JP2004154144A - オピオイドレセプター遺伝子 - Google Patents
オピオイドレセプター遺伝子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004154144A JP2004154144A JP2004000420A JP2004000420A JP2004154144A JP 2004154144 A JP2004154144 A JP 2004154144A JP 2004000420 A JP2004000420 A JP 2004000420A JP 2004000420 A JP2004000420 A JP 2004000420A JP 2004154144 A JP2004154144 A JP 2004154144A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- opioid receptor
- receptor
- opioid
- cells
- dna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/705—Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/04—Centrally acting analgesics, e.g. opioids
Abstract
ネズミオピオイドレセプターをコードする組換え体核酸分子、並びに本願明細書で開示したDNAと低緊縮ハイブリッド形成を使用して回収することができる組換え体核酸分子を提供する。
【解決手段】
図5に示されるDNA配列またはその相補体を使用してヒトデルタ、カッパおよびミュー遺伝子、並びにネズミミュー遺伝子を得ることができる。提供したプローブはネズミデルタオピオイドレセプターをコードしている。
【選択図】
なし
Description
ネズミ(murine)デルタオピオイドレセプターをコードするcDNAの取得を以下に説明する。cDNAの完全なDNA配列、およびそれによってコードされるアミノ酸配列は本願明細書の図5に記載する。このcDNAを入手できると、対応するオピオイドレセプターをコードするDNAを他の脊椎動物種から回収することが可能になる。従って、本願発明は種々のタイプおよび種々の脊椎動物種のオピオイドレセプターを発現する細胞を作る組換え体分子および方法を当該技術分野に提供する。かくして、図5のcDNAまたはその1部分をプローブとして使用して、オピオイドレセプタータンパク質をコードする脊椎動物ゲノムDNAまたはcDNAの1部分を同定することができる。ゲノムライブラリーを作成しそしてオピオイドレセプターをコードする遺伝子を同定するために使用した方法を便宜上以下に記載する。
候補化合物がオピオイドアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する能力は、種々の方法で本発明の組換え体細胞を使用して評価することができる。アゴニストまたはアンタゴニストのどちらかの活性を示すためには、候補化合物はオピオイドレセプターと結合しなければならない。それ故、候補化合物の結合能を評価するために、直接的かまたは間接的な結合アッセイのいずれかを使用することができる。直接的結合アッセイでは、候補結合化合物それ自体を例えば放射性同位元素または蛍光標識を用いて検出可能なように標識し、そして組換え体細胞による標識の獲得を対応する非遺伝子導入(対照)細胞による標識の獲得と比較することによって本発明の組換え体細胞との結合を評価する。
一般的に、約106個の組換え体細胞をpH7.4のクレブスリンガーヘペス緩衝液(KRHB)1.0ml中で懸濁物として3H−ジプレノルフィンと共に37℃で20分間インキュベートする。非特異的結合は上記結合混合物中に400nMのジプレノルフィンを添加して測定する。種々の濃度の候補化合物を反応混合物に加える。インキュベーションはホワットマンGF−Bフィルター上で細胞を採集して終了させ、過剰の放射能は0℃でKRHB 5mlを用いてフィルターを3回洗浄して除去する。シンチレーション流体、例えばリキシント(Liquiscint(商品名))(National Diagnostics、ニュージャージー州ソマービル)5ml中20℃で一夜インキュベートした後、フィルター上の放射能を液体シンチレーション計数法によって測定する。
本願発明はネズミオピオイドレセプターのアミノ酸配列を提供し; 同様に、本発明のcDNAを入手できることで、アミノ酸配列を標準方法で測定することもできる対応する脊椎動物オピオイドレセプターが当該技術分野に提供される。このようなオピオイドレセプターのアミノ酸配列は既知であるかまたは測定可能であるので、天然供給源から上記レセプタータンパク質を精製することに加えて、レセプタータンパク質またはペプチドを調製するために組換え体産生または合成ペプチド方法論も使用することができる。
アミノ酸 1字記号 3字記号
アラニン A Ala
アルギニン R Arg
アスパラギン N Asn
アスパラギン酸 D Asp
システイン C Cys
グルタミン Q Gln
グルタミン酸 E Glu
グリシン G Gly
ヒスチジン H His
イソロイシン I Ile
ロイシン L Leu
リジン K Lys
メチオニン M Met
フェニルアラニン F Phe
プロリン P Pro
セリン S Ser
スレオニン T Thr
トリプトファン W Trp
チロシン Y Tyr
バリン V Val
エンケファリンは、1と番号を付けたN−末端残基を有し5つの残基を有する次の2つのペプチドのどちらかである:
tyr−gly−gly−phe−xxx(配列番号3)
1 2 3 4 5
「metエンケファリン」では5番目の残基はメチオニンである:
tyr−gly−gly−phe−met(配列番号1)
「leuエンケファリン」では5番目の残基はロイシンである:
tyr−gly−gly−phe−leu(配列番号2)
エンケファリン類似体は(1)アミノ酸置換、(2)D−アミノ酸置換および/または(3)追加アミノ酸を有するように作成することができる。置換される部位は化合物の名称の最初に記載する。例えば、「(D−ala2、D−leu5)エンケファリン」はD−alaが2番目の位置に存在しそしてD−leuが5番目の位置に存在することを意味する:
tyr−[D−ala]−gly−phe−[D−leu]
1字略号も使用することができる。それ故、「(D−ser2)leuエンケファリン」は「DSLE」と省略することができよう。追加的な残基も同様に記載される。かくして、(D−ser2)leuエンケファリンの(6番目の位置への)スレオニン残基付加は「(D−ser2)leuエンケファリンthr」であり、これは「DSLET」と省略できよう:
tyr−[D−ser]−gly−phe−leu−thr
本願発明のオピオイドレセプタータンパク質またはペプチドと免疫反応する抗体は、抗体が標的とするように意図した本願レセプターの部分を抗原領域として含有するペプチドで適当な哺乳動物対象を免疫化して得ることができる。或るタンパク質配列は高い抗原能力を有していることが測定されている。このような配列は抗原索引、例えばマックベクター(MacVector)ソフトウエア(I.B.I.)に示されている。それ故、オピオイドレセプタータンパク質の配列を決定しそして抗原索引で配列を評価することによって、考えられる抗原性配列が突き止められる。
オピオイドレセプターに対応するアミノ酸配列をコードするDNA配列の配列を分析し、クローニングしそして発現する技術、例えば、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、オリゴヌクレオチドの合成、cDNAライブラリーの精査、細胞の遺伝子導入ないし形質転換、ベクターの構築、既知のセンスヌクレオチド配列に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の調製、メッセンジャーRNAの抽出、cDNAライブラリーの調製等は当該技術分野で良好に確立されている。通常の技倆を有する技術者は標準的な供給源材料、特定の条件および方法に精通している。以下の節は便宜上提供するものであり、そして本発明は下記請求の範囲によってだけ制限されると理解すべきである。
RNAの調製は次のとおりである: RNAを調製するために使用した試料は液体窒素中で直ちに冷凍し、そしてその後使用するまで−80℃で貯蔵する。RNAは、修正したホモジネーション緩衝液(Chirgwin等、Biochemistry 18: 5294〜5299(1979年))を使用してCsCl遠心(Ausubel等、上述)によって調製する。ポリ(A+)RNAはオリゴ(dT)クロマトグラフィー(AvivおよびLeder、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 1408〜1412(1972年))によって選択する。RNA試料は−80℃で貯蔵する。
オピオイドレセプタータンパク質をコードするcDNA配列は、無作為にプライミングし、サイズ選択したcDNAライブラリーから得られる。
所望のコード化および制御配列を含有する適当なベクターの構築には、当該技術分野で良く理解されている連結および制限技術を使用する(Young等、Nature 316: 450〜452(1988年))。プラスミドベクターCDM8に挿入するために、オピオイドレセプタータンパク質をコードする二本鎖cDNAを合成しそして調製する。或いは、Bluescript2 またはラムダZAP2(Stratagene、カリフォルニア州サンジエゴ)のようなベクターまたはクロンテック(Clontech)(カリフォルニア州パロアルト)から得られるベクターを標準方法(Sambrook, J. 等、上述)に従って使用することができる。
cDNAライブラリーは、オースベル(Ausubel)等、分子生物学における現行プロトコール(CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY)、グリーンパブリッシングおよびウイリー−インターサイエンス(Green Publishing and Wiley−interscience)、ニューヨーク州(1990年)によって記載された低緊縮条件(reduced stringency)を使用するかまたはサムブルック等(上述)に記載された方法を使用するかまたはオピオイドレセプタータンパク質をコードするDOR−1cDNAのフラグメントとのコロニー若しくはプラークハイブリッド形成法を使用してスクリーニングすることができる。
オピオイドレセプタータンパク質をコードするヌクレオチド配列は種々の系で発現させることができる。cDNAは適当な制限酵素で切断し、そして上記発現用の原核生物または真核生物発現ベクター中に連結することができる。
或いは、アンチセンス配列を、センスオリゴヌクレオチドでコードされるレセプターの機能的発現を調節する手段としてオピオイドレセプターを発現する細胞中に挿入することができる。アンチセンス配列は、当該技術分野に既知の標準的な方法によって、既知のセンス配列(DNAかまたはRNAのどちらか)から調製する。オピオイドレセプター遺伝子またはRNA転写に特異的なアンチセンス配列を使用して、オピオイドレセプターをコードするオリゴヌクレオチドに結合するかまたは該オリゴヌクレオチドを不活性化することができる。
本願明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」および「the」には、文脈が明らかに他を記載していない限り、複数の言及が含まれる。それ故、例えば、「1つのレセプター(a receptor)」の言及にはこのような複数のレセプターの混合物が含まれ、「1つのオピオイド(an opioid)」の言及には複数の上記オピオイドおよび/またはオピオイド混合物が含まれ、そして「該宿主細胞(the host cell)」の言及には、このような細胞の同一または類似のタイプ等の複数の細胞が含まれる。
DADLE(Peninsula Laboratories Inc.)は、ヨウ素産生法(Maidment等、MICRODIALYSIS IN THE NEUROSCIENCES、T. RobinsonおよびJ. Justice編、275〜303頁(Elsevier、1991年))を使用してヨウ化した。モノおよびジヨウ化形態の両方を生じさせた。ジヨウ化DADLEは、チロシン残基のジヨウ化により、オピエイトレセプターと結合しないことが報告されている(Miller, R. J. 等、Life Sci. 22: 379〜388(1978年))。従って、モノヨウ化DADLEが好ましい。モノ125I−DADLEは他の同位元素で標識されたDADLEと比べて極端に高い比活性を有しているので、これも好ましい。かくして、週または月よりむしろ日のオーダーの暴露時間を使用することができる。
NG108−15細胞系(UCLAのクリストファー・エバンズ博士より入手) はデルタオピオイド(以下、δ−オピオイド)受容体の均質で豊富な供給源を含む。NG108−15から単離したmRNAを用いて、プラスミドベクターCDM8中にランダムプライム(random-primed)、サイズ選別cDNAライブラリーを組みこんだ(construct)。cDNAライブラリーを細菌中で増幅させた。このcDNAライブラリーをエレクトロポレーションによりCOS−7細胞に導入(トランスフェクション)した。一時的にトランスフェクトされたCOS−7菌叢をスクリーニングし、高純度のモノ− 125I−2dAla、5dLeuエンケファリン(125I−DADLE)で選択した。陽性クローンをフィルムオートラジオグラフィーにより同定し、これらの細胞由来プラスミドを回収し、細菌中で増幅させた。その後、このプラスミドをCOS−7細胞に再び導入(トランスフェクション)した。このようなプラスミド富化を3サイクル行った後、個々のクローンをトランスフェクトし、 125I−DADLEを結合した純粋なクローンを同定した。
6Mグアニジウムイソチオシアネート中でホモジナイズし、次いで塩化セシウムを加えて遠心処理することにより、NG108−15細胞よりRNAを調製した(J.M. Chirgwin ら、Biochemistry 18:5294(1979)) 。オリゴ−dT−セルロースでのクロマトグラフィーによりポリ−A+ RNAを分離した(H.Aviv およびP.Leder 、Proc.Natl. Acad.Sci. USA 69:1408(1972)) 。このRNAを鋳型にしてランダムヘキサマーをプライマーとして用いて、鳥類の骨髄芽球ウィルスの逆転写酵素(ライフサイエンス社)によるcDNA合成を行った。第2鎖合成をRNase−Hおよび大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼを用いて行った(U. Gubler およびB.J. Hoffman、Gene 24:263(1983)) 。cDNAの末端をT4DNAポリメラーゼにより平滑末端とし、BstXIリンカーを添加した。5%アクリルアミドでの電気泳動および電気溶出により、1.5kbより長いcDNAを選択した。1.5kbのcDNAをCDM8ベクターに連結し(A.AruffoおよびB.Seed、前記)、エレクトロポレーションによりMC-1061 菌に導入した (W.J.Dower ら、Nucl. Acids Res.:16:6127(1988)) 。こうして約2×106 組み換え体の最初のcDNAライブラリーからプラスミドDNAのプールを6つ調製した。
COS細胞を高密度で増殖させ、トリプシン中で集菌し、次いで20%胎児子牛血清を含む1.2×RPMI中に2×107/mlで再懸濁した。次に、これらの細胞を上記cDNAライブラリーからの組み換えプラスミドDNA20μgと共に4℃で10分間インキュベートし、さらに0.4cm間隔のキュベット(gap cuvette)(バイオラド(Biorad)) 中 960μF、230Vでエレクトロポレーションを行った。次に、細胞を4℃でさらに10分間インキュベートし、10%胎児子牛血清(FCS)を加えたダルベッコ(Dulbecco)の改良イーグル培地(DMEM)に塗布した。
上記で得たトランスフェクトされたCOS細胞を3日間増殖させ、放射標識したモノ125I−DADLEを用いてスクリーニングを行った。トランスフェクトCOS菌叢をPBSで洗浄し、1%BSAを含むKHRB中で10〜20nM 125I−DADLEと共に室温でインキュベートした。1時間後、プレートを氷冷PBSで手早く数回洗浄し、次いで強い強制冷気流で氷上で乾燥した。プレートを室温でカセット中のデュポン・クロネックス・フィルム (DuPont Cronex film) 上に暴露した。低倍率顕微鏡を通してペトリ皿を用いてフィルムを注意深く並べることにより陽性クローンを同定した。
まず、DOR−1クローンの特性を、標識したDADLEにより、DOR−1発現細胞の細胞膜画分をスクリーニングすることにより決定した。 125I−DADLEの結合が、ナノモル濃度のオピエート(opiate)アルカロイド類であるジプレノルフィン、モルヒネ(モルフィン)、エトルフィンにより、またDADLE、DSLETおよびDPDPEにより置換されることが判った。デキストロルファン(10μM)は 125I−DADLEと置換せず、一方そのオピオイド−活性鏡像体であるレボルファノールは放射標識DADLEと置換した。さらにmu(μ)受容体−選択性リガンドであるDAGO(5μM)はカウントを置換しなかった。
ノーザン分析のために、NG108−15細胞由来のmRNAおよびラット脳領域から切り出した細胞由来のmRNAを、2.2Mホルムアルデヒド/1.5%アガロースの電気泳動により分離し、ナイロンに転写し、高い緊縮下で水溶液中でハイブリダイズさせた。フィルターを0.5M NaPO4、pH7.2;1%BSA;1mM EDTA;7%SDS;および100μg/ml変性サケ精子DNAを含む溶液で少なくとも4時間68℃においてプレハイブリダイズさせた(Boulton 等、前出) 。次いでフィルターをランダムプライミングにより標識した精製cDNA挿入断片5×106cpm/ml以上を用い、上記と同じ条件で一晩ハイブリダイゼーションを行った(A. P. FeinbergおよびB. Vogelstein, Anal.Biochem. 132:6(1983)) 。フィルターを40mM NaPO4、pH7.2;0.5%BSA;5%SDS;および1mM EDTAで1時間、2回洗浄し、次いで40mM NaPO4、pH7.2;1%SDS;および1mM EDTA中で2回、それぞれ1時間、すべて68℃において洗浄した。その後、デュポン・クロメックス・ライトニング・プラス(DuPont Cromex Lightening Plus)で−70℃においてオートラジオグラフィーを行った。
放射標識したDOR−1 cDNAプローブを標準法よりゲノムサザンブロットにハイブリダイズさせた(Sambrook等、前出) 。即ち、放射標識DOR−1 cDNAプローブを、高い緊縮下で、制限酵素BamHIで切断したNG108−15、マウス、ラットおよびヒトDNAのブロットにハイブリダイズさせた(図7)。NG108−15、マウスおよびラットDNAを含むクローン中に単一バンドがみられた。cDNAプローブへハイブリダイズするバンドの大きさは5.2kb(NG108−15)、5.2kb(マウス)および5.7kb(ラット)と判定された。これらの結果はマウスとラット遺伝子の高い相同性を示し、またDOR−1クローンは、NG108−15細胞系のマウスの親(murine)に由来することを示す。
DORクローンとして発現する単離cDNAを、cDNAクローン由来挿入断片をpBluescriptTM (ストラータジーン(Stratagene)、サンジエゴ、CA)などのプラスミドへサブクローニングし、ジデオキシ法(Sanger等、Proc Natl Acad Sci USA 74:5463-5467 (1977))を用いて分析した。cDNAの塩基配列を、一本鎖DNAおよび特に設計した内部プライマーから、シークエナーゼおよびΔTaqサイクル・シークエンシングキット(USB)を用いて決定した。これらのキットは当分野で広く使用されており、ジデオキシ鎖終止法を用いるものである。次いでDNA配列および予想される蛋白質配列をジーンバンク(GeneBank) のような確立されたデータバンクにおける配列と比較した。
DOR−1クローン中のcDNA挿入断片の配列決定により、370個のアミノ酸のオープンリーディングフレームが明らかになった(図5)。ジーンバンクにおける既知配列と比較すると、DOR−1とG−蛋白質結合ソマトスタチン受容体との間に高い相同性を示し(アミノ酸の57%の一致)、アンギオテンシンに結合する受容体、2つの走化性因子であるIL−8およびN−ホルミルペプチドとの相同性はやや低かった。図6はヒトソマトスタチン1受容体に対する相同性を示す。本発明の受容体クローンとソマトスタチン受容体との高い相同性は特に注目すべきである。というのはソマトスタチンリガンドはオピオイド受容体に結合すること、δ受容体中のものと似た分子機構を有することが報告されているからである。
ゲノムクローンの単離を当分野で既知の手法によって行った。オピエート受容体ゲノムクローンを単離するために、γgem11(プロメガ(Promega)) 中の300,000 個のヒトゲノムクローンおよび同程度の数のラムダFix(ストラータジーン)中のマウスゲノムクローンを宿主株LE392上に置き、主にコード領域を含む1.1kbのDOR−1 Pst/Xba断片をプローブとして釣り上げた。ハイブリダイゼーションの条件はかなり低い緊縮であった:50%ホルムアミド/6×SSC、37℃で一晩。洗浄も低い緊縮:2×SSC、0.1%SDS、室温、で行った。
哺乳動物の脳細胞、例えばヒト脳細胞からのオピオイド受容体を単離するために、λZap(ストラータジーン)中のランダム−プライムヒト脳幹cDNAライブラリーを、この明細書記載のDOR−1をコードするマウスcDNAを用いてスクリーニングした。陽性プラークを精製し、再度スクリーニングを行った。各プラーククローンを配列決定し、上記のようにして特性を決定した。
DOR−1にコードされるオピオイド受容体のアミノ酸配列をマックベクター(I.B.I.)抗原インデックスおよびJameson, B. and H. Wolf, Comput. Applic. in Biosci. 4:181-186 (1988)による抗原インデックスで判定して、δ−オピオイド受容体の以下の下線部分の配列が高い抗原性を有すると決定された。
マウス脳から調製されたλgt10中のcDNAライブラリーを、実施例6の低い緊縮の条件下でプローブとしてDOR−1を用いて釣り上げた。1個のクローンを回収し、Bluescriptに挿入し、配列を決定した。ノーザンおよびサザンブロットにより、DOR−1との違いが示された。DOR−2と命名したこのクローンは、新しい遺伝子を発現した。DOR−2はDOR−1とは異なるパターンのニューロンにハイブリダイズし、線条体(striatum) のより大きい標識を示した。ベクターpCDNA への挿入および哺乳動物細胞へのトランスフェクションによるDOR−1の発現により、モルヒネに結合する細胞−μ受容体を表わす−を産生した。この細胞は非選択的オピエートアンタゴニストであるジプレノルフィンにも結合する。DOR−2(mMOR−1)がμ受容体であることは、ナノモル濃度のμ−選択的リガンドのモルフィセプチン、DAMGOおよびモルヒネによる 3H−DPNの置換により確認された。δ選択的リガンドDPDPEおよびデルトルファンは結合を置換せず、ナロキソンは予想された高親和性を有していた。実施例6に記載のH20と命名された部分配列は、実質的にDOR−2と類似していた。DOR−2の部分配列を図9に示す。
Claims (8)
- 配列番号4に示されたヌクレオチド配列又はその相補体からなるプローブと低緊縮条件下でハイブリッド形成するミュー又はカッパオピオイドレセプターをコードするヌクレオチド配列を含有する組換え体核酸分子。
- ヒトカッパオピオイドレセプター、ヒトミューオピオイドレセプター、又はネズミミューオピオイドレセプターをコードする請求項1に記載の核酸分子。
- 宿主細胞に導入したとき、宿主細胞内でオピオイドレセプターを産生し得る発現系を含むDNA分子であって、該発現系は、上記宿主細胞内で機能的な(operable)異種制御配列に操作的に(operably)結合された請求項1又は2に記載のオピオイドレセプターをコードする核酸配列を含む、DNA分子。
- 請求項3に記載の発現系を含有するように修正された組換え体宿主細胞。
- 組換え体細胞表面にオピオイドレセプターが現れる組換え体細胞の産生方法であって、該方法はコード化DNAを発現させて上記レセプタータンパク質を上記細胞表面に産生させる条件下で請求項4に記載の細胞を培養することを含む。
- 請求項5に記載の方法で調製した組換え体細胞。
- オピオイドアゴニストまたはアンタゴニスト活性について候補物質をスクリーニングする方法であって、該方法は:
上記活性を検出するのに適当な条件下で候補物質の存在下および不存在下で請求項6に記載の細胞をインキュベートし、そして
上記活性の存在、不存在または量を検出する、
ことを含む。 - 配列番号4に示されたヌクレオチド配列又はその相補体からなるプローブと低緊縮条件下でハイブリッド形成するデルタ、ミュー又はカッパオピオイドレセプターをコードするヌクレオチド配列を含有する組換え体核酸分子と相補的なDNAを用いて、当該DNAが前記核酸分子とハイブリッド形成する条件下で、オピオイドレセプターをコードする核酸分子を発現する細胞を処理する工程を含む、オピオイドレセプターをコードする核酸分子の発現を調節するためのインビトロにおける方法。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US92920092A | 1992-08-13 | 1992-08-13 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50644594A Division JP4208960B2 (ja) | 1992-08-13 | 1993-08-13 | オピオイドレセプター遺伝子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004154144A true JP2004154144A (ja) | 2004-06-03 |
Family
ID=25457474
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50644594A Expired - Lifetime JP4208960B2 (ja) | 1992-08-13 | 1993-08-13 | オピオイドレセプター遺伝子 |
JP2004000420A Pending JP2004154144A (ja) | 1992-08-13 | 2004-01-05 | オピオイドレセプター遺伝子 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50644594A Expired - Lifetime JP4208960B2 (ja) | 1992-08-13 | 1993-08-13 | オピオイドレセプター遺伝子 |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6265563B1 (ja) |
EP (2) | EP0656007B1 (ja) |
JP (2) | JP4208960B2 (ja) |
AT (1) | ATE242321T1 (ja) |
AU (1) | AU5012393A (ja) |
CA (1) | CA2142305A1 (ja) |
DE (1) | DE69333019T2 (ja) |
DK (1) | DK0656007T3 (ja) |
ES (1) | ES2201061T3 (ja) |
PT (1) | PT656007E (ja) |
WO (1) | WO1994004552A1 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20020061554A1 (en) * | 1992-08-13 | 2002-05-23 | Evans Christopher J. | Orphan opioid receptor and recombinant materials for its production |
FR2697850B1 (fr) * | 1992-11-10 | 1994-12-02 | Univ Pasteur | Nouveaux polypeptides ayant une activité de récepteur opioïde, acides nucléiques codant pour ces polypeptides et utilisations. |
US6258556B1 (en) * | 1993-02-26 | 2001-07-10 | The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services | cDNA and genomic clones encoding human μ opiate receptor and the purified gene product |
US7097988B1 (en) | 1993-03-08 | 2006-08-29 | Advanced Research And Technology Institute | Methods for screening for substances that bind opioid receptors |
US6235496B1 (en) * | 1993-03-08 | 2001-05-22 | Advanced Research & Technology Institute | Nucleic acid encoding mammalian mu opioid receptor |
US6096513A (en) | 1993-05-20 | 2000-08-01 | Arch Development Corporation | Polynucleotides encoding KAPPA opiod receptors |
US7235366B1 (en) | 1993-05-20 | 2007-06-26 | Arch Development Corporation | Methods of identifying agonists and antagonists of opioid receptors |
US5658783A (en) * | 1993-11-08 | 1997-08-19 | State Of Oregon, Acting By And Through The Oregon State Board Of Higher Education On Behalf Of The Oregon Health Sciences University, A Non-Profit Organization | Mammalian methadone-specific opioid receptor gene and uses |
EP0905512A1 (en) * | 1997-09-25 | 1999-03-31 | Cerep | Method of identification of leads or active compounds |
US6495664B1 (en) * | 1998-07-24 | 2002-12-17 | Aurora Biosciences Corporation | Fluorescent protein sensors of post-translational modifications |
WO2003020906A2 (en) * | 2001-08-31 | 2003-03-13 | Abmaxis, Inc. | Multivalent protein conjugate with multiple ligand-binding domains of receptors |
EP2272946B9 (en) | 2002-02-25 | 2015-06-24 | Vaxiion Therapeutics, LLC | Minicell compositions and methods |
WO2005005478A2 (en) * | 2003-07-02 | 2005-01-20 | Bayer Healthcare Ag | Diagnostics and therapeutics for diseases associated with g protein-coupled opioid receptor; delta 1 (oprd1) |
US20080286315A1 (en) * | 2007-01-31 | 2008-11-20 | Penta Biotech, Inc. | Methionine Enkephalin as an Adjuvant for Vaccine Immunizations |
US8455203B2 (en) | 2009-03-13 | 2013-06-04 | Allergan, Inc. | Immuno-based retargeted endopeptidase activity assays |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU677200B2 (en) * | 1992-04-10 | 1997-04-17 | Duz Partnership | Oligonucleotide sequences and transgenic animals transfectedtherewith having reduced sensitivity to narcotic analgesics |
-
1993
- 1993-08-13 JP JP50644594A patent/JP4208960B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1993-08-13 EP EP93920068A patent/EP0656007B1/en not_active Revoked
- 1993-08-13 DK DK93920068T patent/DK0656007T3/da active
- 1993-08-13 WO PCT/US1993/007665 patent/WO1994004552A1/en active IP Right Grant
- 1993-08-13 DE DE69333019T patent/DE69333019T2/de not_active Revoked
- 1993-08-13 AT AT93920068T patent/ATE242321T1/de not_active IP Right Cessation
- 1993-08-13 AU AU50123/93A patent/AU5012393A/en not_active Abandoned
- 1993-08-13 PT PT93920068T patent/PT656007E/pt unknown
- 1993-08-13 EP EP02026768A patent/EP1306437A3/en not_active Withdrawn
- 1993-08-13 CA CA002142305A patent/CA2142305A1/en not_active Abandoned
- 1993-08-13 ES ES93920068T patent/ES2201061T3/es not_active Expired - Lifetime
-
1995
- 1995-02-13 US US08/387,707 patent/US6265563B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-28 US US08/411,859 patent/US5985600A/en not_active Expired - Lifetime
-
2004
- 2004-01-05 JP JP2004000420A patent/JP2004154144A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4208960B2 (ja) | 2009-01-14 |
PT656007E (pt) | 2003-09-30 |
EP0656007A4 (en) | 1997-03-12 |
US5985600A (en) | 1999-11-16 |
ES2201061T3 (es) | 2004-03-16 |
AU5012393A (en) | 1994-03-15 |
WO1994004552A1 (en) | 1994-03-03 |
CA2142305A1 (en) | 1994-03-03 |
US6265563B1 (en) | 2001-07-24 |
DE69333019T2 (de) | 2004-01-08 |
EP1306437A3 (en) | 2003-06-18 |
ATE242321T1 (de) | 2003-06-15 |
DE69333019D1 (de) | 2003-07-10 |
EP1306437A2 (en) | 2003-05-02 |
JPH08502164A (ja) | 1996-03-12 |
DK0656007T3 (da) | 2003-10-06 |
EP0656007A1 (en) | 1995-06-07 |
EP0656007B1 (en) | 2003-06-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6348574B1 (en) | Seven transmembrane receptors | |
JP4208960B2 (ja) | オピオイドレセプター遺伝子 | |
JP2001514493A (ja) | Zcytor7サイトカイン受容体 | |
US6280973B1 (en) | Mammalian methadone-specific opioid receptor gene and uses | |
US6107475A (en) | Seven transmembrane receptors | |
US6096513A (en) | Polynucleotides encoding KAPPA opiod receptors | |
JPH03504439A (ja) | 免疫グロブリンEのための高アフィニティー受容体のγサブユニットをコードするcDNA | |
EP0906424A2 (en) | Mammalian mixed lymphocyte receptors, chemokine receptors mmlr-ccr] | |
US7723071B2 (en) | DNA molecules encoding opioid receptors and methods of use thereof | |
CA2316283A1 (en) | Novel guanosine triphosphate (gtp) binding protein-coupled receptor protein | |
US6432652B1 (en) | Methods of screening modulators of opioid receptor activity | |
US6750322B2 (en) | Guanosine triphosphate (GTP) binding protein-coupled receptor proteins | |
EP0951548B9 (en) | Mammalian icyp (iodocyanopindolol)receptor and its applications | |
WO1992016623A2 (en) | Receptors for bombesin-like peptides | |
US6576742B1 (en) | DNA sequence encoding a human imidazoline receptor and method for cloning the same | |
WO1999011668A1 (en) | Dna molecules encoding imidazoline receptive polypeptides and polypeptides encoded thereby | |
US20030139589A1 (en) | G protein coupled receptor A4 | |
CA2284857A1 (en) | G protein coupled receptor a4 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040128 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040316 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040601 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20040831 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20040909 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050111 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050511 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20050628 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20050722 |