JP2734105B2 - 斜板式可変容量圧縮機 - Google Patents

斜板式可変容量圧縮機

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JP2734105B2
JP2734105B2 JP1205725A JP20572589A JP2734105B2 JP 2734105 B2 JP2734105 B2 JP 2734105B2 JP 1205725 A JP1205725 A JP 1205725A JP 20572589 A JP20572589 A JP 20572589A JP 2734105 B2 JP2734105 B2 JP 2734105B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、たとえば、自動車用空調装置の冷媒圧縮機
として使用するのに好適な、吐出容量可変の斜板式圧縮
機に関するものである。
〔従来の技術〕
両頭ピストンを採用した斜板式圧縮機において、吐出
容量を変更する際に、左右のピストン群のトップクリア
ランスが左右均等に増減するのを防ぐために、斜板の中
心点位置をシャフト(或いはシリンダ)の軸方向に変位
させながら斜板の傾斜角を変更するようにしたものが開
発されている。その理由は、圧縮機の吐出容量を小さく
絞ったときには斜板の傾斜角が小さくなるためピストン
ストロークが減少するが、それによって生じるピストン
のトップクリアランスが左右両側に均等に分配される
と、左右両側で同時に圧縮比の減少が生じる結果、どち
らの側でもシリンダ内の圧気が吐出弁を押し開くことが
できなくなり、その圧縮機は実質的に圧気を送出しなく
なるので、それを改良して吐出容量を大から小までの広
い範囲にわたって変更することができるように、吐出容
量を絞ったときのトップクリアランスの増加分を、左右
いずれか一方の側のみに付与し、他方の側は吐出容量の
変更の際にもトップクリアランスが殆んど変化しないよ
うにして、吐出容量が小なるときの圧縮作用を、前記他
方の側において確保しようとするためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来の技術においては広い範囲にわたって吐出容
量を変更することができるが、斜板の傾斜角を変更する
と同時に、斜板の中心点位置をシャフト(或いはシリン
ダ)の軸方向に変位させると、前記一方の側のピストン
群のトップクリアランスが増減することによって、その
側のシリンダ内の圧気が吐出弁を開き得る圧力、或いは
圧縮比に達する状態(境界ということにする)を境にし
て、それよりも吐出容量が増大する領域では、前記一方
の側のピストン群も有効な圧縮作用をして、他方の側の
ピストン群と共に圧気を送出するから、この領域におけ
る斜板の中心点の単位変位量に対する吐出容量の変化量
は大となる(変化率が大)が、逆に、前記境界よりも吐
出容量が減少する領域では、前記一方の側のピストン群
のトップクリアランスが過大となって、その側では吐出
弁が開かなくなり、圧縮作用は前記他方の側のピストン
群のみによって行なわれることになるから、斜板の中心
点の単位変位量に対する吐出容量の変化量は小となり
(変化率が小)、斜板の中心点の変位量に対する吐出容
量の変化を示す特性曲線は、前記境界において明瞭な変
曲点を有するところの、傾きの異なる二つの直線に近い
曲線によって構成されることになる。
このように、この種の圧縮機では斜板の中心点の変位
(移動)に対して吐出容量が一様には変化しないため、
吐出容量の制御が不安定となる可能性があるので、それ
を避けるために従来は時間当りの制御量の変化を小とし
て緩やかな制御を行ない、短時間内に大きな吐出容量の
変化が起らないようにしていた。しかしながら、このよ
うな対策では制御の応答性が悪くなり、大容量から小容
量へ、或いはその逆方向に大きく吐出容量を変化させる
には、かなりの時間を要するという問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の斜板式可変容量圧縮機は、斜板と、前記斜板
によりストロークを可変として駆動される両頭のピスト
ンと、ストローク変更の際に同時に前記斜板の中心を移
動して片方のピストンのトップクリアランスが変化しな
いようにする斜板ガイドと、前記斜板ガイドを移動調節
して圧縮機の吐出容量を変更する制御ピストンと、前記
制御ピストンを移動させる制御流体圧を供給する制御弁
と、外部信号を受けて前記制御弁に前記圧縮機の吐出容
量制御信号を送る制御装置と、前記圧縮機の現在の吐出
容量を検出し前記制御装置へ吐出容量検出信号を送る吐
出容量検出装置と、前記制御装置において前記吐出容量
検出信号の値が属する領域に応じ前記吐出容量制御信号
に補正を加えることにより前記外部信号に対する前記圧
縮機の吐出容量の変化率がほぼ線形になるようにする手
段を有することを特徴とする。
〔作 用〕
本発明は前記手段のような構成を有しているから、圧
縮機の吐出容量を変化させる制御ピストンを移動させる
とき、その変位量と圧縮機の吐出容量との関係は非線形
であって、両頭のピストンのうちトップクリアランスが
変化する方のピストンが圧縮機としての働きをしている
か否かの2つの領域のうち、どちらの領域に属するかに
よって、吐出容量の変化率が大きく異なる。そこで本発
明では、吐出容量検出装置から送られる吐出容量検出信
号により、圧縮機の現在の運転状態が前記領域のどちら
側にあるかを判定し、制御ピストンへ制御流体圧を供給
する制御弁への制御信号を、制御装置において補正する
ことにより、圧縮機の吐出容量を変化させようとする外
部信号の変化に対する吐出容量の変化率をほぼ線形とな
るようにする。したがって、外部信号が一様に変化する
とき、制御弁へ送られる制御信号は、前記の変化率の大
きい領域では変化率の小さい領域にくらべて緩やかに変
化するように補正され、制御ピストンの動きには領域の
別による緩急の差が与えられて、結果として吐出容量が
一様な変化をするようになる。
〔実施例〕
第1図に本発明を実施する斜板式可変容量圧縮機の一
例を示す。1は圧縮機、2はその中心を貫ぬき、エンジ
ン又はモータ3(第2図)等によって回転駆動されるシ
ャフト、4は機体の前面を形成するフロントハウジン
グ、それに続く5及び6はフロントシリンダ及びリヤシ
リンダで、さらに機体の後面を形成するリヤハウジング
7が重なり、これらは数本の通しボルト4b等によって一
体に締結される。
8は斜板であって、球面軸受9を介して傾斜角調整可
能に斜板ガイド10によって支持される。斜板ガイド10は
筒軸状のもので、シャフト2に対して軸方向摺動可能に
嵌合しており、その内面の肩部とシャフト2の外表面の
肩部との間には圧縮ばね11が挿入されていて、斜板ガイ
ド10は常に第1図において右方へ付勢されている。斜板
ガイド10はラジアル軸受12とスラスト軸受13によって制
御ピストン14の中空軸部14sの内腔に支持され、制御ピ
ストン14に対して回転することはできるが、軸方向及び
半径方向には拘束されて連動するようになっている。制
御ピストン14の中空軸部14sはリヤシリンダ6の中空の
孔15に支持され、その中で少くとも軸方向に摺動可能で
あると共に、その隔壁部14pはリヤハウジング7の中央
内側に開口している制御シリンダ16に気密に嵌合し、そ
の右側に制御圧室17を形成している。18は圧縮ばねで、
制御ピストン14を常に左方へ付勢し、前記の圧縮ばね11
と拮抗している。
シャフト2はフロントシリンダ5の中央に設けられた
ラジアル軸受19とスラスト軸受20によって支持されてい
ると共に、それがフロントハウジング4の開口を貫通す
る個所には、軸封装置21が設けられて気密を保持してい
る。シャフト2の一部には第1図にみられるような形の
カム溝22が形成されており、斜板8の第1図左側に一体
に形成されている腕部8aに設けられたピン23が、それに
嵌挿されたローラ24を介して前記カム溝22に係合してい
る。
斜板8はリヤシリンダ6に形成された斜板室25の中に
あって、制御ピストン14、斜板ガイド10、球面軸受9等
が軸方向に移動したとき、腕8aのピン23及びローラ24が
シャフト2のカム溝22の中に拘束されて移動することに
よって、斜板8の傾斜角が変更される。そして、制御ピ
ストン14を動かして調整しない限り与えられた傾斜角を
保持して、多数のピストン26を傾斜角の大きさに対応す
る長さのストロークだけ左右に往復動させる。そのた
め、斜板8の周縁部は、各ピストン26の中央に挿入され
ている各一組のシュー27と係合している。
各ピストン26は左右の両頭部26lと26rを有しており、
それぞれフロントシリンダ5及びリヤシリンダ6のシリ
ンダボア5b及び6bの中に気密を保って軸方向摺動可能に
挿入されている。これによって左右のシリンダボア5b,6
bの中には、ピストン26の両頭部26l,26rの各先端におい
て、ポンプ室5p及び6pが形成される。図示されていない
が、各ポンプ室5p,6pにはばねによって付勢された吸入
弁と吐出弁がそれぞれ設けられており、それぞれが吸入
室28及び吐出室29に開弁することができるようになって
いる。右側の吸入室28として図示実施例の場合は、制御
ピストン14の隔壁部14pの左側に形成された空間があて
られており、これは左側の吸入室28と同様に、連通路30
によって斜板室25に通じている。このように、斜板室25
は吸気の共通の入口となっている。図示されていないが
左右の吐出室29も互いに連通されていて、吸入室28から
吸入されて両側のポンプ室5p及び6pにおいて圧縮された
気体が、吐出室29に出たのち合流して外部へ導かれる。
斜板8の傾斜角を変更してピストン26のストロークを
増減させるためには、制御ピストン14を左右に移動調節
する必要があるが、その目的で制御圧室17に任意の大き
さの流体圧(制御圧力P)を生成させるための電磁弁の
ような制御弁31が、リヤハウジング7の右側に設けられ
る。この場合は、吸入室28の低圧と吐出室29の高圧とを
切替えて制御圧室17に導びくことにより、該室の圧力P
を両室28,29の圧力のいずれかと同じにするか、或いは
導通時間比率を調節して、それらの間の任意の圧力にす
ることができる。制御弁31をそのように制御するための
制御信号は、第2図に略示する制御装置32から供給され
る。
第1図及び第2図に33として示す吐出容量検出装置
は、圧縮機1の現在の吐出容量を検出するための指標値
を計測するものであって、いろいろな手段が考えられ、
たとえばピストン26の実際のストロークを電磁気的に計
測するものであってもよいが、図示の実施例では、吐出
容量に対応して決まる制御ピストン14の変位量を検知し
て、その変位量に対応する電圧等の電気的信号を発生す
るものを使用している。
以上説明した圧縮機1の本体の構成は、冒頭において
述べた従来技術とほぼ同様のものと考えてよく、制御弁
31によって制御圧室17の流体圧Pが変更され、制御ピス
トン14が左右に移動調節されると、斜板ガイド10が左右
に動き、それと一体の球面軸受9もシャフト2上で左右
に動かされる。従って斜板8の中心点8cの位置も軸方向
に移動し、その腕部8aのピン23がシャフト2上のカム溝
22によって拘束される結果、斜板8の傾斜角が変更され
ることになる。
斜板8の傾斜角の変化は、制御ピストン14の軸方向変
位等と共に一様で連続的であるが、前記の解決課題の項
で述べたように、この形式の圧縮機1では、斜板8の傾
斜角の変更によっても右側のピストン頭部26rのトップ
クリアランスが実質的に変化しないようにしているの
で、左側のピストン頭部26lのトップクリアランスは大
きく変化することになり、或る境界を越えてトップクリ
アランスが増大する(ピストン26のストロークが減少す
る)と、左側のポンプ室5pの圧力が十分上昇しないため
に、吐出弁を押し開いて圧気が吐出室29に出ることがで
きなくなり、ピストンのストロークが小さい小吐出容量
時には、ポンプ作用は右側のポンプ室6pのみによって行
なわれることになる。
従って、制御圧室17の制御圧力P、制御ピストン14の
変位量、斜板8の傾斜角、或いはピストン26のストロー
ク等の変化が連続的で且つ一様であっても、吐出容量の
方は、左方のポンプ室5pが圧縮作用に参加しているか、
否かに分れる点を境界として、その前後で吐出容量の変
化率が大きく異なり、つまり前記境界において吐出容量
の特性曲線の傾きが大きく変化するために、特性曲線が
連続的ではなくなる。
第3図は横軸に制御圧室17の制御圧力Pをとり、縦軸
に吐出容量ηをとって示したもので、制御圧力Pが比較
的低い領域では、制御ピストン14が第1図よりも右方
へ寄っており(制御圧力Pが最小のときは、制御ピスト
ン14が制御シリンダ16の右端底壁に着く)、斜板8の傾
斜角は小となって(シャフト2の横軸に対して直角に近
くなる)、吐出容量ηが小さくなる。しかも、このとき
は左側のピストン頭部26lのトップクリアランスが大と
なって、ポンプ室5pでは吐出弁を押し開いて圧気を送出
するほどの圧力が発生しないので、圧縮作用は右側のポ
ンプ室6pのみにおいて行われており、吐出容量特性を示
す曲線は、第3図の領域に示すように、勾配の緩い直
線に近い曲線となる。
制御圧室17の制御圧力Pを連続的に上昇して行くと、
制御圧力Pが一定の値Pcを越えたところで、吐出容量η
の特性曲線の傾きが急に増大し、第3図の領域のよう
に、勾配の急な直線に近い曲線を示すようになる。これ
は、斜板8の中心点8cの位置が左方へ移動して、左側の
ポンプ室5pにおけるピストンのトップクリアランスが減
少し、有効な圧縮作用が行なわれるようになると共に、
ピストン26のストロークが大となって、左右のポンプ室
5p及び6pの吐出量が揃って増大するためである。第1図
は、このように制御圧力Pが最大で、ピストン26のスト
ロークも最大となった状態を示している。
このように、2つの領域は、特定の制御圧力Pが
特定の値Pcとなる点を境界として、勾配がおよそ1対10
ほども変わる程の変化を示す。
同じことを横軸に制御ピストン14の変位量δをとって
示したものが第4図であって、圧縮機1の吐出容量η
は、特定の変位量δを境界として領域と領域に明
瞭に分かれるような不連続な特性を示す。言うまでもな
く、制御圧室17の制御圧力Pの値が特定の値Pcであると
き、制御ピストン14の制御シリンダ16の右端底壁から測
った制御ピストン14の変位量δが特定の値δになって
いるのである。
第3図の場合には実際は、,領域のほかに、その
両側に第5図に示す及びのような不感領域があるの
で、不感領域,内では制御圧室17の制御圧Pが変化
しても、吐出容量ηには変化が現われない。従って、こ
れら,の領域内で制御量を変化させることは無意味
ということになる。
第2図は、本発明を自動車用空調装置の冷媒圧縮機に
実施した場合の全体構成を示したものである。圧縮機
(本体)1の内部構造や、エンジン又はモータ3、制御
弁31、吐出容量検出装置33等については、第1図に関連
して既に説明した。圧縮機1によって圧縮されて吐出室
29(第1図)から出た冷媒は、コンデンサ34において冷
却されて液体となり、エキスパンションバルブ35を通っ
てエバポレータ36において気化膨張することによって車
室内の空気の温度を低下させ、再び圧縮機1の斜板室25
(第1図)を経て吸入室28に戻る。
第2図に37として示す圧力センサは、エバポレータ36
を通過した後の気体冷媒の圧力PLを検出するもので、同
じくエバポレータ後の気体冷媒の温度Teを検出する温度
センサ38と共に、検出値を電子制御装置32へ入力する。
また、圧縮機(本体)1に付設された前述の吐出容量検
出装置33から、その時の圧縮機1の吐出容量を示す指標
値となるもの、たとえば制御ピストン14の変位量δが、
吐出容量検出信号として制御装置32に入力される。操作
部39からエバポレータ後の冷媒の設定温度(目標温度)
Tn等の設定値も入力される。そして制御装置32から制御
弁31に対し、容量制御信号Dtが送出される。
制御装置32の作動例を、フローチャートである第6図
によって説明する。実際には第6図に示す流れの外に、
図示しないエアミックスダンパの角度やエバポレータ36
の通過風量の制御に関する部分も設けられるが、この場
合は説明を省略している。
一定時間毎にプログラムがスタートすると、まずステ
ップ101では、エバポレータ36後の冷媒について設定温
度Tn、実際に温度センサ38によって検出された温度Te
同じく圧力センサ37によって検出されたその圧力PL、吐
出容量検出装置33によって検出された制御ピストン14
(第1図)の変位量δ等の数値が制御装置32のCPUに読
込まれると共に、1回目のルーチンにおいては、圧縮機
1の冷媒吸入圧力の仮目標値Pnの初期値と、吐出容量の
変化率が変化する前記,領域の境界における吐出容
量(容量判定値)に対応するところの、制御ピストン14
の特定の変位量δが設定される。
ステップ102ではエバポレータ36後の冷媒の温度Te
設定温度Tnとの偏差Xが算出され、ステップ103では比
例制御として偏差Xに時定数KP14を乗じたものに、ステ
ップ1で設定した冷媒吸入圧力の仮目標値Pn(初期値)
を加え、これを新たな目標値とする。このようにして算
出された冷媒吸入圧力の目標値Pnと実測値であるエバポ
レータ後の圧力PLとの偏差Zがステップ104で算出され
る。
ステップ105では、圧縮機1のそのときの運転状態
が、前述の領域又はのどちらに属するかが判定され
る。これは吐出容量検出装置33で実測した制御ピストン
14の変位量δを、設定されている判定値δと比較する
ことによって行なわれる。δ≧δでなければ第4図に
示す領域にある状態と判定され、ステップ106に進み
時定数KPとしてKPAが設定されるが、ステップ105でδ≧
δであれば領域にある状態を判定され、ステップ10
7に進んで時定数KPBが設定される。時定数KPAは時定数K
PBの1/10ないし1/20の範囲から選ばれる値であって、こ
れは、第4図における領域の曲線と領域の曲線の各
接線の勾配の比が1対10ないし20程度の範囲にあり、こ
の程度の補正を一方に掛ければ、両者を一本の連続な直
線に近似させ得るためである。
このようにして算出された時定数KP(A,B)及び偏
差Zに基づき、ステップ108ではPID制御による制御値Dt
が算出される。その式 におけるTi及びTdは時定数である。
そして得られた制御値Dtによる制御信号が、圧縮機1
の制御弁31に送られてそれを駆動することになるが、前
記のような補正が行なわれている結果、領域も領域
もほぼ一様に吐出容量の変化率が一定化されるので、温
度Teや圧力PLのように、外部から制御装置32に入力され
吐出容量制御信号Dtを変化させる信号(外部信号)に対
して、圧縮機1の吐出容量の変化率をほぼ直線的とする
ことが可能になり、制御の速度を低くとる必要もないの
で、良好な応答性と制御の安定性が得られる。
第7図に示すフローチャートは、応答性を更に改良す
るために、吐出容量制御信号に対する不感領域,
(第5図)を排除するようにした実施例の作動を示した
ものである。第7図におけるステップ101〜108は第6図
に示したものと同じである。第7図のステップ109にお
いては、吐出容量検出信号である制御ピストン14の変位
量δが不感領域への境界値であるδminに達しているか
否かが判定され、もし達していればステップ110でその
時の吐出容量が減少方向にあるか否かが判定される。減
少方向であれば、不感領域に入るということであるか
ら、ステップ111で吐出容量制御信号は初期値Dt0のまま
とする。ステップ110において吐出容量が減少方向にな
いと判定されると、不感領域には入らないからステップ
113に進み、ステップ108で算出したDt1の値を初期値Dt0
とする。
同様にして、もう一つの不感領域への境界値δmaxの
どちらにあるかの判定はステップ112及び114によって行
われ、不感領域にあると判定されればステップ115で吐
出容量制御信号は初期値Dt0のままとし、不感領域にな
いと判定されれば、前記のようにステップ113に進んでD
t1をとる。
このように、不感領域(第5図)においては吐出
容量制御信号を初期値Dt0に固定して変化させないよう
にすると、吐出容量制御信号に対する不感領域を排除し
て応答性を改善することができる。また、吐出容量制御
信号が小になる時に制御弁31をデューティ制御するため
の消費電力が大となる型の制御弁を使用しているとき
は、第7図のステップ111を設けていることにより、吐
出容量が最小値以下の不感領域における消費電力は、
不感領域への境界点における消費電力以上には増えな
い。逆に、吐出容量信号が大になる時に消費電力が大と
なる型の制御弁を使用しているときは、ステップ115を
設けていることにより、吐出容量が最大値以上の不感領
域における消費電力は、不感領域への境界点におけ
る消費電力以上には増えないから、いずれの場合も、制
御効果がない時の電力の浪費を防止することができ、制
御弁31がソレノイドを有する場合は、無駄な発熱がなく
なるから、制御弁を小型化することが可能となり、耐久
性も向上する。
以上述べた第2図の制御系統の実施例では、設定値
Pn,Tn実測値PL,Teとの差である外部信号に対応して制御
装置32から出力された吐出容量制御信号Dtを制御弁31に
供給して直接その弁開度を制御し、第1図の制御圧室17
に供給される流体の圧力、したがって圧縮機1の吐出容
量を調整しているが、第8図に示すような設定圧可変の
プレッシャレギュレータバルブを、制御弁40として制御
弁31に代えて用いる場合にも、本発明を適用することが
できる。
第8図において、41は弁座部材、42は球状の制御弁
体、43は第1弁座面、44は第2弁座面、45は弁の保持部
材で、その背後には保持スプリング46が設けられる。47
は調整ねじ、48は連結部、49はソレノイドハウジング、
50は磁性材料製のスプール、51はダイヤフラム、52は付
勢スプリング、53はソレノイドコイル、54はヨーク、55
は磁性材料製の円筒、56は調整ねじを示す。また、57は
高圧導入通路で圧縮機1の吐出室29に通じていて、高圧
の流体(冷媒)を受入れると共に、58は低圧導入通路で
圧縮機1の吸入室28に通じており、第2図のエバポレー
タ36の出口側圧力が導入されている。そしてこの通路58
は制御弁40内のダイヤフラム51の一側に形成された吸入
圧室59に通じている。60は信号圧通路であって、第1図
における制御圧室17に通じている。ソレノイドコイル53
のリード線61は第2図における制御装置32に相当するも
のに接続され、第4図に示す制御ピストン変位δによ
り、圧縮機1が現在,いずれの運転領域にあるかを
制御装置において判定して、それぞれの領域に応じた信
号をソレノイドコイル53に送り、スプール50を吸引する
程度を変えて付勢スプリング52の張力を調節するように
なっている。
吸入圧室59には圧縮機1の吸入室28の圧力が導びかれ
ているから、第2図に示された車両空調用冷凍サイクル
の場合、エバポレータ36の出口にある冷媒の圧力がダイ
ヤフラム51の左側にあり、付勢スプリング52の力と釣合
う位置まで連結部48が動かされる。冷房負荷が大きいと
きは、吸入圧室59の圧力が高くなるので、ダイヤフラム
51は第8図において右へ動き、制御弁体42は第2弁座面
44を閉塞する。したがって、信号圧通路60には高圧導入
路60を通じて圧縮機1の吐出圧が供給され、それが制御
圧室17に作用して制御ピストン14や斜板の中心8cを第1
図において左方へ移動させ、圧縮機1に対して第1図の
ような高吐出容量の位置を与える。
室温が低下するとエバポレータ36の出口圧力も低下す
るので、第8図における吸入圧室59の圧力が下り、ダイ
ヤフラム51は付勢スプリング52に押されて左方へ移動す
る。したがって、制御弁体42は第2弁座面44から離れて
第1弁座面43を閉塞するので、信号圧通路60、ひいては
制御圧室17に低圧の冷媒が送られ、制御ピストン14は第
1図において右へ移動して、斜板8の傾きが小さくな
り、吐出容量も減少する。つまり、圧縮機1の吐出容量
は基本的には吸入圧室59の圧力を一定に保つ方向に変化
する。
そこで、外部信号により制御装置が出力する吐出容量
制御信号によりソレノイドコイル53に流れる電流量を変
えると、付勢スプリング52の有効な力が変化し、それが
弁体42の位置に影響を及ぼし、制御圧室17の圧力、ひい
ては圧縮機1の吐出容量が変化する。その変化のしかた
は、第3図〜第5図に示したような形になるから、特性
の変化する境界における制御ピストン変位δを吐出容
量検出装置33によって検出し、その前後の領域又は
によって、付勢スプリング52の負荷が変わるように、ソ
レノイドコイル53に流れる電流(吐出容量制御信号)を
制御装置によって補正すればよい。
このように、第2図の場合は、吐出容量制御信号Dtに
よって直接に電磁弁からなる制御弁31を開閉するのに対
し、第8図の場合は設定圧可変のプレッシャレギュレー
タバルブである制御弁40における付勢スプリングの設定
圧を変更することによって、間接的に弁体42を作動させ
る違いはあるが、いずれの場合もデューティ制御によっ
て作動させ得るので、電子制御装置の制御対象として好
適なものであり、前記のように領域,の別による制
御信号の補正も容易である。
なお、本発明の実施に当っては、吐出容量検出信号で
ある制御ピストン変位δがmin.となっており、しかも吐
出容量制御信号が更に小さくなる方向にあるとき、つま
り第5図における領域では、圧縮機1を駆動する図示
しない電磁クラッチを遮断して圧縮機1の回転を停止
し、エバポレータ36の凍結を予防したり、前記容量検出
信号であるδの変動によって、圧縮機1の吐出容量がハ
ンチング等の不安定状態にあると判定された場合は、第
6図又は第7図に示した制御プログラムにおけるKP(比
例項の時定数)を更に小さくして、不安定状態を早く解
消するように制御することが望ましい。
〔発明の効果〕
本発明により、外部信号の変化と圧縮機の吐出容量の
変化の関係が線形となるため、制御の速度を遅くしなく
ても制御が不安定となることはない。したがって制御応
答性が高まって、吐出容量変化の要求に対する応答が迅
速になり、すぐれた制御特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の圧縮機の本体を示す縦断面図、
第2図は本発明の圧縮機を空調装置等の冷媒圧縮機とし
て使用した場合の冷凍サイクルと制御系統の実施例を示
す概念図、第3図ないし第5図はこの種の圧縮機の運転
特性を示す線図、第6図及び第7図はそれぞれ本発明に
おける制御装置の作動プログラムの例を示すフローチャ
ート、第8図は本発明の他の実施例の要部をなす制御弁
の縦断面図である。 1……圧縮機、2……シャフト、 3……エンジン又はモータ、 4……フロントハウジング、 4b……通しボルト、5……フロントシリンダ、 5b……シリンダボア、5p……ポンプ室、 6……リヤシリンダ、6b……シリンダボア、 6p……ポンプ室、7……リヤハウジング、 8……斜板、8a……腕部、 8c……斜板の中心、9……球面軸受、 10……斜板ガイド、11……圧縮ばね、 12……ラジアル軸受、13……スラスト軸受、 14……制御ピストン、14s……中空軸部、 14p……隔壁部、15……孔、 16……制御シリンダ、17……制御圧室、 18……圧縮ばね、19……ラジアル軸受、 20……スラスト軸受、21……軸封装置、 22……カム溝、23……ピン、 24……ローラ、25……斜板室、 26……ピストン、26l,26r……頭部、 27……シュー、28……吸入室、 29……吐出室、30……連通路、 31……制御弁、32……制御装置、 33……吐出容量検出装置、34……コンデンサ、 35……エキスパンションバルブ、 36……エバポレータ、37……圧力センサ、 38……温度センサ、39……操作部、 40……制御弁、41……弁座部材、 42……制御弁体、43……第1弁座面、 44……第2弁座面、45……保持部材、 46……保持スプリング、47……調整ねじ、 48……連結部、 49……ソレノイドハウジング、 50……スプール、51……ダイヤフラム、 52……付勢スプリング、53……ソレノイドコイル、 54……ヨーク、55……円筒、 56……調整ねじ、57……高圧導入路、 58……低圧導入路、59……吸入圧室、 60……信号圧通路、61……リード線。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜板と、前記斜板によりストロークを可変
    として駆動される両頭のピストンと、ストローク変更の
    際に同時に前記斜板の中心を移動して片方のピストンの
    トップクリアランスが変化しないようにする斜板ガイド
    と、前記斜板ガイドを移動調節して圧縮機の吐出容量を
    変更する制御ピストンと、前記制御ピストンを移動させ
    る制御流体圧を供給する制御弁と、外部信号を受けて前
    記制御弁に前記圧縮機の吐出容量制御信号を送る制御装
    置と、前記圧縮機の現在の吐出容量を検出し前記制御装
    置へ吐出容量検出信号を送る吐出容量検出装置と、前記
    制御装置において前記吐出容量検出信号の値が属する領
    域に応じ前記吐出容量制御信号に補正を加えることによ
    り前記外部信号に対する前記圧縮機の吐出容量の変化率
    がほぼ線形になるようにする手段を有することを特徴と
    する斜板式可変容量圧縮機。
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