JP2736038B2 - 炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法 - Google Patents

炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法

Info

Publication number
JP2736038B2
JP2736038B2 JP7183048A JP18304895A JP2736038B2 JP 2736038 B2 JP2736038 B2 JP 2736038B2 JP 7183048 A JP7183048 A JP 7183048A JP 18304895 A JP18304895 A JP 18304895A JP 2736038 B2 JP2736038 B2 JP 2736038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
silica
carbide whiskers
carbon
ore
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7183048A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0930899A (ja
Inventor
史郎 佐藤
志郎 嶋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BENCHAA NIICHI KK
Original Assignee
BENCHAA NIICHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BENCHAA NIICHI KK filed Critical BENCHAA NIICHI KK
Priority to JP7183048A priority Critical patent/JP2736038B2/ja
Publication of JPH0930899A publication Critical patent/JPH0930899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2736038B2 publication Critical patent/JP2736038B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、シリカを主成分とする鉱石から
炭化珪素ウイスカー(SiC Whisker)を生成
する新規な方法及びそのウイスカーで強化されたセラミ
ックス基複合材料(そのウイスカーを配合したムライト
炭化珪素ウイスカー(Mullite/SiC Whi
sker))の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】籾殻を焼成して非晶状シリカ(S
iO2 )と炭素(C)の混合材料をつくり、これを非酸
化雰囲気下で反応させてウイスカー(β−SiCウイス
カー)を合成する手段が知られている。(シリカ還元法
による炭化珪素ウイスカー(SiCWhisker)の
合成方法。)
【0003】この合成方法で籾殻を燃焼すると、15〜
30%の灰分を生ずるが、この灰分中には87〜97重
量%のシリカが非晶質で含有されている。一方、籾殻中
のセルローズは、炭化すれば炭素原料となり、すべて籾
殻から炭化珪素粉末やウイスカーを合成することができ
る。この反応温度はアルゴン(Ar)又はアルゴン−一
酸化炭素(Ar−CO)雰囲気で1350〜1500℃
である。
【0004】この合成方法は、炭化珪素ウイスカー生成
後の精製工程で脱炭素のために上記ウイスカーを500
〜650℃位に加熱し、かかる脱炭と同時に脱シリカと
脱三酸化二鉄とを行い、炭素、シリカ、三酸化二鉄等を
除去している。
【0005】上述した合成方法を図2に示す。上記の合
成方法は、籾殻を原料としていることがユニークな点で
あるが、精製段階で炭素、シリカ、三酸化二鉄などを除
去することが欠点とされている。
【0006】本発明は、従来技術の上記課題に着目する
と共に、シリカを主成分とする鉱石が我国で産出される
ことに着目してなしたもので、前記鉱石を原料として炭
化珪素ウイスカーを生成すること、及び前記鉱石を原料
としてアルミナ成分を積極的に利用したムライト生成工
程で反応残滓となるシリカ、アルミナなどの成分を除去
せず、これらの成分を逆に有効利用することなどの提案
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】叙上の目的を達成するた
めに本発明がなした手段は、シリカを主成分とし、この
シリカのほかに炭素、マグネシア、チタニア、三酸化二
鉄、酸化ナトリウム、アルミナ、酸化カリウム、水分を
含有する鉱石を粉砕する第1工程と、粉砕された鉱石に
炭素を混合する第2工程と、該鉱石及び炭素の混合物を
ウイスカー成長用付着材と一緒に非酸化雰囲気下におい
て1350〜1500℃に加熱しながら10〜48時間
反応せしめ、付着材に、酸化されない炭化珪素ウイスカ
ー(β−炭化珪素ウイスカー)を付着成長せしめる第3
工程と、その炭化珪素ウイスカーが成長している付着材
から未反応のシリカ、同アルミナといった反応残滓を分
離する第4工程と、炭化珪素ウイスカーが成長している
付着材を酸化雰囲気下において700℃位に加熱しなが
ら3時間位精製して付着材のみを酸化除去する第5工程
とからなることを特徴とし、かかる諸工程を経ることに
よって炭化珪素ウイスカーを生成せしめる。
【0008】上述の炭化珪素ウイスカー生成手段におい
て、使用する原料鉱石は、北海道で産出される鉱石で、
シリカを主成分とする黒鉛硅石(通称)が使用可能であ
り、第3工程で使用する付着材としては、炭素成分化可
能な繊維質物(たとえば、綿、織物、編物、紙、アモル
ファスシリカファイバー、その他)が考えられ、粉砕鉱
石と炭素との混合物を反応せしめる反応空間を形成する
ために黒鉛るつぼを使用し、また反応条件の非酸化雰囲
気形成のためにアルゴン又はアルゴン−一酸化炭素とい
ったガス雰囲気を形成し、第4工程における付着材と反
応残滓との分離は、ウイスカー成長付着材を篩って行
い、第5工程の精製は、空気の存在下において付着材を
焼却せしめて行い、酸化されないβ−炭化珪素ウイスカ
ーを得るようにする。
【0009】本発明がなしたもう一つの手段は、前記し
た第1工程から第5工程までの諸工程に以下の加工工程
を追加することである。即ち、分離されたシリカ、アル
ミナといった前記反応残滓にムライト(3Al 2 3
2SiO2 )生成のためにシリカ又はアルミナの不足分
を追加混合する第6工程と、該混合物を酸化雰囲気下に
おいて1400〜1600℃に加熱反応せしめてムライ
トを生成する第7工程と、このムライト及び前記炭化珪
素ウイスカーを混合した後で反応焼結する第8工程とか
らなることを特徴とし、このような諸工程を経ることに
よってウイスカー強化セラミックス基複合材料(ムライ
ト炭化珪素ウイスカー)を製造する。
【0010】第1工程から第5工程までの補足説明は、
前記説明と重複するので省略し、第6工程から補足説明
する。
【0011】叙述のムライト炭化珪素ウイスカーの製造
手段において、第6工程でシリカ又はアルミナの不足分
を追加混合するのは、第4工程で反応残滓として分離さ
れた未反応シリカ又は未反応アルミナを除去せずに有効
利用するためであり、この反応残滓をムライト組成にす
るために残量の少ないほうの成分を必要量だけ追加混合
し、第7工程のムライト生成加工における酸化雰囲気
は、空気を使用して形成し、第8工程の反応焼結は、所
定の温度で所定時間行い、ウイスカー強化セラミックス
基複合材料(ムライト炭化珪素ウイスカー)を製造す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】一般に炭化珪素ウイスカーは、硬
度、耐腐蝕性、耐摩耗性、靭性に優れた機能性セラミッ
クスとしての広い用途を有し、殊にウイスカー強化セラ
ミックス基複合材料は、低熱膨脹、耐熱衝撃性に優れた
次世代の高温構造材料、たとえば、ガスタービンの耐熱
部材、耐熱圧延ロール、原子炉材料(放射線によるクラ
ック発生防止)として期待されている。
【0013】上述のウイスカーは、通常シリカ還元法で
合成され、この工業原料は、主成分のシリカ+炭素に触
媒としての酸化鉄(Fe2 3 )とウイスカーの成長促
進剤としてのナトリウムといわれている。
【0014】一方、本発明の請求項1,2で使用する原
料は、北海道南部の上ノ国鉱山で産出される鉱石であっ
て、シリカを主成分とする鉱石である。この原料鉱石
は、表1に記載した組成からなり、アルミナを除いて炭
化珪素ウイスカー生成のための天然鉱石といってよいほ
ど工業原料に近い成分、組成である。
【0015】
【表1】
【0016】現在、この鉱石は、ブロック材、融雪剤、
といった限定された用途に利用されているに過ぎず、未
だ十分に有効利用されているとは言えない。
【0017】本発明は、前記したように従来技術が有し
ている課題、上述した北海道産出の鉱石などに着目し、
該鉱石を原料とする炭化珪素ウイスカーの生成を企図
し、及び該鉱石のアルミナ成分を積極的に利用したムラ
イト生成工程でシリカ、アルミナなどといった反応残滓
の有効利用を企図しようとする発明であり、これらのこ
とによって前記鉱石の有効利用が図られるようにする発
明でもある。
【0018】次に本発明の請求項1を工程順に説明す
る。 第1工程 表1に示す如くシリカを主成分とし、このほかに炭素、
マグネシア、チタニア、三酸化二鉄、酸化ナトリウム、
アルミナ、酸化カリウム、水分などといった成分を含有
する鉱石(以下、原料鉱石と称す)を粉砕する。
【0019】第2工程 原料鉱石中の炭素含有量が少ないので、炭素を加えて混
合する。
【0020】第3工程 原料鉱石と炭素との混合物をウイスカー成長用の付着材
と一緒に非酸化雰囲気下において1350〜1500℃
位に加熱しながら10〜48時間位反応せしめて、付着
材に炭化珪素ウイスカーを成長せしめる。この工程で使
用可能な付着材は、炭素成分化可能な物質であればよ
く、その他ウイスカーを成長せしめ得る場所と空間とを
提供できる炭素成分であれば、どんな物でも使用でき
る。(たとえば、綿、織物、編物、組物、紙、アルモフ
ァスシリカファイバー、その他が使用可能である。)
【0021】また、粉砕された鉱石と炭素との混合物を
反応せしめる反応空間は、黒鉛るつぼを使用して形成
し、このるつぼに粉砕鉱石と炭素との混合物及び付着材
を充填し、かつこのるつぼ内に、非酸化雰囲気形成のた
めにアルゴン又はアルゴン−一酸化炭素といったガスを
充填し、前記温度位に加熱すると共に、前記時間位に粉
砕鉱石と炭素との混合物を反応せしめ、付着材にウイス
カーを付着成長せしめる。
【0022】ここで黒鉛るつぼを使用する目的は、炭化
珪素ウイスカー成長の時に炭酸ガス(CO2 )が生成さ
れるので、この炭素源を逃散せしめずに黒鉛るつぼと反
応させ、一酸化炭素(CO)を生成させるためである。
これを反応式で示せば、 CO2 +C(黒鉛るつぼ)→2CO また、黒鉛るつぼには、シリカ、一酸化炭素といった反
応成分を逃散させないためと、この反応成分の分圧(圧
力)を高めて反応を促進するために蓋を使用することが
好ましい。
【0023】前記非酸化雰囲気の形成には、黒鉛るつぼ
の酸化防止のため、アルゴンガスを使用するが、該ガス
の使用量は、黒鉛るつぼ内がアルゴンガスに置換される
と、後は少量でかまわない。
【0024】第4工程 炭化珪素ウイスカーが成長している付着材から未反応シ
リカ又は未反応アルミナといった反応残滓を分離する。
この未反応シリカ又は未反応アルミナを分離する目的
は、これらのうちの片方又は両方を有効利用するためで
あり、アルミナ成分を積極的に利用した後記のムライト
生成工程で有効利用するようにする。
【0025】炭化珪素ウイスカーが成長している付着材
から未反応シリカ又は未反応アルミナという反応残滓を
分離する手段は、該付着材を軽く叩くか、又は軽く振っ
て分離する。
【0026】第5工程 炭化珪素ウイスカーが成長している付着材は、空気の存
在する酸化雰囲気下において、700℃位に加熱しなが
ら3時間位精製して付着材のみを酸化除去(焼成)し、
酸化されない炭化珪素ウイスカー(具体的にはβ−炭化
珪素ウイスカー)を得る。
【0027】かくして、北海道で産出される鉱石で、シ
リカを主成分とする鉱石を原料として、初めて炭化珪素
ウイスカー(β−炭化珪素ウイスカー)を生成すること
に成功した。
【0028】上記した炭化珪素ウイスカー生成の反応式
を示せば、下記の通りである。 SiO2 (s)+C(s)→SiO(s)+CO(g) SiO(s)+3CO(g)→SiC(w)+2CO2 ここで(s)は固体を、(g)は気体をそれぞれ表し、
(w)はウイスカーを表す。
【0029】次いで、本発明の請求項2を工程順に説明
する。 第1工程〜第5工程 請求項1の第1工程〜第5工程と同じにつき重複説明を
省略する。
【0030】第6工程 第4工程で付着材(炭化珪素ウイスカーが成長している
付着材)から分離された反応残滓にムライト生成のため
にシリカ又はアルミナの不足分を追加混合する。この工
程では、前記反応残滓に不足分のシリカ又はアルミナを
添加混合する前に、炭化珪素ウイスカー生成後の未反応
シリカと未反応アルミナとの残存量を決定し、そのうえ
でムライト生成のために必要なシリカ又はアルミナの不
足する分量を決めて添加するようにする。
【0031】第7工程 反応残滓と添加シリカ又は添加アルミナとの混合物を酸
化雰囲気下(空気の存在下)において1400〜160
0℃位に加熱しながら所定時間反応せしめてムライト
(3Al2 3 ・2SiO2 )を生成する。この工程で
留意しなければならないことは、ムライト生成条件(温
度、時間等の反応条件)の決定である。
【0032】上記第6工程及び第7工程の反応式は下記
の通りである。 2SiO2 (s)+3Al2 3 (s)→3Al2 3
・2SiO2 (s) ここでsは固体を表す。
【0033】第8工程 第5工程で生成された炭化珪素ウイスカーと、第7工程
で生成されたムライトとを混合し、所定の焼結温度で所
定時間反応焼結せしめてウイスカー強化セラミックス基
複合材料(ムライト炭化珪素ウイスカー)を製造する。
【0034】上述のように北海道で産出される鉱石で、
シリカを主成分とする原料鉱石のアルミナ成分を積極的
に利用したムライト生成工程でシリカ、アルミナなどと
いった反応残滓を除去することなく有効に利用すること
ができる。
【0035】
【実施例】まず請求項1を工程順に説明する。 第1工程 鉱石(以下、原料鉱石と称す)を粒度10〜50μmの
範囲で粉砕する。
【0036】第2工程 粉砕された原料鉱石に対し、炭素を4〜40重量%の範
囲で添加混合する。炭素の好ましい添加量は5重量%位
であり、炭素の品種としては炭類(たとえば、活性炭)
黒鉛などを使用できる。添加可能な炭素は、粉状、粒状
のどちらであっても構わず、添加可能な粒度の範囲は、
数十μm〜数百μmまで広範であり、粒度は揃っている
ほうが好ましいが、必ずしも揃っていることを要しな
い。
【0037】第3工程 第2工程で混合された原料鉱石の粉砕物と炭素との混合
物をウイスカー成長用の付着材と一緒に非酸化雰囲気下
において1350〜1500℃位(好適温度は1450
℃位)に加熱しながら、10〜49時間位(好適反応時
間は48時間位)反応せしめ、付着材に炭化珪素ウイス
カーを成長せしめる。付着材として使用可能な物は、炭
素成分化可能な繊維質物(たとえば、脱脂綿をカットし
たカット綿、その他の炭素成分化可能な繊維質物、アモ
ルファスシリカファイバーなど)、その他ウイスカーを
成長せしめ得る場所と空間とを提供できる炭素成分であ
ればどんな物でも使用できる。
【0038】本例の付着材は、前記カット綿を窒素雰囲
気中で700℃位加熱して水素、酸素を除去して炭素成
分のみにした物で、鉱石に対する使用量は、重量で鉱石
の1.5〜4倍量である。前記非酸化雰囲気形成のため
に、黒鉛るつぼ内にアルゴンガスによるガス雰囲気を形
成し、かつこのるつぼ内に前記原料鉱石と炭素との混合
物及び付着材を充填し、前記温度(1450℃位)及び
前記時間(48時間位)加熱反応せしめて付着材にウイ
スカーを成長付着せしめる。尚、アルゴンガスの使用量
は10cm 3 /分位、流速は1cm/分位である。
【0039】第4工程 炭化珪素ウイスカーが成長している付着材から、未反応
シリカ又は未反応アルミナといった反応残滓を分離す
る。この分離手段は、付着材に炭化珪素ウイスカーが成
長しているので、付着材を軽く叩くとか、軽く振るとか
すれば、反応残滓を簡単に分離し得る。
【0040】第5工程 炭化珪素ウイスカーが成長している付着材を容器(たと
えば、アルミナボード、磁性ボートなど)に入れ、空気
の存在している酸化雰囲気下において、700℃位に加
熱しながら3時間位精製し、付着材だけを酸化除去(具
体的には焼成)し、酸化されない炭化珪素ウイスカー
(β−炭化珪素ウイスカー)を得る。生成された炭化珪
素ウイスカーは、太さがサブミクロンから4〜5ミクロ
ンで、長さが大部分30〜40ミクロンで、なかに70
〜80ミクロンのβ−炭化珪素ウイスカーである。
【0041】次に請求項2を工程順に説明する。 第1工程〜第5工程 請求項1の第1工程〜第5工程と同じにつき重複説明を
省略する。
【0042】第6工程 第4工程で付着材(炭化珪素ウイスカーが成長している
付着材)から分離された反応残滓にムライト生成のため
にシリカ又はアルミナの不足分を追加混合する。ムライ
ト組成にするためのシリカ又はアルミナの添加量は、未
反応シリカ量が炭化珪素ウイスカーの収率に依存するた
め、鉱石100gに対して該ウイスカーの収率が10%
位ならば、160g位である。(上記の不足するアルミ
ナの添加量は、未反応シリカ量のほぼ倍の量である。)
【0043】第7工程 反応残滓と添加シリカ又は添加アルミナとの混合物を容
器(たとえば、アルミナボート)に容れ、酸化雰囲気下
(空気の存在下)において高温度の1400〜1600
℃位(好ましくは1550℃位)に加熱しながら長時間
の所定時間(好ましくは48時間位)反応せしめてムラ
イトを生成する。
【0044】第8工程 第5工程で生成された炭化珪素ウイスカーと、第7工程
で生成されたムライトとを混合し、所定の焼結温度で所
定時間反応せしめてウイスカー強化セラミックス基複合
材料(ムライト炭化珪素ウイスカー)を製造する。ここ
で、前記ウイスカーと前記ムライトとの混合量は、前記
ムライトに対して前記ウイスカーを体積比率で20〜5
0重量%の範囲で(好ましくは20重量%位)混合す
る。そして、反応焼結の焼結温度は1500℃位、反応
時間は48時間位が適している。
【0045】
【発明の効果】本発明は、請求項1では、北海道で産出
される鉱石でシリカを主成分とする鉱石を原料として、
初めて炭化珪素ウイスカー(β−炭化珪素ウイスカー)
を生成することに成功したものである。また請求項2で
は、上記原料鉱石のアルミナ成分を積極的に利用したム
ライト生成工程で、未反応アルミナ又は未反応シリカと
いった反応残滓を除去することなく有効利用しえるもの
であって、従来技術の有する課題を完全に解消すること
に成功したと共に、前記原料鉱石の有効利用にも成功し
た。
【0046】そして、請求項2では、炭化珪素ウイスカ
ーとムライトとを混合加工して、ウイスカー強化セラミ
ックス基複合材料(ムライト炭化珪素ウイスカー)を製
造したから、低熱膨脹、耐熱衝撃性に優れた次世代の高
温構造材料(たとえば、ガスタービンの耐熱部材、耐熱
圧延ロール、原子炉材料など)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明請求項1及び2の概略説明図。
【図2】 従来技術の一例を示す概略説明図。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分のシリカのほかに炭素、酸化マグ
    ネシウム、チタニア、三酸化二鉄、酸化ナトリウム、ア
    ルミナ、酸化カリウム、水分を含有する鉱石を粉砕する
    第1工程と、粉砕された鉱石に炭素を混合する第2工程
    と、該鉱石及び炭素の混合物をウイスカー成長用付着材
    と一緒に非酸化雰囲気下において1350〜1500℃
    に加熱しながら10〜48時間反応せしめて付着材に炭
    化珪素ウイスカーを付着成長せしめる第3工程と、その
    炭化珪素ウイスカーが成長している付着材から未反応シ
    リカ又は未反応アルミナという反応残滓を分離する第4
    工程と、炭化珪素ウイスカーが成長している付着材を酸
    化雰囲気下において700℃位に加熱しながら3時間位
    精製して付着材のみを酸化除去する第5工程とからなる
    炭化珪素ウイスカーの生成方法。
  2. 【請求項2】 シリカを主成分とし、このシリカのほか
    に炭素、酸化マグネシウム、酸化チタン、三酸化二鉄、
    酸化ナトリウム、アルミナ、酸化カリウム、水分を含有
    する鉱石を粉砕する第1工程と、粉砕された鉱石に炭素
    を混合する第2工程と、該鉱石及び炭素の混合物をウイ
    スカー成長用付着材と一緒に非酸化雰囲気下において1
    350〜1500℃に加熱しながら10〜48時間反応
    せしめて付着材に炭化珪素ウイスカーを付着成長せしめ
    る第3工程と、その炭化珪素ウイスカーが成長している
    付着材から未反応シリカ又は未反応アルミナといった反
    応残滓を分離する第4工程と、炭化珪素ウイスカーが成
    長している付着材を酸化雰囲気下において700℃位に
    加熱しながら3時間位精製して付着材のみを酸化除去す
    る第5工程と、分離された前記反応残滓にムライト生成
    のためにシリカ又はアルミナの不足分を追加混合する第
    6工程と、該混合物を酸化雰囲気下において1400〜
    1600℃に加熱反応せしめてムライトを生成する第7
    工程と、このムライト及び前記炭化珪素ウイスカーを混
    合した後で反応焼結する第8工程とからなる炭化珪素ウ
    イスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方
    法。
JP7183048A 1995-07-19 1995-07-19 炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法 Expired - Fee Related JP2736038B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7183048A JP2736038B2 (ja) 1995-07-19 1995-07-19 炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7183048A JP2736038B2 (ja) 1995-07-19 1995-07-19 炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0930899A JPH0930899A (ja) 1997-02-04
JP2736038B2 true JP2736038B2 (ja) 1998-04-02

Family

ID=16128837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7183048A Expired - Fee Related JP2736038B2 (ja) 1995-07-19 1995-07-19 炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2736038B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105350080B (zh) * 2015-11-23 2017-10-13 东莞华晶粉末冶金有限公司 一种碳化硅复合晶须及其制备方法、复合材料
CN111233499A (zh) * 2020-03-12 2020-06-05 巩义市芙豪冶金材料有限公司 一种SiC/C质均化料、炮泥及其制备方法
CN114808104A (zh) * 2022-05-11 2022-07-29 江西陶瓷工艺美术职业技术学院 一种以沙漠黄砂为原料低温合成的莫来石晶须及其制备方法
CN116751033A (zh) * 2023-05-06 2023-09-15 上海大学 一种碳化硅晶须增强的氧化镁-氧化铝-碳免烧耐火材料及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0930899A (ja) 1997-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Inoue et al. Synthesis of Al4SiC4
CA2071522C (en) Dense sic ceramic products
US5096860A (en) Process for producing unagglomerated single crystals of aluminum nitride
Choi et al. Synthesis of mullite whiskers
US4619905A (en) Process for the synthesis of silicon nitride
JP2736038B2 (ja) 炭化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化されたセラミックス基複合材料の製造方法
Sun et al. Fluctuation synthesis and characterization of Ti 3 SiC 2 powders
JPS63502823A (ja) セラミック製品の製法
Yamaguchi et al. Synthesis and some properties of Al4SiC4
US4460528A (en) Refractory
AU698611B2 (en) Ceramic production process
JPS63274611A (ja) β’−サイアロンを基剤とするセラミツク粉体の製造法
CN1036191C (zh) 一种制造含有填料的自支承陶瓷复合体的方法
US4557884A (en) Refractory
Makornpan et al. Fabrication of silicon carbide ceramics from rice husks
EP0371770B1 (en) Process for producing silicon carbide platelets and the platelets so-produced
JP2585506B2 (ja) 炭化珪素焼結体およびその製法
Chen et al. Mechanisms of oxide whisker growth
JPS5945915A (ja) β型炭化珪素粉末の製造方法
JP3093667B2 (ja) 窒化珪素ウイスカーの生成方法及びそのウイスカーで強化された非酸化物高耐熱性セラミックス複合体の製造方法
RU2117066C1 (ru) Порошковый материал на основе карбида кремния
GB2168333A (en) Production of Si3N4 and SiC whiskers
Radhakrishna Bhat et al. Increase in the yield of silicon carbide whiskers from rice husk
Shimada et al. Synthesis of β-SiC whiskers from silica black ore
CA1157055A (en) Refractory

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees