JP2733669B2 - 自動車用ブレーキの摩擦部材のための摩耗指示装置 - Google Patents

自動車用ブレーキの摩擦部材のための摩耗指示装置

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JP2733669B2 JP63181964A JP18196488A JP2733669B2 JP 2733669 B2 JP2733669 B2 JP 2733669B2 JP 63181964 A JP63181964 A JP 63181964A JP 18196488 A JP18196488 A JP 18196488A JP 2733669 B2 JP2733669 B2 JP 2733669B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は摩擦部材のための摩耗指示装置、特に自動車
用ディスクブレーキ又はドラムブレーキの摩擦部材に装
着されるように設計された摩耗指示装置に関するもので
ある。
このような摩耗指示装置は周知であり、摩耗面に直角
な方向における摩擦部材のライニングの厚さが制動の能
力及び信頼性を容認できないような所定値以下となった
場合に、導体を車両に接地することにより作動する。車
両の車輪に回転方向に関しては固定されたブレーキの金
属製ディスク又はドラムによって導体保護用スリーブを
摩滅させ、そして導体をこのディスク又はドラムに接触
させることにより、通常この接地が行われる。導体の接
地に感応する電気回路が導体を通る電流の流れを制御
し、この電流は警告灯を点灯させることとなる。この信
号は、摩擦部材が摩耗し交換を要することを車両の使用
者に知らせる。
接地が行われるまでは電流は摩耗指示装置を通って流
れることはできないので、摩擦部材が摩耗限界に達する
以前には電気回路及び警告灯の適正な機能を検査するこ
とが不可能である。この不具合を解消するために、或る
摩耗指示装置では、導体がループを形成していて、摩擦
部材が摩耗限界に達した時にこのループが切断されるよ
うに設計されている。このループが切断される以前のい
かなる時点においてもループの導通性を検査することが
できる。
従って、本発明の目的は、摩擦部材が摩耗限界に達し
た時にループを完全に切断することが保証され、しか
も、容易且つ確実に接地できるとともに安価に製作でき
るようにした摩耗指示装置を提供することにある。
本発明の目的は、ブレーキの一部を構成する回転部材
による摩滅のため摩擦部材が所定値以下の厚さになった
時に導体がこの回転部材に係合されるように摩擦部材に
装着され、摩擦部材の最大許容摩耗量に相当する平面に
おいて導体が切断される摩耗指示装置において、前記導
体は回転部材の回転軸に平行な方向に配置され、絶縁ケ
ーシングによって保護された導電性のコアと、前記絶縁
ケーシングを囲繞する導電性のスリーブとから成る同軸
ケーブルで構成され、前記導電性のコアと前記導電性の
スリーブは、該スリーブの露出部分を囲繞し且つ該コア
の露出部分に接触する導電性のソケットによって互いに
接続されていることを特徴とする、自動車用ブレーキの
摩擦部材のための摩耗指示装置によって達成される。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳
細に説明する。
本発明による摩耗指示装置を示す第１図において、総
括的に符号１で示す摩耗指示装置は自動車用ブレーキの
摩擦部材のライニング支持板２に固定される。下記説明
において、本発明をディスクブレーキと関連した実施例
について記載する。しかし、本発明はドラムブレーキ用
摩擦部材にも適用できることが明白である。
摩耗指示装置１は、ライニング支持板２に支持されて
いる摩擦ライニングから離れた部分において該板に穿設
された穴３を貫通する。本発明によると、摩耗指示装置
は、コア４とスリーブ５との２つの同心の電線で作られ
た同軸ケーブルの形態をなす導体を包含する。ソケット
６のような連結部材がコア４とスリーブ５とを電気的に
接続する。ソケットは導電材料で作られ、この材料は、
本発明による摩耗指示装置を嵌着した摩擦部材を装備す
るディスクブレーキのディスクに連結部材が接触した際
に摩滅するに十分軟かい（例えば亜鉛から成る）。ソケ
ット６は、ライニング支持板２に定位置に設置された
後、ディスクの回転平面に平行なその内面6aが摩擦部材
のライニングの最小許容厚さに一致する距離Ｄをライニ
ング支持板２の隣接面から離れるような形状をなしてい
る。
従って、ブレーキ作動の繰返しによりこのライニング
が摩耗した後、ブレーキディスクがソケット６の端部に
接触するようになる。単なる一例として与えられた摩耗
指示装置の実施例によると、電線4,5が接地され、これ
ら電線に接続された適宜の電気回路によって制御される
警告灯がブレーキ作動期間中だけ点灯して、ライニング
が摩耗したことを合図する。周期的な警告にかかわらず
摩耗指示装置の摩耗が継続した場合、ソケット６の端部
が完全に摩滅する（ディスクがライニング支持板２から
距離Ｄを離れた状態となる）時点がくる。この時点で
は、コア４と電気的に接触状態にありソケットの一部を
構成する中央接触チップ７がソケットの他の部分から切
断されるため、ソケット６はもはやコア４とスリーブ５
とを接続しなくなる。摩耗指示装置の電線4,5に接続さ
れた電気回路はこの状態を感知して、例えば警告灯を常
時付勢することにより信号の発信をトリガする。従っ
て、車両の運転者は、摩擦部材が摩耗限界に達し交換し
なければならないことを警告されるのである。
第１図の摩耗指示装置のソケット６は、良好な電気的
接触を得るようにスリーブ６の露出部分９に圧着させる
円筒状部分８を具えている。チップ７は内部絶縁ケーシ
ング10のような被覆内に埋設されて、このケーシング10
によって保護された導電性コア４との良好な電気的接触
を確保する。他の外部絶縁ケーシング11が同軸ケーブル
全体を確実に保護する。
第２図は第１図の摩耗指示装置をライニング支持板２
に装着する作業を示す。ブッシュ12は割ブッシュ又は半
割ブッシュで、同軸ケーブル上に嵌め込まれ、摩耗指示
装置のソケット６が穴３に挿入される。これらの部材は
略第２図に示す位置にあり、ブッシュ12はその変形によ
り穴３内に圧入される。一度ブッシュが穴３内に固定さ
れてその端部フランジ13,14がライニング支持板２の両
面に係止すると、同軸ケーブルが矢印Ｆ方向に引張られ
てソケット６をブッシュ12内に固定する。
ソケット６は環状溝15を形成され、この溝は、フラン
ジ13近傍の底部に整合してブッシュ12の中央孔内に形成
された環状突出部16と協働するようになっている。第１
図及び第２図に示すように、ソケット６とブッシュ12は
自動締り式の補形的なテーパ形状を有する。この突出部
16がソケットの溝15に入り込むと同軸ケーブルは引張ら
れることはなく、この突出部と溝との相互作用はライニ
ング支持板２に対する摩耗指示装置の正確な位置を設定
する。
本発明による摩耗指示装置の他の実施例が第３図ない
し第７図に示されている。これらの図において、第１図
の摩耗指示装置のものと同等の部材又は構成要素には同
一符号に「′」又は「″」を付してあり、従って下記に
おいてはこれらの説明はなされていない。
第３図及び第４図の摩耗指示装置は第１図のものと同
じ型のものである。第３図において、割リング17がソケ
ット６とブッシュ12にそれぞれ設けられた２つの環状溝
と協働して、ソケットをこのブッシュ内に固定するとと
もに、ソケットの最終作動位置、特にディスクブレーキ
のディスクによる摩擦作用のもとで摩耗するソケットの
端部の最終作動位置を設定する。
第４図において、ソケット６とブッシュ12にそれぞれ
形成された雄と雌の２組の環状隆起部18は、第３図の摩
耗指示装置の割リング17の一部及び対応する溝、あるい
は第２図の摩耗指示装置の環状溝15及び環状突出部16の
役目を果す。
第３図及び第４図において、ライニング支持板２に指
示された摩擦ライニング19の一部が示されている。これ
らの図から明らかなように、摩耗指示装置はライニング
19を支持する区域から離れた区域でこの板に装着されて
いる。しかし、ライニングによって覆われたライニング
支持板の部分に摩耗指示装置を配置するとともにこの指
示装置のための設置穴をライニングに穿設することは、
本発明の範囲から逸脱するものではない。
再び第３図及び第４図において、摩耗指示装置のソケ
ット６と導電性コア４とを接触させる他の装置が示され
ている。この装置は、絶縁ケーシング10内に埋設されて
このコア４と接触する中央突起７′を有する。この突起
７′は第１図の摩耗指示装置におけるソケットのチップ
７の一部の役目を果す。
本発明による摩耗指示装置の密接に関連する他の３つ
の実施例が第５図ないし第７図に示されている。基本的
には、これらの実施例は、摩耗指示装置をライニング支
持板に固定するように第１図ないし第４図における摩耗
指示装置のブッシュ12の一部の役目を果す外装用ケーシ
ングを備えている点で、第１図ないし第４図の実施例と
は異なる。
第５図において、図示の摩耗指示装置はスリーブ５の
露出部分に21で圧着されたソケット６′を包含し、この
ソケットは端部に軸方向の穴22を穿設され、本発明によ
る摩耗指示装置に用いられる同軸ケーブルの導電性コア
４の露出部分が穴22を貫通する。穴22でのはんだ接続が
コア４とソケット６′との電気的接続を完全にする。
第６図において、コア４の露出部分は同軸ケーブルの
絶縁ケーシング上で折り返され、コア４とスリーブ５と
の電気的接続は21′で圧着された金属ブッシュの形態を
なすソケット６″によって確保される。この実施例で
は、同軸ケーブルの端部上に折り返されたコア４の部分
４′が摩滅することにより、電気回路（4,5）が開いて
ライニングの摩耗限界が感知されることとなる。
第７図において、第５図の実施例の変形例が示されて
おり、ソケット６の端部23は略半円形で、コア４の露
出端部を穴にではなく、このソケットの端部に形成され
たスロットに挿入できるようにしている。これにより、
ソケットへのコアの挿入が容易となる。
第５図ないし第７図の実施例に関し、コアとスリーブ
とを電気的接続するようにソケットが同軸ケーブル上に
嵌装されると、これらの図に示した部品の配置でもっ
て、プラスチック製のケーシング20がソケット及び同軸
ケーブルの端部上にモールド成形される。ケーシング20
は、ライニングの摩耗限界において摩耗指示装置の端部
をライニング支持板２の隣接面から離す距離Ｄを設定す
るために、ライニングを備えていない側のライニング支
持板２の面に当接する環状当接部26のような当接装置を
包含する。
第５図ないし第７図の摩耗指示装置は、ブッシュ12の
ような割ブッシュの使用を必要としないので、第１図な
いし第４図のものに比べ設置が容易である。
第５図ないし第７図のいずれかの摩耗指示装置を、こ
れを受容するように設けられた穴内に挿入するだけで十
分である。それから、摩耗指示装置は止め輪24のような
保持装置によって固定され、止め輪はケーシング20に一
体的に成形された環状溝25に挿入される（第５図及び第
７図）。第６図に示す他の方法によると、この止め輪と
環状溝は撓み可能な環状段部24′に置換されており、こ
の段部はライニング支持板の穴３を通して圧入されて、
この穴からの摩耗指示装置の脱落を防止する。
従って、本発明によると、他の用途においては周知の
同軸ケーブルを利用してループ型あるいは「２芯電線」
を備えた摩耗指示装置を製作でき、コアとスリーブが本
発明による摩耗指示装置内に組込まれているにもかかわ
らず、互いに完全に絶縁されている。従って、このよう
にして得られた摩耗指示装置は、構造が簡単で安価に製
作でき、しかも、使用する同軸ケーブルが軸方向に対称
であることにより装置全体を対称的な構造のものとし、
自動車用ブレーキの摩擦部材のライニング支持板に設け
られた円形穴に固定するのに非常に都合がよいため、設
置が容易である。更に、本発明による摩耗指示装置のソ
ケットは電線よりも柔らかい材料で作られていて、摩擦
部材が摩耗限界まで摩耗した際に摩耗指示装置の導体を
切断するのを容易にしている。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明による摩耗指示装置の一実施例を示す軸
方向断面図、第２図は第１図の摩耗指示装置を自動車用
ブレーキの摩耗部材のライニング支持板に装着する作業
を示す分解断面図、第３図ないし第７図はそれぞれ本発
明による摩耗指示装置の他の異なる実施例を示す軸方向
断面図である。 １……摩耗指示装置、２……ライニング支持板、3,22…
…穴、４……コア、５……スリーブ、6,6′,6″,6…
…ソケット、７……チップ、７′……中央突起、10……
内部絶縁ケーシング、11……外部絶縁ケーシング、12…
…ブッシュ、15,25……環状溝、16……環状突出部、17
……割リング、18……環状隆起部、19……摩擦ライニン
グ、20……ケーシング、21,21′……圧着部、24……止
め輪、24′……環状段部、26……環状当接部。

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ブレーキの一部を構成する回転部材による
    摩滅のため摩擦部材が所定値以下の厚さになった時に導
    体がこの回転部材に係合されるように摩擦部材に装着さ
    れ、摩擦部材の最大許容摩耗量に相当する平面において
    導体が切断される摩耗指示装置において、前記導体は回
    転部材の回転軸に平行な方向に配置され、絶縁ケーシン
    グ（10）によって保護された導電性のコア（４）と、前
    記絶縁ケーシング（10）を囲繞する導電性のスリーブ
    （５）とから成る同軸ケーブルで構成され、前記導電性
    のコア（４）と前記導電性のスリーブ（５）は、該スリ
    ーブの露出部分を囲繞し且つ該コアの露出部分に接触す
    る導電性のソケット（6,6′,6″,6′″）によって互い
    に接続されていることを特徴とする、自動車用ブレーキ
    の摩擦部材のための摩耗指示装置。
  2. 【請求項２】前記ソケット（６′,6″,6′″）はプラス
    チック材料でモールド成形されたケーシング（20）内に
    埋設され、このケーシングは摩擦部材上での摩耗指示装
    置の軸方向位置を設定する当接装置（26）を備えている
    ことを特徴とする請求項１記載の摩耗指示装置。
  3. 【請求項３】摩擦部材のライニング支持板（２）に穿設
    された穴（３）内に装着されるようになっている請求項
    ２記載の摩耗指示装置において、前記当接装置は、摩耗
    指示装置が突出する面とは反対側におけるライニング支
    持板（２）の面に対して圧接される環状当接部（26）か
    ら成ることを特徴とする摩耗指示装置。
  4. 【請求項４】前記当接装置によって設定される軸方向位
    置に摩耗指示装置を固定する保持装置を備えていること
    を特徴とする請求項３記載の摩耗指示装置。
  5. 【請求項５】前記保持装置は前記ケーシング（20）に設
    けられた環状溝（25）内に収容される止め輪（24）から
    成ることを特徴とする請求項４記載の摩耗指示装置。
  6. 【請求項６】前記保持装置は前記ケーシングと一体的に
    成形された撓み可能な環状段部（24′）から成ることを
    特徴とする請求項４記載の摩耗指示装置。
  7. 【請求項７】前記ソケット（６′,6″,6′″）と前記ス
    リーブ（５）の露出部分は圧着部（21,21′）によって
    確実に接触することを特徴とする請求項１ないし６のい
    ずれか１項に記載の摩耗指示装置。
  8. 【請求項８】前記ソケットは、前記コアとの電気的接触
    を確保するように前記コア（４）の露出部分が貫通する
    穴（22）を有することを特徴とする請求項７記載の摩耗
    指示装置。
  9. 【請求項９】前記コアの露出部分は前記スリーブの露出
    部分に接触するように前記絶縁ケーシング（10）に対し
    て折り返され、前記ソケット（６″）は前記スリーブと
    前記コアとの電気的接触を確保するように圧着されるブ
    ッシュの形態をなすことを特徴とする請求項７記載の摩
    耗指示装置。
  10. 【請求項１０】摩擦部材のライニング支持板（２）に穿
    設された穴（３）内に装着されるようになっている請求
    項１記載の摩耗指示装置において、前記ソケット（６）
    を穴（３）内に掴持固定するブッシュ（12）を備えてい
    ることを特徴とする摩耗指示装置。
  11. 【請求項１１】前記ソケット（６）と前記ブッシュ（1
    2）は自動締り式のテーパ形状を有することを特徴とす
    る請求項10記載の摩耗指示装置。
  12. 【請求項１２】穴（３）内での摩耗指示装置の軸方向位
    置は、前記ソケット（６）と前記ブッシュ（12）あるい
    は前記ブッシュと前記ソケットにそれぞれ形成された環
    状溝（15）と環状突出部（16）によって設定されること
    を特徴とする請求項10又は11記載の摩耗指示装置。
  13. 【請求項１３】穴（３）内での摩耗指示装置の軸方向位
    置は、前記ブッシュと前記ソケットにそれぞれ形成され
    た溝と協働する割リング（17）によって設定されること
    を特徴とする請求項10又は11記載の摩耗指示装置。
  14. 【請求項１４】穴（３）内での摩耗指示装置の軸方向位
    置は、前記ブッシュと前記ソケットにそれぞれ形成され
    た２組の環状隆起部（18）によって設定されることを特
    徴とする請求項10又は11記載の摩耗指示装置。
  15. 【請求項１５】前記ブッシュは穴（３）内への挿入を容
    易にするように割ブッシュであることを特徴とする請求
    項10ないし14のいずれか１項に記載の摩耗指示装置。
  16. 【請求項１６】前記ソケットは前記コアとの電気的接触
    を確保するチップ（7,7′）を備えていることを特徴と
    する請求項10ないし15のいずれか１項に記載の摩耗指示
    装置。
  17. 【請求項１７】前記チップ（７）は前記ソケットに付設
    されることを特徴とする請求項16記載の摩耗指示装置。
  18. 【請求項１８】電気試験及び警告回路への電気接続装置
    を備えていることを特徴とする請求項１ないし17のいず
    れか１項に記載の摩耗指示装置。
  19. 【請求項１９】請求項１ないし18のいずれか１項に記載
    の摩耗指示装置を備えてなる自動車用ディスクブレーキ
    又はドラムブレーキの摩擦部材。
JP63181964A 1987-07-24 1988-07-22 自動車用ブレーキの摩擦部材のための摩耗指示装置 Expired - Lifetime JP2733669B2 (ja)

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