JP2004154144A - オピオイドレセプター遺伝子 - Google Patents

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Duane E Keith Jr
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    • A61P25/04Centrally acting analgesics, e.g. opioids

Abstract

【課題】
ネズミオピオイドレセプターをコードする組換え体核酸分子、並びに本願明細書で開示したDNAと低緊縮ハイブリッド形成を使用して回収することができる組換え体核酸分子を提供する。
【解決手段】
図5に示されるDNA配列またはその相補体を使用してヒトデルタ、カッパおよびミュー遺伝子、並びにネズミミュー遺伝子を得ることができる。提供したプローブはネズミデルタオピオイドレセプターをコードしている。
【選択図】
なし

Description

本発明は脊椎動物の神経系に関与する物質、そして特にオピオイドレセプターおよび該レセプターが介在する活性に関するものである。従って、本発明はオピオイドレセプターの産生に有用な遺伝子組換え物質、診断用手段としてのオピオイドレセプター、該レセプターに係わる治療用および診断用組成物、並びに該レセプターの活性を調節する薬品をスクリーニングするために該レセプターを使用する方法に関係するものである。
用語「オピオイド」は、モルヒネ様作用を有する全ての天然および合成薬品を総称するものである。以前には、用語「オピエート」はアヘンから誘導される医薬品、例えばモルヒネ、コデインおよび多数の半合成モルヒネ類似体を呼称するために使用された。モルヒネ様作用を有するペプチド化合物が単離された後、モルヒネ様作用を有する全ての薬品を総称するためにオピオイドの用語が導入された。オピオイドには、モルヒネ様活性を示す種々のペプチド、例えばエンドルフィン、エンケファリンおよびダイノルフィンが含まれる。しかし乍ら、出典によっては一般的な意味で用語「オピエート」を使用し続けているものがあり、そしてこのような状況では、オピエートとオピオイドは互いに交換可能である。更に、オピオイドの用語は、モルヒネ様薬品のアンタゴニストを呼称するため並びにこのような薬品と結合するレセプターまたは結合部位を特徴付けるために使用されている。
オピオイドは一般的には鎮痛剤として使用されるが、他の多数の薬理学的効果も同様に有している。モルヒネおよび関連オピオイドは中枢神経および消化器系に主要な影響をもたらす。これらの影響は多様であり、それらには痛覚消失、眠気、気分変化、呼吸抑制、めまい、精神混濁、不快感、痒み、胆管内圧増加、胃腸運動性低下、悪心、嘔吐、並びに内分泌および自律神経系の変化がある。
オピオイドによってもたらされる痛覚消失の顕著な特徴は、これが意識の消失なしに生じることである。痛みのある患者にモルヒネの治療的投与量を投与したとき、痛みは程度がより小さくなるか、不快感がより少なくなくなるか、または完全に消失することが報告されている。苦痛の緩和を経験することに加えて、患者によっては多幸感を味わう者もいる。しかし乍ら、選択した痛み緩和投与量のモルヒネを痛みのない人に投与したとき、この経験は常に快いものとはかぎらず; 悪心が一般的であり、そして嘔吐を起こすこともある。眠気、集中不可、精神活動性の困難、感情鈍麻、身体活動低下、視力低下、および嗜眠が生じることがある。
反復使用による耐性および身体的依存性の発現が全てのオピオイド薬品に特有の特徴であり、そしてこれら薬品の影響により精神的依存性が発現する可能性のあることがこれら薬品の臨床的使用を主として制限している。選択した細胞集団での耐性にはホスホリル化が関係しているという証拠がある(例えば、非特許文献1参照)。
急性オピオイド中毒は臨床上の過剰投与、偶発的過剰投与、または自殺未遂から生じることがある。臨床的環境では、昏睡、縮瞳(針穴瞳孔)および呼吸低下の三徴候はオピオイド中毒を示唆する。バルビツール酸塩またはアルコールのような物質を含む混合中毒も急性オピオイド中毒の臨床的様相の一因となることがある。オピオイド中毒のどんなシナリオであろうとも、迅速に治療を施さなければならない。
オピオイドは幾つかの密接に関連したレセプターと思われるものと相互作用する。薬理学的効果をオピオイドと特別の一団のオピオイドレセプターとの相互作用に関連付けるように試みたデータから種々の推論が得られている(例えば、非特許文献2参照)。例えば、痛覚消失はミューおよびカッパレセプターと関係があった。デルタレセプターは、これらレセプターが主として脳の辺縁領域に局在していることに基づいて、感情行動の変化に関係があると考えられる。更に、デルタオピオイドレセプターの活性化、例えば更なるレセプター介在性応答の刺激とリガンドが結合すると他の神経伝達物質の放出が阻止されると考えられる。比較的多いデルタオピオイドレセプター集団を有する経路はハンチントン病に関係があると示唆された経路に類似している。従って、ハンチントン病はデルタオピオイドレセプターに与える何らかの影響と関係があると推定される。
2つの異なるクラスのオピオイド分子がオピオイドレセプターと結合することができる: オピオイドペプチド(例えば、エンケファリン、ダイノルフィンおよびエンドルフィン)並びにアルカロイドオピエート(例えば、モルヒネ、エトルフィン、ジプレノルフィンおよびナロキソン)。初期のオピエート結合部位の証明(例えば、非特許文献3参照)に引き続くオピオイドペプチド類似体とアルカロイドオピエートの両者の薬理学的および生理学的効果の差異が多数のオピオイドレセプターを概説するのに役立った。従って、3つの解剖学的および薬理学的に異なるオピオイドレセプタータイプが記載されている: デルタ、カッパおよびミュー。更に、各タイプはサブタイプを有していると考えられている(例えば、非特許文献4、及び5参照)。
これら3つのオピオイドレセプタータイプは全て細胞レベルで同一の機能メカニズムを共有していると考えられる。例えば、オピオイドレセプターはアデニル酸シクラーゼの阻止、およびカリウムチャンネルの活性化とCa2+ チャンネルの阻止の両方による神経伝達物質放出阻止を生じさせる(例えば、非特許文献6、7、8、9参照)。機能メカニズムは同一であるが、レセプター選択薬品の作用徴候は大いに異なっている(例えば、非特許文献10参照)。このような差異は種々のレセプターの解剖学的位置に一部起因すると思われる。
デルタレセプターはミューまたはカッパレセプターのどちらよりも哺乳動物CNS内分布との関係が少なく、類扁桃コンプレックス、線条体、黒質、嗅球、嗅結節、海馬形成および大脳皮質での濃度が高い(例えば、非特許文献11参照)。ラットの小脳はデルタオピオイドレセプターを含むオピオイドレセプターを著しく欠いている。
幾つかのオピオイド分子はデルタレセプターと選択的にまたは優先的に結合することが知られている。脊椎動物の内在性オピオイドのうちで、エンケファリン、特にmet−エンケファリン(配列番号1)およびleu−エンケファリン(配列番号2)は、ミューレセプターに対しても高い親和性を有しているが、デルタレセプターに対して最も高い親和性を有しているように思われる。更に、カエル皮膚から単離されたペプチド、デルトルファンはデルタレセプターに対して高い親和性と選択性を有するオピオイドペプチドの群を含んでいる(例えば、非特許文献12参照)。
(D−Ser)ロイシンエンケファリンThr(DSLET)(例えば、非特許文献13参照)および(D−Pen,D−Pen)エンケファリン(DPDPE)(例えば、非特許文献14参照)を含む多数の合成エンケファリン類似体もデルタレセプター選択性である。
最近他の多数のデルタレセプター選択リガンドが合成されており、そしてそれらの生物活性および結合特性は1つより多いデルタレセプターサブタイプの存在を示唆している(例えば、非特許文献15、16、17参照)。
合成ペンタペプチド2dAla,5dLeuエンケファリン(DADLE)はデルタ選択性であると考えられたが、これはまたミューレセプターにも同等に良く結合する。合成ペプチドD−Ala−N−Me−Phe−Gly−ol−エンケファリン(DAGO)はミューレセプター用選択性リガンドであることが見い出された。
多数のデルタオピオイドレセプターの存在は上記した薬理学研究からだけでなく、不可逆的アフィニティーリガンドを使用して得た分子量概算からも暗示されている。デルタオピオイドレセプターの分子量は30kDaから60kDaの範囲である(例えば、非特許文献6、18、これらの文書は本願の優先権書類の開示と一致する、及び非特許文献19参照)。レセプターの種々の大きさは択一的な(alternative)スプライス生成物を示していると思われるが、このことは確立されていない。
デルタオピオイドレセプターに関する多数の研究は、ラットグリア(神経膠)細胞株(C6BU−1)とマウス神経芽腫細胞株(N18−TG2)の融合によって産生された神経芽腫/グリオーマ(神経膠腫)細胞株 NG108−15を用いて実施された(例えば、非特許文献20参照)。ラットグリア細胞株は本質的に全くデルタオピオイドレセプターを発現せず、一方マウス神経芽腫細胞株は少量の該レセプターを発現する。かくして、NG108−15細胞中のデルタレセプターはマウス染色体起源のものであることが示唆された(例えば、非特許文献21参照)。各NG108−15細胞は約300,000個のデルタレセプターを発現すると概算される。デルタタイプのオピオイドレセプターだけが発現されるが、これらが1つより多いサブタイプを示しているかどうかは知られていない。かくして、NG108−15細胞株はオピオイドレセプター、特にデルタオピオイドレセプターの結合特性を少なからず洞察するのに役立っている。しかし乍ら、NG108−15細胞株は癌ハイブリッドであり、そしてハイブリッド細胞特有の細胞環境のため内在性ニューロン中にデルタレセプターを完全には発現していないと思われる。
広範囲に亘る文献で、オピオイドレセプターはG−タンパク質と結合するので(例えば、非特許文献22参照)、G−タンパク質結合レセプターの群のメンバーであると主張されている。G−タンパク質は、細胞表面レセプターが受け取る細胞外シグナルを種々の細胞内の第二のメッセンジャー系と結合させるグアニンヌクレオチド結合タンパク質である。G−タンパク質結合群の同定されたメンバーは多数の構造的特徴を共有しており、そして最も高度に保存されているのは7つの明白な膜スパンニング領域であり、該領域はこの群のメンバー間で非常に相同性である(例えば、非特許文献23参照)。オピオイドレセプターがこの群のメンバーであるという証拠には、オピオイドによるGTPアーゼ活性の刺激、GTP類似体がオピオイドおよびオピエートアゴニスト結合を劇的に生じさせるという観察、並びに百日咳毒素(これはADPリボシル化によってG−タンパク質のGiとGoサブファミリーの両方を選択的に不活性化する)がアデニレートシクラーゼやKおよびCa2+チャンネルに結合するオピオイドレセプターを阻止するとの観察(非特許文献6参照)が含まれる。
G−タンパク質結合レセプター群のメンバーは1つの範囲の特徴を示している。多くのG−タンパク質結合レセプター、例えばソマトスタチンレセプターやアンギオテンシンレセプターは、全タンパク質コード領域をコードする1個のエキソンを有している(例えば、非特許文献23、24参照)。しかし乍ら、他のレセプター、例えばサブスタンスPレセプターやドーパミンD2レセプターはタンパク質コード領域を有している。D2レセプターは、遺伝子の交互スプライシングによって異なる転写産生物(即ち、レセプター)を生じさせる(例えば、非特許文献18及び23参照)という点で特に興味がある。面白いことに、ソマトスタチンリガンドはオピオイドレセプターに結合し(例えば、非特許文献25、26参照)、そして更には、類似した分子メカニズムを有している(例えば、非特許文献27参照)と報告されている。
オピオイドレセプターを記載しそして精製するこれまでの努力において、オピオイドレセプターの1部分かまたは全体のいずれかをコードすると仮定された2つのクローンが記載されている。オピエート結合タンパク質 OBCAMをコードする第1のクローン(非特許文献22参照)はモルヒネアフィニティーカラムで精製したタンパク質のアミノ酸配列から設計したプローブを使用して得られた。OBCAMは膜スパンニング領域を欠いているが、ホスファチジルイノシトール(PI)結合によるタンパク質と膜の結合に特徴的なC−末端領域を有している。免疫グロブリンのスーパーファミリーのメンバーが共有しているこの特徴はG−タンパク質に結合したレセプターの群では一般的でない。かくして、OBCAMはG−タンパク質に結合する他の成分と一緒にレセプターコンプレックスの一部をなすと提案されている(非特許文献22参照)。しかし乍ら、現在、このようなコンプレックスの直接的な証拠はない。
2番目に提案されたオピオイドレセプタークローンは、カッパオピオイドレセプターリガンドに結合するレセプターをクローン化する努力中に得られた(例えば、非特許文献28参照)。胎盤cDNAライブラリーから得られるG−結合レセプターをコードするDNA分子を単離した。このレセプターはニューロキニンBレセプターと非常に高い相同性を有している(提案されたタンパク質配列全体で84%の同一性)。このクローンをCOS細胞で発現させたとき、それは H−ブレマゾシン(カッパレセプターに対して高い親和性を有するオピエートリガンド)のオピオイドペプチド置換性結合を示した。しかし乍ら、このレセプターは H−ブレマゾシンに対して親和性が低くそしてこのレセプターには適当な選択性が無い(ミューおよびデルタリガンドの両方に結合する)ため、クローン化したこの分子が実際にオピオイドレセプターであるのかは疑問であった。
更に、オピオイドレセプタータンパク質は膜から一度可溶化されると不安定であるので、これらタンパク質の特徴決定は困難であることが証明されている; 精製デルタオピオイドレセプターは単離されていない。オピオイドレセプターの分子量が30kDaから60kDaまでの範囲であるとのこれまでの概算は、これらのタンパク質の単離および特徴決定が困難であることを更に反映している。
最近、マウス大脳から得られるネズミカッパおよびデルタオピオイドレセプターをコードするDNAがヤスダ(Yasuda)K. 等(非特許文献29参照)によって報告された。このクローンの配列は予想される7つのトランスメンブラン領域の存在を示していた。更に、チェン(Chen)Y. 等は、分子薬理学(Molecular Pharmacology)(1993年)に間もなく発表される原稿中で「ラット脳から得られるミューオピオイドレセプターの分子のクローニングおよび機能発現」を報告している。事実、ラットミューレセプターは本願発明者のDOR−1クローンを使用してクローン化され、これは以下で開示する本願発明が実施可能であることを支持している。最後に、マウスデルタオピオイドレセプターは、本出願の優先権書類の出願日より後にクローン化されたとして開示された(非特許文献30参照)。しかし乍ら、そこに報告された配列はマウスデルタレセプターに関して本願発明者が報告した配列とは異なっている(非特許文献18; 本件開示)。
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本願発明は、ネズミ(murine)デルタオピオイドレセプター(受容体)をコードする組換え体核酸分子、並びに本願明細書で開示したDNAとの低緊縮ハイブリッド形成を使用して回収することができる組換え体核酸分子を提供する。それ故本発明は、本願明細書に記載した低緊縮条件下でハイブリッド形成するのに十分相同性のデルタ、カッパおよびミューレセプターをコードする遺伝子を含有するあらゆる種の上記レセプターをコードする遺伝子を提供する。
かくして、1つの視点においては、本発明はオピオイドレセプターの組換え体核酸分子およびその産生方法に向けられたものであり、その際オピオイドレセプターは低緊縮下で図5のヌクレオチド配列またはその相補体とハイブリッド形成する遺伝子によってコードされる。用語「低緊縮」(low-stringency)によって、50%ホルムアミド/6×SSC、37℃で一夜ハイブリッド形成させ、続いて2×SSC、0.1%SDSで室温で洗浄することを意味する。
上記した核酸分子を含有する発現系も提供する。レセプターはこれらの発現系および該発現系を含有するように変性した宿主細胞を使用した組換え体として産生させることができる。
オピオイドレセプタータンパク質が細胞表面に現れるようにオピオイドレセプター遺伝子を発現する脊椎動物が特に有用である。これらの細胞はオピオイドレセプターの天然および合成の候補アゴニストおよびアンタゴニストをスクリーニングする手段を提供する。
更に他の視点では、本発明は、本発明の組換え形質転換細胞を使用してオピオイドレセプターに作用する候補アゴニストおよび/またはアンタゴニストをスクリーニングする方法に向けられている。このようなアッセイには(1)オピオイドレセプターに結合することが知られているリガンドとの競合を使用する結合アッセイ、(2)遺伝子導入(ないし形質転換)細胞におけるオピオイドレセプター活性化に関連した第2の経路の活性化を分析するアゴニストアッセイ、および(3)ナトリウムイオンとGTPの存在または不存在が候補のレセプターへの結合に与える影響を評価するアッセイが含まれる。アンタゴニストアッセイには、候補がそれ以上の活性化を達成しないようにレセプターに結合する能力と、更に重要な、既知アゴニストとの競合を組み合わせたものが含まれる。
本発明の更にもう1つの視点は、オピオイドレセプタータンパク質と免疫反応性である抗体組成物を提供することである。このような抗体は、例えば、レセプターの可溶化後または組換え体産生後にレセプターを精製する際に有用である。
更に他の視点では、本発明は、オピオイドレセプターの種々の種または異なるタイプおよびサブタイプの関連オピオイドレセプターをコードするDNAを同定するのに有用なプローブに向けられている。
従って、本願発明の1つの目的・対象はオピオイドレセプターをコードするDNA配列の単離および精製された形態を提供することであり、この形態は上記レセプターの産生に有用であるだけでなくプローブとしても有用なものである。
もう1つの目的・対象は、オピオイドレセプターをコードし組換え体として産生されるDNA配列を提供することである。
もう1つの目的・対象は、オピオイドレセプターをコードする既知のセンス配列に対応するアンチセンス配列を産生することである。
本発明のもう1つの目的・対象は、オピオイドレセプターをコードするDNA配列に機能的ないし操作的に(operatively)結合された制御配列を含むDNA構築物を提供しそして該DNA構築物を含有するように変性された組換え体宿主細胞を提供することである。
もう1つの目的・対象は、種々の脊椎動物種から誘導されるDNAと本発明のオピオイドレセプターをコードする天然DNA配列をハイブリッド形成させることによって、種々の関連レセプターをコードするDNA配列を種々の脊椎動物種から単離し、クローン化しそして特徴を決定することである。
本願発明の利点は、薬品がオピオイドレセプターと相互作用する能力および/または該レセプターに結合する能力について薬品をスクリーニングするために好都合に使用できる上記レセプターをコードするDNA配列を宿主細胞の表面に発現できることである。
本願発明のこれらの目的および他の目的、利点並びに特徴は当該技術分野の熟練者に明白となるであろう。
本発明は哺乳動物オピオイドレセプタータンパク質をコードするDNA並びにこれらタンパク質を産生するのに有用な追加的な組換え体核酸、発現ベクターおよび方法を提供する。更に、細胞表面にオピオイドレセプタータンパク質を発現するように本発明の組換え体分子を導入・形質転換した真核細胞、例えばCOS細胞は候補オピオイドアゴニストおよびアンタゴニストを同定するスクーニングアッセイで有用である。更に、組換え体として産生されたオピオイドレセプタータンパク質に対して抗体を生じさせることができる。これらの抗体は上記タンパク質のイムノアッセイやアフィニティー精製で有用である。
(組換え体オピオイドレセプター)
ネズミ(murine)デルタオピオイドレセプターをコードするcDNAの取得を以下に説明する。cDNAの完全なDNA配列、およびそれによってコードされるアミノ酸配列は本願明細書の図5に記載する。このcDNAを入手できると、対応するオピオイドレセプターをコードするDNAを他の脊椎動物種から回収することが可能になる。従って、本願発明は種々のタイプおよび種々の脊椎動物種のオピオイドレセプターを発現する細胞を作る組換え体分子および方法を当該技術分野に提供する。かくして、図5のcDNAまたはその1部分をプローブとして使用して、オピオイドレセプタータンパク質をコードする脊椎動物ゲノムDNAまたはcDNAの1部分を同定することができる。ゲノムライブラリーを作成しそしてオピオイドレセプターをコードする遺伝子を同定するために使用した方法を便宜上以下に記載する。
図5に記載したDOR−1クローンはネズミデルタオピオイドレセプターに対応するcDNAクローンである。本願発明者は、低緊縮条件下でヒトゲノムライブラリーをスクリーニングするとヒトオピオイドレセプターの3つの全てのタイプをコードするDNAが回収されることを発見したので、本願明細書にこのことを記載する。同様にして、ネズミゲノムクローンが得られた。更に、cDNAクローンはネズミミューオピオイドレセプターをコードするマウス大脳ライブラリーから得られた。かくして、適当な供給源、例えば大脳から得られるcDNAライブラリー、またはゲノムライブラリーは本願発明のDNAおよび対応する組換え体材料を得るのに効果的な供給源または基質である。それ故、本発明は脊椎動物のオピオイドレセプターをコードするDNAに向けられており、その際オピオイドレセプターは、低緊縮条件下で図5に示されるヌクレオチド配列またはその相補体とハイブリッド形成するヌクレオチド配列によってコードされる。
変法として、mRNAを分析して、例えばノザンブロット技術を使用してオピオイドレセプタータンパク質を発現する特定の組織または細胞を同定するために図5のDNAまたはその1部分を使用することができる。それ故、本発明のプローブを使用してオピオイドレセプタータンパク質をコードするmRNAを含有していることが確認されている組織は、以下に記載するcDNAを使用して更に探査できるcDNAライブラリーの作成に適切な供給源である。
以下に記載する標準的な技術に従って、一般に上記したようにして得られる、種々の脊椎動物オピオイドレセプタータンパク質をコードするDNAを使用して、表面にオピオイドレセプターを発現する細胞を作ることができる; このような細胞は典型的には真核細胞、特にCOS細胞またはCHO細胞のような哺乳動物細胞である。このような作成に適する真核細胞中の発現系を以下に記載する。オピオイドレセプタータンパク質は原核生物、または変法としてタンパク質自体を産生する真核生物発現系中で産生させることもできる。タンパク質をコードするDNAは、タンパク質の分泌を生じさせるシグナル配列が先行している発現ベクター中に連結(ligate)することができるか、または発現系および宿主の選択に依存して細胞表面のみならず細胞内でも産生させることができる。所望の場合、このようにして組換え体として産生されたオピオイドレセプタータンパク質は、タンパク質精製の適当な手段を使用して、そして特に、オピオイドレセプタータンパク質に対して免疫特異的なそれらタンパク質の抗体またはフラグメントを使用するアフィニティー精製によって精製することができる。
(組換え体細胞を使用するオピオイドアゴニストおよびアンタゴニストのスクリーニング)
候補化合物がオピオイドアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する能力は、種々の方法で本発明の組換え体細胞を使用して評価することができる。アゴニストまたはアンタゴニストのどちらかの活性を示すためには、候補化合物はオピオイドレセプターと結合しなければならない。それ故、候補化合物の結合能を評価するために、直接的かまたは間接的な結合アッセイのいずれかを使用することができる。直接的結合アッセイでは、候補結合化合物それ自体を例えば放射性同位元素または蛍光標識を用いて検出可能なように標識し、そして組換え体細胞による標識の獲得を対応する非遺伝子導入(対照)細胞による標識の獲得と比較することによって本発明の組換え体細胞との結合を評価する。
しかし乍ら、一層好都合なことは、本発明の組換え体細胞との結合に関して、レセプターに結合することが知られているオピオイドリガンドの検出可能な標識体と候補化合物が競合する競合アッセイを使用することである。このようなリガンドそのものは、例えば放射性同位元素または蛍光部分を使用して標識される。このレセプターに結合することが知られている特に適当なオピオイドはジプレノルフィンである。このようなアッセイに典型的なプロトコールは次のとおりである:
一般的に、約10個の組換え体細胞をpH7.4のクレブスリンガーヘペス緩衝液(KRHB)1.0ml中で懸濁物としてH−ジプレノルフィンと共に37℃で20分間インキュベートする。非特異的結合は上記結合混合物中に400nMのジプレノルフィンを添加して測定する。種々の濃度の候補化合物を反応混合物に加える。インキュベーションはホワットマンGF−Bフィルター上で細胞を採集して終了させ、過剰の放射能は0℃でKRHB 5mlを用いてフィルターを3回洗浄して除去する。シンチレーション流体、例えばリキシント(Liquiscint(商品名))(National Diagnostics、ニュージャージー州ソマービル)5ml中20℃で一夜インキュベートした後、フィルター上の放射能を液体シンチレーション計数法によって測定する。
候補アヘン剤リガンドのKd(解離定数)値はIC50値(「阻止濃度50」は標識ジプレノルフィンの結合が50%減少する候補リガンドの濃度を意味する)から決定することができる。
組換え体として発現されたレセプターに対するリガンドの結合に与えるナトリウムとGTPの影響はアゴニスト活性をアンタゴニスト活性と区別するために使用することができる。候補化合物の結合がNa とGTPに感受性である場合、オピオイドレセプターとアデニル酸シクラーゼのような別のメッセンジャー分子の機能的結合にはナトリウムとGTPの両方の存在が必要である(Blume等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 73: 26〜35(1979年))ので、候補化合物はアンタゴニストであるよりはアゴニストであると考えられる。更に、ナトリウム、GTPおよびGTP類似体はオピオイドおよびオピオイドアゴニストをオピオイドレセプターに結合させることが知られている(Blume、Life Sci. 22: 1843-1852(1978年))。オピオイドアンタゴニストは、グアニンヌクレオチドやナトリウムに感受性の結合を示さないので、この影響は結合アッセイを使用してアゴニストをアンタゴニストと区別する方法として使用される。
更に、アゴニスト活性は細胞内の機能的結果によって直接評価することができる。例えば、オピオイドアゴニストの結合はcAMP形成を阻止し、カリウムチャンネル活性化を阻止し、カルシウムチャンネル活性化を阻止し、そしてGTPアーゼを刺激することが知られている。候補化合物に応答したこれらの活性の評価はアゴニスト活性の診断に役立つ。更に、エトルフィンのような既知アゴニストの活性の活性化を妨げる化合物の能力によって該化合物は事実上アンタゴニストとして分類される。
1つの典型的なアッセイでは、オピオイドレセプターを発現する細胞中のcAMP値(レベル)の測定は、H−アデニンで予め標識した細胞内ATPプールから形成されるH−cAMPの量を測定することによって行われる(Law等、上述)。かくして、cAMP形成アッセイは、0.5×10個の細胞/0.5mlのKRHB、pH7.4を用い、37℃で20分間インキュベートして実施する。内部標準 32P−cAMPを添加した後、既知の二重カラムクロマトグラフィー法を使用して放射性cAMPを他のH−標識ヌクレオチドから分離する。次に、オピエイトアゴニストがcAMP蓄積を阻止する能力をロー(Law)等(上述)が記載したようにして測定する。
候補オピエイトアンタゴニストの有効性は、既知量の候補アンタゴニストの存在下および不存在下でエトルフィンがサイクリックAMP蓄積を阻止する能力を測定することによって決定することができる。次に、アンタゴニストの阻止定数(Ki)を競合的インヒビターの式から計算することができる。
先行技術のNG108−15細胞を使用するスクリーニングアッセイの興味ある特徴は、明らかにアゴニストアデニル酸シクラーゼ阻止機能がこれら細胞上の全てのレセプターと結合する必要がないということである。それ故、これら細胞を使用したときには、オピオイドリガンドのKdとKi値は異なっていた。
本願発明の組換え体として形質転換された細胞で実施した上記のような前述のアッセイは、アゴニストおよびアンタゴニストオピオイドレセプター活性を有する候補化合物に関して、当該技術分野でこれまでに入手可能であったより直接的で且つ好都合なスクリーニンブを提供する。更に、このようなアッセイは、本願発明に従って、高いレベルのオピオイドレセプターを発現するように細胞を操作することができるので、一層感度が高い。更に、本願発明に従って操作した細胞は、NG108−15細胞が、それらの腫瘍細胞背景のため、オピオイドレセプターの発現に人工的に影響を与える細胞環境を有しているとの懸念を回避するであろう。
本願明細書に記載したミューオピオイドをコードするDNAは遺伝形質パターンを追跡する手段も提供する。DNA配列の多形性は遺伝子を囲む非コード領域で頻繁に生じる。多形性は、異なる個人に存在する多数の繰返しでしばしば明確な多形性を示すCACACAのような繰返し配列で特に頻繁である。これらの多形性は、群のメンバー間の遺伝子の遺伝形質を追跡するマーカーを提供する。遺伝子の遺伝形質(例えば、MORa)またはそのヒト対応物は、CACACAの多形性を囲む領域のポリメラーゼ鎖反応(PCR)増幅および得られた産生物の分析によって追跡することができる。これは、ミューオピオイドレセプター遺伝子の有用な診断用マーカーであろう。
(オピオイドレセプタータンパク質またはその1部分の調製方法)
本願発明はネズミオピオイドレセプターのアミノ酸配列を提供し; 同様に、本発明のcDNAを入手できることで、アミノ酸配列を標準方法で測定することもできる対応する脊椎動物オピオイドレセプターが当該技術分野に提供される。このようなオピオイドレセプターのアミノ酸配列は既知であるかまたは測定可能であるので、天然供給源から上記レセプタータンパク質を精製することに加えて、レセプタータンパク質またはペプチドを調製するために組換え体産生または合成ペプチド方法論も使用することができる。
かくして、オピオイドレセプターまたはその1部分は、当該技術分野で知られている標準的な固体相(または溶液相)ペプチド合成法を使用して調製することもできる。更に、これらのペプチドをコードするDNAは、上記方法でタンパク質を産生する市販で入手可能なオリゴヌクレオチド合成手段を使用して合成することができる。勿論、遺伝子でコードされていないアミノ酸を含めるべきである場合、固体相ペプチド合成を使用し産生させることが必要である。
本発明のペプチドおよびタンパク質を記載するために使用した命名法は、N−末端アミノ基がペプチドの各アミノ酸残基の左側にありそしてカルボキシ基が右側にある慣用のプラクティスに従っている。本願発明の特定の選択された実施態様を表わす式においては、しばしば特別には示していないが、他に特定していない限り、アミノ−およびカルボキシ−末端は生理学的pH値で推定されるであろう形態であると考えられる。それ故、必ずしも特定の実施例かまたは一般式のどちらかで特定して示していないが、生理学的pHでN−末端NH3+ とC−末端COO が存在していると理解される。アミノ酸残基の側鎖上の遊離官能基はグリコシル化、ホスホリル化、システイン結合、アミド化、アシル化または他の置換によって修飾することができ、これらは、例えば、下記請求の範囲の意味内で化合物の活性に影響を与えることなく化合物の生理学的、生化学的または生物学的特性を変化させることができる。
示したペプチドにおいては、適当な場合には各遺伝子をコードする残基は、以下の慣用のリストに従ってアミノ酸の通称に対応する1字名称で示す:

アミノ酸 1字記号 3字記号

アラニン A Ala
アルギニン R Arg
アスパラギン N Asn
アスパラギン酸 D Asp
システイン C Cys
グルタミン Q Gln
グルタミン酸 E Glu
グリシン G Gly
ヒスチジン H His
イソロイシン I Ile
ロイシン L Leu
リジン K Lys
メチオニン M Met
フェニルアラニン F Phe
プロリン P Pro
セリン S Ser
スレオニン T Thr
トリプトファン W Trp
チロシン Y Tyr
バリン V Val
エンケファリンの命名法
エンケファリンは、1と番号を付けたN−末端残基を有し5つの残基を有する次の2つのペプチドのどちらかである:
tyr−gly−gly−phe−xxx(配列番号3)
1 2 3 4 5

「metエンケファリン」では5番目の残基はメチオニンである:
tyr−gly−gly−phe−met(配列番号1)
「leuエンケファリン」では5番目の残基はロイシンである:
tyr−gly−gly−phe−leu(配列番号2)
エンケファリン類似体は(1)アミノ酸置換、(2)D−アミノ酸置換および/または(3)追加アミノ酸を有するように作成することができる。置換される部位は化合物の名称の最初に記載する。例えば、「(D−ala、D−leu)エンケファリン」はD−alaが2番目の位置に存在しそしてD−leuが5番目の位置に存在することを意味する:
tyr−[D−ala]−gly−phe−[D−leu]
1字略号も使用することができる。それ故、「(D−ser)leuエンケファリン」は「DSLE」と省略することができよう。追加的な残基も同様に記載される。かくして、(D−ser)leuエンケファリンの(6番目の位置への)スレオニン残基付加は「(D−ser)leuエンケファリンthr」であり、これは「DSLET」と省略できよう:
tyr−[D−ser]−gly−phe−leu−thr
(抗体)
本願発明のオピオイドレセプタータンパク質またはペプチドと免疫反応する抗体は、抗体が標的とするように意図した本願レセプターの部分を抗原領域として含有するペプチドで適当な哺乳動物対象を免疫化して得ることができる。或るタンパク質配列は高い抗原能力を有していることが測定されている。このような配列は抗原索引、例えばマックベクター(MacVector)ソフトウエア(I.B.I.)に示されている。それ故、オピオイドレセプタータンパク質の配列を決定しそして抗原索引で配列を評価することによって、考えられる抗原性配列が突き止められる。
抗体は、ペプチドハプテンが十分な長さである場合には該ハプテンだけを使用して、または所望の場合若しくは免疫原性を高める必要がある場合には、適当な担体と抱合したハプテンを使用して既知の免疫化プロトコールに従って適当な哺乳動物宿主を免疫化して調製する。BSA、KLHまたは他の担体タンパク質のような担体を用いて免疫原性抱合体を調製する方法は当該技術分野で良く知られている。或る状況下では、例えば、カルボジイミド試薬を使用する直接的抱合が有効であり; 他の場合には、イリノイ州ロックフォードのピアースケミカルカンパニィー(Pierce Chemical Co.)によって供給されるような結合試薬がハプテンの利用可能性を提供するのに望ましいことがある。ハプテンペプチドは、例えば、担体への結合を促進するために、システイン残基を用いて延長するかまたは挿入変化(intersperse)させることができる。免疫原の投与は、一般的に当該技術分野で理解されるような適当なアジュバントを使用して一般的には適当な時間をかけて注入することによって行われる。免疫化スケジュール中、抗体の力価を測って抗体形成が適切であることを決定する。
適用によっては上記のようにして産生したポリクローナル抗血清で十分であると思われるが、製薬組成物ではモノクローナル抗体(mAb)調製物を使用することが好ましい。所望のmAbを分泌する固定細胞株は、一般的に知られているようにしてリンパ球または脾細胞の固定化を行うコーラー(Kohler)とミルスタイン(Milstein)の標準的な方法または修正法を使用して調製することができる。所望のmAbを分泌する固定化した細胞株はイムノアッセイでスクリーニングされ、その際抗原はペプチドハプテンであるかまたは組換え体宿主細胞に現れたオピオイドレセプターそのものである。所望のmAbを分泌する適当な固定細胞培養物が同定されると、細胞をインビトロかまたは動物の腹腔内に注入して培養することができ、そしてmAbが腹水中に産生される。
次に、所望のmAbを培養上清液または腹水から回収する。無傷抗体に加えて、抗原結合部分を有するmAbまたはポリクローナル抗体のフラグメントをアンタゴニストとして使用することができる。免疫学的に反応性の抗原結合フラグメント、例えばF(ab')フラグメントのFab、Fab'を使用することは、特に治療に関しては、これらのフラグメントが一般的に免疫グロブリン全分子より免疫原性が低いのでしばしば好ましい。
(標準方法)
オピオイドレセプターに対応するアミノ酸配列をコードするDNA配列の配列を分析し、クローニングしそして発現する技術、例えば、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、オリゴヌクレオチドの合成、cDNAライブラリーの精査、細胞の遺伝子導入ないし形質転換、ベクターの構築、既知のセンスヌクレオチド配列に基づくアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の調製、メッセンジャーRNAの抽出、cDNAライブラリーの調製等は当該技術分野で良好に確立されている。通常の技倆を有する技術者は標準的な供給源材料、特定の条件および方法に精通している。以下の節は便宜上提供するものであり、そして本発明は下記請求の範囲によってだけ制限されると理解すべきである。
(RNAの調製とノザンブロット法)
RNAの調製は次のとおりである: RNAを調製するために使用した試料は液体窒素中で直ちに冷凍し、そしてその後使用するまで−80℃で貯蔵する。RNAは、修正したホモジネーション緩衝液(Chirgwin等、Biochemistry 18: 5294〜5299(1979年))を使用してCsCl遠心(Ausubel等、上述)によって調製する。ポリ(A)RNAはオリゴ(dT)クロマトグラフィー(AvivおよびLeder、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 1408〜1412(1972年))によって選択する。RNA試料は−80℃で貯蔵する。
遺伝子発現および組織分布の分析は、例えば放射標識プローブを使用してノザンブロット法を使用して達成することができる。mRNAはゲル電気泳動を使用してサイズ分離し、そしてその後典型的にはナイロン膜またはニトロセルロースに移し、そして放射標識プローブとハイブリッド形成させる。ハイブリッド形成したプローブの存在はオートラジオクロマトグラフィーを使用して検出する。
(クローニング)
オピオイドレセプタータンパク質をコードするcDNA配列は、無作為にプライミングし、サイズ選択したcDNAライブラリーから得られる。
或いは、オピオイドレセプタータンパク質をコードするcDNA配列は、サムブルック(Sambrook)J. 等の分子クローニング(MOLECULAR CLONING): 実験室マニュアル、第2版、コールドスプリングハーバープレス(Cold Spring Harbor Press)、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー、1989年、に記載された方法に従って、大脳のような種々の器官中のレセプタータンパク質を発現する細胞から単離したmRNAから調製したcDNAライブラリーから得る。
次に、上首尾のクローンから得られEcoRIのような制限酵素で切断したcDNA挿入物を最初のcDNAライブラリーまたは他のライブラリー(低緊縮)のプローブとして使用して、タンパク質をコードするヌクレオチドの全配列の間隙を、一緒になってまたは単独で、埋めるタンパク質の他の領域をコードする挿入物を含有する追加的なクローンを得る。
オピオイドレセプタータンパク質をコードするcDNA配列を得る別の方法はPCRである。PCRは、既に知られている輸送体配列に基づいてオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、逆転写したRNAのcDNAライブラリーのプールから得られる配列を増幅するために使用する。
(ベクターの構築)
所望のコード化および制御配列を含有する適当なベクターの構築には、当該技術分野で良く理解されている連結および制限技術を使用する(Young等、Nature 316: 450〜452(1988年))。プラスミドベクターCDM8に挿入するために、オピオイドレセプタータンパク質をコードする二本鎖cDNAを合成しそして調製する。或いは、Bluescript2 またはラムダZAP2(Stratagene、カリフォルニア州サンジエゴ)のようなベクターまたはクロンテック(Clontech)(カリフォルニア州パロアルト)から得られるベクターを標準方法(Sambrook, J. 等、上述)に従って使用することができる。
部位特異性のDNA開裂は、適当な制限酵素、例えばEcoRI、または1つより多い酵素を用いて当該技術分野で一般的に理解されておりそしてこれらの市販で入手可能な制限酵素の製造者によって特定されている条件下で処理して実施する。例えば、ニューイングランドバイオラブズ(New England Biolabs)の製品カタログ参照。一般的に、約1μgのDNAは約20μlの緩衝溶液中1単位の酵素で開裂される; 本願明細書の実施例では、典型的には、過剰の制限酵素を使用してDNA基質を確実に完全消化する。約37℃で約1から2時間のインキュベーション時間が実行可能であるが、変法が許容される。各インキュベーション後、タンパク質はフェノール/クロロホルムで抽出して除去し、そして続いて他の抽出を行いそしてエタノールで沈殿させて水性フラクションから核酸を回収することができる。
「ベクターフラグメント」を使用するベクター構築では、5'ホスフェートを除去しそしてベクターの再連結を防ぐために、ベクターフラグメントを細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)またはウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)で通常どおりに処理する。消化は、NaおよびMg++の存在下でベクター1μg当たり約1単位のBAPまたはCIPを使用してそれぞれ60℃または37℃で約1時間、約150mMのトリス中pH8で実施する。核酸フラグメントを回収するために、調製物をフェノール/クロロホルムで抽出しそしてエタノールで沈殿させる。或いは、望ましくないフラグメントを追加的に制限酵素で消化することによって二重消化したベクターで再連結を防止することができる。
次の標準的な条件および温度下15〜50μl容量で連結を行う:20mM トリス−HCl、pH7.5、10mM MgCl、10mM DTT、33μg/ml BSA、10mM〜50mM NaCl、および0℃で40μM ATP、T4DNAリガーゼ0.01〜0.02(Weiss)単位(「付着端」連結用)かまたは14℃で1mM ATP、T4 DNAリガーゼ0.3〜0.6(Weiss)単位(「ブラント末端」連結用)のいずれか。分子内「付着端」連結は通常、33〜100μg/mlの総DNA濃度(5〜100nMの総末端濃度)で行う。分子内ブラント末端連結(通常は10〜30倍モル過剰のリンカーを使用する)は1μMの総末端濃度で行う。ベクター構築の正しい連結はヤング(Young)等、ネイチャー(Nature)、316: 450〜452(1988年)の方法に従って確認される。
(cDNAライブラリーのスクリーニング)
cDNAライブラリーは、オースベル(Ausubel)等、分子生物学における現行プロトコール(CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY)、グリーンパブリッシングおよびウイリー−インターサイエンス(Green Publishing and Wiley−interscience)、ニューヨーク州(1990年)によって記載された低緊縮条件(reduced stringency)を使用するかまたはサムブルック等(上述)に記載された方法を使用するかまたはオピオイドレセプタータンパク質をコードするDOR−1cDNAのフラグメントとのコロニー若しくはプラークハイブリッド形成法を使用してスクリーニングすることができる。
プラークハイブリッド形成は典型的には次のようにして実施される:LE392(Stratagene)のような宿主細菌をLBブイヨン(Sambrook等、上述)中37℃で一夜増殖させ、静かにペレット化し、そして10mM MgSO4、10mM CaClの最初の容量の半分の容量中に再懸濁する。滴定後、約50,000のプラーク形成単位(pfu)を含有するファージライブラリーの所定量を宿主細菌300μlに加え、37℃で15分間インキュベートし、そして10mlのNZYCMトップアガロースを有するNZYCM寒天上にまく。20個の15cmプレート上に分布した総計百万個のプラークをスクリーニングする。コロニーのスクリーニングには、トランスフェクションした細菌を適当な抗生物質と共にLBブイヨンプレート上にまく。プラークまたはコロニーが1mmに増殖した後、プレートを少なくとも2時間4℃に冷却し、そしてその後重複してニトロセルロースフィルターで上を覆い、続いて0.5M NaOH/1.5M NaCl中で5分間フィルターを変性し、そして0.5Mトリス、pH7.4/1.5M NaCl中で5分間中性化する。次に、フィルターを空気乾燥し、80℃で2時間焼き、5×SSC/0.5%SDS中68℃で数時間洗浄し、そして0.5M NaPO、pH7.2/1%BSA/1mM EDTA/7%SDS/100μg/mlの4時間以上変性させたサケ精子DNA中で予めハイブリッド形成させる。プローブとして無作為にプライミングして標識したDOR−1 cDNA(本願明細書に記載した)を使用して、高緊縮ハイブリッド形成を同一溶液中68℃で実施し、そして低(lower)緊縮ハイブリッド形成ではこの温度を50〜60℃に下げる。16〜24時間ハイブリッド形成させた後、フィルターを先ず40mM NaPO、pH7.2/0.5%BSA/5%SDS/1mM EDTAで各1時間で2回、次に40mM NaPO、pH7.2/1%BSA/1mM EDTAで各1時間、両方ともハイブリッド形成と同じ温度で洗浄する(Boulton等、Cell 65: 663〜675(1991年))。次に、フィルターを強化スクリーンを有するフィルムに−70℃で1日から1週間暴露する。
次に、陽性シグナルをプレートに並べ、そして一次スクリーニングと同じ条件を使用して対応する陽性ファージを次の回のスクリーニングで精製する。次に、精製したファージクローンを使用して、配列分析用のプラスミドベクター中にサブクローン化するためにファージDNAを調製する。種々の独立クローンに対応するDNAの組織分布は、ノザンブロット法、および標準方法を使用するインシトゥハイブリッド形成を使用して分析する。DNAの機能は、COS細胞のような異種真核生物発現系中での発現を使用して試験する。
(オピオイドレセプタータンパク質の発現)
オピオイドレセプタータンパク質をコードするヌクレオチド配列は種々の系で発現させることができる。cDNAは適当な制限酵素で切断し、そして上記発現用の原核生物または真核生物発現ベクター中に連結することができる。
例えば、以下に述べるように、タンパク質をコードするcDNAはCOS細胞中で発現させる。機能的な発現を行わせるために、プラスミド発現ベクターCDM8(AruffoおよびSeed、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 8573〜8577(1987年)、Dr. AruffoおよびDr. Seed(マサチューセッツ州ボストンのハーバード大学)が提供した)を使用した。或いは、レトロウイルスベクターのような他の適当な発現ベクターを使用することができる。
オピオイドレセプターを発現させるために原核生物および好ましくは真核生物系を使用することができる。酵母のような真核微生物はオピオイドレセプタータンパク質の大量生産用宿主として使用することができる。多数の他の株が一般的に利用可能であるが、サッカロミセスセレビシエの実験室株、製パン用(Baker's)酵母が最も使用される。例えば、2μの複製起源(Broach、Meth. Enz. 101: 307(1983年))または他の酵母と適合する複製起源(例えば、Stinchcomb等、Nature 282: 39(1979年); Tschempe等、Gene 10: 157(1980年); およびClarke等、Meth. Enz. 101: 300(1983年))を採用するベクターを使用することができる。酵母ベクターの対照配列には解糖酵素の合成用プロモーターが含まれる(Hess等、J. Adv. Enzyme Reg. 7: 149(1968年); Holland等、Biochemistry 17: 4900(1978年))。当該技術分野で既知の更なるプロモーターには3−ホスホグリセレートキナーゼのプロモーター(Hitzeman等、J. Biol. Chem. 255: 2073(1980年))および他の解糖酵素のプロモーターが含まれる。増殖条件で制御される転写の追加的利点を有する他のプロモーターはアルコールデヒドロゲナーゼ2、イソシトクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関連した分解酵素、並びにマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素のプロモーター領域である。ターミネーター配列がコード化配列の3'末端にあることが望ましいことも考えられる。このようなターミネーターは、酵母由来遺伝子のコード化配列の後の3'非翻訳領域に見られる。
或いは、オピオイドレセプタータンパク質をコードする遺伝子は多細胞生物から誘導される真核宿主細胞培養物中で発現される。(例えば、Tissues Cultures、Academic Press、CruzおよびPatterson編、(1973年)参照)。これらの系はイントロンをスプライシングできる別の利点を有しており、そしてそれ故、直接使用してゲノムフラグメントを発現させることができる。有用な宿主細胞株には、ツメガエル卵母細胞のような両生類卵母細胞、COS細胞、VEROおよびHela細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、並びにSF9 細胞のような昆虫細胞が含まれる。このような細胞の発現ベクターには通常、例えば、バクロウイルス、ワクシニアウイルス、シミアンウイルス40(SV40)(Fiers等、Nature 273: 113(1973年))のような哺乳動物細胞と適合するプロモーターや制御配列、またはポリオーマ、アデノウイルス2、ウシパピローマウイルス、若しくはニワトリ肉腫ウイルスから誘導されるような他のウイルスプロモーターが含まれる。制御可能なプロモーター、hMTII(Karin等、Nature 299: 797〜802(1982年))も使用することができる。哺乳動物細胞宿主系形質転換の一般的な特徴はアクセル(Axel)の米国特許第4,399,216号によって記載されている。「エンハンサー」領域は発現を最適化する際に重要であることが明らかであり; これらは一般的に、非コード化DNA領域中のプロモーター領域の上流または下流に見られる配列である。必要な場合には、ウイルス供給源から複製起源を得ることができる。しかし乍ら、染色体への組込みは真核生物でのDNA複製に共通したメカニズムである。
原核生物系を使用する場合、イントロンのないコード化配列を適当な制御配列と一緒に使用すべきである。オピオイドレセプタータンパク質のcDNAは適当な制限酵素を使用して切断しそしてこのような発現用の適当な制御配列と一緒に原核生物ベクター中に連結することができる。
原核生物は最もしばしば大腸菌の種々の株によって代表される; しかし乍ら、他の微生物種や株を使用することもできる。リボソーム結合部位配列と一緒に、任意にオペレーターと共に転写開始用プロモーターを含めるように本願明細書に定義されている原核生物制御配列が一般的に使用され、上記プロモーターにはβ−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトース(lac)プロモーター系(Chang等、Nature 198: 1056(1977年))並びにトリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel等、Nucl. Acids Res. 8: 4057(1980年))並びにλ誘導PプロモーターおよびN−遺伝子リボソーム結合部位(Shimatake等、Nature 292: 128(1981年))のような一般的に使用されるプロモーターが含まれる。
使用する宿主細胞に依存して、このような細胞に適する標準的な技術を使用して遺伝子導入を行う。コーエン(Cohen)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 2110(1972年)またはサムブルック等(上述)によって記載された塩化カルシウムを使用する処理は、実質的な細胞壁バリヤーを有する原核生物または他の細胞に使用することができる。このような細胞壁のない哺乳動物細胞には、任意にウイグラー(Wigler)等、細胞(Cell)16: 777〜785(1978年)またはチェンおよびオカヤマ(Okayama)(上述)で修正したグラハム(Graham)およびファンデルエブ(van der Eb)、ウイルス学(Virology)54: 546(1978年)のカルシウムホスフェート沈殿方法を使用することができる。酵母への遺伝子導入はファンゾリンゲン(Van Solingen)等、J. Bact. 130: 946(1977年)またはヒシアオ(Hsiao)等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76: 3829(1979年)の方法に従って実施することができる。
他の代表的なトランスフェクション方法にはウイルストランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション技術、リソチーム融合若しくは赤血球融合、掻き取り、直接的取込み、浸透性若しくはサッカロースショック、直接的微量注入、赤血球媒介技術のような間接的微量注入、および/または宿主細胞への電流印加法が含まれる。細胞に遺伝情報を導入する他の方法が開発されることは疑いないので、トランスフェクション技術に関する上記リストはこれらに尽きるものとは考えられない。
(アンチセンス配列による発現の調節)
或いは、アンチセンス配列を、センスオリゴヌクレオチドでコードされるレセプターの機能的発現を調節する手段としてオピオイドレセプターを発現する細胞中に挿入することができる。アンチセンス配列は、当該技術分野に既知の標準的な方法によって、既知のセンス配列(DNAかまたはRNAのどちらか)から調製する。オピオイドレセプター遺伝子またはRNA転写に特異的なアンチセンス配列を使用して、オピオイドレセプターをコードするオリゴヌクレオチドに結合するかまたは該オリゴヌクレオチドを不活性化することができる。
(用語)
本願明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」および「the」には、文脈が明らかに他を記載していない限り、複数の言及が含まれる。それ故、例えば、「1つのレセプター(a receptor)」の言及にはこのような複数のレセプターの混合物が含まれ、「1つのオピオイド(an opioid)」の言及には複数の上記オピオイドおよび/またはオピオイド混合物が含まれ、そして「該宿主細胞(the host cell)」の言及には、このような細胞の同一または類似のタイプ等の複数の細胞が含まれる。
他に定義しない限り、本願明細書に使用した全ての技術的および科学的用語は、本願発明が属する技術分野の通常の技倆を有する者に普通に理解されるものと同じ意味を有する。以下の実施例は説明するためであって本発明の限定を意図するものではない。他に特定しない限り、温度は℃でありそして圧力はほぼ大気圧である。
(モノ125I−DADLEの調製)
DADLE(Peninsula Laboratories Inc.)は、ヨウ素産生法(Maidment等、MICRODIALYSIS IN THE NEUROSCIENCES、T. RobinsonおよびJ. Justice編、275〜303頁(Elsevier、1991年))を使用してヨウ化した。モノおよびジヨウ化形態の両方を生じさせた。ジヨウ化DADLEは、チロシン残基のジヨウ化により、オピエイトレセプターと結合しないことが報告されている(Miller, R. J. 等、Life Sci. 22: 379〜388(1978年))。従って、モノヨウ化DADLEが好ましい。モノ125I−DADLEは他の同位元素で標識されたDADLEと比べて極端に高い比活性を有しているので、これも好ましい。かくして、週または月よりむしろ日のオーダーの暴露時間を使用することができる。
ヨウ化を行うとき、概ね1:100のヨウ化ナトリウム対ペプチドのモル比を使用することによって、好ましいモノヨウ化DADLEの収量が増加した。更に、モノヨウド化形態の収量を一層高めるために、ヨウ化DADLE(モノおよびジヨウド化形態の両方を含む)を逆相HPLC(Maidment等、上述)で精製した。この方法を使用して、モノヨウ化DADLEの単一の主要な放射標識ピークをジヨウ化および非ヨウ化形態から分離した。
スクリーニングの成功には 125Iでモノ標識したDADLEが重要である。放射標識した 125I−DADLEは幾つかの重要なパラメーターがDADLEと異なっている: 大きさ、疎水性、および結合親和性(僅かに低い)。HPLCステップによってモノヨウ化DADLEをジヨウ化および非ヨウ化DADLEから精製すると非常に高い比活性(約2000Ci/ミリモル)を有するリガンドが得られる。モノヨード化形態の比活性は、モノ−、ジ−、および非ヨウ化DADLEの非分離混合物より約100倍高い。モノ標識125I−DADLEはこれを調製してから2,3日以内に使用しなければならない。
[実施例1]DOR−1の調製
NG108−15細胞系(UCLAのクリストファー・エバンズ博士より入手) はデルタオピオイド(以下、δ−オピオイド)受容体の均質で豊富な供給源を含む。NG108−15から単離したmRNAを用いて、プラスミドベクターCDM8中にランダムプライム(random-primed)、サイズ選別cDNAライブラリーを組みこんだ(construct)。cDNAライブラリーを細菌中で増幅させた。このcDNAライブラリーをエレクトロポレーションによりCOS−7細胞に導入(トランスフェクション)した。一時的にトランスフェクトされたCOS−7菌叢をスクリーニングし、高純度のモノ− 125I−2dAla、5dLeuエンケファリン(125I−DADLE)で選択した。陽性クローンをフィルムオートラジオグラフィーにより同定し、これらの細胞由来プラスミドを回収し、細菌中で増幅させた。その後、このプラスミドをCOS−7細胞に再び導入(トランスフェクション)した。このようなプラスミド富化を3サイクル行った後、個々のクローンをトランスフェクトし、 125I−DADLEを結合した純粋なクローンを同定した。
A.cDNAライブラリーの構築
6Mグアニジウムイソチオシアネート中でホモジナイズし、次いで塩化セシウムを加えて遠心処理することにより、NG108−15細胞よりRNAを調製した(J.M. Chirgwin ら、Biochemistry 18:5294(1979)) 。オリゴ−dT−セルロースでのクロマトグラフィーによりポリ−A+ RNAを分離した(H.Aviv およびP.Leder 、Proc.Natl. Acad.Sci. USA 69:1408(1972)) 。このRNAを鋳型にしてランダムヘキサマーをプライマーとして用いて、鳥類の骨髄芽球ウィルスの逆転写酵素(ライフサイエンス社)によるcDNA合成を行った。第2鎖合成をRNase−Hおよび大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼを用いて行った(U. Gubler およびB.J. Hoffman、Gene 24:263(1983)) 。cDNAの末端をT4DNAポリメラーゼにより平滑末端とし、BstXIリンカーを添加した。5%アクリルアミドでの電気泳動および電気溶出により、1.5kbより長いcDNAを選択した。1.5kbのcDNAをCDM8ベクターに連結し(A.AruffoおよびB.Seed、前記)、エレクトロポレーションによりMC-1061 菌に導入した (W.J.Dower ら、Nucl. Acids Res.:16:6127(1988)) 。こうして約2×10 組み換え体の最初のcDNAライブラリーからプラスミドDNAのプールを6つ調製した。
B.エレクトロポレーションによるプラスミドトランスフェクションおよびCOS細胞での発現
COS細胞を高密度で増殖させ、トリプシン中で集菌し、次いで20%胎児子牛血清を含む1.2×RPMI中に2×10/mlで再懸濁した。次に、これらの細胞を上記cDNAライブラリーからの組み換えプラスミドDNA20μgと共に4℃で10分間インキュベートし、さらに0.4cm間隔のキュベット(gap cuvette)(バイオラド(Biorad)) 中 960μF、230Vでエレクトロポレーションを行った。次に、細胞を4℃でさらに10分間インキュベートし、10%胎児子牛血清(FCS)を加えたダルベッコ(Dulbecco)の改良イーグル培地(DMEM)に塗布した。
C.トランスフェクトされたCOS細胞のスクリーニング
上記で得たトランスフェクトされたCOS細胞を3日間増殖させ、放射標識したモノ125I−DADLEを用いてスクリーニングを行った。トランスフェクトCOS菌叢をPBSで洗浄し、1%BSAを含むKHRB中で10〜20nM 125I−DADLEと共に室温でインキュベートした。1時間後、プレートを氷冷PBSで手早く数回洗浄し、次いで強い強制冷気流で氷上で乾燥した。プレートを室温でカセット中のデュポン・クロネックス・フィルム (DuPont Cronex film) 上に暴露した。低倍率顕微鏡を通してペトリ皿を用いてフィルムを注意深く並べることにより陽性クローンを同定した。
マイクロマニュプレーターの毛細管に接続した注射器から供給したtRNA1μg/μlを含む0.1%SDSのTE溶液中で可溶化することにより陽性細胞からDNAを除去した。ハート(Hirt) の溶菌操作を用いて抽出細胞からプラスミドを精製し (Hirt, B., J. Mol. Bio. 26;365-369 (1967))、エレクトロポレーションによりMC−1061菌に入れた。プラスミドを精製後、COS細胞に再び導入(トランスフェクション)した。このような富化サイクルを3回行った後、各プラスミドクローンをCOS細胞に導入し、DOR−1と命名した1個のクローンを得た。
[実施例2]DOR−1の特性決定
まず、DOR−1クローンの特性を、標識したDADLEにより、DOR−1発現細胞の細胞膜画分をスクリーニングすることにより決定した。 125I−DADLEの結合が、ナノモル濃度のオピエート(opiate)アルカロイド類であるジプレノルフィン、モルヒネ(モルフィン)、エトルフィンにより、またDADLE、DSLETおよびDPDPEにより置換されることが判った。デキストロルファン(10μM)は 125I−DADLEと置換せず、一方そのオピオイド−活性鏡像体であるレボルファノールは放射標識DADLEと置換した。さらにmu(μ)受容体−選択性リガンドであるDAGO(5μM)はカウントを置換しなかった。
さらに、DOR−1クローンを発現する完全な細胞への H−ジプレノルフィンの結合を測定し(図1)、そしてこのような細胞の膜画分からの H−ジプレノルフィンの置換を測定することにより(図2、3)、DOR−1クローンについて薬理学的特性を決定した。
結合試験は、完全な細胞については1%BSAを含むKRHB中で、あるいは膜については25mM HEPES、5mM MgCl、pH7.7の溶液中で行った。細胞は1mM EDTAを含むPBS中で集菌し、PBSで2回洗浄し、次いでKHRBに再懸濁した。細胞から調製した膜(Law, P. Y. E. 等、Mol. Pharm. 23:26-35 (1983))を結合試験において直接使用した。結合試験は、適宜量の放射標識リガンドを含む全量100μl中、4℃で96ウェルのポリプロピレンクラスタープレート(コスター (Coster))で行った。1時間のインキュベーション後、プレートをトムテック(Tomtec) ハーベスターで集め、B型フィルターマットをメルティレックス(Meltilex)B/HS(ファルマシア製)メルト−オンシンチレーターシートを用いて、ベータプレート(Beterplate) (ファルマシア製)シンチレーション計数管で計測した。
DOR−1を発現する完全な細胞を、高い親和性のオピエートアンタゴニストであるH−ジプレノルフィンで分析した。400nMジプレノルフィンで置換されたカウントにより特異的結合を表した。図1はNG108−15細胞、およびδ−オピオイド受容体クローンでトランスフェクトされたCOS−7細胞に対するH−ジプレノルフィンの飽和曲線を示す。
トランスフェクトされていないCOS細胞、または挿入断片をもたないプラスミドを導入したCOS細胞は特異的結合を示さなかった。このように、COS−DOR−1細胞のオピオイド結合性はNG108−15細胞のものと類似している。
トランスフェクトされたCOS−7細胞から標準法で調製した膜を、DOR−1クローンによりコードされる受容体のより広範な薬理学的特性を決定するために用いた。H−ジプレノルフィンと競合させた以下のアルカロイドオピエート類に対する親和性を図2に説明する:非標識ジプレノルフィン、δ受容体に対する高親和性アンタゴニスト;エトルフィン、δ、μおよびκ受容体に対する高親和性アゴニスト、;レボルファノール、δ受容体に対する低親和性アゴニスト;モルヒネ、δ受容体に対する低親和性アゴニストでありμ受容体に対する高親和性アゴニスト;およびデキストロファン、δ受容体に結合しないレボルファノールの非オピエート活性鏡像体。
図2に示すように、 H−ジプレノルフィンの置換は、親和性の低くなる順(decreasing order)にジプレノルフィン、エトルフィン、レボルファノールおよびモルヒネでみられる。予想されるように、 H−ジプレノルフィンはデキストロファンでは置換されなかった。
H−ジプレノルフィンと競合させた以下のオピオイドペプチドの親和性を図3に示す:DADLE、μおよびδ受容体に対する高親和性のアゴニスト;DSLETおよびDPDPE、両者ともδ(μではない)受容体に対する高親和性のアゴニスト;DAGO、μ受容体に対する選択的アゴニスト;ダイノルフィン1−17、κ受容体に対する高親和性アゴニストであり、δ受容体に対する中〜低親和性アゴニスト。図3に示すように、H−ジプレノルフィンの置換は、親和性の低くなる順にDSLET、DPDPE、DADLEおよびダイノルフィン1−17で見られた。DAGOでは弱い置換しかみられなかった。
[実施例3]RNAのノーザンブロット分析
ノーザン分析のために、NG108−15細胞由来のmRNAおよびラット脳領域から切り出した細胞由来のmRNAを、2.2Mホルムアルデヒド/1.5%アガロースの電気泳動により分離し、ナイロンに転写し、高い緊縮下で水溶液中でハイブリダイズさせた。フィルターを0.5M NaPO4、pH7.2;1%BSA;1mM EDTA;7%SDS;および100μg/ml変性サケ精子DNAを含む溶液で少なくとも4時間68℃においてプレハイブリダイズさせた(Boulton 等、前出) 。次いでフィルターをランダムプライミングにより標識した精製cDNA挿入断片5×10cpm/ml以上を用い、上記と同じ条件で一晩ハイブリダイゼーションを行った(A. P. FeinbergおよびB. Vogelstein, Anal.Biochem. 132:6(1983)) 。フィルターを40mM NaPO4、pH7.2;0.5%BSA;5%SDS;および1mM EDTAで1時間、2回洗浄し、次いで40mM NaPO4、pH7.2;1%SDS;および1mM EDTA中で2回、それぞれ1時間、すべて68℃において洗浄した。その後、デュポン・クロメックス・ライトニング・プラス(DuPont Cromex Lightening Plus)で−70℃においてオートラジオグラフィーを行った。
mRNAのノーザン分析の結果は、約8.7、6.8、4.4、2.75および2.2キロベース(kb)においてプローブにハイブリダイズする複数バンドの存在を示した(図4)。また、ノーザン分析は、脳領域の間でmRNAのパターンが変化することを示した。現時点では、これらのmRNAが異なる蛋白質配列をコードするかどうか、またもしそうであれば、これらの情報が異なるタイプあるいはサプタイプのオピオイド受容体を表しているかどうかについては明らかでない。
[実施例4]DNAのサザンブロット分析
放射標識したDOR−1 cDNAプローブを標準法よりゲノムサザンブロットにハイブリダイズさせた(Sambrook等、前出) 。即ち、放射標識DOR−1 cDNAプローブを、高い緊縮下で、制限酵素BamHIで切断したNG108−15、マウス、ラットおよびヒトDNAのブロットにハイブリダイズさせた(図7)。NG108−15、マウスおよびラットDNAを含むクローン中に単一バンドがみられた。cDNAプローブへハイブリダイズするバンドの大きさは5.2kb(NG108−15)、5.2kb(マウス)および5.7kb(ラット)と判定された。これらの結果はマウスとラット遺伝子の高い相同性を示し、またDOR−1クローンは、NG108−15細胞系のマウスの親(murine)に由来することを示す。
EcoRIで切断した、異なる種由来のゲノムDNAを含むブロットにおいて、中程度の緊縮でのDOR−1 cDNAのハイブリダイゼーションではマウス、ラット、ヒト、ウサギおよびいくつかのその他の哺乳動物種の各レーンに2つのバンドがみられた。これは、これらの種のすべてでオピオイド受容体遺伝子間に高い関連性があることを意味する。さらに、これらの結果は、これらの種のそれぞれからの遺伝子またはcDNAは、中程度の緊縮でのハイブリダイゼーションを用いて容易にクローン化できることを示す。
[実施例5]cDNA配列決定
DORクローンとして発現する単離cDNAを、cDNAクローン由来挿入断片をpBluescriptTM (ストラータジーン(Stratagene)、サンジエゴ、CA)などのプラスミドへサブクローニングし、ジデオキシ法(Sanger等、Proc Natl Acad Sci USA 74:5463-5467 (1977))を用いて分析した。cDNAの塩基配列を、一本鎖DNAおよび特に設計した内部プライマーから、シークエナーゼおよびΔTaqサイクル・シークエンシングキット(USB)を用いて決定した。これらのキットは当分野で広く使用されており、ジデオキシ鎖終止法を用いるものである。次いでDNA配列および予想される蛋白質配列をジーンバンク(GeneBank) のような確立されたデータバンクにおける配列と比較した。
DOR−1クローン中のcDNA挿入断片の配列決定により、370個のアミノ酸のオープンリーディングフレームが明らかになった(図5)。ジーンバンクにおける既知配列と比較すると、DOR−1とG−蛋白質結合ソマトスタチン受容体との間に高い相同性を示し(アミノ酸の57%の一致)、アンギオテンシンに結合する受容体、2つの走化性因子であるIL−8およびN−ホルミルペプチドとの相同性はやや低かった。図6はヒトソマトスタチン1受容体に対する相同性を示す。本発明の受容体クローンとソマトスタチン受容体との高い相同性は特に注目すべきである。というのはソマトスタチンリガンドはオピオイド受容体に結合すること、δ受容体中のものと似た分子機構を有することが報告されているからである。
cDNA配列から推定されるDOR−1クローンのアミノ酸配列のその他の特徴には、残基番号18及び33(細胞外のN末端領域にあると予想される)および残基番号310(C末端に近く、細胞内にあると予想される)の3つのコンセンサス・グリコシル化部位がある。ホスホキナーゼCコンセンサス部位は予想される細胞内領域内の残基番号242、255、344および352に存在する。膜にある(membrane-spanning)推定の7つの領域を、疎水性の性質および、マックベクター(MacVector) (I. B. I.) 分析を用いて膜にある領域について分析されたロドプシンおよびその他のG−蛋白質結合受容体との相同性に基づいて同定した。本発明の原理により単離されたDOR−1クローンはN−グリコシル化などの翻訳後修飾の前の、推定分子量40,558ダルトンを有するδ受容体を産生する。
[実施例6]オピオイド受容体ゲノムクローンの単離
ゲノムクローンの単離を当分野で既知の手法によって行った。オピエート受容体ゲノムクローンを単離するために、γgem11(プロメガ(Promega)) 中の300,000 個のヒトゲノムクローンおよび同程度の数のラムダFix(ストラータジーン)中のマウスゲノムクローンを宿主株LE392上に置き、主にコード領域を含む1.1kbのDOR−1 Pst/Xba断片をプローブとして釣り上げた。ハイブリダイゼーションの条件はかなり低い緊縮であった:50%ホルムアミド/6×SSC、37℃で一晩。洗浄も低い緊縮:2×SSC、0.1%SDS、室温、で行った。
ハイブリダイゼーションおよびプラーク精製の繰り返しにより、1個のマウスクローンおよび3個のヒトゲノムクローンを単離し精製した。DNA調製および制限酵素による分析で、3個のヒトクローンは非常に異なるEcoRI切断パターンを示した。1.1kbオビエート受容体プローブは、それぞれのクローンに対してサザン分析における異なる単一EcoRIバンドにハイブリダイズした。これらの結果から、3個の異なる遺伝子が、H3、H14およびH20と命名されるヒトゲノムクローンにより発現されることが予備的に示唆された(図8a、8b、8cおよび8d参照)。これらのクローンはそれぞれ、ブダペスト条約に基づいてロックビル、メリーランドのアメリカン・タイプ・カルチヤー・コレクションに1993年8月13日に寄託された。これらの寄託物の入手の制限は、この出願に基づく米国での特許発行の時に除かれるであろう。ATCC寄託番号はH3については 、H14については 、H20については である。
EcoRIおよびTaqIにより、H3、H14およびH20クローンをより小さい断片に切断後、配列決定のためにBluescriptの適宜部位にショントガンクローン化した。H3の部分ヌクレオチド配列を図8aに、H14の部分ヌクレオチド配列を図8bに、H20の部分ヌクレオチド配列を図8cに示す。
3つのゲノムクローンはサルク研究所(Salk Institute) のグレン・エバンズ (Glenn Evans)博士によりin situ ハイブリダイゼーションによりヒト中期染色体上に位置決定された。H3は染色体1Pに、H14は染色体8の動原体近くに、H20は染色体6上に位置する。上記したように得られた配列データを、前出のマウスの対応物について公開された配列、および以下に記載するDOR−2クローンと比較すると、次のことが確認できた:(a)H3はヒトδ−オピオイド受容体をコードする;(b)H14はヒトκ−オピオイド受容体をコードする、そして(c)H20はヒトμ−受容体をコードする。さらにH20は、この遺伝子の遺伝(inheritance)を探るための手段を提供するCACACAマーカー(図8d)を含むようである。
ゲノムクローンをEcoRIおよびTaqIでより小さい断片に切断し、配列決定のためにBluescriptの適宜位置にショットガンクローン化した。
[実施例7]他の生物由来のオピオイド受容体クローンの単離
哺乳動物の脳細胞、例えばヒト脳細胞からのオピオイド受容体を単離するために、λZap(ストラータジーン)中のランダム−プライムヒト脳幹cDNAライブラリーを、この明細書記載のDOR−1をコードするマウスcDNAを用いてスクリーニングした。陽性プラークを精製し、再度スクリーニングを行った。各プラーククローンを配列決定し、上記のようにして特性を決定した。
[実施例8]可能な抗原配列の決定
DOR−1にコードされるオピオイド受容体のアミノ酸配列をマックベクター(I.B.I.)抗原インデックスおよびJameson, B. and H. Wolf, Comput. Applic. in Biosci. 4:181-186 (1988)による抗原インデックスで判定して、δ−オピオイド受容体の以下の下線部分の配列が高い抗原性を有すると決定された。
Figure 2004154144
N末端配列は細胞外であり、他の4つの配列は細胞内であると推定される。
[実施例9]マウスのクローンDOR−2(mMOR−1)の回収
マウス脳から調製されたλgt10中のcDNAライブラリーを、実施例6の低い緊縮の条件下でプローブとしてDOR−1を用いて釣り上げた。1個のクローンを回収し、Bluescriptに挿入し、配列を決定した。ノーザンおよびサザンブロットにより、DOR−1との違いが示された。DOR−2と命名したこのクローンは、新しい遺伝子を発現した。DOR−2はDOR−1とは異なるパターンのニューロンにハイブリダイズし、線条体(striatum) のより大きい標識を示した。ベクターpCDNA への挿入および哺乳動物細胞へのトランスフェクションによるDOR−1の発現により、モルヒネに結合する細胞−μ受容体を表わす−を産生した。この細胞は非選択的オピエートアンタゴニストであるジプレノルフィンにも結合する。DOR−2(mMOR−1)がμ受容体であることは、ナノモル濃度のμ−選択的リガンドのモルフィセプチン、DAMGOおよびモルヒネによる H−DPNの置換により確認された。δ選択的リガンドDPDPEおよびデルトルファンは結合を置換せず、ナロキソンは予想された高親和性を有していた。実施例6に記載のH20と命名された部分配列は、実質的にDOR−2と類似していた。DOR−2の部分配列を図9に示す。
図10はマウスのδ受容体のアミノ酸配列とラットのμおよびκ受容体との比較を示す。広い領域で相同性がみられる。
DOR−1を用いてCDM8ベクター中でNG108−15細胞およびCOS細胞の各々をトランスフェクション(エレクトロポーレーションによって)してから3日後の上記細胞間の H−ジプレノルフィンの結合(飽和曲線)の比較を示すものである。特異的なオピオイド結合はトランスフェクション(遺伝子導入)されていないCOS細胞またはプラスミドだけで検出され、トランスフェクションしたCOS細胞中では検出できなかった。 DOR−1でトランスフェクションした細胞のCOS細胞膜から得られる5nM H−ジプレノルフィンの置換曲線を示す。H−ジプレノルフィンはジプレノルフィン、エトルフィン、モルヒネおよびレボルファノールで置換されたが、デキストロファン(レボルファノールの非オピエイト剤活性光学異性体)では置換されなかった。 DOR−1でトランスフェクションした細胞のCOS細胞膜から得られる5nM H−ジプレノルフィンの置換曲線を示す。H−ジプレノルフィンは、デルタ選択アゴニストであるDPDPEおよびDSLET、ミューおよびデルタレセプターの高アフィニティー(親和性)リガンドであるDADLE、およびカッパ優先リガンドであるダイノルフィンで置換された。H−ジプレノルフィンはミュー選択リガンドであるDAGOでは置換されなかった。 NG108−15細胞および種々のラット脳領域から得られる細胞のmRNAをノーザン分析した結果を示すものである。 DOR−1クローンのヌクレオチド配列(配列番号4)および推定(deduced)アミノ酸配列(配列番号5)を示すものである。 DOR−1クローンのヌクレオチド配列(配列番号4)および推定(deduced)アミノ酸配列(配列番号5)を示すものである。 DOR−1の推定アミノ酸配列(配列番号5)をラットソマトスタチンレセプター(配列番号6)と比較して示すものである。細胞外ドメインになると推定されるコンセンサスグリコシル化部位は星印で示す。潜在的タンパク質キナーゼC部位は実施例5に示す。7つの推定膜スパンニング領域(下線)は疎水性プロフィールおよび発表された予測(MacVectorソフトウエアプログラム(IBI); T. HoppおよびK. Woods、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 3842〜3828(1981年))に基づいて推定される。配列分析については、cDNA挿入物をpBluescript に入れてサブクローン化し、そして両ストランドはシークエナーゼおよびTaq サイクル配列分析を使用して1本鎖DNAから配列を分析した。圧縮による不明確さについては、配列分析反応で7−デアザ−dGTPで置換したdGTPおよび生成物をホルムアミドゲルで分析した。 Bam HIで切断したNG108−15、マウス、ラットおよびヒトDNAと高緊縮でハイブリッド形成した放射標識DOR−1 cDNAプローブのサザン法ブロットを表わすものである。 ヒトデルタオピオイドレセプターゲノムクローンH3(ヒトDORaまたはhDORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号7及び8)を示す。 ヒトカッパオピオイドレセプターゲノムクローンH14(ヒトKORaまたはhKORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号9)を示す。 ヒトカッパオピオイドレセプターゲノムクローンH14(ヒトKORaまたはhKORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号9)を示す。 ヒトカッパオピオイドレセプターゲノムクローンH14(ヒトKORaまたはhKORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号9)を示す。 ヒトカッパオピオイドレセプターゲノムクローンH14(ヒトKORaまたはhKORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号9)を示す。 ヒトムミューオピオイドレセプターゲノムクローンH20(ヒトMORaまたはhMORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号10)を示す。 ヒトムミューオピオイドレセプターゲノムクローンH20(ヒトMORaまたはhMORaとも称される)の部分的ヌクレオチド配列(配列番号10)を示す。 H20DNAの近くのCACACA反復のヌクレオチド配列(配列番号11)を示す。 mMOR−1またはmMOR−1αとも呼称されるネズミ(murine)ミューレセプタークローンDOR−2のヌクレオチド配列(配列番号12)を示すものである。 mMOR−1またはmMOR−1αとも呼称されるネズミ(murine)ミューレセプタークローンDOR−2のヌクレオチド配列(配列番号12)を示すものである。 mMOR−1またはmMOR−1αとも呼称されるネズミ(murine)ミューレセプタークローンDOR−2のヌクレオチド配列(配列番号12)を示すものである。 種々のレセプターアミノ酸配列(配列番号5、13及び14)の相同性を示すものである。 種々のレセプターアミノ酸配列(配列番号5、13及び14)の相同性を示すものである。

Claims (8)

  1. 配列番号4に示されたヌクレオチド配列又はその相補体からなるプローブと低緊縮条件下でハイブリッド形成するミュー又はカッパオピオイドレセプターをコードするヌクレオチド配列を含有する組換え体核酸分子。
  2. ヒトカッパオピオイドレセプター、ヒトミューオピオイドレセプター、又はネズミミューオピオイドレセプターをコードする請求項1に記載の核酸分子。
  3. 宿主細胞に導入したとき、宿主細胞内でオピオイドレセプターを産生し得る発現系を含むDNA分子であって、該発現系は、上記宿主細胞内で機能的な(operable)異種制御配列に操作的に(operably)結合された請求項1又は2に記載のオピオイドレセプターをコードする核酸配列を含む、DNA分子。
  4. 請求項3に記載の発現系を含有するように修正された組換え体宿主細胞。
  5. 組換え体細胞表面にオピオイドレセプターが現れる組換え体細胞の産生方法であって、該方法はコード化DNAを発現させて上記レセプタータンパク質を上記細胞表面に産生させる条件下で請求項4に記載の細胞を培養することを含む。
  6. 請求項5に記載の方法で調製した組換え体細胞。
  7. オピオイドアゴニストまたはアンタゴニスト活性について候補物質をスクリーニングする方法であって、該方法は:
    上記活性を検出するのに適当な条件下で候補物質の存在下および不存在下で請求項6に記載の細胞をインキュベートし、そして
    上記活性の存在、不存在または量を検出する、
    ことを含む。
  8. 配列番号4に示されたヌクレオチド配列又はその相補体からなるプローブと低緊縮条件下でハイブリッド形成するデルタ、ミュー又はカッパオピオイドレセプターをコードするヌクレオチド配列を含有する組換え体核酸分子と相補的なDNAを用いて、当該DNAが前記核酸分子とハイブリッド形成する条件下で、オピオイドレセプターをコードする核酸分子を発現する細胞を処理する工程を含む、オピオイドレセプターをコードする核酸分子の発現を調節するためのインビトロにおける方法。
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