JP2733787B2 - 高膨張合金 - Google Patents
高膨張合金Info
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- JP2733787B2 JP2733787B2 JP16264389A JP16264389A JP2733787B2 JP 2733787 B2 JP2733787 B2 JP 2733787B2 JP 16264389 A JP16264389 A JP 16264389A JP 16264389 A JP16264389 A JP 16264389A JP 2733787 B2 JP2733787 B2 JP 2733787B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は安価な高膨脹合金に関する。
(従来の技術ならびに問題点) 高膨脹合金は、Fe−Ni系のいわゆるアンバー型と低膨
脹合金や普通鋼、ステンレス鋼などと機械的接合あるい
は溶接接合などにより複合部材を構成し、そのバイメタ
ル機能を利用して温度センサーや温度補償部品として電
気製品などに大量に使用されている。
脹合金や普通鋼、ステンレス鋼などと機械的接合あるい
は溶接接合などにより複合部材を構成し、そのバイメタ
ル機能を利用して温度センサーや温度補償部品として電
気製品などに大量に使用されている。
JIS C 2530に記載されているようにFe−Ni−Cr系合金
は高膨脹合金の一種であり、汎用材料として広く利用さ
れている。
は高膨脹合金の一種であり、汎用材料として広く利用さ
れている。
しかしながら具体的に化学成分が明記されたものでは
ない。一般にFe−Ni系合金ではステンレス鋼便覧(長谷
川正義監修、日刊工業新聞社)p.105の図2.2に示されて
いる20〜22%Ni含有量の合金が高膨脹特性を示すと考え
られている。このため22%Ni−3%Cr合金が高膨脹合金
として使用されることが多い。しかしながらNi含有量が
多く、高価であり安価な高膨脹合金が望まれている。
ない。一般にFe−Ni系合金ではステンレス鋼便覧(長谷
川正義監修、日刊工業新聞社)p.105の図2.2に示されて
いる20〜22%Ni含有量の合金が高膨脹特性を示すと考え
られている。このため22%Ni−3%Cr合金が高膨脹合金
として使用されることが多い。しかしながらNi含有量が
多く、高価であり安価な高膨脹合金が望まれている。
(問題解決に関する知見) 本発明者らは鋭意Fe−Ni合金の熱膨脹特性と成分の関
係、特にMs点との関係を追求した結果、Ni含有量が低い
場合でも実用に供せられるに充分に大きい熱膨脹係数を
有することを見出し安価な高膨脹合金の提供を可能とし
た。
係、特にMs点との関係を追求した結果、Ni含有量が低い
場合でも実用に供せられるに充分に大きい熱膨脹係数を
有することを見出し安価な高膨脹合金の提供を可能とし
た。
(発明の構成) 本発明は Ni:14〜18% Cr:10%以下 C :0.5%以下 Mn:4%以下 Si:1%以下 N :0.05%以下 残部Fe及び不可避的不純物からなる合金で次式 Ms点(℃)=699.5−562.0×C%−7515.6×N% −46.1×Si%−20.3×Mn%−24.1×Ni%−35.8×Cr% で定義されるMs点が−180〜0℃である安価な高膨脹合
金を提供する。
金を提供する。
以下本発明における合金組成限定の理由について述べ
る。
る。
Ni:Ni含有量が低すぎると高膨脹特性が示されない。満
足な高膨脹を確保するには14%必要である。またNi含有
量が多いと高価になり18.0%以上は必要がない。
足な高膨脹を確保するには14%必要である。またNi含有
量が多いと高価になり18.0%以上は必要がない。
C:Ms点を制御するために必要であるが、0.5%以下で充
分である。
分である。
Cr:Ms点を制御するために必要であるが、多量のCr添加
は熱膨脹係数を小さくするので10%以上は必要でない。
は熱膨脹係数を小さくするので10%以上は必要でない。
Mn:Ms点を制御するために必要であるが、4%以下で充
分である。
分である。
Si:Ms点を制御するために、また脱酸剤として必要であ
るが通常含有される1.0%以下とした。
るが通常含有される1.0%以下とした。
N:Ms点を制御するために必要であるが0.05%以下で充分
である。
である。
Ms点:高膨脹特性を維持するために大切な値である。0
℃を超えると熱膨脹係数が小さくなる。また−180℃以
下になると熱膨脹係数が小さくなるので下限を−180℃
とした。
℃を超えると熱膨脹係数が小さくなる。また−180℃以
下になると熱膨脹係数が小さくなるので下限を−180℃
とした。
(発明の具体的開示) 以下実施例によって本発明を具体的に説明する。
第1表に示す成分の合金を常法により溶製して30kgの
鋼塊を得た。続いて鋼塊を熱間鍛造→疵取→熱間圧延→
焼鈍・研磨→冷間圧延→焼鈍・研磨工程を経て熱膨脹係
数測定用試料(1.5×5×50)を作製した。
鋼塊を得た。続いて鋼塊を熱間鍛造→疵取→熱間圧延→
焼鈍・研磨→冷間圧延→焼鈍・研磨工程を経て熱膨脹係
数測定用試料(1.5×5×50)を作製した。
熱膨脹特性は−160℃〜400℃の範囲で測定し、Ms点を
求めた。この実測したMs点が−160℃以上を示す鋼につ
いて当該実測Ms点および化学成分値のデータから、重相
関回帰分析により、Ms点を求める計算式を導出した。そ
の式は次の通りである。
求めた。この実測したMs点が−160℃以上を示す鋼につ
いて当該実測Ms点および化学成分値のデータから、重相
関回帰分析により、Ms点を求める計算式を導出した。そ
の式は次の通りである。
Ms点(℃)=699.5−562.0×C%−7515.6×N% −46.1×Si%−20.3×Mn%−24.1×Ni%−35.8×Cr% また室温から100℃の温度範囲での熱膨脹係数を求め
た。第1表中にMs点と熱膨脹係数を示す。第1表中に示
すように本発明合金(試料No.10〜No.19)はNi含有量が
14〜18%とすくないにもかかわらず、22%Niを含有する
従来から使用されている合金(試料No.1)と同様に熱膨
脹係数が18×10-6cm/cm・℃以上と大きい。しかしなが
らNi含有量が14〜18%とすくない場合でもMs点(計算
値)が0℃より高い比較合金(試料No.3,4,5,8および
9)の熱膨脹係数は18×10-6cm/cm・℃以下と小さい。
またMs点(計算値)が−188℃より低い比較合金(試料N
o.2,6および7)の熱膨脹係数は18×10-6cm/cm・℃より
小さい。
た。第1表中にMs点と熱膨脹係数を示す。第1表中に示
すように本発明合金(試料No.10〜No.19)はNi含有量が
14〜18%とすくないにもかかわらず、22%Niを含有する
従来から使用されている合金(試料No.1)と同様に熱膨
脹係数が18×10-6cm/cm・℃以上と大きい。しかしなが
らNi含有量が14〜18%とすくない場合でもMs点(計算
値)が0℃より高い比較合金(試料No.3,4,5,8および
9)の熱膨脹係数は18×10-6cm/cm・℃以下と小さい。
またMs点(計算値)が−188℃より低い比較合金(試料N
o.2,6および7)の熱膨脹係数は18×10-6cm/cm・℃より
小さい。
第1表のデータよりMs点(計算値)と熱膨脹係数との
関係を求めた結果を第1図に示す。
関係を求めた結果を第1図に示す。
Ms点(計算値)が−180〜0℃の場合に18×10-6cm/cm
・℃を超える高い値を示している。即ちNi含有量をすく
なくしてMs点(計算値)を−180〜0℃にすることによ
って高い熱膨脹特性を有する合金を得ることができる。
・℃を超える高い値を示している。即ちNi含有量をすく
なくしてMs点(計算値)を−180〜0℃にすることによ
って高い熱膨脹特性を有する合金を得ることができる。
以上述べたように、本発明は高膨脹特性を有する合金
をNi含有量をすくなくして、従来より安価に提供するこ
とができるため、温度補償部品用材料等により一層の汎
用化が可能であり産業の発展 に貢献することができる。
をNi含有量をすくなくして、従来より安価に提供するこ
とができるため、温度補償部品用材料等により一層の汎
用化が可能であり産業の発展 に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はFe−Ni系合金の熱膨脹係数(室温〜100℃)とM
s点との関係を示す。
s点との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 錬 山口県新南陽市大字富田4976番地 日新 製鋼株式会社周南研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−209381(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】Ni:14〜18% Cr:10%以下 C :0.5%以下 Mn:4%以下 Si:1%以下 N :0.05%以下 残部Fe及び不可避的不純物からなる合金で次式 Ms点(℃)=699.5−562.0×C%−7515.6×N% −46.1×Si%−20.3×Mn%−24.1×Ni%−35.8×Cr% で定義されるMs点が−180〜0℃を満足する安価な高膨
脹合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16264389A JP2733787B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 高膨張合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16264389A JP2733787B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 高膨張合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0331446A JPH0331446A (ja) | 1991-02-12 |
JP2733787B2 true JP2733787B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=15758522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16264389A Expired - Fee Related JP2733787B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 高膨張合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2733787B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5680451B2 (ja) * | 2011-03-10 | 2015-03-04 | 日本冶金工業株式会社 | バイメタル用高熱膨張性Fe−Ni−Cr合金およびその溶製方法 |
-
1989
- 1989-06-27 JP JP16264389A patent/JP2733787B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0331446A (ja) | 1991-02-12 |
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Legal Events
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |