kinetら、Biochemistr
y 26:4605(1987);A.Shimizuら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 85:1907(1988))、その中のどれを細胞が実際に
使用するのかは、まだ決定されていない。研究から、炭
水化物は、この鎖によるIgEの結合に必須ではないこと
が分かる(B.Hempsteadら、J.Biol,Chem,256:10717(19
81))。β鎖(SEQ ID NO:29)には、4個の膜貫通セグ
メントが含まれ(J.P.Kinetら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 85:6483(1988))、モノクローナル抗体を用いた先
行の研究(J.P.Kinetら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:6
483(1988);J.Riveraら、Mol.Immunol.25:647(198
8))により、それぞれ59および43残基長を有するアミ
ノおよびカルボキシル末端が、形質膜の細胞質面から突
出していることが分かった。同様に、γ鎖(SEQ ID NO:
30)は、かなりの細胞内伸長を有するが、外側への露出
は非常に限定されている。
一般モデルによれば、個々のサブユニットの推定され
る膜貫通ドメインは、それらの個々のヒドロパシープロ
ットから予測した(第10図参照、図で、水への移動のた
めの、正味20kcal/molを越える自由エネルギーは、膜貫
通セグメントまたはリーダーペプチドを示唆している
(D.Engelmanら、Ann.Rev.Biophys.Chem.15:321−353
(1986))。これらのプロットから、α、β、および各
γのそれぞれに対し、1、4および1個の疎水性ドメイ
ンが示唆される(すなわち、完全レセプタに対し7個の
膜貫通領域)。G蛋白質と相互作用するレセプタファミ
リーのメンバーも、7個の膜貫通ドメインを含んでいる
(I.Herskowitzら、Cell 50:995−996(1987))。この
ファミリーには、βおよびαアドレナリン作動性、ムス
カリン様レセプタおよびロドプシンがある。FcεR Iと
これらのレセプタの間に、配列の相同性はないが、この
レセプタにより活性化される生化学的経路を少なくとも
幾分か説明するために、FcεR IとG蛋白質の間の相互
作用が仮定されていることは重要である(S.Cockcroft
ら、Nature 314:534−536(1985))。αおよびβサブ
ユニットのトポロジーは、特に、βサブユニットのCお
よびN末端部分の細胞質内局在について、J.P.Kinet
ら、Biochemistry 26:4605−4610(1987)およびA.Shim
izuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:1907−1911(198
8))で議論されている。第12図に示すように、γ二量
体のトポロジーを支持する2つの証拠がある:無傷の細
胞上ではなく裏打ち(inverted)した小胞上でγを酸化
的にヨウ素化することができ(D.holowkaら、J.Biol.Ch
em.259:3720−3728(1984))、また生体内で、γはト
レオニン残基上でリン酸化される(R.Quartoら、Mol.Im
munol.23:1215−1223(1986))。関連のある残基は、
γの推定した細胞質外小セグメントの中にいずれも存在
しないが、推定した細胞質尾部、すなわち、2個のチロ
シンと4個のトレオニン残基上にすべて存在する。
レセプタのトポロジーを調べる別の手段としては、G.
von Heijne,Biochem.Biophys.Acta 947:307−333(198
8)により提案されたように、3個のサブユニットの推
定した細胞外および細胞内セグメントについて塩基性残
基の相対的含量を分析することである。この著者は、塩
基性残基数/総残基数の比が、試験したセグメント長の
関数として変化することを見つけたが、一般に、膜蛋白
が転座した(細胞質外)セグメントよりも、未転座(細
胞質内)のセグメントにおいて実質的に高い、以下の表
3に、本モデルから計算した比と“既知の”膜蛋白に基
づき予測した比(G.von Heijne,Biochim.Biophys.Acta
947:307−333(1988))がよく対応することを示すが、
これにより、ここで示すトポロジーモデルが独立して支
持される。
このモデルにより、サブユニットの組織化に関するい
くつかの重要な特徴が明白になる。βおよびγ二量体
が、相互に作用し、洗剤溶液中では、相互に解離する前
に、αから1単位として解離し(J.Riveraら、Mol.Immu
nol.25:647−661(1988))、場合により、βおよびγ
二量体が互いにジスルフィド結合すると認められる(J.
P.Kinet,Biochemistry,22:5729−5732(1983))。この
結合を最も起こすと考えられる候補残基は、トポロジー
的に近いと予測されるγ−cys7およびβ−cys80であ
る。次に、少なくともγ−cys26残基が、γ二量体中で
ジスルフィド結合することが必要になる。レセプタの生
合成に関する予備的データから、αおよびβが相互に作
用することが示唆される。
FcεR Iの機能的特性は、いくつかのFcεRの特性と
ほぼ同様である。FcεRは、免疫グロブリンのFc領域の
相同セグメントに結合するように思われ(B.Helmら、Na
ture 331:180−183(1988);A,Duncanら、Nature 332:5
63−564(1988))、またレセプタ上の結合部位は、免
疫グロブリン様ドメインを有する相同性ポリペプチド上
にあることが分かっている(J.P.Kinetら、Biochemistr
y 26:4605−4610(1987);J.Ravetchら、Science 234:7
18−725(1986))。両タイプのレセプタを凝集して、
細胞の活性化を開始することが必要であり、試験する
と、後者には、ほぼ同様な第2メッセンジャーの生成が
含まれるようである(H.Metzgerら、Ann.Rev.Immunol.
4:419−470(1986);N.Hogg,Immunol.Today 9:185−187
(1988))。したがって、驚くべきことに、FcεR Iが
4個のポリペプチド鎖、7個の膜貫通セグメントおよび
5個の細胞質セグメントから構成されるが、FcεR Iは
さらに単純な構造、すなわち単独のα様サブユニットと
同様な機能を果たすように思われる。極端な場合は、Fc
εR IIIが膜貫通および細胞内セグメントでさえ喪失し
ているらしいという場合である(P.Selvarayら、Nature
333:565−567(1988);D.Simmonsら、Nature 333:568
−570(1988);T.Huizindaら、Nature 333:667−669(1
988))。Fcγレセプタの追加成分が、このように失わ
れる可能性があることが示唆された。あるいは、このよ
うな成分が、FR Iのβおよびγサブユニットであるより
も、レセプタが可溶化してより容易に喪失されるとも考
えられる(J.P.Kinetら、Biochemistry 24:4117−4124
(1985))。合理的な解釈は、このような仮説的は成分
が、βまたはγまたはその両方に相同であるとすること
である。後者の成分用の遺伝子プローブが入手きれば、
この可能性を深く探求することができるだろう。
本発明に従って達成されるIgE結合の発現に成功する
ことは、治療との関係において重要性を有している。Fc
εR Iによりトリガーされた肥満細胞および好塩基球を
脱顆粒すれば、多くのアレルギー症状を説明できる。こ
の疾患の発生率が高いことを考慮すると、IgE結合の特
異的阻害剤の発見により、多大な治療的利益が得られる
と期待される。このような阻害剤の開発は、ヒトIgEの
ヒトレセプタへの結合に関する実用的なin vitroアッセ
イ法がないことが障害となっていた。たとえば、IgE由
来ペプチドのその阻害能力に関する評価は、最近では、
皮膚試験により決定しなければならないが(B.Helmら、
Nature 331:180−183(1988))、煩雑で潜在的な危険
性のある方法である。
本発明は、トランスフェクションした齧歯動物レセプ
タの発現を達成するものであり、これによりヒトFcεR
Iを同様に発現できることが分かった。あるいは、現
在、ヒトαサブユニットをコードするcDNAのみが単離さ
れているため(A.Shimizuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
85:1907−1911(1988);J.Kochanら、Nucl.Acids Res.1
6:3584(1988))、齧歯動物βおよびγ鎖をコードする
cDNAで同時トランスフェクションして発現される得ると
予想される。
ヒトとラットのαサブユニットの比較を、以下の表4
に示す。
上記表から、ヒトとラットのアルファ鎖の全体的に相
同性は、約47%であるが、予測した膜貫通ドメインで
は、約70%の相同性を示した。実際に、膜貫通ドメイン
を詳細に調べると、完全に同一の連続する10残基の伸長
(stretch)がある。この連続残基の伸長を、表4中に
下線を引いて示した。
膜貫通セグメントは、β1およびγ鎖と最も相互作用
しやすいα鎖の領域であるため、トランスフェクション
した場合には、ラットのβおよびγ鎖の共に、ヒトα鎖
が発現されると予想された。このことから、本発明者
は、ヒトαおよびラットのβおよびγサブユニットを用
いて同時にトランスフェクションされたCOS細胞により
ヒトIgE結合を発現させることができることを証明し
た。もちろん、永久的にトランスフェクションされた細
胞系をもつことが有利であり、そのような細胞系に関し
ては、ここで開示されるIgEレセプタのサブユニットを
組み合わせて用いることが望まれるだろう。
実施例15 FcεR Iのベータサブユニットは肥満細胞中での発現に
必要である 第20図および第21図に、FcεR Iレセプタのサブユニ
ットをコードするcDNAの種々の組み合わせ物でトランス
フェクションされた細胞のFACS分析(IgE結合)から得
られた結果を示す。
第20図は、COS−7トランスフェクション細胞を示
す。
第21図は、KU812細胞(好塩基球細胞系)を示す。
使用したKU812細胞のクローンは、3個のサブユニッ
ト、アルファ、ベータ、ガンマのmRNAを発現するが、レ
セプタは、細胞表面上で自然には発現しない。
第20図に、COS−7細胞中へのヒトアルファおよびガ
ンマのトランスフェクションにより、トランスフェクタ
ントの表面でのアルファ−ガンマ複合体の発現に十分で
あることが確認された。また、これらの結果から、ヒト
ベータおよび非ラットベータが効率的にヒトアルファと
会合し、したがって、ラットベータがヒトベータに置換
できないことが分かった。
第21図に、KU812中へのアルファ−ガンマのトランス
フェクションにより、レセプタがほとんど発現しないこ
とを示している。発現の量は、ベータおよびガンマのト
ランスフェクション後に得られた量と同等である。した
がって、この量は、内在性アルファ(ベータおよびガン
マトランスフェクションに対し)または内在性ベータ
(アルファおよびガンマトランスフェクションに対し)
に帰因させることができる。これに反し、3個のcDNAの
同時トランスフェクション後の発現量は、かなり多い。
これらの結果から、結論として以下のことがわかる。
1. 肥満細胞および好塩基球において、レセプタの発現
量の調節は、線維芽細胞におけるものとは異なるようで
ある。
2. ヒト肥満細胞および好塩基球において、レセプタの
発現には、アルファ、ベータおよびガンマの存在が必要
であるが、トランスフェクションした線維芽細胞には、
ヒトアルファおよびガンマが十分にある。
実施例16 ヒトFceR I β遺伝子の単離、マッピングおよび配列決
定 ヒトβcDNAクローンを単離する初期の試みは、完全長
のラットおよびマウスのcDNAプローブでヒト肥満細胞cD
NAライブラリーをスクリーニングすることによるもので
あった。これらのプローブを放射標識して用い、7x105
個のコロニーをスクリーニングした。4個のクローンを
単離し、そのすべてに、ラットβcDNAと73%相同性の15
3bp挿入物が含まれていた。この挿入物の配列は、細胞
内ループおよび第3の膜貫通ドメインを含むβの一部分
に対応していた。これら4個の同一のクローンは、組換
えにより生成された単一のクローンのライブラリー増幅
の結果生じたと考えられる。さらに2個のライブラリー
をスクリーニングした。すなわち、別の肥満細胞cDNAラ
イブラリーおよび、好塩基球に富む白血球に由来するcD
NAライブラリーである。後者のライブラリーは、ヒトγ
cDNAクローンを単離するのにも使用された。合計107個
の独立したcDNAクローンを、マウスのプローブとオリゴ
ヌクレオチドのパネルおよび153bpのヒトβプローブを
用いてスクリーニングした。しかし、さらなるクローン
は、単離されなかった。
放射性標識した153bpのヒトプローブを用いて、ヒト
ゲノム白血球ライブラリーからの6x105個の独立したゲ
ノムクローンを引き続きスクリーニングし、平均サイズ
25bpの挿入物を含有する10個のクローンを単離した。こ
れらのクローンはすべて、ラットβをコードするγ配列
の初めと終りに対応する2個の20merオリゴヌクレオチ
ドプローブとハイブリダイズした。4個の異なる制限パ
ターンを、10個のクローンから得ることができた。しか
し、ラットのβコード配列の異なる領域を走査する種々
のオリゴヌクレオチドプローブを用いてサザンブロット
を行ない、この4個の制限パターンは、異なる遺伝子の
生成物ではないことが分かった。むしろ、そのクローン
から、β遺伝子にフランキングする配列の長さが異なる
ことが分かった。
さらにマッピングおよび配列決定して特性を検討する
ため、25kbの挿入物を含む1個のクローンを選択した。
第13図に示す制限マップは、制限エンドヌクレアーゼHi
nd III,Pst I,BamH I,Xba I,Sma IおよびKpn Iで完全お
よび不完全消化して作成した。3.2kbのHind III断片
は、開始コドン、およびラットβの膜貫通領域Iおよび
IIに対するオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイ
ズすることが分かった。2.8kbのSma I断片は、膜貫通ド
メインIIIおよびIVのラットβプローブとハイブリダイ
ズし、4.5kbのSma I断片は、停止コドン領域のプローブ
とハイブリダイズした。pGEM 3zf(+)または(−)中
に、3個の断片をサブクローン化し、完全に配列決定し
た(第14図およびSEQ ID NO:31)。Hind IIIと2.8kb Sm
a I断片の間の0.9kbギャップに対応する断片は、PCRに
より生成され、配列決定された。PCRを用いた分析か
ら、2個のSma I断片が互いに隣接することを確認し
た。
ヒトβ遺伝子とラットβcDNAの配列を比較すると(第
15図)、7個の相同領域が、7個の異なるエキソンに対
応するように局在していると考えられる。
実施例17 ヒトβcDNAコード配列の合成 エキソンの配列を確認し、イントロン−エキソンの境
界を規定するために、好塩基球に富む白血球から精製し
たRNAの逆転写によりヒトβcDNAを合成し、その後にポ
リメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて逆転写体を増幅し
た(本明細書の材料および方法で述べた)。これには、
開始コドンの前の2個のヌクレオチドから停止コドンの
後ろの32個のヌクレオチドまで伸長した生成物を使用し
た。cDNA配列は、ヒトβ遺伝子に対応する配列と同一で
あることが分かった。これにより、ヒトβのコード配列
は、7個のエキソン内に含まれることを確認した。さら
に、cDNAと遺伝子配列を比較し、イントロン−エキソン
の境界のコンセンサス配列を検出することにより、これ
らの境界を正確に決定することができた。6個の介在イ
ントロンの5′境界は、常にGTで始まり、3′境界はAG
で終わる。
実施例18 ヒトβ転写体の分析 5'及び3'非翻訳配列の長さを評価するため、ヒトβ転
写体の大きさを分析した。異なる個体より得られた好塩
基球に富む白血球からのRNAを、放射性標識された153bp
ヒトβプローブと、ノーザンブロッティング法によりハ
イブリダイズさせた(第16A図)。約3.9kbの2つの転写
体が、COS−7細胞中ではなくヒト好塩基球中で見出さ
れた。ヒト転写体は、クロスハイブリダイゼーションに
よりRBL細胞中に検出された齧歯動物の対応物(2.7及び
1.75kb)(Ra.1989,Kinet,1988)より実質的に長い。オ
リゴdTによりプライミングされた3種のライブラリーか
らのヒトβcDNAAプローブの単離を最初に失敗したこと
は、この長いサイズのためと説明づけることができる。
同様な結果が完全長のヒトβcDNを用いて得られた。ヒ
トαcDNAプローブと、同じRNAとのハイブリダイゼーシ
ョンによって、期待される大きさ(1.1kb)のα転写体
が明示された(第16B図)。異なった細胞系から得られ
たRNAもまた完全長のヒトβcDNAプローブとハイブリダ
イズした(第16c図)。ヒトβのメッセージは、U937、D
audi及びHela細胞中ではなく好塩基球細胞系KU812中に
おいてのみ検出された。スプライシングされていない転
写体に対応すると考えられる他のバンドがKU812中に見
られる。
732bpのオープンリーディングフレームと200bpと推定
されるポリA尾部とともに、ヒトβ転写体はほぼ3Kbの
非翻訳配列を含んでいるはずである。第15図は、第7番
目のエキソンにほとんどの非翻訳配列があることを示し
ている。3'または5'非翻訳配列にまだ同定されてはいな
いが更なるエキソンが存在する可能性についても探求し
た。
実施例19 A.(A)5′末端と転写開始部位の特性化 “実験操作法”において説明したように、転写開始部
位は、逆転写されたRNAのPCR増幅産物を直接配列決定す
ることにより決定された。好塩基球に富む白血球からの
RNAは、ヒトβコード配列のプライマーへから逆転写さ
れた。ポリA尾部が、ターミナルトランスフェラーゼで
処理することによって逆転写体に付加され、そしてその
結果得られたcDNAはPCRによって増幅された。次に、一
本鎖DNA(ポリdT尾部をもつ(+)鎖)が、非対称PCRに
より作製され、直接配列決定された。RNAの5'末端に対
応する(−)鎖のcDNA配列を第5A図に示し、β遺伝子の
関連配列と比較した。2つの配列間で、GGGTTの後の末
端は完全に一致している。その後のcDNA配列は、遺伝子
中には存在しないCを再現的に示し、その後に予想され
たポリA尾部が続いている。この付加的なCはキャップ
構造のGに対応し、開始部位の位置を示していると考え
られる。
5'伸長の実験(第17B図)により、この領域に主要な
開始部位があることが確認された(上述した位置の約11
ヌクレオチド3')。しかし、主要開始部位の上下に見ら
れるかすかなバンドが、マイナーな開始部位に相当する
という可能性を排除することは難しい。しかしながら、
5'配列に見出されたTATAAAボックスの存在は、単一の開
始部位の存在を示している。さらに、TATAAAボックスの
位置(通常開始部位)の25ヌクレオチド5')は、示され
るような開始部位の明確な位置づけと更に矛盾がない。
実際、TATAAAボックスは第17A図に示したようにこの
開始部位の上流のヌクレオチド29と24との間に位置して
いる。これとともに得られたデータは、ヒトβmRNAが配
列AACCCで始まることを示しており(第14図,SEQ ID N
o.31,及び第17A図参照)、102bpの5'非翻訳配列を有し
ている。
B.3'末端の特性化 ラットβcDNAとヒトβ細胞配列を比較(第15図)する
と、β遺伝子の第7エキソンが少なくともヌクレオチド
6773から少なくともヌクレオチド8910まで延びている事
が示される。しかし不加的な3'非翻訳配列(約800bp)
は3.9kb転写体を充分に説明するものと考えれるべきで
あった。消失した配列が第7エキソンの一部であったの
かまたは他の見つけられていないエキソンの一部であっ
たのかを分析するために、β遺伝子由来の3種のプロー
ブを調製して、それらとベータ転写体との反応性を試験
した。これらの転写体はノーザンブロット法でNsi I−B
amH I断片(ヌクレオチド8460−9250)およびBamH I−S
ph I断片(ヌクレオチド9250−9714)の両者とハイブリ
ッドしたが、Sph I側のフラグメント3'とはハイブリッ
ドしなかった。興味深いことに、2つのポリアデニル化
シグナルAATAAAはヌクレオチド9663ちと9758で認められ
た(第14図及びSEQID NO:31)。それゆえ、この領域は
エキソン7の末端に相当すると考えられる。両者のポリ
アデニル化シグナルは約3.9kbの明らかに二本鎖の転写
体を作るために使用可能なようである(第16図参照)。
実施例20 ヒトβ遺伝子の構成 全て合わせると、ここに示したデータは、ヒトβ遺伝
子は7つのエキソンと6つのイントロン及び約10kbのス
パンを含むことを示している。エキソン1は、102bpの
5'非翻訳配列とN末端細胞質尾部の最初の18アミノ酸残
基とをコードする。エキソン2は細胞質尾部の残りとTM
1の最初の3残基とをコードする。エキソン3はTM1の残
りと、最初の細胞外ループと、TM2の最初の半分をコー
ドする。エキソン4はTM2の後の半分と細胞質ループの
一部とをコードする。エキソン5は細胞質ループの最後
の3つの残基と、TM3と、第2の細胞外ループのほとん
どをコードする。エキソン6は細胞外ループの最後の2
つの残基と、TM4と、C末端細胞質尾部の最初の4分の
1をコードする。最後に、エキソン7は細胞質尾部の残
りと長い非翻訳3'配列をコードする。
実施例21 ヒトβ蛋白質 ヒトβ蛋白質は244アミノ酸(aa)残基から成り、分
子量は26、532ダルトンである(第18図)。ラット(243
aa)及びマウスβ(236aa)と同様に、ヒトβは膜貫通
ドメイン(TM)を暗示させる4つの疎水性セグメントを
含んでおり、リーダーペプチドは含んでいない。第19図
はラット配列(SEQ ID NO:33)及びマウス(SEQ ID NO:
34)配列とともにヒト配列(SEQ ID NO:32)を示してい
る。3種(ラット、マウス及びヒト)からのβのコンセ
ンサス配列は、68.7%が同一であるけれども、アミノ酸
残基の91.4%が相同であることを示している。
実施例22 COS−7細胞中のトランスフェクション:ヒト及びハイ
ブリッドFcεR Iレセプタの発現 α、β及びγcDNAの同時トランスフェクションは、ト
ランスフェクトされたCOS−7細胞表面上においてラッ
トまたはマウスのFcεR I発現の促進のために必要なこ
とが分かった。対照的に、ヒトα及びβcDNAの同時トラ
ンスフェクションは、γを明らかに必要とせずにαγ複
合体を表面上に発現する。ヒトγcDNAの入手容易性と共
に、ヒトβがヒトレセプタ複合体の表面発現の効率に何
らかの形で影響を及ぼすかどうかという疑問が生じる。
表5は、COS−7細胞中へのヒトα及びγcDNAの同時ト
ランスフェクションの結果、フルオレセイン結合IgEの
結合後にFACSにより分析すると、細胞の10.4%±8.7が
蛍光を発するということを示している。このレベルの発
現は、ヒトβcDNAがヒトα及びγcDNAで同時トランスフ
ェクションされる時には、さほど改変されない(8.3%
±5.0)。それゆえ、ヒトβはトランスフェクトされたC
OS−7細胞中でヒトFcεR Iの表面発現レベルに影響を
与えるとは思われない。ラットβまたはヒトβを置換す
ると、発現レベルは減少する(5.4%±3.4)。
ラットβをヒトβと置換する効果を分析した。ラット
α、β、γcDNAの同時トランスフェクションの結果、ラ
ットα、γとヒトβとの同時トランスフェクション(2.
4%±2.0)より発現レベルがはるかに高くなる(18.0%
±17.8)(統計的スチューデントt=2.75;p≦0.01
4)。同様にマウスα、β、γcDNAの同時トランスフェ
クション(8.2%±5.6)は、マウスα、γとヒトβとの
同時トランスフェクション(1.6%±1.2)よりも効果的
である(統計的スチューデントt=2.91;p≦0.019)。
ラットγまたはマウスγをヒトγで置換しても発現が回
復されないために(2.4%と1.8%との比較及び1.6%と
1.5%の比較)、ヒトβ−ラットα相互作用またはヒト
β−マウスα相互作用に発現の問題が存在するように思
われる。
ラットγの細胞質尾部の先端を切除すると、トランス
フェクタントにおけるヒトαの表面発現が妨げられるこ
とが知られている(Varni−Blank,1990)。これらの条
件下ヒトβがヒトαの表面発現を完全に補うかどうかと
いう疑問があった。ヒトαと切頭型ラットγとの同時ト
ランスフェクションは、ほんのわずかしかαγ複合体の
表面発現を可能にしないことが確認された(1.4%±1.
0)。ヒトβが後者の組み合わせで同時トランスフェク
ションされた時、発現の増加がある(7.4%±7.3,n=
7)。しかしながら、7回の実験中異常な一点を除く
と、この増加が重要であるとはいえない(p≦0.03
5)。同様な増加は、ヒトβをラットβで置換しても見
られない(3.2%±2.8)が、これは、ヒトαとβとの間
の相互作用に特別の点があり得ることを示唆している。
切頭型ラットγを用いた他の実験において、ヒトβはラ
ットαとの相互作用においてラットβと置換されること
はできないことが見いだされた(9.3%±0.6と0.4%±
0.4を比較、t=13.0;p≦0.006)。全てをまとめると、
これらのデータは、ヒトβがラットβとよりもヒトαと
より効果的に相互作用する傾向にあることを示してい
る。対照的に、ラットβとラットα間またはマウスβと
マウスα間の相互作用において強い種特異性がある。
ヒトαγ複合体はトランスフェクトされた細胞表面上
で発現され得る。更に、ヒトα、γとラットβとの同時
トランスフェクションでは、レセプタの20%だけがαβ
γ複合体となり、残りの80%はαγ複合体となる。それ
ゆえ、αγ複合体が自然に生じることは理論上可能であ
る。しかしながら、ヒトβとαとの間の相互作用の種特
異性(上記参照)の点で、ヒトα及びγとラットβとの
同時トランスフェクションから得られた先述の結果は、
in vivo状態が異なっている可能性のあることを示唆し
ている。
勿論、これらの遺伝学的結果は分析以上に後者が同様
に重要であることを提供している。加えて、特異的変異
を通して、重要な結合領域に関して更なる情報が得られ
るであろう。この情報を使うことにより、合理的なドラ
ッグデザインが可能になっていくものと期待される。更
に、レセプタ自身の機能を遮断することが可能になるこ
とも期待され、このことは即ち、リセプタの活性化を引
き起こす初期の生化学的シグナルを妨げることができる
ようになるだろう。
実施例23 阻害物質候補の検出 更なる実施態様において、本発明は“候補物質”と呼
ばれる新規FcεR I阻害性化合物を同定する方法に関す
るものである。このスクリーニング技術は種々の細胞活
性化アッセイによって測定されたFcεR Iの形成を阻害
することを目的とするいくつかの化合物を同定するのに
一般的に有用であると考えられている(Mouse Interleu
kin−2 ELISA kit,Albertsら,pp.179−180,Adamczewski
ら(印刷中),Baronesら,1991)。
したがって、これらの実施態様において、本発明はヒ
トFcεR I複合体の形成を阻害する候補物質の能力を測
定する方法に関するものであり、この方法は一般的に次
の段階を含んでいる: (a)機能的及び/または発現されるレセプタを形成す
るように複合体形成可能であるFcεR Iのヒトα、β及
びγサブユニットを含む組成物を得、 (b)候補阻害物質と該組成物を混合し、 (c)混合物の機能的または発現する能力を測定する。
ここにおける候補物質のスクリーニングアッセイの重
要な特徴は、例えばここで示した方法において、比較的
精製された形でα、β及びγサブユニットの組成物を調
製する能力があることである。候補物質スクリーニング
アッセイの特徴は、少なくとも比較的精製された調製物
なしには、FcεR I阻害について特異的にアッセイする
ことはできないということであり、これは対立的に、レ
セプタに影響を及ぼす抽出物中の他の物質に対しこの阻
害が影響を及ぼすためである。としかく、ベータサブユ
ニットのクローニングと単離が成功したことにより、特
異な方法でFcεR Iを阻害し、それによってIgEと結合し
た時FcR Iの影響を阻害するのに用いることができる新
規の化合物を同定することをはじめて可能にした。
候補物質のスクリーニングアッセイは極めて簡単であ
り、また多くの点てFcεR I活性を測定するために上記
で議論したアッセイと関連している。α、β及びγサブ
ユニットの比較的精製した調製物を得た後は、好ましく
はレセプターが阻害物質を含むように形成する条件下
で、候補物質と該調製物とを単純に混合することが望ま
れるであろう。それゆえ、例えば、機能的レセプタの存
在を間接的に測定するような細胞活性化アッセイ、また
はレセプタ発現、またはその両者を用いることが一般的
に望まれるであろう。
従って、候補物質の相対的は阻害能力を評価するた
め、分析された候補物質の非存在下、比較的精製された
レセプタの活性を測定又は決定することが望まれる。
更なる実施態様において、本発明は、候補物質スクリ
ーニングアッセイ態様によって同定された有効濃度の候
補物質にサブユニットを付与することを含むレセプタの
形成及び/または機能を阻害する方法に関する。勿論、
この方法は、レセプタを阻害することによって種々の特
性のアレルギー反応を治療又は予防することを可能にす
ると思われる点で、本発明の重要な態様の1つである。
IgEのFcεR Iへの結合によるヒスタミンの放出をブロッ
クするような阻害剤を使用し、アレルギー反応の症状を
処置または柔らげることができると思われる。阻害剤は
それ自身だけで有効であるが、他の療法と併用してもよ
い。
実施例24 FcεR I阻害剤の同定とその使用 もしIgEのレセプタの作用が阻害されれば、アレルギ
ー反応は進行しないであろう。この阻害は転写、翻訳ま
たは蛋白質作用の段階の何れかで起こるものと思われ
る。転写の妨害は、必然的にDNA鋳型上でのmRNA形成を
妨害するだろう。好ましくは、翻訳の妨害は、必然的に
mRNA鋳型上での蛋白質合成を妨害するだろう。あるいは
レセプターの作用自体は、レセプタの構造を破壊する
か、その形成を禁止するか、または阻害剤へ非可逆的に
レセプタまたはその成分を結合するかの何れかによって
崩壊されると考えられる。特に、受容体の機能をブロッ
クするデザインされたペプチドはアレルギー性疾患を予
防し、治療するのに極めて有用である。これらのブロッ
カー(アンタゴニスト)の具体例は、例えば、IgE結合
部位のアミノ酸配列を含むオリゴヌクレオチドまたはそ
れらの誘導体など、あらゆる基質類似体または阻害剤を
含む。適当な阻害剤の候補物質を同定する方法を実施例
23に示してある。
実施例25 組換え技術によるヒトβポリペプチドの調製 本発明における更なる目的は、阻害剤を見いだすのに
使用するヒトβサブユニットを製造するための容易な方
法を提供すること、サブユニットの検出のための抗体を
開発すること、またヒトβサブユニットの不活性変異体
を開発することであり、これらはFcεR Iの生成を阻害
するのに使用することもできる。そのような変異体は、
例えばβアッセイに有用な動物を作製するために、トラ
ンスジェニック動物中に導入され得る。
ベータサブユニット蛋白質を調製するための具体例
は、望む蛋白質またはポリペプチドをコードし得る核酸
配列を含む核酸セグメントを調製することである。この
セグメントは、サブユニット全体か又は、例えばサブユ
ニットのαまたはγ結合ドメインのようなサブユニット
のある部分のみをコードするものであってもよい。セグ
メントは、抗体により正のシグナルをトリガーし、これ
によりβサブユニットの存在を同定することの可能なも
のと同等に小さいものであってもよい。第14図に示した
ものと機能的に同等のセグメントもまた製造されるべき
望ましいポリペプチドに依存して選別され得る。機能的
同等性は、セグメントが候補物質の中から阻害剤を検出
するためここに示した技術を用いて細胞の活性化を行う
かどうかを試験することにより決定される。
選択された核酸セグメントはポリペプチドとしてセグ
メントの発現に適する環境中に移される。この環境は発
現を生じさせることが可能な混合物を含む容器であって
もよい。あるいは、セグメントは組換え発現ベクター、
エレクトロポレーションまたは“遺伝子銃”によるトラ
ンスホーメーション、トランスフェクションによって宿
主細胞に移入され得る。宿主細胞は、例えばCHO細胞、
T細胞、KU812細胞、P815細胞または同等のものから選
ばれる。
組換え発現ベクターは一般的にプロモーターを含んで
いる。プロモーターの具体例はα4プロモーターまた
は、他の任意の適当な原核生物または真核生物プロモー
ターである。
実施例26 本発明の蛋白質に対する抗体 他の実施態様において、本発明はFcεR Iのβサブユ
ニットに対する抗体の調製、及び組換え体であれ非組換
え的に調製されたものであれ、それから誘導される種
(species)の調製に関する。
本発明のモナクローナル抗体を含む組成物は同一の齧
歯類種由来の骨髄腫細胞と齧歯類の脾臓細胞を最初に融
合させる事により調製され得る。ここで脾臓細胞を提供
する齧歯類はβサブユニットペプチド、前駆体、または
関連するペプチドで免疫されている。使用される齧歯類
は一般的にはマウスである。勿論、本明細書中に記載し
たものに構造的変化を組み入れたβサブユニットを調製
する場合には、問題の種に準ずるハイブリドーマ系を首
尾よく使用することができるものと考えられる。
さらに、本発明は、ヒトまたは齧歯類サブユニットの
ものと抗原的に交差反応性であることが見いだされ得る
他の種からベータサブユニットを単離するための方法を
提供する。この方法はサブユニットに対する抗体を結合
した免疫結合物質の調製を含んでいる。数多くの免疫結
合物質が当業者には知られており、その中には、例え
ば、Affi−Gel、Cn−Sepharose、Protein A−Sepharose
及び数多くの他のよく知られた免疫吸着剤技術が含まれ
る。免疫交差反応性種のこのような全ての技術(より詳
しいリストについては、Monoclonal Hybridoma Antibod
ies:Techniques and Applications,John G.Hurrell,ed.
CRC Press,1982,参照;参考としてのこの文献を本明細
書に取り入れる。) 材料および方法 cDNAおよびゲノムライブラリーのスクリーニング ヒト好塩基球cDNAライブラリーおよびヒト白血球ゲノ
ムライブラリーについては以前に発表されており入手可
能である(Kuster,1990)。ヒトの肺のcDNAライブラリ
ー(Miller,1989)およびヒトの皮膚のcDNAライブラリ
ーはL.B.Schwartz(Medical College of Virginia,Rich
mond)から提供された。
種々のライブラリーのスクリーニングのために、次の
プローブ:ラットβのEcoR I−EcoR Vフラグメント(Ki
net,1988)およびマウスβのEcoR Iフラグメント(Ra,1
989)を調製したが、そのどちらもβの完全コード配列
および3'非翻訳領域の一部を含む。ラットβcDNA(bp
1−304)およびマウスβcDNA(bp 433−708)のコー
ド領域のフラグメントはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
により作製された。ラット、マウスおよびヒトβの種々
の領域に相当する多数のオリゴヌクレオチドは、モデル
380A自動DNAシンセサイザー(Applied Biosystems,Fost
er City,CA)により合成した。既述されているように
(Davis,1986)、二本鎖DNAプローブのすべてはランダ
ムプライマーラベリングにより、またオリゴヌクレオチ
ドは末端ラベリングによりそれぞれ放射性標識された。
ハイブリッド形成および洗浄条件およびプラーク精製
サブクローニング法、シークエンシングおよびDNA分析
は、既述されているように(Kuster,1990)行なった。
サザーンブロット分析 五つの異なる個体からのゲノムDNAのBamH、BgIl II、
EcoR I、Hind III、Msp I、およびPvu IIによる消化、
およびこれらの消化物とヒトcDNAプローブ(開始から停
止コドンまで)とのハイブリッド形成により、ユニーク
な遺伝子の存在が支持される(第18図)。さらに、サザ
ーンブロット上で検知される制限フラグメントの長さ
は、遺伝子配列から予測される長さと完全に一致した。
三つのBamH I部位(ヌクレオチド156、6908、9250)が
遺伝子に存在した。予期されたように、唯一のフラグメ
ント(156−9250)がここに認められるが、これは、他
のフラグメントはcDNAプローブとハイブリッド形成をし
ないからである。二つの予知されたBgI IIフラグメント
(+334から+1766および+1766から+7419)および二
つの予知されたHind IIIフラグメント(−454から+272
4および+2724から+100042)が容易に検出される。Eco
R IおよびPvu II消化後に得られた結果は、遺伝子の配
列にこれらの部位が見出されないという事実と一致す
る。最後に、Msp I消化後に観察されたパターンも、予
知された2067bpフラグメント、3870bpフラグメント、お
よびヌクレオチド3622から遺伝子の上流の未決定のMsp
I部位まで延びている大きな5'フラグメントと一致して
いる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用によるcDNA合成 240mlの血液からの好塩基球を、既述されているよう
に(Warner,1987)ダブルパーコール(Percoll)グラジ
エントにより精製し、グアニジウムイソチオネート法
(Davis,1986)により好塩基球RNAを抽出した。2μg
の全RNAを、メーカー(Bethesda Research Laboratorie
s,Gaithersburg MD)の推奨通りランダム9−merプライ
マーを用いてSuperscript逆転写酵素により逆転写し
た。反応産物の1/20を次のプライマー:ヒトβコード配
列の−2から+21までのヌクレオチド配列と相補的な23
−mer、および停止コドンの後方の32ヌクレオチドのと
ころから始まるマウスおよびラットβ配列の、逆方向プ
ライマーとしての縮重化21−mer、を用いて増幅した。
温度サイクルは次の通りであった:2分間、95゜/2分間、
94゜/5分間、37゜/40分間、72゜を1サイクル、40秒、9
4゜/1分間、37゜/4分間、72゜を4サイクル、40秒、94
゜/1分間、50゜/4分間、72゜を36サイクル、続いて15分
の延長。サイクル2乃至5を省略してこの反応の1μl
を再増幅し、増幅産物をTAクローニングキット(Invitr
ogen,San Diego,CA)を用いてpCR1000にサブクローン化
した。
PCRにより得られた遺伝子フラグメントの直接的配列決
定 白血球ゲノムライブラリーからの精製された挿入物を
含むファージDNAはNot Iにより線状にされ、配列決定さ
れる領域にフランキングするプライマーにより100ng増
幅された。DNA増幅は、以下のサイクルを40回行って官
僚される:94℃で1分間変性させ、45〜50℃で2分間ア
ニールし、72℃で3〜6分間伸長させる。その後、1μ
lの増幅材料が3つの個別の反応(50μl)で再び増幅
された。同一の条件下で2つのプライマーから1つを省
き、1本鎖DNAを生成した。3つの反応生成物をプール
し、Ultrafree MC 30.000スピンカラム(Millipore,B
edford MA)にアプライし、4回洗浄してから真空蒸発
させた。1本鎖DNAを省かれたプライマーまたは内部プ
ライマーを用いて配列決定された。この方法により得ら
れた配列と、pGEMベクター内にサブクローニングされて
いる増幅されないフラグメントを配列決定して得られた
配列との比較により、何ら相違は見られなかった。
転写開始部位の配列決定 PCRを使用して、転写開始部位を規定した。公表済の
手順(Frohman,1987)を以下の通り改良した。5μgの
RNAを、コード領域のヌクレオチド+451〜429に対応す
るプライマーを用いて上述の通り逆転写した。これによ
る生成物をCentricon 100カラム(Amicon,Beverly M
A)上で洗浄し、ターミナルトランスフェラーゼを用い
てメーカー(Bethesda Research Laboratories,Gaither
sburg MD)の推奨通り、ポリAテールを両末端に付加し
た。この反応生成物の6分の1を以下の2つのプライマ
ーによって増幅した。すなわち、プライマーは、17個の
Tが後方に続くM13プライマー配列から成る33−mer、お
よび3'末端用の、ヒトβコード領域配列のヌクレオチド
331〜308から誘導されたプライマーである。その後、内
部増幅を実施し、3'プライマーを、ヌクレオチド+189
〜169の等価物と交換した。最後に、唯一のプライマー
としてヌクレオチド54〜33に対応するオリゴヌクレオチ
ドを用いて、配列決定のために1本鎖DNAを生成した。
全てのPCRで、アニーリング温度は45℃、伸長時間は3
分であった。
5'伸長による転写開始部位の分析 開始コドンの後方のヌクレオチド54〜33のところの
(−)鎖に対応する、末端を標識化したオリゴヌクレオ
チドを、好塩基球(このものに富む)由来の全RNA10μ
g又はtRNA10μgのいずれかに、42℃で一晩ハイブリッ
ド形成し、その後Superscript逆転写酵素(Bethesda Re
search Laboratories,Gaithersburg MD)によって、45
℃で90分間伸長した。プライマー伸長した生成物は、5
%のポリアクリルアミド尿素ゲルにより分離し、これと
並行してゲノムDNAの配列決定反応を行った。
細胞系 KU812 新規の骨髄細胞系(KU812)が、慢性骨髄性白血病の
急性転化患者から樹立された。この男性患者の芽細胞
は、未成熟の好塩基球の形態学的特性を持ち、好塩基球
のコロニーを血液単核球の寒天培地で成長させた。この
患者の血液細胞の懸濁培養は2年半以上継続された。こ
のKU812細胞は形態学的に、核小体を持つ微細な網状核
を示しており、これらの細胞のいくつかはトルイジンブ
ルー(TB)染色による異染性の顆粒を含んでいた。これ
らの顆粒は、アストラブルー(AB)染色に対して陽性で
あった。免疫学的マーカー調査により、Fcレセプタを除
きリンパ球特性はないことが明らかになった。KU812細
胞は、in vitroでの寒天培養でコロニーが成長した。つ
まり、TB染色およびAB染色により、この細胞な好塩基球
によって構成されることが証明された。細胞遺伝子学的
分析により、著しい異数性が見られ、Philadelphia染色
体(Ph1)に対して陽性であった。細胞溶解物はヒスタ
ミンを含むことが証明された。これらのデータは、KU81
2が、白血病性の好塩基球先駆物質に由来する細胞系で
あることを示唆している。これはヒト好塩基球細胞系の
最初ものもである。KU812は幹細胞の好塩基球への分化
の機構を明らかにするうえで有用である。(Kishi,Leu
k,Res,1985,a:381−390)。
その他の方法 既に発表された方法に従って、ノーザンおよびゲノム
サザーンブロットを行なった(Davis,1986)。さまざま
なcDNAが真核生物発現ベクターpCDL−SR(α)にサブク
ローニングされ、トランスフェクション研究に用いられ
た(Takebe,1988)。COS−7細胞は、標準DEAE−Dextra
n法によりトランスフェクションが行われた(Maniatis,
1982)。ただし、トランスフェクトされた細胞を、クロ
ロキン処理後に添加し、培地中の10%DMSO内で、3分間
インキュベーションした。
本発明をある特定の具体例に関して記述したが、本発
明の思想から外れることなく、当業者は多くの修正及び
変更を行ない得ることが理解されよう。従って、そのよ
うな修正及び変更は添付の請求の範囲によりカバーされ
るものであり、かつ本発明の真の思想および範囲内であ
る。
引用文献 本明細書中で使用した手法、技術及び/又は組成物を
補足、説明、背景提供又は教示する意図で下記文献を参
考資料として本明細書の一部に加える。
配列表 配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 配列番号:2 配列の長さ:38 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 配列番号:3 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 配列番号:4 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列 配列番号:5 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:3 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:15 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 配列 配列番号:6 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:3 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:15 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 配列 配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 配列番号:8 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:9 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 配列 配列番号:9 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:12 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:21 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 特徴を表す記号:misc feature 存在位置:24 他の情報:注=「この配列中のNはイノシンを表す」 配列 配列番号:10 配列の長さ:1174 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:107..880 配列 配列番号:11 配列の長さ:257 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:12 配列の長さ:222 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:ラット 株名:FcR I αサブユニット 配列 配列番号:13 配列の長さ:232 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:ヒト 株名:FcR I αサブユニット 配列 配列番号:14 配列の長さ:227 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:マウス 株名:FcR I αサブユニット 配列 配列番号:15 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:9..11 特徴を表す記号:CDS 存在位置:21..32 配列 配列番号:16 配列の長さ:1 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:17 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:18 配列の長さ:38 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:9..38 配列 配列番号:19 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:20 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..15 配列 配列番号:21 配列の長さ:4 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:22 配列の長さ:2545 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:46..786 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:46..54 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:55.786 配列 配列番号:23 配列の長さ:246 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:24 配列の長さ:286 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:1..18 配列 配列番号:25 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:26 配列の長さ:586 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 起源 生物名:ラット 株名:FcR Iγサブユニット 配列の特徴 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:23..76 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:77..283 特徴を表す記号:CDS 存在位置:23..283 配列 配列番号:27 配列の長さ:86 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 配列番号:28 配列の長さ:222 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 株名:αサブユニット 配列 配列番号:29 配列の長さ:243 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 株名:βサブユニット 配列 配列番号:30 配列の長さ:62 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 株名:γサブユニット 配列 配列番号:31 配列の長さ:11298 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 起源 生物名:ヒト 株名:FcR I β 配列 配列番号:32 配列の長さ:244 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:ヒト 株名:FcR I βサブユニット 配列 配列番号:33 配列の長さ:243 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:ラット 株名:FcR I βサブユニット 配列 配列番号:34 配列の長さ:235 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 起源 生物名:マウス 株名:FcR I βサブユニット 配列
フロントページの続き (56)参考文献 特表 平3−504439(JP,A) Nature,1989,Vol.337, p.187−189 Biochemistry,1987,V ol.26,p.2569−2575 J.Biol.Chem.,1992,V ol.267,No.18,p.12782− 12787 J.Biol.Chem.,1989,V ol.264,No.26,p.15323− 15327 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA.,1988,Vol.85,p. 6483−6487 J.Biol.Chem.,1990,V ol.265,p.6448−6452 J.Biol.Chem.,1991,V ol.266,p.22613−22620 FEBS Letters,1992,V ol.302,p,161−165 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】宿主細胞中での完全機能的ヒトFcεR Iレ
    セプターの発現方法であって、 (a)ヒトFcεR Iのαサブユニット、 (b)ヒトFcεR Iのγサブユニット、及び (c)配列番号32で示されるアミノ酸配列からなる ヒトFcεR Iのβサブユニット をコードする核酸セグメントを宿主細胞に導入し、それ
    によって完全機能的ヒトFcεR Iレセプターを発現させ
    ることを含む、前記方法。
  2. 【請求項2】核酸セグメントがDNAセグメントである請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】FcεR Iのヒトβサブユニットに対応する
    アミノ酸配列を有するポリペプチドの製造方法であっ
    て、請求項1に記載のレセプターから該ポリペプチドを
    単離することからなる方法。
  4. 【請求項4】FcεR Iのヒトβサブユニットポリペプチ
    ドと結合することが可能なモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】ヒトFcεR Iの形成又は機能を阻害する候
    補物質の能力を決定するための方法であって、 (a)請求項1に記載のヒトFcεR Iを発現する能力を
    宿主細胞に与える段階と、 (b)ステップ(a)後の宿主細胞と候補阻害剤物質を
    結合させる段階と、 (c)前記結合体をFcεR Iの発現に適切な条件下に置
    く段階と、 (d)機能的ヒトFcεR Iを必要とするタイプの細胞発
    現又は細胞活性化アッセイをステップ(c)の宿主細胞
    −候補阻害剤結合体で実施する段階と、 (e)候補物質が細胞活性化又はレセプター発現を阻害
    したか否かを決定する段階とを含む方法。
  6. 【請求項6】宿主細胞が、CHO細胞、T細胞、KU812及び
    P815細胞からなる群から選択され、細胞活性化アッセイ
    がP32ラベル取り込みによるヒトFcεR Iレセプター又は
    PLC−γ(ホスホリパーゼc−γ)のリン酸化を測定す
    ることからなる請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】宿主細胞がT細胞、KU812細胞及びP815細
    胞からなる群から選択され、細胞活性化アッセイがカル
    シウム取り込み応答を測定することからなる請求項5に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】宿主細胞がT細胞、KU812細胞及びP815細
    胞からなる群から選択され、細胞活性化アッセイがホス
    ファチジルイノシトール代謝である請求項5に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】配列番号32に示されるアミノ酸配列からな
    るヒトFcεR Iβサブユニットをコードする単離された
    核酸分子。
  10. 【請求項10】配列番号31に示される核酸配列からなる
    ヒトFcεR Iβサブユニットをコードする単離された核
    酸分子。
  11. 【請求項11】宿主細胞での完全機能的ヒトFcεR Iレ
    セプターの発現方法であって、ヒトFcεR Iαおよびγ
    サブユニットを発現することができる宿主細胞に、配列
    番号32で示されるアミノ酸配列からなるヒトFcεR Iサ
    ブユニットをコードすることが可能な単離核酸分子を導
    入し、及びレセプターが形成されるような条件下で上記
    核酸分子を効果的に発現させることを含む、前記方法。
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